JP2010036515A - 樹脂モールド装置および樹脂モールド方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で容易、かつ正確にエアベント部の開口度の調整が行える樹脂モールド装置を提供する。
【解決手段】上下金型12、14が型閉じされる際、クランパー30とエアベントピン38とが相対的に移動し、上下金型12、14が中途まで型閉じされた際には、エアベントピン38がエアベント溝35を完全には閉止せず、エアベントを可能にし、上下金型12、14の型閉じ完了直前に、エアベントピン38がエアベント溝35を閉止して樹脂がエアベント溝35から外部に漏れるのを防止することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に液状樹脂等の粘度の低い樹脂によるモールドに好適な樹脂モールド装置および樹脂モールド方法に関する。
半導体装置等を樹脂モールドする樹脂モールド装置では、ボイドや樹脂の充填不良の発生を防止するために、キャビティ内のエアを排出するためのエアベント機構が重要となる。
通常、このエアベント機構は、金型のパーティング面にエアベント溝を形成し、樹脂注入時にこのエアベント溝を通じてキャビティ内のエアを外部に排出できるようにしている。しかしながら、液状樹脂等の粘度の低い樹脂の場合には、エアベント溝から樹脂が漏れ出てしまうという不具合がある。そのため、エアベント溝の深さを、樹脂の種類に応じて、試行錯誤により5μm〜3μmなどという極めて浅いものに調整し、しかも、吸引装置によりキャビティ内のエアを吸引して排出するシステムを併用してエアベントを行うことが試みられている。しかしながら、エアベント溝の深さを5μm〜3μmなどという浅いものに設定した場合には、吸引装置によるエアの吸引、排出に長時間を要するばかりか、液状樹脂の場合には、やはり樹脂漏れが完全には防止できないという課題がある。
この点、特許文献1には、エアベント部(溝)の開口度を調整する開口度調整手段を設けたものが開示されている。具体的には、エアベント部に可動ピンを上下動自在に設けて、この可動ピンによりエアベント部(溝)の開口度を調整するようにしている。可動ピンの駆動は、油圧シリンダ、電動サーボ手段、ソレノイド等の上下動手段によって行う。
特開平10−92853号公報
特許文献1に示す樹脂モールド装置によれば、樹脂注入操作の初期から中期の段階ではエアベント部を大きく開放して、エアの排出を容易にし、樹脂注入操作の終期にはエアベント部の開口部を最小にするようにしているので、樹脂漏れを解消できる。
しかしながら、この特許文献1に示すものでは、樹脂材料の注入状態、例えば注入量、注入圧力、プランジャーの動作位置等に応答して、可動ピンを駆動、制御するようにしているので、この制御、駆動系のシステム設計が極めて厄介で、しかも正確な制御が困難であるという課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、比較的簡単な構成で容易、かつ正確にエアベント部の開口度の調整が行える樹脂モールド装置および樹脂モールド方法を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂モールド装置は、上下金型のうちの一方の金型に上下動可能にスプリングによって弾床されて該一方の金型面に突出するクランパーを有し、上下金型が前記スプリングの付勢力に抗してクランパーを押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパーによって囲まれるキャビティが形成され、該キャビティ内に供給される樹脂を上下金型によって圧縮して、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記クランパー面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、該エアベント溝が位置する部位のクランパーを上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、上下金型が型閉じされる際、前記クランパーとエアベントピンとが相対的に移動し、上下金型が中途まで型閉じされた際には、前記エアベントピンがエアベント溝を完全には閉止せず、エアベントを可能にし、上下金型の型閉じ完了直前に、エアベントピンがエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂モールド装置は、ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されているキャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記上下金型のうちの一方の金型の面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、該エアベント溝が位置する部位の前記一方の金型を上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、前記貫通孔内に挿通され、前記プランジャーと共に上下動して、上動または下降した際に前記エアベントピンを突き上げ、エアベントピンによりエアベント溝を閉止させる突き上げピンが設けられ、前記プランジャーが上昇または下降して、樹脂をキャビティ内に送り込み、前記エアベント溝を通じてキャビティ内のエアを外部に排出すると共に、プランジャーが所要位置まで上昇または下降した際、前記突き上げピンにより前記エアベントピンを突き上げ、エアベントピンによってエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂モールド装置は、 ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されているキャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記ゲート部と対向する側のキャビティの壁部が上下動可能の可動壁に設けられ、前記上下金型のうちの一方の金型を上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置されると共に、前記可動壁に連結され、常時は該可動壁と金型面との間にエアベント用の隙間があくようになされ、上動または下降した際に可動壁が金型面に密着して前記隙間を閉じさせるエアベントピンが設けられ、該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、前記貫通孔内に挿通され、前記プランジャーと共に上下動して、上動または下降した際に前記エアベントピンを介して前記可動壁を突き上げる突き上げピンが設けられ、前記プランジャーが上昇または下降して、樹脂をキャビティ内に送り込み、前記金型面と可動壁との間の隙間を通じてキャビティ内のエアを外部に排出すると共に、プランジャーが所要位置まで上昇または下降した際、前記突き上げピンにより前記可動壁を突き上げ、該可動壁により前記隙間を閉止して樹脂がキャビティ外部に漏れるのを防止することを特徴とする。
また本発明に係る樹脂モールド装置は、上下金型のうちの一方の金型に上下動可能にスプリングによって弾床されて該一方の金型の金型面に突出するクランパーを有し、上下金型が前記スプリングの付勢力に抗してクランパーを押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパーによって囲まれるキャビティが形成され、ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されている前記キャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記クランパー面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、該エアベント溝が位置する部位のクランパーを上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、上下金型が型閉じされる際、前記クランパーとエアベントピンとが相対的に移動し、上下金型が中途まで型閉じされた際には、前記エアベントピンがエアベント溝を完全には閉止せず、エアベントを可能にし、上下金型の型閉じ完了直前に、エアベントピンがエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする。
