JP2016152387A - 電子線描画装置 - Google Patents

電子線描画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016152387A
JP2016152387A JP2015030531A JP2015030531A JP2016152387A JP 2016152387 A JP2016152387 A JP 2016152387A JP 2015030531 A JP2015030531 A JP 2015030531A JP 2015030531 A JP2015030531 A JP 2015030531A JP 2016152387 A JP2016152387 A JP 2016152387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
converter
electron beam
deflector
cable
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015030531A
Other languages
English (en)
Inventor
達也 室伏
Tatsuya Murofushi
達也 室伏
彰謙 峯
Akikane Mine
彰謙 峯
清一 土屋
Seiichi Tsuchiya
清一 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuflare Technology Inc
Original Assignee
Nuflare Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuflare Technology Inc filed Critical Nuflare Technology Inc
Priority to JP2015030531A priority Critical patent/JP2016152387A/ja
Publication of JP2016152387A publication Critical patent/JP2016152387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】偏向アンプの動作チェックを行うことが可能な時間を十分に確保する。【解決手段】電子線描画装置は、試料へ入射する電子線を偏向する偏向器と、入力信号に応じた電圧信号を出力端子から前記偏向器へ出力する第1のDA変換器と、前記入力信号に応じた電圧信号を出力端子から出力する、前記第1のDA変換器とは異なる第2のDA変換器と、前記第1のDA変換器の出力端子と前記偏向器とを接続する第1のケーブルと、一端が前記第2のDA変換器の出力端子に接続され、前記第1のケーブルとインピーダンスがほぼ等しい第2のケーブルと、前記第1のDA変換器からの電圧信号と、前記第2のDA変換器からの電圧信号を比較した結果を出力する比較器と、前記比較器からの出力に基づいて、前記第1のDA変換器の出力診断を行う診断装置と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電子線描画装置に関する。
フラッシュメモリなどの記録媒体や、CPU(Central Processing Unit)を構成する半導体素子のリソグラフィ工程では、マスクに形成された原画パターンが、半導体素子の基板となるウエハに転写される。近年、このマスクに形成される原画パターンは、電子線描画装置を用いて描画されるのが一般的になりつつある。
電子線描画装置を用いてパターンを描画する際には、偏向器に印加する電圧を制御することにより、電子線をマスク上の所望の位置に入射させる。このため、精度よく微細なパターンを描画するためには、偏向器に電圧を印加する偏向アンプの較正や、その機能の診断を事前に行っておく必要がある。
偏向アンプは、入力されるデジタル信号をDA変換することにより生成した電圧信号を、偏向器へ出力する。この種の偏向アンプが備えるデジタル回路の出力信号については、パリティチェックやサムチェックなどをリアルタイムに行うことができる。このため、デジタル回路に起因する描画エラーを、高い確率で未然に防止することができる。
一方、偏向アンプのアナログ回路を短時間のうちに正確にチェックするのは、比較的困難である。そこで、この種のアンプのアナログ回路を、精度よくチェックする技術が種々提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2001−144614号公報 特開2009−246726号公報
特許文献1及び2に開示される装置は、外部機器へアナログ信号を出力するDACアンプと、このDACアンプと同等の構成を有するモニタ用アンプからの出力信号とをサンプリングして比較する。そして、双方の出力信号の差に基づいて、DACアンプの動作チェックを行う。
しかしながら、DACアンプには、外部機器につながるケーブルが接続されているが、モニタ用アンプにはケーブルが接続されていない。そのため、DACアンプが高速に動作したときには、DACアンプからの出力信号にのみ、ケーブルからの反射波が重畳されてしまう。この場合には、DACアンプの出力信号の値と、モニタ用アンプの出力信号の値の差が大きくなってしまうため、反射波が減衰するまでの間、DACアンプの動作を正確にチェックすることが困難になる。したがって、DACアンプの動作チェックに長時間を要する結果となる。
