以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。また、図面の理解を容易にするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、図1乃至図5を用いて、本発明の一態様に係る二次電池用電極の製造方法および製造装置について説明する。
図2(A)は二次電池40の外装体11の斜視図である。図2(B)は正極とセパレータと負極を積層させた斜視図である。図2(C)は正極と負極を外装体11の外側に引き出すためのリード電極16であり、封止層15を有している。図2(D)は二次電池40の斜視図である。図2(E)は図2(D)に示す二次電池40を鎖線A−Bで切断した断面の一例である。図2(F)は二次電池40の充電時の電流の流れを示す図である。
外装体11は可撓性基材からなるシートを用いる。シートは、積層体を用い、金属フィルムの一方の面または両方の面に接着層(ヒートシール層とも呼ぶ)を有するものを用いる。接着層は、ポリプロピレンやポリエチレンなどを含む熱融着性樹脂フィルムを用いる。本実施の形態では、シートとして、アルミニウム箔の表面にナイロン樹脂を有し、アルミニウム箔の裏面に耐酸性ポリプロピレン膜と、ポリプロピレン膜の積層が設けられている金属シートを用いる。図2(A)はこのシートをカットして中央部を折り曲げた状態を示している。
正極は正極集電体12と正極活物質層18とを少なくとも有する。また、負極は負極集電体14と負極活物質層19を少なくとも有する。図2(B)では、蓄電池用電極(正極または負極)を矩形のシート形状で示しているが、蓄電池用電極の形状はこれに限らず、任意の形状を適宜選択することができる。活物質層は集電体の一方の面にのみ形成されているが、活物質層は集電体の両面に形成してもよい。また、活物質層は集電体の表面全域に形成する必要はなく、電極タブと接続するための領域等の、活物質層を有さない領域を適宜設ける。
二次電池の構成は、例えば、セパレータ13の厚さは約25μm、正極集電体12は約20μm以上約40μm以下、正極活物質層18は約100μm、負極活物質層19は約100μm、負極集電体14は約20μm以上約40μm以下である。
正極集電体及び負極集電体は、高い導電性を示す材料が利用できる。
正極に用いる集電体は、例えば、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、およびこれらの合金(ステンレスなど)を用いることができるが、正極集電体として利用することで正極の充放電特性の可逆性が良好となる、アルミニウムを用いると好ましい。
負極に用いる集電体は、例えば、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、およびこれらの合金(ステンレスなど)を用いることができるが、リチウムと合金を形成しない金属、例えば銅、または、ニッケルを用いると好ましい。
正極集電体及び負極集電体は、炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。また、シリコン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどを添加して耐熱性を向上させてもよい。また、正極集電体及び負極集電体は、箔状、シート状、板状、網状、円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状および不織布を包括する様々な形態等の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質との密着性を上げるために正極集電体及び負極集電体は表面に細かい凹凸を有していてもよい。また、正極集電体及び負極集電体は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
正極または負極に用いる活物質は、リチウムイオン等のキャリアイオンを挿入および脱離することが可能な材料であればよい。適当な手段により粉砕、造粒および分級する事で、活物質の平均粒径や粒径分布を制御する事が出来る。
正極活物質層18に用いる正極活物質としては、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、またはスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物等がある。正極活物質として、例えばLiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、V2O5、Cr2O5、MnO2等の化合物を用いる。
または、複合材料(一般式LiMPO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPO4の代表例としては、LiFePO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFeaNibPO4、LiFeaCobPO4、LiFeaMnbPO4、LiNiaCobPO4、LiNiaMnbPO4(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFecNidCoePO4、LiFecNidMnePO4、LiNicCodMnePO4(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFefNigCohMniPO4(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
または、一般式Li(2−j)MSiO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、jは0以上、2以下)等の複合材料を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiO4の代表例としては、Li(2−j)FeSiO4、Li(2−j)NiSiO4、Li(2−j)CoSiO4、Li(2−j)MnSiO4、Li(2−j)FekNilSiO4、Li(2−j)FekColSiO4、Li(2−j)FekMnlSiO4、Li(2−j)NikColSiO4、Li(2−j)NikMnlSiO4(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FemNinCoqSiO4、Li(2−j)FemNinMnqSiO4、Li(2−j)NimConMnqSiO4(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FerNisCotMnuSiO4(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
また、正極活物質として、AxM2(XO4)3(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe2(MnO4)3、Fe2(SO4)3、Li3Fe2(PO4)3等がある。また、正極活物質として、Li2MPO4F、Li2MP2O7、Li5MO4(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、FeF3等のペロブスカイト型フッ化物、TiS2、MoS2等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO4等の逆スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V2O5、V6O13、LiV3O8等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
また、正極活物質として、組成式LixMnyMzOwで表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いることもできる。ここで、元素Mは、リチウム、マンガン以外から選ばれた金属元素、またはシリコン、リンを用いることが好ましく、ニッケルであるとより好ましい。また、x/(y+z)は0以上2未満、かつzは0より大きく、かつ(y+z)/wは0.26以上0.5未満を満たすことが好ましい。なお、リチウムマンガン複合酸化物とは、少なくともリチウムとマンガンとを含む酸化物をいい、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、及びリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいてもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造を有するものであることが好ましい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造及びスピネル型の結晶構造を有するものであってもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、例えば、平均粒子径が、5nm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
また、正極活物質層18には、上述した正極活物質の他、活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、正極活物質層18の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよい。
また、負極活物質層19の負極活物質としては、リチウムの溶解・析出、又はリチウムイオンを挿入および脱離することが可能な材料を用いることができ、リチウム金属、炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。
リチウム金属は、酸化還元電位が低く(標準水素電極に対して−3.045V)、重量および体積当たりの比容量が大きい(それぞれ3860mAh/g、2062mAh/cm3)ため、好ましい。
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム−黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1乃至0.3V vs.Li/Li+)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な合金系材料も用いることができる。キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、In、Ga等のうち少なくとも一つを含む材料がある。このような元素を用いた合金系材料としては、例えば、Mg2Si、Mg2Ge、Mg2Sn、SnS2、V2Sn3、FeSn2、CoSn2、Ni3Sn2、Cu6Sn5、Ag3Sn、Ag3Sb、Ni2MnSb、CeSb3、LaSn3、La3Co2Sn7、CoSb3、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO2、二酸化チタン(TiO2)、リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)、リチウム−黒鉛層間化合物(LixC6)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、二酸化タングステン(WO2)、二酸化モリブデン(MoO2)等の酸化物を用いることができる。このような元素は炭素に対して容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと飛躍的に高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。なお、SiOとは、ケイ素リッチの部分を含むケイ素酸化物の粉末を指しており、SiOy(2>y>0)とも表記できる。例えばSiOは、Si2O3、Si3O4、またはSi2Oから選ばれた単数または複数を含む材料や、Siの粉末と二酸化ケイ素SiO2の混合物も含む。また、SiOは他の元素(炭素、窒素、鉄、アルミニウム、銅、チタン、カルシウム、マンガンなど)を含む場合もある。即ち、単結晶Si、アモルファスSi、多結晶Si、Si2O3、Si3O4、Si2O、SiO2から選ばれる複数を含む材料を指しており、SiOは有色材料である。SiOではないSiOx(Xは2以上)であれば無色透明、或いは白色であり、区別することができる。ただし、二次電池の材料としてSiOを用いて二次電池を作製した後、充放電を繰り返すなどによって、SiOが酸化した場合には、SiO2に変質する場合もある。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、Li3N型構造をもつLi3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4N3は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm3)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV2O5、Cr3O8等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させておくことで負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムと合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe2O3、CuO、Cu2O、RuO2、Cr2O3等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn3N2、Cu3N、Ge3N4等の窒化物、NiP2、FeP2、CoP3等のリン化物、FeF3、BiF3等のフッ化物でも起こる。なお、上記フッ化物の電位は高いため、正極活物質として用いてもよい。
