JP2016182836A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】後輪3を支持する左右のスイングアームピボット部16,16を備え、スイングアームピボット部16,16間よりも後方にリヤクッション56を備える鞍乗り型車両において、スイングアームピボット部16,16の上下に左右を繋ぐクロス部材がそれぞれ設けられ、上側クロスフレーム27には、リヤクッション56の上端部56aが取り付けられ、下側クロスフレーム28には、リヤクッション56の下端部56bとスイングアーム13とを連結するリンク部材57が取り付けされるリンク取付部83と、下側クロスフレーム28から下端部56b及びリンク部材57の下方を後方に延びてその後端にメインスタンド78が取り付けられるスタンドブラケット39とが設けられる。
【選択図】図3
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両において、リヤクッションの配置スペースを確保するとともに、メインスタンドによって後輪を浮かせた状態で駐車できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、スイングアームピボット部の下側クロス部材には、リヤクッションとスイングアームとを連結するリンク部材が取り付けられるリンク取付部と、下側クロス部材からリヤクッションの下端及びリンク部材の下方を後方に延びてその後端にメインスタンドが取り付けられるスタンドブラケットとが設けられる。これにより、下側クロス部材から後方に延びるスタンドブラケットにメインスタンドを取り付けることで、鞍乗り型車両を後部側のメインスタンドで支持して後輪を浮かせた状態で駐車できるとともに、リンク取付部及びスタンドブラケットが下側クロス部材に設けられるため、リンク取付部及びスタンドブラケットをコンパクトな構成で支持でき、リヤクッションの配置スペースを確保できる。
本発明によれば、リンク取付部が、下側クロス部材の両端部から後方へ延びて配置され、スタンドブラケットが下側クロス部材の中央の下面部から後方へ延びて配置される。このため、両方のリンク取付部の間の間隔を確保してリンク取付部の支持剛性を向上できるとともに、両方のリンク取付部の間のスペースを利用してスタンドブラケットを強固に下側クロス部材に結合できる。また、リンク取付部及びスタンドブラケットが分散して配置されるため、これらの構造を簡略化できるとともに、組み立ても容易となる。
また、本発明は、前記スタンドブラケット(39)は、前記下側クロス部材(28)から左右に分かれて後方に延びる腕部(99L,99R)の後端にメインスタンド取付部(107)を備え、左右の当該メインスタンド取付部(107)の間に、前記メインスタンド(78)の回転軸(108)が取り付けられ、当該回転軸(108)は、前記リヤクッション(56)の下端(56b)と前記リンク部材(57)との取付部(82)の下面に面していることを特徴とする。
本発明によれば、スタンドブラケットは、下側クロス部材から左右に分かれて後方に延びる腕部の後端にメインスタンド取付部を備え、左右のメインスタンド取付部の間に、メインスタンドの回転軸が取り付けられ、回転軸は、リヤクッションの下端とリンク部材との取付部の下面に面している。このため、リヤクッションの下部とリンク部材との取付部の下面に面するメインスタンドの回転軸によって前記取付部を保護できる。
本発明によれば、スタンドブラケットは、下側クロス部材から左右に分かれて後方に延びる腕部を左右に連結する補強プレートを備え、補強プレートは、後方へ延び、メインスタンドの使用時のスタンドストッパー部を形成する。これにより、補強プレートによってスタンドブラケットを補強できるとともに、補強プレートのスタンドストッパー部によってメインスタンドを受けることができ、部材の兼用により軽量化を図ることができる。
また、本発明は、前記スタンドブラケット(39)の左右の前記腕部(99L,99R)の幅(W1)と、前記下側クロス部材(28)に連結される前記リンク部材(57)の左右の腕部(86)の幅(W2)とが等しく形成されることを特徴とする。
本発明によれば、スタンドブラケットの左右の腕部の幅と、下側クロス部材に連結されるリンク部材の左右の腕部の幅とが等しく形成される。このため、スタンドブラケットの左右の腕部の間及びリンク部材の左右の腕部の間の空間を、リヤクッションの配置スペースとして利用できる。このため、リヤクッションの周辺構造をコンパクト化できるとともに、リヤクッションのストローク量を大きく確保できる。
また、リンク取付部の支持剛性を向上できるとともに、スタンドブラケットを強固に下側クロス部材に結合できる。
