JP2016124741A - 高強度吹付コンクリート - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工に関して支障をきたすほどの瞬結化を抑制でき、一方で、吹付の際に優れた付着性を付与でき、吹付後は著しく早く強度が増加し、短時間材齢での強度が格段に高い吹付物を形成できるという特性を全て具備した高強度吹付コンクリートを提供する。【解決手段】 セメント100質量部及び無水石膏5〜12質量部を含有するセメント組成物に、ガラス化率90%以上でCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するクリンカの粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏を含有する粉体混和剤を、前記セメント組成物中のセメント含有量100質量部に対する添加量が5〜15質量部となるよう添加添加してなる高強度吹付コンクリート。【選択図】 なし

Description

本発明は、壁面等へ吹付ける高強度の吹付コンクリートに関する。
トンネル、地下空間、法面等の建設工事に対し、地山や構築物補強のために、壁面、天井面又は傾斜面にスラリー状のモルタルやコンクリート(以下、総称して「コンクリート」という。)を吹付けることが行われている。一般的な吹付施工では、注水後のベースコンクリートに急結剤を添加して急結性を付与し、接水から短時間にセメントの凝結を完了させることで付着性の担保としている。吹付コンクリートは付着性に優れることが絶対条件となるが、例えば掘削現場など掘削後できるだけ早く補強を必要とする施工対象では、特に高い初期強度の発現性も要求される。急結性に優れる粉末状の急結剤としてカルシウムアルミネートが広く普及している。カルシウムアルミネートを急結成分とした吹付コンクリートの付着性を高める方策として、次のようなものが知られている。(1)カルシウムアルミネートのガラス化率を高める。(2)カルシウムアルミネートのCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)の値を大きくする(例えば、特許文献1参照。)。(3)カルシウムアルミネートにMgOを含有させる。(例えば、特許文献2参照。)(4)アルカリ金属のアルミン酸塩を併用する。(例えば、特許文献3参照。)(5)アルカリ金属の炭酸塩を併用する。(例えば、特許文献4参照。)また、吹付装置の目詰まり防止など施工作業性の改善・向上策として、1〜4質量%のSiO2を含有させたカルシウムアルミネートを急結成分として使用することが知られている。(例えば、特許文献5参照。)また、カルシウムアルミネートを急結成分とした吹付コンクリートの初期強度を高める方策として、次のようなものが知られている。(6)吹付コンクリート中の水とセメントの質量比(セメント/水)を高める。
しかるに、カルシウムアルミネートを急結成分とした吹付コンクリートの付着性と初期強度を共に向上させる有用な方策は知られていない。特に、強度発現性については、従来の吹付コンクリートでの具備特性として知られている高い初期或いは早期強度発現性は、急結剤配合によってセメントの凝結が早く進展するために、急結成分を含まないコンクリートと比べ必然的に早期の強度が高い値を呈しているに過ぎず、従来の急結成分を含む吹付コンクリートの初期強度発現レベルを大きく超える強度上昇速度と初期強度値の大幅向上を得るための有用な方策は、少なくとも付着性や施工作業性を阻害しない範囲においては、知られていない。
特開2005−247618号公報 特開2014−88296号公報 特開平11−71145号公報 特開平10−1342号公報 特開2013−177279号公報
本発明は、吹付施工の作業に支障をきたすほどの瞬結化を抑制して良好な作業性を確保できる吹付コンクリートであって、吹付の際にリバウンドや吹付物の垂れ落ちも無く強い付着力で変形もなく保持できるといった優れた付着性を具備し、しかも吹付後は著しく早く強度が増加し、短時間材齢での強度が格段に高い吹付物を形成できるという特性を全て具備した高強度吹付コンクリートの提供を課題とする。
