JP2016124739A - 吹付コンクリート用急結性混和剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工に関して支障をきたすほどの瞬結化を抑制でき、一方で、吹付の際に優れた付着性を付与でき、しかも付着後は強固で経時的耐久性のあるコンクリート吹付物を形成できるという特性を具備した吹付コンクリート用の急結性混和剤を提供する。【解決手段】 何れもガラス化率90%以上でCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、(A)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;0.5〜0.9質量%及びTiO2;1.0〜2.5質量%含有するクリンカ35〜85質量部と(B)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;1.0〜1.5質量%及びTiO2;0.1〜0.9質量%含有するクリンカ65〜15質量部からなるカルシウムアルミネートクリンカの粉末を有効成分とする吹付コンクリート用急結性混和剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、壁面等へコンクリートを吹付けるために加える急結性混和剤およびこれを用いた吹付コンクリートに関する。
トンネル、地下空間、法面等の建設工事に対し、地山や構築物補強のために、壁面、天井面又は傾斜面にスラリー状のモルタルやコンクリート(以下、総称して「コンクリート」という。)を吹付けることが行われている。一般的な吹付施工では、注水後のコンクリートに急結剤を添加して急結性を付与し、接水から短時間にセメントの凝結を完了させることで付着性の担保としている。用いる急結剤は、施工環境に応じて液状のものと粉末状のものが使い分けられる。粉末状のものは、カルシウムアルミネートを有効成分とする急結剤が主流となっている。カルシウムアルミネート系急結剤の凝結性と強度発現作用に関しては、カルシウムアルミネートの構造状態、化学成分としてのCaOとAl23の含有モル比、CaOとAl23以外の含有成分、粒度(粒径)、併用混和剤などによって影響される。
具体的には、例えば、高い非晶質状態のカルシウムアルミネートほど凝結時間は短く、凝結の開始時間も早まる。また、CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)の値が大きくなるほど急結性や速硬性が強まる傾向が知られている。(例えば、特許文献1参照。)また、カルシウムアルミネート中にSiO2を6〜15質量%含ませたものは、低温で良好な急結性や強度発現性が得られることが知られている。(例えば、特許文献2参照。)一方で、SiO2含有量1〜4質量%のカルシウムアルミネートは、良好な反応活性を保持しつつ、吹付装置の搬送経路やノズルで閉塞が起こり難く、圧送性が良い吹付材が得られることも知られている。(例えば、特許文献3参照。)また、カルシウムアルミネート中にMgOを含むものは、接水から1分ほどで急結性が現れ、強力な付着性が得られることが知られている。(例えば、特許文献4参照。)更に、併用混和剤としてアルカリ金属のアルミン酸塩を併用すると、凝結がより促進され、特に初期凝結が促進される。(例えば、特許文献5参照。)他にも併用混和剤に関しては数多く提案されており、例えば、アルカリ金属炭酸塩併用による凝結・強度促進作用、カルボン酸やアルカリ土類金属硫酸塩等の凝結遅延成分併用による瞬結防止や可使時間付与作用等は、従来から広く知られている。しかるに、注水時の混練や吹付装置圧送等に関する作業性が良好で、例えばコンクリート圧送管や吹付装置のノズル孔等が閉塞され易くなる瞬結性が抑えられ、これと一見相容れないような作用効果である吹付の際にリバウンドや垂れ落ちも見られず付着性に優れ、しかも強固なコンクリート吹付物を形成できる作用を兼ね備え、該吹付物には経時的な耐久性も付与するという特性を全て具備できる急結剤は得られていない。
特開2005−247618号公報 特開平8−104556号公報 特開2013−177279号公報 特開2014−88296号公報 特開平11−71145号公報
本発明は、吹付施工に際して支障をきたすほどの瞬結化を抑制して良好な作業性を確保でき、一方で、吹付の際にリバウンドや吹付物の垂れ落ちも無く、強い付着力で変形せずに保持できるといった優れた付着性を付与し、しかも付着後は強固で経時的耐久性のあるコンクリート吹付物を形成できるという特性を全て具備した吹付コンクリート用の急結性混和剤の提供を課題とする。
