JP2016142762A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラ - Google Patents
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Abstract
Description
光防止のために、羽根チャージ中は幕を閉じておく機構を備えたカメラ用フォーカルプレ
ンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラに関する。
による次の特許文献1に記載されるようなシャッタがある。
特許文献1に記載のフォーカルプレンシャッタは、撮影の待機状態において露光開口を
開いた状態とすべく、先羽根の閉じ方向への移動を抑止し、撮影時に先羽根の閉じ方向へ
の移動の抑止を解除するための抑止部材が、永久磁石回転子等の往復作動可能な可動子を
備え、可動子に備わるコイルに対し二方向に通電することにより、可動子を先羽根の閉じ
方向への移動を抑止する方向とその抑止を解除する方向とに移動させる電磁装置で構成さ
れている。そして、セット作動時においては、後羽根の方は、露光開口を閉じた状態から
開いた状態に作動させるが、先羽根の方は、露光開口を開いた状態から閉じた状態には作
動させない、ノーマリーオープン方式での撮影を、このような電磁装置からなる抑止部材
の往復作動可能な可動子のコイルへの通電方向の切り換えにより、先羽根用第1駆動部材
の被抑止部の作動軌跡内への出入りを切り換えることで行っている。
による次の特許文献2に記載されるような、後羽根チャージ時における、センサへの露光
防止のため、後羽根チャージ中は後幕を閉じておく機構を備えたフォーカルプレンシャッ
タがある。
トばねの付勢力で回転したときには後羽根に露光開口を開かせる後羽根用第1駆動部材と
、後羽根用駆動ばねの付勢力によって回転したときには後羽根用第1駆動部材を後羽根用
セットばねの付勢力に抗して回転させ後羽根に露光開口を閉じさせる後羽根用第2駆動部
材とで構成し、セット作動の開始時には係止部材によって後羽根用第1駆動部材の回転を
係止して、後羽根用第2駆動部材だけを駆動ばねの付勢力に抗して回転させ、セット作動
の最終段階でその係止を解除することにより後羽根用セットばねの付勢力による後羽根用
第1駆動部材の回転を可能にしている。
また、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタは、係止部材が、露光作動終了直
前に後羽根用第1駆動部材に当接させられることによって後羽根用第1駆動部材の回転を
制動すると共に、露光作動終了時に後羽根用第1駆動部材がストッパに当接したときの衝
撃で発生するバウンドを抑止している。
このため、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタによれば、撮像素子から記憶
装置への撮像情報の転送時間を考慮せずにセット作動を開始させることができ、次の撮影
を従来よりも早く行え、従来よりもシャッタチャンスを逸することがなくなるという利点
がある。また、それによって、連写を行う場合には、より細分化されたコマ写真が得られ
るという利点がある。
往復作動可能な可動子に備わるコイルに対し、二方向に通電を切換えることにより、可動
子を先羽根の閉じ方向への移動を抑止する方向とその抑止を解除する方向とに移動させる
のでは、消費電力が大きくなってしまう。
備えたフォーカルプレンシャッタの場合、後羽根へのチャージ完了時に後羽根をセット位
置に戻すが、後羽根の戻り走行終了時の衝撃により、後羽根にバウンドが発生する。そし
て、この後羽根のバウンドが収まらないと、露光作動を行ったときの羽根の動きが不安定
になってしまうため、後羽根のバウンドが収束するまで露光作動を待つ必要がある。
このため、特許文献2に記載されているような、従来の後羽根チャージ中に後幕を閉じ
ておく機構を備えたフォーカルプレンシャッタにおいては、この後羽根の戻り走行終了時
の衝撃により生ずる後羽根のバウンドが収束するまでの時間が、次の撮影可能となるまで
のタイムラグや、連写撮影における高コマ速化の妨げとなっていた。
ころは、通電時間を減らして消費電力を低減させることができ、且つ、羽根へのチャージ
中は幕を露光作動終了時の状態に保持し、羽根へのチャージが完了してから露光作動開始
前までの間に羽根を露光作動開始位置に戻す機構を備えたタイプのカメラ用フォーカルプ
レンシャッタにおいて、露光作動開始位置に戻る羽根の戻り走行終了時の衝撃により生ず
る羽根のバウンドの収束時間を短縮でき、次の撮影可能となるまでの時間を短縮し、さらに、高速での作動時に二つの駆動部材の位置決めが好適に行われることにより、特に
連写速度の向上が可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラを
提供することである。
ットばねの付勢力によってセット方向に回転し、羽根を露光作動開始位置に戻り走行させ
る第1駆動部材と、駆動ばねの付勢力によってセット方向とは反対方向に回転し、前記セ
ットばねの付勢力に抗して前記第1駆動部材を押動することで前記羽根を露光作動させる
第2駆動部材とで構成された駆動手段を有するとともに、セット作動開始後の前記羽根へ
のチャージに対し前記第1駆動部材を係止して該羽根を露光作動終了時の状態に保持し、
前記第1駆動部材への係止を解除することによって前記羽根を露光作動開始位置に戻る方
向へ駆動させる係止機構を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記係止
機構が、軸を中心として回転可能であって、一端に前記第1駆動部材に設けられている第
1の被係止部を係止して前記第1駆動部材のセット方向への回転を抑止する第1の係止部
を有するとともに他端に永久磁石を有する係止レバーと、片側方向の通電により前記永久
磁石に対して反発する磁力を発する係止レバー用電磁石とを有し、前記係止レバー用電磁
石への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて、前記係止レバーを前記第1の
被係止部を係止する方向と該係止を解除する方向とに切換えて回転させるとともに、前記
羽根の露光作動開始位置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドを抑止するバウ
