JP2023034881A - 放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents

放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023034881000001
【課題】アンテナを保持する保持部材による放電の頻度が低減され得る放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置を提供する。
【解決手段】実施形態の放電検出装置は、真空容器11と、前記真空容器内での放電に係る第1信号を捉えるアンテナ32と、前記アンテナを前記真空容器内で保持する抵抗体41と、前記アンテナに接続される第1端子と、前記真空容器に接続される第2端子と、前記第1端子と前記第2端子とに接続され、前記第1端子と前記第2端子との間の電位差から前記アンテナに係る第2信号を取得するように構成される信号処理部33とを含み、前記抵抗体の比抵抗は、1×10から1×1011(Ω・cm)の範囲にある。
【選択図】図2

Description

実施形態は、放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置に関する。
リソグラフィ技術は、半導体デバイスの配線パターンを形成するプロセスに用いられるものであり、半導体デバイスの製造プロセスにおいて極めて重要な役割を担っている。近年、半導体デバイスに要求される配線の線幅は、LSI(Large Scale Integration)の高集積化に伴い年々微細化されてきている。
微細化が図られた線幅の配線パターンの形成には、高精度の原画パターン(レチクルまたはマスクとも称される。)が用いられる。高精度の原画パターンの生産には、例えば、優れた解像性を有する電子線(以下、電子ビームとも称する。)描画技術が用いられる。電子線描画技術を用いて原画パターンを生産する装置として、可変成形型電子線描画装置(以下、電子ビーム描画装置とも称する。)が知られている。
電子ビーム描画装置は、可変成型方式により電子ビームを種々の形状に成形し、当該成形後の電子ビームを試料に照射する。当該照射により試料への描画が行われて原画パターンが生産される。
ここで、電子ビーム描画装置の筐体内には、絶縁物の部品が存在し、さらに、コンタミネーションおよび/またはダスト等の意図しない絶縁物が存在することもある。これら絶縁物は、散乱電子により帯電して放電することがある。放電により当該筐体内で一瞬の電界の変動が生じ、当該変動が原因で電子ビームの経路が変動し得る。放電による発熱で絶縁物の一部が炭化することにより放電パス(沿面距離)が短くなり、徐々に放電の発生頻度が高くなる傾向にある。描画中での電子ビームの経路の変動は、描画パターンエラー等のトラブルにつながる。
このような放電を検出する目的で、放電検出装置が用いられる。放電検出装置は、放電の発生頻度が比較的低い間にも放電を検出可能である。放電が検出された場合には、部品交換等による対処が可能である(例えば、特許文献1から3を参照)。
特開2008-311364号公報 特開2007-335786号公報 特開2004-288849号公報
放電検出装置は、例えば、金属板等であるアンテナと、当該アンテナを筐体から電気的に絶縁しつつ筐体内に保持する絶縁部材とを含む。放電の際に発生する電界の変動は、当該アンテナの電位に影響を及ぼす。当該アンテナの電位に基づく電気信号を、例えば、筐体外の波形測定器が取得する。
ところが、絶縁部材自体も、散乱電子により帯電および放電して、上述したパターンエラー等のトラブルの原因になり得る。このような放電への対策として、例えば、絶縁部材が導電体で覆われて当該導電体が筐体に電気的に接続される構成が用いられることがある。このような構成では、アンテナが筐体に電気的に接続されないようにするため、絶縁部材が当該導電体で完全に覆われることはない。このため、絶縁部材による放電を完全に防ぐことはできない。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、アンテナを保持する保持部材による放電の頻度が低減され得る放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置を提供することにある。
実施形態の放電検出装置は、真空容器と、前記真空容器内での放電に係る第1信号を捉えるアンテナと、前記アンテナを前記真空容器内で保持する抵抗体と、前記アンテナに接続される第1端子と、前記真空容器に接続される第2端子と、前記第1端子と前記第2端子とに接続され、前記第1端子と前記第2端子との間の電位差から前記アンテナに係る第2信号を取得するように構成される信号処理部とを含み、前記抵抗体の比抵抗は、1×10から1×1011(Ω・cm)の範囲にある。
実施形態の放電検出装置および荷電粒子ビーム照射装置は、アンテナを保持する保持部材による放電の頻度を低減させ得る。
