JP2016184584A - バネ式接点 - Google Patents

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Abstract

【課題】バネとプランジャとの間のもつれ合いを生じにくくした信頼性が改善されたバネ式接点を提供する。
【解決手段】プランジャ320とバネ330との間にピストン340を配置し、ピストン340はバネ330の直径よりも幅が広く、バネ300とプランジャ320とを隔離するためにバネ300とプランジャ320との間に配置された、ヘッド342を有してもよい。これら及び他の手段として、球体等の追加の物体をプランジャ330とバネ300との間に配置してもよい。さらに別の手段として、2つの球体等、2つの追加の物体を、プランジャ330とピストン342との間に配置してもよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、バネ式接点に関する。
消費者の利用できる電子装置の数及び種類は過去数年で飛躍的に増加しており、この増加傾向が弱まる気配は見られない。ポータブルコンピュータ装置、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュー及び一体型コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、及びメディアフォン、記憶装置、ポータブルメディアプレーヤ、ナビゲーションシステム、モニタ及びその他の装置など、装置はユビキタス化している。
これらの装置は様々なケーブルを使用して電力を受け取り、データを共有することが多い。これらのケーブルは、各端部にコネクタインサート又はプラグを有することができる。コネクタインサートは、電子装置のコネクタレセプタクル内に差し込まれることで1つ以上の信号及び電力の導電路を形成する。
これらのインサート又はプラグは、レセプタクル内の対応する接点と係合する接点を有する場合がある。これら係合された接点は、データ、電力、又はその他の種類の信号の電気経路の一部を形成することができる。各種の接点を使用することもできる。接点の一種であるバネ式接点は、コネクタインサート又はコネクタレセプタクルのいずれかで使用されてもよい。
バネ式接点は、第2の接点と接触した際にプランジャが押下され、第2のコネクタから離脱する際に後退するような、バネによって付勢されるプランジャを含んでもよい。しかしこの配置は、バネ式接点の信頼性の低下を引き起こす可能性がある。例えば、バネとプランジャがもつれ合うことがある。つまり、バネは、プランジャとバネ式接点のバレル又は筐体との間に挟まれることがある。このため、プランジャが後退することが妨げられ、プランジャは押下されたままとなる場合がある。
また、プランジャが第2の接点と接触し押下されると、バレル又は筐体との接触が断たれる可能性がある。これによりバネに大電流が流れ、バネを損傷又は破壊してしまう可能性がある。
したがって、バネとプランジャとの間のもつれ合いを生じにくくし、バネに大電流が流れにくくすることにより信頼性が改善された、バネ式接点が必要とされる。
したがって、本発明の実施形態では、信頼性が改善されたバネ式接点を提供することができる。本発明の例示的な実施形態では、バネとプランジャとの間のもつれ合いを生じにくくさせたバネ式接点を提供することができる。別の例示的な実施形態では、過電流が流れることにより引き起こされるバネの損傷を生じにくくすることができる。
繰り返しとなるが、従来のバネ式接点では、時折バネやその他のコンプライアンス機構がプランジャともつれ合うことがある。具体的には、バネがプランジャとバネ式接点の筐体又はバレルとの間に挟まれることがある。このため、コネクタが切り離された際に、プランジャが後退しなかったり、プランジャがコネクタ表面に出てこなかったりする場合がある。その代わりに、プランジャは、コネクタ内部で押下されたままになる可能性がある。このため、外観若しくは機能、又はその両方に欠陥をもたらすことがある。