本発明者は、前記課題解決のため検討した結果、ガラス化が進んだカルシウムアルミネートのクリンカにおいて、特定の成分の含有量の異なる2つのクリンカを混合した粉末を有効成分とする急結性混和剤が、意外にも、吹付時に、施工作業性に支障を及ぼすほどの瞬結性を抑制できるにも拘わらず、強い付着力と高い変形抵抗という優れた付着性能を付与でき、しかも強固なコンクリート吹付物を形成することに寄与し、該コンクリート吹付物に機械的な耐久性も高く維持できたことから本発明を完成させた。
即ち、本発明は、次の(1)〜(3)で表す急結性混和剤及び(4)で表す吹付コンクリートである。(1)何れもガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、(A)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;0.5〜0.9質量%及びTiO2;1.0〜2.5質量%含有するクリンカ35〜85質量部と(B)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;1.0〜1.5質量%及びTiO2;0.1〜0.9質量%含有するクリンカ65〜15質量部からなるカルシウムアルミネートクリンカの粉末を有効成分とする吹付コンクリート用急結性混和剤。(2)さらに、アルカリ金属のアルミン酸塩を含有する前記(1)の吹付コンクリート用急結性混和剤。(3)さらに、石膏類及び/又はアルカリ金属炭酸塩を含有する前記(1)又は(2)の吹付コンクリート用急結性混和剤。(4)セメントと前記(1)〜(3)何れかの吹付コンクリート用急結性混和剤を含有する吹付コンクリート。
本発明による吹付コンクリート用急結性混和剤を使用すれば、瞬結化が抑制されて良好な施工作業性を有するも、高い吹付付着性能と強固で高耐久吹付物を短時間に形成できる吹付コンクリートを得ることができる。
本発明の吹付コンクリート用急結性混和剤(以下「本急結性混和剤」という。)の有効成分のカルシウムアルミネートクリンカ粉末のカルシウムアルミネートとは、CaOとAl23を主要化学成分として含む物質であり、ガラス化が進んだ構造の水和活性物質であり、通常はCaO源となる原料とAl23源となる原料を配合した原料配合物を溶融するまで焼成し、これを急冷させた焼成塊(クリンカ)として得られるものである。本急結性混和剤の有効成分であるカルシウムアルミネートクリンカ粉末は、少なくとも珪素、マグネシウム及びチタンを所定量含有するものである。これら以外の他の成分が加わることは、本発明の効果を実質喪失させない限り、許容される。また、前記カルシウムアルミネートは、水和活性が高く、良好な急結性付与作用を具備することから、化学成分としてのCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5であって、ガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートとする。含有モル比(CaO/Al23)が1.8未満では付着性が低下するため好ましくなく、2.5を超えると瞬結性が強まり、吹付対象面に到達する前に固結が起こるため好ましくない。また、ガラス化率90%未満では反応活性が低過ぎて吹付施工に適した急結性が得られないため好ましくない。
本急結性混和剤は、前記のCaOとAl23の含有モル比とガラス化率を有するカルシウムアルミネートのクリンカであって、珪素、マグネシウム及びチタンの酸化物換算の含有量が異なる2種のクリンカを特定の割合で混合したものの粉末を有効成分とする。即ち、何れもCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5でガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートのクリンカであって、(A)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;0.5〜0.9質量%及びTiO2;1.0〜2.5質量%含有するクリンカ35〜85質量部と(B)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;1.0〜1.5質量%及びTiO2;0.1〜0.9質量%含有するクリンカ65〜15質量部からなるカルシウムアルミネートの混合クリンカの粉末を有効成分とする。
