JP2004259812A - 電子線描画装置および電子線描画装置のセトリングタイム測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によって高速偏向制御回路のセトリングタイムを信頼性高くかつ簡便に測定することができる。
【解決手段】高速偏向制御回路の二出力を利用し、一方に偏向データを入力、もう一方に前者と逆方向の偏向データを入力して、お互いの出力同士間に結合された測定抵抗の中点の電圧変化を測定しつつ、更に互いの相関が見えるように、一方または両方の偏向データのDA変換開始タイミングを可変して測定することでセトリングタイムを信頼性高くかつ簡便に測定する。
【選択図】 図2
【解決手段】高速偏向制御回路の二出力を利用し、一方に偏向データを入力、もう一方に前者と逆方向の偏向データを入力して、お互いの出力同士間に結合された測定抵抗の中点の電圧変化を測定しつつ、更に互いの相関が見えるように、一方または両方の偏向データのDA変換開始タイミングを可変して測定することでセトリングタイムを信頼性高くかつ簡便に測定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線描画装置における高速偏向制御回路のセトリングタイムを正確にかつ簡便に測定し、偏向制御回路の動作を装置上で観測できる測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体デバイスの微細化にともなって、半導体の微細加工技術の一翼を担うリソグラフィー装置も更なる微細化対応が求められている。その中でも電子線描画装置は100nmルール以下のデバイス向けのリソグラフィー装置として期待されている。
【0003】
電子線描画装置は、電子ビームを各偏向器によって、目的の形状、位置に制御して、ウエハあるいはマスク等の試料上のレジストを電子ビームショットによって感光させる機能をもった装置である。
【0004】
その中で、高速偏向制御回路は、電子ビームの位置、形状を各ショットごとに高速に且つ正確に決定する役割を持ち、その出力は同様に高速、且つ正確に電圧を出力する必要がある。このため、高速偏向制御回路には目標電圧値への整定時間を意味するセトリングタイムが重要なパラメータとなっている。
【0005】
しかし、高速偏向制御回路のセトリングタイムを測定するのは非常に難しく、偏向電圧変化分の1千分の1以下の精度を有し、かつ偏向回路と同等以上の高速な回路を用いなければ測定できない。これをオシロスコープ等による拡大機能によって、偏向電圧変化直後の波形を測定しようとすると、オシロスコープ自身の持つアンプの特性を観測することになってしまい誤測定となってしまう。
【0006】
このため、従来の測定手段としては、偏向アンプ出力と逆相出力を抵抗加算してその中点の特異電圧変化をショットキーダイオードでクリップした上で、中点電圧変化をオシロスコープにより拡大して測定を行っている。また、特開平6−36996号公報(特許文献1)は、偏向信号をコンデンサと抵抗で微分し、それを比較器に挿入することで、波形が平坦となったレベルを検出してセトリングタイムを測定している。
【0007】
また、高速偏向回路は電子線描画装置において描画精度を司る役割を担っているため常に正常に動作しているのかを、描画前後にチェックしたいという要望がある。
【0008】
しかし、セトリングタイムを測定するにはオシロスコープ等の機材、偏向アンプ出力および逆相出力などが必要となってくるため装置上でチェックすることができず、メンテナンス時などに測定装置を準備して測定する方法を採らざるを得ない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−36996号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
高速偏向制御回路のセトリングタイムの測定手法としては、一般的に偏向アンプ出力と逆相の偏向アンプ出力を測定抵抗加算してその中点をショットキーダイオードで特異信号をクリップした上でオシロスコープにより拡大して測定している。
【0011】
しかしこの方法の問題点として正相と逆相信号が同期して変動するような場合には、測定抵抗加算中点にはセトリングタイム測定のための検出信号が測定されず、セトリングタイムを過小評価してしまう危険性がある。また、オシロスコープト等の測定装置を電子線描画装置に導入する必要が生じ、装置規模も大きくなってしまう。
【0012】
また、高速偏向制御回路は、電子線描画装置において、各ショットの位置および形状を決定するという重要な役割を担っている。そこで現在、装置上で高速偏向制御回路の正常動作を確認する目的として、DA変換の精度指標となるリニアリティが測定されている。
【0013】
しかし、リニアリティは、デジタルボルトメータを用いて測定するため、測定スピードが偏向動作より数千倍以上も遅いため、必ずしも実描画と比較して結びつけることができない。そのため現在装置上においてはリニアリティだけでなく、偏向アンプのセトリングタイムをも測定し、各ショットの正確性および各ショット間の適正な待ち時間を設定したいという要望が高まっている。
