JP2002322616A - 防護ネット及び防護柵 - Google Patents
防護ネット及び防護柵Info
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Abstract
らされた防護柵全体でエネルギーを吸収し、荷重に抵抗
する防護ネット及び防護柵を提供することを目的とす
る。 【解決手段】所定の間隔を隔てて立設した支柱4間に正
立三角形の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1B
を連続して組み合わせ、防護ネット同士の隣り合う対向
辺の間を第2の連結具8を介して連結して防護柵10を
帯状に形成する。防護ネットは、多数の分割ネット3を
組み合わせて大きな三角ネットとする。分割ネットは同
士の隣り合う対向辺の間を第1の連結具7を介して連結
する。
Description
下物が保有する落下エネルギーを減衰させ、停止させる
落石防護柵、雪崩防護柵、雪崩の発生を予防する雪崩予
防柵等の防護ネット及び防護柵に関する。
を防護するために、斜面上に落石防護柵、雪崩防護柵を
設置し、また雪崩の発生を予防するための雪崩予防策を
設置している。これらの防護柵としては、斜面aに所定
の間隔を隔てて立設した支柱b間に防護ネットcを張り
巡らしたものが知られている(図6参照)。支柱bの斜
面a谷側への傾倒を阻止するために斜面a山側と支柱b
上部との間をロープd1等で接続し、また山側への傾倒
を阻止するために谷側と支柱b上部との間をロープd2
等で接続している。さらに、両端の支柱b上部と防護柵
面内の側方地盤との間をロープd3等で接続している。
この防護柵によれば、落石の保有する衝撃エネルギーを
張り巡らした防護ネットc及び支柱bの強度で吸収、停
止させるものである。また、斜面a上に複数列設置する
ことにより、雪崩の発生を予防するものである。
防護柵にあっては、次のような問題点がある。 <イ>防護ネットは、両端を支柱に架設した複数の水平
ロープによって吊り下げられているので、落石等の衝突
時には衝突した支柱間のスパンのみでエネルギーを吸収
しようとするので、変形量が大きくなるとともに損傷や
破損しやすい。 <ロ>防護柵を設置する斜面が平坦であることはまれ
で、通常は起伏がある。このような現場において、一枚
ものの長尺ネットを斜面の起伏に対応させながら設置す
ることが技術的に難しい。また、支柱に高低差がある場
合、防護ネットを平行四辺形に張る必要があるが、無理
に張るとしわが発生し、受撃性能の低下や景観性悪化の
問題がある。 <ハ>一般に防護ネットは大きく、重量があり、この防
護ネットを斜面へ運搬して張り巡らせるのは、危険が伴
うとともに作業が極めて困難であり、施工性が悪い。 <ニ>防護ネットの両端が保持されているため、落石等
が衝突するとネットの上下縁がネット中央へ接近するよ
うに撓み、受撃面となるべき防護ネットの縦幅が減少す
る。そのため、次の落石が落下してくると防護ネットの
上側または下側を通過してしまい、防護柵としての役目
をなさなくなる。 <ホ>一枚の防護ネットを広い範囲にわたって張設して
いるので、防護ネットが損傷した場合は、損傷していな
い箇所も含めてネット一式を交換することになり、不経
済である。
の課題を解決するためになされたもので、局部的に作用
する衝撃力や荷重に対し、張り巡らされた防護柵全体で
エネルギーを吸収し、荷重に抵抗する防護ネット及び防
護柵を提供することを目的とする。また本発明は、斜面
の起伏に合わせて性能を減少することなく、自由にネッ
ト面を形成することが可能な防護ネット及び防護柵を提
供することを目的とする。また本発明は、急斜面でも安
全で施工性のよい防護ネット及び防護柵を提供すること
を目的とする。また本発明は、必要とする高さに応じて
防護ネットを任意の高さにすることができる防護ネット
及び防護柵を提供することを目的とする。更に本発明
は、防護ネットが損傷した場合、損傷した箇所のみを交
換すればよい防護ネット及び防護柵を提供することを目
的とする。本発明は、上記目的のうち少なくとも一つを