また、DACアンプには、セトリング時間が存在する。そのため、DACアンプを描画装置の偏向アンプとして用いた場合には、DACアンプからの出力信号の値が一定に落ち着くまでのセトリング時間においては、パターンの描画ができないうえに、上述したDACアンプの動作チェックもできなくなる。
以上のことから、描画装置の偏向アンプでは、セトリング時間と減衰時間が経過してからのわずかな時間で、動作チェックを行わなければならない。また、偏向アンプからの出力信号の値が変動する周期に比べて、減衰時間が著しく長くなると、動作チェック自体ができなくなることも考えられる。この減衰時間は、一般に、セトリング時間よりも長いため、偏向アンプを精度よく高速動作させるためには、偏向アンプの動作チェックを行う時間を十分に確保するための処置が必要になる。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、偏向アンプの動作チェックを行うことが可能な時間を十分に確保することを目的とする。
上記課題を解決するため、本実施形態に係る電子線描画装置は、試料へ入射する電子線を偏向する偏向器と、入力信号に応じた電圧信号を出力端子から前記偏向器へ出力する第1のDA変換器と、前記入力信号に応じた電圧信号を出力端子から出力する、前記第1のDA変換器とは異なる第2のDA変換器と、前記第1のDA変換器の出力端子と前記偏向器とを接続する第1のケーブルと、一端が前記第2のDA変換器の出力端子に接続され、前記第1のケーブルとインピーダンスがほぼ等しい第2のケーブルと、前記第1のDA変換器からの電圧信号と、前記第2のDA変換器からの電圧信号を比較した結果を出力する比較器と、前記比較器からの出力に基づいて、前記第1のDA変換器の出力診断を行う診断装置と、を有する。
本発明によれば、第1のDA変換器と第2のDA変換器の出力側のインピーダンスがほぼ等しくなる。このため、第1のDA変換器からの出力信号と、第2のDA変換器からの出力信号の双方に、波高値がほぼ等しい反射波が、ほぼ同じタイミングで重畳される。その結果、双方の出力信号を正確に比較することが可能な時間が長くなる。したがって、偏向アンプの動作チェックを行うことが可能な時間を十分に確保することができる。
本実施形態に係る電子線描画装置のブロック図である。 制御装置のブロック図である。 偏向アンプのブロック図である。 制御装置が実行する動作チェック処理を示すフローチャートである。 DA変換器からの出力を示す図である。 DA変換器からの出力を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る電子線描画装置10の概略構成を示す図である。電子線描画装置10は、例えば真空度が10−7Pa程度の環境下において、レジスト材がコーティングされたマスクやレチクルなどの試料120に、パターンを描画する装置である。
図1に示されるように、電子線描画装置10は、電子線を試料120に照射する照射装置20、試料120が載置されるステージ装置61、ステージ装置61を収容するライティングチャンバ60、照射装置20及びステージ装置61を制御する制御系100を備えている。
照射装置20は、長手方向を鉛直軸方向とする鏡筒21と、鏡筒21の内部上方から下方に向かって配置される電子銃22、偏向器31,32、レンズ41,42,43、アパーチャ51,52,53を有している。
鏡筒21は、下方が開放された円筒状のケーシングである。鏡筒21は、ステンレスからなり、接地されている。この鏡筒21は、ライティングチャンバ60の上方に設置され、ライティングチャンバ60内部に位置する部分は、その直径が下方(−Z方向)に向かって小さくなるテーパー形状となっている。
電子銃22は、鏡筒21の内部上方に配置されている。電子銃22は、例えば熱陰極型の電子銃である。電子銃22は、陰極と、陰極を包囲するように設けられるウェネルト電極と、陰極の下方に配置される陽極などから構成されている。電子銃22は、高電圧が印加されると下方へ電子線を射出する。
偏向器31は、電子銃22の下方に配置されている。偏向器31は、相互に対向するように配置された電極を有している。そして、ブランキングアンプ103によって印加される電圧に応じて、電子銃22から射出された電子線を偏向する。
例えば、偏向器31には、描画パターンに基づいた電圧信号(ハイレベルとローレベルの2値の電圧信号)が入力される。偏向器31では、一方の電極に入力された電圧信号がハイレベルの時に、電極間に電界が生じ、電子線が偏向される。これにより、電子線は、アパーチャ51によってブランキングされる。そのため、描画パターンに基づいて変調した電圧信号を、偏向器31に入力することで、試料120に所望のパターンを描画することができる。また、ハイレベルに維持された電圧信号を偏向器31に入力することで、電子線がブランキングされた状態を継続することができる。
レンズ41は、偏向器31を包囲するように配置された環状のレンズである。レンズ41は、偏向器31を通過する電子線を、アパーチャ51の中心近傍に集束させる。
アパーチャ51,52は、中央に電子線が通過する開口が設けられた板状の部材である。アパーチャ51,52は、レンズ41を通過した電子線の集束点近傍に配置されている。電子線がアパーチャ51,52の開口を通過することで、電子線のショットの形状が整形される。また、電子線が偏向器31によって偏向されたときには、電子線は、アパーチャ51によって遮蔽される。これにより、電子線がブランキングされる。
