JP2016148139A - 防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、ネットの衝撃分散性及び支柱の曲げ強度を向上させることができる防護柵を提供する【解決手段】支柱14の上端部に設けられた第一のワイヤ張設部22と、支柱14の下端部より山側に離れて設置された第二のワイヤ張設部24を備える。支柱14の下端部に設けられた第三のワイヤ張設部26と、支柱14の上端部に設けられた第四のワイヤ張設部28を備える。一端部が第一のワイヤ張設部22に固定され、中間部分が第二及び第三のワイヤ張設部24,26により摺動可能に支持され、他端部が第四のワイヤ張設部28に固定されることにより張設された主縦ワイヤロープ30を備える。ネット16は、複数の支柱14の山側に配設され、その側端部又は前記側端部と平行な中間部が、主縦ワイヤロープ30の、第一及び第二のワイヤ張設部22,24の間の部分に取り付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、山沿いの道路等を落石や雪崩等から防護するための防護柵に関する。
従来から、山腹の斜面部等に設置され、落石や積雪等を受け止めて道路等へ落下、流入するのを阻止する防護柵が知られている。例えば、特許文献1,2に開示されているように、複数の支柱間に防護ネットを張り巡らした防護柵であって、支柱の上部に防護ネットを懸架し、防護ネットの下端を斜面山側に取り付け、ネット面を支柱よりも山側に配置した衝撃吸収防護柵があった。これらの衝撃吸収防護柵は、落石等を受けて変形したネット面が谷側にはみ出しにくいので、道路に近い場所に設置しても通行車両の安全性を確保することができる。また、防護ネットの上端部だけが支柱の上部に接続されているので、防護ネットに落石等を受けたときの衝撃力により支柱に軸方向の圧縮力が加わり、支柱の中間部分の曲げ強度が向上する。したがって、防護ネットで受けた落石等の一部が支柱に衝突した場合でも、支柱の中間部が屈曲しにくいものである。
特開2003−3425号公報 特開2000−248514号公報
しかし、特許文献1,2の衝撃吸収防護柵は、防護ネットの上端部と下端部だけが固定(又は半固定)される構造なので、防護ネットの中間部に落石等を受けたとき、その衝撃力が横方向に分散しにくいものである。また、防護ネットが落石等を受けたときの衝撃力は、柔軟な防護ネットを通じて支柱に伝搬される構造なので、支柱の軸方向に作用する圧縮力はそれほど強いものではなく、支柱の曲げ強度を向上させる効果は限定的である。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、簡単な構成で、ネットの衝撃分散性及び支柱の曲げ強度を向上させることができる防護柵を提供することを目的とする。
本発明は、山間地の山側斜面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱間に亘って張設されたネットとを備える防護柵であって、前記支柱の上端部に設けられた第一のワイヤ張設部と、前記支柱の下端部より山側に離れて設置された第二のワイヤ張設部と前記支柱の下端部に設けられた第三のワイヤ張設部と、前記支柱の上端部に設けられた第四のワイヤ張設部と、前記第一、前記第二、前記第三、及び前記第四のワイヤ張設部に張設された主縦ワイヤロープとを備え、前記ネットは、前記複数の支柱の山側に配設され、その側端部又は前記側端部と平行な中間部が、前記主縦ワイヤロープの、前記第一及び第二のワイヤ張設部の間の部分に取り付けられ、前記支柱に対して山側に斜めに配置され、前記ネットにかかる力が、前記第一、前記第二、前記第三、及び前記第四のワイヤ張設部に張設された前記主縦ワイヤロープに張力として作用する防護壁である。
前記主縦ワイヤロープの一端部が前記第一のワイヤ張設部に固定され、中間部分が前記第二及び第三のワイヤ張設部により摺動可能に支持され、他端部が前記第四のワイヤ張設部に固定され、前記支柱の下端部に、前記支柱と一体の支柱ベース部材が設けられ、前記支柱ベース部材に前記第二のワイヤ張設部が設けられていることが好ましい。また、前記支柱の下端部に、前記支柱を傾倒可能にするヒンジ装置が設けられ、前記支柱の上端部が、山側の斜面との間に張設された控えロープにより支持されている構成にしてもよい。