本発明者は、前記課題解決のため検討した結果、特定の成分を特定量含有するガラス化が進んだカルシウムアルミネートのクリンカ粉末、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏等を含む混合物を、セメント及び無水石膏を含む組成物に特定の割合で配合せしめた吹付コンクリートが、前記課題を総じて解決するものであるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち、本発明は、次の(1)〜(4)で表す高強度吹付コンクリートである。(1)セメント100質量部及び無水石膏5〜12質量部を含有するセメント組成物に、ガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するクリンカの粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏を含有する粉体混和剤を、前記セメント組成物中のセメント含有量100質量部に対する添加量が5〜15質量部となるよう添加してなる高強度吹付コンクリート。(2)粉体混和剤がガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するクリンカの粉砕物100質量部、アルミン酸ナトリウム2.4〜12.8質量部及び無水石膏1.2〜24.7質量部を含有することを特徴とする前記(1)の高強度吹付コンクリート。(3)粉体混和剤が、さらに、アルカリ金属の炭酸塩を含有する前記(1)又は(2)の高強度吹付コンクリート。(4)セメント組成物がセメント含有量100質量部に対し水40〜55質量部を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)何れかの高強度吹付コンクリート。
本発明によれば、良好な施工作業性と強力な付着性を具備し、吹付後は短時間で非常に高い強度を発現できる吹付コンクリートを得ることができる。
本発明の高強度吹付コンクリートを構成するセメント組成物は、特定の量比でセメントと無水石膏を含有する。このセメント組成物は、実施工では一般に、ベースコンクリート又はベースモルタルと称される。含有するセメントは水硬性のものであれば特に限定されず、例えば普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩等のポルトランドセメントが挙げられる。また、ポルトランドセメントと高炉スラグなどの鉱滓や石炭灰などの微粉を混合させた混合セメントも例示できる。
前記セメント組成物に含有する無水石膏は、何れのものでも使用でき、特に限定されない。無水石膏の含有により、硬化が促進され、高い強度発現性が得易くなる。前記セメント組成物中の無水石膏の含有量はセメント100質量部に対し、5〜12質量部とする。5質量部未満では、持続性のある高い強度発現性が得難くなるので好ましくなく、12質量部を超える含有量では凝結が遅延し、付着性や初期強度発現性が低下する虞があるので好ましくない。
前記セメント組成物に含有する水は、水和反応性物質の水和に供され、その含有量は特に制限されるものではなく、施工状況や他の配合成分等に応じて適宜定めれば良い。好ましくは、セメント100質量部に対し、40〜55質量部とする。この範囲であれば高い強度発現性が得易くなる。
前記セメント組成物は、セメント、無水石膏及び水以外の成分も、本発明の効果を阻害しない限り、含有することができる。このような成分として、例えば、各種減水剤類、増粘剤、ポゾラン反応性物質、細骨材などのモルタルやコンクリートに使用できる混和剤・材を挙げることができるが、記載例に限定されるものではない。
また、本発明の高強度吹付コンクリートの前記水性組成物に配合する粉体混和剤は、特定のカルシウムアルミネートのクリンカ粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏を含有する。前記粉体混和剤に含有する特定のカルシウムアルミネートのクリンカ粉砕物は、CaOとAl23を主要化学成分として含む物質であり、ガラス化が進んだ構造の水和活性物質であり、通常はCaO源となる原料とAl23源となる原料を配合した原料配合物を溶融するまで焼成し、これを急冷させた焼成塊(クリンカ)として得られるものである。本発明では、ガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートのクリンカを使用することで高い急結性付与に寄与する。ガラス化率90%未満のものでは反応活性が低く、吹付施工に適した急結性を付与できないことがあるので好ましくない。また、前記カルシウムアルミネートは化学成分としてCaOとAl23をモル比(CaO/Al23)で1.8〜2.5の割合で含有するものとする。含有モル比(CaO/Al23)が1.8未満では付着性が低下するため好ましくなく、2.5を超えると瞬結性が強まり、吹付対象面に到達する前に固結が起こるため好ましくない。
