JP2016155453A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵がされる際、スプライン嵌合に起因したガタによる異音発生を抑制でき、操舵感を向上できるステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング装置10は、テレスコロックされるときに、アッパーチューブ32に形成された開口部54を介してロアーチューブ34に対して押圧する偏心カム53と、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置される弾性部材60とを備えている。弾性部材60が配置される位置を、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間であって、テレスコロックされるときに弾性部材60の付勢力が偏心カム53の押圧力と反対方向に作用する位置としている。
【選択図】図2
【解決手段】ステアリング装置10は、テレスコロックされるときに、アッパーチューブ32に形成された開口部54を介してロアーチューブ34に対して押圧する偏心カム53と、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置される弾性部材60とを備えている。弾性部材60が配置される位置を、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間であって、テレスコロックされるときに弾性部材60の付勢力が偏心カム53の押圧力と反対方向に作用する位置としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
テレスコピック機構を有するステアリング装置は、特許文献1で公知である。前記ステアリング装置は、ステアリングホイールに連結されたアッパーシャフトと、前記アッパーシャフトに対してスプライン嵌合されたロアーシャフトを備えており、ステアリングホイールが操舵されると、アッパーシャフトとロアーシャフトが一体に回転して、回転トルクを伝達するようにしている。また、テレスコピック機構により、ステアリングホイールの車両前後方向位置の調整を可能とし、テレスコロック時には、両シャフトのテレスコ動作が不能となっている。
ところで、アッパーシャフトとロアーシャフトとがスプライン嵌合している領域では、径方向に所定のクリアランスを設ける必要があるため、このクリアランスにより両シャフトにはガタが生ずる。このガタがあることにより、ステアリングホイールによる操舵がされると、前記領域で打音による異音が発生したり、或いは、ステアリングホイールを操作すると、操作者が舵抜け感を感ずる場合がある。
本発明の目的は、操舵がされる際、スプライン嵌合に起因したガタによる異音発生を抑制でき、操舵感を向上できるステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明のステアリング装置は、ロアーシャフトと、前記ロアーシャフト外に対して軸方向にテレスコ動作可能にスプライン嵌合されたアッパーシャフトと、前記アッパーシャフトを回転自在に支持するアッパーチューブと、前記アッパーチューブ内に対して軸方向にテレスコ動作可能に嵌め合わされるとともに前記ロアーシャフトを回転自在に支持するロアーチューブと、テレスコロックされるときに、前記アッパーチューブに形成された開口部を介して前記ロアーチューブ外周を押圧する押圧部材と、前記ロアーチューブと前記アッパーシャフトとの間に配置される付勢部材とを備え、前記付勢部材が配置される位置を、前記ロアーチューブと前記アッパーシャフトとの間であって、テレスコロックされるときに該付勢部材の付勢力が前記押圧部材の押圧力と反対方向に作用する位置としたものである。
また、前記付勢部材は、前記アッパーシャフトのテレスコ動作時における前記付勢部材の摺動荷重が、前記アッパーシャフトと前記ロアーシャフトのテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値となる、摺動荷重軽減形状を有することが好ましい。
本発明によれば、操舵がされる際、スプライン嵌合に起因したガタによる異音発生を抑制でき、操舵感を向上できる効果を奏する。
以下、本発明のステアリング装置を具体化したコラムアシスト型のEPS(電動パワーステアリング装置)に具体化した一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。なお、以下の説明における各部材の前後方向は車両の前後方向に対応する。