ンド抑止機構と、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材が当接している時に該二つの駆動部材を相互に位置決めする位置決め部とを備えたことを特徴としている。
は、前記係止レバーに設けられていて、前記第1駆動部材に設けられている第2の被係止
部を係止する第2の係止部からなるのが好ましい。
は、前記第2の係止部の外側に、前記第1駆動部材の前記第2の被係止部の外側に設けら
れている押動部に摺接されながら押される被押動部を有し、前記第2の係止部が前記第2
の被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記第1駆動部材が露光作動開始方向に回転
させられたときに、前記第1駆動部材の前記押動部が前記バウンド抑止機構の前記被押動
部を摺接しながら押し退けて、前記第2係止部による前記第1駆動部材の前記第2の被係
止部の係止が掛かるのが好ましい。
を備えている。
転可能であって、一端に第1駆動部材に設けられている第1の被係止部を係止して第1駆
動部材のセット方向への回転を抑止する第1の係止部を有するとともに他端に永久磁石を
有する係止レバーと、片側方向の通電により永久磁石に対して反発する磁力を発する係止
レバー用電磁石とを有し、係止レバー用電磁石への片側方向の通電と該通電の解除との切
換えに応じて、係止レバーを前記第1の被係止部を係止する方向と該係止を解除する方向
とに切換えて回転させるようにしたので、第1の係止部による第1の被係止部への係止時
に通電を解除し、係止を解除する時のみ片側方向に通電するように通電を制御することで
、特許文献1のような永久磁石回転子等の往復作動可能な可動子に備わるコイルに対し二
方向に通電を切換える構成に比べて、通電時間を減らして消費電力を低減させることがで
きる。
しかも、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、例えば、羽根へのチャ
ージ時におけるセンサへの露光防止のために、羽根へのチャージ中は後幕を閉じておく機
構を備えたタイプのカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、羽根の露光作動開始位
置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドとしての、羽根の露光開口からの退避
作動時の衝撃により生ずるバウンドを抑止するバウンド抑止機構を備えたので、羽根が露
光作動を開始する前の露光作動開始位置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンド
としての、羽根へのチャージ完了後にセット位置に戻る羽根の戻り走行終了時の衝撃によ
り生ずる羽根のバウンドの収束時間を短縮でき、次の撮影可能となるまでの時間を短縮し
、特に連写速度の向上が可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタが得られる。
止レバーに設けられていて、第1駆動部材に設けられている第2の被係止部を係止する第
2の係止部からなる構成とすれば、係止レバー用電磁石に対する片側方向の通電時間を、
係止レバーの第1の係止部が第1駆動部材の第1の被係止部の係止を解除してから第1駆
動部材の第2の被係止部が係止レバーの第2の係止部に係止されるまでの間に短縮でき、
通電コストを抑えることができ、しかも、構成部材の点数を簡略化し、省スペース化でき
る。
2の係止部の外側に、第1駆動部材の第2の被係止部の外側に設けられている押動部に摺
接されながら押される被押動部を有する構成とし、第2の係止部が第2の被係止部を係止
可能な位置にある状態で、第1駆動部材が露光作動開始方向に回転させられたときに、第
1駆動部材の押動部がバウンド抑止機構の被押動部を摺接しながら押し退けて、第2係止
部による第1駆動部材の第2の被係止部の係止が掛かるようにすれば、羽根の露光作動開
始位置への戻り方向走行時の第1駆動部材を制動して、羽根の戻り走行終了時のバウンド
を弱めることができる。このため、バウンド抑止機構による羽根の露光作動開始位置への
戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドの抑止をより効果的なものとすることができ
、羽根へのチャージ完了後に羽根の露光作動開始位置に戻る羽根の戻り走行終了時の衝撃
により生ずる羽根のバウンドの収束時間をより一層短縮できる。
イプのフォーカルプレンシャッタの構成に本発明を適用したものであるが、係止タイプと
して構成したものにも適用することが可能である。
施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける外観を地板側からみた平面図、図2は
本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、羽根のセット作動完了後の状態
を示す平面図、図3は本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、二つの駆動部材の拡大図で、(a)は斜視図、(b)は(a)の側面図、図4は本実施例のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける、セット部材を駆動するセット駆動機構部の構成を示す図で、(a)は地板側からみた平面図、(b)は(a)の側面図である。尚、本実施例の説明においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んだとき、図1、図2の表面側(手前側)が被写体側(撮影レンズ側)であり、図1の背面側が撮像素子側であることを前提にして説明する。しかしながら、周知のように、デジタルカメラの場合には、図1、図2の表面側を撮像素子側にし、図1、図2の背面側を被写体側にすることもある。また、本発明の実施例の説明においては、先幕を電子シャッタとし、後幕のみを駆動部材を介して開閉する構成を用いることとする。
口部1aが形成されている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面側には、所定の
間隔を空けて、補助地板2が取り付けられており、シャッタ地板1と補助地板2との間に
羽根室を構成している。そして、補助地板2にも、開口部1aの形状や大きさが略同様の
