JP4908800B2 - 電子ビーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム装置に係り、例えば、偏向器を用いて電子ビームを偏向させてブランキングする電子ビーム装置に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図13は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)における第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という(例えば、特許文献1参照)。
ここで、電子線330を試料340に照射するショット時間は、図示していないブランキング偏向器により電子線のブランキングをON/OFFさせることで制御する。かかるブランキング偏向器に関連する技術として、ブランキング偏向器にブランキング信号を供給するブランキング増幅器の特性悪化による照射位置ズレ量を位置決め偏向器における偏向量に加算するという技術が文献に開示されている(例えば、特許文献2参照)。
その他、電子ビーム装置の偏向器に関連する技術として、ブランキング偏向器ではないが、成形された電子線を試料に向けて偏向するコイルからなる偏向器に偏向データを供給する増幅器出力のリンギングの少なくとも最初のうねりを打ち消すために、最初のうねりとは逆極性のパルス信号を増幅器の入力に加算するという技術が文献に開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−58424号公報 特開2005−64041号公報 特開平8−335547号公報
電子ビーム装置の一例である電子線描画装置において、偏向器と増幅器(アンプ)とのマッチングが悪いと電子ビームのビーム偏向時に偏向電圧が発振或いはリンギングを起こしてしまうといった問題があった。特に、ブランキング偏向器とブランキング増幅器(アンプ)とのマッチングが悪いと電子ビームのビーム偏向時に偏向電圧が発振或いはリンギングを起こしてしまい、このような信号を用いて電子ビームのON/OFFを行なうと、ビームON(ブランキングOFF)した際に対物レンズ瞳面上のビーム位置が振動してしまう。その結果、結像面でのビーム分解能が劣化してしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、偏向電圧の発振或いはリンギングを低減することを目的とする。
本発明の一態様の電子ビーム装置は、
鏡筒内に配置され、電子ビームを偏向させる第1と第2の偏向器と、
前記鏡筒外に配置され、前記鏡筒へと延びる補償導線を介して前記第1の偏向器に電圧を印加する第1の電圧印加部と、
前記鏡筒と前記補償導線との間に配置され、前記第1の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された第1の抵抗器と、
前記鏡筒外に配置され、前記第1の電圧印加部から前記第1の偏向器までの回路とは独立した回路で、前記鏡筒へと延びる補償導線を介して前記第2の偏向器に電圧を印加する第2の電圧印加部と、
前記鏡筒と前記補償導線との間に配置され、前記第2の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された、前記第1の抵抗器の抵抗値とは異なる抵抗値を有する第2の抵抗器と、
を備えたことを特徴とする
上述した電圧印加部から鏡筒へと延びる補償導線を介して偏向器に電圧を印加することで、偏向器は、電子ビームを偏向させることができる。ここで、後述するように、補償導線を用いて偏向器と電圧印加部とを配線したとしても、一部にコイル成分を有する単芯ケーブルによる配線が必要となってしまう。そのため、電圧印加部に前記補償導線のインピーダンス調整用に抵抗器を設計段階から挿入したとしても偏向器と電圧印加部とのマッチングを行なうことは困難である。そこで、偏向器に前記電圧を印加するための配線に抵抗器を接続することで、偏向器と電圧印加部とのマッチングを行なうことができる。さらに、抵抗器を鏡筒と補償導線との間に配置することにより鏡筒外でマッチング調整を行なうことができる。
また、本発明の偏向器は、前記電子ビームをブランキングするブランキング偏向器として用いられることを特徴とする。
特に、ブランキング偏向器とブランキング偏向器に電圧を印加する電圧印加部とのマッチングに対して本構成は好適である。
そして、本発明の偏向器は、鏡筒内において、シールド層で覆われていない単芯配線で前記電圧が印加されることを特徴とする。
特に、シールド層で覆われていない単芯配線にはコイル成分が存在するため、かかる配線のコイル成分によりリンギングのうねり成分が減衰しにくい。そこで、本発明のように構成することで偏向器と電圧印加部とのマッチングを行ない、リンギングのうねり成分を減衰させることができる。
本発明の他の態様の電子ビーム装置は、
鏡筒内に配置され、電子ビームを偏向させる第1と第2の偏向器と、
前記鏡筒外に配置され、前記第1の偏向器に電圧を印加する第1の電圧印加部と、
前記鏡筒外に配置され、前記第1の電圧印加部から前記第1の偏向器までの回路とは独立した回路で、前記第2の偏向器に対し、前記第1の偏向器とは逆向きに電圧を印加する第2の電圧印加部と、
