JP5350646B2 - 成形品取出方法および射出成形装置。 - Google Patents

成形品取出方法および射出成形装置。 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形金型からの取出時に成形品を冷却しながら非接触で取り出すことにより、確実に射出成形金型から成形品を取り出すことができる成形品取出方法および射出成形装置に関する。
一般に、プラスチック製品(または部品)を成形加工する方法として射出成形が知られている。
そして、通常射出成形金型は、たとえば、固定型と可動型からなり、固定型に対して可動型が開閉動作する。そして、射出成形後に射出成形金型の固定型に対して可動型を開放側に移動して型開きして、成形品を射出成形金型から取り出すことになる。
この際に、確実に成形品を取り出す必要がある。ここで、成形品が取り出されず、残った状態で次に射出成形が行われてしまうと、当然、歩留まりが低下するとともに、次の射出成形に悪影響を与えてしまう。
これを確実に防止するには、型開きして成形品の取出を行った際に、型開きした状態の射出成形金型を監視し、全ての成形品が取り出されていることを確認し、成形品が残っている場合には、成形品を除去する必要があり、射出成形の作業工程を煩雑にしているとともに、射出成形の各成形品当たりの作業時間が長期化し、コストを増大させる結果となる。
そこで、射出成形装置には、金型から成形品を押し出すエジェクトピンを備えたものが知られている。
しかし、射出成形に用いられる樹脂の種類や、成形品の形状等によっては、エジェクトピンを用いても射出成形金型から成形品を確実に取り出せるとは限らなかった。
たとえば、シリコーンなどの熱硬化性樹脂は、成形の段階で粘度が低く流動性が高いためにバリが発生し易く、突出ピンによる突き出しでは、樹脂成形品を金型から離型し難い。また、小さい光学レンズなどの製品部を複数個取りで成形する場合には、さらに離型し難いうえに、離型時に樹脂成形品のゲート部などが破断し、一部が金型に残ってしまう場合もある。
さらに、突出ピンによる突き出しのために、突出ピンが当接するための部分を設ける必要がある。さらには、ゲート部などが破断するのを防止するために、突出ピンによる突き出しの速度を遅くする必要があり、離型作業に要する作業時間が長くなり、作業効率が悪いという問題がある。
また、本出願人は、特開2007−245595号で、透明光学素子などの熱硬化性樹脂からなる樹脂成形品を液状樹脂射出成形法(LIM法)により成形する際に、製品部に気泡が残らないように、金型にオーバーフローキャッチャ部を設けることを提案している。この特許出願に係る発明を用いて得られた樹脂成形品は、製品部の外周部にゲート部のほかに、前記オーバーフローキャッチャ部で形成されるオーバーフロー部を備えている。
そして、樹脂成形品の製品部にオーバーフロー部を備えている場合には、さらに離型し難くなる。このため、金型から樹脂成形品を円滑にかつ簡単に離型して取り出すことができる技術が望まれている。
一方、例えば、特許文献1には、金型駒に振動を与えながら突き出しして、キャビティ内で固化した成形品を離型する射出成形用金型および射出成形方法が開示されている。
特開平10−175233公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、金型駒に対する振動は補助的なものであり、離型のために突出ピンによる突き出しを行うので、離型時に樹脂成形品のゲート部などが破断する虞がある。また、成形品に突出ピンが当接する部分を設ける必要があるので、金型の構造が複雑化し、さらに小さいレンズなどの光学素子を成形する場合には、突出ピンによる突き出し応力が大きくなると破断し易くなるので、小さい製品部に対して突出ピンの当接部を比較的大きくする必要があり、樹脂成形部全体が大きくなるという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、射出成形において金型から樹脂成形品を例えばゲート部等が破損することなく、円滑にかつ簡単に離型して取り出すことができる成形品取出方法および射出成形装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の成形品取出方法は、射出成形金型から成形品を取り出す成形品取出方法であって、
前記射出成形金型の型開き中もしくは型開き後に、
前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着して前記射出成形金型から取り出す取出部材により、
前記射出成形金型から取り出すべき成形品に対して当該成形品より低温の気体を吹き付けることで当該成形品を冷却するとともに非接触で吸着して前記射出成形金型から前記成形品を取り出すに際し、
前記射出成形金型の型開き中もしくは型開き後に、前記成形品に超音波振動を与えて当該成形品を前記射出成形金型から離型し、かつ、前記取出部材を用いて前記成形品を冷却するとともに非接触で吸着して取り出すことを特徴とする
請求項1に記載の成形品取出方法においては、成形品を前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、成形品を非接触で吸着して射出成形金型から取り出す取出部材により、成形品に吹き付けられる気体で冷却し、かつ、成形品を吸着して取り出すので、冷却により成形品の温度を下げて、例えば、成形品をより硬くするなどの安定した状態とし、取出時にゲート部などの細い部分や薄い部分などが破損したり、変形したりするのを防止することができ、かつ、成形品を吸着して確実に成形品を取り出すことができる。
したがって、型開き後、成形品が有る程度冷却されるのを待って離型を行うような場合に、気体を成形品に吹き付けることで、冷却時間を短縮し、射出成形の作業時間の短縮を図ることができる。
また、吸着中は、取出部材と成形品とが極めて近接した状態で、取出部材と成形品との間に気体が流れる状態となる。すなわち、成形品の直近で気体を成形品に吹き付ける構造となり、気体の吹き付けによる冷却効果が大きく、気体を吹き付けて冷却するものとした場合に、本発明の取出部材により僅かな気体でもより効果的に成形品を冷却可能となり、気体の節減を図ることができる。これによりコストを低下することができる。
また、冷却して例えば硬い安定した状態となった成形品を取り出すことになるので、成形品の取り出し時の反りを防止できる。
なお、反りが発生する部分が例えばランナやゲートであっても、これらの部分が反ってしまうと、例えば、成形品を取り出した後に製品部からこれらゲートを切り離す際の作業が煩雑になってしまう。すなわち、成形品がそれぞれ反り方が異なるなどして、形状が違う状態になってしまうと、自動的にゲートを切断するような作業が困難になってしまうが、この発明では、反りを防止することで、上述のような作業を容易にすることができる。
また、吸着するものとしても、成形品に対して非接触なので、成形品の表面を傷つけるようなことがない。
また、取出部材の成形品を吸着するための構造を例えばスプルチャックより簡単な構造とすることができ、コストダウンを図ることができる。
なお、前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する取出部材とは、エゼクタ効果やベルヌーイ効果により、吹き出した気体の気流により負圧を生じて対象物を吸着するものであり、気体を吹き出して非接触で対象物を吸着することは周知であるが、本発明では、吸着に際し吹き出される気体を成形品の冷却に用いることで、成形直後の成形品の温度を低下させて、成形直後の成形品を早期に安定した状態として、成形品取出時に、成形品の一部が破損等して射出成形金型に残ってしまい、後続の射出成形に悪影響を与えたり、後続の射出成形の開始が遅れるのを防止するようにしている。また、離型時に成形品が変形するのを防止している。
また、上述のような取出部材を用いれば、吸着時に成形品に気体を吹き付けて成形品を吸着と同時に冷却できるが、成形品を吸着する前に、すなわち、取出部材が成形品を吸着可能な距離に近づく前に、当該取出部材が成形品向けて気体を吹き出して成形品を冷却してもよい。すなわち、成形品の吸着前から気体を吹き付けて、成形品を冷却し、かつ、吸着した後も冷却を続行するような構成も本発明に含まれる。
また、取出部材により成形品を冷却するとともに非接触で吸着して成形品を取り出す際に、超音波振動による成形品の離型を行うことで、より確実に成形品を射出成形金型から取り出せるようにしている。
すなわち、超音波振動を成形品に与えることで、成形品と射出成形金型との接触部分を剥離させることが可能であり、成形品を吸着して取り出す際に、より容易に成形品を取り出すことができる。