開口部2aが形成されている。そして、被写体光を通過させるためのシャッタユニットと
しての露光開口の形状は、それらの開口部1a,2aで形成されることもあるが、本実施
例においては、開口部1aの形状だけで露光開口の形状が決められている。
部が見えるようにするために、シャッタ地板1の開口部1aに隣接する一部の領域を故意
に破断して示している。なお、図2、図5〜図10では、便宜上、図1に示す開口部1aの右側部分を省略して示してある。
bが形成されている。長孔1bの下方端部には、平面形状が略C字状をした周知のゴム製
の緩衝部材3が取り付けられている。また、補助地板2は、薄い板部材であって、長孔1
bを形成している領域と重なるため、実際には、長孔1bと重なるところに、略同じ形状
をした図示していない長孔が形成されている。
それらのうち、軸1eは、他の軸1c,1dよりも短い。また、シャッタ地板1の背面側
、即ち撮像素子側には、軸1f,1gが立設されている。それらのうち、軸1fは、上記
の軸1cと同心上に立設されている。また、シャッタ地板1の表面側には、矩形状の溝か
らなるストッパ部1iが設けられている。
それらの先端には、例えば、特開2007−298544号にも記載されているような支
持板23とプリント配線板とが、支持板23をシャッタ地板1側にして取り付けられてお
り、その支持板23のシャッタ地板1側には、略U字形をしていて二つの脚部の先端を磁
極部とした鉄芯部材と、コイルと、コイルを巻回していて鉄芯部材の一方の脚部に嵌装さ
れたボビンとで構成された、羽根用電磁石が取り付けられている。しかしながら、羽根用
電磁石の構成や支持板への取付け構成は周知であり、且つ羽根用電磁石の構成の全てに符
号を付けると、他の構成部材が分かりにくくなってしまうため、図2のほか図5〜図10において羽根用電磁石については鉄芯部材だけに符号4を付してある。
、いずれも合成樹脂製である、第1駆動部材11と第2駆動部材12とが、第1駆動部材
11の方をシャッタ地板1側にして、個々に回転可能に取り付けられている。
1cと、第1の押動部11fと、第2の被係止部11dと、第2の押動部11eを有して
いる。被押動部11aと駆動ピン11bは、表面側と背面側とで重なるように形成されて
おり、背面側に形成されている駆動ピン11bは、シャッタ地板1の長孔1bに挿入され
ている。そして、この駆動ピン11bは、根元側の部位の断面が円形をしている。また、
先端側の部位の断面は砲弾形をしていて、後述のように羽根室内で羽根に連結されており
、その最先端部を、補助地板2に形成されていて長孔1bと略同じ形状をした図示してい
ない長孔に挿入している。尚、駆動ピン11bの根元側の部位の断面はD形であってもよ
い。また、駆動ピン11bの先端側の部位の断面形状は小判形であってもよい。
のシャッタ地板1側に形成した押動部12cと、被写体側に形成した被押動部12bを有
している。そして、周知のように、この第2駆動部材12は、図示していない駆動ばねの
付勢力によって時計方向(図2における軸1cを中心とした矢印A方向)へ回転するよう
に付勢されているが、押動部12cは、その回転時に、上記の第1駆動部材11の被押動
部11aを押す部位である。
縮ばねとが収容されている。そして、鉄片部材13は、軸部13aの一端に円盤状をした
頭部13bを有していて、他端には鉄片部13cを取り付けている。また、この鉄片部材
13は、取付部12a内で軸部13aに嵌装されている上記の図示していない圧縮ばねに
よって、鉄片部13cを取付部12a内から突き出すように付勢されているが、図2では
、羽根用電磁石の鉄芯部材4の磁極部に接触し、鉄片部13cが上記の図示していない圧
縮ばねの付勢力に抗して取付部12a内に押し込まれ、軸部13aの一部が出現し、頭部
13bが取付部12aから離れた状態となっている。
能に取付けられている。ラチェット部材24は、外周部にラチェット歯(図示していない
)を備えており、支持板23に形成されたラチェット爪(図示していない)の先端をラチ
ェット歯に噛合させられ、ラチェット部材24の時計方向への回転を阻止されるようにな
っている。
け、他端をラチェット部材24の図示していないばね掛け部に掛けて、第2駆動部材12
を時計方向へ回転させるように付勢しており、その付勢力は、ラチェット部材24を一時
的に外し、ラチェット部材24の回転位置を変えることによって調整できるようになって
いる。尚、ラチェット部材24は、図1にだけ示してある。
14が回転可能に取り付けられている。このセット部材14は、後述するセット駆動機構
部50のリンクレバー51の第1レバー51a(図4参照)を回転可能に取り付けた取付
部14aと、第2駆動部材12の被押動部12cを押す押動部14bとを有している。
おける軸1dを中心とした矢印B方向)へ回転するように付勢されているが、図2は、後
述するセット駆動機構部50(図4参照)によって復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ
回転させられ、セット位置で停止させられている状態を示したものである。なお、図4で
は、そのような復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられ、シャッタ地板1に
設けられた図示していないストッパ部に当接して、停止させられている状態を示している
。以下、セット部材14については、図5に示されている位置を初期位置ということにす
る。
15が回転可能に取り付けられている。係止レバー15は、係止レバー15の一端に設け
られた第1の係止部15aと、第1の被押動部15fと、係止レバー15の他端に設けら
れた永久磁石15bと、第2の係止部15cと、第2の被押動部15dと、当接部15e
を有している。係止レバー15は、後述する係止レバー用電磁石16とともに、本発明に
おける係止機構を構成している。また、係止レバー15は、係止レバー用電磁石16の通
電が解除されている(即ち、通電がOFFの)状態において、永久磁石15bより発する
、係止レバー用電磁石16に吸着する磁力によって反時計方向(図2における軸1eを中
心とした矢印C方向)へ回転するように付勢され、係止レバー用電磁石16が片側方向に
通電されている(即ち、正負のうちのいずれか一方向の通電がONの)状態において、永
久磁石15bより発する、係止レバー用電磁石16から発する磁力と反発する磁力によっ
て時計方向へ回転するように付勢される。図2では、係止レバー用電磁石16の通電が解
