JP2016133795A - 電子写真感光体、画像形成装置、及びポリエステル樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、感光層のバインダー樹脂として、感度や耐摩耗性に優れているポリエステル樹脂が使用されている。(特許文献1〜特許文献3参照)。さらに、ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分にジフェニルエーテルジカルボン酸やジフェニルジカルボン酸成分を用いることで、感光体の機械的強度が一段と向上することが報告されている(特許文献4〜特許文献7参照)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、非ハロゲン溶
剤を使用した場合にも感光層形成用塗布液は安定性に優れ、実用上の負荷に対する耐摩耗性及び電気特性に優れた電子写真感光体を提供することである。
結合、アルキレン基、−CR9R10−、酸素原子、又は硫黄原子を示す。R9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。)
請求項2に係る発明は、前記ポリエステル樹脂において、式(1)で表される2価のカルボン酸残基の含有量が、モル比率で0.5≦(1)/((1)+(2))≦0.8を満たす、請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項5に係る発明は、非ハロゲン溶媒を含む塗布液を用いて前記感光層が形成されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
≪ポリエステル樹脂≫
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層は、下記式(1)で表される2価カルボン酸残基を有するポリエステル樹脂を含有する。
基等が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、フッ化アルキル基等が挙げられる。耐摩耗性の観点から、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。n,mは各々独立に、0〜4の整数であり、製造上の簡便性の観点から、好ましくは、n=m=0である。
また、前記ポリエステル樹脂は、下記式(2)で表される2価カルボン酸残基を含有する。
、2,4´−ジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、製造上の簡便性及び耐摩耗性の観点から、4,4´-ジフェニルジカルボン酸が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂において、式(1)及び式(2)で表される2価カルボン酸残基の合計含有量は全2価カルボン酸成分に対し70モル%以上である。耐摩耗性の観点から、好ましくは90モル%以上である。
前記ポリエステル樹脂は、下記式(3)で表される2価フェノール残基を含有する。
9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。
R5〜R8のアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン化アルキル基としては、R1、R2で挙げたものが適用できる。R5〜R8における、アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。R5〜R8は機械物性の観点から、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。機械物性の観点から、特に好ましくは、水素原子及びメチル基である。
前記ポリエステル樹脂のカルボキシル酸価は、100μ当量/g以下とすることが好ましく、より好ましくは50μ当量/g以下である。カルボキシル酸価が100μ当量/gを超えると、感光体の電気的特性が悪化する傾向があり、さらに、樹脂を溶媒に溶解して塗工液としたときの保存安定性が低下する傾向がある。
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用するポリエステル樹脂の製造方法について説明する。ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。ここでポリエステル樹脂の製造法の一例を説明する。
しい。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
また他の精製方法としては、例えば、生成したポリエステル樹脂の溶液を、ポリエステル樹脂が不溶の溶媒中に析出させる方法、ポリエステル樹脂の溶液を温水中に分散させ溶媒を留去する方法、又はポリエステル樹脂溶液を吸着カラム等に流通させる方法等により精製してもよい。
もできる。得られたポリエステル樹脂は、通常ポリエステル樹脂の分解温度以下の温度で乾燥するが、好ましくは20℃以上、樹脂の溶融温度以下で乾燥することができる。このとき減圧下で乾燥することが好ましい。
乾燥時間は残存溶媒等の不純物の純度が一定以下になるまでの時間以上行うことが好ましく、具体的には、残存溶媒が通常1000ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下になる時間以上乾燥する。
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性支持体上に設けた感光層を有し、感光層が、前記ポリエステル樹脂を含有するものである。感光層の具体的な構成としては、例えば、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層とを積層した積層型感光体、導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光体の電荷輸送層に用いられる。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、及び樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。下引き層には、公知の酸化防止剤等、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いてもよい。その膜厚は、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下で
ある。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
[電荷発生層]
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー
樹脂で結着することにより形成される。その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲である。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。電荷輸送層は、単一の層から成ってもよいし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでもよい。その膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
前記ポリエステル樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を30質量部以上、電気特性の観点から、40質量部以上が好ましい。また、通常200質量部以下、耐摩耗性の観点から150質量部以下が好ましい。感光層中のバインダー樹脂全体と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を20質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から100質量部以下が好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
以下、好ましくは20質量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させてもよい。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成してもよい。さらに必要に応じて、バリアー層、接着層、ブロッキング層等の中間層、透明絶縁層など、電気特性、機械特性の改良のための層を有していてもよい。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは
400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なってもよい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
[ポリエステル樹脂の製造]
製造例1(ポリエステル樹脂(1)の製造法)
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(8.32g)とH2O(383ml)を秤取り
、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.57g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(20.47g)(以下、BP1)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.23g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。別途、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボニルクロリド(17.94g)(以下、DC1)、4,4‘-ジフェ
ニルジカルボニルクロリド(7.27g)(以下、DC2)とジクロロメタン(215mL)との混合溶液を滴下ロート内に移した。
