JP3844970B2 - 落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設およびその保護方法 - Google Patents

落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設およびその保護方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
この発明は落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設および防止施設の保護方法に関する。ここで防止施設には落石防止装置,雪崩防止装置(スノーガード等)等の種々の名称で呼ばれるものが含まれる。
【0002】
【従来技術】
従来の落石防止(または流木防止もしくは雪崩防止)のための装置(施設)は,山の斜面または崖と,道路,鉄道または民家との間,または山の斜面の中途に設置されることが多い。これらの防止施設は,通常,次のような構造のものである。すなわち,落石が予想される場所,雪崩の起きやすい場所,土砂を受けやすい場所等の現場において,防止すべき箇所に沿って複数本の支柱が間隔をおいて立設され,これらの支柱間に弾性体のガード部が設けられる。ガード部は,支柱間に上下に間隔をあけて架設された複数本のケーブル,支柱間に張設された金網,またはケーブルと金網との組合わせによりつくられる。
【0003】
これらの防止施設は落石等を受けた場合,弾性体であるガード部が落石等の衝撃を受止め,そのエネルギを吸収する。しかしながら,この防止施設の支柱は剛体(コンクリート構造物,鉄骨による構造物,H鋼等)であり,落石等の直撃による大きな衝撃を受けると変形してしまうことがある。支柱が変形すると防止施設全体の大掛かりな修理が必要となる。
【0004】
【発明の開示】
この発明は,特に支柱の保護を図ることができる落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設,および防止施設の保護を提供することを目的とする。
【0005】
この発明による防止施設(防止装置)は,落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に沿って複数本の支柱が間隔をおいて立設され,支柱間に,ガード部が設けられ,金網を巻回してなる緩衝体が,少なくとも落石等を受ける側において,少なくとも上記支柱の前に(必要ならば側部にも)設置されているものである。
【0006】
この発明の特徴を防止施設の支柱を中心に表現すると,この発明による防止施設は,落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に設けられたガード部を支持する支柱の少なくとも落石等を受ける側に,金網を巻回してなる緩衝体が設置されているものである。保護すべき支柱が1本の場合もある。
【0007】
緩衝体を支柱の前に単に置くだけでもよいが,好ましい一実施態様では,上記緩衝体を線状体を用いて支柱に固定する(縛る)。
【0008】
この発明による落石,土砂,流木または雪崩等の防止施設の保護方法は,落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に沿って複数本の支柱が間隔をおいて立設され,支柱間に,ガード部が設けられた防止施設において,金網を巻回してなる緩衝体を,少なくとも落石等を受ける側において,上記支柱の少なくとも前に配置し(支柱の横にも配置してもよい),上記緩衝体を線状体により支柱に縛ることにより固定することを特徴とする。
【0009】
この発明による防止施設の保護法方は,防止施設の支柱を中心に表現すると,落石,土砂,流木または雪崩を防止すべき箇所に設けられたガード部を有する防止施設において,ガード部を支持する(少なくとも1本の)支柱の少なくとも落石等を受ける側に,金網を巻回してなる緩衝体を設置することを特徴とする。
【0010】
ガード部は落石,土砂,流木または雪崩等を受けるために一般的に使用されるもので構成され,全体的に弾性をもち(弾性体),落石,土砂,流木,雪崩等の持つエネルギを吸収する。
【0011】
たとえばガード部は,水平方向にのびる複数本のケーブルからなり,これらのケーブルが支柱間に上下方向に間隔をあけて架設される。ケーブルの前面(落石等を受ける側の面)に,好ましくは,金網が張られる。ガード部は板材を張ることにより構成することもできる。支柱間に適当な間隔で縦材を立設し,これらの縦材にもケーブルを固定するとよい。ケーブルに代えて1または複数の横材を縦材間および縦材と支柱との間に渡してもよい。これらの縦材と横材に金網を張設してもよい。