第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の構成の一例を概略的に示す構成図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の放電検出部の構成の一例を概略的に示す構成図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の放電検出部の構成の別の例を概略的に示す構成図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の絶縁ブッシュの断面構造の一例を示す図。 電圧データをプロットしたグラフの一例を示す図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の絶縁ブッシュに捉えられた電子の移動を模式的に説明するための図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の放電検出部により検出された放電の回数の総和を時間軸に対してプロットしたグラフの一例を示す図。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明において、同一の機能および構成を有する構成要素には共通する参照符号を付す。共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合には、当該共通する参照符号に添え字を付して区別する。複数の構成要素について特に区別を要さない場合には、当該複数の構成要素には、共通する参照符号のみを付し、添え字は付さない。以下に示す各実施形態は、技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、および配置は示されるものに限定されるものではない。
各機能ブロックを、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれかまたは両方を組み合わせたものにより実現することが可能である。また、各機能ブロックが以下に説明されるように区別されていることは必須ではない。例えば、一部の機能が例示の機能ブロックとは別の機能ブロックにより実行されてもよい。さらに、例示の機能ブロックがさらに細かい機能サブブロックに分割されていてもよい。また、以下の説明における各機能ブロックおよび各構成要素の名称は便宜的なものであり、各機能ブロックおよび各構成要素の構成および動作を限定するものではない。
以下の説明において、数値が示される場合、有効数字を考慮してその数値が解釈されることを意図している。
<第1実施形態>
以下、本実施形態に係る荷電粒子ビーム照射装置の非限定的な例として或る電子ビーム描画装置について説明する。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態により開示される技術は、電子ビームおよびイオンビーム等の荷電粒子ビームを用いる他の装置にも適用可能である。これらの装置には、例えば、収束イオンビーム描画装置、原画パターンの検査装置、電子顕微鏡、および電解放出イオン顕微鏡等が含まれる。これらの装置で用いられるビームはシングルビームに限定されずマルチビームであってもよい。
[構成例]
(1)電子ビーム描画装置
図1は、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の構成の一例を概略的に示す構成図である。図1に示される電子ビーム描画装置1の構成は一例に過ぎず、電子ビーム描画装置1の構成は図示されるものに限定されない。例えば、図示されるもの以外の、電子ビーム描画装置に通常設けられ得る他の構成要素を、電子ビーム描画装置1が含んでいてもよい。さらに、電子ビーム描画装置1の構成要素の各々の配置が、図示されるものと相違していてもよい。
電子ビーム描画装置1は、例えば、描画部10、描画制御部13、および高圧電源14を含む。描画部10は、電子鏡筒11および描画室12からなる筐体を含む。
描画部10は、電子鏡筒11の内側の領域において、電子銃111、照明レンズ112、第1アパーチャ部材113、投影レンズ114、第1偏向器115、第2アパーチャ部材116、対物レンズ117、および第2偏向器118を含む。描画部10は、描画室12内に、ステージ121を含む。ステージ121上には、試料20が固定され得る。電子鏡筒11および描画室12内は、図示しない真空ポンプによって真空引きされ、大気よりも十分に低圧の状態(いわゆる真空状態)に維持される。電子ビーム描画装置1は、電子銃111から放出される電子ビーム110を用いて、ステージ121上に固定される試料20への描画を行う。
以下では、ステージ121のうち試料20が固定される面に平行な、例えば互いに直交する2方向をそれぞれ、X方向およびY方向として定義する。当該面に交わり当該面から電子銃111側に向かう方向をZ方向として定義する。Z方向は、X方向およびY方向に直交するものとして説明するが、必ずしもこれに限定されない。以下では、Z方向を「上」とし、Z方向と反対方向を「下」として説明を行うが、この表記は便宜的なものに過ぎず、例えば重力の方向とは無関係である。
高圧電源14は、電子銃111に接続され、電子銃111に高電圧を印加する。当該高電圧の印加に応じて、電子銃111から電子ビーム110が放出される。描画制御部13は、第1偏向器115および第2偏向器118、の各々に含まれる各電極に印加される電圧を制御することにより、電子ビーム110が通過する領域の電界を制御する。
電子銃111とステージ121との間に、上方から順に、第1アパーチャ部材113および第2アパーチャ部材116が設けられる。