本発明に係る樹脂モールド方法は、上記樹脂モールド装置を用いて、樹脂モールドするものである。
また本発明に係る樹脂モールド装置は、一方の金型および他方の金型を有する上下金型を備えて、型閉状態において前記一方の金型および前記他方の金型内に形成されるキャビティに樹脂を充填してワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置であって、前記一方の金型に対向させて設けられて該一方の金型に接近するように駆動することで該上下金型に供給された樹脂を変形させて該上下金型のキャビティ内に充填させる駆動部と、前記一方の金型および前記他方の金型のパーティング面において少なくともいずれかの金型に形成されて前記キャビティと外部との間を溝状に連通するエアベント溝と、該エアベント溝が位置する平面位置において前記他方の金型の前記パーティング面側から所定深さで形成された摺動孔に上下動自在に配置されて一端部が前記エアベント溝に向けられた可動部材と、前記可動部材の他端部側と前記駆動部との間に設けられた弾性部材とを備え、前記駆動部の接近動作により前記弾性部材を介して前記可動部材を前記一方の金型側に接近させ、該可動部材の前記一端部を前記エアベント溝側に突出させて該エアベント溝を塞ぐことを特徴とする。
本発明によれば、樹脂注入操作の初期から中期の段階ではエアベント部を大きく開放して、エアの排出を容易にし、樹脂注入操作の終期にはエアベント部を閉止するようにしているので、樹脂漏れを解消できる。また、このエアベント部の開閉を金型の開閉動作あるいはプランジャーの上下動動作に機械的に連動して行うようにしているので、簡易な構成で、正確にエアベントを行うことができる。
以下本発明に係る樹脂モールド装置の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、圧縮成形式の樹脂モールド装置10の一例を示す部分断面図である。
12は本発明における「一方の金型」に相当する上金型、14は本発明における「他方の金型」に相当する下金型であり、図示しない型締め機構によって型開閉される。
上金型12は、上金型ベース16、チエイス17、インサート18の金型部材(ブロック)を有し、チエイス17とインサート18とはボルト(図示せず)で一体化され、上金型ベース16に着脱可能となっている。
インサート18の下面側には、半導体装置等のワーク20が吸着保持されるようになっている。21はその吸着保持装置であり、インサート18下面に開口する吸引路22を有し、インサート18下面側に負圧吸引力を及ぼし、この負圧吸引力によってワーク20がインサート18下面側に吸着保持される。なお、インサート18の下面は梨地面に形成され、その周辺部は鏡面に形成されていて、梨地面に吸引力が及び、ワーク20が吸着保持されるようになっている。23は、ワーク20の位置決めをするガイドピンである。
下金型14は、下金型ベース24、チエイス25、インサート26を有し、チエイス25とインサート26とはボルト27で一体化され、下金型ベース24と一体に組み立てられ、図示しないモールドベースユニットに着脱可能となっている。なお、本実施形態では、これらの金型部材が、上金型12に対向させて設けられて上金型12に接近するように駆動することで、供給された樹脂を変形させてキャビティ内に充填させる本発明の「駆動部」として機能する。この場合、駆動部の座標(上下方向における位置)がキャビティ内の樹脂充填率に相当する。30はクランパーであり、インサート26を囲んで上下動可能に、スプリング31によって下金型ベース24に弾床されている。具体的には、スプリング31が、クランパー30下面に固定されたボルト32の頭部32aと下金型ベース24との間に弾装され、頭部32aがチエイス25下面に当接することによって、クランパー30の上動が規制され、クランパー30の下面がチエイス25の上面に当接することによってクランパー30の下降が規制される。これにより、クランパー30は、チエイス25に対し、図1においてpの範囲で上下動可能となっている。
上下金型12、14がスプリング31の付勢力に抗してクランパー30を押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパー30によって囲まれてこれらの部材の内部にキャビティ33が形成される。そして、該キャビティ33内に供給される樹脂34を上下金型12、14によって圧縮して、上記のように、インサート18の下面に保持され、キャビティ33にセットされたワーク20を樹脂モールドするようになっている。この樹脂34には、シリコン樹脂、ポリイシド樹脂、アクリル樹またはエポキシ樹脂といった各種の樹脂を、板状樹脂、粉砕した顆粒樹脂または液状樹脂といった各種の形態で供給することができる。
クランパー30上面に、キャビティ33内の空気を外部に逃がすエアベント溝35が設けられている。なお、この「外部」とは、樹脂モールド装置10の外部のみならずキャビティ33の外側の領域を示す。図2は、エアベント溝とエアベントピンの配置例を示す説明図である。同図では、本実施形態におけるエアベント溝35とエアベントピン38の配置例を概念的に図示すると共に(図2(A))、従来のエアベントピンなしの構成例における配置例も概念的に図示する(図2(B))。図2に示すいずれの配置例においても、エアベント溝35は、図示の例では、キャビティ33の4隅に1個ずつと、中央部に2個の6個所設けられている。エアベント溝35の深さは、キャビティ33内のエアを外部に排出し易くすることでスムーズに真空引きできるように、一例としては0.5mm〜0.6mm程度とすることが特に好ましいが、例えば0.1mm〜1.0mmの範囲内に設定するのが好ましい。ただし、上述の条件が満足されるのであればエアベント溝35の深さはこの範囲よりも浅くても深くてもよいのは勿論である。
図2(A)に示す本実施形態の各エアベント溝35が位置する部位には、図2(B)に示す従来の構成例とは異なり、クランパー30を上下に貫通する貫通孔36が設けられている。この貫通孔36にエアベントピン(本発明における「可動部材」に相当)38が上下動自在にその一端部がエアベント溝35に向けられて設けられている(図1)。この場合、この貫通孔36は、本発明における「摺動孔」に相当し、エアベント溝35が位置する平面位置においてクランパー30の上面(パーティング面)側から所定深さで形成されている。エアベントピン38は、図3(A)に示すようにエアベント溝35を遮る位置に設けてもよく、図3(B)に示すようにそれ自体が貫通孔36に引き込まれた状態においてエアベント溝35を構成する構成としてもよい。また、エアベントピン38は、図3(A)に示すように断面が円形でも、あるいは図3(B)に示すように矩形であってもよく、その形状は特に限定されない。いずれにしても、エアベントピン38は、上動してその上端が剥離用フィルム37(図1)を介してワーク20あるいはインサート18の下面に当接した際は、エアベント溝35を閉止し(閉じ)、下降した際はエアベント溝35を開放するようになっている。
エアベントピン38の下端(本発明における「他端部」に相当)にはフランジ38aが設けられ、このフランジ38a下面と下金型ベース24との間に、本発明における「弾性部材」の一例である閉止スプリング39が弾装され、フランジ38a上面とチエイス25との間に、閉止スプリング39よりもスプリング力の弱いリターンスプリング40が弾装されている。リターンスプリング40は、エアベントピン38を型開き時に当初位置に戻すことを目的として設けている。エアベントピン38は、閉止スプリング39からの力とリターンスプリング40からの力とが釣り合った位置で静止しており、常時(通常時)はこの位置で、エアベント溝35を開放する位置にある。なお、この「常時」とは、エアベントを可能にしている期間をいい、一例として上下金型12、14の型閉じ完了直前から型開きまでの間の一時的な型閉じ期間を除く期間をいう。