また、成形部品に対して、取出部材により吸着されている部分と吸着されていない部分とがある場合に、吸着されていない部分の取り残しを防止できる。
なお、上述のように気体を吹き付けることにより成形品を冷却して取り出すことで反りが防止されるが、上述のように成形部品に対して、取出部材により吸着されている部分と吸着されていない部分とがある場合に、取り残されないまでも、取り外し時に成形品に反りが発生する可能性がある。しかし、超音波振動により、全体的に成形品が少しだけでも剥がれた状態となることで、一部に応力が集中するような状態を避けて反りの発生を確実に防止できる。
なお、例えば、シリコーン樹脂で小径で曲率の大きなレンズを作成するような場合や、複数個取りの成形品(後に分割される複数の製品を含む成形品)においては、超音波だけでは完全に離型できない可能性が高いが、前記取出部材を用いることで確実に成形品を離型して取り出すことができる。
なお、前記射出成形金型の型開き中もしくは型開き後に、前記成形品を射出成形金型から押し出して離型する押出手段を用いて当該成形品を前記射出成形金型から離型し、かつ、前記取出部材を用いて前記成形品を冷却するとともに非接触で吸着してもよい。
押出手段による成形品の押出と、取出部材による非接触吸着とを組み合わせることで、離型時間の短縮を図ることができる。
上述のように成形品を傷つけたり破損させたりしないために例えば押出手段としてのエジェクトピンをゆっくり作動させるような場合でも、取出部材による吸着を併用するので、例えば、最終的な押出手段による押出長さを短くするなどして離型時間の短縮を図ることができる。
また、この際にも、例えば、押出手段で成形品を押し出す前に取出部材から吹き出す空気により成形品を冷却すれば、成形品をより早く温度が低下して安定した状態とすることができる。これにより、例えば、成形品が少し冷却するのを待って押し出すような場合に、待ち時間の短縮を図ることができ、また、成形品が冷えて硬くなるような場合に、成形品を押し出す部材の押出速度を早めることができる。これらのことから、上述のように成形品の離型時間の短縮を図ることができる。
また、押出手段を用いる場合に、押出手段の押出部材が当たる部分で成形品が破損したりしないように、例えば、ランナやゲートを太くしたり、厚くしたりしている可能性があるが、本発明によれば、押出手段で押し出す際の力を弱くしたり、押出距離を短くしたり、成形品を冷却して硬くしたりすることで、ランナやゲートが破損するのを防止できるので、ランナやゲートを従来より細くしたり、薄くしたりすることができ、これにより材料の量を減少させてコストダウンを図ることができる。
また、上述のように押出部材による押出量を低減することが可能で、かつ、押出力を低下することも可能なので、従来、強度不足で、押出部材による押出が困難だった成形品に対してもエジェクトピン等による押し出しを、上述の非接触吸着を併用して行うことが可能となり、このような強度の低い成形品も確実に射出成形金型から離型することができる。
また、押出部材で押し出した際に、押し出し部材が当たるところと当たらないところとで、押し出される量が異なった状態となって成形品が反る可能性があるが、非接触吸着による取り出しを併用することで反りを防止できる。すなわち、冷却により成形品を安定化させることで反りを防止できる。また、例えば、押出部材によりランナ等の製品となる部分以外を押し出し、製品となる部分を非接触で吸引するような構造とすれば、より確実に反りを防止できる。
また、請求項2に記載の成形品取出方法は、請求項1に記載の発明において、前記成形品は、シリコーン樹脂であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、上述のように射出成形金型からの離型が困難なシリコーン樹脂であっても、確実に射出成形金型から取り出すことが可能となる。特に、射出成形直後の不安定な状態のシリコーン樹脂を冷却して安定した状態とすることで、確実に吸着して射出成形金型からシリコーン樹脂製の成形品を取り出すことができる。
また、請求項3に記載の成形品取出方法は、請求項1または請求項2に記載の発明において、
一つの前記成形品には、前記射出成形金型から取り出した後に分割される複数の製品が含まれていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、成形品に複数個の製品が含まれることにより、煩雑な形状となることで射出成形金型からの取り出しが困難となるが、非接触で吸着する取出部材を用いることで確実に成形品を取り出すことができる。特に、複数の背品に対応するランナやゲート等の取り残しを防止することが可能となる。
また、複数個の製品が含まれることで、射出成形金型から取り出し後に多くの箇所を切断することになるが、成形品の反りを防止できることから、多くの箇所を切断するものとしても効率的に切断することが可能となり、生産効率を向上することができる。
また、請求項4に記載の成形品取出方法は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記成形品は、透明光学素子であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、非接触で成形品を吸着して保持できることから、成形品の製品部分すなわち透明光学素子部分を吸着するものとしても、透明光学素子を傷つけることがなく、好適に本発明を適用することができる。
また、製品部分を傷つけることなく、保持できることから、ランナやスプルを保持して成形品を取り出すより、安定して成形品を取り出すことが可能となる。また、製品部分を保持して取り出すことにより、製品部分を確実に取り出し可能となり歩留まりの向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の成形品取出方法は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記射出成形金型は、一度の射出成形に際し、同時に複数個の成形品を成形することを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、取出部材の構造が簡単なため、取出部材をコンパクトにすることができ、複数の成形品を同時に成形して同時に取り出すような構造としても、容易に対応することができる。また、複数個の成形品が同時に成形される場合も、一つでも取り残しがあると、それを除去するまで、次に射出成形ができず、時間をロスすることになり、かつ、一度に成形される成形品が多いことで、取り残しの可能性が高まることになるが、非接触吸着により確実に成形品を取り出せるようにすることで、取り残しによる時間のロスを大幅に低減して生産効率の向上を図ることができる。
また、請求項6に記載の成形品取出方法は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記取出部材から吹き出される気体は、冷却された気体であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、成形品に吹き付ける気体をより低温にできるので、より早く成形品を冷却して安定した状態とすることができる。これにより、取出部材による取り出し動作をより早く行うことが可能となり、作業効率を向上し、コストダウンを図ることができる。ここで、冷却された気体とは、常温以下に冷却された気体である。
また、請求項7に記載の成形品取出方法は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明において、
前記取出部材から吹き出される気体は、前記成形品を除電可能な気体であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明においては、周知の除電可能な気体を成形品に吹き付けるようにすることで、気体が吹き付けられることによる成形品の帯電を防止するだけではなく、さらに成形品を除電することが可能となり、気体が吹き付けられた成形品が帯電して塵や埃等が成形品に付着するのを防止することができる。
また、請求項8に記載の成形品取出方法は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明において、
前記射出成形金型は、前記成形品のうちの製品となる部分を成形するためのキャビティと、
当該キャビティに連通し、当該キャビティ内に液状樹脂を導入させるゲートと、
当該キャビティに連通し、当該キャビティ内からオーバーフローした液状樹脂を受ける空間を形成するオーバーフローキャッチャとを備え、
前記成形品には、前記オーバーフローキャッチャで形成されたオーバーフロー部を含むことを特徴とする。
請求項8の発明においては、オーバーフロー部を有することで、より離型が難しい成形品をより確実に射出成形型から取り出すことが可能となる。