照明レンズ112は、例えば、第1アパーチャ部材113の上方に設けられる。第1アパーチャ部材113には、例えば矩形の開口が設けられている。照明レンズ112は、電子ビーム110が第1アパーチャ部材113全体を照明するようにする。第1アパーチャ部材113を通過した電子ビーム110は、当該開口に応じた例えば矩形に成形される。
投影レンズ114および第1偏向器115は、例えば、第1アパーチャ部材113と第2アパーチャ部材116との間に設けられる。第2アパーチャ部材116には開口が設けられている。投影レンズ114は、例えば、第1アパーチャ部材113の開口を通過した後の電子ビーム110の焦点を調整して、当該電子ビーム110が第2アパーチャ部材116の上面を含む平面上に投影されるようにする。第1偏向器115は、第1偏向器115に含まれる複数の電極に挟まれる領域の電界を変化させることにより、この領域を通過する当該電子ビーム110の経路を変化させ得る。第1偏向器115は、当該経路を変化させることにより、第2アパーチャ部材116の上面を含む平面上に電子ビーム110が投影される位置を制御する。当該平面上に投影された電子ビーム110のうち、第2アパーチャ部材116の開口の領域に投影された部分が第2アパーチャ部材116を通過する。当該制御により、第2アパーチャ部材116を通過する電子ビーム110の形状および寸法を変化させることが可能である。
対物レンズ117および第2偏向器118は、例えば、第2アパーチャ部材116とステージ121との間に設けられる。ステージ121は、例えばX方向およびY方向に連続移動可能である。対物レンズ117は、例えば、第2アパーチャ部材116の開口を通過した後の電子ビーム110の焦点を調整する。第2偏向器118は、第2偏向器118に含まれる複数の電極に挟まれる領域の電界を変化させることにより、この領域を通過する当該電子ビーム110の経路を変化させ得る。第2偏向器118は、当該経路を変化させることにより、連続移動するステージ121上の試料20に電子ビーム110が照射される位置を制御する。
描画部10内では、電子ビーム110の散乱電子により絶縁物が帯電して放電することがある。このような放電を検出する目的で、電子ビーム描画装置1は、放電検出部30を含む。以下では、放電検出部30のことを放電検出装置とも称する。
放電検出部30は、例えば、放電検出制御部31、センサ32、信号処理部33、記憶部34、およびモニタ35を含む。放電検出制御部31は、放電の検出に係る制御を行う。
センサ32は、アンテナまたは電極として用いられるものである。ここで言うアンテナとは、金属等導電性物質から成り、空間中の電磁波もしくは電界の変動もしくは磁界の変動を捉えて電圧信号または電流信号に変換して出力可能なものである。このようなアンテナは、放電に係る信号を捉えることが可能である。本明細書では、センサ32が金属板であるものとして説明するが、センサ32の形状は、板状に限定されるものではなく、ケーブルや銅の単線などがコイル状とされたものであってもよい。センサ32は、例えば、電子鏡筒11内で電子銃111の近傍かつ上方に設けられる。センサ32の配置はこれに限定されるものではなく、センサ32は、電子ビーム110の経路にない限り電子ビーム描画装置1の筐体内の任意の位置に配置されることが可能である。
信号処理部33は、例えばオシロスコープであり、センサ32に電気的に接続され、センサ32に係る信号を取得する。以下、信号処理部33がオシロスコープである場合の一例について説明するが、信号処理部33は電流計または電圧計等であってもよい。信号処理部33は、例えば、センサ32の電位に基づく電流のアナログデータを取得し、当該アナログデータにアナログデジタル変換処理を行い、当該処理により生成されるデータ(以下、電圧データとも称する。)を記憶部34に記憶させる。当該電圧データは、例えば、センサ32の電位と時間との関係を表す。
放電検出制御部31は、記憶部34に記憶される電圧データを読み出し、当該電圧データに基づいて、放電に由来する電界の変動を検出する放電検出処理を行い、当該処理の結果を記憶部34に記憶させる。記憶部34に記憶される当該処理の結果が、例えば、モニタ35に表示される。あるいは、記憶部34に記憶される電圧データが表す電位と時間との関係がモニタ35に表示されてもよい。モニタ35上での当該表示に基づいて、放電検出処理が実行されることも可能である。
(2)放電検出装置
図2は、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30の構成の一例を概略的に示す構成図である。以下、センサ32を保持する保持部材の非限定的な例として、絶縁ブッシュを挙げて説明する。以下で絶縁ブッシュに関連して開示する技術は、2つの導電体の隙間に設けられることにより、当該2つの導電体を互いに絶縁しつつ一方の導電体を他方の導電体に対して固定するような、他の保持部材にも適用可能である。このような保持部材には、例えばフィードスルーと称される部材が含まれる。
例えば、設置部材119が、電子鏡筒11の内壁に接するように設けられる。設置部材119は、例えば電子銃111の上方に設けられる。センサ32は、絶縁ブッシュ41およびビス42により設置部材119に固定される。センサ32は、例えば、電子鏡筒11内に設けられる複数の設置部材119にこのように固定されて、真空容器である電子鏡筒11内で保持される。絶縁ブッシュ41のことを、または、絶縁ブッシュ41とセンサ32との組み合わせのことを、アンテナ保持装置と称してもよい。アンテナ保持装置は、これらに限定されるものではなく、他の構成を含むものであってもよい。