上述の各スプリングには図示したようにコイルスプリングを用いるのが好適であるが本発明はこれに限定されるものではない。なお、エアベントピン38をその自重で下降させてもよく、リターンスプリング40は必ずしも設けることを要しない。この場合、例えばボルト32と同じように1つのスプリングだけ弾装したような構成を採用することもできる。また、金型の組立て易さではリターンスプリング40を用いる構成には及ばないものの、下金型ベース24においてこのスプリングの収容空間における上面に閉止スプリング39の一端部を固定すると共にフランジ38aの下面に他端部を固定すればリターンスプリング40を設置した場合と同等の効果を得ることができる。
本実施の形態では、キャビティ33内およびその周辺のクランパー30上面に、剥離用フィルム37が配置された状態で樹脂34の圧縮成形がなされる。
剥離用フィルム37とキャビティ33の底面との間は、吸引装置42によりエアが吸引され、これにより剥離用フィルム37がキャビティ33底面に密着した状態で圧縮成型がなされる。なお、クランパー30の上面の、エアベント溝35よりも外方の位置に、周溝43が形成されており、剥離用フィルム37はこの周溝43底面にも密着される。44は、周溝43内に負圧吸引力を及ぼすための吸引孔である。
本実施の形態は上記のように構成されている。
以下その動作をモールド方法と共に説明する。
樹脂34は、熱硬化性樹脂が用いられ、上下金型12、14は図示しないヒーターによって加熱されている。
まず、上下金型12、14が型開きされた状態において、上金型12にワーク20を吸着させると共に、下金型14上に剥離用フィルム37を張設して樹脂34を供給する。続いて、例えば下金型14を上動させて上下金型12、14同士を接近させることで、クランパー30の上面をインサート18の下面に剥離用フィルム37を介して当接させて型閉じを行う。図1は、上下金型12、14の型閉じ初期の段階を示す。すなわち、上下金型12、14がスプリング31の付勢力に抗しつつ型閉じが行われ、クランパー30の上面がインサート18の下面(図1ではワーク20の下面)に剥離用フィルム37を介して緩く当接した状態である。これにより、キャビティ33が形成され、キャビティ33内に供給されている樹脂34の圧縮(充填)が開始される。そして、これにより、樹脂34の充填に伴って外側に向けて追い出されていくキャビティ33内のエアはエアベント溝35を通じて外部に徐々に排出される。すなわち、この段階では、図1に示すように、エアベント溝35はエアベントピン38によってほとんど閉じられていない。
上下金型12、14が、スプリング31の付勢力に抗してさらに型締めされた、型締め中途の段階が図4に示された状態である。この段階では、本実施形態における駆動部が上金型12に更に接近するため、クランパー30がエアベントピン38の他端部に対して相対的に接近する方向に移動して(エアベントピン38が上動)、エアベントピン38の一端部がクランパー30のパーティング面を通過して上金型12側に接近することとなる。これにより、エアベントピン38が剥離用フィルム37に緩く当接した状態となる。チエイス25上面とクランパー30下面との間隔はqとなる。エアベントピン38は、閉止スプリング39を介して下金型ベース24に押動させられており、上下からリターンスプリング40および閉止スプリング39によって受けられているので、剥離用フィルム37に弾性的に当接し、剥離用フィルム37を突き破るようなことはない。
なお、この段階でも、エアベントピン38が剥離用フィルム37を介してワーク20に緩く当接している状態であるから、キャビティ33内のエアは、エアベント溝35あるいは剥離用フィルム37とワーク20との間より外部に排出可能である。
上下金型12、14が、スプリング31の付勢力に抗してさらに強く型締めされた、型締め終期(型閉じ完了直前)の段階が図5に示された状態である。この最終段階では、クランパー30がエアベントピン38に対してさらに相対的に接近する方向に移動し、エアベントピン38が閉止スプリング39の作用により剥離用フィルム37を介してワーク20に強く当接した状態となる。チエイス25上面とクランパー30下面との間隔はrとなり上述した間隔p、qと比較してかなり狭められた状態となる。これにより、エアベントピン38はその一端部が強い押圧力でエアベント溝35側により突出することになりエアベント溝35を完全に閉止し(閉じ)、また、クランパー30も剥離用フィルム37をワーク20下面に強く押圧する状態となるから、キャビティ33は完全に密閉される状態となり、圧縮成形圧がキャビティ33内に及び、樹脂34を圧縮した状態で熱硬化させることによって圧縮成形が完了する。このように、エアベント溝35がエアベントピン38によって全開状態から徐々に閉止され(開口度が小さくされ)ていき、閉止後も徐々にエアベントピン38による押圧力が上昇していくというアナログ的な閉止が可能となっている。なお、キャビティ33内のエアは、図4の段階でほぼ完全にキャビティ33外に排出されているから、ボイドの発生や樹脂34の未充填部位が生じるようなことはない。続いて、型開きをする際には、エアベントピン38は当接状態が解除されて自由な状態となるため、閉止スプリング39およびリターンスプリング40もそれぞれ当初の長さに復帰する(図1参照)。この場合、閉止スプリング39のみならずリターンスプリング40も用いてエアベントピン38を保持しているため、エアベントピン38を当初の位置に確実に戻すことができる。また、両スプリング39、40の長さおよび付勢力によって設定された位置にフランジ38aを復帰させることができるため、両スプリング39、40の長さや付勢力を異ならせることによってこの位置を容易に変更することができる。例えば、エアベント溝35の閉止タイミングを早くするためにフランジ38aの初期位置(復帰位置)を高くしたいときには、閉止スプリング39の長さを長くしたり、その付勢力を強くしたり、リターンスプリング40の長さを短くしたり、その付勢力を弱くしたりすればよい。同様に、エアベント溝35の閉止タイミングを遅くしたいときにはスプリングの長さや付勢力を上述した例の反対に設定すればよい。このように、汎用品のスプリングを設計変更するだけでエアベント溝35の閉止タイミングを容易に変更することができるため、エアベントピン38の長さや金型の形状を変更することなく仕様変更等に容易かつ簡易に対応することができる。
なお、本実施の形態では、エアベント溝35とエアベントピン38は上記のように6個設けられているが、中央側の2個のエアベントが先に行われて、中央側の2個のエアベント溝が先に閉じられ、次いで、隅部の4個のエアベント溝が閉じられるようにするのが好ましい。この場合、例えば中央側の閉止スプリング39の長さを長くすると共に隅部の閉止スプリング39の長さを短くすることができる。このような構成を採用することにより、キャビティ33の中央に樹脂34を供給する場合、エアがキャビティ33の隅部から最終的に排出されるので、エア残りが生じにくく、好適である。また、例えば中央側と隅部とで閉止スプリング39の長さを上述の例と反対にすることで、矩形のキャビティ33の対向する角部同士を繋ぐような2本の直線で構成されるX字状に樹脂34を供給する場合にも好適にエアベントできる。すなわち、樹脂34が達するまでの時間とエアベント溝35を閉止するまでの時間とを比例させるような構成を採用することが好ましい。
上記のように、本実施の形態では、上下金型12、14の型閉じに機械的に連動して、エアベントピン38がエアベント溝35を閉じるので、確実にキャビティ33内のエアを排出できる。特に、樹脂34が液状樹脂であっても、型閉じの初期や中途の段階では、上記のようにエアベントが好適になされ、型閉じの終期にキャビティが完全に密閉されることから、樹脂漏れが生じることがない。また、従来の樹脂モールド装置のように専用の駆動手段を設けずに、上下金型12、14の型閉じとエアベントピン38によるエアベント溝35の閉止とを機械的に連動して1つの駆動部によって実行させることができる。
