JP2016145074A - 合成樹脂製容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた減圧吸収性能を有すると共に、熱間充填にも耐える耐熱性能及び底部形状を有し、容器の自立性、底部或いは容器の形状安定性に優れた合成樹脂製容器を提供する。
【解決手段】底部が減圧吸収性能を有する合成樹脂製容器であって、前記底部には、胴部から連なる外周壁、接地部及び内周壁から成る脚部が形成され、該脚部の内周壁よりも内側に、前記接地部よりも上方に位置する可動底部9が形成されており、前記可動底部の外縁及び中央部12と接する内縁間において、径方向にかけて突出し、周方向に複数形成された湾曲部13、及び前記湾曲部間に、前記可動底部の内縁を外縁より容器軸方向において上方に位置するように接続する溝部14を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、底部に減圧吸収性能を有する合成樹脂製容器に関するものであり、より詳細には、熱間充填及びその後の減圧吸収に伴う内圧変化にも対応可能な底部構造を有すると共に、容器の自立性、底部或いは容器の形状安定性にも優れた合成樹脂製容器に関する。
合成樹脂製の容器は、軽量性及び耐衝撃性に優れていることから、各種液体に対する包装容器として広く使用されている。特にポリエチレンテレフタレート(PET)を延伸ブロー成形して成る延伸成形容器は、透明性、ガスバリヤー性、軽量性、耐衝撃性、適度な剛性等の組合せを有し、液体内容物を収容させるための包装容器として広く使用されている。
内容物の保存性を高めるために、内容物を熱間充填することは、ポリエステル等の合成樹脂製容器においても広く行われているが、冷却による内容物の容積収縮により、合成樹脂製容器においては減圧変形が必ず生じる。これを防止するために、底部に減圧吸収性能を付与した合成樹脂製容器が種々提案されている(特許文献1〜3)。
特開2012−91830号公報 特許第5408501号公報 特開2013−144560号公報
上記特許文献1〜3に記載された底部形状を有する合成樹脂製容器はいずれも、底部の上げ底状の底面が減圧時に容器の内部方向へ変形することにより減圧性能を発揮するものであるが、より優れた減圧吸収性能を発揮させるため、前記底面の可動量を大きくする等の種々の改良が行われている。
しかしながら、このような容器内部方向へ大きく変形する構造を有する底部においては、熱間充填により内容物を充填し、かかる上げ底状の底面に内容物の重さと熱が作用すると、上げ底状の底面が容器の接地面よりも下方に突出してしまい、容器の自立性を損なうおそれがある。
また、底面の肉厚分布や、充填条件及び周辺環境などに起因して、充填後、内圧が変化して容器内が減圧になり底面が容器の内部方向へ変形する際に、所望の変形とならずに不均一に変形して、底部或いは容器の形状安定性を損なうという問題が生じるおそれがある。
従って本発明の目的は、優れた減圧吸収性能を有すると共に、熱間充填及びその後の減圧吸収に伴う内圧変化にも対応可能な底部構造を有し、容器の自立性、底部或いは容器の形状安定性に優れた合成樹脂製容器を提供することである。
本発明によれば、底部が減圧吸収性能を有する合成樹脂製容器であって、前記底部には、胴部から連なる外周壁、接地部及び内周壁から成る脚部が形成され、該脚部の内周壁よりも内側に、前記接地部よりも上方に位置する可動底部が形成されており、前記可動底部の外縁及び中央部と接する内縁間において、径方向にかけて突出し、周方向に複数形成された湾曲部、及び該湾曲部間に、前記可動底部の内縁を外縁より容器軸方向において上方に位置するように接続する溝部を備えることを特徴とする合成樹脂製容器が提供される。
本発明の合成樹脂製容器においては、
1.前記溝部が、放射状に形成されていること、
2.前記溝部が、下方に突出する湾曲底部を有していること、
3.前記溝部の深さが、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において0.1〜3.0mmであること、
4.前記湾曲底部の水平方向に対する傾斜角度が、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において2〜15°であること、
5.前記湾曲底部の曲率半径Rが、30〜300mmであること、
6.前記溝部の幅が、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において、前記内外縁における幅よりも幅広又は幅狭であること、
7.前記可動底部の内縁と中央部外縁の境界に、下方に突出する環状突起が形成されていること、
8.前記脚部の内周壁の上端に折り返し部が形成され、前記折り返し部の内縁が可動底部の外縁の位置と一致して連接されていること、