前記主縦ワイヤロープの中間部分に、ループ状緩衝装置が設けられ、前記ループ状緩衝装置は、前記主縦ワイヤロープで形成されたループの交差部を所定の摩擦力で摺動可能に挟持する挟持部材と、そのループの中間部に前記主縦ワイヤロープに所定の摩擦力で摺動可能に保持された摺動体とで構成されていることが好ましい。
端部が互いに隣接する一対の前記第一のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間に張設された上側横ワイヤロープと、端部が互いに隣接する一対の前記第二のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間に張設された下側横ワイヤロープとを備え、前記ネットは、その上端部が前記上側横ワイヤロープに取り付けられ、その下端部が前記下側横ワイヤロープに取り付けられている構成にするのが好ましい。
さらに、互いに隣接する前記支柱の間に所定間隔で配置され、端部が前記上側及び下側横ワイヤロープに固定され、前記支柱に対して斜めに前記ネットに沿って谷側に設けられた柱状の補助縦部材を備え、前記ネットは、前記側端部と平行な中間部が前記補助縦部材に取り付けられている構成にしてもよい。
さらに、端部が互いに隣接する一対の前記第一のワイヤ張設部及び一対の前記第二のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間で前記ネットに沿ってたすき掛け状に交差して張設されたクロスワイヤロープを備え、前記ネットは、前記クロスワイヤロープの山側に配されているものである。
本発明の防護柵は、従来の衝撃吸収防護柵と同様に、ネットが支柱よりも斜面山側に配置され、落石等を受けて変形したネット面が谷側にはみ出しにくいので、道路に近い場所に設置しても通行車両の安全性を確保することができる。さらに、ネットの幅方向の複数箇所(例えば、両側端部と内側の適宜の位置)に主縦ワイヤロープが取り付けられ、各主縦ワイヤロープが対応する支柱に張設される構造なので、ネットの中間部に落石等を受けたとき、その衝撃力を横方向に分散させる効果が大きい。さらに、ネットが受けた衝撃力が効率よく主縦ワイヤロープに伝わり、主縦ワイヤロープが引き延ばされ、支柱の軸方向に強い圧縮力が作用する構造なので、支柱の曲げ強度がさらに向上する。
また、上側及び下側横ワイヤロープ、補助縦部材、並びにクロスワイヤロープを適宜設けることによって、ネットが受けた衝撃力の分散性をさらに向上させることができる。さらに、主縦ワイヤロープやクロスワイヤロープに所定のループ状緩衝装置を設けることによって、衝撃吸収性も向上させることができる。
その他、支柱の下端部と第二のワイヤ張設部を支柱ベース部材に一体に設けることによって、これらをあらかじめ工場で組み立ててから山間地の施工現場に搬送することが可能になり、現場作業者の負担を軽減することができる。
本発明の防護柵の一実施形態を山側から見た正面図(a)、ネットを省略した正面図(b)である。 図1(b)の左端の支柱の部分を拡大した正面図である。 図1(b)の左端の支柱の部分を拡大した左側面図である。 図1(b)の内側の支柱の部分を拡大した正面図である。
以下、本発明の防護柵の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の防護柵10は、山間地の道路や線路等を防護するための柵であり、落石や雪崩等発生しやすい危険箇所に沿って設置されている。
防護柵10は、図1に示すように、道路等の脇の山側斜面に沿ってコンクリート基礎12が設けられ、コンクリート基礎12の上面にほぼ均等な間隔で複数の支柱14、この実施形態では4本の支柱14が立設され、ネット16が複数のワイヤロープを用いてネット16が張設されている。ネット16は、横方向に長い1枚の金網、又は樹脂繊維製の網等である。
左端の支柱14(L)は、図2、図3に示すように、筒状の下端部に支柱ベース部材18が設けられ、ネジ締め又は溶接等により固定されている。支柱ベース部材18は、下面のアンカー20を介してコンクリート基礎12に固定されている。