図1に示すように、ステアリング装置10は、図示しないステアリングホイール等の操舵部材に連結された第1操舵軸11と、第1操舵軸11に対して連結された第2操舵軸12とを含むステアリングシャフトと、図示はしないが、第2操舵軸12と連結された図示しない中間軸等を備えている。第1操舵軸11と第2操舵軸12とは同軸に配置されている。また、ステアリング装置10は、前記中間軸に図示しない自在継手を介して連結されたピニオン軸と、該ピニオン軸に噛み合うラック軸とを備えており、該ピニオン軸とラック軸を含むラックアンドピニオン機構によって、前記ラック軸の両端に設けられる転舵輪を転舵可能である。
図1に示すように、第1操舵軸11は、一体回転可能に且つ軸方向に相対摺動可能に、すなわち、テレスコ動作可能にスプライン嵌合されたアッパーシャフト13及びロアーシャフト14を有している。すなわち、図3に示すように、アッパーシャフト13及びロアーシャフト14のそれぞれの嵌合側端部には、雌形のスプライン13a及び雄形のスプライン14aがそれぞれ形成されていて、ロアーシャフト14がアッパーシャフト13内に挿入されたテレスコピック機構を構成している。
また、第2操舵軸12は、ロアーシャフト14と一体回転可能に連結された入力軸15と、前記自在継手を介して前記中間軸に一体回転可能に連結された出力軸16と、入力軸15及び出力軸16を相対回転可能に連結するトーションバー17とを有する。
図1に示すように第1操舵軸11及び第2操舵軸12は、車体側部材21、22に固定されたステアリングコラム30に対して、軸受23等を介して回転可能に支持されている。図1ではアッパーシャフト13を支持する軸受23のみが図示されている。
ステアリングコラム30は、アッパーチューブ32と、アッパーチューブ32に対してその軸方向に相対摺動可能に、すなわち、テレスコ動作可能に内嵌されたロアーチューブ34と、ロアーチューブ34の軸方向下端部に一体に連結されたハウジング35とを備えている。前記軸受23は、アッパーチューブ32の軸方向上端部の内周に保持されて、アッパーシャフト13を回転可能に支持する。
ハウジング35内には、操舵補助用の電動モータ36の動力を減速して出力軸16に伝達する減速機構37が収容されている。
また、ハウジング35内には、入力軸15と出力軸16との相対回転に基づいて操舵トルクを検出する図示しないトルクセンサが収容されている。トルクセンサによるトルク検出結果と図示しない車速センサによる車速検出結果とが、ECU(Electronic Control Unit)に入力されて、ECUは、両検出結果に基づいて、電動モータ36を駆動制御(操舵補助制御)し、電動モータ36に操舵補助力を発生させる。また、減速機構37は、電動モータ36の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛み合い出力軸16と同伴回転する図示しない被動ギヤとを有している。前記駆動ギヤは例えばウォーム軸からなり、前記被動ギヤは例えばウォームホイールからなる。減速機構37は、電動モータ36の発生する操舵補助力を出力軸16に伝達する。
また、ハウジング35内には、入力軸15と出力軸16との相対回転に基づいて操舵トルクを検出する図示しないトルクセンサが収容されている。トルクセンサによるトルク検出結果と図示しない車速センサによる車速検出結果とが、ECU(Electronic Control Unit)に入力されて、ECUは、両検出結果に基づいて、電動モータ36を駆動制御(操舵補助制御)し、電動モータ36に操舵補助力を発生させる。また、減速機構37は、電動モータ36の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛み合い出力軸16と同伴回転する図示しない被動ギヤとを有している。前記駆動ギヤは例えばウォーム軸からなり、前記被動ギヤは例えばウォームホイールからなる。減速機構37は、電動モータ36の発生する操舵補助力を出力軸16に伝達する。
図1に示すようにステアリングコラム30は、車両後方側のアッパーブラケット38及び車両前方側のロアーブラケット39を介して車体側部材21、22に固定されている。ロアーブラケット39はその一端がハウジング35に固定され、他端が図示しない固定ボルトを用いて、車体側部材22に固定されている。
図5に示すように、アッパーブラケット38は、後述するコラムブラケット40を介してステアリングコラム30のアッパーチューブ32に固定可能となっている。
図5に示すように、アッパーブラケット38は、例えば板金により形成されており、左右一対の取付座44を有する上板45と、上板45に固定された下向きに開放する溝形をなす支持部材46とを備えている。