レンズ42は、アパーチャ52の下方に配置された環状のレンズである。レンズ42は、電子線を、アパーチャ53の中心近傍に集束させる。
アパーチャ53は、偏向器32の下方に配置されている。アパーチャ53も、アパーチャ51,52と同様に構成されている。電子線がアパーチャ53の開口を通過することで、電子線のショットの形状が整形される。
偏向器32は、アパーチャ53の下方に配置されている。偏向器32は、対向して配置される複数対の電極を有している。偏向器32は、電極に印加される電圧に応じて、アパーチャ53を通過した電子線を偏向する。
レンズ43は、偏向器32を包囲するように配置された環状のレンズである。レンズ43は、偏向器32と協働することにより、ステージ装置61に載置された試料120の所望の位置に、偏向器32を通過する電子線を集束させる。
ライティングチャンバ60は、直方体状の中空部材であり上面には円形の開口が形成されている。上述した照射装置20の鏡筒21は、ライティングチャンバ60の上面に形成された開口に挿入されている。
ステージ装置61は、ライティングチャンバ60の内部に配置されている。ステージ装置61は、パターンが描画される試料120をほぼ水平に保持した状態で、少なくとも水平面内を移動する。
制御系100は、照射装置20及びステージ装置61を制御するためのシステムである。この制御系100は、制御装置101、電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ200、及びステージ駆動装置107を有している。
図2は、制御装置101のブロック図である。図2に示されるように、制御装置101は、CPU(Central Processing Unit)101a、主記憶部101b、補助記憶部101c、入力部101d、表示部101e、インタフェース部101f、及び上記各部を接続するシステムバス101gを有するコンピュータである。
CPU101aは、補助記憶部101cに記憶されたプログラムを読み出して実行する。そして、プログラムに応じて、制御系100を構成する機器を統括的に制御する。
主記憶部101bは、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを有している。主記憶部101bは、CPU101aの作業領域として用いられる。
補助記憶部101cは、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリなどの不揮発性メモリを有している。補助記憶部101cは、CPU101aが実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。また、CPU101aによる処理結果などを含む情報を順次記憶する。
入力部101dは、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスを有している。ユーザの指示は、入力部101dを介して入力され、システムバス101gを経由してCPU101aに通知される。
表示部101eは、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示ユニットを有している。表示部101eは、例えば、電子線描画装置10のステータスや、描画パターンなどに関する情報を表示する。
インタフェース部101fは、LANインタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、アナログインタフェースなどを備えている。電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ200、及びステージ駆動装置107は、インタフェース部101fを介して、制御装置101に接続される。
上述のように構成される制御装置101は、電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ200、及びステージ駆動装置107に、上記各部を駆動するための駆動信号S1〜S5を出力する。これらの駆動信号S1〜S5は、デジタルデータからなる。
図1に戻り、電源装置102は、制御装置101からの駆動信号S1に基づいて、電子銃22に電圧を印加する。これにより、電子銃22から試料120へ向かって、電子線が射出される。
ブランキングアンプ103は、制御装置101から出力される駆動信号S2に基づいてブランキング信号を生成する。そして、生成したブランキング信号を偏向器31へ出力する。例えば、ブランキング信号は、ハイレベルが500mVで、ローレベルが0Vの2値の信号である。偏向器31へ出力されるブランキング信号がハイレベルのときに、電子線がブランキングされる。
レンズ駆動装置104は、駆動信号S3に基づいて、電子線に対するレンズ41,42のパワー(屈折力)を制御して、電子線をアパーチャ51〜53の中心に向けて集束させる。また、レンズ43のパワーを制御して、電子線を試料120の上面に集束させる。
ステージ駆動装置107は、駆動信号S5に基づいて、ステージ装置61を駆動し、試料120の移動や位置決めなどを行う。
偏向アンプ200は、駆動信号S4に基づいて電圧信号を生成し、偏向器32を構成する電極へ出力する。偏向器32を構成する電極間には、電位差が生じる。これにより、偏向器32を通過する電子線は、電位差に応じた量だけ偏向する。