また、負極活物質層19には、上述した負極活物質の他、活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、負極活物質層19の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよい。
セパレータ13としては、絶縁体を用いることができ、例えば、セルロース(紙)や、空孔が設けられたポリプロピレンや空孔が設けられたポリエチレンを用いることができる。
電解液20は、電解質と溶媒からなり、キャリアイオンを移送可能な材料を用いる。
電解質としては、リチウム塩を有する材料が好ましい。とくに、電荷が非局在化したイオンを有した、リチウム塩を有する電解質が好適である。このような電解質の代表例としては、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4(リチウムテトラフルオロボレート)、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、LiBOB(リチウムビスオキサラートボラート)等のリチウム塩がある。これらの電解質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
電解液20の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。
また、電解液20の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、蓄電池の薄型化および軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、ポリアクリル酸ゲル、ポリメタクリル酸ゲル、ポリアクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等がある。
また、電解液20の溶媒として、難燃性および難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いることで、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発火などを防ぐことができる。なお、イオン液体は、流動状態にある塩であり、イオン移動度(伝導度)が高い。また、イオン液体は、カチオンとアニオンとを含む。イオン液体としては、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)カチオンを含むイオン液体、またはN−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)カチオンを含むイオン液体などがある。
また、電解液20の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
次に、二次電池の作製途中において、多量の電解液中で電極を電気化学的に反応させて、予め反応生成物を形成させる装置とその処理方法を図1、図3、図4に示す。
図1は本発明の一態様に係る製造装置1000の模式図を示しており、製造装置1000は、容器1001、セパレータ1002、対極1003、電解液1004、被処理電極1005、第1のコード1008、第2のコード1009、制御装置1010、加熱手段1011を有している。
容器1001は電解液を溜められる機能を有する。図1では容器1001は底面が円形であるが、電解液を溜められればよいので、図3に示す製造装置のように底面が矩形であってもよい。容器は電解液の接触に対して化学的熱的に安定である材料を用いればよく、ガラス、ステンレス、樹脂等を用いることができる。
容器1001内に入れる電解液1004は正極または負極の電気化学反応を行う時のみに使うことが好ましい。二次電池に用いる電解液は、構成材料の組み合わせは電解液1004と同じでもよいが、電気化学反応に使用した電解液1004をそのまま流用して使うのではなく、これとは別に、まだ電気化学反応を行っていない、新しいものを用意することが好ましい。
本発明の一態様に係る製造装置、および製造方法では、電極の電気化学反応の前後で、容器に対して電極の出し入れを行うので、大気雰囲気にて工程を進められるようにすると、装置を複雑な構造にすることなく構成できるので望ましい。そのために、電解液の電解質は化学的熱的に安定な材料を用いることが好ましく、とくに電荷が非局在化したイオンを有した、リチウム塩を有する電解質が好適である。このような電解質として複数の含ハロゲンリチウム塩を用いることができる。たとえば、含フッ素イミドリチウム塩である、Li(CF3SO2)2N(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、以下、「LiTFSA」、あるいは「LiTFSI」と呼ぶこともある。)、Li(C2F5SO2)2N(リチウムパーフルオロメチルスルホメタニド、以下、「LiBETI」と呼ぶこともある。)、や、LiN(SO2F)2(リチウムビスフルオロスルホニルイミド、以下、「LiFSA」と呼ぶこともある。)等のリチウム塩や、LiPF6(リチウムヘキサフルオロホスファート)、LiClO4(リチウムパークロレート)、LiBOB(リチウムビスオキサラートボラート)等のリチウム塩を用いることができ、正極、または負極を構成する材料との反応性を考慮して適宜用いるものとし、これらの一つまたは複数を用いることができる。
電解質の溶媒は非プロトン性有機溶媒が好ましく、代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。
被処理電極1005として片面または両面に活物質層を形成した集電体(シート状の電極)を用意し、そのシート状の電極を製造装置内の容器1001の電解液1004の中に入れる。被処理電極1005は、二次電池の正極あるいは負極である。
対極1003は被処理電極1005との間に電場を形成し、被処理電極1005にて電気化学反応を生じさせるために配置するもので、リチウムを用いることが好ましい。また、リチウム以外にも、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等といった炭素系材料や、SiOといったケイ素系の材料を用いることも可能である。
電解液中に入れた被処理電極1005は、保持手段(導電性を有する留め具など)に電気的に接続される。その保持手段は第1のコード1008で制御装置1010に電気的に接続される。図1には容器1001の内壁に沿うように被処理電極1005を入れ、被処理電極1005に囲まれるように対極1003を入れる方法を示しているが、用途に応じて電極の形状は変わる可能性がある。容器内に入れる方法は電極の形状に応じて選択すればよく、保持手段で保持することで離間させ、電気的に短絡していなければよい。被処理電極1005と対極1003とは空間的に離間させるだけでも良いが、不用意に接触することがないよう、セパレータ1002を対極1003の外周に配置することが好ましい。
セパレータ1002としては、絶縁体を用いることができ、例えば、セルロース(紙)や、空孔が設けられたポリプロピレンや空孔が設けられたポリエチレンを用いることができる。
制御装置1010には、少なくとも2本のコード配線があり、1本目のコード配線(第1のコード1008)は保持手段を介して被処理電極と電気的に接続され、2本目のコード配線(第2のコード1009)は対極1003と電気的に接続する。制御装置1010の2本のコード配線の間には電解液1004が配置され、コード配線2本の間に配置されている電解液1004などに流す電流量や電圧を調節する。電流量や電圧を調節することで電解液中に配置された被処理電極1005を酸化または還元する。
被処理電極1005を酸化または還元させている間、加熱手段1011により電解液を加熱することで、電気化学反応を促進することができ、短時間での酸化および還元処理が可能となる。加熱手段1011は容器の内部に配置してもよい。
また、被処理電極1005を酸化または還元させている間、撹拌手段により電解液を撹拌することで、電気化学反応を促進することができ、短時間での酸化および還元処理が可能となる。
図3は本発明の一態様に係る別の例である、製造装置1100の模式図であり、製造装置1100は、容器1101、蓋1102、排気口1103、吹き出し口1104、管1105、対極1106、被処理電極1107、第1のコード1108、第2のコード1109、制御装置1110、電解液1111を有している。
図3に示すように電解液1111を撹拌する方法として、蓋1102の排気口1103から管1105を通し、管1105の一端を電解液1111中に入れ、管1105に不活性ガスを導入し、管1105の一端にある吹き出し口1104から不活性ガスを電解液1111中に連続的に送気して不活性ガスの複数の気泡を電解液1111中に形成し、不活性ガスの複数の気泡が電解液中を移動することで、電解液の流れを形成する、という方法を利用することが可能である。不活性ガスとして、アルゴンを用いると好ましい。
また、図4は本発明の一態様に係る別の例である、製造装置1200の模式図であり、製造装置1200は、容器1201、撹拌手段1202、被処理電極1203、対極1204、電解液1205、第1のコード1208、第2のコード1209、制御装置1210、ヒーター1211、カバー1212、台1214、を有している。
図4のように撹拌手段1202として撹拌子などを用いることが可能である。台1214に内蔵されている装置により撹拌手段1202の回転数を制御する。
次に、被処理電極が負極の場合と、正極の場合について、それぞれの処理方法を図1の製造装置の模式図により示す。
被処理電極1005を負極とし、制御装置1010によって被処理電極と対極1003との間に電界を印加して電気化学反応を生じさせる場合、電解液1004の成分として、電荷が非局在化したイオンを有した、リチウム塩を有する電解質が望ましい。
このような電解質としてはハロゲンを有するリチウム塩が望ましく、含フッ素イミドリチウム塩である、Li(CF3SO2)2N(以下、「LiTFSA」、あるいは「LiTFSI」と呼ぶこともある。)、や、Li(C2F5SO2)2N(以下、「LiBETI」と呼ぶこともある。)、や、LiN(SO2F)2(以下、「LiFSA」と呼ぶこともある。)などを用いることができる。
また、ハロゲンを有する別のリチウム塩としてLiClO4等を用いることができる。
さらにはハロゲンを含まない別のリチウム塩としてLiBOB(リチウムビスオキサラートボラート)を用いてもよい。
さらに、これらのリチウム塩は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
また、溶媒は非プロトン性有機溶媒を用い、溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。
制御装置1010により、被処理電極1005と対極1003それぞれに所望の電位を付与して電気化学反応を生じさせる。
また、被処理電極1005を正極とし、制御装置1010によって被処理電極と対極1003との間に電界を印加して電気化学反応を生じさせる場合、電解液1004の成分として、電荷が非局在化したイオンを有した、リチウム塩を有する電解質が望ましい。
このような電解質としてはハロゲンを有するリチウム塩として、例えば、含フッ素イミドリチウム塩としてLiFSAを用いることができる。また、ハロゲンを有する別のリチウム塩としてLiPF6、LiBF4、LiClO4、等を用いることができる。
さらにはハロゲンを含まない別のリチウム塩としてLiBOB(リチウムビスオキサラートボラート)を用いてもよい。
さらに、これらのリチウム塩は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
また、溶媒は非プロトン性有機溶媒を用い、溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等がある。これらの一つまたは複数を用いることができる。
さらには含フッ素溶媒や添加剤を用いることも可能であり、たとえばフルオロエチレンカーボネート(FEC)は二次電池の特性を改善する添加剤として好ましい。
制御装置1010により、被処理電極1005と対極1003に所望の電位を付与して電気化学反応を生じさせる。
正極は標準電極電位に対して高電位を付与する場合が多く、正極集電体を構成する金属の溶出を生じ得る。一方で、アルミニウム等の金属は表面に酸化アルミニウムが不動態被膜として生成されており、この被膜を有することで金属の溶出を防いでいる。
また、前記の含フッ素イミドリチウム塩は化学的熱的に安定な材料であるが、集電体を構成する金属と反応する場合がある。とくに、集電体がアルミニウムである場合、反応してアルミニウムを溶出しやすい。
しかし、LiPF6やLiBF4等の、リチウム塩は、正極集電体を構成する金属と反応して金属のハロゲン化物を形成することが可能である。例えば正極集電体を構成する金属がアルミニウムの場合は、LiPF6やLiBF4等のフッ素系材料のリチウム塩と反応してフッ化アルミニウムを形成することが可能である。これらの被膜が保護膜となり、集電体からの溶出を防止することが可能である。
また、LiClO4はフッ素を含有していないものの、正極集電体を構成する金属と反応する場合がある。例えば正極集電体を構成する金属がアルミニウムの場合は、電解液中で酸化アルミニウムを形成することが可能である。これらの被膜が溶出を防ぐので、正極集電体を構成する金属は標準電極電位に対して高電位であっても、溶出が続かない。