前記第1の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された第1の抵抗器と、
前記第2の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された、前記第1の抵抗器の抵抗値とは異なる抵抗値を有する第2の抵抗器と、
を備えたことを特徴とする。
上述した第1の電圧印加部から前記第1の偏向器に電圧を印加することで、第1の偏向器は、電子ビームをある方向に偏向させることができる。さらに、第2の電圧印加部から第2の偏向器に第1の偏向器とは逆向きに電圧を印加することで、第2の偏向器は、第1の偏向器で偏向させられた電子ビームを逆方向に偏向させることができる。ここで、仮に、補償導線を用いて各偏向器と各電圧印加部とを配線したとしても、一部にコイル成分を有する単芯ケーブルによる配線が必要となってしまう。さらに、それぞれの単芯ケーブルの長さも異なることになる。その結果、各偏向器と各電圧印加部とのマッチングを行なうことはさらに困難となる。そこで、第1の抵抗器と、第1の抵抗器の抵抗値とは異なる抵抗値を有する第2の抵抗器とを備えたことで、それぞれ対となる偏向器と電圧印加部とのマッチングを行なうことができる。
さらに、本発明の第1と第2の抵抗器は、鏡筒外に配置されたことを特徴とする。
この第1と第2の抵抗器を前記鏡筒外に配置することにより鏡筒外でマッチング調整を行なうことができる。
本発明によれば、偏向器と電圧印加部とのマッチングを行ない、リンギングのうねり成分を減衰させることができるので、リンギングや発振を低減させ応答特性を向上させることができる。その結果、偏向精度を向上させビーム位置が振動を抑制することができる。よって、結像面でのビーム分解能の劣化を抑制することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図1において、電子ビーム装置の一例である描画装置100は、描画部150の一例となる電子鏡筒102、XYステージ105、電子銃201、照明レンズ202、第1のブランキング偏向器212、第2のブランキング偏向器214、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、ブランキングアパーチャ216、対物レンズ207、偏向器208を備え、制御系として、単芯配線となる単芯ケーブル222、抵抗器232、補償導線の一例となる同軸ケーブル242、同軸ケーブル243、抵抗器252、電圧印加部の一例となるアンプ(増幅器)262、単芯配線となる単芯ケーブル224、抵抗器234、補償導線の一例となる同軸ケーブル244、同軸ケーブル245、抵抗器254、電圧印加部の一例となるアンプ(増幅器)264、アンプボックス(BOX)270、偏向制御回路280を備えている。そして、電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のブランキング偏向器212、第2のブランキング偏向器214、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208、単芯ケーブル222、同軸ケーブル243、単芯ケーブル224、同軸ケーブル245が配置されている。アンプBOX270内には、抵抗器252、アンプ262、抵抗器254、アンプ264が配置されている。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
電子銃201から出た電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、ブランキングアパーチャ216でクロスオーバーして通過した後、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向されて、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。
試料101上の電子ビーム200の位置を移動する場合、或いは照射時間に達した場合、試料101上の不必要な領域に電子ビーム200が照射されないようにするため、静電型の上段の第1のブランキング偏向器212と下段の第2のブランキング偏向器214とで電子ビーム200を偏向すると共にブランキングアパーチャ216で電子ビーム200をカットし、電子ビーム200が試料101面上に到達しないようにする。上段の第1のブランキング偏向器212の偏向電圧は、偏向制御回路280及びアンプ262によって制御される。下段の第2のブランキング偏向器214の偏向電圧は、偏向制御回路280及びアンプ264によって制御される。