除されていて、係止レバー15は、永久磁石15bによる係止レバー用電磁石16への吸
着力により反時計方向へ回転させられ、永久磁石15bが係止レバー用電磁石16に当接
して反時計方向への回転を停止させられている。
磁極部に当接した状態に位置するときに、第1駆動部材11の第1の被係止部11cを係
止することによって、第1駆動部材11のセット方向(反時計方向)への回転を抑止する
ように形成されている。また、第1の係止部15aは、永久磁石15bが係止レバー用電
磁石16の鉄芯部材16aの磁極部に当接した状態に位置するときに、第1駆動部材11
の露光方向への走行終了時における、長孔1bの下方端部に第1駆動部材11の駆動ピン
11bが当接するときの衝撃により生じる羽根のバウンドを抑止する機能も備えている。
第1の被押動部15fは、永久磁石15bが係止レバー用電磁石16の鉄芯部16材a
の磁極部に当接した状態に位置するときに、露光方向に走行する第1駆動部材11の被第
1の押動部11fに摺接されながら押されるように形成されており、第1の押動部11f
に摺接されながら押されることで、露光方向に走行する第1駆動部材11を制動する機能
を備えている。
磁極部から離れて、当接部15eが地板1のストッパ部1iに当接した状態に位置すると
きに、第1駆動部材11の第2の被係止部11dに係止することによって、第1駆動部材
11の露光方向(図2における時計方向)への回転を抑止するように形成されている。そ
して、第2の係止部15cは、本発明のバウンド抑止機構を構成しており、永久磁石15
bが係止レバー用電磁石16の鉄芯部材16aの磁極部から離れて、当接部15eが地板
1のストッパ部1iに当接した状態に位置するときに、第1駆動部材11のセット方向へ
の戻り走行終了時における長孔1bの上方端部に第1駆動部材11の駆動ピン11bが当
接するときの衝撃により生じる羽根のバウンドを抑止する機能を備えている。
第2の被押動部15dは、永久磁石15bが係止レバー用電磁石16の鉄芯部材16a
の磁極部から離れて、当接部15eが地板1のストッパ部1iに当接した状態に位置する
ときに、セット方向へ走行する第1駆動部材11の第2の押動部11eに摺接されながら
押されるように構成されており、第2の押動部11eに摺接されながら押されることで、
セット方向へ走行する第1駆動部材11を制動する機能を備えている。
当接部15eは、ストッパ部1iと当接することによって、係止レバー15の時計方向
への回転を停止させるように形成されている。
部材16aと、コイル16bと、コイル16bを巻回していて鉄芯部材の一方の脚部に嵌
装されたボビン16cとで構成されていて、シャッタ地板1の被写体側に、鉄芯部材16
aの磁極部がレバー部材15の永久磁石15bと当接しうるように取り付けられている。
そして、係止レバー用電磁石16は、コイル16bが片側方向に通電されたときに、鉄
芯部材16aの磁極部より係止レバー15の永久磁石15bに対して反発する磁力を発し
、コイル16bへの通電が解除されたときに、鉄芯部材16aの磁極部が磁力を発さず、
永久磁石15bが鉄芯部材16aの磁極部に吸着されるように構成されている。
材駆動機構50が設けられている。
セット部材駆動機構50は、図4(a)、図4(b)に示すように、リンクレバー51
と、スライドレバー52と、カム53と、歯車列54と、ハウジング55と、モータ56
を有している。
1レバー51aは、一端がセット部材14の取付部14aに回転可能に取り付けられ、他
端が第2レバー51bに回転可能に取り付けられている。第2レバー51bは、一端がシ
ャッタ地板1に立設された軸1xに対して回転可能に取り付けられている。また、第2レ
バー51bは、中央で第1レバー51aを回転可能に取り付けるとともに、他端にスライ
ドレバー52の当接部52cと当接する当接部51b−1を備えている。
スライドレバー52は、一端に被押動部52a、一端と他端との間にピン52b、他端
にリンクレバー51における第2レバー51bの当接部51b−1と当接する当接部52
cを夫々備えている。被押動部52aは、カム53の押動部53aによって押動されうる
ように設けられている。当接部52cは、リンクレバー51の当接部51b−1と当接す
るように設けられている。ピン52bは、ハウジング55に設けられたガイド孔55aに
沿ってガイド可能に設けられている。なお、便宜上、図4では図示を省略したが、ハウジ
ング55の内部は、スライドレバー52をガイド孔55aの方向に沿って移動可能に収納
するように構成されている。
設けられていて、所定の回転角度範囲(図4(b)の例では約180度の範囲)にスライ
ドレバー52の被押動部52aを押動可能な押動部53aを備えている。押動部53aは
、軸からの距離が最大且つ一定の円弧状に形成された第1の曲面領域53a−1と、軸か
らの距離が第1の曲面領域53a−1から離れるにしたがって第1の曲面領域53a−1
よりも短くなるように形成された第2の曲面領域53a−2を有している。
歯車列54は、ハウジング55の内部に設けられた、互いに噛合する歯車54a、54
bで構成されている。
モータ56は、回転軸上にピニオン56aを備え、一方向(図4(b)では時計方向(
モータ56の軸を中心とした矢印X方向))に回転軸を回転するように構成されている。
ピニオン56aは、歯車列54の歯車54aに噛合している。
けるモータ56の軸を中心とした矢印X方向)に回転し、ピニオン56a、歯車54a、
歯車54bを介してカム53が時計方向(図4(b)におけるカム53の軸を中心とした
矢印Z方向)に回転することにより、カム53の押動部53aがスライドレバー52の被
押動部52aを押し、スライドレバー52がピン52bをハウジング55のガイド孔55
aにガイドされながら矢印W方向に移動し、当接部52cがリンクレバー51の当接部5
1b−1を押すことで、第2レバー51bが反時計方向(図4(a)における軸1xを中
心とした矢印U方向)に回転し、セット部材14を図示していない復帰ばねの付勢力に抗
して時計方向(図2における軸1dを中心とした矢印B方向とは反対の方向)に回転させ
る。図4(a)はセット部材14がセット位置近くまで回転している状態を示している。
なお、セット部材14がセット位置に到達したときには、カム53の押動部53aは、軸
からの距離が最大且つ一定の第1の曲面領域53a−1がスライドレバー52の被押動部