【0014】
そこで本発明は、高速偏向制御回路のセトリングタイムを信頼性高く、かつ簡便に測定可能とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高速偏向制御回路に備わる二つの偏向系統回路の出力側を測定抵抗で接続し、一方の偏向系統回路に測定用の偏向データを入力し、他方の偏向系統回路にも前記偏向データと逆方向位相になる測定用の偏向データを入力し、これらの偏向データに基づく前記測定抵抗の中点(中間点)の電圧変化を測定する電子線描画装置のセトリングタイム測定方法にあって、前記一方/他方の偏向データとが入力される入力タイミングに時差をもたせたことを特徴とする。
【0016】
更に具体的に説明する。電子線描画装置における高速偏向制御回路は通常X、Yといった2chあるいは多極chを持つ等価な複数系統の回路構成をしている。
【0017】
そのため、セトリングタイムを測定するための正相と逆相の偏向信号はこれら2chの回路上の偏向データを用いて容易に作成することが可能である。そこで、これらの各chの偏向アンプ出力を測定抵抗接合してその中点での電圧変化を測定することにより、セトリングタイムを測定することができる。また正相および逆相偏向信号の同期変動による測定誤差を防ぐために、各ch間の偏向電圧出力開始時間(入力タイミング)に差をつけて、その差分量を変化させてセトリングタイムを測定するということを行う。これによって、測定抵抗結合中点における測定信号が所定の整定レベルに達した時間から差分量を引いた時間をセトリングタイムと規定することで正確な測定ができる。
【0018】
また、測定抵抗結合中点の変動を測定するにはオシロスコープ等が用いられるが、オシロスコープの代替として高速アンプとAD変換器を接続して、その測定信号を装置制御用ワークステーションあるいはパソコンに表示することによって、装置端末上で高速偏向制御系の動作チェックをしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に沿って本発明の電子線描画装置の概要について説明する。
【0020】
電子線描画装置の電子銃1から放射される電子ビーム2は、ステージ3の上に載置されているウエハ4に照射され、ウエハ4のレジストに回路パターンのエッチングを描く。電子ビーム2は、ブランキング板5、偏向板6の間を通過する際に電気的な偏向制御を受ける。ブランキング板5にはブランキング回路7、偏向板6には偏向アンプ路8から制御電圧が加えられる。ブランキング回路7、偏向アンプ8を制御する制御回路9はワークステーション20(測定端末装置の機能を含む)から指示を得る。ステージ3は、制御回路9の指示のもとでモータ制御回路21の制御指示で縦横に動く。
【0021】
高速偏向制御回路22は、偏向アンプ路8と制御回路9の一部によって構成される。この高速偏向制御回路22について、図2を引用して述べる。ここでは、主にセトリングタイム測定方法の面で説明する。
【0022】
高速偏向制御回路22は、少なくとも、偏向系統回路Aと偏向系統回路Bの二つ偏向系統回路を有する。
【0023】
偏向系統回路Aは、DA変換器A103、偏向アンプA105を有する。偏向系統回路Bは、DA変換器A104、偏向アンプA106を有する。
【0024】
セトリングタイムを測定するために、1つの偏向系統回路Aに調べたい偏向量に相当するデータ変化を与える信号101(測定用の偏向データ)を、ある周期でDA変換器A103に与え、同時に信号101と位相が180度異なる信号102(測定用の偏向データ)を同周期にDA変換器B104に与える。
【0025】
このとき、DA変換開始時間(測定用の偏向データである信号101、および信号102がDA変換器に入力される時期)を制御するSTB信号は同一タイミングとなるようにディレィA107およびディレィB108は設定されているものとする。
【0026】
そして、各DA変換器の出力を偏向アンプA105および偏向アンプB106で増幅させて、偏向アンプAの出力と偏向アンプBの出力との間に接続された測定抵抗109,110(セトリングタイム測定回路)の中点114の電圧変化を測定することにより、セトリング時間を測定する。また、図中、負荷容量111,112は実使用上偏向器への接続ケーブル負荷を擬似的に再現するためのものであり、電子線描画装置上でのセトリングタイムを正確に測定する上で重要な働きを示す。
【0027】
図中、ショットキーダイオード113a,113b(クリッピング回路を形成する)は、測定点114(中点/中間点)での大きな出力変化を抑える役割を果たし、オシロスコープ115などの測定器に負担をかけないために重要となっている。
【0028】
ディレィA107、ディレィB108が同一タイミングに設定されているときの各出力点の波形を図3に示す。測定点Cでの波形は測定点Aでの波形および測定点Bでの波形の中点を示すため、測定点Aでの立ち上がり波形と測定点Bでの立ち下り波形の微小な対称性誤差が測定される。この場合、測定されるセトリングタイムTmは対称性誤差が無くなる点であって、真のセトリングタイムTrとは必ずしも一致しない。