ビームOFF(ブランキングON)の場合、電子銃201から出た電子ビーム200は、図1における点線で示す軌道を進むことになる。ここで、上段の第1のブランキング偏向器212と下段の第2のブランキング偏向器214とを第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206の上流側に配置し、ブランキングアパーチャ216を第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206の下流側(試料101側)に配置する。そして、下段の第2のブランキング偏向器214の各電極には、上段の第1のブランキング偏向器212の各電極と同じ電圧を逆方向に印加する。そのため、上段の第1のブランキング偏向器212で偏向された電子ビーム200は、下段の第2のブランキング偏向器214によって振り戻される。よって、第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206上での電流量および照射位置に変化を生じさせないようにすることができる。その結果、第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206で発生する反射電子や2次電子の量を変化させず、ビームON(ブランキングOFF)の場合とチャージアップ状態を変化させないようにすることができる。よって、第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206の光学的な重なりの程度が変化しないため、ビーム寸法を変化させないようにすることができる。さらに、第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206に入射する電子ビーム200量もブランキングON/OFF時において変化しないため、第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206の温度変化を起こさせず熱膨張によるビーム寸法の劣化を防止することができる。
また、電子鏡筒102内およびXYステージ105が配置された描画室内は、図示していない真空ポンプにより真空引きされ、大気圧よりも低い圧力となる真空雰囲気となっている。
図2は、ステージ移動の様子を説明するための図である。
試料101に描画する場合には、XYステージ105を図示していない駆動部によりX方向に連続移動させながら、描画(露光)面を電子ビーム200が偏向可能な短冊状の複数のストライプ領域に仮想分割された試料101の1つのストライプ領域上を電子ビーム200が照射する。XYステージ105のX方向の移動は、連続移動とし、同時に電子ビーム200のショット位置もステージ移動に追従させる。連続移動させることで描画時間を短縮させることができる。そして、1つのストライプ領域を描画し終わったら、XYステージ105を図示していない駆動部によりY方向にステップ送りしてX方向(今度は逆向き)に次のストライプ領域の描画動作を行なう。各ストライプ領域の描画動作を蛇行させるように進めることでXYステージ105の移動時間を短縮することができる。
図3は、ブランキング偏向器の配置部分についての構成を示す概念図である。
図3において、それぞれ1対の電極をもつ静電型の第1のブランキング偏向器212と第2のブランキング偏向器214は、電子鏡筒102内に配置される。第1のブランキング偏向器212の一方の電極は、シールド層を持たない単芯ケーブル222、シールド層で保護された補償導線の一例となる同軸ケーブル243、同軸ケーブル242、抵抗器252を介してアンプBOX270内に配置されたアンプ262に接続される。同軸ケーブル243は、電子鏡筒102の内部を、同軸ケーブル242は、電子鏡筒102の外部を配線している。そして、電子鏡筒102の外側近傍で同軸ケーブル243と同軸ケーブル242との間を抵抗器232が直列に接続される。同様に、第2のブランキング偏向器214の一方の電極は、シールド層を持たない単芯ケーブル224、シールド層で保護された補償導線の一例となる同軸ケーブル245、同軸ケーブル244、抵抗器254を介してアンプBOX270内に配置されたアンプ264に接続される。同軸ケーブル245は、電子鏡筒102の内部を、同軸ケーブル244は、電子鏡筒102の外部を配線している。そして、電子鏡筒102の外側近傍で同軸ケーブル245と同軸ケーブル244との間を抵抗器234が直列に接続される。
アンプBOX270内に配置されたアンプ262は、偏向制御回路280により制御され、抵抗器252、同軸ケーブル242、同軸ケーブル243、単芯ケーブル222を介して静電型の第1のブランキング偏向器212に必要な偏向電圧をブランキング信号として印加する。そして、アンプBOX270内に配置されたアンプ264は、偏向制御回路280により制御され、抵抗器254、同軸ケーブル244、同軸ケーブル245、単芯ケーブル224を介して静電型の第2のブランキング偏向器214に必要な偏向電圧をブランキング信号として印加する。
そして、第2のブランキング偏向器214には第1のブランキング偏向器212と同じ偏向電圧を逆方向に印加する。かかる場合に、単芯ケーブル222や単芯ケーブル224には、等価的なコイル成分が存在するため、印加した偏向電圧が発振或いはリンギングを起こしてしまうとコイルの性質から電流を流し続けてしまい、うねり成分を減衰しにくくなるが、単芯ケーブル222に同軸ケーブル243を介して接続されているダンピング用の抵抗器232と単芯ケーブル224に同軸ケーブル245を介して接続されているダンピング用の抵抗器234とによりかかるうねり成分を減衰することができる。さらに、第1のブランキング偏向器212用のアンプ262と第2のブランキング偏向器214用のアンプ264とを分けて各アンプの出力側の回路を独立させることにより互いの影響によるリンギングや発振の発生を抑制することができる。