なお、型閉じの中途の段階で多少の樹脂漏れがあったとしても、樹脂34は周溝43内に溜まるので、金型を汚染することがない。特に図4に示すように、周溝43の内側の位置が、ワーク20の外端よりも内側に位置するので毛管現象で樹脂がワーク20端面や金型表面に伝わることを防止できるから、金型を汚染することがない。
上記の実施の形態では、クランパー30機構、およびエアベントピン38の機構を下金型14の側に設けたが、上金型12の側にこれらの機構を設けてもよい。
また、剥離用フィルム37は必ずしも用いなくともよい。
図6は、圧縮成形式の樹脂モールド装置10のさらに他の実施の形態を示す。上記の実施の形態と同一の部材は同一の符合をもって示し、説明は省略する。
本実施の形態では、例えばウエハモールド用に用いられる構成であり、キャビティ33内のエアを吸引する吸引装置46を設けている。
この吸引装置46は、クランパー30に、周溝43内に通じる吸引路47を形成すると共に周溝43の周囲にシールリング72を配設し、この吸引路47を通じて、キャビティ33内のエアを吸引、排出することによって、キャビティ33内を減圧し、これによりエアベント効果をさらに高めることができる。上記のように、型閉じの初期および中途時には、エアベント溝35が閉じられていないので、十分に大きな深さ(例えば0.5mm)のエアベント溝35を介してエアベントできるため、キャビティ33内をスムーズかつ効果的に減圧することができる。また、型閉じ終期には、エアベント溝35が完全に閉じられるので、液状樹脂であっても、樹脂漏れを防止できる。本図に示すような圧縮成形式のときにはキャビティ33内の平面形状は、基板のモールドには矩形などの多角形が用いられ、ウェハモールドなどには円形が好適に用いられる。この場合、円形の場合には例えば360°を1以上の自然数で除した所定角度(例えば30°、60°、90°、120°、180°)ごとにエアベント溝35を設け同時に閉止する構成を採用することができる。
次に、図7〜図10は、トランスファ式の樹脂モールド装置50の場合の実施の形態を示す。
圧縮成形式の樹脂モールド装置10と同一の部材は同一の符合をもって示している。
このトランスファ樹脂モールド装置50も、その基本的構成は公知のものであり、ポット52内に供給された樹脂34をプランジャー54で押圧して、カル部55、ランナー部56、ゲート部57を通じて、上下金型12、14間に形成されているキャビティ33内に送り込み、キャビティ33に面するようにセットされたワーク20を樹脂モールドするものである。本実施形態におけるプランジャー54は、図7に示すように、その先端部に熱硬化性のシール部形成用樹脂を硬化させて、プランジャーのヘッド部の樹脂押圧面を覆うと共に外周面を周回するキャップ形状のシール部を形成して用いるのが好ましい。これにより、摺動用のクリアランスをなくすことができ、プランジャー54先端にかけられた圧力が高いときにはポアソン変形によって一層気密にシールすることができるようになっている。一例として、シール部は、ポット52内に待機させたプランジャー54上にシール部形成用樹脂を供給してポット52内で硬化させることにより上記形状に形成することが可能である。この際に、プランジャー54の先端部はシール部の脱落防止のために小径部やアンダーカットや凹部を形成することが好ましい。なお、このようなプランジャー54はポット52における樹脂漏れを効果的に防止することができる。
樹脂モールド装置50は、圧縮成形式の樹脂モールド装置10とは相違して、クランパーは有していない。
本実施形態では、キャビティ33は、下金型14に形成した凹部とワーク20の下面とに囲まれた空間として形成される。なお、ワーク20を介さずに上下金型12、14をクランプして構成される空間をキャビティ33として設けて、キャビティ33内(具体的には、凹部内)にワーク20をセットするような構成を採用することもできる。
本実施の形態では、キャビティ33を囲む下金型14のパーティング面(金型面)に、キャビティ33内の空気を外部に逃がすエアベント溝35が設けられている。この場合、エアベント溝35は必然的に、キャビティ33を挟んでゲート部57の反対側のパーティング面に設けられることとなる。
そして、エアベント溝35が位置する部位の下金型14を上下に貫通する貫通孔36が設けられ、この貫通孔36に上下動自在にエアベントピン38を配置している。
エアベントピン38は、上動してその上端がワーク20(ワーク20を介さずに上下金型12、14をクランプするときにはインサート18)の下面に当接した際は、エアベント溝35を閉止し(閉じ)、下降した際はエアベント溝35を開放するようになっている。
貫通孔36の中途部には大径部36aが形成され、この大径部36aの下側の段差面36bの上面に、仲介ピン60の頭部60aが当接している。
エアベントピン38の下端にはフランジ38aが設けられ、このフランジ38a下面と仲介ピン60の頭部60aとの間に、閉止スプリング39が弾装され、フランジ38a上面と大径部36aの上側の段差面36cとの間に、閉止スプリング39よりもスプリング力の弱いリターンスプリング40が弾装されている。エアベントピン38は、閉止スプリング39からの力とリターンスプリング40からの力とが釣り合った位置で静止しており、常時はこの位置で、エアベント溝35を開放する位置にある。なお、リターンスプリング40は必ずしも設けることを要しない。
62は突き上げピンであり、貫通孔36内下部に挿通され、上動した際に仲介ピン60、閉止スプリング39を介してエアベントピン38を突き上げ、エアベントピン38はこれによりエアベント溝35を閉止させる(閉じる)ことができるようになっている。この場合、貫通孔36において仲介ピン60の下端面と突き上げピン62の上端面との間が上動前(図7参照)において離れているように突き上げピン62および仲介ピン60の長さが設定されている。換言すれば、両ピン60、62の長さは、両端面の間の隙間(ピン端面間隙間)が、上動前において所定の距離を有するように設定されている。
突き上げピン62は、上下方向に移動する可動盤63に固定され、可動盤63とともに上下動する。可動盤63には、スプリングマルチユニットを介してプランジャー54が取り付けられている。また、可動盤63は、プランジャー54を上下方向に駆動するトランスファ機構として機能する駆動軸64に連結されて上下動する。なお、本実施形態では、仲介ピン60、突き上げピン62、可動盤63および駆動軸64が本発明における「駆動部」として機能する。この場合、駆動部のトランスファ座標(上下方向における位置)が、上下金型12、14の間に形成されるカル部55、ランナー部56、ゲート部57およびキャビティ33の各空間を足し合わせた空間内の樹脂充填率に相当する。特に、駆動部のトランスファ座標におけるトランスファ完了位置側の所定範囲はキャビティ33内の樹脂充填率に相当する。
吸引装置46のエア吸引を制御する制御装置が図外に設けられている。この制御装置は、駆動軸64に設けられたトランスファエンコーダ(図示せず)から出力されて駆動軸64の上下方向における駆動量を示す出力信号、および、駆動開始からの時間に基づき、エアベント(真空引き)動作を制御する。
本実施の形態に係る樹脂モールド装置50は上記のように構成されている。
以下その動作をモールド方法と共に説明する。
ワーク20はあらかじめキャビティ33にセットされる。このワーク20のセットは、上記実施の形態と同様に、上金型12のインサート18下面に吸着保持することができる。
ポット52内にタブレット状の樹脂34(樹脂タブレット)を収納した後、上下金型12、14の型閉じをする(図7)。
次いで、駆動軸63によりスプリングマルチユニットを介してプランジャー54を上動させ、ポット52内で溶融された樹脂34のキャビティ33への注入を開始する。一方、制御装置の制御下で、吸引装置46によるエアの吸引を開始する。エアが吸引されている状態において、溶融された樹脂34はカル部55、ランナー部56、ゲート部57からキャビティ33内に注入される。