【0029】
そこで、次にディレィA107によってDA変換器Aの変換開始時刻(測定用の偏向データである信号101がDA変換器に入力される時期)を遅らせて、測定点114における波形を測定する。このとき、測定される波形を図4に示す。図中、Tdはディレィ時間を示す。これにより、測定点Aの波形と測定点Bの波形が対称性を持っていたとしても、ディレィ時間Tdがあるため時間的に測定点Aの波形と測定点Bの波形で対称性が崩れるため、測定点Cでは互いに整定したときのセトリングタイムTrを測定することができる。さらに正確にセトリングタイムを測定するには、ディレィA107のディレィ時間を変化させたり、ディレィB108のディレィ時間を変化させたりして、複数の条件から、総合的にセトリングタイムを割り出すことが考えられる。
【0030】
次に図5に沿ってセトリングタイム測定方法を電子線描画装置に導入した例について説明する。
【0031】
高速偏向制御回路40は、少なくとも、偏向系統回路Aと偏向系統回路Bの二つ偏向系統回路を有する。
【0032】
偏向系統回路Aは、DA変換器A403、偏向アンプA405を有する。偏向系統回路Bは、DA変換器A404、偏向アンプA406を有する。更にXch、Ych偏向あるいは8極静電偏向の2極を示す。
【0033】
まず、通常描画時においてはリレーまたはスイッチA411(切り換え手段)、リレーまたはスイッチB412(切り換え手段)は制御信号によって、偏向アンプA405の出力を偏向器418に接続される伝送線A413に、偏向アンプB406の出力を偏向器418に接続される伝送線B414にだけに結線される。
【0034】
そして、セトリングタイム測定時に用いられる中点測定用抵抗409、410およびその他周辺回路を切り離して、描画時には不要な回路を切り離すことにより、動作ノイズ等を軽減する。
【0035】
また同時にDA変換器の入力STB信号の前段に挿入されているディレィA407、ディレィB408には遅れ無しあるいは同程度の遅れを持った値を設定しておき、偏向系統回路による整定時間のばらつきが最小となるようにしておく。
【0036】
次に、描画前後に高速偏向制御回路のセトリングタイムを測定することで回路の動作チェックする際には、リレーまたはスイッチA411、B412を制御信号によって、偏向アンプA405の出力を測定抵抗A409に、偏向アンプB406の出力を測定抵抗B410に接続する。
【0037】
その後、偏向量相当のデータでそれぞれ位相が180度異なったものをそれぞれのDA変換器に位相を、ある周期で与え、測定抵抗中点Cを測定する。ただし、電子線描画装置上で測定を行うことに主眼をおいているため、測定抵抗中点Cでの測定方法としては、測定波形を高速アンプで増幅した上で高速AD変換器416にてデータ変換し、測定端末装置上に表示し、セトリングタイムの測定結果を示す方が有効である。
【0038】
測定変動測定の際はディレィA407およびディレィB408のタイミング差を変化させて、複数回測定することにより、一層正確さが増すことが期待できる。
【0039】
測定端末装置の表示例を図6に示す。本表示はディレィAとディレィBの時間差を−30ns,−15ns,0ns,15ns,30nsと変化させて測定した例であり、偏向電圧幅として偏向アンプAは最小値から最大値まで変化させ、偏向アンプBは最大値から最小値まで変化させた場合である。測定波形としては下からディレィ時間−30ns,−15ns,0ns,15ns,30ns変化させた波形501,502,503,504,505を示し、それぞれの波形の変動が許容できるほど小さくなった時間ポイントを矢印で示してある。
【0040】
また測定時開始時間506の0nsポイントはDA変換器A403またはDA変換器B404のいずれか早いほうにSTBが入力された時点を指す。セトリングタイムの導出方法として、これら5回の測定の内、矢印の時間ポイントからディレィ時間の絶対値を引いた量で、各試行で最大の時間をセトリングタイムと規定する。この場合ディレィ時間差30nsの試行時の275nsからディレィ時間30nsを引いた245nsが最大偏向量変化時のセトリング時間であると導出され、これを図6の表示507のように表示している。
【0041】
本測定手法のフローチャート一例を図7に示す。全5回のディレィ時間を変化させた場合のフローチャートを示す。まず、図5のリレー411およびリレー412を閉じて偏向出力を測定抵抗409および測定抵抗410に接続した状態にする(ステップ601)。
【0042】
次にDA変換器A403およびDA変換器B404に任意の調査したい偏向量に相当する偏向データを互いに逆位相特性になるように設定する(ステップ602)。ディレィA407とディレィB408のタイミング差が−30ns+N×15nsとなるようにディレィを設定する(ステップ603)。
【0043】