52aを押しており、第1の曲面領域53a−1がスライドレバー52の被押動部52a
を押している間は、セット部材14はセット位置に保持されるようになっている。
ータ56が回転軸をさらに時計方向(図4(b)におけるモータ56の軸を中心とした矢
印X方向)に回転し、ピニオン56a、歯車54a、歯車54bを介してカム53が時計
方向(図4(b)におけるカム53の軸を中心とした矢印Z方向)に回転することにより
、カム53の押動部53aがスライドレバー52の被押動部52aから離れたときに、セ
ット部材14が、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向(図2における軸
1dを中心とした矢印B方向)へ回転し、リンクレバー51の第2レバー51bが時計方
向(図4(a)における軸1xを中心とした矢印U方向とは反対の方向)に回転し、当接
部51b−1がスライドレバー52の当接部52aを押すことで、スライドレバー52が
ピン52bをハウジング55のガイド孔55aにガイドされながら矢印W方向とは反対の
方向に移動する。そして、スライドレバー52のピン52bが、図4(a)におけるハウ
ジング55のガイド孔55aの下端部に当接したときに、スライドレバー52が停止し、
リンクレバー51、セット部材14の回転が停止する。そして、このセット部材14の停
止位置が、上述した初期位置となるようになっている。
シャッタ地板1と補助地板2との間に配置されている羽根は、シャッタ地板1の上記の
軸1fに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム17と、シャッタ地板1の上記の
軸1gに対して一端を回転可能に取り付けられたアーム18と、それらの自由端である他
端部に向けて順に枢支された4枚の羽根19,20,21,22とで構成されており、羽
根22がスリット形成羽根となっている。そして、周知のように、第1駆動部材11の駆
動ピン11bの先端部は、アーム17に形成された図示していない長孔に嵌合している。
ていて、その一端をシャッタ地板1のばね掛け部1hに掛け、他端をアーム18の孔18
aに掛けて、アーム18を反時計方向(図2における軸1gを中心とした矢印D方向)へ
回転させるように付勢している。そのため、このセットばね5は、羽根を介して間接的に
第1駆動部材11を反時計方向へ回転させるように付勢しているが、その付勢力は、第2
駆動部材12に掛けられている上記の図示していない駆動ばねの付勢力よりも弱くなって
いる。そして、このセットばね5の場合、周知の羽根のガタ寄せばね(スリット形成羽根
の露光作動開始位置での姿勢を一定にするためにアーム18に掛けられるばね)の役目を
兼用させているが、第1駆動部材11に直接掛けるように構成しても差し支えない。なお
、便宜上、矢印A〜Dは図2にのみ示してある。
する。なお、図11は、羽根のセット作動の完了状態からカメラのレリーズボタンの押下
、露光作動、羽根のセット作動までの一連の作動シーケンスを示すタイミングチャートで
あり、図2、図5〜図10の作動状態となるタイミングを夫々の図面の数字で示してある。
図2は、既に説明したように、羽根のセット作動完了後の状態を示したものである。こ
のとき、第2駆動部材12は、セット部材14の時計方向の回転により、図示していない
周知の駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向に回転させられ、鉄片部材13の鉄片部13
cが羽根用電磁石の鉄芯部材4の磁極部に接触している。また、第1駆動部材1は、セッ
トばね5の付勢力により第1駆動部材11を反時計方向へ回転させられているが、第1駆
動部材11の駆動ピン11bが長孔1bの上方端部に当接しているため、この停止状態が
維持されている。そして、このとき、4枚の羽根19,20,21,22は、折り畳み状
態になって開口部1aから退いている。また、係止レバー用電磁石16の通電が解除され
ており、係止レバー15は、上述したように、永久磁石15bより発する、係止レバー用
電磁石16の鉄芯部材16aの磁極部に吸着する磁力によって反時計方向に回転させられ
、永久磁石15bが係止レバー用電磁石16の鉄芯部材16aの磁極部に当接してその回
転を停止させられている。また、このとき、図3(a),(b)に示されるように、第1駆動部材の凹状の位置決め部11gと第2駆動部材の凸状の位置決め部12dとが嵌まるようになっているので、二つの駆動部材が当接した時に相対位置が常に同じ位置となるようになっている。
12の被押動部12bと当接している。
は、電子ファインダを用いて撮影する場合であるので、図示していない可動ミラーを備え
たカメラの場合には可動ミラーがアップ状態になっている。この状態は、ノーマリーオー
プン方式で撮影する構成のフォーカルプレンシャッタにおいても同様である。
て、セット駆動機構部50(図4参照)によってこの状態を維持させられている。従って
、この状態においては、開口部1aが全開になっているので、カメラの電源をオフにしな
い限り、被写体像を、電子ファインダで観察し、さらには動画撮影することが可能となっ
ている。
体像を観察しながら、カメラのレリーズボタンを押すと、実際の撮影(露光作動)を開始
する前に、羽根用電磁石が励磁状態になり、鉄片部材13の鉄片部13cが鉄芯部材4の
磁極部に吸着保持される。
次に、セット駆動機構部50(4参照)が、リンクレバー51を介してセット部材1
4に対する時計方向へ回転させる力を解くので、セット部材14は、図示していない復帰
ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰させられていく。
その復帰作動の初期段階において、セット部材14は、押動部14bが第2駆動部材1
2の被押動部12bから離れていくので、第2駆動部材12は、図示していない駆動ばね
の付勢力によって時計方向へ回転するが、鉄片部材13が鉄芯部材4に吸着保持されてい
るため、僅かに回転したところで、それらの取付部12aが鉄片部材13の頭部13bに
当接して、停止させられる。
部11aを第2駆動部材12の押動部12cに押され、セットばね5の付勢力に抗して僅
かに回転させられるので、4枚の羽根19〜22も僅かに下方へ移動させられるが、開口
部1aを覆い始める前には停止させられる。第1駆動部材11,羽根,第2駆動部材12
にとっては、このようにして得られた位置が、露光作動開始位置である。図5はそのとき
