JP4549427B1 - 防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計強度の低い支柱を用いることができ、且つ防護機能を確保することができる支柱構造を備えた防護柵を提供する。
【解決手段】左右に間隔をおいて支柱3,3を立設すると共に、支柱3,3間に網体4を設ける。地面2にベース部6を設け、このベース部6に支柱3の下部を位置決め状態で該支柱3の上部を360度揺動可能に設け、支柱3の上部と地面2の山側とを控えロープ材32により連結する。支柱3を剛結した場合に比べて、支柱3下部に加わる曲げモーメントが小さくなり、強度の低い支柱3を用いることができ、また、支柱3のための基礎も小さくできる。また、支柱3の上方への移動を規制する規制手段を備えるから、挿入受部12に挿入した支柱3下部を抜け止め状態でベース部6に結合できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、防護柵に関する。
従来、この種の支柱構造を用いる防護体の一例として、斜面と道路との境界に設けた基礎コンクリートと、この基礎コンクリートに所定の間隔で設置した支柱と、これら支柱の間に帯状に張り巡らせた防護ネットとからなる防護柵(例えば特許文献1)が知られている。
また、所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を設け、各支柱間を水平ロープ材に掛止させたワイヤ製のネットで遮蔽した防護柵(例えば特許文献2)や、各支柱間にコンクリート製や金属製などからなる横杆を多段に設けた防護柵や、前記支柱の上部と支柱前側の斜面とを控えロープ材により連結した防護柵(例えば特許文献3)などが知られている。この特許文献3の防護柵では、水平ロープ材を一定の摩擦力で保持する緩衝部により、落石の衝撃力吸収効果を得ることができるが、現場で緩衝部を上段に設ける場合、足場などが必要となり、現場での作業が煩雑になる面がある。
さらに、基礎コンクリート上に所定の間隔で立設した支柱間にワイヤーロープやネットを張り巡らし、支柱の上部とアンカーとの間に控えロープを接続した衝撃吸収柵において、支柱上部又は控えロープの途中又は控えロープとアンカーの間に、控えロープの摺動を許容可能に把持する緩衝具を設け、前記支柱の下部をヒンジを介して枢支して支柱に曲げモーメントを伝達することなく傾倒可能に構成した衝撃吸収柵(例えば特許文献4)が提案されている。
特開2003−3425号公報 特開平6−173221号公報 特開2000−273827号公報(図4) 特開平11−315512号公報
上記特許文献1の防護柵では、基礎コンクリートを設けるために、大掛かりな土木作業が必要となる。
一方、上記特許文献2及び3において、支柱下部を地中に建て込めことにより、支柱の基礎構造を簡略化あるいは不要とすることができる。
しかし、それら特許文献1〜3の防護柵では、支柱を基礎に剛結した構造であるから、落石などの衝撃力により発生する曲げモーメントに対して、支柱の耐力により対抗するため、大型で高強度の支柱が必要となる。
これに対して、特許文献4の防護柵では、支柱下部の枢軸を中心に支柱を傾動可能に設けることにより、支柱に曲げモーメントを伝達することなく、支柱の低強度の設計を可能とする、と記載されている。
ところで、前記支柱は枢軸を中心にして前後方向に傾動するが、例えば、支柱間に落石を受けた場合では、前後方向に対して斜めに支柱を倒す力が加わるため、枢軸回りに無理な力が加わり、破損する虞がある。
また、特許文献4の防護柵では、控えロープに緩衝具を設け、所定以上の衝撃力が加わると、控えロープが緩衝具において摺動し、支柱が傾動するように構成しているため、支柱が倒れると、落石や雪崩を止めることができなくなるという問題がある。
そこで、本発明は、設計強度の低い支柱を用いることができ、且つ支柱が傾動しても防護機能を確保することができる支柱構造を備えた防護柵を提供することを目的とする。
本発明は、左右に間隔をおいて支柱を立設すると共に、前記支柱間に防護面を設けた防護柵において、設置場所にベース部を設け、このベース部に前記支柱の下部を位置決め状態で該支柱を360度揺動可能に設け、前記支柱の上部と前記設置場所の山側とを控えロープ材により連結したことを特徴とする。