また、前記カルシウムアルミネートのクリンカは、少なくとも珪素、マグネシウム及びチタンを所定量含有するものである。具体的には、それぞれ酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するものとする。珪素の含有量が、酸化物(SiO2)換算で4〜6質量%の範囲から外れたものでは、瞬結化が強まったり付着性低下が起こる可能性が高くなることがあるので好ましくない。また、マグネシウムの含有量が、酸化物(MgO)換算で0.75〜0.95質量%の範囲から外れたものでは、付着性が低下する虞があるので好ましくない。また、チタンの含有量が、酸化物(TiO2)換算で0.8〜1.3質量%の範囲から外れたものでは、急結性や初期強度発現性が低下する虞があるので好ましくない。また、これら以外の他の成分のクリンカ粉末中への含有は、本発明の効果を阻害しない限り、許容される。また、カルシウムアルミネートのクリンカ粉砕物は、カルシウムアルミネートのクリンカを、例えば全鋼性のボールミルやディスクミル等の破砕機で粉砕し、また市販の分級機や篩なども適宜使用して粉末化したものである。その粉末度は特に制限されないが、好ましくはブレーン比表面積で凡そ2500〜9000cm2/gとする。2500cm2/g未満では反応活性が弱くなって高い急結性が得難くなることがあるため適当ではなく、また9000cm2/gを超えると粉砕等に関る製造コストが高騰するので適当ではない。
また、前記粉体混和剤に含有するアルミン酸ナトリウムは接水直後からモルタルやコンクリートの凝結を急速に促進する作用を具備し、高い初期強度発現性を得るのに寄与する。使用するアルミン酸ナトリウムは粉体状のものであれば特に制限されない。また、前記粉体混和剤中のアルミン酸ナトリウムの含有量も限定されない。好ましくは、前記カルシウムアルミネートのクリンカの粉砕物の含有量100質量部に対し、アルミン酸ナトリウムを2.4〜12.3質量部含有したものとする。アルカリ金属のアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム及びアルミン酸リチウムの群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。アルカリ金属のアルミン酸塩を含有させることで、接水直後からモルタルやコンクリートの凝結を急速に促進することに貢献する。
また、前記粉体混和剤に含有する無水石膏は、強度発現性を向上することに寄与し、吹付物の硬化を促進する。無水石膏は何れのものでも使用できる。また、前記粉体混和剤の無水石膏の含有量は限定されるものではないが、好適な含有量としては、前記カルシウムアルミネートのクリンカの粉砕物含有量100質量部に対し、1.2〜24.7質量部である。
また、前記粉体混和剤には、前記の特定のカルシウムアルミネートのクリンカ粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏以外の成分の含有も本発明の効果を阻害するものでない限り、含有することができる。このような成分の好適例として、炭酸ナトリウムを挙げることができる。炭酸ナトリウムを含有することによって凝結が促進され、初期の強度発現性も向上し易くなる。炭酸ナトリウムの前記粉体混和剤中の含有量は制限されるものではないが、前記カルシウムアルミネートのクリンカの粉砕物含有量100質量部に対し、例えば1〜10質量部とする。また、炭酸ナトリウム以外のアルカリ金属炭酸塩なども好適に使用できる。
本発明の高強度吹付コンクリートは、このような粉体混和剤を、前記セメント組成物に、前記セメント組成物中のセメント含有量100質量部に対する添加量が、5〜15質量部となるように添加してなるものである。