【0012】
ガード部は次のような構造のものでもよい。すなわち,上記ガード部は,落石等を受ける側とその反対側のそれぞれにおいて,支柱間に,上下方向に間隔をあけて架設された複数本の水平方向にのびるケーブルと,これらの両側のケーブルにそれぞれ,支柱間隔よりも狭い間隔をあけて対向するように取付けられた上下方向にのびる複数の間隔保持材と,両側において対応する間隔保持材を連結する連結材とからなる。前,後両側のケーブル,これらに取付けられかつ連結材で連結された間隔保持材が,いわば幅の厚い弾性体を構成することになるので,吸収エネルギが非常に大きくなる。このガード部にも金網を張ることができる。
【0013】
落石,土砂,流木,雪崩等の予想されるエネルギに応じて,支柱の構造および大きさ,ガード部の構造,大きさ等が適宜設定される。
【0014】
緩衝体は,金網を巻回してなる柱体の形状を有し,断面の形状は円形,楕円形,多角形等の任意に定めることができる。また,金網は平織,綾線,畳織,筵織,撚線織,簾織等,織り方に限らず,メッシュの形状も四角形,平行四辺形,菱形等,さまざまな形状のものを採用できる。メッシュの大きさ,材料,材質も任意に定めることができる。
【0015】
金網を芯胴に巻回して緩衝体としてもよい。芯胴は,内部が中空,中実を問わず,断面形状は円形,楕円形,多角形等の様々な形状のものを用いることができる。芯胴は,一般に鋼鉄,鉄,プラスチック,強化プラスチック,その他の材料より作られる。芯胴には変形しやすいパイプを用いることが好ましい。
【0016】
上述したケーブルとはワイヤ,ワイヤロープ等を含む概念であり,最も一般的には鋼製の撚り線が用いられる。また線状体とはロープ,ワイヤ,スチール・コード,合成樹脂線,帯鉄,チェーン,紐等を包含し,その材料は問わない。
【0017】
上述したように防止施設を構成するガード部は全体的に弾性を持つが,支柱は鉄筋コンクリート構造物,鉄骨による構造物,H鋼等の鋼体であり,大きなエネルギを持つ落石(落岩を含む)等の直撃を受けると変形するおそれがある。この発明によると,支柱の少なくとも前面には金網を巻回することにより形成される緩衝体が配置される。この緩衝体は大きなエネルギを持つ落石等の直撃を受けると変形(塑性変形)し,エネルギを吸収する。これによって支柱が保護される。緩衝体は金網を巻回して形成されるものであるから,殆ど弾性を持たず,その弾性により落石を跳ね返すことが殆どないので,安全である。変形した緩衝体は容易に交換することができる。
【0018】
緩衝体は防止施設の保護すべき(特に,落石等を受けると修復作業が困難なもの)の前面に配置すればよい。すなわち,多数の支柱がある場合に,特に重要な支柱の前面にのみ配置してもよいし,支柱に加えてガード部の前面にも配置してもよい。たとえば,ガード部を構成するケーブルの端部に締付具を設けてケーブルを緊張させる場合には,支柱および締付具の前面側に緩衝体を配置するとよい。
【0019】
落石,土砂,流木,雪崩等の予想されるエネルギに応じて緩衝体の大きさ(金網の巻数,目の大きさ,芯胴の径の大きさ,材質等)を設定すればよい。複数の緩衝体を縦に積上げてもよいし,横に並べてもよいし,斜めに配置してもよい。緩衝体を隙間なく配置してもよいし,緩衝体間に間隔をあけてもよい。また緩衝体の大きさは同じ大きさである必要は必ずしもない。いうまでもなく緩衝体は芯胴に金網を巻回したものと金網を単に巻回したものを併用してもよい。
【0020】
芯胴に金網を巻回して緩衝体を形成することにより,落石等の衝突エネルギの吸収をさらに高めることができる。
【0021】
望ましくは,緩衝体を支柱に固定する線状体の一端部に締付具を連結し,締付具により線状体を緊張させるとよい。
【0022】
【実施例】
図1および図2はこの発明による防止施設の基本的構造を示すものである。落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設(防止構造体または防止装置)は山の傾斜面と道路等との間(または,山の傾斜面の途中)に設置されている。説明の便宜上,防止施設の山側の面を以下前面といい,道路側または谷側の面を以下後面という。
【0023】