図5に示すように、アッパーブラケット38は、例えば板金により形成されており、左右一対の取付座44を有する上板45と、上板45に固定された下向きに開放する溝形をなす支持部材46とを備えている。
アッパーブラケット38は、車体側部材21から下方に突出する一対の固定ボルト(スタッドボルト)41と、当該固定ボルト41に螺合するナット42と、アッパーブラケット38に離脱可能に保持されたカプセル43とを用いて、車体側部材21に固定されている。すなわち、一対の固定ボルト41は、アッパーブラケット38の上板45における取付座44及びカプセル43を挿通している。そして、各固定ボルト41にナット42を締め込むことにより、車体側部材21とナット42との間に、上板45及びカプセル43を挟持している。これにより、アッパーブラケット38、すなわち、上板45は車体側部材21に固定されている。
支持部材46は、上板45の下面に固定されたウェブ47と、ウェブ47の両端から下方へ延設された一対の側板48とにより、下向きに開放する溝形を有する。一方、ステアリングコラム30のアッパーチューブ32には、上向きに開放する溝形をなすコラムブラケット40が固定されている。コラムブラケット40はアッパーブラケット38の一対の側板48に対向する一対の側板49を有している。
図5に示すようにアッパーブラケット38及びコラムブラケット40の側板48、49には、ボルトからなる締付軸50が貫通されている。図2に示すように側板49には、前記締付軸50が貫通する長孔49aがロアーシャフト14の軸心方向と平行に延出されていて、アッパーチューブ32と一体に連結されたコラムブラケット40のテレスコ動作を許容する。
図5に示すように締付軸50の先端にはナット51が螺合しており、ナット51を、操作レバー52のテレスコロック操作方向への回転操作によって回転させることにより、締付軸50としてのボルトの頭部とナット51との間に、両側板48,49を締め付け、両側板48,49をロックする。これにより、テレスコピック調整後の操舵部材の位置をロックし、テレスコロックを達成する。また、テレスコロック状態から、操作レバー52の反テレスコロック操作方向への操作によって回転させることにより、締付軸50の頭部とナット51との間の両側板48,49の締め付けが解除され、これにより両側板48,49のロックが解除される。
また、締付軸50の軸方向の途中部には、締付軸50と一体回転する押圧部材としての偏心カム53が設けられている。テレスコロックされるときに、操作レバー52の回転操作に伴って締付軸50と一体回転した偏心カム53が、アッパーチューブ32に設けられた開口部54を通して、ロアーチューブ34の外周34aを押し上げることにより、両チューブ32,34間のガタが除去された状態となる。
また、図1、図2、図3に示すように、第1操舵軸11を間にして偏心カム53とは反対側のロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間には、付勢部材としての弾性部材60が配置されている。すなわち、ロアーシャフト14に対してアッパーシャフト13がスプライン嵌合している部位の外周面と、ロアーチューブ34との間には弾性部材60が、圧縮した状態で配置されている。本実施形態では、弾性部材60は、ゴム等から半円筒形状に形成されており、ロアーチューブ34に対して、その外周部がかしめ着されることにより、固定されている。図2では、弾性部材60がロアーチューブ34に設けられたかしめ孔34bに挿入されてかしめ着された状態が示されている。なお、弾性部材60のロアーチューブ34に対する固定方法は、かしめ着に限定するものではなく、他の連結手段にて固定してもよい。また、弾性部材60は、アッパーシャフト13がその軸心の周りで回転した際に、アッパーシャフト13に対して摺接可能となっている。なお、本実施形態では、図1に示すように、偏心カム53よりも前方に弾性部材60を配置したが、ロアーチューブ34の軸方向において、第1操舵軸11を間にして偏心カム53と180度反対位置でもよく、或いは、偏心カム53よりも後方である軸受23側に配置してもよい。
また、図3に示すように、弾性部材60は半円筒形状に形成されていて、ロアーシャフト14の軸心を中心として角度θ=180度の範囲で配置されている。この弾性部材60が配置される位置は、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間であって、テレスコロックされるときに弾性部材60の付勢力が偏心カム53の押圧力と反対方向に作用する位置である。