支柱14(L)の上端部には、専用の金具等を取り付けることによって、第一のワイヤ張設部22が設けられている。第一のワイヤ張設部22には、ワイヤロープの端部を固定し、又はワイヤロープの中間部分を支持するためのネジやフックが設けられている。支柱ベース部材18の上面には、支柱14(L)の下端部より山側に離れた位置に、第二のワイヤ張設部24が設けられている。第二のワイヤ張設部24にも、ワイヤロープの端部等を固定し、又ワイヤの中間部分を支持するためのネジやフック等が設けられている。同様に、支柱14(L)の下端部には、第三のワイヤ張設部26が設けられ、支柱14(L)の上端部には、第四のワイヤ張設部が設けられている。なお、この実施形態では、第一のワイヤ張設部22が、第四のワイヤ張設部と兼用されているので、以下、説明を分かりやすくするため、第一のワイヤ張設部22が第四のワイヤ張設部として働くときは、これを第四のワイヤ張設部28と称して説明する。
第一乃至第四のワイヤ張設部22,24,26,28には、主縦ワイヤロープ30が張設されている。主縦ワイヤロープ30は、あらかじめネット16の一側端部に沿って取り付けられ、図3に示すように、一端部が第一のワイヤ張設部22に固定され、中間部分が第二及び第三のワイヤ張設部24,26のフックに挿通される等して摺動可能に支持され、他端部が第四のワイヤ張設部28に固定されている。
主縦ワイヤロープ30の第四のワイヤ張設部28側の端部は、巻き付けグリップ32で補強され、張力調整用のターンバックル34を介して第四のワイヤ張設部28に固定されている。また、主縦ワイヤロープ30の第一及び第二のワイヤ張設部22,24の間には、主縦ワイヤロープ30が衝撃により強く引っ張られたとき、その衝撃を吸収するためのループ状緩衝装置36が設けられている。ループ状緩衝装置36は、主縦ワイヤロープ30で描いた1回ループの交差部を所定の摩擦力で摺動可能に挟持する挟持部材36aと、主縦ワイヤロープ30が挟持部材36aを摺動してループが小さくなったときに、ループの途中で挟持部材36aに当接し、主縦ワイヤロープ30の摺動時の抵抗を増大させる摺動体36bとで構成されている。
ネット16は、主縦ワイヤロープ30が4つのワイヤ張設部22,24,26,28に張設された状態で、第一及び第二のワイヤ張設部22,24の間に配置され、支柱14に対して下端部が山側に傾斜して、斜めに張設される。
その他の支柱14(S),支柱14(R)の構成も、左端の支柱14(L)と同様であり、それぞれ、支柱ベース部材18と第一乃至第四のワイヤ張設部22,24,26,28が設けられ、第一乃至第四のワイヤ張設部22,24,26,28に主縦ワイヤロープ30が張設され、主縦ワイヤロープ30に巻き付けグリップ32、ターンバックル34及びループ状緩衝装置36が設けられている。
内側の支柱14(S)の主縦ワイヤロープ30は、ネット16の側端部と略平行な中間部に沿って取り付けられ、右端の支柱14(R)の主縦ワイヤロープ30は、ネット16の反対側の側端部に沿って取り付けられる。支柱14(S),14(R)においても、ネット16は、主縦ワイヤロープ30が4つのワイヤ張設部22,24,26,28に張設された状態で、第一及び第二のワイヤ張設部22,24の間に配置される
互いに隣接する支柱14は、図1に示すように、支柱ベース部材18同士が連結部材38で連結され、相互に固定されている。さらに、両端の支柱14(L),14(R)は、高さ方向の中間部分が筋交い状の補強部材40を介して連結部材38に固定されている。
さらに、互いに隣接する支柱14の間には、上側横ワイヤロープ42、下側横ワイヤロープ44、内側横ワイヤロープ45、及びクロスワイヤロープ46(1),46(2)が設けられている。
上側横ワイヤロープ42は、あらかじめネット16の上端部に沿って取り付けられ、一端部が左端の支柱14(L)の第一のワイヤ張設部22に固定され、中間部分が2本の支柱14(S)の第一のワイヤ張設部22のフックに挿通されて摺動可能に支持され、他端部が右端の支柱14(R)の第一のワイヤ張設部22に固定され、所定の張力で張設されている。上側横ワイヤロープ42の両端部は、それぞれ巻き付けグリップ32で補強され、張力調整用のターンバックル34を介して第一のワイヤ張設部22に固定されている。
下側横ワイヤロープ44は、あらかじめネット16の下端部に沿って取り付けられ、一端部が左端の支柱14(L)のベース部材18に設けられた第二のワイヤ張設部24に固定されている。下側横ワイヤロープ44の中間部分は、2本の支柱14(S)のベース部材18の第二のワイヤ張設部24のフックに挿通されて摺動可能に支持され、他端部が右端の支柱14(R)のベース部材18の第二のワイヤ張設部24に固定され、所定の張力で張設されている。