なお、オーバーフロー部を射出成形金型に設けることで、シリコーン等の熱硬化性樹脂を液状樹脂射出成形方法で成形する場合に、バリの発生の抑制や気泡の混入の防止を行うこができる。
また、請求項9に記載の射出成形装置は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成形品取出方法を用いて射出成形された成形品を射出成形金型から取り出す射出成形装置であって、
前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する取出部材を備えていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明においては、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明と同様の効果を奏することができる。
また、請求項10に記載の射出成形装置は、請求項9に記載の発明において、
前記成形品には、前記射出成形金型から取り出された後に分割される複数の製品が含まれ、
前記射出成形金型を型開きした際に、前記射出成形金型の開放された面で前記成形品の複数の前記製品部分が突出した状態に配置され、
前記取出部材には、前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する非接触吸着手段が前記成形品の各製品部分に対応して複数配置されるとともに、各非接触吸着手段には、前記射出成形金型の開放された面から突出する製品部分に対応する凹部が形成され、
当該凹部の内部から気体を吹き出すことにより、当該凹部に前記製品部分の少なくとも一部を収容した状態に吸着することを特徴とする。
請求項10に記載の発明においては、前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する非接触吸着手段を用いエゼクタ効果やベルヌーイ効果により成形品を吸着した場合に、成形品は、非接触であり、基本的に浮遊した状態となっている。したがって、成形品の形状によっては、吸着されているけれども移動してしまう可能性がある。例えば、板状のものを吸着するような場合には、例えば、成形品側の板面とそれに対向する非接触吸着手段側の面との間を近接させるとともに気流を作ることで、気流側を大気圧に対して負圧にして成形品を吸着する。この場合に非接触吸着手段側の面に対して成形品側の板面が面方向に移動してしまう可能性がある。そこで、例えば、非接触吸着手段側に板状の成形品の端面に当接して成形品の面方向への移動を規制するような部材を設ける場合があるが、この場合には、完全な非接触ではなくなってしまう。
それに対して本発明では、成形品を複数箇所の製品部分で吸着するとともに、成形品において凸となる製品部分をそれぞれ凹部に収容した状態で吸着するので、非接触吸着手段に対して、成形品が上述のように移動してしまうのを完全に防止することができる。また、この場合に成形品に接触して成形品の移動を規制する規制部材を設ける必要もない。
すなわち、成形品は、複数箇所で、凸部(製品部分)が凹部に入り込んだ状態で吸着されているので、その各箇所が含まれる面方向に成形品が移動することができなくなり、成形品の移動をさらに接触する部材で規制する必要がなく、安定した状態で成形品を保持することができる。
本発明によれば、前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着して前記射出成形金型から取り出す取出部材により成形品を取り出す際に、成形品に吹き付けられる気体により成形品を冷却し、かつ、成形品を非接触で吸着して保持して射出成形金型から取り出すので、冷却された成形品が温度が高い状態より例えば硬くなるなどの安定した状態となり、成形品を取り出す際に一部が破損して射出成形金型に残ってしまうようなことを防止し、より確実に射出成形金型から成形品を取り出すことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、本実施の形態の成形品取出方法および射出成形装置で成形される成形品について説明する。図1は成形品の平面図であり、図2は成形品の一部を切欠いた側面図であり、図3は要部拡大平面図であり、図4は要部拡大側面図である。
図1〜図4に示すように、この成形品は、本出願人が特開2007−245595号で提案した金型を用いて液状樹脂射出成形法(LIM法)により成形して得られるものでもある。すなわち、シリコーンなどの熱硬化性樹脂から液状樹脂射出成形法により製品部(本例では、透明光学素子としてレンズ(表明実装用等のLED素子に取り付けられるドーム型レンズ))2を成形する際に、金型にオーバーフローキャッチャ部を設けてレンズ(製品部)2内に気泡が残るのを防止している。したがって、前記特許出願に係る発明を用いて得られた成形品1は、レンズ2の外周部にゲート部3のほかに、前記オーバーフローキャッチャ部で形成されるオーバーフロー部4を備えている。
ゲート部3にはランナ部5が連結されており、このランナ部5は樹脂の流入通路により形成されたスプルー部6に連結されている。この成形品1は、1回の成形で8個の製品を得る8個取りのもので、ほぼ直線状に連結されたランナ部5、ゲート部3、製品部(レンズ2)およびオーバーフロー部4がこの順にほぼ直線状に連結され、平面視において、これらが概略切頭円錐状のスプルー部6を中心部に、放射状に配置されている。
なお、製品部(レンズ2)は、金型のキャビティで成形され、ゲート部3は金型のゲートで形成され、ランナ部5は金型のランナで形成され、スプルー部6は金型のスプルーで形成され、オーバーフロー部4は、オーバーフローキャッチャで成形される。すなわち、この成形品1を成形する金型は、成形品のうちの製品となる部分を成形するためのキャビティと、当該キャビティに連通し、当該キャビティ内に液状樹脂を導入させるゲートと、当該キャビティに連通し、当該キャビティ内からオーバーフローした液状樹脂を受ける空間を形成するオーバーフローキャッチャとを備えている。
次に本実施の形態に係る射出成形装置を説明する。
図5から図12は、本実施の形態に係る射出成形装置を示す図であって、図5は射出成形装置の要部側面図であり、図6は射出成形装置の射出成形金型(以下、金型と称す)を構成する固定側金型の正面図であり、図7は金型を構成する可動側金型の正面図であり、図8は成形品を可動側金型から取り出す取出機の取出ヘッドの正面図であり、図9は成形品を吸着した取出ヘッドの正面図であり、図10は射出成形装置に備えられ、成形品を金型から取り出す取出機の取出部材を示す断面図であり、図11は図10の円Aで囲まれた部分の拡大図であり、図12は、可動側金型に保持された成形品を吸着する際の取出部材の断面図である。
図5に示すように、この射出成形装置の金型(射出成形金型)10は、固定側金型11と可動側金型12を備えている。図6に示すように、固定側金型11の固定側型板(キャビティプレート)13には、図1〜図4に示す成形品1を形成するための形成面14、…が上下4段でそれぞれ左右2つずつ形成されている。すなわち、固定側型板13には形成面14、…が計8つ形成されている。
また、図7に示すように、可動側金型12の可動側型板(コアプレート)15にも、同様に、形成面16、…が上下2段に左右4つずつ、計8つ形成されている。
また、図1〜図4に示す成形品1は、スプルー部6を中心とした円周上に8個の製品部(レンズ2)を備えているものであるから、固定側型板13の成形品1の各形成面14は、それぞれ円周上にレンズ2を形成するための8つのキャビティ形成面を備えている。同様に、可動側型板15の成形品1の各形成面16においてもそれぞれ円周上に8つのキャビティ形成面を備えている。なお、ランナ部5およびオーバーフロー部4を形成する部分は、基本的に可動側型板15の形成面16にのみ形成されている。
そして、後述のように固定側金型11に可動側金型12を前進させて突き合わせて成形品1を射出成形した後に、可動側金型12を後退させて、固定側金型11および可動側金型12のそれぞれの形成面14、…および形成面16を開放するように型開きした際に、射出成形された成形品1は、可動側金型12の可動側型板15に保持された状態となる。
なお、一般的には、上述のように形成された成形品は、可動側金型12に保持されるが、固定側金型11に保持されるようになっていてもよい。また、この例では、形成面14、…および形成面16、…は、ほぼ垂直な面に形成され、固定側金型11に対して可動側金型12がほぼ水平方向に移動するが、水平な面に形成面14、…および形成面16、…を形成し、固定側金型11を下側に配置して下型とし、可動側金型12を上下に移動自在に固定側金型11の上に配置して上型とする場合に、射出成形後の成形品が固定側金型11(下型)に保持されるものとしてもよい。
