JP3485888B2 - 電子ビーム描画装置及びそれを用いて作製された半導体デバイス - Google Patents

電子ビーム描画装置及びそれを用いて作製された半導体デバイス

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JP3485888B2
JP3485888B2 JP2000397032A JP2000397032A JP3485888B2 JP 3485888 B2 JP3485888 B2 JP 3485888B2 JP 2000397032 A JP2000397032 A JP 2000397032A JP 2000397032 A JP2000397032 A JP 2000397032A JP 3485888 B2 JP3485888 B2 JP 3485888B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3174Particle-beam lithography, e.g. electron beam lithography

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御された電子ビ
ームをウエーハやマスクに照射することによって、LS
Iパターンなどを描画する電子ビーム描画装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査型電子顕微鏡や電子ビーム描画装置
に代表される荷電粒子ビーム装置は、電子ビームやイオ
ンビームを試料上に照射して観察、加工、描画を行う装
置である。すなわち、電子ビーム描画装置の場合、電子
ビーム源からの電子ビームをビーム成形用絞り板に設け
られた開口部に照射して、その開口部のパターン形状に
電子ビームの断面形態を成形し、この成形された電子ビ
ームを縮小レンズで縮小し、かつ偏向器によって試料表
面上の所望の位置に偏向して照射することにより、試料
表面上に所望の形態寸法のパターン露光を行っている。
【0003】電子ビームを偏向するための偏向器の種類
は、電磁偏向器と、静電偏向器とに大別され、前者は磁
場変化を与えることにより、後者は電場変化を与えるこ
とによって偏向作用を生じる。電磁偏向器は、大面積偏
向に適するが、偏向速度は、コイルのインダクタンスや
渦電流のために遅い。
【0004】一方、静電偏向器は、自身の持つ静電容量
(キャパシタンス)の充放電時定数が存在するのみであ
るから、偏向速度は速い。静電偏向器は、内部が真空に
保たれた電子光学鏡筒の中に組み込まれている。その構
造は、短冊形状の導電性板(偏向電極)を電子ビームの
光軸に対して回転方向に4つ以上それぞれ絶縁して配置
した構造が一般的である。
【0005】電子光学鏡筒の外(大気中)で生成される
描画パターンデータに応じた偏向電圧は、信号ケーブル
で耐真空コネクタ(ハーメチックシールコネクタ)を介
して静電偏向器のX軸やY軸偏向電極に与えられる。偏
向電圧を電極に与えることによって偏向電場が生成さ
れ、その電場の強さに比例した電子ビームの偏向作用を
生じる。電子ビームをウエーハ等の試料上の所望個所に
偏向し終えたならば、所定時間ビームをオンにして描画
を実行する。
【0006】ステップ波形である偏向電圧は、数十ボル
トから数百ボルトと高い電圧振幅であるため、信号ケー
ブルの終端は開放である。終端開放のままだと反射によ
って偏向信号にリンギング(ステップ波形の立ち上がり
や立下り時に発生する減衰振動)が発生するので、それ
を押さえるために偏向電圧発生回路の出力と信号ケーブ
ルとの間に直列抵抗(ダンピング抵抗)を挿入する方法
がよく知られている。信号ケーブルはいわゆる同軸ケー
ブルであり、長さは最短でも1m以上となるので100
pF程度の静電容量を持つ。
【0007】静電偏向器は、短冊形状の導電性板(偏向
電極)を光軸に対して回転方向に配置した構造であるた
め、隣接する偏向電極間のギャップは狭く(1mm以
下)なり、両電極間に1pF程度の静電容量を持つ。ケ
ーブル容量を100pFとして、X軸に20Vのステッ
プ偏向電圧を加えると、Y軸には約200mVの電圧を
誘起する(クロストークノイズ)。描画パターンデータ
を偏向電圧に変換するためのD/A変換器・アンプの分
解能を16ビットとすると、1LSB(Least Scale Bi
t)は約300μVなので、クロストークノイズは3桁
近い大きさである。100pFに荷電した約200mV
の電圧は、ダンピング抵抗との時定数で指数関数的に減
衰する。いま、ダンピング抵抗を50オームと仮定する
と、1LSB以下に収束するまでの時間は約55nS