したがって、本発明の例示的な実施形態では、プランジャとバネとの間に隔離物体を有するバネ式接点を提供する。具体的実施例としては、プランジャとバネとの間にピストンを配置してもよい。ピストンは、バネの直径より幅が広い第1ヘッド部を有してもよく、ヘッド部は、バネとプランジャとの間に配置されてもよい。これにより、バネとプランジャとがもつれ合わないよう、バネとプランジャとを隔離することができる。例えば、ヘッド部により、バネがプランジャとバネ式接点のバレルとの間に挟まれることを防ぐことができる。ピストンは、バネよりも細く、バネの内部に配置された、第2本体部分を有してもよい。これにより、使用中にヘッド部がプランジャとバネとの間に留まるよう、ピストンを所定の位置に保つことができる。このピストンは、ステンレス・スチール、黄銅、金メッキ黄銅、又は他の材料等、様々な導電性材料からなるものであってもよい。他の実施形態では、ピストンは、セラミック、プラスチック、又は他の材料等の非導電性材料を使用して形成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、1つ以上の球体、円筒、又は他の形状を有する他の物体等、他の隔離物体を使用してもよい。これらの物体は、導電性であってもよく、ステンレス・スチール、黄銅、金メッキ黄銅、又は他の材料により形成されてもよい。他の実施形態では、それらは非導電性であってもよく、セラミック、プラスチック、又は他の材料を使用して形成されてもよい。例えば、プランジャ及びバレルは、黄銅又は青銅等の他の銅基材料であってもよい。プランジャ及びバレルは、更に、例えば、金で、メッキをしてもよい。
繰り返しとなるが、従来のバネ式接点では、プランジャがバネ式接点のバレルと接触しなくなるように押下されることがある。これにより、電源や他の大電流が比較的細いバネに流れる恐れがある。その結果、バネがオーバーヒートを起こし破損したり、損傷したりする可能性がある。
したがって、本発明の例示的な実施形態では、プランジャと隔離物体との間に非対称な界面を提供してもよい。例えば、本発明の一実施形態では、非対称な背面、例えば、偏心テーパ状の背面を有するプランジャを有するバネ式接点を提供してもよい。例えば、この背面は偏心円錐状であってもよい。この偏心テーパ状の背面は、ピストンのヘッド部と接触することができる。このように偏心していることにより、プランジャ若しくはピストン、又はその両方がバレルと接触するような角度にプランジャを確実に傾けることができ、それによりバネの損傷の可能性を回避することができる。バネ自体は、ステンレス・スチール304(stainless steel 304)等のステンレス・スチール、又は他の適した材料等の、導電性又は非導電性材料で形成されてもよい。例えば、ピアノ線又は高張力鋼を使用してもよい。バネは、金、銀、又は他の材料でメッキされてもよい。バネはまた、バネに電流が流れるのを更に防ぐために、パリレンの等の誘電体でコーティングされてもよい。本発明の他の実施形態では、隔離物体の表面は非対称であってもよい。
本発明の別の例示的な実施形態では、プランジャと隔離物体との間に追加の物体を配置してもよい。この追加の物体は導電性であってもよく、プランジャとバレルとの間に導電路を提供してもよいが、非導電性であってもよい。
本発明のある実施形態では、追加の物体は、球状又はボール状であってもよい。ボールは、プランジャと隔離物体との間に存在してもよい。ボールは導電性又は非導電性であってもよい。導電性ボールは、プランジャとバレルとの間に電気経路を形成してもよい。本発明のある実施形態では、2つの追加の物体を用いてもよい。これらの追加の物体は、両方が球状であってもよく、両方がプランジャと隔離物体との間に存在してもよい。これら追加の物体の一方又は両方が導電性であっても、非導電性であってもよい。
本発明の様々な実施形態では、追加の物体は、様々な隔離物体と共に用いてもよい。例えば、隔離物体は、上述のように、プランジャであってもよい。他の実施形態では、隔離物体は第2のボール、すなわち球状であってもよい。本発明の様々な実施形態では、追加の物体及び隔離物体は、類似の又は異なる大きさであってもよい。隔離物体は、導電性又は非導電性であってもよい。
本発明の様々な実施形態は、また、バネ式接点の信頼性を向上させるために、様々な構造、コーティング、又は他の技術を、単独で又は組み合わせて用いてもよい。例えば、液体などの異物がバネ式接点の筐体内へ引き込まれることがある。この液体は、プランジャを押し下げて解放することによって生じる真空及び吸引力により、筐体内へ引き込まれることがある。したがって、本発明の一実施形態では、バネ式接点の筐体に通気孔又は他の開口部を設けることにより、これらの力を低減することができる。プランジャを押し下げて解放することにより生じる真空吸引力を低減することにより、液体及び他の異物は筐体内に引き込まれない、又はより少ない程度に引き込まれるため、信頼性を長期的に向上することができる。通気孔は、ドリル加工、レーザーエッチング、又は他の適切な技術を用いて形成することができる。また、本発明の様々な実施形態では、このような異物から保護するために、通気孔を使用することによりその量が低減される場合であっても、筐体、プランジャ、バネ、隔離物体、追加の物体、及び他の構成部分の一部又はすべてを、一重以上の層でコーティングしてもよい。異物に対して保護するために、疎水性又は疎油性の層を使用してもよい。例えば、パリレン又は他のコーティングを使用してもよい。