上記構成によれば、支柱の下部がベース部に位置決めされ、支柱の上部が控えロープ材に支持され、防護柵に加わる荷重に対抗することができ、さらに、支柱を360度揺動可能に設けることにより、支柱の下部に曲げモーメントが発生しないと共に、支柱全体に曲げモーメントが発生せず、支柱を剛結した場合に比べて、設計強度の低い支柱を用いることができる。
また、本発明は、前記支柱の上方への移動を規制する規制手段を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、挿入受部に挿入した支柱下部を抜け止め状態でベース部に結合できる。
また、本発明は、前記規制手段は、前記ベース部に接続した接続ロープ材と、この接続ロープ材を所定の摩擦力で固定する摩擦固定具と、この摩擦固定具を前記支柱に係止する係止部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、支柱を倒す力により接続ロープ材に所定以上の引張力が加わると、固定具に対して接続ロープ材が摩擦摺動し、支柱の傾動を許容される。
また、本発明は、前記支柱の外周に前記係止部を設け、前記支柱を挿通した前記接続ロープ材の端部を前記摩擦固定具により所定の摩擦力で固定し、その摩擦固定具を前記係止部に係止したことを特徴とする。
上記構成によれば、緩衝具を支柱の上部に設ける場合に比べて、緩衝具の取付作業性を向上することができる。
また、本発明は、前記ベース部に、前記支柱の下部を挿入する挿入受部を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、挿入受部に挿入した支柱下部を支点として支柱が傾動することができる。また、支柱下部が挿入受部によりベース部に位置決めされる。
また、本発明は、前記挿入受部に前記支柱下部の外面が当接する弾性部材を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、弾性部材が収縮することにより、支柱が無理なく傾動できる。
上記構成によれば、支柱の下部が360度傾動可能なヒンジ結合となっているため、設計強度の低い支柱を用いることができ、且つ支柱が傾動しても防護機能を確保することができる防護柵を提供することができる。
本発明の実施例1の防護柵を示す側面図である。 同上、正面図である。 同上、ベース部の平面図である。 同上、ベース部の側面図である。 同上、支柱の断面図である。 同上、アンカー基部の平面図である。 同上、アンカー基部の断面図である。 同上、ワイヤクリップの正面図である。 同上、摩擦固定具の断面図である。 本発明の実施例2の支柱の断面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な防護柵を採用することにより、従来にない防護柵が得られ、その防護柵について記述する。
以下、本発明の実施例1について、図1〜図9を参照して説明する。図1に示すように、落石,雪崩,崩壊土砂等の防護体である防護柵1は、設置場所である地面2に所定間隔を置いて複数の支柱3,3…を立設し、これら左右方向に並んだ前記支柱3,3…の間に、可撓性を有する防護面たる網体4を設けている。尚、前記地面2は斜面であり、前記支柱3として断面円形の鋼管などが例示される。また、前記地面2に一対のアンカー5,5によりベース部6を固定し、このベース部6に前記支柱を360度揺動可能に設けている。前記アンカー5,5は山側に向って左右に並んで配置されている。
図3及び図4に示すように、前記ベース部6は、板状のベース本体11の上面に前記支柱3の下部を挿入する挿入受部12を設け、この挿入受部12は、円筒体を複数に分割した分割筒体13,13…を備え、これら分割筒体13,13…の間には隙間14が設けられ、それら分割筒体13,13…の内面は基準円K上に位置する。前記複数の分割筒体13,13…の内面には、弾性部材たるネオプレンゴム15がそれぞれ設けられ、これらネオプレンゴム15の内面は前記基準円Kと同心の円上に位置し、それらネオプレンゴム15内に前記支柱3の下部が挿入される。また、前記各分割筒体13の外周には、複数の補強リブ16が固定され、この補強リブ16はベース本体11の上面に固定されている。そして、前記隙間14により支柱3の傾動がスムーズに行われると共に、その隙間14から水抜きすることができる。