キャビティ33内のエアは、エアベント溝35を通じて外部に排出される。この際に、制御装置は、駆動軸64の上下方向における駆動量に基づいて樹脂34のフローフロント(流頭)がゲート部57に達する直前に一時的にエアの吸引を停止または弱くする切り替え制御を行う。この切り替えによってジェッティングを防止することが可能である。続いて、制御装置は、樹脂34がキャビティ33内に注入され始めてキャビティ33の容積の20%〜30%程度まで充填されたときにはエアの吸引を再開する。
図8は樹脂注入の初期の段階、図9は樹脂注入の中途の段階であり、これらいずれの段階も、エアベント溝35は開放状態にあり、エアの排出は良好に行える。この場合、突き上げピン62の上端面はかなり上昇しているものの、ピン端面間隙間はまだ残存した状態であるため、エアベントピン38によるエアベント溝35の閉止は開始されていない。
プランジャー54が樹脂注入中途の位置まで上昇した段階で、突き上げピン62上端が仲介ピン62の下端に当接してピン端面間隙間が無くなると、突き上げピン62は、仲介ピン60、閉止スプリング39を介してエアベントピン38を上昇させ、エアベントピン38によりエアベント溝35の閉止を開始する。このように、ピン端面間隙間を設けることにより、エアベントピン38を動作させる必要がないときには動作させずにその必要が生じたときには動作させるというようにエアベントピン38の動作状態を切り替えることでエアベントピン38の動作を遅らせることが可能となっている。換言すれば、プランジャー54よりも遅らせてエアベントピン38の上動を開始させることが可能となっている。続いて、プランジャー54が樹脂注入完了の直前の所要位置まで上昇した段階で、エアベントピン38によりエアベント溝35を閉止させる(閉じる)。この所定位置は、樹脂34がエアベント溝35の直前に達するまで樹脂34を圧送するときの位置であることが好ましい。例えば、この所定位置が、キャビティ33の容積の80%〜90%程度まで樹脂34が充填されたときの位置となるように上述したような方法でエアベントピン38の長さや各スプリング39,40の仕様を決定すればよい。また、トランスファ式のときにはこれらの他にも仲介ピン60や突き上げピン62の長さを調整することでもエアベント溝35の閉止タイミングは一層容易に調整することができる。
続いて、プランジャー54をその位置から上昇することで樹脂34のフローフロントがエアベント溝35に達したときには、エアベントピン38によりエアベント溝35は完全に閉止される(図10)。次いで、プランジャー54が樹脂注入完了の位置まで上昇した段階で、樹脂34が熱硬化される。この際には、エアベントピン38は閉止スプリング39を介して仲介ピン60に押圧されているため、仲介ピン60を含む駆動部の上昇は閉止スプリング39によって吸収され、エアベントピン38によるワーク20に対する押圧力だけが上昇することとなる。この場合、仲介ピン60および突き上げピン62も上昇した状態となっているため、閉止スプリング39を介して押動されているエアベントピン38は樹脂注入完了の直前よりも強い押圧力でワーク20に当接(押圧)させられることとなる。
なお、例えばキャビティ33を構成するインサート26上(特に、キャビティ凹部からエアベント溝35までとその周辺)に剥離用フィルムを張設して樹脂モールドするようなときには、その厚みを超えない範囲で所定深さだけ剥離用フィルムにエアベントピン38を食い込ませるように強く当接することとなる。このように、本実施形態においても、エアベント溝35がエアベントピン38によって全開状態から徐々に閉止され(絞られ)ていき、閉止後も徐々にエアベントピン38による押圧力が上昇していくというアナログ的な閉止が可能となっている。
これにより、キャビティ33内に所要樹脂圧が発生し、ワーク20の樹脂モールドが行われる。制御装置は、エアの吸引を樹脂34の充填後から継続し、樹脂34のゲルタイムが経過後に停止する。続いて、樹脂34に所要樹脂圧を加えて所定時間熱硬化させることによって圧縮成形が完了する。
エアベントピン38は、閉止スプリング39を介して押動させられてワーク20に当接するので、ワーク20に柔らかく当接し、ワーク20を破損することはない。
樹脂注入完了直前までエアベント溝35は開放されているので、エアベント溝35の深さが浅くともキャビティ33内のエアは好適に排出される。そして、樹脂注入完了直前に、エアベントピン38によりエアベント溝35が閉じられるので、液状樹脂であっても樹脂漏れが生じることがない。また、プランジャー54が上昇することでキャビティ33内における樹脂34の樹脂圧が上昇すればこれに連動してエアベントピン38を強く押圧力でワーク20に当接させることができ、樹脂漏れを確実に防止することが可能となる。
上記のように、本実施の形態でも、プランジャー54の上昇に機械的に連動して、エアベントピン38がエアベント溝35を閉じるので、確実にキャビティ33内のエアを排出できる。特に、樹脂34が液状樹脂であっても、型閉じの初期や中途の段階では、上記のようにエアベントが好適になされ、型閉じの終期にキャビティが完全に密閉されることから、樹脂漏れが生じることがない。
また、周溝43の内側の位置が、ワーク20の外端よりも内側に位置しているので、毛管現象で樹脂がワーク20端面や金型表面に伝わることを防止できるから、金型を汚染することがない。
上記の実施の形態では、プランジャー機構、およびエアベントピン38の機構を下金型14の側に設けたが、上金型12の側にこれらの機構を設けてもよい。
図11はトランスファ式の樹脂モールド装置50の他の実施の形態を示す。
上記実施の形態と同一の部材は同一の符合をもって示し、その説明を省略する。
本実施の形態では、1つのキャビティ33に対して、ポット52とプランジャー54とを3つ有する3連プランジャー(マルチプランジャ)式の樹脂モールド装置である。このように、スプリングマルチユニットを用いて上下動させられる複数のプランジャー54によって圧送される樹脂34を複数のゲート部57からキャビティ33に注入するような構成を採用することもできる。そして、ゲート部57と対向する側(ゲート部と反対側)の壁面の全体を構成するキャビティ壁部33aを上下動自在に設けている。このキャビティ壁部(可動壁)33aを、先の実施形態の構成と同等の駆動機構によって駆動されるエアベントピン38に連結して、キャビティ壁部33aを上下動可能としている。この場合、エアベントピンおよびキャビティ壁部33aが本発明における「可動部材」に相当する。
本実施の形態では、プランジャー54が上昇する、樹脂注入初期時、および中途時には、キャビティ壁部33a上端と上金型12の金型面との間に、エアベント用の隙間があくように設定されていて、エアベントがなされる。
そして、プランジャー54が樹脂注入完了の直前の所要位置まで上昇した段階で、突き上げピン62により前記実施の形態と同様にエアベントピン38を上昇させ、これによりキャビティ壁部33aを上金型面に密着させてキャビティ33を密閉し、樹脂注入を完了させるのである。
本実施の形態でも、エアベントを良好に行える。
なお、本実施の形態でも、キャビティ33内の空気を吸引する吸引装置(図示せず)を設けてもよい。
図12、図13は、トランスファ式の樹脂モールド装置50のさらに他の実施の形態を示す。
上記実施の形態と同一の部材は同一の符合をもって示し、説明は省略する。
本実施の形態では、図13に示すように、ランナー部56をカル部55に連結するメインランナからサブランナに分岐する構成として、2列3個ずつ(複数列、複数個)のキャビティ33a、33b、33cに形成している。
プランジャー54(カル部55)に近いキャビティ33のほうが、そこに達するまでに樹脂34が通過するランナー部(特にメインランナ)56の距離が短いことに起因して早く充填が開始されるため、プランジャー54に近い方の側のキャビティ33から順次樹脂注入が完了されるようになっている。そのために、キャビティ33a→キャビティ33b→キャビティ33cの順に、各エアベント溝がエアベントピン38によって閉止されるように、プランジャー54に近い側のキャビティ33における突き上げピン62の長さを長くしている(図12)。これらの複数の突き上げピン62が1つの可動盤63に上述の順序で立設されていることにより、エアベント溝35の閉止タイミングを異ならせた複数のエアベントピン38を1つの駆動機構で動作させることができることとなる。