本発明の種々の実施形態では、これら及び本明細書内で説明する他の特徴を1つ以上組み込んでもよい。以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することにより、本発明の性質及び利点の理解をより深めることができる。
本発明の実施形態に係る磁気コネクタシステムを示す。 本発明の実施形態に係るコネクタインサートを示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。 プランジャが押下された場合の図3のバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点の断面図を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点の一部を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点の斜視図を示す。 本発明の実施形態に別の他のバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係る別のバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。 本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。 バネ式接点の筐体の異物混入を示す。 バネ式接点の筐体の異物混入を示す。 バネ式接点の筐体の異物混入を示す。 異物混入を低減するための通気孔を備えた筐体を有するバネ式接点を示す。
図1は、本発明の実施形態を組み込むことによって改善することができる電子システムを示している。この図は、この他の添付図と同様に、例示の目的で示され、本発明の可能な実施形態又は請求項のいずれをも限定するものではない。
この図には、電子装置110が含まれる。この具体的実施例では、電子装置110はラップトップコンピュータであってもよい。本発明の他の実施形態では、電子装置110はネットブックコンピュータ若しくはタブレットコンピュータ、携帯電話、メディア電話、若しくはスマートフォン、GPS装置、メディアプレーヤー、又はその他の装置であってもよい。
電子装置110は、電池を含んでもよい。電池は、電子装置110の電子回路に電力を提供してもよい。電源アダプタ120により、この電池を充電してもよい。具体的には、電源アダプタ120は、壁コンセント又は車の充電器等の外部ソースから受電してもよい。電源アダプタ120は、受電した外部電源であるAC電源又はDC電源をDC電源に変換することができ、変換されたDC電源を、ケーブル130を通ってプラグ132に提供することができる。本発明の他の実施形態では、プラグ、すなわちインサート132は、ケーブル130を介して別の種類の装置に接続されてもよい。プラグ132は、電子装置110のレセプタクル112と係合するように配置されてもよい。プラグ132からの電力は、レセプタクル112で受電され、電子装置110の電池及び電子回路部品に供給されてもよい。本発明の他の実施形態では、データ又はその他の種類の信号も、プラグ又はインサート132を介して電子装置110へ提供することができる。
図2は、本発明の実施形態に係るコネクタインサート132を示す。コネクタインサート132は、吸引板210、シールド又はカバー220、ケーブル230、及びストレインリリーフ240を含んでもよい。吸引板210は、前面212を含んでもよい。前面212は、接点250、252、254、256、及び258のための開口部260を含んでもよい。本発明のある実施形態では、接点250及び258は接地を伝達でき、接点252及び256は電力を伝達でき、接点254は接続が形成されたことを検出するために使用できる。この具体的実施例では、コネクタインサート132が対応するコネクタレセプタクルと係合したときに、電力が印加される前に接地経路が形成されるように、接点250及び258がその他の接点よりも前に突き出ている。
本発明の様々な実施形態では、接点250、252、254、256、及び258は、バネ式接点であってもよい。本発明の実施形態に係るバネ式接点の実施例は、以下の図にて示される。