カルシウムアルミネートの混合クリンカを構成する前者のクリンカ(A)は、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で前記量を含むことで、瞬結性が抑制されたものであって、硬化促進性と強度発現性に優れた鉱物相が生成されたものである。クリンカ鉱物相中の珪素、マグネシウム及びチタンの含有状態は特に限定されない。本発明ではカルシウムアルミネートのガラス化率が90%以上とすることから、珪素、マグネシウム及びチタンも安定した化合物としては実質生成されずに、固溶体やガラスネットワークを構成している可能性が高い。珪素、マグネシウム及びチタンの酸化物換算による含有量が前記範囲から外れたものでは、このような性状を具備するクリンカが得られないので好ましくない。
また、カルシウムアルミネートの混合クリンカを構成する後者のクリンカ(B)は、珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で前記量を含むことで、比較的短時間経過後に急速に凝結を進行させるため強い付着性を付与でき、リバウンドを抑制し、付着物の垂れ・変形も生じ難くさせる作用を付与ができる鉱物相が形成される。珪素、マグネシウム及びチタンの酸化物換算による含有量が前記範囲から外れたものでは、このような性状を具備するクリンカが得難くなるので好ましくない。
本急結性混和剤は、かかる各性状の起源となる鉱物相のクリンカ(A)とクリンカ(B)とを、質量部の比でA:B=35:65〜85:15の混合割合にしたカルシウムアルミネートクリンカ混合物の粉末を有効成分とする。クリンカ(A)の混合割合が85質量部を超えると付着力が低下し、リバウンドや付着後の付着物の垂れ変形の発生、初期強度発現性の低下等が起こることがあるため好ましくなく、クリンカ(A)の混合割合が35質量部未満になると、瞬結化が強まり、施工作業に制約を被る虞があるので好ましくない。また、クリンカ混合物は粉末化したものとするが、粒径や粉末度(比表面積)は特に制限されない。好ましくは、製造コストが高騰しない範囲で良好な反応活性を具備し易いことから、ブレーン比表面積で4500〜8000cm2/gのクンンカ混合物粉末からなるカルシウムアルミネートを有効成分にする。
また、本発明の急結性混和剤は、さらにアルカリ金属のアルミン酸塩を含有するものが好ましい。アルカリ金属のアルミン酸塩含有量は限定されるものではないが、好ましくは前記カルシウムアルミネートの含有量100質量部に対し、0.5〜20質量部を含有するものが好ましい。アルカリ金属のアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム及びアルミン酸リチウムの群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。アルカリ金属のアルミン酸塩を含有させることで、接水直後からモルタルやコンクリートの凝結を急速に促進することに貢献する。
また、本発明の急結性混和剤は、さらにアルカリ金属炭酸塩を含有するものが好ましい。アルカリ金属炭酸塩の含有量は特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネートの含有量100質量部に対し、アルカリ金属炭酸塩は3〜20質量部の含有が好ましい。使用するアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムの何れかを挙げることができ、2種以上を併用しても良い。アルカリ金属炭酸塩の含有により、凝結が促進され、硬化性も早まる。また、アルカリ金属炭酸塩に代えて類似の作用が得られる他の凝結促進剤を使用することもできる。
また、本発明の急結性混和剤は、前記カルシウムアルミネート、アルカリ金属アルミン酸塩及びアルカリ金属炭酸塩以外の成分も本発明の効果を喪失させるものでない限り、含有が許容される。
また、本急結性混和剤の粉末度は特に制限されないが、好ましくは適度な反応活性を備える上で、粉末度は3500〜9000cm2/gのブレーン比表面積とする。この粉末度から外れるものでも幾分弱くはなるが本発明による効果を奏することは可能である。ブレーン比表面積3500cm2/g未満では反応活性が低迷し、急結性や早期強度発現性が低下することがあり、またブレーン比表面積9000cm2/gを超えると付着性の低下やコスト高騰することがあって、適当ではない。