落石,土砂,流木,雪崩等を防止すべき場所の両端に支柱Bが立設されている。支柱Bは強固に大地に固定されている。両支柱B間にガード部Aが設けられている。ガード部Aは,上下方向に間隔をあけて両支柱B間に緊張された水平方向にのびる複数本のワイヤロープ(鋼製ケーブル)Dと,このワイヤロープDに取付けられた金網Eとからなる。金網を巻回してなる複数の緩衝体Cが,ほぼ垂直の姿勢で横一列に間隔をあけずに支柱Bの前面側に設置されている。緩衝体Cは必要に応じてワイヤを用いて支柱Bに縛りつけられている。支柱Bの前面側に複数の緩衝体Cが設置されているので,支柱Bに落石等が直撃したとしても,その衝撃エネルギは緩衝体Cによって吸収される。緩衝体Cは保護すべきものの前面側に設置すればよい。図2に鎖線で示すように緩衝体Cを支柱Bの内側面に設置してもよい。一般的にガード部Aは交換が比較的容易であるから(支柱Bは強固に大地に固定されているためその交換は容易でない),ガード部Aの前面側に緩衝体Cを設置する必要は必ずしもない。もちろん,必要ならばガード部Aの前面側に緩衝体Cを設置してもよい。
【0024】
支柱B間に1または複数本の中間支柱を設けることもできる。中間支柱の前面にも緩衝体Cが配置される。中間支柱が比較的交換容易のものであればその前面に緩衝体Cを配置しなくてもよい。
【0025】
図3はこの発明による防止施設の基本的構成の他の例を示すものである。両端の支柱Bに加えて,それらの中間にも1または複数の支柱Bが立設されている。支柱Bは強固に大地に固定されている。隣接する支柱B間に,複数本のワイヤロープ(鋼製ケーブル)Dと,このワイヤロープDに取付けられた金網Eとからなるガード部Aが設けられている。複数の上下方向にのびる緩衝体Cが横一列に間隔をあけずに各支柱Bの前面側に設置されている。
【0026】
図4および5に示す防止施設は一本の支柱Bを含む。支柱Bは強固に大地に固定されている。適当な間隔をあけて縦材(鉄製)Fが立設され,これらの縦材F間および支柱Bと縦材Fとの間に複数本のワイヤロープDが張られている。すなわち,支柱Bの上端および高さの中間位置から複数本のワイヤロープDがほぼ反対方向に斜めに延び,それらの端部は大地に固定されたアンカー(杭など)に連結されている。ワイヤロープDは縦材Fに固定されている。支柱B,縦材FおよびワイヤロープDには,金網Eが張られている。ワイヤロープD,縦材Fおよび金網Eによりガード部Aが構成されている。支柱Bの前面側に1または複数の緩衝体Cが設置されている。ワイヤロープDに代えて横材(鉄製)を用いてもよい。また,縦材Fに代えてワイヤロープを張設してもよい。
【0027】
図6は,この発明の実施例を示すもので,落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所において設置された防止施設の全体斜視図である。図7は防止施設の一部の拡大斜視図,図8は一部の拡大平面図である。図7においては,作図の便宜上,支柱,ロープ,間隔保持材,連結材等がやや大き目に描かれている。
【0028】
これらの図面を参照して,落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所において両端に端末支柱10が立設され,この端末支柱10間に複数本の中間支柱20が間隔をおいて(ほぼ等間隔に)立設されている。端末支柱10および中間支柱20はコンクリート基礎2によって強固に大地に固定されている。これらの端末支柱10間には,その前面側と後面側とにおいて水平方向にのびる複数本のワイヤロープ(鋼製ケーブル)30A,30Bが上下方向に間隔をあけて架設され,中間支柱20にも止められている。前面側のワイヤロープ30Aと後面側のワイヤロープ30Bのそれぞれに,中間支柱20間の間隔よりも狭い間隔をあけて,上下方向にのびる複数の間隔保持材40A,40Bが前後に対応して取付けられている。前後に対応する上記間隔保持材40A,40Bが複数の連結材41により相互に連結されている。ワイヤロープ30A,30Bの両端にはワイヤロープ30A,30Bを緊張させるためのターンバックル(締付具)31が連結されている。前面側には金網50がワイヤロープ30Aに取付けられている。さらに金網を巻回してなり縦に長い複数の緩衝体60が,端末支柱10および中間支柱20の前面側に,横一列に間隔をあけずに設置されている。これら緩衝体60は縛付ロープ62a,62cによってそれぞれ端末支柱10および中間支柱20にそれぞれ縛りつけられている。端末支柱10とそれに隣接する中間支柱20との間(ターンバックル31が設けられている部分)にも,その前面側に複数の緩衝体60が横一列に間隔をあけずに配置され,縛付ロープ62bによって固定されている。
【0029】