したがって、正極に対して処理を行う場合は、集電体の溶出を防止する保護膜を集電体表面に形成させることが有効であり、そのためにはリチウム塩として、LiTFSA、LiFSA等の含フッ素イミドリチウム塩に、LiPF6やLiBF4等のリチウム塩、さらにはLiClO4を混合した電解質を利用することが好ましい。
電気化学反応(酸化または還元)を行った後、容器内の電解液1004中から被処理電極1005を取り出す。そして、乾燥させた後、所望の形状に加工する。開口部を有する外装体11で囲まれた領域に、正極、セパレータ、負極を重ねた積層体を収納し、外装体11で囲まれた領域に電解液を収納し、外装体11の開口部を熱圧着で塞ぐ。熱圧着領域17を図2(D)と図2(E)に示す。こうして図2(E)に示す二次電池を作製することができる。
ここで図2(F)を用いて二次電池の充電時の電流の流れを説明する。リチウムを用いた二次電池を一つの閉回路とみなした時、リチウムイオンの動きと電流の流れは同じ向きになる。なお、リチウムを用いた二次電池では、充電と放電でアノード(陽極)とカソード(陰極)が入れ替わり、酸化反応と還元反応とが入れ替わることになるため、反応電位が高い電極を正極と呼び、反応電位が低い電極を負極と呼ぶ。したがって、本明細書においては、充電中であっても、放電中であっても、逆パルス電流を流す場合であっても、充電電流を流す場合であっても、正極は「正極」または「+極(プラス極)」と呼び、負極は「負極」または「−極(マイナス極)」と呼ぶこととする。酸化反応や還元反応に関連したアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いると、充電時と放電時とでは、逆になってしまい、混乱を招く可能性がある。したがって、アノード(陽極)やカソード(陰極)という用語は、本明細書においては用いないこととする。仮にアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いる場合には、充電時か放電時かを明記し、正極(プラス極)と負極(マイナス極)のどちらに対応するものかも併記することとする。
図2(F)に示す2つの端子には充電器が接続され、二次電池40が充電される。二次電池40の充電が進めば、電極間の電位差は大きくなる。図2(F)では、二次電池40の外部の端子から、正極集電体12の方へ流れ、二次電池40の中において、正極集電体12から負極集電体14の方へ流れ、負極から二次電池40の外部の端子の方へ流れる電流の向きを正の向きとしている。つまり、充電電流の流れる向きを電流の向きとしている。
本実施の形態では、携帯情報端末などに用いる小型の電池の例を示した。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、車両などに搭載する大型の電池にも適用することができる。
本発明の一態様によれば、正極および負極の初期不可逆容量を低減でき、結果、大きな電極容量と高速充放電特性、および改善されたサイクル特性を持つ二次電池を提供することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、リチウムイオン二次電池に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、様々な二次電池、鉛蓄電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、固体電池、空気電池、一次電池、キャパシタ、または、リチウムイオンキャパシタ、などに適用してもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池に適用しなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様を用いた蓄電装置の様々な形態について説明する。
[コイン型蓄電池]
図5(A)は、コイン型(単層偏平型)の蓄電池の外観図であり、図5(B)は、その断面図である。
コイン型の蓄電池300は、正極端子を兼ねた正極缶301と負極端子を兼ねた負極缶302とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット303で絶縁シールされている。正極304は、正極集電体305と、これと接するように設けられた正極活物質層306により形成される。正極活物質層306は、正極活物質の他、正極活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、正極活物質層の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよい。導電助剤としては、導電助剤としては比表面積が大きい材料が望ましく、アセチレンブラック(AB)等を用いることができる。また、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンといった炭素材料を用いることもできる。
また、負極307は、負極集電体308と、これに接するように設けられた負極活物質層309により形成される。負極活物質層309は、負極活物質の他、負極活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、負極活物質層の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよい。正極活物質層306と負極活物質層309との間には、セパレータ310と、電解質(図示せず)とを有する。
負極活物質層309に用いる負極活物質としては、実施の形態1で示した材料を用いる。電池を組み立てる前に実施の形態1に示した装置を用い、負極307に対して電解液中で酸化および還元処理を行う。
また、正極集電体305や負極集電体308などの集電体としては、実施の形態1で示した材料を用いる。
正極活物質層306、負極活物質層309には、リチウムイオンを挿入および脱離することが可能な材料を用いることができ、例えば、実施の形態1で示した材料を用いる。また、電池を組み立てる前に実施の形態1に示した装置を用い、正極304に対して電解液中で酸化および還元処理を行う。
セパレータ310としては、絶縁体を用いることができ、例えば、セルロース(紙)や、空孔が設けられたポリプロピレンや空孔が設けられたポリエチレンを用いることができる。
電解液は、電解質として、キャリアイオンを有する材料を用いる。電解質の代表例としては、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等のリチウム塩がある。これらの電解質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンの場合、電解質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)、を用いてもよい。
また、電解液の溶媒としては、キャリアイオンを移送可能な材料を用いる。電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、蓄電池の薄型化および軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、ポリアクリル酸ゲル、ポリメタクリル酸ゲル、ポリアクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等がある。また、電解液の溶媒として、難燃性および難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いることで、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発火などを防ぐことができる。
正極缶301、負極缶302には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶301は正極304と、負極缶302は負極307とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極307、正極304およびセパレータ310を電解質に含浸させ、図5(B)に示すように、正極缶301を下にして正極304、セパレータ310、負極307、負極缶302をこの順で積層し、正極缶301と負極缶302とをガスケット303を介して圧着してコイン形の蓄電池300を製造する。
また、図5(C)に円筒型の蓄電池の一例を示す。図5(C)は、円筒型の蓄電池600の断面を模式的に示した図である。円筒型の蓄電池600は正極キャップ(電池蓋)601と電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップ601と電池缶(外装缶)602とは、ガスケット610(絶縁パッキン)によって絶縁されている。
中空円柱状の電池缶602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶602は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。電池缶602の内側において、正極、負極およびセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、609により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン形やラミネート型の蓄電池と同様のものを用いることができる。
正極604および負極606は、上述したコイン形の蓄電池の正極および負極と同様に製造すればよいが、円筒型の蓄電池600に用いる正極および負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成する点において異なる。正極604には正極端子(正極集電リード)603が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子603および負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子603は安全弁機構612に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構612は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)611を介して正極キャップ601と電気的に接続されている。安全弁機構612は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子611は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO3)系半導体セラミックス等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、蓄電池として、コイン形、および円筒型の蓄電池を示したが、その他の封止型蓄電池、角型蓄電池等様々な形状の蓄電池を用いることができる。また、正極、負極、およびセパレータが複数積層された構造、正極、負極、およびセパレータが捲回された構造であってもよい。
[薄型蓄電池1]
図6に、蓄電装置の一例として、薄型の蓄電池について示す。薄型の蓄電池は、可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装すれば、電子機器の変形に合わせて蓄電池も曲げることもできる。
図6は薄型の蓄電池500の外観図を示す。また、図7(A)および図7(B)は、図6に一点鎖線で示すA1−A2断面およびB1−B2断面を示す。薄型の蓄電池500は、正極集電体501および正極活物質層502を有する正極503と、負極集電体504および負極活物質層505を有する負極506と、セパレータ507と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509で囲まれた領域に設けられた正極503と負極506との間にセパレータ507が設置されている。また、外装体509で囲まれた領域は、電解液508で満たされている。
正極503または負極506の少なくとも一方には、本発明の一態様である電極を用いる。また、正極503または負極506の両方に、本発明の一態様である電極を用いてもよい。
まず、正極503の構成について説明する。正極503には、本発明の一態様に係る電極を用いることが好ましい。ここでは、正極503に、実施の形態1に示す電極を用いる例を示す。
電解液508、セパレータ507としては実施の形態1に示した材料を使用することができる。
セパレータ507は袋状に加工し、正極503または負極506のいずれか一方を包むように配置することが好ましい。例えば、図8(A)に示すように、正極503を挟むようにセパレータ507を2つ折りにし、正極503と重なる領域よりも外側で封止部514により封止することで、正極503をセパレータ507内に確実に担持することができる。そして、図8(B)に示すように、セパレータ507に包まれた正極503と負極506とを交互に積層し、これらを外装体509で囲まれた領域に配置することで薄型の蓄電池500を形成するとよい。
ここで、正極活物質として、実施の形態1に示すリチウムマンガン複合酸化物を有する粒子を用い、正極503として実施の形態1に示す電極を用い、負極活物質として、シリコンを有する活物質を用いる例について説明する。
シリコンを有する活物質、例えばシリコンや、SiOは、活物質重量および活物質体積あたりの容量が大きく、蓄電池の重量あたりおよび体積あたりの容量を高めることができる。
図9(A)及び(B)は、リード電極に集電体を溶接する例を示す。例として、正極集電体501を正極リード電極510に溶接する例を示す。正極集電体501は、超音波溶接などを用いて溶接領域512で正極リード電極510に溶接される。また、正極集電体501は、図9(B)に示す湾曲部513を有することにより、蓄電池500の作製後に外から力が加えられて生じる応力を緩和することができ、蓄電池500の信頼性を高めることができる。