本実施形態は、エアベント溝35同士の閉止タイミングが異なる以外において各エアベントピン38の動作は図7〜10に示す動作とほとんど同様である。例えば、駆動軸を動作させてカル部55に樹脂34が充填した後(図13(A))に、さらに樹脂34を圧送していくと図13(B)に示すようにキャビティ33aのエアベント溝35直前まで樹脂34が到達すると共にキャビティ33b、33cに樹脂34が充填されていく。この際に、キャビティ33aに設けられたエアベントピン38によってエアベント溝35が閉止される。この際には、キャビティ33b、33cのエアベント溝35は開放されている。続いて、さらに樹脂34を圧送していくと図13(C)に示すようにキャビティ33bのエアベント溝35直前まで樹脂34が到達する。この際に、キャビティ33aに設けられたエアベントピン38によってエアベント溝35が閉止される。この際には、キャビティ33cのエアベント溝35は開放されている。続いて、さらに樹脂34を圧送していくと図13(D)に示すようにキャビティ33cのエアベント溝35直前まで樹脂34が到達し、キャビティ33aに設けられたエアベントピン38によってエアベント溝35が閉止される。この際には、全てのキャビティ33a〜33cのエアベント溝35は全て閉止されることとなる。
このように、複数のエアベントピン38を動作させる駆動機構を併用したことにより、複雑な閉止機構を設けることなく複数のエアベントピン38閉止タイミングを異ならせることができる。また、突き上げピン62の長さを調整可能としたことにより、長さ調整が容易であるほか、例えばプランジャー54から最も近いキャビティ33a用の突き上げピン62と同じ長さの突き上げピン62を他のキャビティ33b、33cにも用いて、可動盤63の上方に突出させる長さを調整することによって、上述の構成と同様の作用効果を奏することができる。なお、突き上げピン62に代えて仲介ピン60の長さを異ならせてもよく、仲介ピン60の長さを異ならせたうえで突き上げピン62の長さを調整可能とするといった構成を採用することもできる。さらに、圧縮成形式において閉止タイミングを変更する手法を本実施形態に適用することもできる。
図14はさらに他の実施の形態の樹脂モールド装置70を示す。
樹脂モールド装置70は、圧縮成形式およびトランスファー式併用タイプのものであり、例えばLEDパッケージの樹脂モールドに用いられる。前記各実施の形態と基本的に同一の部材は同一の符合を付し、説明を省略する。
樹脂モールド装置70は、そのインサート26に複数の凹部が形成されているため、LEDパッケージの半球面レンズを一括して複数形成可能に構成されている。なお、樹脂モールドされるワーク20にはLEDチップが凹部の形成位置に対応させて実装されている(図示せず)。また、樹脂モールド装置70は、下金型14に上下動可能にスプリング31によって弾床されて下金型14面上に突出するクランパー30を有する。上下金型12、14がスプリング31の付勢力に抗してクランパー30を押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパー30によって囲まれるキャビティ33が形成される。そして、ポット内に供給された樹脂34をプランジャー54で押圧して、カル部55、ランナー部56、ゲート部57を通じてキャビティ33内に送り込み、キャビティ33内にセットされたワーク20を樹脂モールドするようになっている。この実施形態では、ポットが設けられた下金型14において樹脂34が接する部分を全て被覆可能な剥離用フィルム37が張設されると共に、大径ポットが用いられている。これにより、大径ポットに沿って凹むように撓んだ剥離用フィルム37上に液状の樹脂34を供給することができる。より多くの液状の樹脂34を供給することができる。この場合、大径ポットが用いられているため剥離用フィルム37にはしわなどは発生しない。また、上金型12のパーティング面にはカル部55からゲート部57にかけて被覆する剥離用フィルム37が張設されている。
そして、クランパー30上面に、キャビティ33内の空気を外部に逃がすエアベント溝(図14では図示せず)が設けられ、該エアベント溝が位置する部位のクランパー30を上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動した際にエアベント溝を閉じるエアベントピン38が設けられ、エアベントピン38を下金型14に弾床する閉止スプリング39およびリターンスプリング40が設けられている。
そして、上下金型12、14が型閉じされる際には、まず、圧縮成形式の樹脂モールド装置と同様に型閉め動作させることでシールリング72が上下のインサート18、26とによって押し縮められると共にクランパー30がワーク20に当接させられる。なお、本実施形態では、この際に上金型12に対して接近する金型部材が本発明における「駆動部」に相当する。次いで、トランスファ式の樹脂モールド装置と同様にプランジャー54を上動させることにより樹脂34がキャビティ33内に注入される。この際に、クランパー30とエアベントピン38とが相対的に移動し、上下金型12、14が中途まで型閉じされた際には、エアベントピン38がエアベント溝を完全には閉止せず、エアベントを可能にしている。本実施形態においても、樹脂34が上述したような所定の割合まで充填された各時点で、吸引装置46によるエア吸引の動作状態の切り替えが行われる。
次いで、プランジャー54が樹脂注入完了の直前の所要位置まで上昇した段階において、上下金型12、14同士を更に接近させるように動作させることでワーク20とインサート26との間がLEDパッケージにおける封止部分の厚み(所期封止厚)よりも厚い位置まで下金型14を上動させると共に、エアベントピン38によりエアベント溝35を閉止する。これにより、エアベントピン38がエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止するのである。続いて、上下金型12、14同士を引き続き接近させることにより、ワーク20とインサート26との間(キャビティ33の間隔)が所期封止厚になるように下金型14を上動させる。この場合、インサート26は上動させることになるが、閉止スプリング39を介して押動されているエアベントピン38は、上動はせずに樹脂注入完了の直前よりも強い押圧力でワーク20に当接(押圧)させられることとなる。一方、キャビティ33内から押し戻された樹脂34はプランジャー54が下動して形成されるポット内空間に収容される。この場合、プランジャー54の下動を所期封止厚に達する前に停止させることで樹脂圧を上昇させて予め高い樹脂圧を加える保圧を実行する。また、本保圧の実行後等にプランジャー54を上動させて高い樹脂圧を加える保圧(第2保圧)を実行してもよい。なお、保圧を行わなくてもよく、この際にはプランジャー54の下動を停止させずにそのまま下動させるように制御することもできる。続いて、この状態で保持して樹脂34を熱硬化させることによりワーク20は樹脂モールドされる。
このように、樹脂注入時には、プランジャー54によって樹脂がキャビティ33内に注入されるトランスファ式であり、上下金型12、14の型閉じ完了直前に、エアベントピン38がエアベント溝を閉止してからは、キャビティ33内に樹脂圧が作用し、樹脂がゲート部57を経てプランジャー54側に若干押し戻されたり保圧されたりすることから、この段階では圧縮成形となる。
本実施の形態に係る樹脂モールド装置70でも、上記のように簡易な機械的構成により樹脂漏れを防止できる。本実施形態のようにプランジャー54側に樹脂を押し戻して保圧すために樹脂圧を上げる必然性があるような場合においてはエアベントピン38による押圧力を樹脂圧に比例するように強くすることができるため、適切な押圧力で閉止することができる。すなわち、最初から必要以上に強い押圧力でワーク20を押圧することがないため、ワーク20に加えられるストレスを極力小さく抑えながら樹脂漏れも効果的に防止することができる。
本実施の形態でも、プランジャー機構やクランパー機構を上金型側に配置してもよい。