尚、一体物のネオプレーンゴム15をリング状にして分割筒体13,13…の内面に設けてもよく、この場合は、隙間14の位置において、ネオプレーンゴム15に水抜き孔を穿設すればよい。
分割筒体13の高さは、前記支柱3の傾動を許容するように該支柱3の半径寸法以上、直径寸法以下程度である。この場合、分割筒体13の高さが支柱3の半径寸法未満では、分割筒体13から支柱3が抜ける虞があり、一方、直径寸法を越えると、拘束力が大きくなる虞があるから、上記範囲が好ましい。また、弾性部材の内面が位置する円の直径は、前記支柱3の外径より僅かに大きく、例えば、3〜10mm程度大きい。
図5などに示すように、前記挿入受部12の中心で、前記ベース本体11には、接続部たる接続リング17が突設され、この接続リング17は前記ベース本体11の中心孔17Aに固定され、前記接続リング17を挟む両側に、前記アンカー5,5を接続する接続孔18,18を設けられ、これらアンカー5,5によりベース部6が地面2に固定されている。前記支柱3は中空の鋼管などからなり、その支柱3の上端に、係止部たる蓋20を設け、前記支柱3内にワイヤーロープなどのロープ材21を配置し、このロープ材21を前記接続リング17に挿通して折り返し、この折り返し部21Aを前記接続リング17に係止し、その両端部21T,21Tを前記蓋20から上部に挿通し、それらロープ材21の両端部21T,21Tを、摩擦固定具たる緩衝具22により所定の把持力で把持し、その緩衝具22が前記蓋20に係止する。そして、前記ロープ材21及び緩衝具22などのより、支柱3の上方への移動を規制する規制手段28を構成している。
図9などに示すように、前記緩衝具22は、2つの挟持体23,23と、締付用のボルト24及びナット24Aなどの締め具25で構成するものが例示される。前記端部21T,21Tをそれぞれ収納する二つの溝26,26を、前記挟持体23,23に刻設し、それら溝26,26に端部21T,21Tが収納されるように、挟持体23,23を端部21T,21Tの両側から挟み、該挟持体23,23の貫通孔27,27に前記ボルト24を挿通してナット24Aで締め付け、それら端部21T,21Tを把持する。そして、ボルト24,ナット24Aの締付力によって端部21T,21Tの挟持力(圧着力)を調整できるようになっている。また、端部21T,21Tが摺動できるだけの余長部を突き出しておく。ボルト24及びナット24Aで端部21T,21Tを所定の摩擦力で把持し、落石などにより支柱3を倒す力が加わり、これによりロープ材21に設定以上の張力が作用したときに、端部21T,21T,32T,32Tの摺動を許容するものである。このように緩衝具22を設けることにより、支柱3を倒す力が所定以上になると、端部21T,21Tが緩衝具23に対して摺動するので、支柱3が傾動して、衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。尚、ロープ材21が接続ロープ材である。
図1に示すように、前記支柱3の山側には、アンカー基部31が設けられ、このアンカー基部31と前記支柱3の上部とを斜めロープ材32により接続している。図6及び図7に示すように、前記アンカー基部31は、板状のベース本体33を有し、このベース本体33の中央に前後方向の長孔34を穿設し、この長孔34を跨ぐように前記ベース本体33の上面に、鋼製丸棒などからなる連結材35を溶接などにより固着する。また、前記連結材35の両端に前後方向の縦リブ36,36を設け、この縦リブ36,36を前後から挟むように横リブ37,37を設け、それら縦,横リブ36,36,37,37はベース本体33に溶着などにより固定され、前記連結材35の両端は縦リブ36,36に溶着などにより固定されている。また、反山側の前記横リブ37には、複数の前後方向接続リブ38,38,38が溶着などにより固定され、これら接続リブ38,38,38はベース本体33に溶着などにより固定され、中央の前記接続リブ38に接続孔39が穿設され、この接続孔39に下ロープ材40の輪部40Aが接続される。