内側横ワイヤロープ45は、あらかじめネット16の中間部に、上側及び下側横ワイヤロープ42,44と略平行に取り付けられ、各支柱14から山側に離れてネット16に沿って設けられている。内側横ワイヤロープ45の両端部は、両側の支柱14(L) (R)の各主縦ワイヤロープ30に、クリップ等で接続され、所定の張力で張設されている。
クロスワイヤロープ46(1)は、ネット16の面に沿ってネット16の谷側に配され、図1(b)に示すように、一端部が左端の支柱14(L)の第二のワイヤ張設部24に固定され、中間部分が隣の支柱14(S)の第一のワイヤ張設部22のフックとさらに隣の支柱14(S)の第二のワイヤ張設部24のフックに挿通されて摺動可能に支持され、他端部が右端の支柱14(R)の第一のワイヤ張設部22に固定され、所定の張力で張設されている。他方のクロスワイヤロープ46(2)は、ネット16の谷側に配され、一端部が左端の支柱14(L)の第一のワイヤ張設部22に固定され、中間部分が隣の支柱14(S)の第二のワイヤ張設部24のフックとさらに隣の支柱14(S)の第一のワイヤ張設部22のフックに挿通されて摺動可能に支持され、他端部が右端の支柱14(R)の第二のワイヤ張設部24に固定され、所定の張力で張設されている。クロスワイヤロープ46(1),46(2)は、たすき掛け状に張設されて広いネット16の面を谷側から支持する働きをするので、他のワイヤロープよりも太い鋼線により構成することが望ましい。また、クロスワイヤロープ46(1),46(2)の両端部には、上記と同様のループ状緩衝装置36がそれぞれ設けられている。
さらに、互いに隣接する支柱14の間をほぼ均等間隔で区切るように、柱状の補助縦部材48が、支柱14に対して斜めに、ネット16の谷側の面に沿って複数本設けられている。補助縦部材48は、鉄板や鉄棒を加工して成り、あらかじめまたはネット16の張設後ネット16の側端部と略平行な中間部に沿って取り付けられ、端部が上側及び下側横ワイヤロープ42,44に固定されて架設されている。
次に、防護柵10が山側から落石等を受けたときの動作について説明する。ネット16の特定部分に落石等が衝突すると、その衝撃力によって、ネット16の特定部分が谷側に変形し、この変形による張力が付近の各ワイヤロープ30,42,44,45,46(1),46(2),48に作用し、各ワイヤロープが谷側に向かって引き延ばされる。さらに各ワイヤロープの変形による張力がネット16の他の部分(上記の特定部分から離れた部分)に作用し、落石等の衝撃力が防護柵10に広く分散される。他方、特許文献1,2の衝撃吸収防護柵の場合、防護ネットの上端部と下端部だけが固定される構造なので、防護ネットの特定部分の変形による張力が横方向に伝わりにくい。また、この防護柵10は、クロスワイヤロープ46(1),46(1)は、特定の支柱14に作用する衝撃力を他の支柱14に分散させる働きもする。
さらに、図3から分かるように、各支柱14の主縦ワイヤロープ30が谷側に引き延ばされると、支柱14の上端部の第一、第四のワイヤ張設部22,28と下端部の第三のワイヤ張設部26により、支柱14が軸方向に強く圧縮されるので、支柱14の曲げ強度が向上する。したがって、落石等が支柱14にも衝突した場合、支柱14が中間部で屈曲しにくい。この点、特許文献1,2の衝撃吸収防護柵の場合は、防護ネットの特定部分の変形による張力が、柔軟な防護ネットを通じて支柱上端部に伝搬されるとともに支柱下端部から離れた位置の防護ネット下端部間にかかる構造なので、支柱には山側に曲げ方向の力が掛かり、軸方向に作用する圧縮力が相対的に小さくなる。従って、支柱の曲げ強度を向上させる効果は限定的である。