また、メインスタンドの回転軸によってリンク部材の取付部を保護できる。
さらに、補強プレートによってスタンドブラケットを補強できるとともに、スタンドストッパー部によってメインスタンドを受けることができ、部材の兼用により軽量化を図ることができる。
また、リヤクッションの周辺構造をコンパクト化できるとともに、リヤクッションのストローク量を大きく確保できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム10にパワーユニットとしてのエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座するシート14が車体フレーム10の後部の上方に設けられた鞍乗り型車両である。
車体フレーム10は、車体フレーム10の前端でフロントフォーク12を操舵可能に支持するヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15の上部から後下方に延びる左右一対のスイングアームピボット部16,16と、ヘッドパイプ15の下部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム部17,17と、スイングアームピボット部16,16の後部から後上がりに車両後端部まで延びる左右一対のシートフレーム部18,18とを備える。
スイングアームピボット部16,16は、ヘッドパイプ15から後下方に延びるメインフレーム19,19と、メインフレーム19,19の後端から下方に延びるピボットフレーム20,20とを備える。
シートフレーム部18,18は、メインフレーム19,19の後端部から後上がりに延びる上側シートフレーム21,21と、ピボットフレーム20,20の上部の後部から後上がりに延びて上側シートフレーム21,21の後端部に結合される下側シートフレーム22,22とを備える。
また、車体フレーム10は、メインフレーム19,19の前部を左右に繋ぐ前上部クロスフレーム25と、ダウンフレーム部17,17を左右に繋ぐ前下部クロスフレーム26と、ピボットフレーム20,20の上部を左右に繋ぐ上側クロスフレーム27(上側クロス部材)と、ピボットフレーム20,20の下端部を左右に繋ぐ下側クロスフレーム28(下側クロス部材)と、上側シートフレーム21,21の前後の中間部を左右に繋ぐ後部クロスフレーム29と、上側シートフレーム21,21の後端を左右に繋ぐ後端クロスフレーム30とを備える。
ダウンフレーム部17,17の上下の中間部の外側面には、バンパーステー35,35が設けられる。メインフレーム19,19の後部の外側面には、バンパーステー36,36が設けられる。下側シートフレーム22,22の前部の外側面には、バンパーステー37,37が設けられる。
上側シートフレーム21,21の後部には、上側シートフレーム21,21の上面から上方に延びるシートステー40,40が左右一対で設けられる。シートステー40,40の後方には、上側シートフレーム21,21の上面に設けられる後端部ステー41,41が左右一対で設けられる。
図1〜図3を参照し、フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15に軸支されるステアリングシャフトを介して支持され、前輪2は、フロントフォーク12の下端部に軸支される。乗員が操作するハンドル42は、フロントフォーク12の上端に設けられる。
シリンダ部44は、ピストンが収容されるシリンダ44aと、シリンダヘッド44bとを備える。シリンダ部44の軸線44cは、鉛直よりもわずかに前傾している。
エンジン11は、前側エンジンハンガ31、後部エンジンハンガ32及び後下部エンジンハンガ33によって、車体フレーム10に支持される。
エンジン11の排気管47は、シリンダヘッド44bの前面の吸気ポートから下方に引き出され、エンジン11の下方を通って後方へ延び、後輪3の右側方に配置されるマフラー48に接続される。
燃料タンク50は、シート14の前方でメインフレーム19,19の上方に配置される。エアクリーナーボックス45は、燃料タンク50の後部の下方に配置される。
シート14は、上側シートフレーム21,21の前部の上方に配置され、上側シートフレーム21,21に支持される。バッテリー51は、シート14の下方に配置される。
スイングアーム13は、ピボットフレーム20,20側から後輪3の左右側方にそれぞれ延びる左右一対のアーム部53,53と、ピボット軸52に軸支される軸支部54と、軸支部54の後方でアーム部53,53を左右に繋ぐスイングアームクロスメンバ55とを備える。軸支部54は、左右のピボットフレーム20,20の間に配置される。