センサ32は、例えばケーブル43に接続される。ケーブル43は、例えば導電体で構成される。ケーブル43は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、電子鏡筒11に設けられるコネクタC1に接続される。コネクタC1は、電子ビーム描画装置1の外部で、ケーブル44に接続されるコネクタC2に接続される。ケーブル44は信号処理部33に接続される。コネクタC1およびC2は、例えば、電子鏡筒11の内部で捉えられた信号の、電子ビーム描画装置1の外部への伝送のために用いられる。
ケーブル44は例えば同軸ケーブルである。ケーブル44が同軸ケーブルの場合、コネクタC1およびC2は各々、例えば、BNCコネクタ、7/16 DINコネクタ、およびFコネクタ等、の同軸コネクタである。以下では、ケーブル44が同軸ケーブルであり、コネクタC1およびC2が各々、同軸コネクタであるものとして説明を行う。
以下、ケーブル44ならびにコネクタC1およびC2の構成を説明した後に、信号処理部33により取得される信号の伝送に着目した説明を行う。
ケーブル44は、導電体441および442を含む。導電体441は同軸ケーブルの内部導体(芯線)である。導電体442は、同軸ケーブルにおいて、芯線の周囲に絶縁体を介して設けられ、例えば電磁シールドとして機能する外部導体である。図2では、参照を容易にするため、導電体442は1本の実線により示されている。
コネクタC1は、例えば、同軸ケーブルの内部導体との電気的な接続に用いられる第1端子511と、当該第1端子511から絶縁され、同軸ケーブルの外部導体との電気的な接続に用いられる第2端子512とを有する。
コネクタC2は、例えば、同軸ケーブルの内部導体との電気的な接続に用いられる第1端子521と、当該第1端子521から絶縁され、同軸ケーブルの外部導体との電気的な接続に用いられる第2端子522とを有する。
以下、信号処理部33により取得される信号の伝送に着目してより詳細に説明する。
センサ32が接続されるケーブル43は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、コネクタC1の第1端子511に電気的に接続される。当該第1端子511は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、コネクタC2の第1端子521に接続される。当該第1端子521は、ケーブル44内の導電体441に電気的に接続される。導電体441は信号処理部33に接続される。このように、センサ32は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、ケーブル43、コネクタC1の第1端子511、コネクタC2の第1端子521、および、ケーブル44内の導電体441を介して、信号処理部33に電気的に接続される。図2では、ケーブル43が導電体441に電気的に接続される様子が破線で示されている。ケーブル43、コネクタC1の第1端子511、コネクタC2の第1端子521、および、導電体441は、センサ32に係る信号の伝送経路として用いられる。当該信号には、例えば、センサ32により捉えられた信号が反映される。このような伝送経路を介して、信号処理部33は、センサ32に係る信号を取得する。
一方、電子鏡筒11は、コネクタC1の第2端子512に電気的に接続される。当該第2端子512は、コネクタC2の第2端子522に接続される。当該第2端子522は、ケーブル44内の導電体442に電気的に接続される。導電体442もまた、信号処理部33に接続される。このように、電子鏡筒11が、コネクタC1の第2端子512、コネクタC2の第2端子522、および、ケーブル44内の導電体442を介して、信号処理部33に電気的に接続される。図2では、電子鏡筒11が導電体442に電気的に接続される様子が破線で示されている。コネクタC1の第2端子512、コネクタC2の第2端子522、および、導電体442は、例えば接地電位にある電子鏡筒11に係る信号の伝送経路として用いられる。このような伝送経路を介して、信号処理部33は、電子鏡筒11に係る信号を取得する。
信号処理部33は、電子鏡筒11に係る信号から得られる電子鏡筒11の電圧を基準電位として用いて、センサ32に係る信号から得られるセンサ32の電圧から、上述した、センサ32の電位と時間との関係を表す電圧データを生成する。すなわち、信号処理部33は、上記第1端子511および521と、上記第2端子512および522との間の電位差から当該電圧データを生成する。
信号処理部33がこのように電子鏡筒11の電圧を基準電位として用いるのは、例えば、次の理由による。
放電源の帯電および放電、ならびに、放電によるビームの変動は、電子鏡筒11の電圧を基準に発生する。信号処理部33が電子鏡筒11の電圧以外の電圧を基準電位として用いると、上記電圧データには、目的とする放電ノイズに加えて、当該電圧と電子鏡筒11の電圧との差がのってしまう。また、電圧データの波形の高周波成分が観測されなくなり得る。このような場合に放電検出を行うためには、基準電位として用いる電圧が、電子鏡筒11の電圧に対してどのように変動しているかを考慮する必要がある。これは、電子鏡筒11の電圧を基準電位として用いるのと実質的に同一のことである。このような理由で、信号処理部33は、電子鏡筒11の電圧を基準電位として用いる。