達成するようにしたものである。
めに、本発明の防護ネットは、所定の間隔を隔てて立設
した支柱間に防護ネットを張り巡らした防護柵の防護ネ
ットであって、前記防護ネットは、三角形状の分割ネッ
トを多数組み合わせて三角ネットとし、前記分割ネット
同士の隣り合う対向辺の間を第1の連結具を介して連結
したことを特徴としている。また本発明の防護ネット
は、分割ネットが複数のロープの交差部を相互に固定し
た菱形の網目に形成したことを特徴としている。また本
発明の防護ネットは、分割ネットが複数のロープを交差
して網目を菱形に形成し、交差部の一部または全てに緩
衝具を取り付けて、設定した把持力を超えた力がロープ
の交差部に作用したとき、該交差部においてロープが相
互に摺動を許容するようにしたことを特徴としている。
また本発明の防護ネットは、多数の分割ネットを夫々同
一形状かつ同一寸法に形成したことを特徴としている。
また本発明の防護ネットは、第1の連結具が緩衝機能を
有することを特徴としている。また本発明の防護柵は、
前記の防護ネットを使用し、正立三角形の防護ネットと
逆三角形の防護ネットを連続して組み合わせ、前記防護
ネット同士の隣り合う対向辺の間を第2の連結具を介し
て連結して帯状に形成したことを特徴としている。また
本発明の防護柵は、第2の連結具が緩衝機能を有するこ
とを特徴としている。また本発明の防護柵は、前記防護
ネットを斜面谷側が凸になるようにして支柱上部と斜面
山側との間に配置したことを特徴としている。また本発
明の防護柵は、前記防護ネットを斜面山側が凸になるよ
うにして支柱上部と斜面谷側との間に配置したことを特
徴としている。
明に係る一実施の形態について説明する。
形状の分割ネット3を正立三角形と逆三角形に交互に組
み合わせて三角形状の大きな三角ネットとしている。防
護ネット1の一辺は、分割ネット3の整数倍となってお
り、分割ネット3の大きさを小さくしたり、組み合わせ
る枚数を増やしたりすることで、任意の大きさの防護ネ
ット1とすることができる(図2(a)、(b)参
照)。
枠ロープ2は省略してもよい。枠ロープ2は、例えば複
数(3束)の素線束をより合わせて構成する。複数の素
線をより合わせて構成する素線束や、複数の素線束の編
成方法等については従来技術と同様である。枠ロープ2
が形成する三角形状の各頂点に取付ロープ21を取り付
ける。取付ロープ21は、防護ネット1を三角形状に張
設するためのものである。枠ロープ2を省略した場合
は、防護ネット1の各頂点に取付ロープ21を取り付け
る。分割ネット3同士の隣り合う対向辺の間を第1の連
結具7を介して連結して防護ネット1を構成する。
線、炭素繊維等の線材を交差して編成したネットで、全
体の形状を略正三角形状または略二等辺三角形状に形成
する。各分割ネット3は、同じ形状及び同じ寸法で形成
してもよい。分割ネット3の周辺は枠ロープ32で枠を
形成し、内側はロープ33を左右に斜めに張り渡して菱
形の網目を形成する。枠ロープ32は、ロープ33より
太く形成する。
3、33の交差部34は、締結治具等で固定するか、ロ
ープ33を相互に編み込んでロープ33の相互の移動を
拘束する。あるいは交差部34を固定することなく、交
差部34においてロープ33が相互に摺動可能なよう
に、交差部34の一部または全てにクロス緩衝金具35
を取り付けて衝撃エネルギーを吸収する機能を付加する
こともできる(図1参照)。クロス緩衝金具35は、例
えばロープ33が交差する方向に溝37、37を設けた
2枚の板片36、36と、この2枚の板片36を締め付
けるボルト38、ナット39等からなる。溝37にロー
プ33を夫々収容し、ボルト38及びナット39でロー
プ33を所定の摩擦力で把持し、この摩擦力を超えたと
きに、ロープ33の相互の摺動を許容するものである。
クロス緩衝金具35を取り付けることによって、落石1
4が衝突した場合にロープ33がクロス緩衝金具35に
おいて摺動し、衝撃エネルギーをより一層効果的に吸収
することがことができる。
(32,32)にまたがって巻き付けるコイル部材を使