そして、図5に示すように、この射出成形装置は、上述のように可動側金型12に保持された成形品1を可動側金型12から外部に取り出す取出機41を備えている。取出機41は、取出アーム42と、この取出アーム42の先端部に設けられた取出ヘッド43と、取出ヘッド43の前面側に設けられた複数の取出部材44,…を備えている。取出アーム42は、上下移動可能および水平移動可能となっており、取出ヘッド43を型開きした固定側金型11と可動側金型12との間に下降させ、また可動側金型12に接近および離間させるようになっている。
取出ヘッド43は、ほぼ鉛直方向に沿って配置される板状の部材で、取出アーム42に対して角度調整可能に取り付けられている。
そして、取出ヘッド43の前面には、図8および図9に示すように可動側金型12の可動側型板15に形成された上述の8つの形成面16、…に対応して、上下4段で左右2個ずつの取出部材44,…が設けられている。
各取出部材44,…は、図5、図8〜図10に示すように、形成面16,…に対向して配置されている。そして、取出部材44は、扁平な概略四角筒状に形成され、前面側が前壁部44aにより閉塞された状態となっている。そして、取出部材44の内部空間44bは、圧縮気体が流入されるようになっている。なお、取出部材44において内部空間44bは、後方が開放された状態となっているが、取出ヘッド43により取出部材44の後方側が閉塞した状態となるとともに、圧縮空気を取出部材44の内部空間44bに送出する圧縮気体路(図示略)を内部空間44bに連通させるようになっている。
そして、図10〜図12に示すように、取出部材44の前面を構成する前壁部44aには、型開きした可動側金型12の可動側型板15に保持された成形品1の突出する部分に対応して凹んだ部分が形成されている。
ここで、可動側型板15からは、成形品1のレンズ(製品部)2が一つの円周上に8つ突出した状態となっているとともに、前記円周の中央部にスプルー部6が突出した状態となっている。
取出部材44の前壁部44aの前面の略中央となる部分には、上述のように突出するスプルー部6に対応して、円形凹部44cが形成されている。
また、前壁部44aの前面には、上述の一つの円周上に等間隔で並んだ状態のレンズ(製品部)2に対応して、円周上に等間隔で並んだ状態で吸引凹部44d、…が形成されている。なお、図13は、この例とは構造が僅かに異なる別例となる取出部材44を示すものであるが、図13(b)に示す例においてもこの例と同様に、8つ(複数)の吸引凹部44d、…が並んだ状態に配置されている。なお、スプール部6に対応して、円形凹部44cに代えて、スプール用吸引凹部を設け、スプール部6もレンズ2とともに吸引可能としてもよい。
各吸引凹部44d、…は、円錐台状となる形状を有し、開口部に近づくほど内径が大きくなる形状となっている。そして、吸引凹部44dの最も内径が大きな開口部においては、その内径が成形品の製品部となるドーム形状を有するレンズ2の底部の外径とほぼ等しくなっている。
また、円錐台状の上辺(上面)部分には、取出部材44の内部空間44bに連通する流路44eが形成されている。これにより、取出部材44の内部空間44bに流入した圧縮気体は、流路44eから吸引凹部44dに吹き出すことになる。
この流路44eから気体を吹き出す吸引凹部44dが非接触吸着手段(凹部)となる。
そして、取出機41の取出アーム42により、取出ヘッド43を移動して、取出ヘッド43の各取出部材44を可動側金型12の可動側型板15の各形成面16に保持された成形品1に近づけると、形成面16に保持された成形品1、すなわち、離型前の成形品1の前側に突出する部分である各レンズ(製品部)2の一部が吸引凹部44d内に挿入された状態となる。
ここで、流路44eから気体が吹き出した状態だと、レンズ2が吹き出される気体によって冷却される。また、吸引凹部44dの内周面と、レンズ2の前側外面とがさらに近づくと、吸引凹部44dの内壁面とレンズ2の前側外面との間に気流が生じることになる。そして、レンズ2の外面側は気流に接した状態でレンズ2の内面側は大気圧レベルとなり、エゼクタ効果およびベルヌーイ効果により気流側が大気圧に対して負圧となる。これにより、吸引凹部44dにレンズ2が吸引されて吸着される。しかし、吸引凹部44d内には、圧縮気体が流入した状態であり、吸引されるレンズ2には、上述の吸引力とともに、レンズ2の外面側と吸引凹部44dの内周面との間で圧縮気体による押出力も作用し、これら吸引力と押出力とが平衡状態となり、各吸引凹部44dに対して成形品1の各レンズ2が非接触で吸着された状態となる。
なお、可動側型板15に取出機41によって取出ヘッド43を近づけた状態では、各形成面16,…に離型せずに保持された成形品1と、各形成面16、…に対向する取出部材44との間で、各成形品1の各レンズ2の中心と、各吸引凹部44dの中心とがそれぞれ、一つの軸方向(Y軸方向)にずれた状態で、他の2つの軸方向(X軸方向およびZ軸後方)の位置が同じとなるよう配置されている。すなわち、上下方向の位置と左右方向の位置とがほぼ一致し、前後方向の位置がずれた状態となる。
そして、上述のように各吸引凹部44dにそれぞれ一つずつのレンズ2、…が吸引された状態では、取出部材44に対して成形品1が位置決めされて保持された状態となる。
そして、成形品1の各レンズ2が上述の気流により生じる負圧によって各吸引凹部44dに吸引された状態で、取出ヘッド43を可動側型板15から離れるように後退させると、各レンズ2に当該レンズ2を引き剥がすように上述の吸引力が作用することになる。これにより、レンズ2を複数有する成形品1が可動側金型12から離型させられて取り出されることになる。
そして、成形品1が可動側型板15の形成面16,…から離れた際に、成形品1には自重により下方に力がかかることになるが、上述のように各取出部材44においては、吸引凹部44d内に突出するレンズ2の少なくとも一部を収納した状態で吸着しているので、吸着力は、吸引凹部44dの開口部の内周側から外周側に放射状に作用し、各製品部の鉛直方向への移動を阻止する方向にも力が作用している。したがって、成形品1に自重程度の力が作用しても、成形品1を吸着した状態に保持することができる。
なお、成形品1の例えば、鉛直方向に沿う平坦な部分をエゼクタ効果およびベルヌーイ効果により吸着した場合に、例えば、成形品1に接触して成形品1の下方への移動を阻止する部材が必要となるが、上述のように成形品1の突出する複数の部分を吸引凹部44d
が収納した状態に吸着することで、成形品1に接触するこなく、成形品1の自重による下方への移動を阻止することができ、安定した状態で吸引した状態に保持することができる。
そして、取出部材44の内部空間44bに流入する圧縮気体は、例えば、コンプレッサで圧縮された圧縮空気であり、フィルターによりろ過されるとともに、周知の空気をイオン化する除電装置の電極を通過させることにより、吹き付けられた対象物の除電を行うことが可能な気流を発生するようになっている。また、この例において、レンズ2と吸引凹部44dとの間を流れる気流によって、レンズ2を非接触で吸着するとともに、レンズ2を冷却する用になっており、吸引凹部44d(流路44e)から吹き出される気体の温度がレンズ2より低温である必要がある。
ただし、射出成形直後のレンズ2は、熱硬化性樹脂であるシリコーン樹脂からなり、成形時に金型10を介して加熱されており、室温に対して高温の状態となっているので、例えば、気体が室温程度ならば、必ずしも気体を冷却しなくても射出成形直後の成形品1より低温となり、成形品1を冷却可能である。また、コンプレッサで空気を圧縮することで、空気の温度が高くなるような場合に、例えば、コンプレッサから流出する圧縮気体をタンク内に保持するようにし、タンクで室温レベルに冷却された圧縮空気を用いるようにしてもよい。また、高圧縮状態からそれより低圧縮状態とすることで、気体の温度を低下させるものとしてもよい。
また、熱交換機と冷却水やヒートポンプ等とを用いて気体を冷却するものとしてもよい。気体を室温よりもさらに低温に冷却することで、レンズ2等の成形品1の冷却効果を高め、より短時間で成形品1を冷却することが可能となる。好ましくは10〜20℃に冷却した気体を用いることが好ましい。ここで、成形品を短時間で冷却する上では、吸引凹部44dから吹き出される気体の温度をできるだけ低くすることが好ましいが、吸引凹部44dから吹き出される気体は、成形品1が保持された状態の可動側型板15の形成面16,…をも冷却することになり、可動側型板15の温度を下げることになる。そして、可動側型板15の温度を下げ過ぎてしまうと、次の成形に際し、樹脂を熱硬化させるために可動型を加熱するのに時間とエネルギーが余計に必要となるという問題がある。
したがって、吸引凹部4から吹き出す気体は、効率的に成形品1を冷却するためにたとえば20℃以下が好ましいが、可動型の温度を下げすぎてしまわないように10℃以上が好ましい。