また、本発明の高強度吹付コンクリートを製造する方法は限定されない。推奨される一例を示すと、例えば、前記カルシウムアルミネートのクリンカの粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏等を、例えばヘンシェルミキサ等の混合装置に所望量投入して乾式混合し、粉体混和剤を作製する。別に、前記所定の配合になるようセメント、無水石膏及び水等を、例えば2軸強制コンクリートミキサ等の混合装置で混練し、セメント組成物(ベースコンクリート)を作製する、このセメント組成物を吹付装置に例えばポンプ圧送し、該吹付装置で前記作製された粉体混和剤をセメント組成物に添加混合することで高強度吹付コンクリートを製造することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は記載した実施例に限定されるものではない。 尚、以下の実施例は、特記無い限り、20℃(±2℃)の温度環境で行った。
[カルシウムアルミネートクリンカの作製]
何れも市販粉末試薬のCaCO3とAl23、市販特急試薬のSiO2、MgCO3、TiO2を用い、CaO及びAl23の含有モル比(CaO/Al23)の値並びに珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算の含有質量が表1に表すクリンカが得られるように批評量配合し、ヘンシェル型混合機を使用して原料調合物を作製した。この原料調合物を電気炉を用いて約1600℃(±50℃)で60分間焼成し、焼成時間経過後は直ちに炉外に取出した。取出した焼成塊(クリンカ)表面に冷却用の窒素ガスを流速約30ml/秒で吹付て急冷し、クリンカの冷却物を得た。尚、クリンカのガラス化率調整のため、一部のクリンカについては冷却用の窒素ガスの吹付は行わないかガス流速を落として吹付けた。次いで、このクリンカを全鋼製のボールミルで粉砕し、分級装置にかけてブレーン比表面積約5000cm2/gのカルシウムアルミネートのクリンカ粉末を得た。また、このカルシウムアルミネートのガラス化率を、粉末エックス線回折装置を用い、質量がM1のカルシウムアルミネートクリンカに含まれる各鉱物の質量を内部標準法等で定量し、定量できた含有鉱物相の総和質量;M2を算出し、残部が純ガラス相と見なし、次式でガラス化率を算出した。
ガラス化率(%)=(1−M2/M1)×100
Figure 2016124741
[粉体混和剤の作製]
前記作製のカルシウムアルミネートのクリンカ粉末、アルミン酸ナトリウム(市販粉末試薬)、II型無水石膏(市販品)および炭酸ナトリウム(市販粉末試薬)から選定される材料を表2の配合となるようヘンシェルミキサに一括投入し、約2分間混合して粉体混和剤を作製した。
Figure 2016124741
[急結性の評価]
普通ポルトランドセメント(市販品)1000g及び水500gを底付円筒容器に入れ、ハンドミキサで1分間混合した後、屋内に30分静置した。この静置後、ハンドミキサで1分間再混合し、前記作製の粉体混和剤を70g添加し、さらに5秒間攪拌してセメントペーストを作製した。粉体混和剤添加30秒経過後、60秒経過後、120秒及び5分経過後のセメントペーストに対し、プロクター貫入抵抗値を測定することで急結性の評価を行った。プロクター貫入抵抗値の測定方法は、土木学会コンクリート標準指方書「吹付コンクリート用急結剤品質規格」付属書「貫入抵抗によるモルタルの瞬結時間測定方法」に準拠し、断面積0.125cm2のプロクター針を使用して行った。この測定結果を表3に表す。
Figure 2016124741
[ベースコンクリート(セメント組成物)の作製]
普通ポルトランドセメント(市販品)、II型無水石膏(市販品)、細骨材及び水を、表4で表す配合となるようコンクリートミキサに投入し、1分間混練してセメント組成物(ベースコンクリート)を作製した。ここでは細骨材に掛川市産山砂(F.M.=2.73)を使用した。
Figure 2016124741
[吹付コンクリートの作製]
混練されたベースコンクリートを、市販のコンクリート用吹付装置にポンプ圧送し、該吹付装置内で送流中のベースコンクリートに前記の粉体混和剤を連続的に添加した。前記吹付装置では粉体混和剤は添加時にベースコンクリートと実質的な混合がなされ、吹付コンクリートが形成される。粉体混和剤の添加量は、ベースコンクリート作製に使用した普通ポルトランドセメント100質量部に対し、表5に表す量にした。