図6および図7に示す薄型の蓄電池500において、正極リード電極510は正極503が有する正極集電体501と、負極リード電極511は負極506が有する負極集電体504とそれぞれ超音波接合させて正極リード電極510および負極リード電極511を外側に露出している。また、外部との電気的接触を得る端子の役割を正極集電体501および負極集電体504で兼ねることもできる。その場合は、リード電極を用いずに、正極集電体501および負極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
また、図6では正極リード電極510と負極リード電極511は同じ辺に配置されているが、図10に示すように、正極リード電極510と負極リード電極511を異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の蓄電池は、リード電極を自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よって、本発明の一態様の蓄電池を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電池を用いた製品の生産性を高めることができる。
薄型の蓄電池500において、外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることができる。
また図6では、一例として、向かい合う正極と負極の組の数を5組としているが、勿論、電極の組は5組に限定されず、多くてもよいし、少なくてもよい。電極層数が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電池とすることができる。また、電極層数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた蓄電池とすることができる。
上記構成において、二次電池の外装体509は、曲率半径30mm以上好ましくは曲率半径10mm以上の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
面の曲率半径について、図11を用いて説明する。図11(A)において、曲面1700を切断した平面1701において、曲面1700に含まれる曲線1702の一部を円の弧に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図11(B)に曲面1700の上面図を示す。図11(C)に、平面1701で曲面1700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、曲面に対する平面の角度や切断位置に応じて、断面に現れる曲線の曲率半径は異なるものとなるが、本明細書等では、最も小さい曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図12(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張り応力がかかる(図12(B))。外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の曲率半径が30mm以上好ましくは10mm以上となる範囲で変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にすることができ、例えば図12(C)に示す形状や、波状(図12(D))、S字形状などとすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で二次電池が変形することができる。
[薄型蓄電池2]
図13に、図6とは異なる薄型蓄電池の例として、二次電池100aを示す。図13(A)は二次電池100aの斜視図、図13(B)は二次電池100aの上面図である。図13(C)は、図13(B)の一点破線D1−D2における断面図である。なお、図13(C)では図を明瞭にするため、正極111、負極115、セパレータ103、正極リード121、負極リード125、および封止層120を抜粋して示す。
ここで図14を用いて、図13に示す二次電池100aの作製方法の一部について説明する。
まずセパレータ103上に、負極115を配置する(図14(A))。このとき、負極115が有する負極活物質層が、セパレータ103と重畳するように配置する。
次に、セパレータ103を折り曲げ、負極115の上にセパレータ103を重ねる。次に、セパレータ103の上に、正極111を重ねる(図14(B))。このとき、正極111が有する正極活物質層が、セパレータ103および負極活物質層と重畳するように配置する。なお、集電体の片面に活物質層が形成されている電極を用いる場合は、正極111の正極活物質層と、負極115の負極活物質層がセパレータ103を介して対向するように配置する。
セパレータ103にポリプロピレン等の熱溶着が可能な材料を用いている場合は、セパレータ103同士が重畳している領域を熱溶着してから次の電極を重ねることで、作製工程中に電極がずれることを抑制できる。具体的には、負極115または正極111と重畳しておらず、セパレータ103同士が重畳している領域、たとえば図14(B)の領域103aで示す領域を熱溶着することが好ましい。
この工程を繰り返すことで、図14(C)に示すように、セパレータ103を挟んで正極111および負極115を積み重ねることができる。
なお、あらかじめ繰り返し折り曲げたセパレータ103に、複数の負極115および複数の正極111を交互に挟むように配置してもよい。
次に、図14(C)に示すように、セパレータ103で複数の正極111および複数の負極115を覆う。
さらに、図14(D)に示すように、セパレータ103同士が重畳している領域、例えば図14(D)に示す領域103bを熱溶着することで、複数の正極111と複数の負極115を、セパレータ103によって覆い、結束する。
なお、複数の正極111、複数の負極115およびセパレータ103を、結束材を用いて結束してもよい。
このような工程で正極111および負極115を積み重ねるため、セパレータ103は、1枚のセパレータ103の中で、複数の正極111と複数の負極115に挟まれている領域と、複数の正極111と複数の負極115を覆うように配置されている領域とを有する。
換言すれば、図13の二次電池100aが有するセパレータ103は、一部が折りたたまれた1枚のセパレータである。セパレータ103の折りたたまれた領域に、複数の正極111と、複数の負極115が挟まれている。
二次電池100aの、外装体107の接着領域、および正極111、負極115、セパレータ103および外装体107の形状、正極リード121および負極リード125の位置形状以外の構成は、実施の形態1の記載を参酌することができる。また、正極111および負極115を積み重ねる工程以外の二次電池100aの作製方法は、実施の形態1に記載の作製方法を参酌することができる。
[薄型蓄電池3]
図15に、図13と異なる薄型蓄電池の例として二次電池100bを示す。図15(A)は二次電池100bの斜視図、図15(B)は二次電池100bの上面図である。図15(C1)は第1の電極組立体130、図15(C2)は第2の電極組立体131の断面図である。図15(D)は、図15(B)の一点破線E1−E2における断面図である。なお、図15(D)では図を明瞭にするため、第1の電極組立体130、電極組立体131およびセパレータ103を抜粋して示す。
図15に示す二次電池100bは、正極111と負極115の配置、およびセパレータ103の配置が図13の二次電池100aと異なる。
図15(D)に示すように、二次電池100bは、複数の第1の電極組立体130および複数の電極組立体131を有する。
図15(C1)に示すように、第1の電極組立体130では、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極111a、セパレータ103、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極115a、セパレータ103、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極111aがこの順に積層されている。また図15(C2)に示すように、第2の電極組立体131では、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極115a、セパレータ103、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極111a、セパレータ103、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極115aがこの順に積層されている。
さらに図15(D)に示すように、複数の第1の電極組立体130および複数の電極組立体131は、巻回したセパレータ103によって覆われている。
ここで図16を用いて、図15に示す二次電池100bの作製方法の一部について説明する。
まずセパレータ103上に、第1の電極組立体130を配置する(図16(A))。
次に、セパレータ103を折り曲げ、第1の電極組立体130の上にセパレータ103を重ねる。次に、第1の電極組立体130の上下に、セパレータ103を介して、2組の第2の電極組立体131を重ねる(図16(B))。
次に、セパレータ103を、2組の第2の電極組立体131を覆うように巻回させる。さらに、2組の第2の電極組立体131の上下に、セパレータ103を介して、2組の第1の電極組立体130を重ねる(図16(C))。
次に、セパレータ103を、2組の第1の電極組立体130を覆うように巻回させる(図16(D))。
このような工程で複数の第1の電極組立体130および複数の電極組立体131を積み重ねるため、これらの電極組立体は、渦巻き状に巻回されたセパレータ103の間に配置される。
なお、最も外側に配置される電極組立体130の正極111aは、外側には正極活物質層を設けないことが好ましい。
また図15(C1)および(C2)では、電極組立体が電極3枚とセパレータ2枚を有する構成を示したが、本発明の一態様はこれに限らない。電極を4枚以上、セパレータを3枚以上有する構成としてもよい。電極を増やすことで、二次電池100bの容量をより向上させることができる。また電極を2枚、セパレータを1枚有する構成としてもよい。電極が少ない場合、より湾曲に強い二次電池100bとすることができる。まだ図15(D)では、二次電池100bが第1の電極組立体130を3組、第2の電極組立体を2組有する構成を示したが、本発明の一態様はこれに限らない。さらに多くの電極組立体を有する構成としてもよい。電極組立体を増やすことで、二次電池100bの容量をより向上させることができる。またより少ない電極組立体を有する構成としてもよい。電極組立体が少ない場合、より湾曲に強い二次電池100bとすることができる。
二次電池100bの、正極111と負極115の配置、およびセパレータ103の配置の他は、図13についての記載を参酌することができる。
[蓄電システムの構造例]
また、蓄電システムの構造例について、図17、図18、図19を用いて説明する。ここで蓄電システムとは、例えば、蓄電装置を搭載した機器を指す。本実施の形態で説明する蓄電システムは、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、蓄電池を有する。
図17(A)および図17(B)は、蓄電システムの外観図を示す図である。蓄電システムは、回路基板900と、蓄電池913と、を有する。蓄電池913には、ラベル910が貼られている。さらに、図17(B)に示すように、蓄電システムは、端子951と、端子952と、を有し、蓄電池913の、ラベル910が貼られる面にアンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。それぞれの端子911は、端子951、端子952、または回路912のいずれか一に電気的に接続される。なお、端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914およびアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。または、アンテナ914若しくはアンテナ915は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
蓄電システムは、アンテナ914およびアンテナ915と、蓄電池913との間に層916を有する。層916は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽する機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
なお、蓄電システムの構造は、図17に限定されない。
例えば、図18(A−1)および図18(A−2)に示すように、図17(A)および図17(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図18(A−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図18(A−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図18(A−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図18(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽する機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。
