JP6300368B2 - 吹付材用急結材 - Google Patents

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本発明は、モルタル又はコンクリート等からなる吹付材に関する。
トンネル、地下空間、急斜面等の掘削・造成工事に関し、補強のためモルタルやコンクリートを地山や壁面に吹付けることが行われている。この場合、吹付けに用いるモルタルやコンクリートには例えばアルミン酸ナトリウムや非晶質カルシウムアルミネート等の急結剤が加えられ、注水後のセメントの凝結を瞬時に行い、吹付物の付着・固定化を行っている。ところで、吹付けた吹付材はそのまま放置して硬化させる場合もあるが、目的によっては吹付けた吹付材の表層を均し整えて仕上げることがある。この場合、吹付後の吹付材は仕上げの施工に適した状態を一定時間保つ必要がある。急結剤を含む吹付材に施工可能な状態を確保させる一般的な方法は、凝結遅延剤の使用である。(例えば、特許文献1、2参照。)しかし、凝結遅延剤の使用は、凝結が確実に遅れるため、吹付けても跳ね返り、吹付けた吹付材も垂れ落ち、剥落し、或いは自重変形したまま硬化するという問題が存する。この傾向は、吹付物の厚さを厚くしようとして吹付けるほど顕在化し易い。また、特に有機酸系の凝結遅延剤では低温になるほど遅延作用が大きくなるため、低温環境では付着性が著しく低下する。また、吹付け直後からの急速な強度増大を防ぐため、例えば塩化カルシウムや珪酸ナトリウム等の急結力の高くない急結剤を用いると、注水直後に吹付けると、付着できないことがある。このため、注水から吹付けるまでの時間管理が難しく、生産規模での吹付材に適用するには実用的でない。また、吹付用モルタル・コンクリートの水セメント比を増大させたり、カルシウムアルミネートやアルミン酸ナトリウムの配合割合を低めに抑えるような可使時間確保策も、急結性や初期強度が不足し、付着性が低下する。(例えば、特許文献3参照。)
このように、急結剤を使用したモルタルやコンクリート系の吹付材では、付着性と吹付後の吹付物の仕上施工適用性を両立させることは非常に難しく、特に、瞬結化は防ぎ、一方で吹付直後の良好な急結性は具備しつつ、急激な強度増大を注水からおよそ30秒経過時点以降に一時的に抑制して、吹付後も仕上調整等の施工可能な状態を一定時間維持し、しかもこの施工可能状態以降は速やかに強固に硬化する吹付材を得るのは不可能と言わざるを得なかった。
特開平10−78886号公報 特開2006−151760号公報 特開2004−123535号公報
上記実情を鑑み、本発明は、モルタル・コンクリート系の吹付材の瞬結を防ぎつつも、十分な吹付け付着性を具備でき、しかも吹付直後の吹付材に対して仕上げ調整等の施工に適する程度に急速な強度増加を注水からおよそ30秒経過以降は抑制し、該施工後は強固に固着した硬化状態が得られるまで強度を高めることが可能な吹付材用の急結材を提供することと、跳ね返り、垂れ落ち、剥落等が起こり難く良好な付着性を温度に殆ど影響されずに具備し、かつ吹付後に仕上げ調整等の施工を行うことが可能で、該施工後は強固な硬化体になる吹付材を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題解決のため検討した結果、特定のカルシウムアルミネートと特定の化学成分を含有するクリンカの粉末、アルカリ金属アルミン酸塩、アルカリ金属炭酸塩及び石膏類を特定量含有するものを吹付材用急結材として、モルタルやコンクリートに混和して吹付材とすることで、前記課題を総じて解決できたことから、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、次の(1)で表す吹付材用急結材、及び(2)〜(3)で表す吹付材である。(1)(A)CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が2〜2.4のガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートを有効成分とし、化学成分としてFe23を1〜2.5質量%含有し、かつ化学成分としてのCaOとAl23とFe23の合計含有量が95質量%以上であるクリンカの粉末100質量部、(B)アルカリ金属アルミン酸塩11〜16質量部、(C)アルカリ金属炭酸塩9〜18質量部及び(D)石膏類45〜80質量部を含有する吹付材用急結材。(2)セメントと前記(1)の吹付材用急結材を含有する吹付材。(3)さらに、減水剤類を含有する前記(2)の吹付材。