以下の説明では、放電検出部30が絶縁ブッシュ41、ビス42、ケーブル43、コネクタC1およびC2、ならびにケーブル44も含むものとして説明を行う。上記で放電検出部30のことを放電検出装置とも称するとの説明を行ったが、放電検出装置は、電子鏡筒11のような真空容器も含むものであってもよい。
図2では、コネクタC1が電子鏡筒11の外壁に設けられているように示されているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、電子鏡筒11の外壁から電子ビーム描画装置1の外側にケーブルが伸びており、コネクタC1が当該ケーブルの先に設けられていてもよい。
上記では、信号処理部33により取得される信号の伝送に同軸ケーブルおよび同軸コネクタが用いられる場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。
例えば、同軸ではない2本のケーブルをそれぞれ介してセンサ32および電子鏡筒11が信号処理部33に接続されていてもよい。この場合、当該接続には、コネクタC1とコネクタC2とによる1つのコネクタの組に代えて、物理的に独立した2つのコネクタの組(コネクタC3とコネクタC4との組、コネクタC5とコネクタC6との組)が用いられる。図3は、この場合の、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30の構成の一例を、概略的に示す構成図である。以下、図2を参照して説明したのと相違する箇所について説明する。
ケーブル43は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、電子鏡筒11に設けられるコネクタC3に接続される。当該接続では、ケーブル43の導電体が、コネクタC3の端子531に電気的に接続される。コネクタC3は、電子鏡筒11の外部で、ケーブル45に接続されるコネクタC4に接続される。当該接続では、コネクタC3の端子531がコネクタC4の端子541に接続される。端子541は、ケーブル45内の導電体に電気的に接続される。ケーブル45は信号処理部33に接続される。このように、センサ32は、電子鏡筒11から絶縁されつつ、ケーブル43、コネクタC3およびC4、ならびに、ケーブル45を介して、信号処理部33に電気的に接続される。
一方、電子鏡筒11は、電子鏡筒11に設けられるコネクタC5の端子551に電気的に接続される。コネクタC5は、電子鏡筒11の外部で、ケーブル46に接続されるコネクタC6に接続される。当該接続では、コネクタC5の端子551が、コネクタC6の端子561に接続される。端子561は、ケーブル46内の導電体に電気的に接続される。ケーブル46もまた、信号処理部33に接続される。このように、電子鏡筒11が、コネクタC5およびC6、ならびに、ケーブル46を介して、信号処理部33に電気的に接続される。
このように、放電検出部30は、コネクタC1およびC2、ならびにケーブル44の代わりに、コネクタC3、C4、C5、およびC6、ならびにケーブル45および46を含んでもよい。
なお、図3の例では同軸ではない2本のケーブルをそれぞれ介してセンサ32および電子鏡筒11が信号処理部33に接続されるとしたが、2本のケーブルを用いる場合には、ノイズ耐量を増すためと伝搬信号の高速化の為にはシールド同軸ケーブルを用いるのが好ましい。
第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30の構成は上述したものに限定されない。センサ32は、センサ32に接触され電子鏡筒11の壁を貫通する金属針と、電子鏡筒11の外部で例えばコネクタを介して当該金属針に接続される何らかのケーブルとを介して、信号処理部33に電気的に接続されてもよい。あるいは、センサ32は、このような金属針を介する場合、ケーブルを介さずに、当該金属針がBNCコネクタ等の端子を介して信号処理部33に接続されることにより、信号処理部33に電気的に接続されてもよい。
このように、信号処理部33がセンサ32に係る信号を取得可能なように、センサ32と信号処理部33とが何らかの端子等を介して電気的に接続されている。また、信号処理部33が電子鏡筒11に係る信号を取得可能なように、電子鏡筒11と信号処理部もまた何らかの端子等を介して電気的に接続されている。ここで用いられる端子には、例えばセンサ32とケーブル43との接点のような、導電性接着剤、導電性エポキシ等を用いて接続、或いは直付けされるような部分が含まれていてもよい。
(3)絶縁ブッシュ
図4の下側の図は、当該固定のために用いられている絶縁ブッシュ41をY方向に垂直な面で切断した場合の絶縁ブッシュ41の断面構造の一例を示す。図4では、絶縁ブッシュ41に関連する他の構成要素の断面構造も併せて示されている。図4の上側にはまた、絶縁ブッシュ41の構造を上方から見た場合の平面図も併せて図示する。
絶縁ブッシュ41は、第1ブッシュ411および第2ブッシュ412を含む。