後輪3は、アーム部53,53の後端部の間にかけ渡される車軸3aに軸支される。エンジン11の出力は、変速機の出力軸(不図示)と後輪3との間にかけ渡されるチェーン58を介して後輪3に伝達される。チェーン58は、左側のアーム部53の上下を通る。
リヤクッション56の下端部56bは、スイングアームクロスメンバ55と下側クロスフレーム28とを連結するリンク部材57に連結されている。
フロントフェンダ66は、フロントフォーク12に固定される。リヤカウル64の下方には、後輪3を上方から覆うリヤフェンダー67が設けられる。スイングアーム13には、後輪3の前上部を覆う後輪カバー68が取り付けられる。
サイドボックス69の前方には、車体フレーム10から外側方に突出する後部サイドバンパー72が左右一対で設けられる。サイドボックス69の後方には、車体フレーム10から外側方に突出する後端サイドバンパー73が左右一対で設けられる。また、シリンダ部44及びダウンフレーム部17,17の側方には、外側方に突出する前側サイドバンパー74が左右一対で設けられる。
自動二輪車1を左側に傾斜した状態で駐車させるサイドスタンド77は、サイドスタンドステー38に取り付けられる。自動二輪車1を直立した状態で駐車させるメインスタンド78は、スタンドブラケット39に取り付けられる。
リンク部材57は、下側クロスフレーム28の後方且つ後輪3の前方に位置するとともに、スイングアーム13の下方且つスタンドブラケット39の上方に位置する。また、リンク部材57及びリヤクッション56は、車幅方向の中央に位置する。
リンク部材57は、下側クロスフレーム28を介して車体フレーム10に連結される第1のリンク81と、第1のリンク81、リヤクッション56の下端部56b、及び、スイングアーム13に連結される第2のリンク82(リヤクッションの下端とリンク部材との取付部)とを備える。
リンク部材57が設けられることで、スイングアーム13の揺動量に対するリヤクッション56のストローク量の増加が2次曲線的となり、リヤクッション56による衝撃の吸収性が向上するとともに、リヤクッション56をコンパクト化できる。
下側クロスフレーム28は、第1のリンク81の前端が連結されるリンク取付部83を備える。スイングアーム13のスイングアームクロスメンバ55は、第2のリンク82の上端が接続されるスイングアーム側リンク取付部84を備える。
図5〜図7を参照し、リンク取付部83は、下側クロスフレーム28の車幅方向の両端部から後方に延びる左右一対のリンク取付板部83a,83aを備える。リンク取付板部83a,83aは、板厚方向を車幅方向に向けて配置される前後に長い板である。リンク取付板部83a,83aは、断面略円形のパイプ状の下側クロスフレーム28に突き当てられ、下側クロスフレーム28の後面に溶接で結合されている。リンク取付板部83a,83aは、下側クロスフレーム28の車幅方向の両端部に設けられるため、左右のピボットフレーム20,20の下端部の内面に近接している。
前端側連結部85は、リンク取付板部83a,83aの間に配置されており、リンク取付板部83a,83a及び前端側連結部85を貫通するフレーム側連結軸85aによってリンク取付部83に連結される。
リンクアーム86,86は、リンク取付板部83a,83aに対し略平行に後方へ延びる板であり、前端側連結部85に一体に結合されている。リンクアーム86,86は、リンク取付板部83a,83aよりも車幅方向の内側に位置する。リンクアーム86,86は、略水平に後方へ延び、その後端部は、スイングアームクロスメンバ55の下方に位置する。リンクアーム86,86の後端部には、第2のリンク82に連結される後端連結部87,87が設けられる。第1のリンク81は、フレーム側連結軸85aを中心に上下に揺動自在である。
スイングアーム側リンク取付部84は、車幅方向に互いに離間して下方に延びる左右一対のスイングアーム側取付板部89,89を備える。
結合体93は、側面視で略三角形状に形成されるとともに互いに車幅方向に離間して設けられる一対の板である。クッション連結部90、リンク連結部91及びスイングアーム連結部92は、結合体93を車幅方向に貫通して設けられ、結合体93に溶接で結合される。
リンク連結部91は、車幅方向に延びる円筒部材であり、リンクアーム86,86の左右の後端連結部87,87の間に配置され、クッション連結部90の後方に位置する。リンク連結部91は、後端連結部87,87及びリンク連結部91を貫通するリンク側連結軸95によって後端連結部87,87に連結され、後端連結部87,87に対し回動自在である。
スイングアーム連結部92は、車幅方向に延びる円筒部材であり、左右のスイングアーム側取付板部89,89の間に配置され、リンク連結部91の上方に位置する。スイングアーム連結部92は、スイングアーム側取付板部89,89及びスイングアーム連結部92を貫通するスイングアーム側連結軸96によってスイングアーム側リンク取付部84に連結され、スイングアーム側リンク取付部84に対し回動自在である。