図3は、本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す図である。バネ式接点300は、図2の接点250、252、254、256、又は258として使用され得る。バネ式接点300は、筐体又はバレル310内に収容されてもよい。バレル310は、テール312を含んでもよい。テール312は、プリント配線基板、又は図2のコネクタインサート132等のコネクタ内のその他の構造物に半田付けされてもよい。
バネ式接点300は更に、プランジャ320を含んでもよい。プランジャ320は、別のコネクタの第2の接点と係合する先端322を有してもよい。プランジャ320は更に、ノッチ又は広い部分324を有してもよい。ノッチ324は、筐体310の一部314に接触することにより、プランジャ320の後退を制限してもよい。
バネ式接点300は、更に、バネ330等のコンプライアンス機構を含んでもよい。バネ330は、バネ式接点300を収容するコネクタが対応するコネクタから離脱する際にプランジャ320をバレル310から後退させるために、伸張し得る。バネ330が圧縮されることにより、バネ式接点300を収容するコネクタが対応するコネクタと係合するときに、プランジャ320を筐体又はバレル310内に押下することができる。
繰り返しとなるが、従来のバネ式接点では、使用中にバネがプランジャともつれ合うことがある。例えば、バネが、プランジャとバレル又は筐体との間に挟まれることがある。これにより、プランジャが筐体から完全に後退することを妨げることがある。そのため、外観若しくは機能、又はその両方の欠陥をもたらすことがある。
したがって、本発明の実施形態では、プランジャ320とバネ330との間に隔離物体を用いてもよい。この具体的実施例では、隔離物体はピストン340を備える。ピストン340は、ヘッド342及び本体344を含んでもよい。ヘッド342は、バネ330の直径より幅広であってもよい。ヘッド342は、プランジャ320とバネ330との間に配置されてもよい。本体344は、バネ330の内径より細くてもよいし、実質的にバネ330の内側にあってもよい。
ここでは、隔離物体はピストン340として示されているが、本発明の他の実施形態では、その他の隔離物体を使用してもよい。例えば、球体を隔離物体として使用してもよい。本発明の更に他の実施形態では、その他の隔離物体を使用してもよい。例えば、円筒状又はその他の形状の物体を使用してもよい。これらの隔離物体により、バネ330がバレル310とプランジャ320との間に挟まれることを防ぐことができる。
繰り返しとなるが、プランジャは押下されると、バネ式接点のバレル又は筐体と接触しなくなることがある。このような状況下では、電流がバネに流れることがある。このような状態は、バネ式接点が信号を伝達する際には合理的であっても、電力供給又は接地電流の伝達の際には損傷を与えることもある。この電流の流れにより、バネが損傷又は破損する場合もある。具体的には、バネの抵抗により、電流の流れによってバネが加熱される場合がある。この加熱により、バネが弾力性を失う可能性がある。このような損傷により、外観や機能的欠陥が生じる可能性がある。
したがって、本発明の実施形態では、プランジャが押下された際に、バネが大電流から保護されるように、プランジャ若しくは隔離物体、又はその両方がバレルとの接触を維持できるように、プランジャと隔離物体との間の界面を非対称にしてもよい。この具体的実施例では、ピストン340は背面326でプランジャ320と接触する。背面326は、プランジャ320が押下された際に、プランジャ320若しくはピストン340、又はその両方がバネ式接点300の中心線に対して傾斜し、バレル310との接触を維持できるよう、非対称であってもよい。この具体的実施例では、背面326は偏心テーパ状のくぼみを有している。例えば、この背面326は、偏心円錐状であってもよい。本発明の他の実施形態では、背面326は他の形状を有してもよい。本発明の他の実施形態では、非対称部分は、ピストン340又は他の隔離物体の先端面上に配置されてもよい。
この界面での非対称性により、プランジャ若しくはピストン、又はその両方がバレルの一側面へ押し込まれ得る。この力により、バネ式接点300の低い接触抵抗を低下させることができる。以下の図に実施例を示す。
図4は、プランジャが押下された場合の図4のバネ式接点を示す。具体的には、プランジャ420が筐体410に対して押下されている様子が示されている。この図では、バネ430が圧縮され、ピストン440は筐体410の更に奥へ押し込まれている。プランジャ420の非対称面426は、プランジャ420及びピストン440を傾ける働きをする。具体的には、プランジャ420の一点428が、一点418にて筐体又はバレル410と接触することができる。同様に、プランジャ420の一点425が、一点415にて筐体又はバレル410と接触することができる。