また、気体として空気ではなく、窒素ガスやその他の不活性ガスを用いるものとしてもよい。この際には、不活性ガスのボンベから気体を供給するようにしてもよい。
なお、この例の成形品1における製品部となるレンズ2は、面実装されるLED(白色LEDや3色LEDのように複数のLED素子を含む場合がある)毎に取り付けられるドーム型レンズであり、例えば、数ミリから5ミリ程度の大きさとなっている。したがって、これら小型の製品部であるレンズ2を多数個取りするために複数有する成形品1は細かく煩雑な構造となり、それによって離型しずらいものとなっている。
また、熱硬化性のシリコーン樹脂の成形品は、他の樹脂製の成形品特に熱可塑性樹脂などと比較すると離型しずらいものとなっている。
また、ゲート部3が細くなっていたり薄くなっていたりすることで、ゲート部3で破損して、製品部が取り残されるようなことも起こりうるが、さらにランナ部5や製品部に比較して薄いオーバーフロー部4を設けることで、オーバーフロー部4で破損してオーバーフロー部4が金型10に残ってしまう可能性が高まることなる。そこで、この例の取出部材を用いることにより、より確実に成形品1を取り出すことが可能となる。
以上のようなこの例の射出成形装置における成形品取出方法を説明する。
まず、取出機41の取出アーム42および取出ヘッド43を可動側金型12と固定側金型11との間の外側に配置し、固定側金型11に可動側金型12を突き合わせた状態とし、液状の硬化前のシリコーン樹脂を金型10のキャビティ内に射出して射出成形を行う。この際には、金型10を介してシリコーン樹脂が加熱されてシリコーン樹脂が熱硬化することになる。
そして、射出成形後に金型10を型開きする。すなわち、固定側金型11に対して可動側金型12を後退させ、固定側金型11および可動側金型12を開放する。この際に、この例では可動側金型12に射出成形された成形品1が保持された状態となる。
そして、可動側金型12の後退中、すなわち、型開き中もしくは、可動側金型の後退終了後、すなわち、型開き後に取出機41を作動させて、固定側金型11と可動側金型12との間に取出ヘッド43を移動させる。なお、型開き中に取出機41を作動させる場合には、成形品の取出作業が型開き中に開始され、型開きと同時進行的に成形品1の取出が行われることになる。そして、取出ヘッド43の各取出部材44の位置を、可動側金型12の可動側型板15の各形成面16、…に対向するように合わせる。
そして、この際に、成形品1を冷却するために、各取出部材44の吸引凹部44d(流路44e)から気体を吹き出すものとしてもよい。
この状態では、取出ヘッド43を固定側金型11と可動側金型12との間に移動し、可動側型板15に対向させた状態で、成形品1と取出部材44との間には、吸引凹部44dにより成形品1のレンズ2を吸引することが不可能な間隔が開いている。
次に取出ヘッド43を可動側型板15に向かって前進させる。これにより、可動側型板15の各形成面16、…に保持された各成形品1に対して、取出部材44が近づくことになる。
そして、各成形品1の製品部としてのレンズ2の一部が取出部材44の吸引凹部44d内に挿入される状態となる。この段階で吸引凹部44d(流路44e)から気体を吹き出すものとしてもよい。そして、取出部材44と成形品1が接近すると、吸引凹部44dと成形品1の各レンズ2との間に吹き出される気体により生じる気流によって吸引力が作用することになり、吸引凹部44dに成形品1が吸着された状態となる。この際に可動側型板15の各形成面16、…に対して成形品1が離型されることになる。なお、成形品1は、この吸着が開始された時点で離型するものとしてもよいし、後述のように取出ヘッド43を可動側型板15から離すように後退する移動を開始する際に離型されるものとしてもよい。
また、この成形品1の取り出しにおいて、取出部材44の吸引凹部44dからの気体の吹き出しにより、吸引凹部44dが成形品1に接近した段階から成形品1が吸着されている間中、成形品1に気体が吹き付けられた状態となり、これにより成形品1が冷却されることになる。とくに、成形品1が吸着された段階では、成形品1の少なくとも一部が吸引凹部44d内に入った状態で気体が吹き付けられることになり、成形品1の極めて近くで気体を吹き付けることが可能となり、吹き付けられる気体の流量がたとえ僅かでも効率的に成形品1を冷却することが可能となる。
また、基本的には、成形品1の吸引凹部44dに吸着された部分すなわち製品部(レンズ2)に気体が吹き付けられて冷却されることになるが、成形品1の製品部にはゲート部3およびオーバーフロー部4が近接して配置されているのでこれらにも気体が吹き付けられた状態となり冷却される。
そして、成形品1を離型し、金型10から取り出すために、取出ヘッド43を可動側型板15から離れるように後退させる。この際には、成形品1が上述のように効率的に冷却されることで、成形品1の温度が低下し、高温の状態よりも安定した状態(例えば、硬い状態、変形しずらい状態、亀裂等が生じにくい状態)となり、成形品1の一部が分離してしまうようなことや、反るように変形するようなことがなく、離型および取り出しが行えるようになる。
特に、上述のように製品部が主に冷却されるものとしても、製品部に接続されるゲート部3およびオーバーフロー部4も冷却されることなる。
ここで、ゲート部3は、製品部(レンズ2)とランナ部5を接続する部分で、かつ、製品部やランナ部5に比較して細かったり、薄かったりすることで、破損や変形しやすい部分であるが、ゲート部3が製品部の近傍で効率的に気流により冷却されることで、ゲート部3で破損が生じて製品部とランナ部5とが分離してしまったり、ゲート部3で変形が生じてしまうのを防止することができる。
また、オーバーフロー部4は、例えば、製品部に比較して薄い状態であり、オーバーフロー部4が破損して、オーバーフロー部4が製品部と分離してしまのを防止することができる。これにより、成形品1の離型および取り出しに際し、吸着される製品部に対してゲート部3やランナ部5が金型10(可動側型板15)側に残ってしまったり、オーバーフロー部4が金型10(可動側型板15)側に残ってしまったりするのを防止することができる。
なお、上記例においては、取出ヘッド43の取出部材44が取出機41の取出アーム42により可動側型板15の形成面16にある成形品1に対向する位置に案内されて、成形品1を吸着するが、取出部材44によって成形品1を吸着するためには、取出部材44の吸引凹部44dが成形品1の製品部に接触しないようにして近接する必要があり、取出ヘッド43の精度の高い位置制御が必要となる。
そこで、図13(a)、(b)に示すように、取出機41の取出ヘッド43に設けられる取出部材44の前面に、位置決め用のガイドピン45を複数設けられるものとしてもよい。
この例では、ガイドピン45が取出部材44の前壁部44aの前面に前方に水平でかつ、取出部材44が形成面16の成形品1に近づくように前方に移動した際の移動方向に平行に設けられている。また、この例では、ガイドピン45の前壁部44aへの取り付け位置が、前壁部44a(取出部材44)前面の上下の中央部の左端部と右端部との2カ所となっている。
また、可動側型板15の形成面16には、前記取出部材44のガイドピン45に対応する位置にガイド孔が形成されており、当該ガイド孔にガイドピン45を挿入した状態で、形成面16に取出部材44を近づけると、取出部材44の各吸引凹部44d、…に、成形品1の製品部が接触することなく挿入されることになる。
これにより、取出部材44を用いて金型10から成形品1を取り出す際に、成形品1の金型10の開放側に突出した製品部に取出部材44が接触して製品部を傷つけてしまうような事態を確実に防止することができる。
また、後述のように成形品1の離型に際し、成形品に超音波振動を付与するような場合には、超音波振動により、形成面16と取出部材44との間に僅かな位置ずれが生じる可能性があり、上述のガイドピン45とガイド孔とを設けることが好ましい。
なお、可動側型板15の形成面16に形成さえるガイド孔は、固定側型板13と可動側型板15を合わせて成形品1を成形する際に、固定側型板13の形成面14(入れ子)と可動側型板15の形成面16(入れ子)との位置合わせ用のガイド孔を利用したものであり、固定側型板13の形成面14側にガイドピンが設けられ、可動側型板15の形成面16に固定側型板13のガイドピンが挿入されるガイド孔が形成されている。
そして、このガイド孔に取出部材44のガイドピン45が挿入可能となっている。
すなわち、取出部材44のガイドピン45は、元々可動側型板15の形成面16に形成されたガイド孔を流用しており、形成面16に取出部材44専用のガイド孔を形成する必要がなく、コストの低減や、構造の簡便化を図っている。