端末支柱10はコンクリート構造物であり,その内部にアンカー台11が埋設されている。アンカー台11にはジョーアンカーボルト14A,14Bが上下方向に所定間隔を置いて2列にわたって設けられている。ジョーアンカーボルト14A,14Bのジョー部分を含む先端部はコンクリートから隣接する中間支柱20に向かって外に露出している。金属製(鉄製)止棒16は端末支柱10の側面(隣接する中間支柱20に対向する面)から少し離れた位置において上下方向に延びている。この止棒16の両端部は直角に屈曲され,アンカー台11に取付けられている。止棒16はジョーアンカーボルト14Aの前の位置にある。
【0030】
前後のワイヤロープ30A,30Bはそれぞれ,両端にターンバックル31を介してジョーアンカーボルト14A,14Bに連結され,ターンバックル31により強い初期張力が加えられている。これらのワイヤロープ30A,30Bは中間支柱20にその前面側,後面側のそれぞれにおいてUボルト25によって中間支柱20に固定されている。最下段のワイヤロープ30A,30Bは基礎部2の上面に殆ど接する高さ位置にある。
【0031】
間隔保持材(H形鋼)40A,40Bはワイヤロープ30A,30Bの上下の間隔を常に一定に保つものである。すなわち,前面側の間隔保持材40Aはその前面においてUボルト45を用いてワイヤロープ30Aに固定され,後面側の間隔保持材40Bはその後面においてUボルト45を用いてワイヤロープ30Bに固定されている。ワイヤロープ30A,30Bが水平方向に,間隔保持材40A,40Bが上下方向にそれぞれのび,かつこれらが適当な間隔で設けられており,前後に対応する間隔保持材40A,40Bが連結材41によって相互に固定的に連結されているので,土石流,流木等を受ける強固な格子状の面が形成されている。これらが全体的に弾性をもつガード部を構成している。間隔保持材40A,40Bは基礎部2に固定されずに空中に浮いている。
【0032】
前面側のワイヤロープ30Aに金網50が結合コイル(またはワイヤバンド)51を用いて取付けられ,上記ガード部の前面が金網50で覆われることになる。金網50は最上段のワイヤロープ30Aと最下段のワイヤロープ30Aとの間にわたって設けられている。金網50の端部は端末支柱10に固定された止棒16に結合コイル51を用いて取付けられている。
【0033】
緩衝体60は,内部が中空である円筒状体の鉄製の芯胴61に金網が巻回されてなる円柱状の形状を有している。芯胴61は中実の円柱状体でもよい。また芯胴61はプラスチック製としてもよい。緩衝体は芯胴61が無く単に金網を巻回して円柱状にしたものであってもよい。緩衝体60は芯胴61に金網を巻回したものと金網を単に巻回したものと併用してもよい。端末支柱10の前面に設置される緩衝体60の高さは端末支柱10と同じ程度に,中間支柱20の前面に設置される緩衝体60,および中間支柱20と端末支柱10との間に設置される緩衝体60の高さは中間支柱20と同じ程度である。いずれにしても,緩衝体60は保護すべき端末支柱10または中間支柱20のほぼ全体を保護できる高さを持てばよい。
【0034】
次に,緩衝体60の設置方法について説明する。
【0035】
図9を参照して,端末支柱10の外側面のほぼ中央に上下方向に一定の間隔で一列に一端がコンクリートから突出するように水平に複数本のアンカー18を予め固定しておく。
【0036】
複数の緩衝体60を端末支柱10の前面3に沿って隙間なく,垂直(縦)の姿勢で横一列に配置する。ターンバックル63が連結された複数本の縛付ロープ62aをそれぞれ上下方向に一定の間隔で,これらの緩衝体60の前面に当て,水平に張る。
【0037】
この複数本の縛付ロープ62aの一端に連結されたターンバックル63を締結具65を介してアンカー18の一端に締結し,縛付ロープ62aの他端を止棒16に結付ける。ターンバックル63を用いて縛付ロープ62aを緊張する。
【0038】
図10を参照して,端末支柱10と端末支柱10に隣接する中間支柱20との間において,基礎部2の上面に,金網50に沿ってその前面に複数の緩衝体60を隙間なく,垂直な姿勢で横一列に配置する。ターンバックル63が連結された複数本の縛付ロープ62bをそれぞれ上下方向に一定の間隔で,これらの緩衝体60の前面に当て,水平に張る。この複数の縛付ロープ62bの一端に連結されたターンバックル63をワイヤロープ30Aにクリップ(締結具,連結具)67を介して締結し,縛付ロープ62bを緩衝体60の前面に当て,水平に張り,縛付ロープ62bの他端を止棒16に結付ける。ターンバックル63を用いて縛付ロープ62bを緊張する。端末支柱10と端末支柱10に隣接する中間支柱20間に緩衝体60を設置することで端末支柱10の一部であるジョーアンカーボルト14A,14Bのジョー部,止棒16およびワイヤロープ30A,30Bの端部に連結されたターンバックル31を保護することができる。