この場合のNは試行回数を意味する。次にDA変換開始用STBをディレィAおよびディレィBの入力に同時に与える(ステップ604)。その後、高速増幅アンプおよびAD変換器316を動作させて逐次AD変換を行いデータを外部メモリに蓄える(ステップ605)。
【0044】
この際、サンプリング間隔はできるだけ最短とする。そして数百nsほどサンプリングを行った後測定終了する(ステップ606)。メモリよりデータを読み出し、測定端末装置上のハードディスクに一時保管する(ステップ607)。メモリの残った内容はこの時点でクリアする(ステップ608)。
【0045】
次に試行回数が5回に達したかの判断をし(ステップ609)、5回未満であれば、最初に戻って再度DA変換器へのデータ設定から行い、5回に達したのであれば、リレー、ディレィ等を元に戻し(ステップ610)、セトリングタイムの割り出しを行い、結果を測定端末装置に表示する(ステップ611)。セトリングタイムの割り出しは、最初のDA変換器入力STB開始時間から測定波形が所定の整定レベルへ到達する時間をTs(N)、ディレィ時間差をTd(N)として、Ts(N)−Td(N)がもっとも大きい試行の場合のTs(N)−Td(N)がセトリングタイムであると計算することで行う。
【0046】
また、このように割り出されたセトリングタイムを使って、電子線描画装置の描画待ち時間制御システムにフィードバックを行って、待ち時間の最適化を行ってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば高速偏向制御回路のセトリングタイムを信頼性高くかつ簡便に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるもので、制御回路を含む電子描画装置の概略図。
【図2】本発明の実施例に係わるもので、高速偏向制御回路にセトリングタイム測定回路を付加したブロック図。
【図3】本発明の実施例に係わるもので、測定波形Aを示す図。
【図4】本発明の実施例に係わるもので、測定波形Bを示す図。
【図5】本発明の実施例に係わるもので、高速偏向制御回路に切り換え用のリレーを介してセトリングタイム測定回路を付加したブロック図。
【図6】本発明の実施例に係わるもので、測定端末装置の表示されるセトリングタイム測定値。
【図7】本発明の実施例に係わるもので、セトリングタイム測定手法のフローチャート。
【符号の説明】
101…デジタル偏向データA、102…デジタル偏向データB、103…DA変換器A、104…DA変換器B、105…高速偏向アンプA、106…高速偏向アンプB、107…ディレィA、108…ディレィB、109…測定抵抗A、110…測定抵抗B、111…偏向負荷A、112…偏向負荷B、113a…ショットキーダイオードA、113b…ショットキーダイオードB、114…セトリングタイム測定点、115…オシロスコープ、Tm…測定されるセトリングタイム、Tr…真のセトリングタイム、Td…ディレィ時間差、401…デジタル偏向データA、402…デジタル偏向データB、403…DA変換器A、404…DA変換器B、405…高速偏向アンプA、406…高速偏向アンプB、407…ディレィA、408…ディレィB、409…測定抵抗A、410…測定抵抗B、411…偏向負荷A、412…偏向負荷B、413…偏向電圧伝送線A、414…偏向電圧伝送線B、415a…ショットキーダイオードA、415b…ショットキーダイオードB、416…増幅アンプおよびAD変換回路、417…デジタル測定データ、418…偏向器、501…、30ns時間差時の測定波形、502…15ns時間差時の測定波形、503…0ns時間差時の測定波形、504…15ns時間差時の測定波形、505…30ns時間差時の測定波形、506…測定開始時間、507…測定結果表示、601…セトリング測定回路への接続、602…DA変換器へのデータ設定、603…ディレィ時間の設定、604…DA変換開始、605…AD変換器による測定、606…データのサンプリング、607…メモリからの読み出し、608…メモリのクリア、609…試行回数の判断、610…回路構成の初期化、611…測定結果の割り出しと表示。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線描画装置における高速偏向制御回路のセトリングタイムを正確にかつ簡便に測定し、偏向制御回路の動作を装置上で観測できる測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体デバイスの微細化にともなって、半導体の微細加工技術の一翼を担うリソグラフィー装置も更なる微細化対応が求められている。その中でも電子線描画装置は100nmルール以下のデバイス向けのリソグラフィー装置として期待されている。
【0003】
電子線描画装置は、電子ビームを各偏向器によって、目的の形状、位置に制御して、ウエハあるいはマスク等の試料上のレジストを電子ビームショットによって感光させる機能をもった装置である。
【0004】