また、このようなガイドピン45とガイド孔により、取出部材44の可動側型板15の形成面16が設けられた部分の面方向に沿った位置合わせを可能としているが、たとえば、ガイド孔の深さに対してガイドピン45の長さを長くし、ガイド孔の底にガイドピン45の先端が接触した状態で、形成面16に保持された成形品1と取出部材44との形成面16に直交する方向の位置が最適となるか、最適となる位置よりも僅かに近づきすぎだが、成形品1に取出部材44が接触しない位置となっているものとしてもよい。
すなわち、取出部材44は、成形品1を吸着するために成形品1に近接する必要があるが、取出部材44が成形品1に接触してしまうと、成形品1を傷つけてしまう可能性がある。
そこで、取出部材44を形成面16に保持された成形品1に近づけた際に、成形品1に接触する前にガイドピン45の先端がガイド孔の底に接触し、それ以上取出部材を成形品1を保持した形成面16に近づけられない状態とすることが好ましい。
また、ガイドピン45の基端部の外径をガイド孔の内径より大きくし、かつ、ガイドピン45の基端部より先端側はガイド孔に挿入可能な外径とし、ガイドピン45の基端部の手前までガイド孔にガイドピン45を挿入すると、ガイドピン45の基端部の先端側が形成面16に接触して、それ以上取出部材44を形成面16に近づけられない構成としてもよい。
この場合も、取出部材44を成形品1を保持した形成面16に近づけた際に、取出部材44が成形品1に接触する前にガイドピン45の基端部が形成面16に接触し、取出部材44が成形品1に接触するのを防止するようになっていてもよい。
これらのような構成とすることで、ガイドピン45とガイド孔とにより、形成面16の面方向に沿った位置合わせだけではなく、形成面16の面方向に直交する方向に対しての位置合わせも可能となる。
次に、図14から図16を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図14は第2の実施形態の射出成形装置の可動側金型を示す断面図であり、図15は可動側金型の正面図であり、図16は、可動側金型の入れ子を示す正面図である。
なお、第2の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態の構成に加えて、成形品1を取り出す際に、成形品に超音波振動を与え、これにより成形品を離型するとともに第1の実施の形態と同様に気流を用いた非接触による吸着により成形品を取り出すことにあり、第1の実施の形態と同様の構成については、説明を簡略化もしくは省略する。
この例の射出成形装置においては、前記第1の実施の形態と異なり、型開きの際に成形品が保持される側の金型である可動側金型12aに、成形品1に超音波振動を与えて、形成面16から成形品1を離型するための機構が設けられている。なお、この例の射出成形装置において固定側金型11は、基本的に第1の実施例と同様のものを用いることができる。
そして、可動側金型12aは、射出成形装置本体に可動側金型12aを取り付けるための可動側取付板31とこの可動側取付板31に複数の受け板32〜34および断熱板36を介して取り付けられた可動側型板(コアプレート)35とを備えている。可動側型板35および受け板32〜34には、概略円柱状に互いに連通する貫通孔がもうけられ、その内部に概略円柱状の入れ子37が設けられており、この入れ子37の前面には、成形品1を形成するための形成面16aが形成されている。
入れ子37は次のように設けられている。すなわち、図14に示すように、可動側型板35の貫通孔51にフランジ付きのブッシュ52が設けられており、入れ子37は、このブッシュ52の内側、受け板32〜34および断熱板36の上述の連通する円柱状の貫通孔に亘って挿入されている。そして、ブッシュ52の内周面および受け板34の貫通孔53の内周面と入れ子37の内周面との間にはそれぞれ、僅かな隙間が設けられており、入れ子37は、ブッシュ52および受け板34の貫通孔53にそれぞれ、Oリング(弾性部材)56,57を介して嵌合されており、これにより入れ子37の半径方向の位置が固定されている。各Oリング56,57はそれぞれ、入れ子37の外周面に形成されたOリング用の溝に装着されている。
また、入れ子37の前後方向(型合わせ面側を前側としている。)の中央部には、外方に突出する円板状の鍔部58が形成されている。一方、受け板34の貫通孔53の後端側には、貫通孔53および受け板34の後面に開口する円環状の切欠部59が形成されており、この切欠部59内に入れ子37の鍔部58が挿入されている。そして、この鍔部58の前後にそれぞれ、円環状のスペーサ61,62が配置され、切欠部59の前側の内面と断熱板36の前面とでこれらのスペーサ61,62が挟まれることにより、鍔部58がスペーサ61,62で挟まれており、これにより入れ子37の前後方向(軸方向)の位置を固定されている。スペーサ61,62は、ベイクライト等の摩擦係数の小さい低摩擦材料からなり、鍔部58は、これらのスペーサ61,62の間で、半径方向にすべり移動可能である。また、鍔部58の外径寸法は、切欠部59の半径方向の内面の径より小さく設定されており、鍔部58の外周側には隙間が設けられている。
また、入れ子37の後面には、超音波振動子71が取り付けられている。この超音波振動子71前面中央部にはボルト部72が設けられており、このボルト部72が入れ子37の後面の中央に形成された雌ねじにセラミック等の断熱性材料からなる座金を介してねじ込まれている。断熱性の座金を用いることにより、樹脂成形品形成部の熱が超音波振動子71に伝わるのを抑制している。同様の目的で、前記断熱板36が受け板32c,33の間に介在されている。また、超音波振動子71の周りには、温度調節のための配管が設けられており、超音波振動子71の温度上昇を防いでいる。超音波振動子71は、複数の圧電素子75を有するもので、交流電圧を加えると先端部分が高速振動し、これにより入れ子37を高速振動させるものである。この超音波振動子71は、例えば発振周波数が27kHz程度で、振動振幅が10μm程度に設定される。この場合入れ子37はホーンとして機能し、入れ子37は、前後方向においては前面部および後面部で最大の振幅になり、鍔部58で振幅が0(零)になり、半径方向においては鍔部58で振幅が最大になるようになっている。
次に、この射出成形装置を用いた射出成形(射出成形方法)を、樹脂成形品の離型方法を説明する。
まず、シリコーンなどの熱硬化性樹脂を用いて、液状樹脂射出成形法により金型10内に成形品1を成形する。
次いで、型開きする。この型開き動作中または型開き後に、超音波振動子71で振動させて、入れ子37を振動させる。これにより、入れ子37に密着している成形品1と入れ子37との間に空気層が形成され、入れ子37から成形品1が離型される。
なお、入れ子37は、ブッシュ52および受け板34にそれぞれ、弾性部材であるOリング56,57を介して保持されているので、入れ子37とブッシュ52および受け板34との間にそれぞれ、隙間が形成されているため、入れ子37は樹脂の射出、硬化により成形品1が形成されるときには精密な位置を確保できるとともに、離型時には超音波振動可能である。
また、入れ子37の鍔部58は、半径方向の振幅が最大になる部分であるが、鍔部58外周側に隙間64が設けられているので、鍔部58がスペーサ61,62の間で半径方向にすべり移動して超音波振動することが可能である。
次いで、取出機41の取出ヘッド43を下降させた後、取出ヘッド43を前進させ(可動側金型12に接近させ)、その後取出ヘッド43の取出部材44で成形品1の製品部を吸引凹部44dで上述のように、気体を吹き出して冷却するとともに非接触で吸着する。
次いで、取出ヘッド43を後退させ(可動側金型12から離間させ)、その後上昇させて、固定側金型11と可動側金型12との間から外部に位置させる。
この例においては、取出ヘッド43で成形品1を吸着して取り出す前に、成形品1を保持している形成面16aを有する入れ子37を超音波振動子71で超音波振動させ、形成面16aから成形品1を離型してから取り出すので、より確実に成形品1を可動側金型12aから取り出すことができる。これにより、成形品1の一部を取り残すような状態をより確実に防止することができる。
また、超音波振動だけで成形品1を離型しようとした場合に、レンズの曲率が大きいと必ずしもうまく離型できるとは限らないが、気流を吹き付けて冷却と非接触の吸着を行うようにすることで、完全に離型していない状態でも製品部を確実に取り出せるようになる。
なお、超音波振動を行うタイミングは、上記例では、固定側金型11に対して可動側金型12aを後退させて型開きを行っている間や、型開き後で、取出ヘッド43による成形品1の非接触での吸着を行う前となる。ここで、例えば、取出ヘッド43による吸着中に超音波振動を行うものとしてもよいが、この場合に、成形品1の超音波振動により成形品1が取出部材44の吸引凹部44dの内周面に接触しないことを確認する必要がある。