また、本発明の吹付コンクリートは、セメントと前記の吹付コンクリート用急結性混和材を含有するものである。その配合割合は、特に制限されるものではないが、好ましくはセメント100質量部に対して、吹付コンクリート用急結剤3.5〜16質量部とする。吹付コンクリート用急結性混和材3.5質量部未満では十分な急結性を付与できないことがあるため適当ではなく、また16質量部を超える配合量では急結性が強まり過ぎて、例えば吹付装置のノズル孔などが閉塞し易くなる虞があるので適当ではない。また、本発明の吹付コンクリートに使用するセメントは特に限定されず、水硬性のセメントなら何れのものでも使用できる。具体的には、例えば普通ポルトランドセメントを初めとする各種のポルトランドセメントが挙げられる。また、加える水量も特に制限されず、使用するセメントや吹付コンクリート用急結性混和材の配合量、施工環境等に応じて適宜定めれば良い。例えば、予備実研を行って適切な水量を定めることが推奨される。セメントと水以外の成分、例えば細骨材などの含有は、本発明の効果を阻害しない範囲で可能である。
また、本発明の吹付コンクリートの吹付施工方法は限定されない。一例を示すと、予めセメントと水、その他必要に応じて各種混和成分を配合混練することで、ベースコンクリートを作製し、このベースコンクリートを吹付装置などへ圧送管でポンプ圧送し、吹付装置で吹付コンクリート用急結性混和材を添加し、添加後は速やか吹付ノズルによって吹付コンクリートを対象壁面等に噴射することで吹付施工できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は記載した実施例に限定されるものではない。 尚、以下の実施例は、特記無い限り、20℃(±2℃)の温度環境で行った。
[カルシウムアルミネートクリンカの作製]
何れも市販粉末試薬の、CaCO3及びAl23を用い、CaO及びAl23の含有モル比(CaO/Al23)の値が表1に表すクリンカが得られるよう配合し、さらに、市販特急試薬のSiO2、MgCO3、TiO2を用い、酸化物換算の含有質量が表1に表すクリンカが得られるようヘンシェル型混合機を使用して原料調合物を作製した。この原料調合物を電気炉を用いて約1600℃(±50℃)で60分間焼成し、焼成時間経過後は直ちに炉外に取出した。取出した焼成塊(クリンカ)表面に冷却用の窒素ガスを流速約30ml/秒で吹付て急冷し、クリンカの冷却物を得た。尚、クリンカのガラス化率調整のため、一部のクリンカについては冷却用の窒素ガスの吹付は行わないかガス流速を落として吹付けた。次いで、このクリンカを全鋼製のボールミルで粉砕し、分級装置にかけてブレーン比表面積約5000cm2/gのカルシウムアルミネートのクリンカ粉末を得た。また、このカルシウムアルミネートのガラス化率を、粉末エックス線回折装置を用い、質量がM1のカルシウムアルミネートクリンカに含まれる各鉱物の質量を内部標準法等で定量し、定量できた含有鉱物相の総和質量;M2を算出し、残部が純ガラス相と見なし、次式でガラス化率を算出した。
ガラス化率(%)=(1−M2/M1)×100
Figure 2016124739
[急結性混和剤の作製]
前記作製のカルシウムアルミネートのクリンカ粉末から選定した2種を表2に表す配合で混合し、この際、さらに、アルミン酸ナトリウム(市販粉末試薬)および炭酸ナトリウム(市販粉末試薬)から選定される成分も表2の配合となるよう加えた。混合は、ヘンシェルミキサで約2分間行い、急結性混和剤を作製した。尚、一部の参考品については一種類のカルシウムアルミネートクリンカ粉末を使用して混和剤を作製した。
Figure 2016124739
[急結性の評価]
市販の普通ポルトランドセメント1000g及び水500gを底付円筒容器に入れ、ハンドミキサで1分間混合した後、屋内に30分静置した。この静置後、ハンドミキサで1分間再混合し、前記作製の急結性混和剤を70g添加し、さらに5秒間攪拌してセメントペーストを作製した。急結性混和剤添加30秒経過後、60秒経過後、180秒経過後および5分経過後のセメントペーストに対し、プロクター貫入抵抗値を測定することで急結性の評価を行った。プロクター貫入抵抗値の測定方法は、土木学会コンクリート標準指方書「吹付コンクリート用急結剤品質規格」付属書「貫入抵抗によるモルタルの瞬結時間測定方法」に準拠し、断面積0.125cm2のプロクター針を使用して行った。この測定結果を表3に表す。
Figure 2016124739
[吹付コンクリートの作製とその吹付性評価]