用できる。コイル部材7を巻きつけて連結することによ
り連結機能だけでなく、コイル部材7の弾性変形による
緩衝効果を併有させることができる。また第1の連結具
7は、ワイヤクリップ等を分割ネット3同士の対向辺に
またがって取り付けて連結してもよい。また、分割ネッ
ト3のロープ33を延長して隣り合う分割ネット3の枠
32につないで分割ネット3同士を接続してもよい。要
は、第1の連結具7は、分割ネット3同士の対向辺を連
結する連結機能を有するものであれば、どのような連結
手段を用いてもよい。
例を示す。防護柵10は、斜面11に所定の間隔で立設
した支柱4の間に防護ネット1を谷側が凸になるように
して帯状に張り巡らせてなる。即ち、正立三角形の防護
ネット1A(正面から見て頂点が上方で、底辺が水平と
なった状態の防護ネット1)と逆三角形の防護ネット1
B(正面から見て頂点が下方で、底辺が水平となった状
態の防護ネット1)を連続して交互に組み合わせて帯状
に形成する(図1、図3参照)。3本の取付ロープ21
を支柱4上部と斜面11の地盤上の固定点(アンカー
等)12に夫々接続し、防護ネット1を三角形状に張設
する。なお、取付ロープ21に、例えばターンバックル
等のような調節可能な連結金具を介在し、防護ネット1
の弛みや張力を調節できるようにしてもよい。また、取
付ロープ21を取り付けることなく、防護ネット1の各
頂点を直接支柱4上部や地盤上の固定点12に接続して
もよい。防護ネット2を支柱4上部に対してその頂点と
底辺が交互に位置するように順次配設して、正立三角形
の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1Bとを連続
して交互に組み合わせることができる。隣り合う防護ネ
ット1の対向辺同士を第2の連結具8で連結する。この
ように防護ネット1を組み合わせて帯状に形成した防護
柵10を設置する。
らなる。支柱4の下部を基礎コンクリート(プレキャス
トのコンクリート版)42を敷いた上に設置する。ある
いは支柱4の下部を直接斜面地盤上に回転自在に設置す
る。支柱4の下部に下部控えロープ45を取り付け、斜
面11に沿って下部控えロープ45の他端を斜面11の
山側のアンカー12、12及び斜面11の谷側のアンカ
ー13に結ぶ。支柱4を中心にして下部控えロープ45
をY字形に張設することによって、支柱4の下部が安定
する。
柱4は斜面11の山側あるいは谷側へ傾倒するのを阻止
する必要がある。従来は、支柱4の斜面11の谷側への
傾倒を阻止するために、斜面11の山側と支柱4上部と
の間を控えロープ等で接続していた。本発明では、前記
したように防護ネット1の上端部を支柱4上部に接続す
るとともに、防護ネット1の下端部を斜面11の固定点
(アンカー)12に接続しているので、支柱4は斜面1
1谷側への傾倒を阻止されており、控えロープ等を省略
することができる。また、斜面11の山側へ向けての強
風や衝撃の反動等による支柱4の斜面11の山側への傾
倒を阻止するため、斜面11の谷側において控えロープ
5を支柱4上部に接続し、他端を斜面11の固定点(ア
ンカー等)13に接続する。控えロープ5をアンカー1
3に接続する際、後述する緩衝具6を介在してもよい。
ネット1を介して間接的に受けたとき、または支柱4に
直接的に衝撃を受けたとき、塑性変形が限界値を越えな
い程度の強度に設定しておく。また、支柱4をヒンジ4
3等を介して積極的に傾倒するようにしてもよく、この
場合は控えロープ5が緩衝具6に対して摺動することに
より衝撃を吸収するものであるから、分割ネット3を組
み合わせて大きな防護ネット1を形成したとしても支柱
4に大きな剛性を必要としない。またこのように支柱4
を設置することにより、支柱4には曲げモーメントが発
生せず、軸圧縮力のみが作用し、経済的な断面とするこ
とができる利点がある。さらに支柱4が損傷してもヒン
ジ43の箇所で支柱4を取り外し、簡単に交換すること
ができる利点がある。
介在して行う。緩衝具6の一例としては、Uボルト6
2、控えロープ5を収容する2つの挟持体61、締付用