9.前記可動底部の中央部が、上方又は下方に突出していること、
が好適である。
本発明の合成樹脂製容器においては、容器底部に形成された脚部の内側に、径方向にかけて突出し、周方向に複数形成された湾曲部及びこの湾曲部間に中央部に向かって上方傾斜する溝部から成る可動底部が形成されている。このような構成によれば、可動底部と接地面の間隔(高さ距離)を大きくとることができ、熱間充填において内容物の熱または自重がかかって可動底部が下方に突出する際に、可動底部が接地面を超えて突出する事態を防ぐことができる。
また上方傾斜する溝部は、熱間充填等により内容物の重みと熱がかかると、底部径方向に生じる撓みを吸収する一方で、元の形状(上方傾斜状態)に戻ろうとする応力が作用していることから、内容物が冷えて容器内が減圧になると、前述の作用を利用して、可動底部全体をスムーズに上方に移動することができる。
本発明の合成樹脂製容器においては、減圧吸収に寄与しない脚部が底部に形成され、しかも上述したように、可動底部の下方への変形量が制御されていることから、内圧変化が生じても容器の高さを常に一定に維持することが可能であると共に、容器の自立性が維持され、搬送性にも優れている。
本発明の合成樹脂製容器の一例を示す側面図である。 図1に示した合成樹脂製容器の底面図(A)及び一部断面図(B)である。 図1に示した合成樹脂製容器の可動挙動を説明するための底部の一部拡大断面図である。(a)は、図2(A)におけるa−a断面図であり、(b)は、図2(A)におけるb−b断面図である。 図1に示した合成樹脂製容器の底部の挙動を説明するための一部断面図であり、(A)は空の状態、(B)は熱間充填直後の状態、(C)は熱間充填後減圧状態、(D)は(A)〜(C)を重ね合わせたものをそれぞれ示す図である。 本発明の合成樹脂製容器の別の実施形態を示す側面図である。 図5に示した合成樹脂製容器の底面図(A)及び一部断面図(B)である。 図5に示した合成樹脂製容器の可動挙動を説明するための底部の一部拡大断面図である。(a)は、図6(A)におけるa−a断面図であり、(b)は、図6(A)におけるb−b断面図である。 図5に示した合成樹脂製容器の他の一例を示す底面図である。
本発明の合成樹脂製容器を添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1に示す本発明の合成樹脂製容器1は、口部2、肩部3及び胴部4及び底部5から成り、胴部4は、肩部3から連なる上部胴部4a、底部に連なる下部胴部4b、上部胴部4a及び下部胴部4bの間に位置する中央胴部4cから成っている。
中央胴部4cは、周方向リブ6,6,6が平行且つ等間隔に3本形成され、胴部の機械的強度及び内圧変形に対する保形性が確保されている。またリブ6の部分を除いた外周面が軸方向にストレートに形成されており、ラベル(図示せず)を胴部に一周巻きつけることも可能である。
図に示す具体例では、下部胴部4bと底部5の間にもリブ7が形成され、胴部4及び底部5を明確に区画しているが、胴部及び底部は必ずしも明確に区画されていなくてもよい。
底部5は、大まかに言って、環状の脚部8及びこの脚部8の内側に位置する可動底部9から成っている。脚部8は、リブ7より下方に位置し、胴部4から連なる外周壁8a,接地部8b,接地部8bから上方に立ち上がりを形成する内周壁8cから成っている。そして、図2(B)及び図3から明らかなように、可動底部9は、接地部8bよりも上方に位置し、且つ、脚部8の内周壁8cの上端と連接している。
可動底部9には、その中央に、下方に突出する環状突起11に区画されたほぼ平坦な中央部12が形成されており、この中央部12は可動底部9全体で最も容器軸方向上方に位置している。尚、環状突起11は、必ずしも形成されていなくてもよいが、本実施形態のように可動底部9の内縁と中央部12の外縁の境界に形成されることにより、可動底部9の移動に応じて生じる径方向の撓みを吸収することが可能となる。
また可動底部9には、図2(A)から明らかなように、可動底部9の外縁から中央部12と接する内縁(環状突起11が形成される場合は、環状突起11の外縁)間において、径方向にかけて下方に突出した湾曲部13が周方向に複数個(図2では放射状に16個)等間隔に形成されていると共に、隣接する湾曲部13,13の間に中央部12と接する内縁(環状突起11の外縁)から可動底部9の外縁に向かって延びる溝部14が複数個(図2では16個)等間隔に形成されている。これらの湾曲部13及び溝部14は、図に示すように、均一形状で放射状に等間隔で形成されていることが、内容物の充填時或いは減圧時における均一な変形を確保する上で望ましい。
溝部14は、図2から明らかなように、下方に突出する湾曲底部14aを有するとともに、可動底部9の外縁から中央部12に向かって上方に傾斜し、可動底部9の外縁よりも中央部12と接する内縁(環状突起11の外縁)の位置が容器軸方向の上方に位置するように形成されている。