そして、抵抗器232と抵抗器234を電子鏡筒102内の狭い空間に配置するのではなく電子鏡筒102外に配置することで、マッチング調整を行ないやすくすることができる。さらに、電子鏡筒102内の真空雰囲気化に配置しないことで抵抗器からの熱放出をし易くすることができる。さらに、アンプBOX270内ではなく、より電子鏡筒102に近い電子鏡筒102外部の同軸ケーブル端部に配置することで、実際のコイル成分が生ずる配線の近くに配置することができるため、アンプBOX270内での設置では困難な微調整を行なうことができる。
図4は、ブランキング偏向器の等価回路を示す図である。
図4に示すように、アンプ262の出力はアンプインピーダンス調整用の抵抗器252を介して、同軸ケーブル242、抵抗器232を通って電子鏡筒102内に入り、同軸ケーブル243、コイル成分をもつ単芯ケーブル222を通ってコンデンサ成分となる第1のブランキング偏向器212の一方の電極に電圧を印加する。第1のブランキング偏向器212の他方の電極と同軸ケーブル242と同軸ケーブル243とのシールド層の配線は地絡させている。同様に、アンプ264の出力はアンプインピーダンス調整用の抵抗器254を介して、同軸ケーブル244、抵抗器234を通って電子鏡筒102内に入り、同軸ケーブル245、コイル成分をもつ単芯ケーブル224を通ってコンデンサ成分となる第2のブランキング偏向器214の他方の電極に電圧を印加する。第2のブランキング偏向器214の一方の電極と同軸ケーブル244と同軸ケーブル245とのシールド層の配線は地絡させている。
ここで、抵抗器232の抵抗値R1は、アンプインピーダンス調整用の抵抗器252の抵抗値の10〜20%で調整すると好適である。例えば、抵抗器252の抵抗値が50Ωの場合、抵抗器232の抵抗値R1は、5〜10Ωが良い。同様に、抵抗器234の抵抗値R2は、アンプインピーダンス調整用の抵抗器254の抵抗値の10〜20%で調整すると好適である。例えば、抵抗器254の抵抗値が50Ωの場合、抵抗器234の抵抗値R1は、5〜10Ωが良い。ここで、抵抗器252の抵抗値R1と抵抗器234の抵抗値R2とは異なる値とする方が良い。コイル成分をもつ単芯ケーブル222とコイル成分をもつ単芯ケーブル224との長さは異なるため、それぞれに最適な値は異なる。よって、それぞれに最適な値とすることが望ましい。第1のブランキング偏向器212用のアンプ262と第2のブランキング偏向器214用のアンプ264とを分けて各アンプの出力側の回路を独立させることによりそれぞれ最適なマッチング調整を行なうことができる。
図5は、マッチング不足の場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。
図6は、本実施の形態によりマッチングさせた場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。
図5に示すように、マッチング不足の場合、偏向電圧の波形がブランキングON/OFFした場合に初期に大きく振動する。そして、減衰しきれないうちに次の動作に移ることを繰り返している。これに対し、本実施の形態によりマッチングさせた場合、図6では、偏向電圧を印加した当初に発生するはずのリンギングが低減されている様子を示している。すなわち、第1のブランキング偏向器212の回路上に抵抗器232を接続することにより、リンギングのうねり成分を減衰させることができる。同様に第2のブランキング偏向器214の回路上に抵抗器234を接続することにより、リンギングのうねり成分を減衰させることができる。
図7は、マッチング不足の場合のビーム強度分布の一例を示す図である。
図8は、本実施の形態によりマッチングさせた場合のビーム強度分布の一例を示す図である。
図7に示すように、マッチング不足の場合、偏向電圧の出力がリンギングを起こしてしまい、電子ビームを偏向しきれずビーム強度分布が横に広がり高さの低いなだらかな形状になってしまう。これに対し、本実施の形態によりマッチングさせた場合、図8に示すように、リンギングを抑制することができるので、ビーム強度分布が横に広がらず高い山型の形状にすることができる。よって、試料上での寸法劣化を抑制することができる。
図9は、マッチング不足の場合のビーム分布の一例を示す図である。
図10は、本発明の本実施の形態によりマッチングさせた場合のビーム分布の一例を示す図である。
図9では、図7に示したようにビーム分布が横に広がるため中心の密度が低く、すなわち薄くなってしまう様子を示している。これに対し、本実施の形態によりマッチングさせた場合、図10では、図8に示したようにビーム分布が横に広がることを抑制するため中心の密度が高く、すなわち濃くなってしまう様子を示している。かかる分布からも本実施の形態によりマッチングさせることにより、試料上での寸法劣化を抑制することができる。
ここで、描画装置100では、ランダムなノイズやビーム偏向位置誤差等によって生じるビーム位置のばらつきを低減し、より高精度な描画を行なうために、パターンを複数回に分けて描画する多重描画を行なうことが望まれる。しかしながら、本実施の形態のようにリンギングを低減させないとより描画精度が劣化することになる。