この実施例では、ピストン440は、プランジャ420の背面426及び筐体又はバレル410の両方に接触するように傾いてもよい。具体的には、ピストン440の一点447が、プランジャ420及び一点427と接触することができる。また、ピストン440の一点449も、一点419にてバレル410と接触することができる。
これにより、プランジャ420の先端422から筐体410のテール412へ、いくつかの電気経路を提供することができる。具体的には、電流はプランジャ420の先端422から一点428へ、次いで筐体410の一点418へ、次いでテール412へと流れてもよい。また電流は、プランジャ420の先端422から一点425へ、次いでバレル410の一点415へ、次いでテール412へと流れてもよい。また電流は、プランジャ420の先端422から一点427へ、次いでピストン440の一点447へ、次いでピストン440の一点449へ、次いでバレル410の一点419へ、次いでテール412へと流れてもよい。プランジャ420がバレル410に対して押下されると、これらの構成部品の正確な外形及び相対的な位置に応じて、これらの若しくは他の電気経路のうちいくつか、又はすべてを形成することができる。
図5は、本発明の実施形態に係るバネ式接点の断面図を示す。バネ式接点500は、バネ式接点300と同じであってもよいし、異なるバネ式接点であってもよい。バネ式接点500は更にバレル又は筐体510含んでもよい。プランジャ520は、少なくとも部分的に筐体510内に収納されてもよい。プランジャ520は、プランジャ520の後退を制限するための歯止めとして使用され得るノッチ524を有してもよい。プランジャ520は、非対称背面526を有してもよい。繰り返しとなるが、この実施例では、隔離物体540は、ヘッド部542及び本体部544を有するピストンとして示されている。ヘッド部542は、バネ530の直径より幅広であってもよい。本体部544は、バネ530の内径より細くてもよいし、バネ530によって実質的に囲まれていてもよい。バネ530が伸縮することにより、プランジャ520の移動を可能にしてもよい。前述と同様に、プランジャ520は、バレル又は筐体510と電気的に接触してもよい。
この実施例では、プランジャ520の背面526は非対称である。しかし、背面は非対称でありながらも、プランジャ520の縦方向の長さは、その表面のすべての部分に沿っておよそ同じである。例えば、各L1及びL2では、長さL1は長さL2とほぼ同じであってよい。これは、プランジャ520の背面526が、プランジャ520の縦軸LAに対して少なくとも実質的に直交する外縁を有することができるためである。結果として、バレル510内にてプランジャ520が押下される際に、プランジャ520の先端があらゆる方向に移動すると、プランジャ520は各方向へおおよそ同程度に傾くことができる。これにより、バネ式接点が第2のコネクタの固定接点と接続するための手助けとなる。
繰り返しとなるが、この実施例では、プランジャ520の背面526は非対称面であるとして示されているが、本発明の他の実施形態では、ピストン540又は他の隔離物体の先端が非対称面を有してもよい。
図6は、本発明の実施形態に係るバネ式接点の一部を示す。一部600は、バネ式接点300若しくは500、又は本発明の実施形態に係る他のバネ式接点の一部であってもよい。この図は、ノッチ624を有するプランジャ620、ヘッド642並びに本体644を含むピストン640、及びバネ630を含んでいる。
図7は、本発明の実施形態に係るバネ式接点の斜視図を示す。バネ式接点700は、本明細書に示す他のバネ式接点と同じであってもよいし、異なるバネ式接点であってもよい。バネ式接点700は、筐体又はバレル710、プランジャ720、バネ730、及び隔離物体740を含んでもよい。筐体710は、プリント配線基板、又は図2のコネクタインサート132等のコネクタ内の他の構造物と接続するテール712を含んでもよい。隔離物体740は、ヘッド742及び本体744を有するピストンとして示されている。
繰り返しとなるが、本発明の他の実施形態では、その他の隔離物体を使用してもよい。以下の図に実施例を示す。
図8は、本発明の実施形態に係る別のバネ式接点を示す。この実施例では、隔離物体として、ドーム型のキャップ840が使用されている。具体的には、キャップ840はバネ830を覆うように配置されている。このようにして、キャップ840はプランジャ820からバネ830を隔離している。