溝部14は、内容物の重さや、或いは熱間充填等によって更に熱が作用した場合に、底部径方向に生じる撓みを吸収し、また減圧時に元の形状(上方傾斜状態)にスムーズに復元する形状復元作用を発揮することができるように、溝の深さ、幅、湾曲底部の傾斜角度、曲率半径を設定することが好適である。
溝部の深さDは、図3(a)に示すように、可動底部9の内外縁(図に示す具体例では、前記内縁の位置は環状突起11の外縁)の間の中心位置M1付近で最も深くなっていることが好ましく、その深さDは0.1〜3.0mmの範囲にあることが好適であり、また、溝部の径方向においてその深さDを適宜調整することもできる。尚、中心位置M1は、具体的には、図3(a)に示す通り、溝部14において、可動底部9の内外縁を結ぶ線分X1をひき、線分X1の中点を通り線分X1に対して垂直な直線Y1と溝部の湾曲底部14aとが交わる点を意味する。深さDは、図3(a)(b)を参照し、線分X1と点M1の間の距離D1と、線分X2と点M2の間の距離D2の差、即ちD2−D1で表される。線分X2は、湾曲部13において、可動底部9の内外縁を結ぶ線分であり、M2は、線分X2の中点を通り線分X2に対して垂直な直線Y2と湾曲部13とが交わる点である。
また、溝部の周方向の幅は、図2(A)に示す具体例では、上記中心位置M1付近において最も幅が広くなっている略紡錘形状に形成されているが、可動底部9の内外縁付近において幅広で、上記中心位置M1付近で最も幅が狭くなるように形成されていても、上述した凸変形及び復元が容易になるので好ましい。
また、溝部の湾曲底部14aの水平方向に対する傾斜角度θは、中心位置M1において2〜15°の範囲にあることが好適である。傾斜角度θは、具体的には、図3(a)に示されている通り、上記中心位置M1において溝部の湾曲底部14aの接線Zをひき、かかる接線Zの水平方向に対する角度で表される。
更にまた、溝部の湾曲底部14aの曲率半径Rは、30〜300mmの範囲にあることが好適である。これにより、可動底部9の外縁を起点に可動底部9が移動する際に、直線状の場合と比して径方向に生じる撓みを軽減することができる。
底部径方向に生じる撓みを吸収する溝部14の肉厚を薄肉とすることで、熱間充填等により重さ及び熱が作用する場合には、隣り合う湾曲部13がその間隔を広めるように、また減圧時には隣り合う湾曲部13がその間隔を狭めるように撓み易くなり、可動底部9全体を均一且つ緩やかに上方に向かって移動させることが可能になる。
本発明の合成樹脂製容器の内圧変化に応じた底部の変動を説明するための図4において、(A)は空の状態、(B)は熱間充填(例えば87℃)直後の状態、(C)は(B)の充填後減圧状態をそれぞれ示す一部断面図であり、(D)は(A)〜(C)を重ね合わせた図である。
本発明の合成樹脂製容器1においては、充填温度にかかわらず、内容物が充填された直後(B)においては、可動底部9は内容物の自重により空の状態(A)よりも下方に移動するが、87℃という高温で充填・密封された場合でも、前述したとおり、溝部14が形成されていることにより、可動底部が過度に下方に移動することがない。また熱間充填された後に冷却され、減圧状態になった場合(C)には、溝部14の形状復元作用を利用して、可動底部9をスムーズに上方に移動させており、減圧吸収後の可動底部9は、空の状態(A)よりも上方に位置するようになっている。
これらの図を重ね合わせてなる図4(D)から明らかなように、本発明の合成樹脂製容器では、内容物が高温で充填され、内容物の重さ及び熱が作用した場合でも、可動底部9は下方に過度に移動することがなく、しかもその後減圧状態になった場合にも、緩やかに変形して容器内方にせり上がった状態になることによって、所望の減圧吸収性能を発揮することができる。
次に、本発明の別の実施形態につき、図5乃至7を用いて説明する。
本実施形態では、図5、特に図6(B)及び図7から明らかなように、脚部8の内周壁8cの上端に、内周壁8cの上端から上方に突出したのち、下方に向かって折り返される環状の折り返し部15が形成され、この折り返し部15の内縁15aが、可動底部9の外縁の位置と一致して連接されている点で、図1に示す本発明の合成樹脂製容器1と異なっている。
折り返し部15の深さは、これに限定されないが、折り返し部の上端から折り返し部の内縁15aまでの垂直距離で0.5〜3.0mmの範囲にあることが好適である。上記範囲よりも折り返し部が浅いと、上記範囲にある場合に比して、可動底部9が下方移動する際に脚部8の内周壁8cが内倒れしてしまう可能性が高まり、その一方、上記範囲よりも大きい場合には上記範囲にある場合に比して成形性に劣るようになる。