(11×C×R)かかる。
【0008】いま、D/A変換器・アンプのセトリング
時間(最終到達レベルの許容誤差範囲に到達するまでの
時間までの時間)を100nS、偏向電圧を20Vとし
て、X軸偏向電極に印加したとする。この場合、Y軸に
クロストーク起因の意図しない偏向作用が100nSの
間発生する。その後、指数関数的に減少し、55nS後
に1LSB誤差内に収まる。つまり、電子ビーム描画装
置は、偏向を開始してから100nS待っただけでは、
精度を確保するためには不充分で、155nS待ってか
らビームオン(ショット)にしなければならないため、
クロストークはスループットを悪くする要因の1つであ
った。
【0009】クロストーク起因のスループット低下を軽
減できる方法が、特開平9−232208号公報に開示
されている。同公報によれば、待ち時間の長いショット
待ち時間制御回路と、待ち時間の短いショット待ち時間
制御回路を設け、偏向フィールド内において、第1番目
のショット(偏向フィールド内の最大ジャンプ時)か第
2番目以降のショットかによって、これを切り替え、第
1ショットの待ち時間を第2ショット以降の待ち時間よ
り長くする。このことによって、第1ショット時の大き
なクロストークノイズによる偏向信号の乱れが描画位置
に影響しなくなる。したがって、クロストークによる描
画の位置精度の低下を防止できるというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例では、偏
向フィールドの一端から他端へ最大ジャンプをする第1
ショット時の待ち時間と、偏向距離の小さい隣接ショッ
ト時の待ち時間を切り替えることができるので、クロス
トークノイズの影響が無くなるまで待つ時間の最適化は
できる。しかし、クロストークノイズを生じないように
する訳ではないので、スループットの大幅な短縮は望め
ないという不具合があった。
【0011】本発明は、このような不具合に鑑み、クロ
ストークノイズそのものを低減し、従来必要としていた
クロストークノイズが消滅するまでの待ち時間を殆どい
らなくすることによって、スループットを大幅に高める
ことができる電子ビーム描画装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子ビーム描画装置では、以下のような構
成に特徴を有する。 (1)静電偏向器が、電子ビームの光軸の周りに配置さ
れた複数の電極を有し、かつ、複数の電極がひとつ置き
に固定された電位を持つよう構成したことを特徴とす
る。 (2)静電偏向器が、電子ビームの光軸の周りに配置さ
れた複数の偏向電極を有し、かつ、隣接する偏向電極間
に固定された電位を持つ電極を設けてなることを特徴と
する。 (3)静電偏向器が、電子ビームの周りに配置された、
異なる電位の印加が可能な4つ以上の偏向電極を有し、
かつ、隣接する偏向電極間に固定された電位を持つ電極
を設けてなることを特徴とする。 (4)上記構成において、固定された電位がアース電位
であることを特徴とする。 (5)上記構成において、静電偏向器が、描画位置を決
めるための偏向器、もしくは電子ビームの形状を決める
ための偏向器であることを特徴とする。 (6)上記構成において、静電偏向器が、例えば、8枚
の電極(内半分の電極は固定電圧)もしくは16枚の電
極(内半分の電極は固定電圧)もしくは24枚の電極
(内半分の電極は固定電圧)を具備することを特徴とす
る。 (7)上記構成において、隣り合う電極と電極のギャッ
プが、100μmから1mmであることを特徴とする。 (8)上記構成において、多重描画機能を有することを
特徴とする。
【0013】また、以上のような構成の電子ビーム描画
装置を用いることにより、半導体デバイス等に組み込ま
れる回路パターンを高速で高精度に描画することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を
参照して説明する。
【0015】図1は、本発明における静電偏向器の基本
的な実施形態の要部概略図である。図1において、
(a)は静電偏向器の上面図、(b)は一部立体図を示
す。
【0016】静電偏向器は、電子ビームの光軸の周り
に、偏向電極13、シールド電極12、絶縁支持部材1
0、円筒状の電極支持器11とで構成される。偏向電極
13は、絶縁支持部材10を介して円筒状の電極支持器
11に固定される。固定された各偏向電極13と偏向制
御回路2間は、少なくともシールドの一端をアース接続
のシールド線4を用いて接続する。シールド線4は、隣
り合う伝送線間の静電結合によるクロストークを防止す
るために必要である。なお、図では、偏向電極は電子ビ