図3は、偏向アンプ200のブロック図である。図3に示されるように、偏向アンプ200は、駆動回路201、DA変換器202、診断用DA変換器203、コンパレータ204を有している。
駆動回路201には、制御装置101から出力される例えば20ビットの駆動信号S4が入力される。駆動回路201は、駆動信号S4に基づいて、DA変換器202及び診断用DA変換器203を駆動するためのデジタルデータD1を生成する。そして、生成したデジタルデータD1をDA変換器202及び診断用DA変換器203へ出力する。このデジタルデータD1は、試料に描画される各ショットパターンに基づいた入力信号であり、DA変換器202及び診断用DA変換器203に対応するビット数のデータからなる。
DA変換器202は、デジタルデータD1の値に対してリニアな特性を有する変換器である。DA変換器202は、デジタルデータD1を変換してアナログ信号を生成する。そして、生成したアナログ信号を電圧信号SV1として、出力端子P1から出力する。
DA変換器202の出力端子P1と偏向器32は、例えばインピーダンスが50Ωの同軸ケーブルC1によって接続されている。同軸ケーブルC1は、内部導体と、内部導体を包囲するように絶縁体を介して設けられる外部導体からなる。DA変換器202の出力端子P1と偏向器32は、内部導体によって電気的に接続される。また、外部導体は接地され、内部導体のシールドとして機能する。
診断用DA変換器203は、DA変換器202の動作チェックにのみ用いられる変換器である。診断用DA変換器203も、デジタルデータD1を変換してアナログ信号を生成する。そして、電圧信号SV2として、出力端子P2から出力する。診断用DA変換器203は、DA変換器202と同等の構成を有している。そのため、DA変換器202及び診断用DA変換器203が正常に動作している場合には、DA変換器202、診断用DA変換器203から出力される電圧信号SV1,SV2は、値がほぼ等しいアナログ信号となる。
診断用DA変換器203の出力端子には、同軸ケーブルC1と仕様及び長さが等しい同軸ケーブルC2が接続されている。同軸ケーブルC2の外部導体は接地されている。そして、同軸ケーブルC2の内部導体と外部導体は、コンデンサ300を介して接続されている。コンデンサ300の静電容量は、偏向器32の電極と対地間の静電容量にほぼ等しい。
コンパレータ204は、DA変換器202及び診断用DA変換器203それぞれの出力端子P1,P2に、同軸ケーブルC3,C4を介して接続されている。同軸ケーブルC3,C4は、相互に仕様及び長さが等しい。コンパレータ204は、DA変換器202、診断用DA変換器203から出力される電圧信号SV1,SV2を、同軸ケーブルC3,C4を介してサンプリングする。そして、電圧信号SV1,SV2を比較した結果を示す比較信号AS1を出力する。
例えば、比較信号AS1は、電圧信号SV1の値v1と電圧信号SV2の値v2の差ΔV(=v1−v2)を示す信号である。DA変換器202と診断用DA変換器203は同等の構成を有しており、入力されるデジタルデータが共通である。このため、DA変換器202及び診断用DA変換器203が安定して動作しているときには、電圧信号SV1の値v1と、電圧信号SV2の値v2との差Δvは、ほぼ零になる。
制御装置101は、比較信号AS1をモニタすることにより、偏向アンプ200の動作チェックを行う。図4は、偏向アンプ200の動作チェックを行う際に、制御装置101が実行する一連の処理を示すフローチャートである。また、図5は、偏向アンプ200を構成するDA変換器202、診断用DA変換器203から出力される電圧信号SV1,SV2を示す図である。以下、制御装置101の動作について、図4及び図5を参照して説明する。
図5は、時刻aにおいて、電圧信号SV1,SV2の値をV1からV2へ変更する指示が、制御装置101から偏向アンプ200へ出力されたときに観察される電圧信号SV1,SV2の波形を示す図である。
図5に示されるように、電圧信号SV1,SV2は、時刻aから立ち上がりはじめる。そして、時刻bにおいて値がほぼV2に収束する。時刻aから時刻bまでの時間が、DA変換器202及び診断用DA変換器203の固有の特性に依存するセトリング時間STとなる。このセトリング時間STは、DA変換器202及び診断用DA変換器203の特性によって増減するが、制御装置101は、時刻aから、電圧信号SV1,SV2双方の値が一定の値V2に収束するまでの時刻bまでの時間を、偏向アンプ200のセトリング時間ST(制定時間)として取り扱う。
また、電圧信号SV1,SV2には、DA変換器202、診断用DA変換器203から出力された後に、偏向器32で反射した反射波が重畳される。図5に示される電圧信号SV1,SV2では、時刻cから時刻eまでの間の時間に、波高値hの反射波が重畳されている。この反射波による成分は、時刻cから一旦増加した後、時刻eまでに徐々に減少する。時刻eを過ぎた後は、電圧信号SV1,SV2の値は、ほぼ一定に維持される。
反射波が現れる時間帯は同軸ケーブルC1,C2の長さに依存し、反射波の波高値hの大きさは、変更前の電圧信号SV1,SV2の電圧V1と、変更後の電圧信号SV1,SV2の電圧V2の差dVに依存する。このため、電圧信号SV1,SV2に、反射波による成分が現れる時間帯は予め特定しておくことができる。
そこで、制御装置101は、時刻aから、時刻bまでのセトリング時間STと、時刻bから、電圧信号SV1,SV2の値が閾値Th1まで低下する時刻dまでの減衰時間ATと、時刻dから、余裕時間MTが経過したときの時刻f以降に、電圧信号SV1を用いて、試料に入射する電子線の偏向制御を行う。一方、制御装置101は、時刻aから時刻fまでの休止時間DTには、電子線をブランキングさせることにより、電圧信号SV1を用いた電子線の制御を休止する。