その中で、高速偏向制御回路は、電子ビームの位置、形状を各ショットごとに高速に且つ正確に決定する役割を持ち、その出力は同様に高速、且つ正確に電圧を出力する必要がある。このため、高速偏向制御回路には目標電圧値への整定時間を意味するセトリングタイムが重要なパラメータとなっている。
【0005】
しかし、高速偏向制御回路のセトリングタイムを測定するのは非常に難しく、偏向電圧変化分の1千分の1以下の精度を有し、かつ偏向回路と同等以上の高速な回路を用いなければ測定できない。これをオシロスコープ等による拡大機能によって、偏向電圧変化直後の波形を測定しようとすると、オシロスコープ自身の持つアンプの特性を観測することになってしまい誤測定となってしまう。
【0006】
このため、従来の測定手段としては、偏向アンプ出力と逆相出力を抵抗加算してその中点の特異電圧変化をショットキーダイオードでクリップした上で、中点電圧変化をオシロスコープにより拡大して測定を行っている。また、特開平6−36996号公報(特許文献1)は、偏向信号をコンデンサと抵抗で微分し、それを比較器に挿入することで、波形が平坦となったレベルを検出してセトリングタイムを測定している。
【0007】
また、高速偏向回路は電子線描画装置において描画精度を司る役割を担っているため常に正常に動作しているのかを、描画前後にチェックしたいという要望がある。
【0008】
しかし、セトリングタイムを測定するにはオシロスコープ等の機材、偏向アンプ出力および逆相出力などが必要となってくるため装置上でチェックすることができず、メンテナンス時などに測定装置を準備して測定する方法を採らざるを得ない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−36996号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
高速偏向制御回路のセトリングタイムの測定手法としては、一般的に偏向アンプ出力と逆相の偏向アンプ出力を測定抵抗加算してその中点をショットキーダイオードで特異信号をクリップした上でオシロスコープにより拡大して測定している。
【0011】
しかしこの方法の問題点として正相と逆相信号が同期して変動するような場合には、測定抵抗加算中点にはセトリングタイム測定のための検出信号が測定されず、セトリングタイムを過小評価してしまう危険性がある。また、オシロスコープト等の測定装置を電子線描画装置に導入する必要が生じ、装置規模も大きくなってしまう。
【0012】
また、高速偏向制御回路は、電子線描画装置において、各ショットの位置および形状を決定するという重要な役割を担っている。そこで現在、装置上で高速偏向制御回路の正常動作を確認する目的として、DA変換の精度指標となるリニアリティが測定されている。
【0013】
しかし、リニアリティは、デジタルボルトメータを用いて測定するため、測定スピードが偏向動作より数千倍以上も遅いため、必ずしも実描画と比較して結びつけることができない。そのため現在装置上においてはリニアリティだけでなく、偏向アンプのセトリングタイムをも測定し、各ショットの正確性および各ショット間の適正な待ち時間を設定したいという要望が高まっている。
【0014】
そこで本発明は、高速偏向制御回路のセトリングタイムを信頼性高く、かつ簡便に測定可能とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高速偏向制御回路に備わる二つの偏向系統回路の出力側を測定抵抗で接続し、一方の偏向系統回路に測定用の偏向データを入力し、他方の偏向系統回路にも前記偏向データと逆方向位相になる測定用の偏向データを入力し、これらの偏向データに基づく前記測定抵抗の中点(中間点)の電圧変化を測定する電子線描画装置のセトリングタイム測定方法にあって、前記一方/他方の偏向データとが入力される入力タイミングに時差をもたせたことを特徴とする。
【0016】
更に具体的に説明する。電子線描画装置における高速偏向制御回路は通常X、Yといった2chあるいは多極chを持つ等価な複数系統の回路構成をしている。
【0017】
そのため、セトリングタイムを測定するための正相と逆相の偏向信号はこれら2chの回路上の偏向データを用いて容易に作成することが可能である。そこで、これらの各chの偏向アンプ出力を測定抵抗接合してその中点での電圧変化を測定することにより、セトリングタイムを測定することができる。また正相および逆相偏向信号の同期変動による測定誤差を防ぐために、各ch間の偏向電圧出力開始時間(入力タイミング)に差をつけて、その差分量を変化させてセトリングタイムを測定するということを行う。これによって、測定抵抗結合中点における測定信号が所定の整定レベルに達した時間から差分量を引いた時間をセトリングタイムと規定することで正確な測定ができる。
【0018】
また、測定抵抗結合中点の変動を測定するにはオシロスコープ等が用いられるが、オシロスコープの代替として高速アンプとAD変換器を接続して、その測定信号を装置制御用ワークステーションあるいはパソコンに表示することによって、装置端末上で高速偏向制御系の動作チェックをしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に沿って本発明の電子線描画装置の概要について説明する。
