JP2016148817A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、下記一般式(1)で表される第1の電子輸送材料および下記一般式(2)で表される第2の電子輸送材料と、を含有する感光層と、
を有する電子写真感光体である。
前記第1の電子輸送材料と、前記第2の電子輸送材料との前記感光層中の含有比率(第1の電子輸送材料/第2の電子輸送材料)が、質量比で、1/10以上10/1以下である請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある)は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層(以下、単に「感光層」と称することがある)は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、上記の一般式(1)で表される第1の電子輸送材料(以下、単に「第1の電子輸送材料」と称することがある)および上記の一般式(2)で表される第2の電子輸送材料(以下、単に「第2の電子輸送材料」と称することがある)と、を含有している。
なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
本実施形態の単層型の感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、第1および第2の電子輸送材料と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
更に、感光層の成膜性の観点から、結着樹脂として、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂及び粘度平均分子量30000以上80000以下のポリアリレート樹脂がよい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、感光体の高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥が生じ易くなることがある。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
正孔輸送材料としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の化合物が挙げられる。これらの正孔輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
本実施形態の単層型の感光層は、電子輸送材料としては、前述のとおり、一般式(1)で表される第1の電子輸送材料および一般式(2)で表される第2の電子輸送材料の両方を併用して用いる。なお、機能を損ねない範囲で、必要に応じて、その他の電子輸送材料と併用してもよい。
分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基の炭素数は、1以上4以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましい。
Ar114が示すアリール基は、前記一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17が示すアリール基と同様のものが挙げられ、アリール基が有する置換基についても同様である。
直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
L111が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
R112が示すアルキル基としては、上記R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
なお、アリール基がさらにアルキル基又はアルコキシ基で置換されていることが、溶解性の観点で好ましい。アリール基に置換されるアルキル基又はアルコキシ基としては、上記のR11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17が示すアルキル基又はアルコキシ基と同様の基が挙げられる。例えば、アルキル基又はアルコキシ基で置換されたアリール基としては、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、(p−tert−ブチルフェニル等)、メトキシフェニル基(p−メトキシフェニル基等)、エトキシフェニル基等が挙げられる。
R115が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Ar116が示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
第1の電子輸送材料のX1、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17と、第2の電子輸送材料のX2、R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27とが、それぞれ互いに同じである場合には、第1の電子輸送材料と第2の電子輸送材料との相溶性が高まり、製膜性が向上し、結晶の析出を抑制しやすくなる。
なお、電子輸送材料として、後述するその他の電子輸送材料を用いる場合は、その他の電子輸送材料を電子輸送材料全体に対して30質量%以下で併用することがよく、10質量%以下であることが好ましい。
その他の電子輸送材料の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
なお、本比率における「電子輸送材料」とは、他の電子輸送材料を併用した場合、その合計である。
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
<合成例1>
−フルオレノン骨格を有する化合物の二量体(例示化合物(2−23))の合成−
9−フルオレノン−4−カルボン酸 15gをN,N−ジメチルアセトアミド50mlに溶解後、炭酸カリウム9.25gを加え30分攪拌した。そのあと、1,12−ジブロモドデカン9.84gを加えて、80℃で3時間、加熱攪拌した。反応液を水100mlに注ぎ、析出した結晶をろ過した。
結晶をトルエン200mlに溶解し、水洗い後、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲル40gを通したのち、トルエンから再結晶して目的化合物(2−23)17gを得た。
この目的化合物(2−23)の融点を測定した結果、100℃以上101℃以下であった。赤外吸収スペクトルを図4に示す。
−フルオレノン骨格を有する化合物の二量体(例示化合物(2−7))の合成
合成例1で得られた2量体10gを酢酸エチル/トルエン=1/1の混合液100mlに加温溶解し、室温下で、マロノニトリル4.3g、ピペリジン0.3gを加えたのち、50℃で1時間、加熱攪拌した。更にトルエン100mlを加え、有機層を水洗いし、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、シリカゲル20gを通して処理し、トルエン/酢酸エチル=3/1の混合溶液から再結晶し、目的化合物(2−7)を9.9g得た。
この目的化合物(2−7)の融点を測定した結果、148℃以上152℃以下であった。赤外吸収スペクトルを図5に示す。
−フルオレノン骨格を有する化合物の二量体(例示化合物(2−19))の合成−
1,8−オクタンジオール2g、トリエチルアミン3.06gを塩化メチレン20mlに溶解した液に、9−フルオレノン−4−カルボン酸クロリド7.3gの塩化メチレン溶液50mlを15分かけて滴下した。そのまま、一晩攪拌後、析出した結晶をろ過し、順次、水、アセトンで結晶を洗浄後、テトラヒドロフランから再結晶し、目的化合物(2−19)を3.2gを得た。