制御装置101は、電圧信号SV1を用いた電子線の制御が行われない休止時間DTが経過する前に、コンパレータ204からの比較信号AS1に基づいて、偏向アンプ200の動作チェックを行う。
具体的には、制御装置101は、偏向アンプ200へ、電圧信号SV1の値をV1からV2へ変更するための指示を駆動信号S4として出力する(ステップS101)。制御装置101は、上記指示を出力した時刻aから、セトリング時間ST及び減衰時間ATが経過したら(ステップS102:Yes)、比較信号AS1のサンプリングを開始する(ステップS103)。これにより、休止時間DTのうち、電圧信号SV1,SV2の値が比較的安定する余裕時間MTが経過する間に出力される比較信号AS1がサンプリングされる。
次に、制御装置101は、比較信号AS1に示される差Δvと、予め設定された基準値RVとを比較する(ステップS104)。そして、差Δvと基準値RVとの差dfの絶対値Adfが所定の閾値Th2以下である場合には(ステップS105:Yes)、偏向アンプ200が正常に動作していると判断してステップS101へ戻り、ステップS101以降の処理を繰り返し実行する。
一方、制御装置101は、絶対値Adfが所定の閾値Th2より大きい場合には(ステップS105:No)、偏向アンプ200が正常に動作していないと判断して、描画処理を終了する(ステップS106)。これにより、試料に対する描画エラーを未然に防止するとともに、偏向アンプ200の故障を実描画中にリアルタイムに検出することができる。
以上説明したように、本実施形態では、図3に示されるように、DA変換器202の動作チェックに用いられる診断用DA変換器203の出力端子P2に、DA変換器202と偏向器32とを接続する同軸ケーブルC1と同等の同軸ケーブルC2が接続されている。また、同軸ケーブルC2には、偏向器32と対地間の静電容量と同等の静電容量を有するコンデンサ300が接続されている。このため、DA変換器202の出力側のインピーダンスと、診断用DA変換器203の出力側のインピーダンスが等しくなる。
これにより、図5に示されるように、DA変換器202から出力される電圧信号SV1の波形と、診断用DA変換器203から出力される電圧信号SV2の波形がほぼ等しくなる。したがって、偏向アンプ200の動作チェックを行う時間を十分に確保することが可能となる。
例えば、診断用DA変換器203に同軸ケーブルC2が接続されていない場合には、診断用DA変換器203の電圧信号SV2には、反射波による成分が含まれない。この場合には、図6に示されるように、反射波による成分を含む電圧信号SV1の波形と、反射波による成分を含まない電圧信号SV2の波形は、セトリング時間STと、余裕時間MTの後半では同等の形状となるが、減衰時間ATでは異なった形状となる。そのため、減衰時間ATでは、電圧信号SV1と電圧信号SV2を比較することによっては、偏向アンプ200の動作チェックを正確に行うことができない。また、セトリング時間STでは、電圧信号SV1の波形と、電圧信号SV2の波形が同形状となり得るが、このセトリング時間STでは、電圧信号SV1,SV2が、DA変換器202と診断用DA変換器203の個体差の影響を強く受ける。そのため、偏向アンプ200の動作チェックが可能になるのは、余裕時間MTに含まれる時間帯Rのみとなる。
一方、DA変換器202及び診断用DA変換器203の双方に、同軸ケーブルC1,C2が接続されている場合には、電圧信号SV1の波形と、電圧信号SV2の波形がほぼ同等の形状となる。この場合には、セトリング時間STと、電圧信号SV1,SV2が急峻に変化する時間帯を除いた余裕時間MTにおいて、偏向アンプ200の動作チェックが可能になる。したがって、偏向アンプ200の動作チェックを行うことが可能な時間を十分に確保することができる。
図5においては、時刻eから時刻fまでは約20nsecであるため、従来は20nsecの間に動作チェックを完結する必要があった。しかしながら、上記実施形態では、動作チェックのために30nsec〜50nsec程度の時間を確保することが可能になる。
また、上記実施形態では、偏向アンプ200が正常に動作していないと判断された場合には、描画処理が終了する(ステップS106)。これにより、試料に対する描画エラーを未然に防止することが可能となる。その結果、マスクへの実描画中に発生するエラーにより、当該マスクをスクラップにすることが回避され、結果的に商品の歩留まりを向上することができる。
また、偏向アンプ200の故障をリアルタイムに特定することができるので、電子線描画装置10の稼働率を向上することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、同軸ケーブルC2にコンデンサ300が接続されている場合について説明した。これに限らず、同軸ケーブルC2は一端が開放端になっていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 電子線描画装置
20 照射装置
21 鏡筒
22 電子銃
31,32 偏向器
41〜43 レンズ
51〜53 アパーチャ
60 ライティングチャンバ
61 ステージ装置
100 制御系
101 制御装置
101a CPU
101b 主記憶部
101c 補助記憶部