このような構成とすれば、吸引凹部44dから吹き出される気体の気流により十分に成形品1が冷却されてから成形品1の超音波振動による離型および非接触の吸着による取り出しを行うことができる。
また、吸引凹部44dに超音波振動した状態の成形品1の製品部を非接触で吸着した場合に、成形品1が吸引凹部44dの内周面に接触してしまう可能性があるような場合には、たとえば、取出部材44を超音波振動しても成形品1に接触しない距離まで近づけ、この状態に吸引凹部44dから成形品1に対して気体を吹き出し、成形品1が有る程度冷却された段階で超音波振動を開始し、次いで、超音波振動を停止した後に、さらに取出部材44を成形品1に近づけ、成形品1を吸着して取り出すものとしてもよい。
このようにすれば、吸引凹部44dから吹き出される気体により成形品1を冷却した後に、成形品の離型および取り出しを行うことができる。
また、例えば、吸引凹部44dで吸着する前に気体を吹き出して成形品1の冷却を行う場合に、吸引凹部44dからの気体の吹き出し量を制御して、吸着時より気体の吹き出し量を多くしてもよい。
次に、図17を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。
図17は第3の実施の形態の射出成形装置の可動側金型を示す断面図である。
なお、第3の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態の構成に加えて、成形品1を取り出す際に、成形品をエジェクタピン(押出部材)で押し出して離型するとともに、第1の実施の形態と同様に気流を用いた非接触による吸着により成形品を取り出すことにあり、第1の実施の形態と同様の構成については、説明を簡略化もしくは省略する。
この例の射出成形装置においては、前記第1の実施の形態と異なり、型開きの際に成形品が保持される側の金型である可動側金型12bに、成形品1をエジェクタピン81、…で押し出して型面から成形品1を離型する押出手段が設けられている。なお、この例の射出成形装置において、固定側金型11は、基本的に第1の実施例と同様のものを用いることができる。
そして、可動側金型12aは、周知のエジェクタピン81、…を備えるもので、射出成形装置本体に可動側金型12bを取り付けるための可動側取付板82と、エジェクタプレート下83と、エジェクタプレート上84と、スペーサブロック85と、受け板86と、可動側型板87と、エジェクタロッド88と、リターンピン89と、リターンスプリング90と、可動側型板(コアプレート)91と、可動側型板91において成形品1を成形するための形成面16bを構成する入れ子92とを有する。
エジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84には、エジェクタピン81、…の基端部が固定され、これらエジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84がエジェクタロッド88により前進および後退が可能となっている。なお、エジェクタピン81、…の押し出しは、エジェクタロッド88により行われ、エジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84の押し出し前の定位置への移動はリターンスプリング90により行われる。なお、リターンピン89は、エジェクタピン81が戻りきれなかった場合、型締めで強制的にエジェクタピンを戻すために設けられている。
また、スペーサブロック85がエジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84の前後動の空間を確保するようになっている。
また、可動側型板91には、入れ子92,92を収容する貫通孔93が形成され、基端部にフランジを有する入れ子92,92がその前面の形成面16bを露出した状態で可動側型板91に挿入された状態に保持されている。また、受け板86および入れ子92,92には、エジェクタピン81,…が貫通する貫通孔が形成され、エジェクタピン81、…が前後動自在に貫通孔内に配置されている。
そして、エジェクタピン81、…は、上述の成形品のスプルー部6を押す中央のエジェクタピン81と、スプルー部6から放射状に例えば8方向にそれぞれ延出するランナ部5を押す小径の円周上に等間隔で配置されたエジェクタピン81、…と、ランナ部5から製品部となるレンズ2を超えてオーバーフロー部4を押す上述の小径の円周より大径の円周上に等間隔で配置されたエジェクタピン81、…とからなる。
すなわち、可動側型板91の入れ子92の形成面16bに保持された成形品1は、そのスプルー部6、8つのランナ部5および8つのオーバーフロー部4をエジェクタピン81、…に押されて離型されることになる。
この例では、製品部(レンズ2)に傷をつけないように製品部がエジェクタピン81、…に押されることはない。
次に、この射出成形装置を用いた射出成形(射出成形方法)を、樹脂成形品の離型方法を説明する。
まず、シリコーンなどの熱硬化性樹脂を用いて、液状樹脂射出成形法により金型10内に成形品1を成形する。
次いで、型開きする。この型開き動作中または型開き後に、エジェクタロッド88によりエジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84を前方に押し出すことにより、基端部がこれらに固定されたエジェクタピン81、…を前方に押し出す。
これにより、入れ子37に密着している成形品1と入れ子37との間に空気層が形成され、入れ子37から成形品1が離型される。
次いで、取出機41の取出ヘッド43を下降させた後、取出ヘッド43を前進させ(可動側金型12に接近させ)、その後取出ヘッド43の取出部材44に設けられた吸引凹部44dで成形品1の製品部を上述のように、気体を吹き出して冷却するとともに非接触で吸着する。
次いで、成形品1を吸着した状態の取出ヘッド43を後退させ(可動側金型12から離間させ)、その後上昇させて、固定側金型11と可動側金型12との間から外部に位置させる。
その後、リターンスプリングの圧力により、エジェクタピン81、…、エジェクタプレート下83およびエジェクタプレート上84を元の位置まで後退させる。
この例においては、取出ヘッド43で成形品1を吸着して取り出す前に、エジェクタピン81、…により成形品1を離型してから取り出すので、より確実に成形品1を可動側金型12aから取り出すことができる。これにより、成形品1の一部を取り残すような状態をより確実に防止することができる。
また、エジェクタピン81、…で、成形品1のスプルー部6、ランナ部5、オーバーフロー部4を押して、成形品1全体を確実に型面から離れた状態とした場合に、製品部とランナ部5の間の薄く細いゲート部3や、薄いオーバーフロー部4のエジェクタピン81、…が当たる部分などに応力が集中しやすくなり、これらの部分で成形品1が破損する可能性がある。
特に、成形品1がこの例のように熱硬化性樹脂である場合、特に、シリコーン樹脂である場合や、この例のように成形品1が小型で脆弱な構造の場合に上述のように破損する可能性が高い。
それに対して、本発明は、製品部を非接触で吸着して製品部に傷をつけることなく引き出すことが可能なので、例えば、エジェクタピン81、…の押し出し量を小さくするなどして、上述の応力が集中しやすい部分が破損するのを防止しながら、エジェクタピン81、…に押し出されなかった製品部を吸引して引っ張ることで、成形品1全体を離型するような構成とすることが可能となり、より確実に成形品1を離型して取り出すことができる。
逆に言えば、第1の実施の形態のように非接触の吸着により製品部を引き出した場合に、スプルー部6やランナ部5、オーバーフロー部4が製品部に引っ張られる構成となり、やはり、上述のようにゲート部3やオーバーフロー部4で応力が集中し破損しやすい状態となるが、スプルー部6やランナ部5、オーバーフロー部4がエジェクタピン81、…に押されていることにより、製品部を吸引して引き出すことで、成形品1全体をスムーズに金型10から引き出すことが可能となる。
また、成形品1の引き出し時には、製品部および製品部の近傍のゲート部3やオーバーフロー部4が吸引凹部44dから吹き出される気体により十分に冷却されて安定した状態となってから吸引および取り出しが行われるので、それによっても、ゲート部3やオーバーフロー部4の破損や変形を防止することができる。
また、前記例では、エジェクタピン81により離型した後に取出部材44による成形品1の吸着および引き出しが行われるが、例えば、取出部材による成形品1の吸引開始時や吸引開始後にエジェクタピン81による成形品1の押し出しを行ってもよい。この場合に、エジェクタピン81での押し出しが行われる際には、吸引凹部44dから吹き出される気体により成形品1の冷却が開始された際もしくは有る程度冷却された状態で、エジェクタピン81、…による押し出しが行われるので、より確実に上述のような成形品の破損を防止することができる。