また、前記アンカー基部31の前記本体33には、図6に示すように、アンカー41,41を接続する接続孔42,42を穿設し、前記アンカー41,41は前記連結材35を挟む左右に配置され、それらアンカー41,41によりアンカー基部31が前記支柱3の山側の地面2に固定されている。
そして、前記控えロープ材32の山側端には、輪部32Aを形成し、この輪部32Aの内側に補強材たるシンブル32Bを設け、前記輪部32Aに前記連結材35を挿入してアンカー基部31に控えロープ材32を連結している。
このように前記アンカー基部31では、図7に示したように、本体33の上面に連結材35を固着し、この連結材35の下部に、前記輪部32Aの一部を挿入する長孔34を設けることにより、控えロープ材32を地面2に近い位置で連結することができ、アンカー41の上部に加わる曲げモーメントを軽減できる。
前記支柱3の上部には、控えロープ材32の接続部51が設けられている。この接続部51は、支柱3に上下の貫通孔52,52を穿設し、これら貫通孔52,52に鉄筋などの棒材53,53をそれぞれ挿入し、支柱3から突出した棒材53の両端に割りピン54を挿入して抜け止め状態とし、上下の棒材53,53間で、控えロープ材32の輪部32Aに支柱3を挿入して掛装する。したがって、輪部32Aが上下の棒材52,52間で位置決めされる。
また、図5などに示すように、前記支柱3の下部には、控えロープ材32の接続部51Aが設けられている。この接続部51Aは、支柱3の下部に貫通孔52を穿設し、この貫通孔52に鉄筋などの棒材53を挿入し、支柱3から突出した棒材53の両端に割りピン54を挿入して抜け止め状態とし、上の棒材53と前記アンカー基部31間で、前記下ロープ材40の輪部40Aに支柱3を挿入して掛装する。したがって、輪部40Aが上,下の棒材52とアンカー基部31の間で位置決めされる。尚、下ロープ材40は地面2と略平行に張設されている。
また、図2に示すように、両端の支柱3,3の左右方向外側には、前記アンカー基部31を前記アンカー41により固定し、前記支柱3上部の接続部51に、側部控えロープ材61の一端の輪部61Aを連結し、その側部控えロープ材61の他端の輪部61Aをアンカー基部31の連結材35に連結し、支柱3の上部と側部のアンカー基部31とを側部控えロープ材61を連結する。尚、前記一端の輪部61Aの内側に補強材たるシンブル61Bが設けられている。
さらに、側部下ロープ材62の一端の輪部62Aを、前記支柱3下部の接続部51Aに連結し、その側部下ロープ材62の他端の輪部62Aをアンカー基部31の接続孔39に連結し、支柱3の下部と側部のアンカー基部31とを側部下ロープ材62を連結する。尚、前記一端の輪部62Aの内側に補強材たるシンブル62Bが設けられている。また、下ロープ材62は地面2と略平行に張設されている。
前記支柱3,3,3の上下には、上,下横ロープ材71,72が張設され、端部の支柱3,3には、縦方向の縁辺ロープ材73,73が張設され、それら上,下横ロープ材71,72及び縁辺ロープ材73,73に前記網体4の周囲が固定されている。また、前記網体4には、予め撓み74を設けておく。この撓み74は、反山側に網体4が凸となるように形成されている。また、上,下横ロープ材71,72及び縁辺ロープ材73にも撓み74を設ける。
前記撓み74の撓み量δは、支柱3,3間の距離の5〜10%程度とすることが好ましい。このように撓み量δを5〜10%程度とすることにより、網体4,上,下横ロープ材71,72及び縁辺ロープ材73に発生する張力を20パーセント程度軽減することができる。
次に、前記構成につき、その作用を説明すると、防護柵1に落石や雪崩などの衝撃力が加わり、支柱3を倒そうとする力が加わると、この力に対して控えロープ材32が対抗し、控えロープ材32が伸び、支柱3を倒す力により、支柱3内部のロープ材21に所定以上の張力が発生すると、ロープ材21の端部21Tが緩衝具20に対して摺動し、支柱3が傾動する。