101d 入力部
101e 表示部
101f インタフェース部
101g システムバス
102 電源装置
103 ブランキングアンプ
104 レンズ駆動装置
107 ステージ駆動装置
120 試料
200 偏向アンプ
201 駆動回路
202 DA変換器
203 診断用DA変換器
204 コンパレータ
300 コンデンサ
C1〜C4 同軸ケーブル
D1 デジタルデータ
P1,P2 出力端子
S1〜S4 駆動信号

Claims (5)

  1. 試料へ入射する電子線を偏向する偏向器と、
    入力信号に応じた電圧信号を出力端子から前記偏向器へ出力する第1のDA変換器と、
    前記入力信号に応じた電圧信号を出力端子から出力する、前記第1のDA変換器とは異なる第2のDA変換器と、
    前記第1のDA変換器の出力端子と前記偏向器とを接続する第1のケーブルと、
    一端が前記第2のDA変換器の出力端子に接続され、前記第1のケーブルとインピーダンスがほぼ等しい第2のケーブルと、
    前記第1のDA変換器からの出力電圧と、前記第2のDA変換器からの出力電圧を比較した結果を出力する比較器と、
    前記比較器からの出力に基づいて、前記第1のDA変換器の診断を行う制御装置と、
    を有する電子線描画装置。
  2. 前記第1のケーブルと前記第2のケーブルは、長さが相互に等しく、同等の構造を有している請求項1に記載の電子線描画装置。
  3. 前記第2のケーブルの他端は開放端である請求項1又は2に記載の電子線描画装置。
  4. 前記第2のケーブルの他端は、前記偏向器の静電容量と等しいコンデンサが接続されている請求項1に記載の電子線描画装置。
  5. 前記ケーブルは、接地された外部導体と、前記外部導体に囲まれる内部導体からなる同軸ケーブルであり、
    前記コンデンサは、前記外部導体と前記内部導体とにわたって接続される請求項4に記載の電子線描画装置。
JP2015030531A 2015-02-19 2015-02-19 電子線描画装置 Pending JP2016152387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015030531A JP2016152387A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 電子線描画装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015030531A JP2016152387A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 電子線描画装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016152387A true JP2016152387A (ja) 2016-08-22

Family

ID=56695621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015030531A Pending JP2016152387A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 電子線描画装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016152387A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0240850A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Toshiba Corp 電子ビーム露光装置の偏向増幅回路
JPH04122865A (ja) * 1990-09-14 1992-04-23 Fujitsu Ltd 半導体集積回路及びその試験方法
JPH10112651A (ja) * 1996-10-07 1998-04-28 Matsushita Electron Corp ディジタルテスタを用いたd/a変換器の検査方法
JP2001144614A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Hitachi Ltd D/a変換器の診断方法およびアナログ出力装置
JP2004259812A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Hitachi High-Technologies Corp 電子線描画装置および電子線描画装置のセトリングタイム測定方法
JP2007201150A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Nuflare Technology Inc Dacセトリング特性評価方法、dacセトリング特性評価装置及び電子線描画装置
JP2009246726A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nec Corp アナログ出力装置及び該アナログ出力装置に用いられるアナログ出力診断方法
JP2012004415A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置