図5〜図9を参照し、スタンドブラケット39は、下側クロスフレーム28の下面に沿うように車幅方向に延びる固定板部98と、固定板部98の下面の車幅方向の両端部からそれぞれ後方に延びる左右一対の腕部99L,99Rと、腕部99L,99Rの前端を車幅方向に繋ぐ前壁部100と、腕部99L,99Rを左右に繋ぐ補強プレート101とを備える。
前壁部100及び腕部99L,99Rは、一枚の板材を下面視で略U字状に曲げ加工して一体に形成されている。
腕部99L,99Rは、下面視で後方側ほど互いの間隔が車幅方向に広くなるように傾斜して設けられる前側腕部103,103と、前側腕部103,103の後端から互いに平行に後方へ延びる後側腕部104,104とを備える。
腕部99L,99Rの前部は、後下がりに延びる下り斜面の前側下縁105,105を備える。腕部99L,99Rの後部は、後上がりに延びる上り斜面の後側下縁106,106を備える。
左側の腕部99Lのメインスタンド取付部107,107の前方には、雌ねじ部109(図9)が形成されている。また、左側の腕部99Lにおいて雌ねじ部109の上方には、取付孔110が形成されている。また、腕部99L,99Rの前後の中間部には、肉抜き孔111が形成されている。
スタンドストッパー部115,115は、側面視では後上がりに傾斜している。また、スタンドストッパー部115,115は、メインスタンド取付部107,107、雌ねじ部109及び回転軸108よりも前方に位置する。
前側底壁部113は、上下に貫通する貫通孔116を備える。後側底壁部114は、上下に貫通する貫通孔117を備える。貫通孔116及び貫通孔117からは、スタンドブラケット39に侵入した水等を排出できる。
ここで、幅W1と幅W2とが等しいとは、後側腕部104,104とリンクアーム86,86とが下面視で重なる程度に等しいことを意味する。
図4、図7、図8及び図10を参照し、メインスタンド78は、左右一対で設けられる脚部120,120と、脚部120,120を上下の中間部で車幅方向に繋ぐ中間クロス部材121と、脚部120,120の上方で脚部120,120を車幅方向に繋ぐ円筒状の連結筒部122と、左側の脚部120の下部から後方に延びる棒状の足踏み部123とを備える。
脚部120,120の上端には、受け板124,124が設けられる。受け板124,124は、脚部120,120の上端の径よりも外形が大きな板である。
脚部120,120の上部の後面には、脚部120,120に沿って上下に延びるリブ状のステー部125,125が設けられており、ステー部125,125は、受け板124,124よりも上方まで延出するとともに、上端側ほど後方への突出高さが大きくなっている。連結筒部122は、ステー部125,125の上端を車幅方向に貫通し、この貫通部で、ステー部125,125に溶接されて脚部120,120を車幅方向に繋ぐ。
スタンドブラケット39の取付孔110(図9)には、車幅方向に延びるボルト状の上側スプリング支持軸129(図7)が締結される。上側スプリング支持軸129は、スプリング128の上端が接続される溝部129aを備える。
スプリング128は、上側スプリング支持軸129と下側スプリング支持軸127との間で伸ばされた状態で設けられており、メインスタンド78を格納方向に付勢する。
メインスタンド78の回転軸108は、前方に延びる取付板108aを左側の端に備える。回転軸108は、取付板108aに挿通されて雌ねじ部109(図9)に締結されるボルト(不図示)によってスタンドブラケット39に固定される。
格納状態では、メインスタンド78は、スプリング128によって後方へ回動した状態に付勢されており、脚部120,120は、リンク部材57の下方を略水平に後方へ延びる。格納状態では、脚部120,120の前端の受け板124,124は、側面視で前傾し、その下端側ほど後方に位置している。このため、走行時に、受け板124,124が路面の障害物等に引っ掛かり難くなる。
また、下面視では、駐車状態の受け板124,124は、車幅方向の中間部が腕部99L,99Rの後側下縁106,106に重なる。このため、駐車時の荷重を後側下縁106,106によって効果的に受けることができる。
また、図2に示すように、メインスタンド78を格納した状態では、後輪3の前端部は、メインスタンド78の脚部120,120の後端の間に位置する。このため、脚部120,120の長さを確保して後輪3を浮かせた状態で駐車できるとともに、メインスタンド78を自動二輪車1の後方側に配置した構成であっても、メインスタンド78を格納できる。