の状態を示している。
像素子を制御することによって静止画像の撮影が開始される。そして、被写体の明るさに
対応して決められた所定時間が経過すると、羽根用電磁石が消磁(図11におけるOFF
)される。
羽根用電磁石が消磁すると、鉄片部材13に対する鉄芯部材4の吸引力が失われ、第2
駆動部材12が、駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのとき
、第2駆動部材12は、押動部12cが第1駆動部材11の被押動部11aを押し、第1
駆動部材11を、セットばね5の付勢力に抗して時計方向へ回転させるため、4枚の羽根
19〜22は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ移動し、スリット形成
羽根22の下端縁で開口部1aを閉じていく。また、第1駆動部材11が露光方向への回
転の終了位置近傍にまで回転したとき、第1駆動部材11の第1の押動部11fが、係止
レバー15の第1の被押動部15fを摺接しながら押し、係止レバー15を永久磁石15
bによる鉄芯部材16aの磁極部に対する吸着力に抗して、係止レバー15を時計方向に
僅かに回転させる。そのような露光作動の途中の状態が図6に示されている。
また、このときも、図3(a),(b)に示されるように、第1駆動部材の凹状の位置決め部11gと第2駆動部材の凸状の位置決め部12dとが嵌まるようになっているので、二つの駆動部材の相対位置は常に同じ位置となる。
、係止レバー15の第1の被押動部15fが第1駆動部材11の第1の押動部11fに摺
接されながら押されて、係止レバー15が時計方向へ回転させられることによって、第1
駆動部材11の時計方向の回転を制動する。さらに、第1駆動部材11は、時計方向へ回
転し、駆動ピン11bが長孔1bの下方端部に設けられた緩衝部材3に当接する。このと
き、第1駆動部材11の第1の押動部11fによる係止レバー15の第1の被押動部15
fへの摺接が解除される。このため、係止レバー15は、永久磁石15bの磁力により、
再び反時計方向に回転させられ、永久磁石15bが係止レバー用電磁石16の鉄芯部材1
6aの磁極部に吸着し、第1の係止部15aが、第1駆動部材11の第1の被係止部11
aを係止しうるようになる。これにより、第1駆動部材11は、長孔1bの下方端部に当
接したときの、緩衝部材3によっては解消しきれない衝撃によるバウンドを抑止される。
第1駆動部材11のバウンドが静止したときに、露光作動が終了し、二つの駆動部材11
,12と羽根の作動が停止する。また、第1駆動部材11の駆動ピン11cの緩衝部材3
への当接と殆ど時期を同じくして、電子シャッタがOFFとなる。そのときの状態が図7
に示されている。
画像の撮像情報が撮像素子から情報処理回路を介して記憶装置に転送されるが、カメラに
備えられている制御回路には、そのための転送可能時間が予め設定されている。
静止画像の撮像情報転送可能時間中にセット部材14に羽根のセット作動を開始させても
、羽根は開口部1aを覆ったままであって撮像素子には光が当たらないようにし、静止画
像の撮像情報転送可能時間の経過後であって、セット部材14のセット作動が終了する直
前になってから羽根に開き作動を行わせ、開口部1aを全開状態にさせるようにしている
。そのため、撮影に際してカメラのレリーズボタンを押してから、撮影が終了し、次の撮
影待機状態が得られるまでの一連の撮影サイクルが、かなり短くなって、次の撮影が早く
行える。
衝撃により羽根にバウンドが発生し、この羽根のバウンドが収まらないと、露光作動を行
ったときの羽根の動きが不安定になってしまうため、羽根のバウンドが収束するまで露光
作動を待つ必要があったが、本実施例のフォーカルプレンシャッタにおいては、羽根の露
光開口からの退避作動時の衝撃により生ずる羽根のバウンドを抑えるバウンド抑止機構と
して係止レバー15に第2の係止部15cを備えたことにより、羽根へのチャージ完了後
にセット位置に戻る羽根の戻り完了時の衝撃により生ずる羽根のバウンドの収束時間を短
縮でき、その結果、連写速度を向上させることができる。
て回転可能であって、一端に第1駆動部材11に設けられている第1の被係止部11cを
係止して第1駆動部材11のセット方向への回転を抑止する第1の係止部15aを有する
とともに他端に永久磁石15bを有する係止レバー15と、片側方向の通電により永久磁
石15bに対して反発する磁力を発する係止レバー用電磁石16とを有し、係止レバー用
電磁石16への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて、係止レバー15を第
1の被係止部15aを係止する方向と該係止を解除する方向とに切換えて回転させるよう
にしたので、第1の係止部15aによる第1の被係止部11cへの係止時に通電を解除し
、係止を解除する時のみ片側方向に通電するように通電を制御することで、特許文献1の
ような永久磁石回転子等の往復作動可能な可動子に備わるコイルに対し二方向に通電を切
換える構成に比べて、通電時間を減らして、消費電力を低減させることができる。
そこで、以下においては、本実施例のフォーカルプレンシャッタがそのような作動を好
適に行えることを、具体的に説明する。
直ちにセット作動が開始されるが、羽根へのセット作動は、セット駆動機構部50(図4
参照)が、リンクレバー51を介して図示していない復帰ばねの付勢力に抗してセット部
材14を時計方向へ回転させることによって行なわれる。
2の被押動部12bを押し、第2駆動部材12を図示していない駆動ばねの付勢力に抗し
て反時計方向へ回転させ始める。このとき、第1駆動部材11には、セットばね5により
、羽根を介して反時計方向へ回転する力が与えられているが、係止レバー15の第1の係
止部15aが第1駆動部材11の第1の被係止部11cを係止することによって、反時計
方向への回転を抑止させられる。
押動部12bが押動部14bに押され、図示していない駆動ばねの付勢力に抗して反時計
方向へ回転させられるが、第1駆動部材11は、係止レバー15の第1の係止部15aに
第1の被係止部11cを係止されているので、セットばね5の付勢力により反時計方向へ
回転させることができない。そのため、4枚の羽根19〜22は、開口部1aを覆ったま
まの状態で、第2駆動部材12だけが反時計方向へ回転を続けることになる。
用電磁石の鉄芯部材4の磁極部に接触するが、このころには既に、上記した記憶装置への