設置部材119および電子鏡筒11は、例えば導電体である。設置部材119および電子鏡筒11の各々の電位は、例えば接地電位である。設置部材119の上面上に第1ブッシュ411が設けられる。第1ブッシュ411は、例えば、X方向およびY方向に延び、上方から見た場合に、中心部分に円形の開口がある円板の形状をしている。
第1ブッシュ411の上面上にセンサ32が設けられる。センサ32にも、上方から見た場合に円形の開口が設けられている。第1ブッシュ411の開口とセンサ32の開口は少なくとも一部において重なっている。
第2ブッシュ412は、円柱部4121および円板部4122を含む。当該区分けおよび名称は便宜的なものに過ぎない。円柱部4121は、X方向およびY方向に平行な2つの円形の面をそれぞれ底面および上面としZ方向に延びる円柱の形状である。例えば、円柱部4121をX方向およびY方向に平行な或る面で切断した面の外径は、第1ブッシュ411の開口の直径より小さいが、これは必ずしも必要とされない。円柱部4121の上面上に円板部4122が設けられている。円板部4122は、X方向およびY方向に延び、上方から見た場合に例えば円板の形状をしている。上方から見た場合、例えば、円柱部4121の中心と円板部4122の中心が重なる。第2ブッシュ412には、上方から見た場合に、例えば、円柱部4121および円板部4122それぞれの中央部分をZ方向に貫く円形の開口が設けられている。図4に図示される平面図は、円柱部4121、円板部4122、および第1ブッシュ411それぞれの中心が重なる場合の例を示している。
例えば、センサ32の開口内に円柱部4121が挿入され、センサ32の上面に円板部4122の下面が接している。
ビス42は、例えば導電体であり、ネジ部421および頭部422を含む。設置部材119には、例えば、ネジ部421の雄ネジに螺合可能な雌ネジとして機能する構造の開口が設けられている。ネジ部421が第2ブッシュ412の開口内を通るように、ビス42が上方から第2ブッシュ412に差し込まれている。ネジ部421は、第1ブッシュ411の開口内を通り設置部材119の開口に達し、設置部材119の開口と螺合する。頭部422が円板部4122の上面に接触している。このようにして、センサ32が設置部材119に固定されている。
センサ32は設置部材119に接触せず、センサ32と設置部材119との間には第1ブッシュ411がある。センサ32はビス42に接触せず、センサ32とビス42との間には第2ブッシュ412がある。
上記では、絶縁ブッシュ41の構成の一例について説明したが、絶縁ブッシュ41の構成は上述したものに限定されない。例えば、絶縁ブッシュ41は、上記で説明したのと異なる形状であってもよい。
第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の構成についてさらに説明する。
第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の各々は、放電検出部30を用いる放電検出に影響を及ぼさない程度の絶縁性を有する。例えば、第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の各々の電気伝導率は、放電検出の間に絶縁ブッシュ41を介して電子鏡筒11および設置部材119とセンサ32との間で移動する電子の数が、センサ32の電位の変動に影響がないとみなし得る程度に少なくなるような値である。さらに、第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の各々の電気伝導率は、当該ブッシュにより捉えられる電子が、当該ブッシュが放電し得るほどの数の電子を捉える前に、当該ブッシュから移動可能な程度の大きさである。
このような目的で、第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の各々として、例えば、比抵抗が1×10から1×1012(Ω・cm)の範囲にある物質(以下、説明を簡潔にするため、「抵抗体」とも称する。)が用いられる。より好ましくは、第1ブッシュ411および第2ブッシュ412の各々として、例えば、比抵抗が1×10から1×1011(Ω・cm)の範囲にある物質が用いられる。このような比抵抗の範囲は室温でのものとする。しかしながら、絶縁ブッシュ41が図2に示されるのと異なる箇所に配置され当該箇所が高温となるような場合があれば、上述した比抵抗の範囲は当該箇所の温度でのものとしてもよい。以下、第1ブッシュ411および/または第2ブッシュ412として用いられ得る抵抗体の例について説明する。
第1ブッシュ411は、例えば炭化ケイ素(SiC)、タングステン(W)、カーボン(C)、リン(P)、および金(Au)のいずれかである。第1ブッシュ411は、例えば紙を原料とするものであってもよい。あるいは、第1ブッシュ411は、このような化学物質を任意に組み合わせたものであってもよい。第1ブッシュ411は、第1ブッシュ411の上述した電気伝導率に関する物性に影響を与えない程度に他の物質を含んでいてもよい。第1ブッシュ411を例に挙げて説明を行ったが、第2ブッシュ412についても同様である。