【0039】
図11を参照して,基礎部2の上面において,中間支柱20の前面側を覆うように複数の緩衝体60を垂直の姿勢で隙間なく,横一列に配置する。縛付ロープ62cの一端にターンバックル63の一端を連結し,ターンバックル63の他端をワイヤロープ30Aにクリップ(締結具,連結具)67を介して締結する。縛付ロープ62cを緩衝体60の前面に当て,水平に張り,縛付ロープ62cの他端もクリップ(締結具,連結具)68を介してワイヤロープ30Aに締結する。ターンバックル63によりこれらの縛付ロープ62cを緊張し,緩衝体60を張付ける。同様に上下方向に一定の間隔をおいて複数本の縛付ロープ63cを緊張し,緩衝体60を縛りつける。
【0040】
端末支柱10の前面において,緩衝体60を縦に積上げてもよく,斜め等の任意に配置してもよい。このとき隙間なく配置するだけでなく間隔をあけてもよい。また緩衝体60の大きさは同一でなくてもよい。さらに,緩衝体60を張付けるための縛付ロープは緩衝体60の配置に合わせて水平,上下,斜め等の方向に緩衝体60の前面に張設することができる。中間支柱20の前面に緩衝体60を設置する場合,および端末支柱10と端末支柱10に隣接する中間支柱20との間のジョーアンカーボルト14A,14Bのジョー部,止棒16およびワイヤロープ30A,30Bの端部に連結されたターンバックル31の前面に緩衝体60を設置する場合も同様である。
【0041】
落下,土砂,流木,雪崩に予想されるエネルギの大きさに応じて端末支柱10および中間支柱20の大きさ,ワイヤロープ30A,30Bの太さおよび本数,間隔保持材40A,40Bや連結材41の大きさ,ワイヤロープ30Aと30Bの前後面間の間隔,金網50および緩衝体60を形成する金網の目の大きさ,網の太さ,緩衝体60の大きさおよび本数等を自在に変えることができる。ワイヤロープ30A,30Bもポリエチレン被覆されたもの,被覆されていないもの等,任意のものを使用できる。
【0042】
緩衝体60を端末支柱10の前面側に設置することにより,落石等を受けたとき緩衝体60を形成する金網および芯胴61が変形(塑性変形)することによってこの衝撃のエネルギを吸収し,端末支柱10を保護することができる。さらに,修復作業はこれら変形した緩衝体60を交換すれば足りる。中間支柱20,端末支柱10と端末支柱10に隣接する中間支柱20との間のジョーアンカーボルト14A,14Bのジョー部,止棒16およびワイヤロープ30A,30Bの端部に連結されたターンバックル31も同様に保護することができる。
【0043】
図8に鎖線で示すように,緩衝体60は端末支柱10の前面3だけでなく,内側面および外側面にも設置してもよい。これにより落石等から端末支柱10をさらに保護することができる。
【0044】
図12から図15は他の実施例を示す。この実施例は先に述べた実施例と端末支柱の構造が異なり,他の構成については同じである。図12は平面図であり,図13は端末支柱の斜視図である。図14および図15は端末支柱および中間支柱の部分の拡大平面図である。端末支柱10Dは前後,左右に立設された4本の支柱(H鋼)11D,12D,13D,14Dと,それぞれ左右の支柱11D,13D間および12D,14D間に渡されかつ固着(溶着)された横材(H鋼)15Dと,前後の支柱11D,12D間および13D,14D間に固着された連結材16Dとから構成され,非常に堅牢な構造となっている。支柱11D,12D,13D,14Dはコンクリート基礎2によって強固に大地に固定されている。横材15Dおよび連結材16Dはそれぞれ上下方向に間隔をおいて複数固着されている。さらに支柱11D,12D,13D,14Dにおいて,複数の横材15Dの延長上に相当する部分に補強材19Dが溶着されている。
【0045】
端末支柱10Dの内側面には上下方向にのびる2つの連結材17Dが固定され,この連結材17Dにワイヤロープ30A,30Bが,ターンバックル31を介して締結されている。
【0046】
図14を参照して,前面側のワイヤロープ30Aに結合コイル51を用いて取付けられた金網50は端末支柱10Dの前面側にも延長され,支柱11D,13Dに設けられた金網止具18Dに締結具52Dを介して取付けられる。金網止具18Dは支柱11D,13Dの補強板19Dに固定されている。
【0047】
端末支柱10Dの外側面にはさらに,縛付ロープ62aの一端を結びつけるための止具65Dが上下に間隔をおいて固定されており,また端末支柱10Dの内側面には縛付ロープ62aの他端および縛付ロープ62bの一端を締結するための止具66Dが上下に間隔をおいて固定されている。