このように、可動底部9が、適宜な深さを有する折り返し部15を介して脚部8の内周壁8cに連接されていることにより、熱間充填等により内容物の重みと熱が可動底部9に作用した場合でも、脚部8の内周壁8cが可動底部9の中央方向に過度に引き込まれること(内倒れ)が防止されるとともに、折り返し部15の内縁15aも過度に引き込まれてしまうことが有効に防止されている。その結果、熱間充填等に賦されても、可動底部9が過度に下方に突出することや、或いは不均一な変形が生じないことから、減圧時にも均一変形し、87℃以上の高温での熱間充填にも対応し得る。
本発明の合成樹脂製容器においては、上述した具体例に限定されず、種々の変更が可能である。
すなわち、図に示した具体例では、湾曲部13,13・・・及び溝部14,14・・・は、それぞれ16個形成されていたがこれに限定されるものではなく、対称性を有していることが好適であり、また、可動底部9の径にもよるが、3〜36個の範囲にあることが、可動底部の可動領域を増加してより大きな減圧吸収性能を発揮する上で望ましい。前述の個数が3個未満であると、上記範囲にある場合に比して減圧時の撓み幅が小さくなって減圧性能が低下するおそれがあり、前述の個数が36個を越えると、上記範囲にある場合に比して溝部14,14・・・の幅が小さくなり成形が困難になるおそれがある。
また湾曲部13,13・・・は、隣り合う溝部14,14・・・が復元可能である限り、図に示された形状に限定されないが、大きな内圧変化にも対応し得る可動領域を確保するためには、図に示した具体例のように、下方に突出した形状であることが好適である。
さらに、図示していないが、中央部12の中心から同心円上で形成される環状溝部を形成し、湾曲部13,13・・・、及び溝部14,14・・・を径方向に分断することにより、可動底部9をさらに撓みやすくさせることができ、スムーズに上下方向に移動させることもできる。また、前述の環状溝部が配置される間隔は、特に限定されないが、等間隔が好適である。
また溝部14は、可動底部9の内縁を外縁より容器軸方向において上方に位置するように形成されていればよく、底部の径方向において、一部下方に向けて傾斜する部分を有していてもよい。
また図に示した折り返し部15は、環状に形成されていたが、肉厚等の問題で剛性が不足するような場合には、図8に示すように、折り返し部15を、湾曲部13に対応する箇所には形成せず、溝部14に対応する箇所に間隔を置いて形成することが好ましい。これにより、折り返し部15の内縁15aが、可動底部の移動に応じて内倒れすることが有効に防止できる。
更に、図に示した具体例では、可動底部9の中央部12は、ほぼ平坦に形成されているが、可動底部9の外方又は内方に突出していてもよく、これにより、中央部12をより薄肉化することが可能となって、より大きな減圧吸収性能を発揮することができる。また前述したとおり、環状突起11は必ずしも必要でないが、環状突起が可動底部9の内縁と中央部12の外縁の境界に形成されていることにより、可動底部9の移動に応じて生じる径方向の撓みを吸収することが可能となる。
更にまた、図に示した具体例では、可動底部9の外縁は円状に形成していたが、これに限定されず、湾曲部及び溝部の形状及び幅などによって、多角形状、或いは花弁状等に適宜変更することができる。
可動底部9は、底部の接地部径の85乃至95%の外径を有することが、容器の自立性を確保すると共に減圧吸収性能を確保する上で好ましい。また可動底部9の中央部12は可動底部9の外径の20乃至35%の外径を有することが好ましい。
更に、湾曲部13,13・・・の頂部をつなぐ円が、可動底部9の外径の60乃至90%の径を有することが好適である。可動底部9の外径の60%未満であると、上記範囲にある場合に比して減圧時の撓み幅が小さくなって減圧吸収性能が低下するおそれがあり、可動底部9の外径の90%を越えると、上記範囲にある場合に比して内周壁との角度が急になり成形が困難になるおそれがある。
また、本発明の合成樹脂製容器においては、底部の厚みが、胴部の最も薄い部分における厚みと同等或いはそれ以下であることが、好適であり、可動底部9の径にもよるが、0.15乃至0.4mm、好適には0.2乃至0.3mmの範囲に薄肉化されていることが望ましい。
さらに、脚部8の内周壁8cの内倒れを抑制するため結晶化度を高めることが好ましく、具体的には少なくとも脚部8の内周壁8c、また、折り返し部15が形成される場合には折り返し部15も含め、結晶化度が30%乃至50%であるとよい。
本発明の合成樹脂製容器においては、上述した底部形状を有する限り、従来公知の合成樹脂製容器の製造方法により成形することができるが、容器の内圧変化による可動底部9の上下動を可能にする上で、可動底部9が薄肉であることが重要であることから、可動底部9を薄肉に成形可能な延伸ブロー成形法により成形することが好ましい。