普通ポルトランドセメント8.85Kg、水14.79Kgおよび掛川市産山砂(F.M.=2.73)42.66Kgをコンクリートミキサに投入し、1分間混練してベースコンクリートを作製した。混練したベースコンクリートを、市販のコンクリート用吹付装置にポンプ圧送し、該吹付装置内で送流中のベースコンクリートに前記の急結性混和剤を連続的に添加した。前記吹付装置では急結性混和剤は添加時にベースコンクリートと実質的な混合がなされ、吹付コンクリートが形成される。急結性混和剤の添加使用量は、ベースコンクリート作製に使用した普通ポルトランドセメント100質量部に対し、概ね7質量部となるようにした。この吹付コンクリートを、前記コンクリート用吹付装置の噴射用ノズルから約100cm離れた地点に垂直に設置した3m四方のコンクリート製平滑壁面に向かって、前記コンクリート吹付装置の噴射用ノズルから160ml/分の流量で吹付けた。吹付性の評価として、何れも目視観察で、前記壁面からの吹付コンクリートの跳ね返り(リバウンド)を調べ、跳ね返りが見られなかったものをリバウンド「無」と判断し、跳ね返りが見られたものをリバウンド「有」と判断した。また、壁面に吹付けたコンクリートに垂れが見られたり剥落が起こったりすることなく、付着し続けたものを付着性が「良好」と判断し、それ以外の状態になったものは全て付着性が「不良」と判断した。また、このような吹付けを3分間連続して行った直後に、吹付装置のノズル孔に固結物による閉塞が部分的にでも見られたものを閉塞発生「有」と判断し、このような閉塞が見られなかったものを閉塞発生「無」と判断した。以上の結果を表4に表す。
Figure 2016124739
[長期強度発現性の評価]
前記でコンクリート製平滑壁面に吹き付けられた吹付コンクリートの吹付時から28日経過した時点の吹付物に対し、コアドリルを使用して直径5×長さ約10cm円筒形のコアを刳り抜いた。次いで、JIS A1107 「コンクリートからのコアの採取方法および圧縮強度試験方法」で規定する方法でこのコアの一軸圧縮強度を測定し、材齢28日の吹付コンクリートの一軸圧縮強度とした。この結果を表4に表す。
[初期強度発現性の評価]
普通ポルトランドセメント450g、水270gおよび掛川市産山砂(M.F.=2.73)1350gをモルタルミキサに一括投入し、1分間混練してベースモルタルを作製した。混練したベースモルタルに前記の急結性混和剤を31.5g添加し、更に10秒間混練し、混練物を作製した。混練物は作製後直ちに、内寸40×40×160mmの成形用型枠に充填し、これを屋内で所定時間静置し、静置後に脱型して材齢1日の供試体を得た。この供試体の一軸圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機で測定した。この結果も表4に表す。
表3の結果から、本発明の吹付コンクリート用急結性混和剤は、何れも、混和剤添加から少なくとも30秒経過時まではプロクター貫入抵抗値が十分低く、概ね60秒経過時から急速に増大することから、急結性は具備するものの、瞬結化は抑制されたものであることがわかる。また、表4の結果から、本発明の吹付コンクリート用急結性混和剤した吹付コンクリートは、強力な付着性を有し、リバウンド等の吹付ロスも殆ど起こらない。また、表4から、本発明の吹付コンクリート用急結性混和剤したモルタル供試体は長期の強度発現性も低下してないことから物理的な耐久性にも優れることがわかる。これに対し、単一のカルシウムアルミネートクリンカを有効成分とする急結性混和剤は、瞬結化を抑制した組成のものでは、これを使用した吹付後のコンクリートに垂れが一部見られ、高い付着性は得られなかった。

Claims (4)

  1. 何れもガラス化率90%以上でCaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が1.8〜2.5のカルシウムアルミネートのクリンカであって、(A)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;0.5〜0.9質量%及びTiO2;1.0〜2.5質量%含有するクリンカ35〜85質量部と(B)珪素、マグネシウム及びチタンを酸化物換算で、SiO2;3.0〜8.0質量%、MgO;1.0〜1.5質量%及びTiO2;0.1〜0.9質量%含有するクリンカ65〜15質量部からなるカルシウムアルミネートクリンカの粉末を有効成分とする吹付コンクリート用急結性混和剤。
  2. さらに、アルカリ金属のアルミン酸塩を含有する請求項1記載の吹付コンクリート用急結性混和剤。
  3. さらに、アルカリ金属炭酸塩を含有する請求項1又は2記載の吹付コンクリート用急結性混和剤。
  4. セメントと請求項1〜3何れか記載の吹付コンクリート用急結性混和剤を含有する吹付コンクリート。
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