図11は、多重描画しない場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。
図12は、多重描画する場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。
図11に示すように、多重描画しない場合は、1回で必要なドーズ量を試料上のレジストに与えるため1ショットの描画時間が多重描画する場合よりも長くなる。そのため、ビームON(ブランキングOFF)した当初に発生するリンギングも時間の経過と共に減衰していく。これに対し、多重描画する場合、例えば、多重度4の多重描画を行なう場合、4回で必要なドーズ量を試料上のレジストに与えるため1ショットの描画時間が多重描画しない場合の1/4と短くなる。そのため、図12に示すように、ビームON(ブランキングOFF)した当初に発生するリンギングが減衰し終わらないうちに1ショットの描画時間が終了し、2回目以降のショットも同様にビームON(ブランキングOFF)した当初に発生するリンギングが減衰し終わらないうちに1ショットの描画時間が終了してしまう。これでは、常にビーム位置が振動している状態での描画となってしまうため、描画精度が劣化してしまう。そこで、本実施の形態により、かかるリンギングを低減させることで多重描画における描画精度をより向上させることができる。すなわち、本実施の形態は、多重描画手法において用いるとより顕著な効果を発揮することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、リンギングのうねり成分を減衰させることができるので、リンギングや発振を低減させ応答特性を向上させることができる。その結果、偏向精度を向上させビーム位置の振動を抑制することができる。よって、結像面でのビーム分解能の劣化を抑制することができる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての電子ビーム装置は、本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 ステージ移動の様子を説明するための図である。 ブランキング偏向器の配置部分についての構成を示す概念図である。 ブランキング偏向器の等価回路を示す図である。 マッチング不足の場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。 本実施の形態によりマッチングさせた場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。 マッチング不足の場合のビーム強度分布の一例を示す図である。 本実施の形態によりマッチングさせた場合のビーム強度分布の一例を示す図である。 マッチング不足の場合のビーム分布の一例を示す図である。 本発明の本実施の形態によりマッチングさせた場合のビーム分布の一例を示す図である。 多重描画しない場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。 多重描画する場合の偏向電圧の波形の一例を示す図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
符号の説明
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
105 XYステージ
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
212,214 ブランキング偏向器
216 ブランキングアパーチャ
222,224 単芯ケーブル
232,234,252,254 抵抗器
242,243,244,245 同軸ケーブル
262,264 アンプ
270 アンプBOX
280 偏向制御回路
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (1)

  1. 鏡筒内に配置され、電子ビームを偏向させる第1と第2の偏向器と、
    前記鏡筒外に配置され、前記鏡筒へと延びる補償導線を介して前記第1の偏向器に電圧を印加する第1の電圧印加部と、
    前記鏡筒と前記補償導線との間に配置され、前記第1の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された第1の抵抗器と、
    前記鏡筒外に配置され、前記第1の電圧印加部から前記第1の偏向器までの回路とは独立した回路で、前記鏡筒へと延びる補償導線を介して前記第2の偏向器に電圧を印加する第2の電圧印加部と、
    前記鏡筒と前記補償導線との間に配置され、前記第2の偏向器に前記電圧を印加するための配線に接続された、前記第1の抵抗器の抵抗値とは異なる抵抗値を有する第2の抵抗器と、
    を備え
    前記偏向器は、前記電子ビームをブランキングするブランキング偏向器として用いられることを特徴とする電子ビーム装置。
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