また、本実施形態の係る樹脂モールド装置70を用いて圧縮成形式によって樹脂モールドすることもできる。この場合、キャビティ33に樹脂34を供給すると共に、上述の圧縮成形式の樹脂モールド方法と同様にしてキャビティ33内に樹脂34を充填する。続いて、先に説明した方法と同様にして、余剰となった樹脂34をプランジャー54に圧送する構成を採用することもできる。なお、オーバーフローキャビティを別個に設ける構成を採用することもできる。
また、エアベント溝35は、キャビティ33(換言すれば、キャビティ33を構成するために金型に構成されるキャビティ凹部)と外部との間を溝状(帯状)に連通してエアベント可能な構成であれば、上述した構成に限定されない。例えば、上金型12および下金型14のパーティング面において一方または両方の面に形成した種々の構成を採用することができる。図6に示すように上下金型12、14でクランプせずにキャビティ33内にワーク20をセットする構成では、エアベントピン38が設けられた下金型14にはエアベント溝35を設けずに、上金型12のパーティング面においてエアベントピン38が位置する平面位置にエアベント溝35を設ける構成を採用することもできる。換言すれば、エアベント溝35とエアベントピン38とが上下方向において重なり合うように設ける構成を採用することができる。
この場合、エアベントピン38の一端部の形状はエアベント溝35に進入して閉止可能な形状であることが好ましく、例えばエアベント溝35に嵌入可能な形状を採用することができる。また、エアベントピン38の一端部を挿入可能な大きさの凹部をエアベント溝35上に設ける構成を採用することもできる。例えば、エアベント溝35の幅よりも大きな円形のエアベントピン38を用いる場合にはエアベントピン38を挿入可能な程度の大きさの円形凹部をエアベント溝35上に設けることもできる。
上述の実施形態ではエアベントピン38を上下動させる閉止スプリング39としてコイルスプリングを用いる構成について説明したが本発明はこれに限定されず、本発明における弾性部材には板バネや竹の子バネのような各種バネの他にも駆動部の動作を必要に応じて吸収可能な種々の弾性体を用いることができる。例えば弾性部材として空気バネを用いることもできる。
また、閉止スプリング39を押圧することによって駆動部の接近動作により閉止スプリング39を介してエアベントピン38を上下動させる構成について説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、図1に示す圧縮成形式や図14に示すトランスファ式併用タイプにおいては別の構成を採用することができる。具体的には、上述の実施形態における閉止スプリング39の位置にはスプリングを設けずに、リターンスプリング40の位置に閉止スプリングを設ける構成を採用することができる。この場合、チエイス25においてこのスプリングの収容空間における下面にこの閉止スプリングの一端部を固定すると共にフランジ38aの上面に他端部を固定し、上下金型12、14を閉止した後にさらに型締めするときにこの閉止スプリングが引っ張られることによってエアベントピン38を弾性的に剥離用フィルム37に当接させることができる。このような構成によれば、エアベント溝35の閉止後における駆動部の動作はこの閉止スプリングによって吸収させることができ、上述の構成と同様の作用効果を奏することができる。
また、上述の実施形態ではエアベントピン38がエアベント溝35を完全に閉止して樹脂34がエアベント溝35から外部に漏れるのを防止する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、最終的に樹脂34がエアベント溝35から外部に漏れるのを防止することができる程度に閉じる構成を採用することもできる。例えば、粘度の高い樹脂34の樹脂モールドを行うような場合には所定間隔まで閉じる(塞ぐ)ことにより、微少な所定間隔だけ開放したような状態としてもよい。この所定間隔としては、封止の条件(樹脂の種類やモールド温度等)によって適宜設定できるが、一例としては一般的なフィラーを含んだエポキシ樹脂を用いるようなときには10μmとしたり、5μm〜20μm程度に設定したりとすることができる。
また、上述の実施形態では組立てや調整の都合上、仲介ピン60および突き上げピン62を用いて駆動軸64の駆動力をエアベントピン38に伝達する構成について説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、上述実施形態の構成から突き上げピン62を省くと共に仲介ピン60が下金型14の下面から突出する程度まで延長して、可動盤63に仲介ピン60を直接押動させるような構成を採用してもよい。また、仲介ピン60を省くと共に、エアベントピン38による閉止の開始時に閉止スプリング39の下面に当接可能な程度の突き上げピン62の長さに延長して、突き上げピン62に閉止スプリング39を直接押圧させるような構成を採用してもよい。このように、駆動軸64の駆動力を少なくとも閉止スプリング39を介してエアベントピン38に伝達することができる構成であればどのような構成であってもよい。
圧縮成形式の樹脂モールド装置の部分断面図である。 エアベント溝とエアベントピンの配置例を示す説明図である。 エアベント溝とエアベントピンの形状の例を示す説明図である。 図1の樹脂モールド装置における型締め中途部の部分断面図である。 図1の樹脂モールド装置における型締め完了直前の部分断面図である。 圧縮成形式の樹脂モールド装置の他の実施の形態を示す断面図である。 トランスファ式の樹脂モールド装置の一例を示す部分断念図である。 図7の樹脂モールド装置の樹脂注入初期の状態における断面図である。 図7の樹脂モールド装置の樹脂注入中途の状態における断面図である。 図7の樹脂モールド装置の樹脂注入完了の状態における断面図である。 トランスファ式の樹脂モールド装置の他の実施の形態を示す説明図である。 トランスファ式の樹脂モールド装置のさらに他の実施の形態を示す部分説明図である。 2列3個ずつのキャビティに形成した状態を示す説明図である。 圧縮成形式、トランスファ式併用型の樹脂モールド装置の断面図である。
符号の説明
10 樹脂モールド装置
12 上金型
14 下金型
20 ワーク
30 クランパー
31 スプリング
33 キャビティ
34 樹脂
35 エアベント溝
36 貫通孔
37 剥離用フィルム
38 エアベントピン
39 閉止スプリング
40 リターンスプリング
50 樹脂モールド装置
54 プランジャー
55 カル部
56 ランナー部
57 ゲート部
60 仲介ピン
62 突き上げピン
64 駆動軸
70 樹脂モールド装置

Claims (14)

  1. 上下金型のうちの一方の金型に上下動可能にスプリングによって弾床されて該一方の金型面に突出するクランパーを有し、上下金型が前記スプリングの付勢力に抗してクランパーを押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパーによって囲まれるキャビティが形成され、該キャビティ内に供給される樹脂を上下金型によって圧縮して、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、
    前記クランパー面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、
    該エアベント溝が位置する部位のクランパーを上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、
    該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、
    上下金型が型閉じされる際、前記クランパーとエアベントピンとが相対的に移動し、上下金型が中途まで型閉じされた際には、前記エアベントピンがエアベント溝を完全には閉止せず、エアベントを可能にし、上下金型の型閉じ完了直前に、エアベントピンがエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする樹脂モールド装置。