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量(Mv)を算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.19g)とH2O(188ml)を秤取り
、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、BP1(10.33g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。別途、DC1(6.48g)、DC2(6.16g)とジクロロメタン(107mL)との混合溶液を滴下ロート内に移した。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.04g)とH2O(190ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.28g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(10.52g)(以下、BP2)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(143mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(188mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(188mL)にて洗浄を2回行った。
られたポリエステル樹脂(3)の構造式を以下に示す。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.22g)とH2O(202ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.29g)、BP1(10.38g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。別途、DC1(3.90g)、DC2(8.60g)とジクロロメタン(188mL)との混合溶液を滴下ロート内に移した。
製造例4において、DC1(3.90g)、DC2(8.60g)をDC2(12.42g)に変更した。それ以外は、製造例4と同様にして、ポリエステル樹脂(5)を得た。得られたポリエステル樹脂(5)の粘度平均分子量は55,600であった。得られたポリエステル樹脂(5)の構造式を以下に示す。
特開2006−53549号公報の実施例6に記載の方法により下記に示す構造を有するポリエステル樹脂(6)(粘度平均分子量36,200)を製造した。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(5.71g)とH2O(235ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.36g)、BP1(14.08g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.15g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。別途、DC1(8.80g)、テレフタル酸クロリド(3.03g)(以下、DC3)、イソフタル酸クロリド(3.03g)(以下、DC4)とジクロロメタン(118mL)との混合溶液を滴下ロート内に移した。
製造例7において、DC1をDC2同当量に変更した。それ以外は、製造例7と同様にして、ポリエステル樹脂(8)を得た。得られたポリエステル樹脂(8)の粘度平均分子量は52,100であった。得られたポリエステル樹脂(8)の構造式を以下に示す。
[実施例1]
10質量部のオキシチタニウムフタロシアニンと、150質量部の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示す。
て、感光体シートを作製した。
[実施例2]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(2)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(3)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例4]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(4)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(5)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[比較例2]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(6)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(7)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[比較例4]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(8)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、露光光を4.6μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。また、表面電位が初期表面電位の半分(−350V)となる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー:μJ/cm2)を感度(E1/2)として
測定した。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示し、E1/2の値が小さいほど高感度であることを示す。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下(N/N)で行った。結果を表−1に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、25℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重1500gで1000回回転後の摩耗量を試験前後の質量を比較することにより測定した。結果を表−1に示す。
[実施例5]
下引き層用分散液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールのボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混
合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層分散液とした。
得られた感光体を、Samsung社製モノクロプリンタSCX−6555Nの感光体カートリッジに搭載して、気温25℃、相対湿度50%下において、印字率5%で、300,000枚の連続印刷を行った。耐刷後の電荷輸送層の膜厚を測定し、耐刷前後の電荷輸送層の膜厚比較することにより膜減り量を確認し、耐刷性を評価した。結果を表−2に
示す。
得られた電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(「続電子写真技術の基礎と応用」、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って帯電、露光、電位測定、除電のサイクルを実施することにより、電気特性の評価を行なった。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(5)に変えた以外は実施例5と同様にして、感光体ドラムD2を作製した。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (7)
- 導電性支持体と、前記導電性支持体上に形成された感光層とを有し、前記感光層は、下記式(1)で表される2価カルボン酸残基、下記式(2)で表される2価カルボン酸残基、及び下記式(3)で表される2価フェノール残基の繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、前記ポリエステル樹脂の下記式(1)及び下記式(2)で表される2価のカルボン酸残基量が全カルボン酸残基に対して70モル%以上であり、且つ式(1)で表される2価のカルボン酸残基の含有量が、モル比率で0.3≦(1)/((1)+(2))≦0.9を満たすことを特徴とする、電子写真感光体。
9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。) - 前記ポリエステル樹脂において、式(1)で表される2価のカルボン酸残基の含有量が、モル比率で0.5≦(1)/((1)+(2))≦0.8を満たす、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 非ハロゲン溶媒を含む塗布液を用いて前記感光層が形成されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置
- 2価カルボン酸残基及び2価フェノール残基の繰り返し構造を有するポリエステル樹脂において、下記式(1)で表される2価カルボン酸残基、下記式(2)で表される2価カルボン酸残基、及び下記式(3)で表される2価フェノール残基の繰り返し構造を有し、下記式(1)及び下記式(2)で表される2価のカルボン酸残基量が全カルボン酸残基に対して70モル%以上であり、且つ式(1)で表される2価のカルボン酸残基の含有量が、モル比率で0.3≦(1)/((1)+(2))≦0.9を満たすことを特徴とする、ポリエステル樹脂。
10のアルコキシル基、ハロゲン化アルキル基、又はベンジル基を示し、n、mは、0〜4の整数を示す。)
9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。)
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