のボルト63などで構成するものが挙げられる(図4
(a)参照)。一端に挟持体61を取り付けたUボルト
62をアンカー13に接続する。挟持体61に、控えロ
ープ5を収容する溝を刻設し、ここに控えロープ5を収
容してボルト63を締め付け、控えロープ5を把持す
る。控えロープ5を所定の摩擦力で把持し、控えロープ
5に設定以上の張力が作用したときに、摺動を許容す
る。
線束をより合わせて構成した接続ロープ(ワイヤロー
プ)等である。接続ロープ8を用いる場合には、防護ネ
ット1の枠ロープ2に引っ掛けてワイヤクリップで固定
する。 接続ロープ8で防護ネット1の隣り合う対向辺をつなぐ
ことによって、防護ネット1同士の間隔が一定以上広が
らない。また接続ロープ8でつなぐことによって、一つ
の防護ネット1に落石14等が衝突した場合、その衝撃
エネルギーは接続ロープ8を介して隣り合う防護ネット
1へ順次伝達され、その結果、衝撃エネルギーは分散さ
れて吸収されることになる。なお、第2の連結具8は接
続ロープに限らず、防護ネット1の隣り合う対向辺をつ
なぐものであれば、例えばコイル部材やワイヤクリップ
等の連結具を用いてもよい。
ついて説明する。
互に連結し、防護ネット1を形成する。防護ネット1を
支柱4の上部と斜面11山側の固定点(アンカー12)
に接続して、谷側に凸となるようにし、正立三角形の防
護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1Bが連続した帯
状の防護柵10を設置する。控えロープ5を支柱4上部
と斜面11のアンカー13に接続する。防護柵10は、
支柱4に接続した防護ネット1と控えロープ5により斜
面11の山側にも谷側にも傾倒することなく設置され
る。
は落石14等を包み込むように変形して受け止める。本
発明では、分割ネット3をロープ33を左右に斜めに張
り渡して菱形の網目を形成しているので、落石14等の
衝撃を受けると菱形が広がって四角に変形するため、大
きく撓み変形して衝撃エネルギーを減衰することにな
る。この場合、衝撃を受けた範囲の菱形が全て広がって
四角に変形し、大きく撓み変形することができるので、
大規模な落石があっても、十分に衝撃エネルギーを減衰
することができる。また、一つの分割ネット3に落石1
4等が衝突した場合、その衝撃エネルギーは第1の連結
具7を介して隣り合う分割ネット3へ順次伝達され、枠
ロープ2で囲んだ大きな三角形状の防護ネット1全体で
衝撃エネルギーを吸収する。第1の連結具7にコイル部
材を使用した場合は、弾力性を有するため、衝撃エネル
ギーを効果的に吸収する。さらに第2の連結具8を介し
て隣り合う防護ネット1へと順次伝達されることにな
り、伝達される際に衝撃エネルギーは分散されてより効
果的に吸収されることになる。また、落石14等が分割
ネット3に衝突すると、分割ネット3が変形し、これに
よって分割ネット3と分割ネット3の間隔が広がろうと
するが、第1の連結具7で連結しているので、間隔が一
定以上広がったりすることはなく、衝突物が通過するよ
うなことはない。
取付ロープ21から最終的に支柱4に作用する。支柱4
に作用する衝撃力(衝撃エネルギー)は、支柱4を斜面
11の山側へ傾倒させる方向である。支柱4に控えロー
プ5を接続している場合は、支柱4が山側に傾倒しよう
とすることによって控えロープ5には引張り力が作用す
る。この引張り力が緩衝具6の把持力を越えると控えロ
ープ5が摺動を開始する。この摺動抵抗により衝撃エネ
ルギーが減衰される。大きな落石14等で分割ネット3
が損傷した場合は、第1の連結具7を取り外して、損傷
した分割ネット3を交換することができる。防護ネット
1を構成する大部分の分割ネット3が大きく損傷した場
合は、取付ロープ21を支柱4及びアンカー12から取
り外し、防護ネット1ごと簡単に交換することができ
る。このように本発明では、落石、雪崩等があった場
合、衝撃エネルギーによる変形は分割ネット3単位ある
いは防護ネット1単位で行うことができる。
形態について説明する。
2の連結具8で連結するだけであったが、連結具として