落石等を受けたときの衝突力を吸収する動作は、まず、ネット16が変形しつつ引き延ばされる際、ネット16の変形に対する抵抗によって衝撃力が吸収される。さらに、ネット16が変形することによって主縦ワイヤロープ30及びクロスワイヤロープ46(1),46(2)に強い張力が加わり、ループ状緩衝装置36が動作することによって衝撃力が吸収される。各ワイヤロープ30,46(1),46(2)は、ループ状緩衝装置36の挟持部材36aにより所定の摩擦力でループ状に保持されているので、各ワイヤロープ30,46(1),46(2)にかかる張力が挟持部材36aでの静止摩擦による抵抗を超えると、ループが縮小するように各ワイヤロープ30,46(1),46(2)が摺動し始め、摺動に対する抵抗力により衝撃力の吸収が開始する。一旦各ワイヤロープ30,46(1),46(2)が摺動しだすと、静止摩擦力よりも動摩擦力の方が小さいため、この部分での抵抗力が低下するが、その後、ループの中間に設けられた摺動体36bが挟持部材36aに当接すると、摺動体36aと各ワイヤロープ30,46(1),46(2)との間の摩擦抵抗が加わり、衝撃力に対する抵抗力が大きくなり、緩衝効果が増大する。また、支柱14に落石等が衝突したとき等も、クロスワイヤロープ46(1),46(1)に強い張力が加わり、ループ状緩衝装置36が動作することによって衝撃力が吸収される。
特に、第二のワイヤ張設部24は、支柱14と一体のベース部材18に固定され、谷側に移動せず、ネット16と各ワイヤロープ30,46(1),46(2)が谷側に膨らむことにより、主縦ワイヤロープ30に加わる張力が第一乃至第四のワイヤ張設部22,24,26,28を介して、各支柱14に軸方向の圧縮力として直接的且つ効果的に作用する。
以上説明したように、防護柵10によれば、ネット16が支柱よりも斜面山側に配置され、落石等を受けて変形したネット面が谷側にはみ出しにくいので、道路に近い場所に設置しても通行車両の安全性を確保することができる。さらに、ネット16の幅方向の複数箇所(両側端部と内側の2箇所)に主縦ワイヤロープ30が取り付けられ、各主縦ワイヤロープ30が対応する支柱14に張設される構造なので、ネット16の特定位置に落石等を受けたとき、その衝撃力を横方向に分散させる効果が大きい。また、上側及び下側横ワイヤロープ42,44、内側横ワイヤロープ45、クロスワイヤロープ46(1),46(2)、及び補助縦部材48が設けられているので、ネット16が受けた衝撃力の分散性が非常に高い。さらに、主縦ワイヤロープ30やクロスワイヤロープ46(1),46(2)にループ状緩衝装置36が設けられているので、衝撃吸収性も高い。
さらに、ネット16が受けた衝撃力が効率よく主縦ワイヤロープ30に伝わり、主縦ワイヤロープ30が引き延ばされ、支柱14の軸方向に強い圧縮力が作用するので、支柱14の曲げ強度が強くなり、緩衝効果とともにより確実に落石等のエネルギーを吸収して有効に防護機能を発揮する。
また、支柱14の下端部と第二のワイヤ張設部24を支柱ベース部材18に一体に設ける構造なので、これらをあらかじめ工場で組み立ててから山間地の施工現場に搬送することが可能になり、現場作業者の負担を軽減することができる。
なお、本発明の防護柵は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、支柱は、支柱ベース部材を設けずに、直接コンクリート基礎に埋設してもよい。また、支柱の下端部に支柱を傾倒可能にするヒンジ装置を設け、支柱の上端部を、山側の斜面との間に張設された控えロープにより支持する構造にしてもよく、これによって、支柱を傾倒させる衝撃に対する緩衝性を向上させることができる。
上記実施形態では、ネットの衝撃分散性を向上させるため、柱状の補助縦部材が設けられているが、これを補助縦ワイヤロープに置き換えても、同様の作用効果を得ることができる。また、緩衝分散性が十分なときは(例えば、ネットの面積が比較的小さいとき等)、クロスワイヤロープ、補助縦部材を選択的に省略してコストダウンを図ってもよい。また、各ワイヤロープに設けられているループ状緩衝装置も、必要に応じて省略することができる。
上記実施形態では、支柱上端部の第一のワイヤ張設部と第四のワイヤ張設部を隣接させて兼用しているが、第一及び第四のワイヤ張設部を別々の位置に設けてもよい。各ワイヤ張設部は、支柱や支柱ベース部材に専用の金具を取り付けることによって設けているが、支柱や支柱べ―ス部材の一部として一体に形成してもよく、支柱ベース部材を設けない場合は、例えば、第二のワイヤ張設部をコンクリート基礎の上面に設置するとよい。
主縦ワイヤロープの張設は、上記実施形態のように張設する他、主縦ワイヤロープの両端部を、第一乃至第四のワイヤ張設部のいずれかの一カ所に連結し、他のワイヤ張設部には摺動可能に挿通させて張設しても良い。また、主縦ワイヤロープの両端部を第二のワイヤ張設部と第三のワイヤ張設部に連結し、他のワイヤ張設部には摺動可能に挿通させて張設しても良く、主縦ワイヤロープの両端部を互いに連結して、第一乃至第四のワイヤ張設部に摺動可能に挿通しても良い。