【0020】
電子線描画装置の電子銃1から放射される電子ビーム2は、ステージ3の上に載置されているウエハ4に照射され、ウエハ4のレジストに回路パターンのエッチングを描く。電子ビーム2は、ブランキング板5、偏向板6の間を通過する際に電気的な偏向制御を受ける。ブランキング板5にはブランキング回路7、偏向板6には偏向アンプ路8から制御電圧が加えられる。ブランキング回路7、偏向アンプ8を制御する制御回路9はワークステーション20(測定端末装置の機能を含む)から指示を得る。ステージ3は、制御回路9の指示のもとでモータ制御回路21の制御指示で縦横に動く。
【0021】
高速偏向制御回路22は、偏向アンプ路8と制御回路9の一部によって構成される。この高速偏向制御回路22について、図2を引用して述べる。ここでは、主にセトリングタイム測定方法の面で説明する。
【0022】
高速偏向制御回路22は、少なくとも、偏向系統回路Aと偏向系統回路Bの二つ偏向系統回路を有する。
【0023】
偏向系統回路Aは、DA変換器A103、偏向アンプA105を有する。偏向系統回路Bは、DA変換器A104、偏向アンプA106を有する。
【0024】
セトリングタイムを測定するために、1つの偏向系統回路Aに調べたい偏向量に相当するデータ変化を与える信号101(測定用の偏向データ)を、ある周期でDA変換器A103に与え、同時に信号101と位相が180度異なる信号102(測定用の偏向データ)を同周期にDA変換器B104に与える。
【0025】
このとき、DA変換開始時間(測定用の偏向データである信号101、および信号102がDA変換器に入力される時期)を制御するSTB信号は同一タイミングとなるようにディレィA107およびディレィB108は設定されているものとする。
【0026】
そして、各DA変換器の出力を偏向アンプA105および偏向アンプB106で増幅させて、偏向アンプAの出力と偏向アンプBの出力との間に接続された測定抵抗109,110(セトリングタイム測定回路)の中点114の電圧変化を測定することにより、セトリング時間を測定する。また、図中、負荷容量111,112は実使用上偏向器への接続ケーブル負荷を擬似的に再現するためのものであり、電子線描画装置上でのセトリングタイムを正確に測定する上で重要な働きを示す。
【0027】
図中、ショットキーダイオード113a,113b(クリッピング回路を形成する)は、測定点114(中点/中間点)での大きな出力変化を抑える役割を果たし、オシロスコープ115などの測定器に負担をかけないために重要となっている。
【0028】
ディレィA107、ディレィB108が同一タイミングに設定されているときの各出力点の波形を図3に示す。測定点Cでの波形は測定点Aでの波形および測定点Bでの波形の中点を示すため、測定点Aでの立ち上がり波形と測定点Bでの立ち下り波形の微小な対称性誤差が測定される。この場合、測定されるセトリングタイムTmは対称性誤差が無くなる点であって、真のセトリングタイムTrとは必ずしも一致しない。
【0029】
そこで、次にディレィA107によってDA変換器Aの変換開始時刻(測定用の偏向データである信号101がDA変換器に入力される時期)を遅らせて、測定点114における波形を測定する。このとき、測定される波形を図4に示す。図中、Tdはディレィ時間を示す。これにより、測定点Aの波形と測定点Bの波形が対称性を持っていたとしても、ディレィ時間Tdがあるため時間的に測定点Aの波形と測定点Bの波形で対称性が崩れるため、測定点Cでは互いに整定したときのセトリングタイムTrを測定することができる。さらに正確にセトリングタイムを測定するには、ディレィA107のディレィ時間を変化させたり、ディレィB108のディレィ時間を変化させたりして、複数の条件から、総合的にセトリングタイムを割り出すことが考えられる。
【0030】
次に図5に沿ってセトリングタイム測定方法を電子線描画装置に導入した例について説明する。
【0031】
高速偏向制御回路40は、少なくとも、偏向系統回路Aと偏向系統回路Bの二つ偏向系統回路を有する。
【0032】
偏向系統回路Aは、DA変換器A403、偏向アンプA405を有する。偏向系統回路Bは、DA変換器A404、偏向アンプA406を有する。更にXch、Ych偏向あるいは8極静電偏向の2極を示す。
【0033】
まず、通常描画時においてはリレーまたはスイッチA411(切り換え手段)、リレーまたはスイッチB412(切り換え手段)は制御信号によって、偏向アンプA405の出力を偏向器418に接続される伝送線A413に、偏向アンプB406の出力を偏向器418に接続される伝送線B414にだけに結線される。
【0034】
そして、セトリングタイム測定時に用いられる中点測定用抵抗409、410およびその他周辺回路を切り離して、描画時には不要な回路を切り離すことにより、動作ノイズ等を軽減する。