延伸ブロー成形においては、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂から成るプリフォームを上述した底部形状を容器底部に賦形可能な底金型を用いて成形する。
この際、折り返し部15、湾曲部13,13・・・及び溝部14,14・・・から成る凹凸形状が底部に賦形されることから、底金型の離型性を向上するために底金型は粗面を有していることが好適である。従って、成形された合成樹脂製容器においても、かかる底金型と接触する、可動底部9の表面、更には脚部8の内周壁8cの表面が粗面に形成される。
本発明の合成樹脂製容器は、従来、延伸ブロー成形に用いられていた熱可塑性ポリエステル樹脂、特にエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが有利に使用されるが、勿論、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの他のポリエステル、或いはポリカーボネートやアリレート樹脂等とのブレンド物を用いることもできる。
また上記熱可塑性ポリエステル樹脂の単層のみならず、上記熱可塑性ポリエステル樹脂とガスバリヤー性樹脂又は酸素吸収性樹脂との多層構造であっても良く、高温での熱間充填に耐え得る耐熱性を付与すべく、用いるプリフォームの口部は熱結晶化されていることが好ましい。
また延伸ブロー成形条件も、上述した形状を底部に付与可能な底金型を使用し得る限り、従来公知の成形条件で成形でき、一段ブロー成形の他、二段ブロー成形によっても成形することができ、耐熱性の見地から熱固定されていることが好適である。
本発明の合成樹脂製容器においては、容器外観に影響を与えない底部に減圧吸収性能が付与されていることから、熱間充填により充填される調味料等の容器として有効に利用できる。
またこのような内容物以外にも、比較的高温で充填される内容物に対しても適用可能である。
1 合成樹脂製容器、2 口部、3 肩部、4 胴部、5 底部、6 リブ、8 脚部、9 可動底部、11 環状突起、12 中央部、13 湾曲部、14 溝部、14a 湾曲底部、15 折り返し部。

Claims (10)

  1. 底部が減圧吸収性能を有する合成樹脂製容器であって、前記底部には、胴部から連なる外周壁、接地部及び内周壁から成る脚部が形成され、該脚部の内周壁よりも内側に、前記接地部よりも上方に位置する可動底部が形成されており、
    前記可動底部の外縁及び中央部と接する内縁間において、径方向にかけて突出し、周方向に複数形成された湾曲部、及び該湾曲部間に、前記可動底部の内縁を外縁より容器軸方向において上方に位置するように接続する溝部を備えることを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 前記溝部が、放射状に形成されている請求項1記載の合成樹脂製容器。
  3. 前記溝部が、下方に突出する湾曲底部を有している請求項1又は2記載の合成樹脂製容器。
  4. 前記溝部の深さが、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において0.1〜3.0mmである請求項1〜3の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  5. 前記湾曲底部の水平方向に対する傾斜角度が、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において2〜15°である請求項1〜4の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  6. 前記湾曲底部の曲率半径Rが、30〜300mmである請求項1〜5の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  7. 前記溝部の幅が、前記可動底部の内外縁の間の中心位置において、前記内外縁における幅よりも幅広又は幅狭である請求項1〜6の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  8. 前記可動底部の内縁と中央部外縁との境界に、下方に突出する環状突起が形成されている請求項1〜7の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  9. 前記脚部の内周壁の上端に折り返し部が形成され、前記折り返し部の内縁が可動底部の外縁の位置と一致して連接されている請求項1〜8の何れかに記載の合成樹脂製容器。
  10. 前記可動底部の中央部が、上方又は下方に突出している請求項1〜9の何れかに記載の合成樹脂製容器。
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