接続ロープ8を使用した場合は、接続ロープ8の途中に
緩衝具9を介在してもよい(図1参照)。緩衝具9で接
続ロープ8を所定の摩擦力で把持し、接続ロープ8に設
定以上の張力が作用したときに、余長部81の摺動を許
容するものである。緩衝具9を介在することによって、
接続ロープ8が緩衝具9に対して摺動するので、衝撃エ
ネルギーを効果的に吸収する。
柵10を設置する必要がある。防護ネット1を正三角
形、二等辺三角形等に形成し、これを適宜組み合わせた
り、正立三角形と逆三角形を適宜組み合わせることによ
って斜面11の起伏に合った防護柵10を設置すること
ができる。また、防護柵10は一つの平面で構成する必
要はなく、樹木の位置や斜面11の起伏を考慮して支柱
4の位置を上下にずらすことも可能である。
面11の山側に防護ネット1を配置し、谷側に控えロー
プ5を設けたが、これとは逆に、防護ネット1を斜面1
1の谷側に配置し、山側に控えロープ5を設けることも
考えられる(図5(a)参照)。防護ネット1を斜面1
1の谷側に配置したこと以外は、全て実施の形態1と同
じであるので説明を省略する。
(アンカー12)に接続して、山側に凸となるように
し、正立三角形の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネッ
ト1Bが連続した帯状の防護柵10を設置する。控えロ
ープ5を支柱4上部と斜面11のアンカー13に接続す
る。防護柵10は、支柱4に接続した防護ネット1と控
えロープ5により斜面11の山側にも谷側にも傾倒する
ことなく設置される。
置したことが大きな特徴で、次のような衝撃吸収作用が
ある。 落石14が防護ネット1に衝突する場合、落石14
が防護ネット1のネット面と形成する角度Θ(図5
(a)参照)は、山側に配置した防護ネット1に衝突す
る場合の角度Θ1(図5(c)参照)に比べて小さい角
度である。落石14が防護ネット1のネット面と形成す
る角度が直角の場合、防護ネット1に対して衝撃力が最
も大きく作用し、角度が小さくなるほど小さく作用す
る。落石14が防護ネット1に対して斜めに衝突し、即
ち小さい角度Θで衝突するので、防護ネット1に衝撃力
が大きく作用することはなく,衝突後は落石14は防護
ネット1のネット面に沿って下方に誘導されるか、斜面
11の地盤に誘導され、地盤に衝突してエネルギーを減
衰し、防護ネット1と斜面11との接続部で停止する
(図5(b)参照)。または、防護ネット1と斜面11
との隙間を通過して谷側で停止するようにしてもよい。
したがって、支柱4に作用する軸方向力および斜面11
の山側の控えロープ5に作用する引張り力も小さくな
り、アンカー13の引き抜き抵抗力も小さくてよい。 防護ネット1と斜面11の角度α(図5(a)参
照)が小さいため、雪崩が発生した場合でも、単位面積
当たりの雪圧が小さくなり、支柱4に作用する軸方向力
および斜面山側の控えロープ5に作用する引張り力も小
さくなり、アンカー13の引き抜き抵抗力も小さくてよ
い。 道路の路側に設置しても張出量が小さく、落石14
または雪圧によって防護ネット1が道路の建築限界を犯
すことがない。
説明したようになるから次のような効果を得ることがで
きる。 <イ> 防護ネットは、三角形状の分割ネットを組み合
わせて大きな三角ネットとし、分割ネット同士の隣り合
う対向辺を緩衝機能を有する第1の連結具で連結してい
るので、落石の衝突等局部的に作用する衝撃力や荷重に
対し、第1の連結具を介して吸収しながら分割ネット間
を伝達し、防護ネット単位でエネルギーを吸収すること
ができる。 <ロ> 防護柵を設置する斜面に起伏がある場合や、支
柱に高低差がある場合でも、防護ネットを組み合わせて
帯状に防護柵を形成するので、斜面の起伏や支柱の高低
差に応じて自由にネット面を形成することが可能な防護
柵とすることができる。 <ハ> 分割ネットの内側をロープを左右に斜めに張り
渡して菱形の網目を形成しているので、落石等の衝撃を
受けると菱形が広がって四角に変形するため、大きく撓
み変形して衝撃エネルギーを減衰することになる。ま