また、メインスタンド78の下側スプリング支持軸127及びスタンドブラケット39の上側スプリング支持軸129は、ボルト状であり、着脱自在である。このため、スプリング128との接続部が使用によって磨耗した場合であっても、下側スプリング支持軸127及び上側スプリング支持軸129だけを容易に交換できる。
図1、図11及び図12に示すように、フロントサイドカバー61は、内側カバー140と、内側カバー140を車幅方向外側から覆う外側カバー141とを組み合わせて一体に設けられている。図11では、外側カバー141を取り外して内側カバー140を露出させた状態が示されている。内側カバー140の前方には、前側インナーカバー142が設けられる。
前側サイドバンパー74の上端部は、バンパー用開口143の外側から挿通されてバンパーステー35に接続される。前側サイドバンパー74の後部は、バンパーステー36に接続される。
内側カバー140は、ラジエーター49及びシリンダ部44を側方から覆う導風カバー部145を備える。導風カバー部145は、バンパー用開口143の内側部を形成する内側開口143aと、内側開口143aの後縁部から車幅方向の内側に延びる導風板146とを備える。通風口144は、導風カバー部145に形成され、導風板146の後方に位置する。
外側カバー141の重なり部147は、内側カバー140の内側開口143aの周縁部に密着して取り付けられ、内側開口143aの周縁部と外側開口143bの周縁部との間は走行風が通過しないようにシールされる。
本実施の形態では、内側開口143aの周縁部と外側開口143bの周縁部との間が密着しているため、ラジエーター49の熱風が、内側開口143aから外側カバー141と内側カバー140との間に侵入することが防止される。
後部サイドバンパー72は、バンパーステー37に取り付けられる板状の取付板部150と、取付板部150の外面から外側方に突出するバンパー本体部151とを備える。
取付板部150及びバンパー本体部151は、左右の後部サイドバンパー72,72で同一形状であり、同一部品であるため、製造が容易である。
左側の後部サイドバンパー72は、バンパー本体部151からスイングアーム13の上面側へ前下方に延びるU字状のガードパイプ152を備える。右側の後部サイドバンパー72(不図示)の車幅方向内側には、マフラー48が配置されているため、右側の後部サイドバンパー72は、マフラー48を避けるため、ガードパイプ152を有していない。
ガードパイプ152は、外側パイプ151aの前面に溶接されて前方へ延びる。ガードパイプ152を設けることで、乗員の足等の後方への移動を制限することができる。
回転灯71は、後端サイドバンパー73に支持されて上方に真っ直ぐ延びるポール160と、ポール160の上端に支持される灯体161と、灯体161の電線を収納する収納筒部162とを備える。
ポール160は、その内側に収納されて上端に灯体161を支持する内側ポール(不図示)が上下に移動することで伸縮可能であり、ポール160が上方に延びると、灯体161の上昇に伴って、収納筒部162内から電線が引き出される。
ポール160の下端には、回転灯71の電線163が接続される電線接続部164が設けられる。電線接続部164は、後輪3の上部の側方に位置する。電線接続部164には、電線接続部164を覆う防水カバー165が取り付けられる。
電線接続部164は、底面166が塞がれた円筒状に形成されており、電線163は、電線接続部164の外周部に沿って上下に延び、電線接続部164の下端に接続される。電線接続部164の底面166には、電線接続部164内の水を下方に排出する水抜き孔167が形成されている。
防水カバー165は、カバー底面部169から一段上方に突出する受け部170を複数備える。受け部170は、水抜き孔167を塞がない位置に配置されている。
防水カバー165は、下方に突出する筒状の水抜き部171を、カバー底面部169の外周近傍に複数備える。
防水カバー165が取り付けられると、受け部170が電線接続部164の底面166に当接し、底面166とカバー底面部169との間には水が流れることが可能な隙間が形成される。このため、水抜き孔167から排出された水は、カバー底面部169を流れて水抜き部171から下方に排出される。このため、防水カバー165によって、電線接続部164を簡単な構造で水から保護できるとともに、内部の水を水抜き部171から排出できる。
また、スタンドブラケット39は、下側クロスフレーム28から左右に分かれて後方に延びる腕部99L,99Rの後端にメインスタンド取付部107,107を備え、左右のメインスタンド取付部107,107の間に、メインスタンド78の回転軸108が取り付けられ、回転軸108は、リヤクッション56の下端部56bとリンク部材57との取付部である第2のリンク82の下面に面している。このため、メインスタンド78の回転軸108によって第2のリンク82を保護できる。