そして、テレスコロック時においては、偏心カム53によりロアーチューブ34が上方向に押圧されて、ハウジング35を介してロアーチューブ34に連結されたロアーシャフト14も上方向に移動(傾動)し、その結果、テレスコロックされていない場合に比して、アッパーシャフト13を介して弾性部材60の圧縮を増すようにしている。そして、上記のように弾性部材60が、圧縮が増加状態となってその付勢力にてアッパーシャフト13と締め代を持つことにより、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のスプライン嵌合した部位には、予圧が付与されて、両者間のガタを抑制するようにしている。
また、偏心カム53の押圧が解除されてテレスコロックが解除されると、ロアーチューブ34及びハウジング35を介してロアーチューブ34に連結されたロアーシャフト14とが下方向に移動し、その結果、テレスコロックされている場合に比して、アッパーシャフト13を介して弾性部材60の圧縮が減少するようにしている。そして、上記のように弾性部材60が、圧縮が減少するとその付勢力にてアッパーシャフト13と締め代を少なくするようにしている。
また、図2及び図4に示すように、弾性部材60は、摺動荷重軽減形状として操舵部材側を向く面には溝62が形成されている。溝62は、操舵部材側が開口し、反操舵部材側に内底壁を有することが好ましい。
なお、本実施形態では溝62の断面形状を5角形状に形成しているが、溝の形状は限定するものではなく、例えば、図6(a)の断面横U字状の溝62、図6(b)に示すように断面横V字状の溝62としてもよい。
このように溝62は、操舵部材側が開口しているため、テレスコ動作時において、第1操舵軸11が伸張する場合(図2において、アッパーシャフト13がA矢印方向に移動する場合)は、収縮する場合(図2において、B矢印方向に移動する場合)に比して撓みやすい形状となっている。すなわち、溝62を有する弾性部材60は、アッパーシャフト13のテレスコ動作時における弾性部材60の摺動荷重が、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値とすることができる。
(実施形態の作用)
上記のように構成されたステアリング装置10の作用を説明する。
図1〜図3に示すテレスコロック時は、偏心カム53によりロアーチューブ34が上方向に押圧されて、ハウジング35を介してロアーチューブ34に連結されたロアーシャフト14も上方向に移動(傾動)し、その結果、テレスコロックされていない場合に比して、アッパーシャフト13を介して弾性部材60の圧縮が増す。
上記のように構成されたステアリング装置10の作用を説明する。
図1〜図3に示すテレスコロック時は、偏心カム53によりロアーチューブ34が上方向に押圧されて、ハウジング35を介してロアーチューブ34に連結されたロアーシャフト14も上方向に移動(傾動)し、その結果、テレスコロックされていない場合に比して、アッパーシャフト13を介して弾性部材60の圧縮が増す。
そして、上記のように弾性部材60が、圧縮が増加状態となってその付勢力にてアッパーシャフト13と締め代を持つことにより、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のスプライン嵌合した部位には、予圧が付与されて、両者間のガタを抑制する。
一方、偏心カム53の押圧が解除されてテレスコロックが解除されると、ロアーチューブ34及びハウジング35を介してロアーチューブ34に連結されたロアーシャフト14とが下方向に移動し、その結果、テレスコロックされている場合に比して、アッパーシャフト13を介して弾性部材60の圧縮が減少する。上記のように弾性部材60が、圧縮が減少するとその付勢力によるアッパーシャフト13の締め代が少なくなる。
この結果、この状態で、テレスコ操作を行うと、摺動荷重を低減することができる。
また、本実施形態では、弾性部材60は、摺動荷重軽減形状として操舵部材側を向く面には操舵部材側が開口した溝62が形成されている。この溝62はテレスコ動作時において、第1操舵軸11が伸張する場合(図2において、アッパーシャフト13がA矢印方向に移動する場合)は、収縮する場合(図2において、アッパーシャフト13がB矢印方向に移動する場合)に比して撓みやすい形状となっている。
また、本実施形態では、弾性部材60は、摺動荷重軽減形状として操舵部材側を向く面には操舵部材側が開口した溝62が形成されている。この溝62はテレスコ動作時において、第1操舵軸11が伸張する場合(図2において、アッパーシャフト13がA矢印方向に移動する場合)は、収縮する場合(図2において、アッパーシャフト13がB矢印方向に移動する場合)に比して撓みやすい形状となっている。