ームの光軸の周りに円周方向に配置された構成である
が、その他に矩形状の配置構成も適用可能である。
【0017】隣接する偏向電極13aと13bとの間、
偏向電極13bと13cとの間に、それぞれ、電極支持
器11に直接あるいは絶縁して固定したシールド電極1
2a、シールド電極12b(その他同様)を挿入する。
各シールド電極12は、固定電位を与えるためのアース
線3に接続する。電極支持器11が導電体であって、そ
の導電体がアースに接続されている場合、各シールド電
極12は、電極支持器11に直接固定してもよい。
【0018】偏向電極13aと13bの間にシールド電
極12aを挿入したことによって、電極間の相互干渉が
遮蔽されるので、偏向電極間のクロストークを大幅に低
減できる。固定電位を電位可変な電極の間に挿入し、更
に偏向器全体の平均ポテンシャルを変えずに電子ビーム
の偏向を行うためには、描画位置を決めるための静電偏
向器、もしくは電子ビームの成形を決めるための静電偏
向器として、最低限4つの偏向電極が必要となる。
【0019】従って、本発明では、以下のような実施の
形態が挙げられる。 (1)電子ビームの光軸の周りに、例えば、光軸を中心
とする円周方向に複数の電極を持つ静電偏向器であっ
て、かかる電極の電位をひとつ置きに固定する。 (2)電子ビームの光軸の周りに4つ以上の偏向電極を
持つ静電偏向器であって、隣接する偏向電極間に新たに
電極を設け、かかる電極の電位を固定する。 (3)電子ビームの光軸の周りに4つ以上の偏向電極を
持つ静電偏向器あって、それぞれに異なる電位の印加が
可能な偏向電極の間に、固定された電位を持つ電極を設
ける。 (4)電子ビームの光軸の周りに4つ以上の電極を持つ
静電偏向器であって、その半分の電極に固定された電位
を持つ電極を設ける。 (5)更に、4回対称収差低減の効果を得るためには、
偏向器に高い対称性が必要となるために16枚の電極
(内8極は偏向電極、他8極は固定電圧)あるいは24枚
の電極(内12極は偏向電極、他12極は固定電圧)が必
要となる。
【0020】シールド電極12と偏向電極13とのギャ
ップは、狭いほど偏向電極の面積を大きく取れる分、偏
向感度を高められるので望ましい。しかし、あまり狭い
と電極間で放電する。本発明においては、偏向電極13
に印加される偏向電圧で放電しないギャップとする。ギ
ャップの具体的数値は、100μmより大きく1mmよ
り狭い寸法が望ましい。
【0021】本発明では、クロストークノイズの影響を
低減した静電偏向器を有する描画装置でウエーハやマス
クに高速で高精度なパターンを描画する。パターンが描
画されたマスクは、さらにEB転写装置あるいは光学転
写装置でのウエーハの描画に用いられ、このようなマス
クを介して、あるいは電子ビーム描画装置で直接描画さ
れたウエーハは、ダイシングやダイボンディング、ワイ
ヤボンディング、ワイヤレスボンディング、封止等の工
程を経て半導体デバイスに組み込まれる。
【0022】(実施例1)図2は、本発明の第1の実施
例を示す電子ビーム描画装置の構成図である。電子ビー
ム描画装置は、電子ビーム光学鏡体の他に、電子ビーム
を発生し射出する電子銃を制御するための高圧電源、ウ
エーハやマスクを載置するステージ等の機構系部、電子
ビーム光学鏡体内部を真空に保つための真空排気制御系
部、描画データの授受や描画に必要な制御をする制御計
算機、各種電磁レンズに対して制御された電流を供給す
るためのレンズ電源等で構成される。本実施例において
は、説明の便宜上、電子ビーム描画装置のシステム全て
の詳細記述は省略し、本発明にかかわる機能ブロックの
みを図に示した。
【0023】図2(a)において、電子銃30は、下方
に向けて電子ビーム31を射出する。電子銃30から射
出された電子ビーム31は、第1アパーチャ33、第1
成形レンズ34、成形偏向器35、第2成形レンズ3
6、によって電流の大きさや、フォーカス、回転などが
適正化された矩形状電子ビームを、矩形開口や任意形状
の開口を有する第2アパーチャ37の所望開口上に照射
する。矩形開口への照射位置を調整することにより、任
意サイズの矩形ビームを成形できる。成形偏向器35
は、任意サイズの矩形ビームを成形するための静電偏向
器であって、描画制御回路20からの成形データを可変
成形D/A変換器21、アンプ22で電圧に変換して、
成形偏向器35に与えることによって所望の大きさの矩
形ビームが生成される。
【0024】第2アパーチャ37を通過した電子ビーム
31は、縮小レンズ38、対物絞り39、対物レンズ4
2によって成形ビームの大きさやフォーカスが適正に制
御され、試料ステージ44に載置されているウエーハあ