【0035】
また同時にDA変換器の入力STB信号の前段に挿入されているディレィA407、ディレィB408には遅れ無しあるいは同程度の遅れを持った値を設定しておき、偏向系統回路による整定時間のばらつきが最小となるようにしておく。
【0036】
次に、描画前後に高速偏向制御回路のセトリングタイムを測定することで回路の動作チェックする際には、リレーまたはスイッチA411、B412を制御信号によって、偏向アンプA405の出力を測定抵抗A409に、偏向アンプB406の出力を測定抵抗B410に接続する。
【0037】
その後、偏向量相当のデータでそれぞれ位相が180度異なったものをそれぞれのDA変換器に位相を、ある周期で与え、測定抵抗中点Cを測定する。ただし、電子線描画装置上で測定を行うことに主眼をおいているため、測定抵抗中点Cでの測定方法としては、測定波形を高速アンプで増幅した上で高速AD変換器416にてデータ変換し、測定端末装置上に表示し、セトリングタイムの測定結果を示す方が有効である。
【0038】
測定変動測定の際はディレィA407およびディレィB408のタイミング差を変化させて、複数回測定することにより、一層正確さが増すことが期待できる。
【0039】
測定端末装置の表示例を図6に示す。本表示はディレィAとディレィBの時間差を−30ns,−15ns,0ns,15ns,30nsと変化させて測定した例であり、偏向電圧幅として偏向アンプAは最小値から最大値まで変化させ、偏向アンプBは最大値から最小値まで変化させた場合である。測定波形としては下からディレィ時間−30ns,−15ns,0ns,15ns,30ns変化させた波形501,502,503,504,505を示し、それぞれの波形の変動が許容できるほど小さくなった時間ポイントを矢印で示してある。
【0040】
また測定時開始時間506の0nsポイントはDA変換器A403またはDA変換器B404のいずれか早いほうにSTBが入力された時点を指す。セトリングタイムの導出方法として、これら5回の測定の内、矢印の時間ポイントからディレィ時間の絶対値を引いた量で、各試行で最大の時間をセトリングタイムと規定する。この場合ディレィ時間差30nsの試行時の275nsからディレィ時間30nsを引いた245nsが最大偏向量変化時のセトリング時間であると導出され、これを図6の表示507のように表示している。
【0041】
本測定手法のフローチャート一例を図7に示す。全5回のディレィ時間を変化させた場合のフローチャートを示す。まず、図5のリレー411およびリレー412を閉じて偏向出力を測定抵抗409および測定抵抗410に接続した状態にする(ステップ601)。
【0042】
次にDA変換器A403およびDA変換器B404に任意の調査したい偏向量に相当する偏向データを互いに逆位相特性になるように設定する(ステップ602)。ディレィA407とディレィB408のタイミング差が−30ns+N×15nsとなるようにディレィを設定する(ステップ603)。
【0043】
この場合のNは試行回数を意味する。次にDA変換開始用STBをディレィAおよびディレィBの入力に同時に与える(ステップ604)。その後、高速増幅アンプおよびAD変換器316を動作させて逐次AD変換を行いデータを外部メモリに蓄える(ステップ605)。
【0044】
この際、サンプリング間隔はできるだけ最短とする。そして数百nsほどサンプリングを行った後測定終了する(ステップ606)。メモリよりデータを読み出し、測定端末装置上のハードディスクに一時保管する(ステップ607)。メモリの残った内容はこの時点でクリアする(ステップ608)。
【0045】
次に試行回数が5回に達したかの判断をし(ステップ609)、5回未満であれば、最初に戻って再度DA変換器へのデータ設定から行い、5回に達したのであれば、リレー、ディレィ等を元に戻し(ステップ610)、セトリングタイムの割り出しを行い、結果を測定端末装置に表示する(ステップ611)。セトリングタイムの割り出しは、最初のDA変換器入力STB開始時間から測定波形が所定の整定レベルへ到達する時間をTs(N)、ディレィ時間差をTd(N)として、Ts(N)−Td(N)がもっとも大きい試行の場合のTs(N)−Td(N)がセトリングタイムであると計算することで行う。
【0046】
また、このように割り出されたセトリングタイムを使って、電子線描画装置の描画待ち時間制御システムにフィードバックを行って、待ち時間の最適化を行ってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば高速偏向制御回路のセトリングタイムを信頼性高くかつ簡便に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるもので、制御回路を含む電子描画装置の概略図。
【図2】本発明の実施例に係わるもので、高速偏向制御回路にセトリングタイム測定回路を付加したブロック図。
【図3】本発明の実施例に係わるもので、測定波形Aを示す図。