JP2012160346A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Nuflare Technology Inc 偏向アンプの評価方法および荷電粒子ビーム描画方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0240850A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Toshiba Corp 電子ビーム露光装置の偏向増幅回路
JPH04122865A (ja) * 1990-09-14 1992-04-23 Fujitsu Ltd 半導体集積回路及びその試験方法
JPH10112651A (ja) * 1996-10-07 1998-04-28 Matsushita Electron Corp ディジタルテスタを用いたd/a変換器の検査方法
JP2001144614A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Hitachi Ltd D/a変換器の診断方法およびアナログ出力装置
JP2004259812A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Hitachi High-Technologies Corp 電子線描画装置および電子線描画装置のセトリングタイム測定方法
JP2007201150A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Nuflare Technology Inc Dacセトリング特性評価方法、dacセトリング特性評価装置及び電子線描画装置
JP2009246726A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nec Corp アナログ出力装置及び該アナログ出力装置に用いられるアナログ出力診断方法
JP2012004415A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置
JP2012160346A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Nuflare Technology Inc 偏向アンプの評価方法および荷電粒子ビーム描画方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007271919A (ja) 荷電粒子ビーム装置、da変換装置の異常検出方法、荷電粒子ビーム描画方法及びマスク
US11380513B2 (en) Autofocus method for a scanning electron microscope
EP2365511B1 (en) Feedback loop for emitter flash cleaning
US8290743B2 (en) Charged particle beam writing apparatus and method for diagnosing DAC amplifier unit in charged particle beam writing apparatus
US20150060654A1 (en) Charged particle beam device and arithmetic device
WO2015163036A1 (ja) 荷電粒子線装置及びその帯電除去方法
WO2018042531A1 (ja) 計測装置及び計測方法
JP2016152387A (ja) 電子線描画装置
JP5855390B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及びブランキングタイミングの調整方法
JP6341645B2 (ja) 粒子ビーム・カラムと一体のリターディング電界型分析器
US20230238736A1 (en) High voltage feedthrough and connector for a charged particle apparatus
JP3485888B2 (ja) 電子ビーム描画装置及びそれを用いて作製された半導体デバイス
JP6240045B2 (ja) 異常検出方法及び電子線描画装置
KR101538256B1 (ko) 하전 입자선 장치 및 정전 척 장치
JP5451555B2 (ja) Dacアンプ診断装置、荷電粒子ビーム描画装置及びdacアンプ診断方法
JP6163255B2 (ja) 荷電粒子線装置及び球面収差補正方法
KR101618693B1 (ko) 하전입자 현미경의 주사신호 제어 방법 및 이를 이용한 장치
JP5881972B2 (ja) Dacアンプの評価方法及び荷電粒子ビーム描画装置
JP2015008062A (ja) 荷電粒子線装置、及び試料検査方法
JP2006252994A (ja) 走査電子顕微鏡
JP2023034881A (ja) 放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置
KR20230086766A (ko) 하전 입자 빔 묘화 장치 및 하전 입자 빔 묘화 방법
JP6225055B2 (ja) ステージ装置および電子線装置
JP2016201491A (ja) 電子線描画装置
WO2016167166A1 (ja) 荷電粒子ビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190219