また、スタンドブラケット39の左右の腕部99L,99Rの幅W1と、下側クロスフレーム28に連結されるリンク部材57の左右のリンクアーム86,86の幅W2とが等しく形成される。このため、腕部99L,99Rの間及びリンクアーム86,86の間の空間を、リヤクッション56の配置スペースとして利用できる。このため、リヤクッション56の周辺構造をコンパクト化できるとともに、リヤクッション56のストローク量を大きく確保できる。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、鞍乗り型車両は例えば3輪以上の車輪を備える車両であっても良い。
また、上記実施の形態では、パワーユニットとしてエンジン11を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、パワーユニットは電動モーターであっても良い。
3 後輪
10 車体フレーム
11 エンジン(パワーユニット)
13 スイングアーム
15 ヘッドパイプ
16,16 スイングアームピボット部
27 上側クロスフレーム(上側クロス部材)
28 下側クロスフレーム(下側クロス部材)
39 スタンドブラケット
56 リヤクッション
56a 上端部(上端)
56b 下端部(下端)
57 リンク部材
78 メインスタンド
82 第2のリンク(リヤクッションの下端とリンク部材との取付部)
83 リンク取付部
86,86 リンクアーム(リンク部材の左右の腕部)
99L,99R 腕部
101 補強プレート
107,107 メインスタンド取付部
108 回転軸
115,115 スタンドストッパー部
W1 幅(腕部の幅)
W2 幅(リンク部材の左右の腕部の幅)
Claims (5)
- ヘッドパイプ(15)から後方に延びてパワーユニット(11)の後方を通り、下方へ延びて後輪を支持する左右のスイングアームピボット部(16)を有する車体フレーム(10)を備え、左右の前記スイングアームピボット部(16)間よりも後方にリヤクッション(56)を備える鞍乗り型車両において、
左右の前記スイングアームピボット部(16)の上下に左右を繋ぐクロス部材がそれぞれ設けられ、上側クロス部材(27)には、前記リヤクッション(56)の上端(56a)が取り付けられ、
下側クロス部材(28)には、前記リヤクッション(56)の下端(56b)とスイングアーム(13)とを連結するリンク部材(57)が取り付けられるリンク取付部(83)と、当該下側クロス部材(28)から前記リヤクッション(56)の下端(56b)及び前記リンク部材(57)の下方を後方に延びてその後端にメインスタンド(78)が取り付けられるスタンドブラケット(39)とが設けられることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記リンク取付部(83)が、前記下側クロス部材(28)の両端部から後方へ延びて配置され、前記スタンドブラケット(39)が前記下側クロス部材(28)の中央の下面部から後方へ延びて配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記スタンドブラケット(39)は、前記下側クロス部材(28)から左右に分かれて後方に延びる腕部(99L,99R)の後端にメインスタンド取付部(107)を備え、左右の当該メインスタンド取付部(107)の間に、前記メインスタンド(78)の回転軸(108)が取り付けられ、当該回転軸(108)は、前記リヤクッション(56)の下端(56b)と前記リンク部材(57)との取付部(82)の下面に面していることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記スタンドブラケット(39)は、前記下側クロス部材(28)から左右に分かれて後方に延びる腕部(99L,99R)を左右に連結する補強プレート(101)を備え、当該補強プレート(101)は、後方へ延び、前記メインスタンド(78)の使用時のスタンドストッパー部(115)を形成することを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
- 前記スタンドブラケット(39)の左右の前記腕部(99L,99R)の幅(W1)と、前記下側クロス部材(28)に連結される前記リンク部材(57)の左右の腕部(86)の幅(W2)とが等しく形成されることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
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