この結果、本実施形態によれば、アッパーシャフト13のテレスコ動作時における弾性部材60の摺動荷重が、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値とすることができる。
また、EPSの場合、トーションバー17を構造上有している。
従来は、トーションバー17のバネ定数が小さい場合は、操舵部材からの入力条件によっては、操舵部材の回転方向において微振動し、この微振動が収束しないことがある。本実施形態では、弾性部材60が、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置されて、フリクションを付与しているため、操舵方向の微振動を抑制する。
従来は、トーションバー17のバネ定数が小さい場合は、操舵部材からの入力条件によっては、操舵部材の回転方向において微振動し、この微振動が収束しないことがある。本実施形態では、弾性部材60が、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置されて、フリクションを付与しているため、操舵方向の微振動を抑制する。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態のステアリング装置10は、テレスコロックされるときに、アッパーチューブ32に形成された開口部54を介してロアーチューブ34外周を押圧する偏心カム53(押圧部材)と、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置される弾性部材60(付勢部材)とを備えている。そして、弾性部材60が配置される位置を、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間であって、テレスコロックされるときに弾性部材60の付勢力が偏心カム53の押圧力と反対方向に作用する位置としている。
(1)本実施形態のステアリング装置10は、テレスコロックされるときに、アッパーチューブ32に形成された開口部54を介してロアーチューブ34外周を押圧する偏心カム53(押圧部材)と、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置される弾性部材60(付勢部材)とを備えている。そして、弾性部材60が配置される位置を、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13との間であって、テレスコロックされるときに弾性部材60の付勢力が偏心カム53の押圧力と反対方向に作用する位置としている。
この結果、アッパーシャフトをテレスコ動作する際、スプライン嵌合に起因したガタによる異音発生を抑制でき、操舵感を向上できる効果を奏する。
(2)また、本実施形態では、弾性部材60は、アッパーシャフト13のテレスコ動作時における弾性部材60の摺動荷重が、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値となる溝62を有する。一般に、テレスコ操作は、その特性上、引き側(操舵部材を車両後方へ移動させる側)が、反引き側(操舵部材を車両前方へ移動させる側)よりも重いが、本実施形態によれば、上記構成により、従来よりも引き側の摺動荷重を低減できる。
(2)また、本実施形態では、弾性部材60は、アッパーシャフト13のテレスコ動作時における弾性部材60の摺動荷重が、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値となる溝62を有する。一般に、テレスコ操作は、その特性上、引き側(操舵部材を車両後方へ移動させる側)が、反引き側(操舵部材を車両前方へ移動させる側)よりも重いが、本実施形態によれば、上記構成により、従来よりも引き側の摺動荷重を低減できる。
(3)本実施形態では、EPSとしているため、トーションバーを構造上有しているが、トーションバーのバネ定数を小さくしている場合がある。このような場合、操舵部材からの入力条件によっては、操舵部材が微振動し、この微振動が収束しない場合がある。このような場合であっても、本実施形態によれば、ロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に配置されて、両者間にフリクションを付与できるため、操舵部材の回転方向の微振動を抑制することができる。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・前記実施形態では、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に具体化したが、ラックアシスト型、ピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置に具体化してもよい。