静止画像の撮像情報の転送は終わっている。
セット部材14は、その後も僅かに回転し、セット位置で停止させられる。そのときの
状態が図8に示されている。
バー用電磁石16のコイル16bへの片側方向の通電がONとなり、鉄芯部材16aの磁
極部より係止レバー15の永久磁石15bに対して反発する磁力を発する。これにより、
係止レバー15が時計方向に回転し、第1の係止部15aによる第1駆動部材11の第1
の被係止部11cへの係止を解く。また、係止レバー15は、当接部15eがストッパ部
1iと当接したときに、時計方向への回転を停止させる。
cへの係止を解かれると、セットばね5の付勢力によって反時計方向へ回転を開始する。
そして、4枚の羽根19〜22は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ上方へ移動
し、開口部1aを開いていく。
の途中で、第2の押動部11eが係止レバー15の第2の被押動部15dに摺接しながら
押し、係止レバー15を永久磁石15bによる、係止レバー用電磁石16のコイル16b
への片側方向の通電時の鉄芯部材16aの磁極部から発する磁力に対する反発力に抗して
、係止レバー15を反時計方向に僅かに回転させる。そのような第1駆動部材11のセッ
ト位置への戻り走行の途中の状態が図9に示されている。
き、係止レバー15の第2の被押動部15dが第1駆動部材11の第2の押動部11eに
摺接されながら押されて、係止レバー15が反時計方向に回転させられることによって、
第1駆動部材11の反時計方向の回転を制動する。さらに、第1駆動部材11は、反時計
方向へ回転し、駆動ピン11bが長孔1bの上方端部に当接する。このとき、第1駆動部
材11の第2の押動部11eによる係止レバー15の第2の被押動部15dへの摺接が解
除される。このため、係止レバー15は、永久磁石15bによる、係止レバー用電磁石1
6のコイル16bへの片側方向の通電時の鉄芯部材16aの磁極部から発する磁力に対す
る反発力により、再び時計方向に回転させられ、当接部15eがストッパ部1iと当接し
、第2の係止部15cが、第1駆動部材11の第2の被係止部11dを係止しうるように
なる。これにより、第1駆動部材11は、長孔1bの上方端部に当接したときの衝撃によ
るバウンドを抑止される。第1駆動部材11のバウンドが静止したとき、第1駆動部材1
1の反時計方向の回転を伴った羽根のセット方向への戻り作動が終了し、第1駆動部材1
1と羽根の作動が停止する。また、このときにも、図3(a),(b)に示されるように、第1駆動部材の位置決め部11gと第2駆動部材の位置決め部12dとが嵌まるようになっているので、二つの駆動部材の当接位置が常に同じ位置になっている。そのときの状態が図10に示されている。図10の状態においては、開口部1aが全開になっているので、カメラの電源をオフにしない限り、被写体像を
、電子ファインダで観察することが可能となる。
dとの係止を解かれるが、セットばね5の付勢力によって、4枚の羽根19〜22は、開
口部1aを開いた状態を保持される。
そのときの状態が図2に示されている。
から、撮像情報が撮像素子から転送され終わるまで、開口部1aを4枚の羽根19〜22
によって覆っているようにするために、第1駆動部材11を係止していることである。そ
のため、本発明の係止レバーは、本実施例のように構成せず、第1駆動部材11が上記の
ようにして停止し終わる直前には接触せず、停止し終わってから、例えばカメラ本体側の
部材によって、第1駆動部材11の時計方向への回転を係止し得るようにしてもよいわけ
である。しかしながら、本実施例の場合には、専用の制動部材を備えなくてもよいように
するために、係止レバー15が上記のように構成されていて、露光作動の最終段階におい
て二つの駆動部材11,12の回転を制動する役目も有するようにしている。
が長孔1bの上方端部に当接したときの衝撃によって羽根がバウンドし、バウンドの収束
までの時間が、次の撮影可能となるまでの時間短縮の妨げとなるが、羽根のセット方向へ
の戻り走行終了時のバウンドを抑える部材を単独で備えると構成が複雑化し、装置が大型
化する。しかるに、本実施例の場合には、係止レバー15の第2係止部15dが第1駆動
部材11の第2の被係止部11dを係止するので、第1駆動部材11の駆動ピン11bが
長孔1bの上方端部に当接したときの衝撃による羽根のバウンドを抑える部材を特別に備
えなくてもよいようになっている。
ているセット作動の終了直後の状態であるが、既に説明したように、本実施例の場合には
、セット作動終了直前に行われる羽根のセット位置への戻り走行において、係止レバー1
5の第2の被押動部15dにより第1駆動部材11の回転が制動され、さらに第2の係止
部15cにより第1駆動部材11がセット位置で係止されるため、セット位置に戻ったと
きの羽根のバウンドが抑えられ、羽根が静止するまでの時間が短くなる。また、二つの駆動部材11,12に形成された位置決め部により、二つの駆動部材11,12が当接した状態で相互の位置関係が常に同じになる。
その結果、本実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、次の撮影を行えるようになるまでの時間がより一層短くなり、特に連写撮影時にバラつきなくより一層の高コマ速化を行えるようにしたカメラに用いて有利になる。
0のリンクレバー51を介して、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して回転させられ
ることによって行われるが、本発明のフォーカルプレンシャッタは、そのような構成に限
定されるものではない。周知のように、カメラ本体側の部材に直接押されて回転させられ
るように構成してもよい。また、セット部材14を初期位置へ復帰させるための復帰ばね
は、本実施例のように、セット部材14に掛けてもよいが、セット駆動機構部50のリン
クレバー51に掛けるようにしても構わない。また、図3(a),(b)に示されるように、第1駆動部材11の位置決め部11gを凹状にし、第2駆動部材12の位置決め部12dを凸状に形成したが、二つの駆動部材に各々形成する凹凸形状を、各々反対の形状にするようにしても構わない。
て実施することも可能であるが、上記の実施例は、ダイレクトタイプのフォーカルプレン
シャッタとして構成したものである。そして、実施例の説明の中においては、係止タイプ