るいはマスク等の試料43を照射する。ウエーハ等を照
射する電子ビーム31のオンオフ制御は、電子銃30の
下方に配置されているブランキング板32に印加する電
圧をオンオフすることによって行われる。図示は省略し
ているが、オンオフ制御は描画制御回路20の指示の下
で行われる。
【0025】電子ビーム31の試料43への偏向は、電
磁偏向器40および静電偏向器41に所定の大きさの偏
向電流や電圧を与えることによって行われる。本実施例
では、電磁偏向器でフィールド偏向を行い、静電偏向器
で高速でサブフィールド偏向を行う2段偏向である。偏
向制御は、全て描画制御回路20の制御に基づいて行わ
れる。描画制御回路20は、電磁偏向器40に対しては
電磁偏向制御回路45に偏向データを与え、電磁偏向制
御回路45で所望の大きさの偏向電流を発生し、電磁偏
向器40を制御して、電子ビーム31の偏向を制御す
る。
【0026】図2(b)は静電偏向器41の上面図、
(c)はその一部立体図である。本発明に基づく静電偏
向器41は、拡大図(b)、(c)に示すように、同心
円状に16枚の電極を有し、8枚の幅の広い偏向電極1
3に偏向電圧を加え、偏向電極と偏向電極との間にある
8枚の幅の狭い電極12には固定電圧であるアース電位
を与えた。16枚の電極を有する偏向器とすることで、
その半分の数の8枚の電極に偏向電圧を加えることが可
能となり、3次以上の4回対称収差を小さくすることが
出来る。
【0027】更に、偏向電極に非点補正電圧を加算する
ことにより非点補正も可能である。このことにより低収
差と高速性を両立させることが出来る。対面する電極間
に絶対値電圧が等しく、極性の反転した偏向電圧を与え
ると、平均電圧は常にゼロである。電子ビームのエネル
ギーに影響を及ぼさないのでフォーカス状態等は変わら
ないで、偏向作用を与えることができる。
【0028】本実施例では、偏向電極間の固定電位をア
ース電位とした。クロストーク防止の効果のみ考慮する
とアース電位である必然性はない。しかし、上記の様な
極性を反転した電位を与えることが制御系や光学系にと
って有利であるために、固定電位をアース電位とするこ
とで、固定電位電極の光学収差に与える影響を低減する
ことが出来る。一方、対面する電極間に同極性の電圧を
与えると電子ビームの非点を調整することができる。た
とえば、対面する電極にプラスの極性の電圧を与える
と、電子ビームはその断面が引き伸ばされる。すなわ
ち、非点調整ができる。
【0029】描画偏向D/A変換器23は、描画制御回
路20のデータに基づいて、プラスマイナス10V、お
よび逆極性のマイナスプラス10Vの偏向電圧をXY各
出力する。分解能は16ビットである。同様に、非点補
正D/A変換器24は、描画制御回路20の非点補正デ
ータに基づいて、プラスマイナス10V、および逆極性
のマイナスプラス10Vの偏向電圧をXY各出力する。
【0030】これら2種4つの電圧を、8極演算回路2
5でアナログ的に加減算処理を行い、8つの偏向信号を
生成し、アンプ26に与える。アンプ26は8個(図示
は省略)有り、最大20Vを出力する。8個のアンプの
出力は、8本の長さ約1mのシールド線4を用いて静電
偏向器41の対応する偏向電極13にそれぞれ接続す
る。シールド線を使っているので、アンプから偏向電極
13に至るまでの間でクロストークノイズが発生するこ
とは無い。
【0031】偏向電極13に印加される偏向信号のセト
リング時間は、D/A変換器の動作時間を含めて100
nSである。静電偏向器の電極間には、最大20V/1
00nSの電圧変化が発生するが、静電偏向器41の各
偏向電極13は、シールド電極12によって、それぞれ
が干渉しないようにシールドされているので、クロスト
ークノイズはほとんど発生しない。
【0032】したがって、描画制御回路20は、静電偏
向データを出力後、100nS後にブランキング電極に
ビームオン指令を出すと、電子ビームは、ウエーハ等4
3の所望位置を照射することができるので正確な描画が
行われる。ウエーハ等の表面に塗布されたレジストへの
パターン描画に必要な時間照射した後、ビームをオフに
して次の描画個所へ偏向を開始し、描画動作を繰り返
す。
【0033】電子ビームとウエーハ等の相対位置は、雑
音や振動などによって不安定となり、必要な描画精度が
得られない場合がある。雑音や振動などによる描画位置
の揺らぎを平均化して描画精度を向上できる方法とし
て、最初にアンダードーズで描画後、適当時間経過後、
その前に描画した個所を再度描画する、いわゆる多重描
画法が知られている。多重描画法によれば、雑音等の影
響は少なくすることができる。しかし、従来の静電偏向
器の場合、何回多重描画を行っても、クロストークノイ