た、衝撃を受けた範囲の菱形が全て広がって四角に変形
し、大きく撓み変形することができるので、大規模な落
石があっても、十分に衝撃エネルギーを減衰することが
できる。 <ニ> 多数の分割ネットを組み合わせて防護ネットを
構成し、さらに防護ネットを組み合わせて防護柵を構成
してなるから、分割ネットが損傷した場合、損傷した分
割ネットのみを交換する等、修復時は分割ネット単位ま
たは防護ネット単位での交換が可能であり、経済的であ
るとともに維持管理が容易である。 <ホ> 防護ネットは、多数の分割ネットを組み合わせ
てなるので、分割ネット単位で運搬し、作業することが
でき、危険な斜面でも安全で、施工性がよい。 <ヘ> 分割ネットを組み合わせて大きな防護ネットと
しているので、防護ネットの高さを任意に高くすること
ができ、衝突物が防護ネットの上方を通過するようなこ
とはない。 <ト>防護ネットを斜面山側に凸となるように谷側に設
置した場合は、落石の衝突する方向と防護ネット面とで
形成する角度は小さくなるので、大きい衝撃力が発生す
ることはない。したがって、衝突後の落石は、防護ネッ
トまたは斜面に誘導されてエネルギーを減衰し、斜面上
で停止する。また、支柱に作用する軸方向力および斜面
山側の控えロープに作用する引張り力も小さくなり、ア
ンカーの引き抜き抵抗力も小さくてよい。
明の防護柵の側面図。(b)は落石が停止した状態を示
す説明図。(c)は斜面山側に配置した防護ネットに落
石が衝突する場合を示す説明図。
Claims (9)
- 【請求項1】所定の間隔を隔てて立設した支柱間に防護
ネットを張り巡らした防護柵の防護ネットであって、 前記防護ネットは、三角形状の分割ネットを多数組み合
わせて三角ネットとし、 前記分割ネット同士の隣り合う対向辺の間を第1の連結
具を介して連結したことを特徴とする、 防護ネット。 - 【請求項2】請求項1に記載する防護ネットにおいて、
分割ネットは複数のロープの交差部を相互に固定した菱
形の網目に形成したことを特徴とする、防護ネット。 - 【請求項3】請求項1及び請求項2に記載する防護ネッ
トにおいて、分割ネットは複数のロープを交差して網目
を菱形に形成し、交差部の一部または全てに緩衝具を取
り付けて、設定した把持力を超えた力がロープの交差部
に作用したとき、該交差部においてロープが相互に摺動
を許容するようにしたことを特徴とする、防護ネット。 - 【請求項4】請求項1乃至請求項3に記載する防護ネッ
トにおいて、多数の分割ネットは夫々同一形状かつ同一
寸法に形成したことを特徴とする、防護ネット。 - 【請求項5】請求項1乃至請求項4に記載する防護ネッ
トにおいて、第1の連結具は緩衝機能を有することを特
徴とする、防護ネット。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項5に記載する防護ネッ
トを使用し、 正立三角形の防護ネットと逆三角形の防護ネットを連続
して組み合わせ、 前記防護ネット同士の隣り合う対向辺の間を第2の連結
具を介して連結して帯状に形成したことを特徴とする、 防護柵。 - 【請求項7】請求項6に記載する防護柵において、第2
の連結具は緩衝機能を有することを特徴とする、防護
柵。 - 【請求項8】請求項6または請求項7に記載する防護柵
において、前記防護ネットを斜面谷側が凸になるように
して支柱上部と斜面山側との間に配置したことを特徴と
する、防護柵。 - 【請求項9】請求項6または請求項7に記載する防護柵
において、前記防護ネットを斜面山側が凸になるように
して支柱上部と斜面谷側との間に配置したことを特徴と
する、防護柵。
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JP2001128139A JP3668965B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 防護ネット及び防護柵 |
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