この目的化合物(2−19)の融点を測定した結果、152℃以上154℃以下であった。赤外吸収スペクトルを図6に示す。
下記に示す手順で調製した感光層形成用塗布液を直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム製基体上に浸漬塗布し、135℃、1時間乾燥して、膜厚が24μmの感光体1を形成した。
表1に従って、下引層の有無、感光層形成用塗布液に用いる正孔輸送材料の種類、第1の電子輸送材料および第2の電子輸送材料の種類と含有量を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の感光体2〜13、感光体C1、C2を作製した。
なお、下引層は、下記に示す手順でアルミニウム製基体上に形成した。
電荷発生材料として、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°,16.0°,24.9°,28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン1.5質量部、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°,16.6°,25.5°,28.3°の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン1.5質量部、結着樹脂としてポリカーボネートZ樹脂49質量部、テトラヒドロフラン300質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて8時間分散した。
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBE502:信越化学工業社製)1.2質量部を添加し、2時間攪拌した。その後テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
・HT−1: 一般式(B−2)で表される化合物の例示化合物(HT−1)
・HT−2: 一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−2)
・HT−4: 一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−4)
・HT−12:一般式(B−1)で表される化合物の例示化合物(HT−12)
・第1ETM: 一般式(1)で表される第1の電子輸送材料
・第2ETM: 一般式(2)で表される第2の電子輸送材料
・2−7 : 合成例2で得られた例示化合物(2−7)
・2−19 : 合成例3で得られた例示化合物(2−19)
・2−23 : 合成例1で得られた例示化合物(2−23)
・2−13 : 一般式(2)で表される電子輸送材料の例示化合物(2−13)
・第1/第2: 第1の電子輸送材料および第2の電子輸送材料の含有比率(質量比)
(第1の電子輸送材料/2の電子輸送材料)
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
各例で得られた感光体について、気温28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管後、表面状態を目視で観察した。結果を表2に示す。
A:見た目全く問題なく良好。
B:結晶化あるいは相溶性悪化が原因とみられるムラを確認。
(画質上許容可能なレベル)
C:明らかな結晶析出による欠陥を確認。
(画質上許容できないレベル)
画像形成装置(Brother社製、HL−5440D)に外部電源を取り付ける改造を施した。この画像形成装置を用いて、室温28℃、湿度85%の環境下で、初期帯電電位700Vに帯電させ、100%黒ベタ画像を1万枚出力した後の帯電電位の降下を評価した。結果を表2に示す。
A:電位降下が40V以下で問題なし。
B:電位降下が40Vを超え80V未満で調整可能な範囲で問題なし。
C:電位降下が80V以上であり調整不可能なレベル。
得られた電子写真感光体を画像形成装置(Brother社製、HL−2240D)に搭載し、室温28℃、湿度85%の環境下で、1万枚の50%ハーフトーン画像を出力し、最後の1万枚目の画像における直径0.3μm以上の黒点発生の有無を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
A:黒点発生なし。
B:黒点が確認されるが、画質上問題なし(5個以下)。
C:黒点が多く実用上問題となる(6個以上)。
得られた実施例1の感光体1と、比較例1の感光体C1の感光層から、エンタルピー緩和量の変化について評価を行った。評価方法は以下のとおりである。
実施例1の感光体1と全く同様に作製した感光体の感光層を約3mg切り出した。これをサンプル1とする。実施例1の感光体1の黒点評価後の感光層を約3mgを切り出した。これをサンプル2とする。
次に、セイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計 DSC−6200を用い、室温から毎分10℃で昇温させてガラス転移シグナルが吸熱ピーク化するいわゆるエンタルピー緩和を測定した。エンタルピー緩和ピークは、下記図の実線と点線で囲まれた部分の面積である。このエンタルピー緩和について、前記2つのサンプルの差を求めた。
図7では、実施例1の感光体1の評価前後のエンタルピー緩和量の変化のDSCのグラフを表し、エンタルピー緩和量の変化を次式で求めた。
エンタルピー緩和量の変化=(サンプル2のエンタルピー緩和)−(サンプル1のエンタルピー緩和)=0.533446−0.314624≒0.22[mJ/mg]で求めた。
同様にして、実施例5の感光体5、比較例2の感光体C2についての評価結果を表3に示す。
以上の結果から、実施例1、5は比較例1、2に比べ、エンタルピー緩和量の変化量が小さく、膜内部に溜まった歪の変化が小さいと考えられる。そのため、実施例は比較例に比べ、感光層内でモルホロジー変化を起こしにくく、膜としてより安定であることがわかる。
Claims (4)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、下記一般式(1)で表される第1の電子輸送材料および下記一般式(2)で表される第2の電子輸送材料と、を含有する感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(1)中、X1は、酸素原子又は=C(CN)2を示す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L111−O−R112、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L111はアルキレン基を示し、R112はアルキル基を示す。)
(一般式(2)中、X2は、酸素原子又は=C(CN)2を示す。R21、R22、R23、R24、R25、R26、及びR27は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R28は、炭素数4以上20以下のアルキレン基、又は−(L221−O−L221)n−を示す。ただし、L221は炭素数1以上4以下のアルキレン基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。) - 前記第1の電子輸送材料と、前記第2の電子輸送材料との前記感光層中の含有比率(第1の電子輸送材料/第2の電子輸送材料)が、質量比で、1/10以上10/1以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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