上記構造にすることにより、アンテナ914およびアンテナ915の両方のサイズを大きくすることができる。
または、図18(B−1)および図18(B−2)に示すように、図17(A)および図17(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図18(B−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図18(B−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図18(B−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914およびアンテナ915が設けられ、図18(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914およびアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した蓄電システムと他の機器との通信方式としては、NFCなど、蓄電システムと他の機器の間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
または、図19(A)に示すように、図17(A)および図17(B)に示す蓄電池913に表示装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子919を介して端子911に電気的に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよい。なお、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペーパーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
または、図19(B)に示すように、図17(A)および図17(B)に示す蓄電池913にセンサ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接続される。なお、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図17(A)および図17(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
センサ921としては、例えば、力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むものを用いることができる。センサ921を設けることにより、例えば、蓄電システムが置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、回路912内のメモリに記憶しておくこともできる。
本実施の形態で示す蓄電池や蓄電システムには、本発明の一態様に係る電極が用いられている。そのため、蓄電池や蓄電システムの容量の大きくすることができる。また、エネルギー密度を高めることができる。また、信頼性を高めることができる。また、寿命を長くすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例について説明する。
先の実施の形態に示す可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例を図20に示す。フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図20(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電装置7407を有している。
図20(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図20(C)に示す。蓄電装置7407は薄型の蓄電池である。蓄電装置7407は曲げられた状態で固定されている。なお、蓄電装置7407は集電体7409と電気的に接続されたリード電極7408を有している。例えば、集電体7409は銅箔であり、一部ガリウムと合金化させて、集電体7409と接する活物質層との密着性を向上し、蓄電装置7407が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。
図20(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、および蓄電装置7104を備える。また、図20(E)に曲げられた蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は曲げられた状態で使用者の腕への装着時に、筐体が変形して蓄電装置7104の一部または全部の曲率が変化する。なお、曲線の任意の点における曲がり具合を相当する円の半径の値で表したものを曲率半径であり、曲率半径の逆数を曲率と呼ぶ。具体的には、曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲内で筐体または蓄電装置7104の主表面の一部または全部が変化する。蓄電装置7104の主表面における曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲であれば、高い信頼性を維持できる。
図20(F)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧および作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行および解除、省電力モードの実行および解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7200の表示部7202には、本発明の一態様の電極部材を備える蓄電装置を有している。例えば、図20(E)に示した蓄電装置7104を、筐体7201の内部に湾曲した状態で、またはバンド7203の内部に湾曲可能な状態で組み込むことができる。
図20(G)は、腕章型の表示装置の一例を示している。表示装置7300は、表示部7304を有し、本発明の一態様の蓄電装置を有している。また、表示装置7300は、表示部7304にタッチセンサを備えることもでき、また、携帯情報端末として機能させることもできる。
表示部7304はその表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示装置7300は、通信規格された近距離無線通信などにより、表示状況を変更することができる。
また、表示装置7300は入出力端子を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子を介さずに無線給電により行ってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、蓄電装置を搭載することのできる電子機器の一例を示す。
図21(A)および図21(B)に、2つ折り可能なタブレット型端末の一例を示す。図21(A)および図21(B)に示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631aと表示部9631bを有する表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。図21(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図21(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
また、タブレット型端末9600は、筐体9630aおよび筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図21(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図21(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、DCDCコンバータ9636を含む充放電制御回路9634有する。また、蓄電体9635として、本発明の一態様の蓄電体を用いる。
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630aおよび筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電体を用いた蓄電体9635は可撓性を有し、曲げ伸ばしを繰り返しても充放電容量が低下しにくい。よって、信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図21(A)および図21(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作または編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、蓄電体9635の充電を効率的に行う構成とすることができるため好適である。なお蓄電体9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図21(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図21(C)にブロック図を示し説明する。図21(C)には、太陽電池9633、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図21(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、蓄電体9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにして蓄電体9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段による蓄電体9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
図22に、他の電子機器の例を示す。図22において、表示装置8000は、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を用いた電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、蓄電装置8004等を有する。本発明の一態様に係る蓄電装置8004は、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能となる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図22において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、蓄電装置8103等を有する。図22では、蓄電装置8103が、筐体8101および光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を無停電電源として用いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図22では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、本発明の一態様に係る蓄電装置は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図22において、室内機8200および室外機8204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、蓄電装置8203等を有する。図22では、蓄電装置8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、蓄電装置8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方に蓄電装置8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図22では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることもできる。
図22において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、蓄電装置8304等を有する。図22では、蓄電装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300の利用が可能となる。
なお、上述した電子機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電子機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることで、電子機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、蓄電装置に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、蓄電装置8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、蓄電装置8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、車両に蓄電装置を搭載する例を示す。
また、蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、またはプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