この場合、支柱3の下部がヒンジ結合されているため、支柱3の下部に大きな曲げモーメントが発生することがない。また、支柱3が傾動することにより、前記衝撃力を吸収することができる。しかも、支柱3が360度傾動可能であるから、落石などの場合、防護柵1のどこに衝撃力を受けても、その衝撃力を吸収するように支柱3が傾動することができる。
また、支柱3に発生する曲げモーメントを低減できるから、支柱3からベース部6に加わる力も小さくなり、大型の基礎などを用いることなく、比較的小さなアンカー5,5により支柱3を支持することができる。そして、アンカー5が小さくて済むから、アンカー用のボーリングも大型化することがない。
このように本実施例では、左右に間隔をおいて支柱3,3を立設すると共に、支柱3,3間に防護面たる網体4を設けた防護柵において、設置場所たる地面2にベース部6を設け、このベース部6に支柱3の下部を位置決め状態で該支柱3の上部を360度揺動可能に設け、支柱3の上部と地面2の山側とを控えロープ材32により連結したから、支柱3を剛結した場合に比べて、支柱3下部に加わる曲げモーメントが小さくなり、強度の低い支柱3を用いることができ、また、支柱3のための基礎も小さくできる。
また、このように本実施例では、支柱3の上方への移動を規制する規制手段28を備えるから、挿入受部12に挿入した支柱3下部を抜け止め状態でベース部6に結合できる。
また、このように本実施例では、規制手段28は、ベース部6に接続した接続ロープ材21と、この接続ロープ材21を所定の摩擦力で固定する摩擦固定具たる緩衝具22と、この緩衝具22を支柱3に係止する係止部たる蓋20とを備えるから、支柱3を倒す力により接続ロープ材21に所定以上の引張力が加わると、緩衝具22に対して接続ロープ材21が摩擦摺動し、支柱3の傾動を許容される。
また、このように本実施例では、ベース部6に、支柱3の下部を挿入する挿入受部12を設けたから、挿入受部12に挿入した支柱3下部を支点として支柱3が傾動することができる。また、支柱3下部が挿入受部12によりベース部6に位置決めされる。
また、このように本実施例では、挿入受部12に支柱3下部の外面が当接する弾性部材たるネオプレンゴム15を設けたから、ネオプレンゴム15が収縮することにより、支柱3が無理なく傾動できる。
また、実施例上の効果として、本体33の上面に連結材35を固着し、この連結材35の下部に、前記輪部32Aの一部を挿入する長孔34を設けることにより、控えロープ材32を地面2に近い位置で連結することができ、アンカー41の上部に加わる曲げモーメントを軽減できる。さらに、接続部51,51Aは、支柱3の貫通孔52に棒材53を抜け止め状態に連結したものであるから、ロープ材の接続構造を簡略化できる。さらに、網体4に予め撓み74を設けておくことにより、網体4の周囲の上横ロープ材71,下横ロープ材72及び縁辺ロープ材73から支柱3に加わる引張力が軽減され、落石衝撃力または雪圧などが作用した際、支柱3に加わる力を軽減できる。
図10は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。同図は、規制手段28の変形例を示し、支柱3の谷側外面にブラケット81を設け、このブラケット81には係止部たる支持板82を設け、この支持板82の上部に前記緩衝具22を載置状態で配置し、前記ロープ材21の端部21T,21Tを支柱3の貫通孔83に挿通し、前記支持板82上の緩衝具22により把持している。尚、支持板82には前記端部21T,21Tを挿通する挿通孔が穿設されている。また、支持板82の上面82Aは前記ロープ材21と略90度の交差方向をなしているから、支持板82により緩衝具22を確実に支持することができる。
そして、前記支柱3の高さが3メートル以上程度として、前記支持板82の高さ位置は、地面2から0.5〜1.5メートル(0.5メートル以上、1.5メートル以下)、好ましくは0.8〜1.0メートルであるから、作業者が手元の高さ位置で緩衝具22の作業を行うことができる。この場合、平均身長が略171センチメートルの作業員10名にアンケート調査を行い、作業性が良好、やや良好、やや不良の3択を選択した結果、地面2から0.8〜1.0メートルの場合、全員が作業性が良好、0.5〜1.5メートルの場合、8名が作業性が良好、2名がやや良好という評価が得られた。