ズはその都度発生するのであるから、平均化効果は期待
できなかった。
【0034】本発明に基づく静電偏向器を用いれば、ク
ロストークの影響は低減されるので多重描画有り無しの
如何に拘わらず、待ち時間100nSで描画できる。た
とえば、描画ショット数を1×1010ショットの場合、
55nS×1×1010ショット=550秒の時間短縮が
可能になる。
【0035】本発明の静電偏向器を有する電子ビーム描
画装置を用いて、ウエーハやマスクに高速で高精度なパ
ターンを描画した。特に、マスクは多重描画を行った。
パターンが描画されたマスクはさらにEB転写装置ある
いは光学転写装置でのウエーハの描画に用いた。このよ
うなマスクを介して、あるいは電子ビーム描画装置で直
接描画されたウエーハは、ダイシングやダイボンディン
グ、ワイヤボンディング、ワイヤレスボンディング、封
止等の工程を経て半導体デバイスに組み込んだ。その結
果、良好な半導体デバイスが得られた。
【0036】(実施例2)図3は、全ての偏向器を静電
偏向器とした電子線描画装置に、本発明を適用した第2
の実施例を示している。図3の(a)は全体構成図、
(b)は静電偏向器66の拡大された上面図、(c)は
一部立体図である。静電偏向器41は、実施例1と同じ
であるので説明は省略する。
【0037】静電偏向器66は、最小偏向単位125n
m、フィールドサイズ約80μm角を偏向するための静
電偏向器である。偏向感度は、大略40μm/10Vで
ある。大きな偏向フィールドを小さな偏向非点で偏向す
るためには、偏向器の分割極数は多いほど望ましい。本
実施例では、24枚の電極とした。隣接する幅の広い電
極13の間に、シールド電極12を配置した。放電を避
けるためにシールド電極と偏向電極とのギャップは、1
00μm〜1mmの寸法とした。
【0038】描画制御回路20からの描画フィールドデ
ータは、分解能16ビットの主偏向D/A変換器61で
アナログ電流(電圧)に変換される。各アンプ64と静
電偏向器66の各偏向電極13との間は、信号線間のク
ロストークを防ぐためにシールドケーブル65で接続し
た。シールド電極12は、それぞれをアース線3に接続
した。このことによって、クロストークノイズは障害無
い程度に低減できた。
【0039】本実施例で24枚の電極を用いたのは、偏
向電極に加える電圧が±Vxと±Vyの4種類で済むた
めである。16枚の電極では8種類形成する必要があ
る。従って、24枚の電極を有する偏向器は、機械的構
造が複雑になるが制御回路を簡単にすることが可能であ
る。この結果、描画のショット待ち時間は、D/A変換
器・アンプのセトリング待ち時間のみにできたので、ス
ループットの短縮ができた。
【0040】(実施例3)図4は、サブフィールド偏向
器と可変成形偏向器に本発明を適用した場合における本
発明の第3の実施例を示している。図4の(a)は全体
構成図、(b)は拡大された偏向器35の上面図、
(c)はその一部立体図である。
【0041】ウエーハ等試料43上での最大ビームサイ
ズは5ミクロン程度なので、偏向器は、8枚の電極を有
する偏向器とした。4枚の偏向電極13の隣接ずるギャ
ップに4枚のシールド電極12を配置し、アース線3に
接続した。これにより全部で8極となる。偏向に用いる
電極が4極であるために、4回対称収差の除去は困難で
あるが、実質的な偏向距離が小さいので、本実施例では
問題はない。
【0042】描画制御回路20の可変成形データは、可
変成形D/A変換器21、アンプ22で最大約40V/1
00nSの電圧に変換される。4個のアンプ22(全部
は図示していない)の出力信号は、シールドケーブル6
7で4枚の静電偏向器13にそれぞれ接続した。偏向電
極13とシールド電極12とのギャップは、電圧が20
V程度なので、100〜500ミクロンに設定した。
【0043】本実施例の結果、サブフィールド内の描画
個所へ偏向し、可変成形ビームを設定して、描画(ショ
ット)するまでの時間は、大体100nSとすることが
できた。従来は、100nS後、クロストークのために
約55nS待っていたが、この待ち時間をほぼゼロにす
ることができたので、スループットの短縮ができた。
【0044】(実施例4)図5は、本発明の第4の実施
例であり、シールド電極の形状を変えた一例を示してい
る。シールド電極12は、偏向板13の幅をひとつおき
に狭くして、狭い電極の外側に電界の漏れを遮蔽するた
めの板をつけた構造とした。その他、隣り合う偏向用の
静電偏向板の電界が相互に影響しないように、静電偏向
板間を遮蔽できる構造であれば、本発明の効果が得られ
る。
【0045】以上のように、前述の実施例によれば、静