・前記実施形態では、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に具体化したが、ラックアシスト型、ピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置に具体化してもよい。
・前記実施形態では、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置に具体化したが、マニュアル式のステアリング装置に適用してもよい。
・前記実施形態では、テレスコピック調整のみが可能なステアリング装置に具体化したが、チルト機構及びテレスコピック機構を有するステアリング装置に具体化してもよい。
・前記実施形態では、テレスコピック調整のみが可能なステアリング装置に具体化したが、チルト機構及びテレスコピック機構を有するステアリング装置に具体化してもよい。
・前記実施形態では、弾性部材60をロアーチューブ34に対して固定したが、弾性部材60をロアーチューブ34に固定する代わりに、アッパーシャフト13に対して固定するようにしてもよい。この場合は、弾性部材60は、アッパーシャフト13がその軸心の周りで回転した際に、アッパーシャフト13とともに一体に回転して、ロアーチューブ34に対して摺接する。
・前記実施形態では、弾性部材60としてゴムを例示したが、ゴム以外の弾性部材であってもよい。例えば、ロアーチューブ34に連結された板ばね、コイルスプリング等のスプリング材であってもよい。また、これらのスプリング材をアッパーシャフト13に一体に連結して、ロアーチューブ34に対して摺接可能に配置してもよい。
・前記実施形態では、摺動荷重軽減形状として、操舵部材側が開口するとともに反操舵部材側に内底壁を有する溝62としたが、摺動荷重軽減形状は溝に限定するものではない。例えば、図6(c)に示すように、摺動荷重軽減形状として、反操舵部材側の側壁60aと、操舵部材側の側壁60bを有する中空部63を形成してもよい。この場合、側壁60bの厚みを側壁60aの厚みよりも薄く形成して、側壁60bの剛性を側壁60aよりも弱く形成するものとする。操舵部材側を向く側壁が、反操舵部材側に向いた側壁よりも、剛性を弱くする形状は、厚みに薄くする構成以外に、切れ込み(スリット)、切り欠き等を有するようにしてもよい。なお、中空部63において、ロアーチューブ34の軸心に対して直交する端部の端面は開口することが好ましい。
このように構成された弾性部材60は、テレスコ動作時において、第1操舵軸11が伸張する場合は、収縮する場合に比して撓みやすい形状となる。すなわち、このような弾性部材60は、アッパーシャフト13のテレスコ動作時における弾性部材60の摺動荷重が、アッパーシャフト13とロアーシャフト14のテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値とすることができる。
・前記実施形態では、弾性部材60に溝62または中空部63を設けたが、溝62、中空部63を省略して充実体に形成してもよい。
・前記実施形態では、弾性部材60を半円筒形状に形成したが、半円筒形状に限定するものではない。例えば、図7に示すように、弾性部材60をその全体が偏心カム53とは第1操舵軸11とは180度反対側に位置するように配置し、かつ、半円等よりも周方向においては半円筒よりも短く形成してもよい。図7では、弾性部材60はロアーシャフト14の軸心を中心として角度θ1<180度の範囲で配置されていることが示されている。
・前記実施形態では、弾性部材60を半円筒形状に形成したが、半円筒形状に限定するものではない。例えば、図7に示すように、弾性部材60をその全体が偏心カム53とは第1操舵軸11とは180度反対側に位置するように配置し、かつ、半円等よりも周方向においては半円筒よりも短く形成してもよい。図7では、弾性部材60はロアーシャフト14の軸心を中心として角度θ1<180度の範囲で配置されていることが示されている。
・前記実施形態では、弾性部材60を単体としたが、図8に示すように、複数個の弾性部材60A、60B、60Cを、第1操舵軸11を間にして偏心カム53とは反対側のロアーチューブ34とアッパーシャフト13間に、配置するようにしてもよい。なお、図8の個数は3個で図示しているが、この数は例示であって、3個に限定するものではない。この場合の弾性部材60A、60B、60Cのロアーチューブ34またはアッパーシャフト13への固定方法は、前述した方法で固定すればよい。この場合においても、弾性部材60A、60B、60Cをロアーシャフト14の軸心を中心として角度θ1≦180度の範囲で配置することが好ましい。この例においても、弾性部材60A、60B、60Cには、それぞれ溝62A、62B、62Cを有する。