のフォーカルプレンシャッタとして構成したときは、セット部材をセット作動終了後、直
ちに初期位置へ復帰させることなく、実施例におけるセット部材の場合と同様に、撮影の
初期段階であって露光作動が開始される前に、初期位置へ復帰させるようにする必要があ
ることを説明した。そのため、その説明だけで、本発明を、係止タイプのフォーカルプレ
ンシャッタとして実施することも可能であることが、充分に理解できると考えるが、念の
ため、実施例の構成を係止タイプのフォーカルプレンシャッタにする場合の構成を、簡単
に説明しておく。
わって被係止部を形成しておく。そして、図10のセット完了状態においては、第2駆動部材12は、被係止部が係止レバーに係止される位置を越えるところまで回転されているようにしておき、カメラのレリーズボタンが押され、本実施例のようにセット部材14が初期位置へ復帰するときの初期段階で、係止レバーに係止されるようにする。そして、その後、セット部材14が初期位置へ復帰するまでの作動は、上記の実施例の場合と全く同じである。
ト部材14が、上記のようにして、初期位置へ復帰作動を開始する前に、ばねの付勢力に
抗して、羽根用電磁石に吸着保持されるようにする。そして、その後、セット部材14が
、上記のように作動して、図5に示された初期位置へ復帰すると、羽根用電磁石に対する
通電を断つ。それにより、上記の係止解除部材は、上記のばねの付勢力で作動し、上記の
係止レバーによる係止を解除するので、第2駆動部材12は、露光作動を開始する。そし
て、セット作動時には、セット部材14の作動に連動して、上記の係止解除部材が、羽根
用電磁石に対して接触させられるようにする。尚、このような作動が得られるようにする
ための構成は種々知られているが、その一例が、特開2001−215555号公報にも
記載されている。
き、且つ、セット方向への戻り時の衝撃により生ずるバウンドを抑止する抑止機構を備え
た、本発明の係止機構の構成は、先羽根用、後羽根用のいずれの駆動部材に対しても適用
可能である。
また、本発明は、ノーマリーオープン方式を採用した、先羽根用駆動部材を介して先幕
を開閉し、後羽根用駆動部材を介して後幕を開閉する構成にも適用可能である。
1a,2a 開口部
1b 長孔
1c,1d,1e,1f,1g,1x 軸
1h ばね掛け部
1i ストッパ部
2 補助地板
3 緩衝部材
4 鉄芯部材
11 第1駆動部材
11a 被押動部
11b 駆動ピン
11c 第1の被係止部
11d 第2の被係止部
11e 第2の押動部
11f 第1の押動部
11g 位置決め部
12 第2駆動部材
12a 取付部
12b 被押動部
12c 押動部
12d 位置決め部
13 鉄片部材
13a 軸部
13b 頭部
13c 鉄片部
14 セット部材
14a 取付部
14b 押動部
15 係止レバー
15a 第1の係止部
15b 永久磁石
15c 第2の係止部
15d 第2の被押動部
15e 当接部
15f 第1の被押動部
16 係止レバー用電磁石
16a 鉄芯部材
16b コイル
16c ボビン
17,18 アーム
18a 孔
19,20,21,22 羽根
23 支持板
24 ラチェット部材
50 セット駆動機構部
51 リンクレバー
51a 第1レバー
51b 第2レバー
51b−1 当接部
52 スライドレバー
52a 被押動部
52b ピン
52c 当接部
53 カム
53a 押動部
53a−1 第1の曲面領域
53a−2 第2の曲面領域
54 歯車列
54a,54b 歯車
55 ハウジング
55a ガイド孔
56 モータ
56a ピニオン
Claims (4)
- セットばねの付勢力によってセット方向に回転し、羽根を露光作動開始位置に戻り走行
させる第1駆動部材と、駆動ばねの付勢力によってセット方向とは反対方向に回転し、前
記セットばねの付勢力に抗して前記第1駆動部材を押動することで前記羽根を露光作動さ
せる第2駆動部材とで構成された駆動手段を有するとともに、セット作動開始後の前記羽
根へのチャージに対し前記第1駆動部材を係止して該羽根を露光作動終了時の状態に保持
し、前記第1駆動部材への係止を解除することによって前記羽根を露光作動開始位置に戻
る方向へ駆動させる係止機構を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
前記係止機構が、軸を中心として回転可能であって、一端に前記第1駆動部材に設けら
れている第1の被係止部を係止して前記第1駆動部材のセット方向への回転を抑止する第
1の係止部を有するとともに他端に永久磁石を有する係止レバーと、片側方向の通電によ
り前記永久磁石に対して反発する磁力を発する係止レバー用電磁石とを有し、前記係止レ
バー用電磁石への片側方向の通電と該通電の解除との切換えに応じて、前記係止レバーを
前記第1の被係止部を係止する方向と該係止を解除する方向とに切換えて回転させるとと
もに、前記羽根の露光作動開始位置への戻り走行終了時の衝撃により生ずるバウンドを抑止するバウンド抑止機構と、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材が当接している時に該二つの駆動部材を相互に位置決めする位置決め部とを備えたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 前記バウンド抑止機構は、前記係止レバーに設けられていて、前記第1駆動部材に設け
られている第2の被係止部を係止する第2の係止部からなることを特徴とする請求項1に
記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 前記バウンド抑止機構は、前記第2の係止部の外側に、前記第1駆動部材の前記第2の
被係止部の外側に設けられている押動部に摺接されながら押される被押動部を有し、
前記第2の係止部が前記第2の被係止部を係止可能な位置にある状態で、前記第1駆動
部材が露光作動開始方向に回転させられたときに、前記第1駆動部材の前記押動部が前記
バウンド抑止機構の前記被押動部を摺接しながら押し退けて、前記第2係止部による前記
第1駆動部材の前記第2の被係止部の係止が掛かることを特徴とする請求項2に記載のカ
メラ用フォーカルプレンシャッタ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていること
を特徴とするカメラ。
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