本発明の様々な実施形態では、バネ式接点のこれら及び他の構成部分を変更してもよい。例えば、プランジャ及びバレルは、黄銅、又は青銅等の銅ベースの他の材料であってもよい。プランジャ及びバレルは、更に、例えば、金でメッキされてもよい。バネは、ステンレス・スチール340(stainless steel 340)等のステンレス・スチールから形成されてもよい。バネ330は更に、誘電材料でコーティングしてもよい。本発明のある実施形態では、誘電体がパリレンであってもよい。このピストンは、ステンレス・スチール、黄銅、金メッキ黄銅、又は他の材料等、様々な導電性材料からなるものであってよい。ピストンは、セラミック、プラスチック、又は他の材料等の非導電性材料を使用して形成されてもよい。
これらの様々な実施例では、隔離物体の前縁部はドーム型であってもよい。いくつかの実施例では、ドーム型は、やや球状であってもよい。本発明の他の実施形態では、隔離物体の前縁部は、球状よりも平坦であってよい。これにより、隔離物体の長さを短くすることができるため、バネ式接点の長さも短くすることができる。
本発明の様々な実施形態では、プランジャと隔離物体との間に追加の物体を配置してもよい。この追加の物体を導電性とすることによりプランジャとバレルとの間に電気経路を提供することもできるが、非導電性であってもよい。本発明の更に他の実施形態では、2つの追加の物体を使用してもよい。以下の図に実施例を示す。
図9は、本発明の実施形態に係る別のバネ式接点を示す。このバネ式接点は、バレル910、プランジャ920、バネ930、及びピストン940を含んでいる。ピストン940は、ヘッド部942及び、実質的にバネ930によって囲まれているテール部944を含んでもよい。
この実施例では、2つの追加の物体960及び970は、プランジャ920とピストン940との間に配置されている。追加の物体960及び970は球体として示されているが、本発明の他の実施形態では、これらは他の形状であってもよい。本発明のある実施形態では、球体又は追加の物体960及び970は導電性であってもよいが、本発明の他の実施形態では、追加の物体970及び970の一方又は両方が非導電性であってもよい。
プランジャ926の背面及びピストンのヘッド部942の前面の一方又は両方は、示されているように、凸状であってもよい。この凸形状により、プランジャ920が押下される際に、追加の物体又は球体960及び970がバレル910に対して押されてもよい。これにより、プランジャ920とバレル910との間の接触を良好にすることができる。具体的には、球体又は追加の物体960及び970を介して、プランジャ920とバレル910との間に電気経路を形成することができる。この実施例では、ピストン940は絶縁性であってもよいが、本発明の他の実施形態では、導電性であってもよい。ピストン940が非導電性である場合、作動中にバネ930を大電流から隔離することができる。
本発明の他の実施形態では、ピストン940は他の形状を有する隔離物体で置き換えられてもよい。例えば、このような替わりの隔離物体は球状又はボール状であってもよい。上記の実施例のように、プランジャと隔離物体との間には、1つ以上の追加の物体を配置してもよい。また、上記の実施例のように、プランジャの背面は非対称な形状であってもよい。以下の図に実施例を示す。
図10A〜図10Cは、本発明の実施形態に係るバネ式接点を示す。図10A及び図10Bでは、ピストンはバネ絶縁体1070A及び1070Bと置き換えることができる。具体的に、図10Aは、球状の隔離物体(又はバネ絶縁体)1070A及び球状の追加の物体1060Aを有する、バネ式接点を示している。この実施例では、バネ絶縁体又は隔離物体1070Aは非導電性とするが、本発明の他の実施形態では、バネ絶縁体又は隔離物体1070Aは導電性であってもよい。この実施例では、追加の物体は導電性ボール1060Aであってもよい。導電性ボール1060Aは、プランジャ1020とバレル1010との間に電流経路を形成することができる。
図10Bでは、導電性ボール1060Bは、導電性ボール1060Aよりも大きいものとして示されている。より小さい導電性ボール1060Aを用いた方がバネ式接点の全長を短くすることができる。
図10Cでは、バネ絶縁体1070A及び1070Bの代わりに、プランジャ1070Cを使用してもよい。この場合も、プランジャ1070Cの高さを低くしてもよく、その結果、バネ式接点を短くすることができる。
図11は、本発明の実施形態に係る別のバネ式接点を示す。図11では、ピストンはバネ絶縁体1170に置き換えることができる。具体的には、図11は、球状の隔離物体(又はバネ絶縁体)1170を有するバネ式接点を示している。この実施例では、バネ絶縁体又は隔離物体1170は非導電性であるとするが、本発明の他の実施形態では、バネ絶縁体又は隔離物体1170は導電性であってもよい。