電偏向器のクロストークノイズを殆どゼロにすることが
可能となり、これにより、半導体デバイス等に組み込ま
れる回路パターンを高速で高精度に描画することができ
る。
【0046】また、本発明に基づく静電偏向器は、前述
の実施例に示したような電子ビーム描画装置に限らず、
走査電子顕微鏡や荷電粒子ビームによる検査・測定等に
も適用可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隣接する静電偏向板間で生じるクロストークノイズを低
減することが可能になり、従来必要としていたクロスト
ークノイズが消滅するまでの待ち時間を殆ど要らなくす
ることによって、スループットを大幅に高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる静電偏向器の基本的な実施形態
を説明する図。
【図2】本発明になる実施例1を説明する構成図。
【図3】本発明になる実施例2を説明する構成図。
【図4】本発明になる実施例3を説明する構成図。
【図5】本発明になる実施例4を説明する構成図。
【符号の説明】
2…偏向制御回路、2'…副偏向制御回路、3…アース
線、4…シールド線、10…絶縁支持部材、11…円筒
状の電極支持器、12、12a、12b…シールド電
極、13、13a、13b、13c…偏向電極、20…
描画制御回路、21…可変成形D/A変換器、22…ア
ンプ、23…描画偏向D/A変換器、24…非点収差D/
A変換器、25…8極演算回路、26…アンプ、30…
電子銃、31…電子ビーム、32…ブランキング板、3
3…第1アパーチャ、34…第1成形レンズ、35…成
形偏向器、36…第2成形レンズ、37…第2アパーチ
ャ、38…縮小レンズ、39…対物絞り、40…電磁偏
向器、41…静電偏向器、42…対物レンズ、43…試
料、44…試料ステージ、45…電磁偏向制御回路、5
0…電子光学鏡体、60…主偏向制御回路、61…主偏
向D/A変換器、62…非点収差D/A変換器、63…1
2極演算回路、64…アンプ、65…シールドケーブ
ル、66…静電偏向器、67…シールドケーブル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−142646(JP,A) 特開 昭53−134369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 H01J 37/147

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子源から放射された電子ビームにより、
    静電偏向器を含む電子光学系を介して試料上にパターン
    を描画する電子ビーム描画装置において、前記静電偏向
    器は、前記電子ビームの光軸の周囲に配置された複数の
    偏向電極と、前記それぞれの偏向電極の間に配置された
    複数のシールド電極と、前記偏向電極と前記シールド電
    極との間に形成されたギャップと、前記シールド電極に
    固定電位を与える手段とを有し、前記シールド電極の幅
    が前記偏向電極の幅よりも狭いことを特徴とする電子ビ
    ーム描画装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子ビーム描画装置にお
    いて、前記偏向電極の数が4枚以上であることを特徴と
    する電子ビーム描画装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の電子ビーム描画
    装置において、前記固定電位を与える手段として、前記
    シールド電極に接続されたアース線を有することを特徴
    とする電子ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電子ビーム描画装置にお
    いて、前記ギャップの間隔が100μmより大きく1m
    mよりも小さいことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電子ビーム描画装置にお
    いて、前記偏向電極の数が8枚であり、前記シールド電
    極の数が8枚であることを特徴とする電子ビーム描画装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電子ビーム描画装置にお
    いて、前記偏向電極の数が12枚であり、前記シールド
    電極の数が12枚であることを特徴とする電子ビーム描
    画装置。
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