  2. 前記エアベントピンを、エアベント溝を開方向に付勢するリターンスプリングを有することを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド装置。
  3. 前記キャビティ内の空気を吸引する吸引装置を有することを特徴とする請求項1または2記載の樹脂モールド装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の樹脂モールド装置を用い、
    上下金型を型閉じしつつキャビティ内に供給された樹脂を圧縮し、エアベント溝からキャビティ内の空気を外部に排出すると共に、上下金型の型閉じ完了直前にエアベントピンによりエアベント溝を閉止してエアベント溝からの樹脂の漏れを防止して圧縮成形を行うことを特徴とする樹脂モールド方法。
  5. ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されているキャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、
    前記上下金型のうちの一方の金型の面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、
    該エアベント溝が位置する部位の前記一方の金型を上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、
    該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、
    前記貫通孔内に挿通され、前記プランジャーと共に上下動して、上動または下降した際に前記エアベントピンを突き上げ、エアベントピンによりエアベント溝を閉止させる突き上げピンが設けられ、
    前記プランジャーが上昇または下降して、樹脂をキャビティ内に送り込み、前記エアベント溝を通じてキャビティ内のエアを外部に排出すると共に、プランジャーが所要位置まで上昇または下降した際、前記突き上げピンにより前記エアベントピンを突き上げ、エアベントピンによってエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする樹脂モールド装置。
  6. 前記エアベントピンを、エアベント溝を開方向に付勢するリターンスプリングを有することを特徴とする請求項5記載の樹脂モールド装置。
  7. 前記キャビティ内の空気を吸引する吸引装置を有することを特徴とする請求項5または6記載の樹脂モールド装置。
  8. 請求項5〜7いずれか1項記載の樹脂モールド装置を用い、
    前記プランジャーを上昇または下降して、樹脂をキャビティ内に送り込み、前記エアベント溝を通じてキャビティ内のエアを外部に排出すると共に、プランジャーが所要位置まで上昇または下降した際、前記突き上げピンにより前記エアベントピンを突き上げ、エアベントピンによってエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止してトランスファモールドすることを特徴とする樹脂モールド方法。
  9. ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されているキャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、
    前記ゲート部と対向する側のキャビティの壁部が上下動可能の可動壁に設けられ、
    前記上下金型のうちの一方の金型を上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置されると共に、前記可動壁に連結され、常時は該可動壁と金型面との間にエアベント用の隙間があくようになされ、上動または下降した際に可動壁が金型面に密着して前記隙間を閉じさせるエアベントピンが設けられ、
    該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、
    前記貫通孔内に挿通され、前記プランジャーと共に上下動して、上動または下降した際に前記エアベントピンを介して前記可動壁を突き上げる突き上げピンが設けられ、
    前記プランジャーが上昇または下降して、樹脂をキャビティ内に送り込み、前記金型面と可動壁との間の隙間を通じてキャビティ内のエアを外部に排出すると共に、プランジャーが所要位置まで上昇または下降した際、前記突き上げピンにより前記可動壁を突き上げ、該可動壁により前記隙間を閉止して樹脂がキャビティ外部に漏れるのを防止することを特徴とする樹脂モールド装置。
  10. 上下金型のうちの一方の金型に上下動可能にスプリングによって弾床されて該一方の金型の金型面に突出するクランパーを有し、上下金型が前記スプリングの付勢力に抗してクランパーを押圧しつつ型閉じされた際、下金型面、上金型面およびクランパーによって囲まれるキャビティが形成され、ポット内に供給された樹脂をプランジャーで押圧して、カル部、ランナー部、ゲート部を通じて、上下金型間に形成されている前記キャビティ内に送り込み、キャビティ内にセットされたワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置において、
    前記クランパー面に、キャビティ内の空気を外部に逃がすエアベント溝が設けられ、
    該エアベント溝が位置する部位のクランパーを上下に貫通する貫通孔に上下動自在に配置され、常時はエアベント溝を開放すると共に、上動または下降した際にエアベント溝を閉じるエアベントピンが設けられ、
    該エアベントピンを前記一方の金型に弾床する閉止スプリングが設けられ、
    上下金型が型閉じされる際、前記クランパーとエアベントピンとが相対的に移動し、上下金型が中途まで型閉じされた際には、前記エアベントピンがエアベント溝を完全には閉止せず、エアベントを可能にし、上下金型の型閉じ完了直前に、エアベントピンがエアベント溝を閉止して樹脂がエアベント溝から外部に漏れるのを防止することを特徴とする樹脂モールド装置。
  11. 前記エアベントピンを、エアベント溝を開方向に付勢するリターンスプリングを有することを特徴とする請求項10記載の樹脂モールド装置。
  12. 前記キャビティ内の空気を吸引する吸引装置を有することを特徴とする請求項10または11記載の樹脂モールド装置。
  13. 請求項10〜12いずれか1項記載の樹脂モールド装置を用い、
    前記プランジャーを上動または下降させて、前記カル部、ランナー部、ゲート部を通じて前記キャビティ内に樹脂を注入すると共に、上下金型を型閉じしつつキャビティ内に供給された樹脂を圧縮し、エアベント溝からキャビティ内の空気を外部に排出すると共に、上下金型の型閉じ完了直前にエアベントピンによりエアベント溝を閉止してエアベント溝からの樹脂の漏れを防止して樹脂モールドを行うことを特徴とする樹脂モールド方法。
  14. 一方の金型および他方の金型を有する上下金型を備えて、型閉状態において前記一方の金型および前記他方の金型内に形成されるキャビティに樹脂を充填してワークを樹脂モールドする樹脂モールド装置であって、
    前記一方の金型に対向させて設けられて該一方の金型に接近するように駆動することで該上下金型に供給された樹脂を変形させて該上下金型のキャビティ内に充填させる駆動部と、
    前記一方の金型および前記他方の金型のパーティング面において少なくともいずれかの金型に形成されて前記キャビティと外部との間を溝状に連通するエアベント溝と、
    該エアベント溝が位置する平面位置において前記他方の金型の前記パーティング面側から所定深さで形成された摺動孔に上下動自在に配置されて一端部が前記エアベント溝に向けられた可動部材と、
    前記可動部材の他端部側と前記駆動部との間に設けられた弾性部材とを備え、
    前記駆動部の接近動作により前記弾性部材を介して前記可動部材を前記一方の金型側に接近させ、該可動部材の前記一端部を前記エアベント溝側に突出させて該エアベント溝を塞ぐことを特徴とする樹脂モールド装置。
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