繰り返しとなるが、本発明の様々な実施形態はまた、バネ式接点の信頼性を向上させるために、構造、コーティング、又は他の技術を、単独で又は組み合わせて用いてもよい。例えば、液体などの異物がバネ式接点の筐体内へ引き込まれることがある。プランジャを押し下げて解放することによって生じる真空吸引力により、異物が筐体内へ引き込まれることがある。したがって、本発明の一実施形態では、バネ式接点の筐体に通気孔又は他の開口部を設けることにより、これらの力を低減することができる。プランジャを押し下げて解放することにより生じる真空吸引力を低減することにより、液体及び他の異物は筐体内に引き込まれない、又はより少ない程度に引き込まれるため、信頼性を長期的に向上することができる。以下の図にこの実施例を示す。
図12A〜図12Cは、バネ式接点での異物混入を示す。図12Aは、表面に異物が存在する場合の、プランジャを有するバネ式接点を示している。このバネ式接点は、筐体1210、プランジャ1220、及びバネ1230を含んでいる。この実施例では、異物1290は、筐体1210の開口部付近の、プランジャ1220の表面の一部に存在している。異物1290には、液体、埃、粗粒、若しくは他の液体、又は粒子状物質が挙げられる。
図12Bでは、プランジャ1220は押下されているため、異物1290が筐体1210内に引き込まれている。具体的には、異物1290は、バネ式接点の筐体1210とプランジャ1220との間に引き込まれることがある。プランジャ1220が押下される際に空気はバネ式接点の外へ追いやられるが、プランジャ1220の前方部付近の筐体1210とプランジャ1220との間の比較的大きな空間が、異物1290が筐体1210内へ入り込むのに十分な空間になる場合がある。
図12Cでは、プランジャ1220は解放されている。この動作により、バネ式接点に真空又は低圧効果を作り出し、それにより異物1290は更に筐体1210内に引き込まれる。プランジャ1220を複数回押して解放すると、更に異物1290がバネ式接点の内部、具体的には、バネ1230及びプランジャ1220の裏面1270が存在するバネ式接点の開放部分に入り込む場合がある。この異物混入により、バネ1230又は他の関連する構成部分が汚れたり劣化したりすることがあるため、機能の低下、又は欠陥につながる可能性がある。
繰り返しとなるが、異物1290は、プランジャ1220が解放される際に内部に作られる低圧により、バネ式接点内に引き込まれることがある。したがって、本発明の実施形態では、この低圧又は真空が作られるのを防止するために、通気孔又は他の開口部を用いてもよい。真空又は低圧が作られないことにより、異物1290はバネ式接点の内部に引き込まれない、又は少なくとも低い程度に内部に引き込まれる。以下の図に実施例を示す。
図13は、異物混入を低減するための通気孔を有する筐体を有するバネ式接点を示す。このバネ式接点は、筐体1310、裏側1370を有するプランジャ1320、バネ1330、及び通気孔1380を含んでいる。前述のように、異物1390は、筐体1310の開口部付近のプランジャ1320の表面にある。この実施例では、プランジャ1320が解放されると、通気孔1380により、筐体1310の内部へ空気を入れるための開口部が提供される。内部に真空又は低圧が作られないため、異物1390は筐体1310内へ引き込まれない。その代わり、異物1390は、プランジャ1320により筐体1310の外へ押しやられることがある。これにより、異物1390によるバネ式接点の内部の異物混入を低減、又は防ぐことができる。
繰り返しとなるが、本発明の他の実施形態では、バネ式接点の一部はコーティングされていてもよい。このコーティングにより、ある種の異物混入が発生する、という不測な事態では、バネ式接点を更に保護することができる。具体的には、本発明の様々な実施形態では、このような異物からバネ式接点を保護するために、通気孔又は他の開口部により異物混入の恐れが低減される場合でさえ、筐体1310、プランジャ1320、バネ1330、隔離物体(図示せず)、追加の物体(この実施例では図示せず)、及びその他の構成部品の一部又はすべてを、一重以上の層でコーティングしてもよい。本発明の様々な実施形態では、異物から保護するために、疎水性又は疎油性の層を使用してもよい。例えば、パリレン又は他のコーティングを使用してもよい。