【図4】本発明の実施例に係わるもので、測定波形Bを示す図。
【図5】本発明の実施例に係わるもので、高速偏向制御回路に切り換え用のリレーを介してセトリングタイム測定回路を付加したブロック図。
【図6】本発明の実施例に係わるもので、測定端末装置の表示されるセトリングタイム測定値。
【図7】本発明の実施例に係わるもので、セトリングタイム測定手法のフローチャート。
【符号の説明】
101…デジタル偏向データA、102…デジタル偏向データB、103…DA変換器A、104…DA変換器B、105…高速偏向アンプA、106…高速偏向アンプB、107…ディレィA、108…ディレィB、109…測定抵抗A、110…測定抵抗B、111…偏向負荷A、112…偏向負荷B、113a…ショットキーダイオードA、113b…ショットキーダイオードB、114…セトリングタイム測定点、115…オシロスコープ、Tm…測定されるセトリングタイム、Tr…真のセトリングタイム、Td…ディレィ時間差、401…デジタル偏向データA、402…デジタル偏向データB、403…DA変換器A、404…DA変換器B、405…高速偏向アンプA、406…高速偏向アンプB、407…ディレィA、408…ディレィB、409…測定抵抗A、410…測定抵抗B、411…偏向負荷A、412…偏向負荷B、413…偏向電圧伝送線A、414…偏向電圧伝送線B、415a…ショットキーダイオードA、415b…ショットキーダイオードB、416…増幅アンプおよびAD変換回路、417…デジタル測定データ、418…偏向器、501…、30ns時間差時の測定波形、502…15ns時間差時の測定波形、503…0ns時間差時の測定波形、504…15ns時間差時の測定波形、505…30ns時間差時の測定波形、506…測定開始時間、507…測定結果表示、601…セトリング測定回路への接続、602…DA変換器へのデータ設定、603…ディレィ時間の設定、604…DA変換開始、605…AD変換器による測定、606…データのサンプリング、607…メモリからの読み出し、608…メモリのクリア、609…試行回数の判断、610…回路構成の初期化、611…測定結果の割り出しと表示。
Claims (6)
- 電子線描画装置の高速偏向制御回路は、少なくとも二つの偏向系統回路を有し、これらの偏向系統回路の出力側を測定抵抗で結ぶように接続し、一方の偏向系統回路に測定用の偏向データを入力し、他方の偏向系統回路にも前記偏向データと逆方向位相になる測定用の偏向データを入力し、これらの偏向データに基づく前記測定抵抗の中点(中間点)の電圧変化を測定する電子線描画装置のセトリングタイム測定方法において、
前記一方の偏向データと、前記他方の偏向データとが入力される入力タイミングに時差をもたせたことを特徴とする電子線描画装置のセトリングタイム測定方法。 - 請求項1記載の電子線描画装置のセトリングタイム測定方法にあって、
前記測定抵抗の中点にショットキーダイオードで形成したクリッピング回路を設けたことを特徴とする電子線描画装置のセトリングタイム測定方法。 - 電子線描画装置の高速偏向制御回路は、少なくとも二つの偏向系統回路を有し、これらの偏向系統回路は、DA変換器と、このDA変換器の出力を増幅する偏向アンプを有し、これらの偏向アンプの出力側を測定抵抗で結ぶように接続し、一方のDA変換器に測定用の偏向データを入力し、他方のDA変換器にも前記偏向データと逆方向位相になる測定用の偏向データを入力し、これらの偏向データに基づく前記測定抵抗の中点(中間点)の電圧変化を測定する電子線描画装置のセトリングタイム測定方法において、
前記一方の偏向データと、前記他方の偏向データとが入力される入力タイミングを調整するディレィを前記DA変換器に設けたことを特徴とする電子線描画装置のセトリングタイム測定方法。 - DA変換器と偏向アンプを有する偏向系統回路が少なくとも二つ有する高速偏向制御回路と、前記両偏向アンプの出力側を測定抵抗で結ぶように接続して形成したセトリングタイム測定回路とを有し、一方のDA変換器に測定用の偏向データを入力し、他方のDA変換器にも前記偏向データと逆方向位相になる測定用の偏向データを入力し、これらの偏向データに基づく前記測定抵抗の中点(中間点)の電圧変化を測定するセトリングタイム測定機能付きの電子線描画装置において、
前記測定抵抗の中点の電圧変化を計測する測定端末装置と、前記DA変換器に設けられ、かつ前記一方および他方の偏向データが入力される入力タイミングを調整するディレィを備えたことを特徴とする電子線描画装置。 - 請求項4に記載した電子線描画装置において、
前記測定抵抗の中点に、ショットキーダイオードで形成したクリッピング回路を設けるとともに高速AD変換器を介して前記測定端末装置を接続したことを特徴とする電子線描画装置。 - 請求項4に記載した電子線描画装置において、
前記両偏向アンプの出力側に、前記セトリングタイム測定回路と偏向器を択一的に選択する切り換え手段設けたことを特徴とする電子線描画装置。
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