絶縁ブッシュ41全体の抵抗値は、好ましくは、例えば、ケーブル43の特性インピーダンスと実質的に同等であり、ケーブル44の特性インピーダンスとも実質的に同等である。絶縁ブッシュ41は、例えば、絶縁ブッシュ41全体の抵抗値がこのような条件を満たすように設けられる。絶縁ブッシュ41全体の抵抗値は、絶縁ブッシュ41とセンサ32との全体の抵抗値に読み替えてもよい。絶縁ブッシュ41全体の抵抗値は、例えば、センサ32および設置部材119の間の電位差と設置部材119を流れる電流とから求められ得る。上述したように読み替えた場合も同様に抵抗値を求められ得る。実質的に同等とは、必ずしも同一でなくとも、同等となるように生成または製造される場合に生じ得る誤差を許容するために用いている表現である。以下の同様の表現についても同じである。センサ32の抵抗値は、例えば、絶縁ブッシュ41とセンサ32との全体の抵抗値が、絶縁ブッシュ41全体の抵抗値と実質的に同等であるといってもよい程度に小さい。
[動作例]
電子ビーム描画装置1により実行される、放電が検出される或る動作について説明する。当該動作は、例えば、電子ビーム110を用いて試料20への描画が行われている間に実行される。
放電検出制御部31は、例えば、描画が行われている間、或る時間間隔で常に記憶部34に記憶される電圧データを読み出し、当該電圧データに基づいて、センサ32の近傍での放電が検出されるか否かを判定する。より具体的には、次の通りである。放電検出制御部31は、例えば、或る時間内におけるセンサ32の電位の最大値と最小値との差が閾値を上回るという条件が満たされた場合にセンサ32の近傍での放電が検出されたと判定し、当該条件が満たされていない場合には放電が検出されていないと判定する。あるいは、放電検出制御部31は、放電が検出されるか否かを、例えば、センサ32の電位の変動の高周波成分の解析に基づいて判定してもよい。ここでは、描画が行われている間に放電検出処理が行われる場合について説明したが、放電検出制御部31は、例えば、描画が行われている間のセンサ32の電位と時間との関係を表す電圧データに基づいて、描画後に、上述したような放電検出処理を行ってもよい。
図5は、電圧データをプロットしたグラフの一例を示す。当該グラフにおいて、横軸は時間に対応し、縦軸はセンサ32の電位に対応している。当該グラフにプロットされる電圧データでは、例えば破線で囲った部分において上記条件が満たされている。このため、放電検出制御部31により、破線で囲った部分において放電が検出されたと判定される。
[効果]
以下、例えば、絶縁ブッシュ41により奏される効果について説明するが、上述した抵抗体が絶縁ブッシュ以外の他の保持部材に用いられた場合にも、同様の説明が成り立つ。
第1実施形態の比較例に係る電子ビーム描画装置は、電子ビーム描画装置1において絶縁ブッシュ41を別の或る絶縁ブッシュに変更した構成を有している。当該絶縁ブッシュとして、例えば、比抵抗が1×1013(Ω・cm)以上である物質が用いられているものとする。
当該電子ビーム描画装置内では、電子ビームの散乱電子により当該絶縁ブッシュが帯電することがある。当該絶縁ブッシュとして上述した比抵抗の物質が用いられているので、当該絶縁ブッシュに捉えられた電子は移動できない。このため、当該絶縁ブッシュに捉えられている電子の数は次第に多くなり、当該絶縁ブッシュは放電する。
図6は、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の絶縁ブッシュ41に捉えられた電子の移動を模式的に説明するための図である。
絶縁ブッシュ41により捉えられた電子は、絶縁ブッシュ41が放電し得るほどの数の電子を捉える前に、設置部材119に移動し得る。設置部材119に移動した電子は、電子鏡筒11に移動していく。このような移動は、絶縁ブッシュ41として上述した抵抗体が用いられているため可能となる。このため、絶縁ブッシュ41は、電子ビーム110の散乱電子により帯電しても、上記比較例の場合の絶縁ブッシュと比べて放電する頻度が遥かに低い。
図7は、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30により検出された放電の回数の総和を時間軸に対してプロットしたグラフの一例を示す。当該グラフにおいて、横軸が時間を示し、縦軸が、検出された放電の回数の総和を示している。当該グラフは、例えば、センサ32近傍で絶縁物の部品を取り除きさらに他の意図しない絶縁物もできる限り存在しないようにした条件での放電の検出状況を示す。図7は、比較のため、実質的に同一の条件で第1実施形態の比較例に係る電子ビーム描画装置の放電検出部により検出された放電の回数の総和を同様にプロットしたグラフの一例も示す。
図7に示されるように、比較例の場合に放電が12回検出された時間期間で、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1では放電が1回しか検出されていない。このように放電の検出の回数が大きく異なるのは、比較例の場合の絶縁ブッシュと電子ビーム描画装置1の絶縁ブッシュ41との違いによるものである。図7の例では、絶縁ブッシュ41が例え放電していたとしても、第1実施形態の場合の放電の回数の総和は、比較例の場合の絶縁ブッシュによる放電の回数の総和の1/10以下に抑えられていたことが分かる。