なお、この際には、取出部材44と成形品1が近接した状態で、成形品1のエジェクタピン81、…による押し出しが行われるので、エジェクタピン81、…に押し出された成形品1が取出部材44に接触する可能性がある。この場合には、上述のようにエジェクタピン81、…による成形品の押し出し量を僅かとし、少なくとも直接エジェクタピン81、…に押し出されることがない製品部(レンズ2)が取出部材44に接触するほど移動しない構成としてもよい。
また、エジェクタピン81の押し出しと同時に、取出部材44を有する取出ヘッド43を後退させて、押し出された成形品が取出部材44に接触しないようにしてもよい。
また、取出部材44の吸引凹部44dから吹き出される気体による冷却をエジェクタピン81、…による押し出しより前に開始するために、取出部材44を押し出された成形品に接触することがなく、かつ、吸引凹部44dに対して製品部が吸引されることがない範囲で、可動側型板91に保持された成形品1に取出部材44を近づけ、吸引凹部44dから吹き出される気体により、成形品1を吸引することなく冷却だけ行い、その後にエジェクタピン81、…による成形品1の押し出しと、吸引凹部44dによる成形品1の製品部の吸着および成形品1の取り出しを行うようにしてもよい。
この場合には、吸引凹部44dからの気体の吹き出し量を制御して、吸着前の成形品1への気体の吹き付けによる冷却時には、吸引時より気体の吹き出し量を多くしてもよい。
なお、第2の実施形態の成形品1に超音波振動を付与する構成は、一例であり、成形品1に超音波振動を与えて、成形品1の離型が行える構成となっていればよく、例えば、入れ子37の超音波振動可能な支持構造を変更してもよい。
また、第3の実施形態における成形品1の押し出し方法も異なる構成としてもよく、周知の各種構成を本発明に応用することができる。
また、第2の実施形態の成形品1に超音波振動を与える構成に、上述のエジェクタピンを前後動させる構成を加えて、超音波振動と成形品の押出手段による押出とを併用してもよい。
また、本発明は、透明光学素子以外の光学素子となる成形品にも応用可能であり、光学素子以外の成形品にも応用可能である。また、本発明の成形品は、シリコーン樹脂に限られるものではなく、シリコーン樹脂以外の熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂ではない、例えば、熱可塑性樹脂にも応用可能である。なお、熱可塑性樹脂の成形においては、成型前の段階で樹脂が加熱された溶融した状態となっており、成形後に冷却することでより安定した状態となるので、上述のような吸引凹部44dからの気体の吹き出しによる冷却効果により成形品の取り出しを容易にすることが可能となる。
また、本発明は、オーバーフロー部を持たない成形品にも応用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る成形品を示す平面図である。 前記成形品を示す一部を切欠いた側面図である。 前記成形品を示す要部拡大平面図である。 前記成形品を示す要部拡大側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る型開きした状態の射出成形装置を示す側面図である 前記射出成形装置の固定側金型を示す正面図である。 前記射出成形装置の可動側金型を示す正面図である。 前記取出機の取出ヘッドを示す正面図である。 前記成形品を吸着した前記取出ヘッドを示す正面図である。 前記射出成形装置の取出機の取出部材を示す断面図である。 図10のA部分の拡大図である。 前記成形品部材を吸着した取出部材を示す断面図である。 本発明の別例となる取出部材を示す図であって、(a)は断面図、(b)は正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る射出成形装置の可動側金型を示す断面図である。 前記可動側金型を示す正面図である。 前記可動側金型の入れ子を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る射出成形装置の可動側金型を示す断面図である。
符号の説明
1 成形品(透明光学素子)
2 レンズ(製品部、製品)
4 オーバーフロー部
10 金型(射出成形金型)
12 可動側金型
12a 可動側金型
12b 可動側金型
37 入れ子
44 取出部材
44d 吸引凹部(非接触吸着手段、凹部)
71 超音波振動子

Claims (10)

  1. 射出成形金型から成形品を取り出す成形品取出方法であって、
    前記射出成形金型の型開き中もしくは型開き後に、
    前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着して前記射出成形金型から取り出す取出部材により、
    前記射出成形金型から取り出すべき成形品に対して当該成形品より低温の気体を吹き付けることで当該成形品を冷却するとともに非接触で吸着して前記射出成形金型から前記成形品を取り出すに際し、
    前記射出成形金型の型開き中もしくは型開き後に、前記成形品に超音波振動を与えて当該成形品を前記射出成形金型から離型し、かつ、前記取出部材を用いて前記成形品を冷却するとともに非接触で吸着して取り出すことを特徴とする成形品取出方法。
  2. 前記成形品は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の成形品取出方法。
  3. 一つの前記成形品には、前記射出成形金型から取り出した後に分割される複数の製品が含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形品取出方法。
  4. 前記成形品は、透明光学素子であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形品取出方法。
  5. 前記射出成形金型は、一度の射出成形に際し、同時に複数個の成形品を成形することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成形品取出方法。
  6. 前記取出部材から吹き出される気体は、冷却された気体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形品取出方法。
  7. 前記取出部材から吹き出される気体は、前記成形品を除電可能な気体であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成形品取出方法。
  8. 前記射出成形金型は、前記成形品のうちの製品となる部分を成形するためのキャビティと、
    当該キャビティに連通し、当該キャビティ内に液状樹脂を導入させるゲートと、
    当該キャビティに連通し、当該キャビティ内からオーバーフローした液状樹脂を受ける空間を形成するオーバーフローキャッチャとを備え、
    前記成形品には、前記オーバーフローキャッチャで形成されたオーバーフロー部を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の成形品取出方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成形品取出方法を用いて射出成形された成形品を射出成形金型から取り出す射出成形装置であって、
    前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する取出部材を備えていることを特徴とする射出成形装置。
  10. 前記成形品には、前記射出成形金型から取り出された後に分割される複数の製品が含まれ、
    前記射出成形金型を型開きした際に、前記射出成形金型の開放された面で前記成形品の複数の前記製品部分が突出した状態に配置され、
    前記取出部材には、前記成形品に対して気体を吹き出すことにより当該成形品との間に気流を生じ、当該気流に基づいて負圧を発生させて、前記成形品を非接触で吸着する非接触吸着手段が前記成形品の各製品部分に対応して複数配置されるとともに、各非接触吸着手段には、前記射出成形金型の開放された面から突出する製品部分に対応する凹部が形成され、
    当該凹部の内部から気体を吹き出すことにより、当該凹部に前記製品部分の少なくとも一部を収容した状態に吸着することを特徴とする請求項9に記載の射出成形装置。
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