【0048】
図15を参照して,緩衝体60を中間支柱20の前面に横一列でなく,前後にずらして設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】防止施設の基本構造を示すもので,その正面図である。
【図2】防止施設の上面図である。
【図3】防止施設の基本構造の他の例を示すもので,その正面図である。
【図4】防止施設の基本構造のさらに他の例を示すもので,その正面図である。
【図5】防止施設の上面図である。
【図6】この発明の実施例を示すもので,防止施設の全体斜視図である。
【図7】防止施設の一部の拡大斜視図である。
【図8】防止施設の一部のさらに拡大した平面図である。
【図9】端末支柱の前面に緩衝体を設置した様子をさらに拡大して示す平面図である。
【図10】端末支柱と端末支柱に隣接する中間支柱との間に緩衝体が設置された様子を拡大して示す平面図である。
【図11】中間支柱の前面に緩衝体が設置された様子を示す拡大平面図である。
【図12】他の実施例を示すもので端末支柱を含む部分の平面図である。
【図13】端末支柱の拡大斜視図である。
【図14】端末支柱の前面に緩衝体が設置された様子をさらに拡大して示す平面図である。
【図15】中間支柱の前面に緩衝体が設置された様子を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
A ガード部
B 支柱
C 緩衝体
D ワイヤロープ
E 金網
F 縦材
10,10D 端末支柱
20 中間支柱
30A,30B ケーブル
31 ターンバックル
40A,40B 間隔保持材
41 連結材
50 金網
60 緩衝体
61 芯胴
62a,62b,62c 縛付ロープ
63a,63b,63c ターンバックル

Claims (8)

  1. 落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に沿って複数本の支柱が間隔をおいて立設され,支柱間に,ガード部が設けられ,
    金網を巻回してなる複数の緩衝体が,少なくとも落石等を受ける側において,少なくとも上記支柱の前に縦又は横に並べて設置され,これら複数の緩衝体が,ロープ,ワイヤ等の線状体により上記支柱に縛ることにより固定されている,落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設。
  2. 上記ガード部は,水平方向にのびる複数本のケーブルが,支柱間に,上下方向に間隔をあけて張られたものである,請求項1に記載の防止施設。
  3. 上記ガード部は,落石等を受ける側とその反対側のそれぞれにおいて,支柱間に,上下方向に間隔をあけて架設された複数本の水平方向にのびるケーブルと,これらの両側のケーブルにそれぞれ,支柱間隔よりも狭い間隔をあけて対向するように取付けられた,上下方向にのびる複数の間隔保持材と,両側において対応する間隔保持材を連結する連結材とからなる,請求項1に記載の防止施設。
  4. 上記ガード部は,少なくとも落石等を受ける側に張られた金網を有するものである,請求項1から3のいずれか一項に記載の防止施設。
  5. 落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に設けられたガード部を支持する支柱の少なくとも落石等を受ける側に,金網を巻回してなる複数の緩衝体が縦又は横に並べて設置され,これら複数の緩衝体が,ロープ,ワイヤ等の線状体により上記支柱に縛ることにより固定されている,落石,土砂,流木,雪崩等の防止施設。
  6. 上記緩衝体は金網を芯胴に巻回してなるものである,請求項1から5のいずれか一項に記載の防止施設。
  7. 落石,土砂,流木または雪崩等を防止すべき箇所に沿って複数本の支柱が間隔をおいて立設され,支柱間に,ガード部が設けられた防止施設において,
    金網を巻回してなる複数の緩衝体を,少なくとも落石等を受ける側において,少なくとも上記支柱の前に縦又は横に並べて配置し,
    上記複数の緩衝体をワイヤ,ロープ等の線状体により上記支柱に縛ることにより固定する,防止施設の保護法方。
  8. 落石,土砂,流木または雪崩を防止すべき箇所に設けられたガード部を有する防止施設において,ガード部を支持する支柱の少なくとも落石等を受ける側に,金網を巻回してなる複数の緩衝体を縦又は横に並べて設置し,上記複数の緩衝体をワイヤ,ロープ等の線状体により上記支柱に縛ることにより固定する,防止施設の保護方法。
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