このように、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30の絶縁ブッシュ41は、比較例の場合の絶縁ブッシュと比べて放電する頻度が遥かに低い。電子ビーム描画装置1は、このような絶縁ブッシュ41を用いてセンサ32が電子鏡筒11内に固定された構成を有している。このため、電子ビーム描画装置1では、放電検出部30を設けるようにしたからといって描画パターンエラー等のトラブルにつながり得る放電が実質的に増えることがない。このように設けられた放電検出部30により検出される放電は、放電検出部30の設置にかかわらず存在していた絶縁物等によるものに限られ得る。ゆえに、放電検出部30が放電を検出した場合に、当該放電の原因の箇所を予測することが容易になり得る。このような高精度な放電検出処理は、例えば電子銃111の近傍のような散乱電子が多く、故に放電が発生する頻度が高いと予想される領域内にセンサ32が配置される場合であっても行われ得る。
さらに、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置1の放電検出部30では、例えば、絶縁ブッシュ41全体の抵抗値が、センサ32に係る信号の伝送経路であるケーブル43およびケーブル44の各々の特性インピーダンスと実質的に同等である。このため、放電検出部30によると、センサ32で捉えられた信号の波形が信号処理部33に適時に正確に伝送される。したがって、信号処理部33により生成される電圧データに基づき放電に由来する電界の変動を捉える放電検出処理が、高精度かつ高速で行われ得る。
<他の実施形態>
上記では、電子ビーム描画装置の筐体内に放電検出部のセンサを固定するのに用いられる絶縁ブッシュとして、抵抗体が用いられることを説明した。同様に、電子ビーム描画装置内に従来設けられる絶縁物の部品が抵抗体で構成されるようにしてもよい。このような絶縁物の部品には、当該部品が漏れ電流を生じさせても、当該部品の周辺の各構成要素の機能に悪影響を及ぼさない箇所に配置されているものもあり得る。当該箇所に配置される絶縁物の部品が抵抗体で構成されるようにする場合、抵抗体として用いられる物質の比抵抗は上記で示した範囲の下限より小さくてもよい。あるいは、絶縁ブッシュおよび/または他の絶縁物の部品が抵抗体で構成されるようにする代わりに、絶縁ブッシュおよび/または当該部品が、例えば抵抗体の板等で隙間なく覆われるような構成が採用されてもよい。
本明細書において“接続”とは、電気的な接続のことを示しており、例えば間に別の素子を介することを除外しない。
本明細書において、同一、一致、一定、および維持等の表記は、実施形態に記載の技術を実施する際に設計の範囲での誤差がある場合も含むことを意図して用いている。また、或る電圧を印加または供給するとの表記は、当該電圧を印加または供給するような制御を行うことと、当該電圧が実際に印加または供給されることとの両方を含むことを意図して用いている。さらに、或る電圧を印加または供給することは、例えば0Vの電圧を印加または供給することを含んでいてもよい。
上記ではいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電子ビーム描画装置、10…描画部、11…電子鏡筒、12…描画室、13…描画制御部、14…高圧電源、110…電子ビーム、111…電子銃、112…照明レンズ、113…第1アパーチャ部材、114…投影レンズ、115…第1偏向器、116…第2アパーチャ部材、117…対物レンズ、118…第2偏向器、119…設置部材、121…ステージ、20…試料、30…放電検出部、31…放電検出制御部、32…センサ、33…信号処理部、34…記憶部、35…モニタ、41…絶縁ブッシュ、411…第1ブッシュ、412…第2ブッシュ、4121…円柱部、4122…円板部、42…ビス、421…ネジ部、422…頭部、43,44,45,46…ケーブル、441,442…導電体、C1,C2,C3,C4,C5,C6…コネクタ、511,512,521,522,531,541,551,561…端子。

Claims (4)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内での放電に係る第1信号を捉えるアンテナと、
    前記アンテナを前記真空容器内で保持する抵抗体と、
    前記アンテナに接続される第1端子と、
    前記真空容器に接続される第2端子と、
    前記第1端子と前記第2端子とに接続され、前記第1端子と前記第2端子との間の電位差から前記アンテナに係る第2信号を取得するように構成される信号処理部と
    を備え、
    前記抵抗体の比抵抗は、1×10から1×1011(Ω・cm)の範囲にある、
    放電検出装置。
  2. 前記信号処理部はさらに、前記第2信号に基づいて前記放電を検出するように構成される、請求項1に記載の放電検出装置。
  3. 前記抵抗体の抵抗値は、前記アンテナから前記信号処理部への信号の伝送経路の特性インピーダンスと実質的に同等である、請求項1または2に記載の放電検出装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の放電検出装置と、
    前記真空容器内で荷電粒子のビームを放出する放出源と
    を備える、荷電粒子ビーム照射装置。
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