Figure 2016124741
[吹付コンクリートの吹付特性等の評価]
この吹付コンクリートを、前記コンクリート用吹付装置の噴射用ノズルから約100cm離れた地点に垂直に設置した3m四方のコンクリート製平滑壁面に向かって、前記コンクリート吹付装置の噴射用ノズルから160ml/分の流量で吹付けた。吹付性の評価として、何れも目視観察で、前記壁面からの吹付コンクリートの跳ね返り(リバウンド)を調べ、跳ね返りが見られなかったものをリバウンド「無」と判断し、跳ね返りが見られたものをリバウンド「有」と判断した。また、壁面に吹付けたコンクリートに垂れが見られたり剥落が起こったりすることなく、付着し続けたものを付着性が「良好」と判断し、それ以外の状態になったものは全て付着性が「不良」と判断した。また、このような吹付けを3分間連続して行った直後に、吹付装置のノズル孔に固結物による閉塞が部分的にでも見られたものを閉塞発生「有」と判断し、このような閉塞が見られなかったものを閉塞発生「無」と判断した。以上の結果を表6に表す。
Figure 2016124741
[吹付コンクリートの長期強度発現性の評価]
前記でコンクリート製平滑壁面に吹き付けられた吹付コンクリートの吹付時から28日経過した時点の吹付物に対し、コアドリルを使用して直径5×長さ約10cm円筒形のコアを刳り抜いた。次いで、JIS A1107 「コンクリートからのコアの採取方法および圧縮強度試験方法」で規定する方法でこのコアの一軸圧縮強度を測定し、材齢28日の吹付コンクリートの一軸圧縮強度とした。この結果を表6に表す。
[吹付コンクリートの初期強度発現性の評価]
また、前記ベースコンクリートに前記作製の粉体混和剤をベースコンクリート中の普通ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、前記表6に表す量を添加し、更に10秒間混練して混練物を作製した。混練物は作製後直ちに、内寸40×40×160mmの成形用型枠に充填し、これを屋内で所定時間静置し、静置後に脱型して材齢3時間及び1日の供試体を得た。この供試体の一軸圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機で測定した。この結果も表6に表す。
表3の結果から、本発明の吹付コンクリートは、粉体混和剤の添加から少なくとも30秒経過時まではプロクター貫入抵抗値が低く、概ね60秒経過時から急速に増大することから、急結性は具備するものの、瞬結性は抑制されることがわかる。また、表5の結果から、本発明品は強力な付着性を有し、リバウンド等の吹付ロスも殆ど起こらないことがわかり、付着語も中長期に渡って強度の増加傾向が見られることがわかる。さらに、表6の結果から、本発明品に関る材齢半日及び材齢1日の一軸圧縮強度が、従来技術の範疇の比較品と比べて、格段に高いものであることがわかる。

Claims (4)

  1. セメント100質量部及び無水石膏5〜12質量部を含有するセメント組成物に、ガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するクリンカの粉砕物、アルミン酸ナトリウム及び無水石膏を含有する粉体混和剤を、前記セメント組成物中のセメント含有量100質量部に対する添加量が5〜15質量部となるよう添加添加してなる高強度吹付コンクリート。
  2. 粉体混和剤がガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;4〜6質量%、MgO;0.75〜0.95質量%及びTiO2;0.8〜1.3質量%含有するクリンカの粉砕物100質量部、アルミン酸ナトリウム2.4〜12.3質量部及び無水石膏1.2〜24.7質量部を含有することを特徴とする請求項1記載の高強度吹付コンクリート。
  3. 粉体混和剤が、さらに、アルカリ金属の炭酸塩を含有する請求項1又は2記載の吹付コンクリート。
  4. セメント組成物がセメント含有量100質量部に対し水40〜55質量部を含有することを特徴とする請求項1〜3何れか記載の高強度吹付コンクリート。
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