また、端部21Tを引っ張ると、支柱3を谷側に倒そうとする力が加わるが、支柱3と山側との間には控えロープ材32が設けられているから、支柱3が他側に倒れることがない。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用効果を奏する。
また、このように本実施例では、支柱2の外周に係止部たる支持板82を設け、支柱3を挿通した接続ロープ材21の端部21T,21Tを摩擦固定具たる緩衝具22により所定の摩擦力で固定し、その緩衝具22を支持板82に係止したから、緩衝具22を支柱3の上部に設ける場合に比べて、緩衝具22の取付作業性を向上することができる。
また、実施例上の効果として、支柱3の外側で、控えロープ材32の反対側である谷側に支持板82を設けたから、端部21Tを引っ張ると、支柱3を谷側に倒そうとする力が発生し、この接続ロープ材21により支柱3を谷側に倒そうとする力と、支柱3と山側との間に設けた控えロープ材32の張力により支柱3を山側に倒そうとする力と、を釣合わせることができるから、必要に応じて、従来より大きな張力を控えロープ材32に設定することもできる。
尚、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、断面円形の支柱を例示したが、断面角型でもよい。また、実施例では、側部下ロープ材を用いたが、条件によっては側部下ロープ材を用いなくてもよい。また、支柱と摩擦固定具との間に他の部材を介在して摩擦固定具を支柱に係止してもよい。さらに、ベース部6を固定するアンカーの本数や配置は適宜選定可能であり、例えば、ベース部6の中心にアンカーを設け、このアンカーの上部に前記接続リング17を固定するようにしてもよい。また、ベース本体31と控えロープ材32の間と、ベース本体31と控えロープ材61との間のいずれか一方又は両方に、緩衝具22を装着してもよく、この場合、控えロープ材32,61の途中を分割して重合部を形成し、その分割した端部を前記挟持体23により挟持するようにすればよく、控えロープ材32,61に所定以上の張力が加わると、前記端部が摩擦摺動して衝撃力を吸収することができる。
さらに、請求項1〜においては、ベース部に挿入受部を設けなくてもよく、この場合は支柱の下端をベース部に載置すればよい。また、摩擦固定具を係止部に固定する必要はなく、係止部は、接続ロープ材に張力が発生した場合に、摩擦固定具の移動を規制するものであればよい。
1 防護柵
2 地面(設置場所)
3 支柱
4 網体(防護面)
5 アンカー
6 ベース部
11 ベース本体
12 挿入受部
13 分割筒体
15 ネオプレンゴム(弾性部材)
20 蓋(係止部)
21 接続ロープ材
22 緩衝具(摩擦固定具)
28 規制手段

Claims (4)

  1. 左右に間隔をおいて支柱を立設すると共に、前記支柱間に防護面を設けた防護柵において、設置場所にベース部を設け、このベース部に前記支柱の下部を位置決め状態で該支柱を360度揺動可能に設け、前記支柱の上部と前記設置場所の山側とを控えロープ材により連結し、
    前記支柱の上方への移動を規制する規制手段を備え、
    前記規制手段は、前記ベース部に接続した接続ロープ材と、この接続ロープ材を所定の摩擦力で固定する摩擦固定具と、この摩擦固定具を前記支柱に係止する係止部とを備えることを特徴とする防護体。
  2. 前記支柱の外周に前記係止部を設け、前記支柱を挿通した前記接続ロープ材の端部を前記摩擦固定具により所定の摩擦力で固定し、その摩擦固定具を前記係止部に係止したことを特徴とする請求項記載の防護体。
  3. 前記ベース部に、前記支柱の下部を挿入する挿入受部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の防護柵。
  4. 前記挿入受部に前記支柱下部の外面が当接する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項記載の防護柵。
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