図23において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図23(A)に示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。また、自動車8400は蓄電装置を有する。蓄電装置は電気モーターを駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図23(B)に示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電装置にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図23(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクターの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電装置(図示せず)を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両同士で電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置のサイクル特性が良好となり、信頼性を向上させることができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することができ、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した材料を含む電池セルと組み合わせて用いることができる電池制御ユニット(Battery Management Unit:BMU)、および該電池制御ユニットを構成する回路に適したトランジスタについて、図24乃至図30を参照して説明する。本実施の形態では、特に直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットについて説明する。
直列に接続された複数の電池セルに対して充放電を繰り返していくと、電池セル間の特性のばらつきに応じて、容量(出力電圧)が異なってくる。直列に接続された電池セルでは、全体の放電時の容量が、容量の小さい電池セルに依存する。容量にばらつきがあると放電時の容量が小さくなる。また、容量が小さい電池セルを基準にして充電を行うと、充電不足となるおそれがある。また、容量の大きい電池セルを基準にして充電を行うと、過充電となるおそれがある。
そのため、直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットは、充電不足や、過充電の原因となる、電池セル間の容量のばらつきを揃える機能を有する。電池セル間の容量のばらつきを揃える回路構成には、抵抗方式、キャパシタ方式、あるいはインダクタ方式等あるが、ここではオフ電流の小さいトランジスタを利用して容量のばらつきを揃えることのできる回路構成を一例として挙げて説明する。
オフ電流の小さいトランジスタとしては、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(OSトランジスタ)が好ましい。オフ電流の小さいOSトランジスタを蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成に用いることで、電池から漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。
チャネル形成領域に用いる酸化物半導体は、In−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)を用いる。酸化物半導体膜を成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x1:y1:z1とすると、x1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z1/y1は、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z1/y1を1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜としてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。
ここで、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
なお、OSトランジスタは、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(Siトランジスタ)に比べてバンドギャップが大きいため、高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。直列に電池セルを接続する場合、数100Vの電圧が生じることになるが、このような電池セルに適用される蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成には、前述のOSトランジスタで構成することが適している。
図24には、蓄電装置のブロック図の一例を示す。図24に示す蓄電装置1300は、端子対1301と、端子対1302と、切り替え制御回路1303と、切り替え回路1304と、切り替え回路1305と、変圧制御回路1306と、変圧回路1307と、直列に接続された複数の電池セル1309を含む電池部1308と、を有する。
また、図24の蓄電装置1300において、端子対1301と、端子対1302と、切り替え制御回路1303と、切り替え回路1304と、切り替え回路1305と、変圧制御回路1306と、変圧回路1307とにより構成される部分を、電池制御ユニットと呼ぶことができる。
切り替え制御回路1303は、切り替え回路1304および切り替え回路1305の動作を制御する。具体的には、切り替え制御回路1303は、電池セル1309毎に測定された電圧に基づいて、放電する電池セル(放電電池セル群)、および充電する電池セル(充電電池セル群)を決定する。
さらに、切り替え制御回路1303は、当該決定された放電電池セル群および充電電池セル群に基づいて、制御信号S1および制御信号S2を出力する。制御信号S1は、切り替え回路1304へ出力される。この制御信号S1は、端子対1301と放電電池セル群とを接続させるように切り替え回路1304を制御する信号である。また、制御信号S2は、切り替え回路1305へ出力される。この制御信号S2は、端子対1302と充電電池セル群とを接続させるように切り替え回路1305を制御する信号である。
また、切り替え制御回路1303は、切り替え回路1304、切り替え回路1305、および変圧回路1307の構成を踏まえ、端子対1302と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士が接続されるように、制御信号S1および制御信号S2を生成する。
切り替え制御回路1303の動作の詳細について述べる。
まず、切り替え制御回路1303は、複数の電池セル1309毎の電圧を測定する。そして、切り替え制御回路1303は、例えば、所定の閾値以上の電圧の電池セル1309を高電圧の電池セル(高電圧セル)、所定の閾値未満の電圧の電池セル1309を低電圧の電池セル(低電圧セル)と判断する。
なお、高電圧セルおよび低電圧セルを判断する方法については、様々な方法を用いることができる。例えば、切り替え制御回路1303は、複数の電池セル1309の中で、最も電圧の高い、又は最も電圧の低い電池セル1309の電圧を基準として、各電池セル1309が高電圧セルか低電圧セルかを判断してもよい。この場合、切り替え制御回路1303は、各電池セル1309の電圧が基準となる電圧に対して所定の割合以上か否かを判定する等して、各電池セル1309が高電圧セルか低電圧セルかを判断することができる。そして、切り替え制御回路1303は、この判断結果に基づいて、放電電池セル群と充電電池セル群とを決定する。
なお、複数の電池セル1309の中には、高電圧セルと低電圧セルが様々な状態で混在し得る。例えば、切り替え制御回路1303は、高電圧セルと低電圧セルが混在する中で、高電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を放電電池セル群とする。また、切り替え制御回路1303は、低電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を充電電池セル群とする。また、切り替え制御回路1303は、過充電又は過放電に近い電池セル1309を、放電電池セル群又は充電電池セル群として優先的に選択するようにしてもよい。
ここで、本実施形態における切り替え制御回路1303の動作例を、図25を用いて説明する。図25は、切り替え制御回路1303の動作例を説明するための図である。なお、説明の便宜上、図25では4個の電池セル1309が直列に接続されている場合を例に説明する。
まず、図25(A)の例では、電池セル1309のa乃至dの電圧を電圧Va乃至電圧Vdとすると、Va=Vb=Vc>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路1303は、連続する3つの高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路1303は、低電圧セルDを充電電池セル群として決定する。
次に、図25(B)の例では、Vc>Vb=Va>>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する2つの低電圧セルa、bと、1つの高電圧セルcと、1つの過放電間近の低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路1303は、高電圧セルcを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路1303は、低電圧セルdが過放電間近であるため、連続する2つの低電圧セルaおよびbではなく、低電圧セルdを充電電池セル群として優先的に決定する。
最後に、図25(C)の例では、Va>Vb=Vc=Vdの関係にある場合を示している。つまり、1つの高電圧セルaと、連続する3つの低電圧セルb乃至dとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路1303は、高電圧セルaを放電電池セル群と決定する。また、切り替え制御回路1303は、連続する3つの低電圧セルb乃至dを充電電池セル群として決定する。
切り替え制御回路1303は、上記図25(A)乃至(C)の例のように決定された結果に基づいて、切り替え回路1304の接続先である放電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S1と、切り替え回路1305の接続先である充電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S2を、切り替え回路1304および切り替え回路1305に対してそれぞれ出力する。
以上が、切り替え制御回路1303の動作の詳細に関する説明である。
切り替え回路1304は、切り替え制御回路1303から出力される制御信号S1に応じて、端子対1301の接続先を、切り替え制御回路1303により決定された放電電池セル群に設定する。
端子対1301は、対を成す端子A1およびA2により構成される。切り替え回路1304は、この端子A1およびA2のうち、いずれか一方を放電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セル1309の正極端子と接続し、他方を放電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セル1309の負極端子と接続することにより、端子対1301の接続先を設定する。なお、切り替え回路1304は、制御信号S1に設定された情報を用いて放電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路1305は、切り替え制御回路1303から出力される制御信号S2に応じて、端子対1302の接続先を、切り替え制御回路1303により決定された充電電池セル群に設定する。
端子対1302は、対を成す端子B1およびB2により構成される。切り替え回路1305は、この端子B1およびB2のうち、いずれか一方を充電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セル1309の正極端子と接続し、他方を充電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セル1309の負極端子と接続することにより、端子対1302の接続先を設定する。なお、切り替え回路1305は、制御信号S2に設定された情報を用いて充電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路1304および切り替え回路1305の構成例を示す回路図を図26および図27に示す。