本発明の様々な実施形態では、通気孔1380は様々な方法で形成することができる。例えば、通気孔1380は、ドリル加工、レーザーエッチング、又は他の適切な技術を用いて形成することができる。本発明の様々な実施形態では、通気孔は、筐体1310とプランジャ1320との間の隙間と同等又はそれより大きなサイズにしてもよい。これにより、異物を引き込むのに十分なほど低い内部圧力が発生するのを防ぐことができる。本発明のある実施形態では、筐体1310とプランジャ1320との間の隙間は、0.02ミリメートルであってもよい。プランジャ1320の周りのこの隙間の面積を考慮して、通気孔1380は直径が0.4ミリメートルとなるようにしてもよい。
本発明の実施形態に関する上述の説明は、実例及び説明の目的で提示されている。本発明を網羅し、あるいは説明のとおりの厳密な形態に限定することを意図するものではなく、上述の教示に照らして多くの改良及び変形が可能である。本発明の原理及びその実際的な応用を最良の形で説明し、それによって他の当業者が様々な実施形態で、及び想到される特定の用途に好適な様々な改良と共に本発明を最良な形で利用することを可能とするために、これらの実施形態を選択し説明した。それゆえ、本発明は、以下の特許請求の範囲内での、全ての修正形態及び等価物を包含することを意図するものであることが理解されるであろう。

Claims (24)

  1. バネ式接点であって、
    前記バネ式接点の筐体を形成するバレルと、
    前記バレルに少なくとも部分的に収納されたプランジャと、
    前記バレルに収納されたバネと、
    前記プランジャと前記バネとの間の第1の球体と、
    前記第1の球体と前記バネとの間に配置されたヘッドと、前記バネに実質的に囲まれた本体と、を有するピストンと、を備える、バネ式接点。
  2. 前記プランジャと前記ピストンの前記ヘッドとの間に第2の球体を更に備える、請求項1に記載のバネ式接点。
  3. 前記プランジャの背面が非対称面である、請求項2に記載のバネ式接点。
  4. 前記プランジャの前記背面が偏心テーパ状のくぼみを有する、請求項2に記載のバネ式接点。
  5. 前記ピストンがステンレス・スチールを用いて形成される、請求項3に記載のバネ式接点。
  6. 前記バネが、誘電体でコーティングされたステンレス・スチールを用いて形成される、請求項3に記載のバネ式接点。
  7. 前記誘電体はパリレンである、請求項6に記載のバネ式接点。
  8. 前記ピストンの前記ヘッドが、前記プランジャの前記背面と接する非対称面を有する、請求項2に記載のバネ式接点。
  9. 前記バネは金メッキされている、請求項1に記載のバネ式接点。
  10. 前記バレルが通気孔を含む、請求項1に記載のバネ式接点。
  11. バネ式接点であって、
    前記バネ式接点の筐体を形成するバレルと、
    前記バレルに少なくとも部分的に収納されたプランジャと、
    前記バレルに収納されたバネと、
    前記プランジャと前記バネとの間に配置された非導電性の隔離物体と、
    前記隔離物体と前記プランジャとの間に配置された追加の物体と、を備える、バネ式接点。
  12. 前記隔離物体は第1の球体である、請求項11に記載のバネ式接点。
  13. 前記追加の物体は導電性である、請求項12に記載のバネ式接点。
  14. 前記追加の物体は第2の球体である、請求項13に記載のバネ式接点。
  15. 前記追加の物体は導電性である、請求項12に記載のバネ式接点。
  16. 前記誘電体はパリレンである、請求項15に記載のバネ式接点。
  17. 前記バネ式接点は、磁気コネクタシステム内のコネクタインサート内に配置される、請求項11に記載のバネ式接点。
  18. バネ式接点であって、
    前記バネ式接点の筐体を形成するバレルと、
    前記バレルに少なくとも部分的に収納されたプランジャと、
    前記バレルに収納されたバネと、
    前記プランジャと前記バネとの間に配置されたヘッド及び前記バネに実質的に囲まれた本体を有するピストンと、を備え、
    前記プランジャの前記背面は非対称である、バネ式接点。
  19. 前記ピストンと前記プランジャとの間に第1の球体を更に備える、請求項18に記載のバネ式接点。
  20. 前記ピストンと前記プランジャとの間に第2の球体を更に備える、請求項18に記載のバネ式接点。
  21. 前記バネは、誘電体でコーティングされたステンレス・スチールを用いて形成される、請求項18に記載のバネ式接点。
  22. 前記誘電体はパリレンである、請求項21に記載のバネ式接点。
  23. 前記バネは金メッキされる、請求項18に記載のバネ式接点。
  24. 前記バネ式接点は、磁気コネクタシステム内のコネクタインサート内に配置される、請求項18に記載のバネ式接点。
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