その他、ネットの大きさや支柱の本数は、防護柵の用途に応じて適宜設定されるものであり、ネットの素材やワイヤロープ、クロスワイヤの素材や径についても同様である。また、ネットは、その側縁部又は側端部と平行な中間部が、第一及び第二のワイヤ張設部の間の部分だけでなく、第二及び第三のワイヤ張設部の間の部分まで連続させてもよい。
10 防護柵
14(14(L),14(S),14(R)) 支柱
16 ネット
18 支柱ベース部材
22 第一のワイヤ張設部
24 第二のワイヤ張設部
26 第三のワイヤ張設部
28 第四のワイヤ張設部
30 主縦ワイヤロープ
36 ループ状緩衝装置
36a 挟持部材
36b 摺動体
42 上側横ワイヤロープ
44 下側横ワイヤロープ
46(1),46(2) クロスワイヤロープ
48 補助縦部材

Claims (7)

  1. 山間地の山側斜面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱間に亘って張設されたネットとを備える防護柵において、
    前記支柱の上端部に設けられた第一のワイヤ張設部と、前記支柱の下端部より山側に離れて設置された第二のワイヤ張設部と、前記支柱の下端部に設けられた第三のワイヤ張設部と、前記支柱の上端部に設けられた第四のワイヤ張設部と、前記第一、前記第二、前記第三、及び前記第四のワイヤ張設部に張設された主縦ワイヤロープとを備え、
    前記ネットは、前記複数の支柱の山側に配設され、その側端部又は前記側端部と平行な中間部が、前記主縦ワイヤロープの、前記第一及び第二のワイヤ張設部の間の部分に取り付けられ、前記支柱に対して山側に斜めに配置され、
    前記ネットにかかる力が、前記第一、前記第二、前記第三、及び前記第四のワイヤ張設部に張設された前記主縦ワイヤロープに張力として作用することを特徴とする防護壁。
  2. 前記主縦ワイヤロープの一端部が前記第一のワイヤ張設部に固定され、中間部分が前記第二及び第三のワイヤ張設部により摺動可能に支持され、他端部が前記第四のワイヤ張設部に固定され、
    前記支柱の下端部に、前記支柱と一体の支柱ベース部材が設けられ、前記支柱ベース部材に前記第二のワイヤ張設部が設けられている請求項1記載の防護柵。
  3. 前記支柱の下端部に、前記支柱を傾倒可能にするヒンジ装置が設けられ、前記支柱の上端部が、山側の斜面との間に張設された控えロープにより支持されている請求項1又は2記載の防護柵。
  4. 前記主縦ワイヤロープの中間部分に、ループ状緩衝装置が設けられ、前記ループ状緩衝装置は、前記主縦ワイヤロープで形成されたループの交差部を所定の摩擦力で摺動可能に挟持する挟持部材と、そのループの中間部に前記主縦ワイヤロープに所定の摩擦力で摺動可能に保持された摺動体とで構成されている請求項1又は2記載の防護柵。
  5. 端部が互いに隣接する一対の前記第一のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間に張設された上側横ワイヤロープと、端部が互いに隣接する一対の前記第二のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間に張設された下側横ワイヤロープとを備え、
    前記ネットは、その上端部が前記上側横ワイヤロープに取り付けられ、その下端部が前記下側横ワイヤロープに取り付けられている請求項1乃至4のいずれか記載の防護柵。
  6. 互いに隣接する前記支柱の間に所定間隔で配置され、端部が前記上側及び下側横ワイヤロープに固定され、前記支柱に対して斜めに前記ネットに沿って前記ネットの谷側に設けられた柱状の補助縦部材を備え、
    前記ネットは、前記側端部と平行な中間部が前記補助縦部材に取り付けられている請求項5記載の防護柵。
  7. 端部が互いに隣接する一対の前記第一のワイヤ張設部及び一対の前記第二のワイヤ張設部に固定又は支持されることにより、前記複数の支柱の間で前記ネットにたすき掛け状に交差して張設されたクロスワイヤロープを備え、
    前記ネットは、前記クロスワイヤロープの山側に配されている請求項1乃至6のいずれか記載の防護柵。
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