図26では、切り替え回路1304は、複数のトランジスタ1310と、バス1311および1312とを有する。バス1311は、端子A1と接続されている。また、バス1312は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタ1310のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バス1311および1312と接続されている。また、複数のトランジスタ1310のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セル1309の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタ1310のうち、最上流に位置するトランジスタ1310のソース又はドレインの他方は、電池部1308の最上流に位置する電池セル1309の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ1310のうち、最下流に位置するトランジスタ1310のソース又はドレインの他方は、電池部1308の最下流に位置する電池セル1309の負極端子と接続されている。
切り替え回路1304は、複数のトランジスタ1310のゲートに与える制御信号S1に応じて、バス1311に接続される複数のトランジスタ1310のうちの1つと、バス1312に接続される複数のトランジスタ1310のうちの1つとをそれぞれ導通状態にすることにより、放電電池セル群と端子対1301とを接続する。これにより、放電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セル1309の正極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか一方と接続される。また、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル1309の負極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか他方、すなわち正極端子と接続されていない方の端子に接続される。
トランジスタ1310には、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、放電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、放電電池セル群の出力電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタ1310が接続された電池セル1309と端子対1301とを絶縁状態とすることができる。
また、図26では、切り替え回路1305は、複数のトランジスタ1313と、電流制御スイッチ1314と、バス1315と、バス1316とを有する。バス1315および1316は、複数のトランジスタ1313と、電流制御スイッチ1314との間に配置される。複数のトランジスタ1313のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バス1315および1316と接続されている。また、複数のトランジスタ1313のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セル1309の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタ1313のうち、最上流に位置するトランジスタ1313のソース又はドレインの他方は、電池部1308の最上流に位置する電池セル1309の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ1313のうち、最下流に位置するトランジスタ1313のソース又はドレインの他方は、電池部1308の最下流に位置する電池セル1309の負極端子と接続されている。
トランジスタ1313には、トランジスタ1310と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、充電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、充電電池セル群を充電するための電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタ1313が接続された電池セル1309と端子対1302とを絶縁状態とすることができる。
電流制御スイッチ1314は、スイッチ対1317とスイッチ対1318とを有する。スイッチ対1317の一端は、端子B1に接続されている。また、スイッチ対1317の他端は各々、別のバスに接続しており、一方のスイッチはバス1315に接続され、他方のスイッチはバス1316に接続されている。スイッチ対1318の一端は、端子B2に接続されている。また、スイッチ対1318の他端は各々、別のバスに接続しており、一方のスイッチはバス1315に接続され、他方のスイッチはバス1316に接続されている。
スイッチ対1317およびスイッチ対1318が有するスイッチは、トランジスタ1310およびトランジスタ1313と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。
切り替え回路1305は、制御信号S2に応じて、トランジスタ1313、および電流制御スイッチ1314のオン/オフ状態の組み合わせを制御することにより、充電電池セル群と端子対1302とを接続する。
切り替え回路1305は、一例として、以下のようにして充電電池セル群と端子対1302とを接続する。
切り替え回路1305は、複数のトランジスタ1313のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セル1309の正極端子と接続されているトランジスタ1313を導通状態にする。また、切り替え回路1305は、複数のトランジスタ1313のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル1309の負極端子に接続されているトランジスタ1313を導通状態にする。
端子対1302に印加される電圧の極性は、端子対1301と接続される放電電池セル群、および変圧回路1307の構成によって変わり得る。また、充電電池セル群を充電する方向に電流を流すためには、端子対1302と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士を接続する必要がある。そこで、電流制御スイッチ1314は、制御信号S2により、端子対1302に印加される電圧の極性に応じてスイッチ対1317およびスイッチ対1318の接続先をそれぞれ切り替えるように制御される。
一例として、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対1302に印加されている状態を挙げて説明する。この時、電池部1308の最下流の電池セル1309が充電電池セル群である場合、スイッチ対1317は、制御信号S2により、当該電池セル1309の正極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対1317のバス1316に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対1317のバス1315に接続されるスイッチがオフ状態となる。一方、スイッチ対1318は、制御信号S2により、当該電池セル1309の負極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対1318のバス1315に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対1318のバス1316に接続されるスイッチがオフ状態となる。このようにして、端子対1302と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対1302から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
また、電流制御スイッチ1314は、切り替え回路1305ではなく、切り替え回路1304に含まれていてもよい。この場合、電流制御スイッチ1314、制御信号S1に応じて、端子対1301に印加される電圧の極性を制御することにより、端子対1302に印加される電圧の極性を制御する。そして、電流制御スイッチ1314は、端子対1302から充電電池セル群に流れる電流の向きを制御する。
図27は、図26とは異なる、切り替え回路1304および切り替え回路1305の構成例を示す回路図である。
図27では、切り替え回路1304は、複数のトランジスタ対1321と、バス1324およびバス1325とを有する。バス1324は、端子A1と接続されている。また、バス1325は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタ対1321の一端は、各々、別のバスに接続している。トランジスタ1322のソース又はドレインの一方は、バス1324と接続されている。また、トランジスタ1323のソース又はドレインの一方は、バス1325と接続されている。また、複数のトランジスタ対の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セル1309の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対1321のうち、最上流に位置するトランジスタ対1321の他端は、電池部1308の最上流に位置する電池セル1309の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対1321のうち、最下流に位置するトランジスタ対1321の他端は、電池部1308の最下流に位置する電池セル1309の負極端子と接続されている。
切り替え回路1304は、制御信号S1に応じてトランジスタ1322およびトランジスタ1323の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対1321の接続先を、端子A1又は端子A2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタ1322が導通状態であれば、トランジスタ1323は非導通状態となり、その接続先は端子A1になる。一方、トランジスタ1323が導通状態であれば、トランジスタ1322は非導通状態となり、その接続先は端子A2になる。トランジスタ1322およびトランジスタ1323のどちらが導通状態になるかは、制御信号S1によって決定される。
端子対1301と放電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対1321が用いられる。詳細には、制御信号S1に基づいて、2つのトランジスタ対1321の接続先がそれぞれ決定されることにより、放電電池セル群と端子対1301とが接続される。2つのトランジスタ対1321のそれぞれの接続先は、一方が端子A1となり、他方が端子A2となるように、制御信号S1によって制御される。
切り替え回路1305は、複数のトランジスタ対1331と、バス1334およびバス1335とを有する。バス1334は、端子B1と接続されている。また、バス1335は、端子B2と接続されている。複数のトランジスタ対1331の一端は、各々、別のバスに接続している。トランジスタ1332を介して接続する一端は、バス1334と接続されている。また、トランジスタ1333を介して接続する一端は、バス1335と接続されている。また、複数のトランジスタ対1331の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セル1309の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対1331のうち、最上流に位置するトランジスタ対1331の他端は、電池部1308の最上流に位置する電池セル1309の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対1331のうち、最下流に位置するトランジスタ対1331の他端は、電池部1308の最下流に位置する電池セル1309の負極端子と接続されている。
切り替え回路1305は、制御信号S2に応じてトランジスタ1332およびトランジスタ1333の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対1331の接続先を、端子B1又は端子B2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタ1332が導通状態であれば、トランジスタ1333は非導通状態となり、その接続先は端子B1になる。逆に、トランジスタ1333が導通状態であれば、トランジスタ1332は非導通状態となり、その接続先は端子B2になる。トランジスタ1332およびトランジスタ1333のどちらが導通状態となるかは、制御信号S2によって決定される。
端子対1302と充電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対1331が用いられる。詳細には、制御信号S2に基づいて、2つのトランジスタ対1331の接続先がそれぞれ決定されることにより、充電電池セル群と端子対1302とが接続される。2つのトランジスタ対1331のそれぞれの接続先は、一方が端子B1となり、他方が端子B2となるように、制御信号S2によって制御される。