10…ステアリング装置、11…第1操舵軸、12…第2操舵軸、
13…アッパーシャフト、14…ロアーシャフト、15…入力軸、
16…出力軸、17…トーションバー、21…車体側部材、
22…車体側部材、23…軸受、30…ステアリングコラム、
32…アッパーチューブ、34…ロアーチューブ、34a…外周、
35…ハウジング、36…電動モータ、37…減速機構、
38…アッパーブラケット、39…ロアーブラケット、40…コラムブラケット、
41…固定ボルト、42…ナット、43…カプセル、44…取付座、45…上板、
46…支持部材、47…ウェブ、48…側板、49…側板、
50…締付軸、51…ナット、52…操作レバー、53…偏心カム(押圧部材)、
54…開口部、60、60A、60B、60C…弾性部材、
62、62A、62B、62C…溝、63…中空部、θ、θ1…角度。
13…アッパーシャフト、14…ロアーシャフト、15…入力軸、
16…出力軸、17…トーションバー、21…車体側部材、
22…車体側部材、23…軸受、30…ステアリングコラム、
32…アッパーチューブ、34…ロアーチューブ、34a…外周、
35…ハウジング、36…電動モータ、37…減速機構、
38…アッパーブラケット、39…ロアーブラケット、40…コラムブラケット、
41…固定ボルト、42…ナット、43…カプセル、44…取付座、45…上板、
46…支持部材、47…ウェブ、48…側板、49…側板、
50…締付軸、51…ナット、52…操作レバー、53…偏心カム(押圧部材)、
54…開口部、60、60A、60B、60C…弾性部材、
62、62A、62B、62C…溝、63…中空部、θ、θ1…角度。
Claims (2)
- ロアーシャフトと、
前記ロアーシャフト外に対して軸方向にテレスコ動作可能にスプライン嵌合されたアッパーシャフトと、
前記アッパーシャフトを回転自在に支持するアッパーチューブと、
前記アッパーチューブ内に対して軸方向にテレスコ動作可能に嵌め合わされるとともに前記ロアーシャフトを回転自在に支持するロアーチューブと、
テレスコロックされるときに、前記アッパーチューブに形成された開口部を介して前記ロアーチューブ外周を押圧する押圧部材と、
前記ロアーチューブと前記アッパーシャフトとの間に配置される付勢部材とを備え、
前記付勢部材が配置される位置を、前記ロアーチューブと前記アッパーシャフトとの間であって、テレスコロックされるときに該付勢部材の付勢力が前記押圧部材の押圧力と反対方向に作用する位置としたステアリング装置。 - 前記付勢部材は、前記アッパーシャフトのテレスコ動作時における前記付勢部材の摺動荷重が、前記アッパーシャフトと前記ロアーシャフトのテレスコ動作時における収縮動作時よりも伸張動作時の方が小さな値となる、摺動荷重軽減形状を有する請求項1に記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015034370A JP2016155453A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015034370A JP2016155453A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016155453A true JP2016155453A (ja) | 2016-09-01 |
Family
ID=56824758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015034370A Pending JP2016155453A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016155453A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102161282B1 (ko) * | 2019-06-27 | 2020-09-29 | 남양넥스모 주식회사 | 자동차의 조향장치 |
-
2015
- 2015-02-24 JP JP2015034370A patent/JP2016155453A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102161282B1 (ko) * | 2019-06-27 | 2020-09-29 | 남양넥스모 주식회사 | 자동차의 조향장치 |
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