JP5964153B2 - 液状急結剤、吹付け材料、及びそれを用いた吹付け工法 - Google Patents
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Description
本発明はセメントコンクリート側に減水剤類を使用してもよい。減水剤類としては、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等が挙げられる。減水剤類としては、アルキルアリルスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系、ポリカルボン酸系、及びポリエチレングリコール系等が挙げられる。減水剤類は、液状のものや粉状のもの何れも使用できる。これらの中では、高性能減水剤が好ましい。
硫酸アルミニウム100部と表1に示す量のビスフェノールを添加し、硫酸アルミニウムを水で表1に示す濃度に調製して撹拌混合し、液状急結剤を調製した。液状急結剤の粘度を測定した。又、セメント/砂比を1/3とし、水/セメント比を50%とし、セメント100部に対して固形分換算で減水剤1部を使用した配合でモルタルを練混ぜた。練混ぜたモルタル中のセメント100部に対して、固形分換算で液状急結剤10部を混合して型枠内に詰め込み、試験環境温度は20℃で、プロクター貫入抵抗値を測定した。
硫酸アルミニウム:粉末硫酸アルミニウム14水塩、市販品
ビスフェノールS-c:平均分子量20,000、市販品
ビスフェノールA:平均分子量25,000、市販品
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン比表面積3,200cm2/g、比重3.16
細骨材:砂、新潟県姫川産川砂、比重2.62
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品
水:水道水
粘度: 水に硫酸アルミニウムとビスフェノールを撹拌混合した懸濁液の粘度をB型粘度計で測定した。
プロクター貫入抵抗値:JSCE D−102−1999に準じて始発時間を測定した。
セメント500gに、セメント100部に対して表2に示す量のPAOを予め混合し、更に水350gを加えて混合したセメントミルクと、硫酸アルミニウム100部と表2に示す量のビスフェノールを予め混合した液状急結剤とを使用した。液状急結剤中の硫酸アルミニウムの固形分濃度は35%とした。セメントミルクにこの液状急結剤を添加して素早く混合し、セメントミルクの流動性を失った時間(ゲル化時間)を測定した。液状急結剤の使用量はセメント100部に対して、固形分換算で10部とした。結果を表2に併記した。
PAOイ:ポリエチレンオキサイド、平均分子量200万、市販品
PAOロ:ポリエチレンオキサイド、平均分子量100万、市販品
ゲル化時間:セメントミルクと液状急結剤を混合してから、セメントミルクが流動性を失うまでの時間、即ちセメントミルクがゲル化して容器を傾けても流れなくなるまでの時間を示した。
各材料の単位量を、セメント450kg/m3、水203kg/m3、細骨材1,114kg/m3、粗骨材611kg/m3、減水剤4.5kg/m3(固形分換算)としたセメントコンクリートを調製し、圧送速度10m3/h、圧送圧力4MPaの条件下でコンクリートポンプ「MKW−25SMT」(シンテック社製)で圧送した。又、コンクリート中のセメント100部に対して、表3に示す量のPAOイをコンクリートに予め混合してセメントコンクリートとし、硫酸アルミニウム100部と表3に示す量のビスフェノールS-cを予め混合して液状急結剤とした。液状急結剤中の硫酸アルミニウムの固形分濃度は35%とした。
吹付けノズルの手前に設けた混合管に、コンクリート中のセメント100部に対して、液状急結剤を固形分換算で10部となるようにスクイズポンプで圧送し、セメントコンクリートに添加する先端の位置で、圧縮空気により液状急結剤を吹込み、急結性セメントコンクリートとし、模擬トンネルに吹付けた。液状急結剤を圧送してセメントコンクリートに添加混合する圧縮空気量は、6m3/minであり、液状急結剤を圧送してセメントコンクリートに添加混合する空気圧送圧力は0.5MPaであった。急結性セメントコンクリートについて、リバウンド率、圧送性、及び圧縮強度の評価を行った。結果を表3に併記した。
粗骨材:新潟県姫川産川砂利、比重2.67、最大骨材寸法15mm
リバウンド率:急結性セメントコンクリートを15m3/hの圧送速度で5分間、高さ4.5m、幅5.5mの模擬トンネルに吹付けた。吹付け終了後、付着せずに落下した急結性コンクリートの量を測り、(リバウンド率)=(吹付けの際に付着せずに落下した急結性セメントコンクリート)/(吹付けに使用した全体の急結性セメントコンクリート)×100 (%)の式より算出した。
圧送性:急結性セメントコンクリートを吹付ける際の圧送管内の圧力(圧送圧)を測定した。
圧縮強度:材齢3時間の圧縮強度は、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト型枠表面から急結性セメントコンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引抜き強度)×4/(剪断面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性セメントコンクリートを吹付け、コアリングして採取した直径5cm×長さ10cmの供試体の強度を耐圧試験器で測定した。
セメント100部に対してPAOイ0.01部を使用し、硫酸アルミニウム100部に対して固形分換算で表4に示す量のビスフェノールSを用いたこと以外は実験例3と同様に行った。結果を表4に併記した。ビスフェノールSは予め液状急結剤に混合して使用した。
ビスフェノールS-a:平均分子量5,000、市販品
ビスフェノールS-b:平均分子量10,000、市販品
ビスフェノールS-d:平均分子量30,000、市販品
セメント100部に対してPAOイ0.01部を用い、硫酸アルミニウム100部に対してビスフェノールS-c 0.3部を用い、セメント100部に対して固形分換算で表4に示す量の液状急結剤を用いたこと以外は実験例3と同様に行った。結果を表5に併記した。
Claims (12)
- セメントを含有してなるセメントコンクリートと、硫酸アルミニウム100部とビスフェノールS0.05〜0.5部を含有してなる液状急結剤をセメント100部に対して固形分換算で5〜15部とを含有してなる吹付け材料。
- 更に、セメント100部に対して、固形分換算で0.05〜5部のポリカルボン酸系減水剤を含有してなる請求項1記載の吹付け材料。
- ビスフェノールSの平均分子量が5,000〜30,000である請求項1又は2記載の吹付け材料。
- 液状急結剤中の硫酸アルミニウムの固形分濃度が30〜40%である請求項1〜3のうちの1項記載の吹付け材料。
- セメントの使用量が330〜500kg/m 3 であり、水セメント比が40〜65%である請求項1〜4のうちの1項記載の吹付け材料。
- セメントコンクリートがポリアルキレンオキサイドを含有してなる請求項1〜5のうちの1項記載の吹付け材料。
- ポリアルキレンオキサイドの平均分子量が100万〜500万である請求項6記載の吹付け材料。
- ポリアルキレンオキサイドの使用量が、セメント100部に対して、0.001〜0.1部である請求項6又は7記載の吹付け材料。
- 請求項1〜5のうちの1項記載の吹付け材料を用いる吹付け工法であり、かつ、セメントコンクリートと、液状急結剤とを混合してなる吹付け工法。
- 請求項6〜8のうちの1項記載の吹付け材料を用いる吹付け工法であり、かつ、セメントとポリアルキレンオキサイドを含有してなるセメントコンクリートと、液状急結剤とを混合してなる吹付け工法。
- セメントコンクリートの圧送速度が4〜20m 3 /hであり、セメントコンクリートのポンプ圧送圧力が2〜6MPaであり、圧縮空気量が4〜10m 3 /minである請求項9又は10記載の吹付け工法。
- セメントコンクリートと液状急結剤を吹付け直前で混合して吹付ける請求項9〜11のうちの1項記載の吹付け工法。
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