また、2つのトランジスタ対1331のそれぞれの接続先は、端子対1302に印加される電圧の極性によって決定される。具体的には、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対1302に印加されている場合、上流側のトランジスタ対1331は、トランジスタ1332が導通状態となり、トランジスタ1333が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対1331は、トランジスタ1333が導通状態、トランジスタ1332が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。また、端子B1が負極、端子B2が正極となるような電圧が端子対1302に印加されている場合は、上流側のトランジスタ対1331は、トランジスタ1333が導通状態となり、トランジスタ1332が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対1331は、トランジスタ1332が導通状態、トランジスタ1333が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。このようにして、端子対1302と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対1302から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
変圧制御回路1306は、変圧回路1307の動作を制御する。変圧制御回路1306は、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数とに基づいて、変圧回路1307の動作を制御する変圧信号S3を生成し、変圧回路1307へ出力する。
なお、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数が充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数よりも多い場合は、充電電池セル群に対して過剰に大きな充電電圧が印加されることを防止する必要がある。そのため、変圧制御回路1306は、充電電池セル群を充電できる範囲で放電電圧(Vdis)を降圧させるように変圧回路1307を制御する変圧信号S3を出力する。
また、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数以下である場合は、充電電池セル群を充電するために必要な充電電圧を確保する必要がある。そのため、変圧制御回路1306は、充電電池セル群に過剰な充電電圧が印加されない範囲で放電電圧(Vdis)を昇圧させるように変圧回路1307を制御する変圧信号S3を出力する。
なお、過剰な充電電圧とする電圧値は、電池部1308で使用される電池セル1309の製品仕様等に鑑みて決定することができる。また、変圧回路1307により昇圧および降圧された電圧は、充電電圧(Vcha)として端子対1302に印加される。
ここで、本実施形態における変圧制御回路1306の動作例を、図28(A)乃至(C)を用いて説明する。図28(A)乃至(C)は、図25(A)乃至(C)で説明した放電電池セル群および充電電池セル群に対応させた、変圧制御回路1306の動作例を説明するための概念図である。なお図28(A)乃至(C)は、電池制御ユニット1341を図示している。電池制御ユニット1341は、上述したように、端子対1301と、端子対1302と、切り替え制御回路1303と、切り替え回路1304と、切り替え回路1305と、変圧制御回路1306と、変圧回路1307とにより構成される。
図28(A)に示される例では、図25(A)で説明したように、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、図25(A)を用いて説明したように、切り替え制御回路1303は、高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定し、低電圧セルdを充電電池セル群として決定する。そして、変圧制御回路1306は、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数を基準とした時の、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数の比に基づいて、放電電圧(Vdisから充電電圧(Vcha)への変換比Nを算出する。
なお放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数よりも多い場合に、放電電圧を変圧せずに端子対1302にそのまま印加すると、充電電池セル群に含まれる電池セル1309に、端子対1302を介して過剰な電圧が印加される可能性がある。そのため、図28(A)に示されるような場合では、端子対1302に印加される充電電圧(Vcha)を、放電電圧よりも降圧させる必要がある。さらに、充電電池セル群を充電するためには、充電電圧は、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の合計電圧より大きい必要がある。そのため、変圧制御回路1306は、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数を基準とした時の、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数の比よりも、変換比Nを大きく設定する。
変圧制御回路1306は、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数を基準とした時の、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数の比に対して、変換比Nを1乃至10%程度大きくするのが好ましい。この時、充電電圧は充電電池セル群の電圧よりも大きくなるが、実際には充電電圧は充電電池セル群の電圧と等しくなる。ただし、変圧制御回路1306は変換比Nに従い充電電池セル群の電圧を充電電圧と等しくするために、充電電池セル群を充電する電流を流すこととなる。この電流は変圧制御回路1306に設定された値となる。
図28(A)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数が3個で、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の数が1個であるため、変圧制御回路1306は、1/3より少し大きい値を変換比Nとして算出する。そして、変圧制御回路1306は、放電電圧を当該変換比Nに応じて降圧し、充電電圧に変換する変圧信号S3を変圧回路1307に出力する。そして、変圧回路1307は、変圧信号S3に応じて変圧された充電電圧を、端子対1302に印加する。そして、端子対1302に印加される充電電圧によって、充電電池セル群に含まれる電池セル1309が充電される。
また、図28(B)や図28(C)に示される例でも、図28(A)と同様に、変換比Nが算出される。図28(B)や図28(C)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数以下であるため、変換比Nは1以上となる。よって、この場合は、変圧制御回路1306は、放電電圧を昇圧して受電電圧に変換する変圧信号S3を出力する。
変圧回路1307は、変圧信号S3に基づいて、端子対1301に印加される放電電圧を充電電圧に変換する。そして、変圧回路1307は、変換された充電電圧を端子対1302に印加する。ここで、変圧回路1307は、端子対1301と端子対1302との間を電気的に絶縁している。これにより、変圧回路1307は、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル1309の負極端子の絶対電圧と、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル1309の負極端子の絶対電圧との差異による短絡を防止する。さらに、変圧回路1307は、上述したように、変圧信号S3に基づいて放電電池セル群の合計電圧である放電電圧を充電電圧に変換する。
また、変圧回路1307は、例えば絶縁型DC(Direct Current)−DCコンバータ等を用いることができる。この場合、変圧制御回路1306は、絶縁型DC−DCコンバータのオン/オフ比(デューティー比)を制御する信号を変圧信号S3として出力することにより、変圧回路1307で変換される充電電圧を制御する。
なお、絶縁型DC−DCコンバータには、フライバック方式、フォワード方式、RCC(Ringing Choke Converter)方式、プッシュプル方式、ハーフブリッジ方式、およびフルブリッジ方式等が存在するが、目的とする出力電圧の大きさに応じて適切な方式が選択される。
絶縁型DC−DCコンバータを用いた変圧回路1307の構成を図29に示す。絶縁型DC−DCコンバータ1351は、スイッチ部1352とトランス部1353とを有する。スイッチ部1352は、絶縁型DC−DCコンバータの動作のオン/オフを切り替えるスイッチであり、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)やバイポーラ型トランジスタ等を用いて実現される。また、スイッチ部1352は、変圧制御回路1306から出力される、オン/オフ比を制御する変圧信号S3に基づいて、絶縁型DC−DCコンバータ1351のオン状態とオフ状態を周期的に切り替える。なお、スイッチ部1352は、使用される絶縁型DC−DCコンバータの方式によって様々な構成を取り得る。トランス部1353は、端子対1301から印加される放電電圧を充電電圧に変換する。詳細には、トランス部1353は、スイッチ部1352のオン/オフ状態と同期して動作し、そのオン/オフ比に応じて放電電圧を充電電圧に変換する。この充電電圧は、スイッチ部1352のスイッチング周期において、オン状態となる時間が長いほど大きくなる。一方、充電電圧は、スイッチ部1352のスイッチング周期において、オン状態となる時間が短いほど小さくなる。なお、絶縁型DC−DCコンバータを用いる場合、トランス部1353の内部で、端子対1301と端子対1302は互いに絶縁することができる。
本実施形態における蓄電装置1300の処理の流れを、図30を用いて説明する。図30は、蓄電装置1300の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、蓄電装置1300は、複数の電池セル1309毎に測定された電圧を取得する(ステップS001)。そして、蓄電装置1300は、複数の電池セル1309の電圧を揃える動作の開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS002)。この開始条件は、例えば、複数の電池セル1309毎に測定された電圧の最大値と最小値との差分が、所定の閾値以上か否か等とすることができる。この開始条件を満たさない場合は(ステップS002:NO)、各電池セル1309の電圧のバランスが取れている状態であるため、蓄電装置1300は、以降の処理を実行しない。一方、開始条件を満たす場合は(ステップS002:YES)、蓄電装置1300は、各電池セル1309の電圧を揃える処理を実行する。この処理において、蓄電装置1300は、測定されたセル毎の電圧に基づいて、各電池セル1309が高電圧セルか低電圧セルかを判定する(ステップS003)。そして、蓄電装置1300は、判定結果に基づいて、放電電池セル群および充電電池セル群を決定する(ステップS004)。さらに、蓄電装置1300は、決定された放電電池セル群を端子対1301の接続先に設定する制御信号S1、および決定された充電電池セル群を端子対1302の接続先に設定する制御信号S2を生成する(ステップS005)。蓄電装置1300は、生成された制御信号S1および制御信号S2を、切り替え回路1304および切り替え回路1305へそれぞれ出力する。そして、切り替え回路1304により、端子対1301と放電電池セル群とが接続され、切り替え回路1305により、端子対1302と放電電池セル群とが接続される(ステップS006)。また、蓄電装置1300は、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数とに基づいて、変圧信号S3を生成する(ステップS007)。そして、蓄電装置1300は、変圧信号S3に基づいて、端子対1301に印加される放電電圧を充電電圧に変換し、端子対1302に印加する(ステップS008)。これにより、放電電池セル群の電荷が充電電池セル群へ移動される。
また、図30のフローチャートでは、複数のステップが順番に記載されているが、各ステップの実行順序は、その記載の順番に制限されない。
以上、本実施形態によれば、放電電池セル群から充電電池セル群へ電荷を移動させる際、キャパシタ方式のように、放電電池セル群からの電荷を一旦蓄積し、その後充電電池セル群へ放出させるような構成を必要としない。これにより、単位時間あたりの電荷移動効率を向上させることができる。また、切り替え回路1304および切り替え回路1305により、放電電池セル群および充電電池セル群のうち、変圧回路と接続する電池セルを、個別に切り替えられる。
さらに、変圧回路1307により、放電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数と充電電池セル群に含まれる電池セル1309の個数とに基づいて、端子対1301に印加される放電電圧が充電電圧に変換され、端子対1302に印加される。これにより、放電側および充電側の電池セル1309がどのように選択されても、問題なく電荷の移動を実現できる。
さらに、トランジスタ1310およびトランジスタ1313にOSトランジスタを用いることにより、充電電池セル群および放電電池セル群に属しない電池セル1309から漏洩する電荷量を減らすことができる。これにより、充電および放電に寄与しない電池セル1309の容量の低下を抑制することができる。また、OSトランジスタは、Siトランジスタに比べて熱に対する特性の変動が小さい。これにより、電池セル1309の温度が上昇しても、制御信号S1、S2に応じた導通状態と非導通状態の切り替えといった、正常な動作をさせることができる。