本発明によれば、地山や掘削面、法面等に対する優れた付着性を温度の影響を殆ど受けることなく具備し、吹付後も吹付物に仕上げ調整等の施工可能であり、該施工後は迅速に強固な硬化物を形成するモルタルやコンクリート系の吹付材を得ることができる。
本発明の吹付材用急結材に含有されるクリンカの粉末(A)は、好ましくは加熱処理等により化学成分としてCaOとAl23とFe23の含有物が得られるような原料を加熱し、より好ましくは加熱後急冷し、得られたクリンカを粉末化することで得られる。加熱により化学成分としてFe23が得られる原料(以下、Fe23源原料という。)としては、例えば、Fe23そのものの他、Fe23の水和物、鉄の炭酸塩、鉄の水酸化物、鉄の硝酸塩等が挙げられる。加熱により化学成分としてCaO(以下、CaO源原料という。)が得られる原料としては、例えば、CaOの他、カルシウムの炭酸塩、カルシウムの水酸化物、カルシウムのモノカルボン酸塩等が挙げられる。加熱によりAl23が得られる原料(以下、Al23源原料という。)としては、例えば、例えば、Al23そのものの他、アルミニウムの炭酸塩や水酸化物等の他、ボーキサイト、ベーマイト等の鉱物類も挙げられる。同様に、Fe23源、CaO源及びAl23源の何れか2種以上を含む鉱物類を原料に使用しても良い。また使用原料中の不純物の含有は、本発明の効果を喪失させない限り許容されるが、原料を加熱して得たクリンカの化学成分としてのCaOとAl23とFe23の合計含有量がクリンカ量の95質量%以上を占める必要がある。95質量%未満では急結性が低下し、良好な付着性を具備した吹付材を得るのが困難になるので好ましくない。
前記の原料の加熱は、CaO源となる原料とAl23源となる原料の所定の配合比の混合物が、少なくとも溶融する温度で行えば良く、Fe23源となる原料については考慮せずに加熱温度を設定して良い。具体的には、例えば1500〜1700℃が目安となるが、使用原料や加熱温度での保持時間も考慮し、詳細は予備実験等で決定するのがより好ましい。加熱時の雰囲気は過度の酸素離脱を抑制できるため還元性雰囲気以外であるのが望ましい。
また、前記クリンカの粉末(A)は、CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が2〜2.4のガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートを有効成分とする。このようなガラス化率と含有モル比のカルシウムアルミネートを有効成分とすることで、良好な急結性を吹付材に付与できる。カルシウムアルミネートのガラス化率が90%未満では急結性が不足して吹付時の付着性が低下し易いので好ましくない。また、CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が2未満のカルシウムアルミネートでは、急結性が不足して付着性が低下する虞があるため好ましくなく、構成モル比(CaO/Al23)が2.4を超えるカルシウムアルミネートでは、瞬結性が強く現れて吹付材が対象物に付着する前に固結してしまう虞があるため好ましくない。
また、前記クリンカ中には、化学成分としてのFe23を1〜2.5質量%含む。好ましくは化学成分としてのFe23を1.2〜1.6質量%含む。化学成分としてのFe23を1〜2.5質量%含むことで、瞬結化を防ぎ、また特に注水からおよそ30秒経過以降の凝結の急進に伴う強度の急激な増大を十分抑制できる。この結果、通常の急結剤を使用した吹付材で見られるような急速な硬化による吹付直後の吹付材に対する仕上調整等の施工不適がなく、暫くの間は吹付けられた吹付材に仕上調整等の施工を行うことが可能になる。化学成分としてのFe23の含有量が1質量%未満では、瞬結性が強くなり過ぎて、吹付装置の通材路に目詰まりが生じたり、吹付面の到達前に殆ど終結して付着性に欠くので好ましくない。また、2.5質量%を超えると急結性が低下し、吹付物の垂落ちや剥落が起こり易くなり好ましくない。化学成分としてのFe23は全てクリンカ中に存在するものでなければならず、クリンカ内での存在形態は特に限定されない。一方、クリンカ中に含まれず、例えばFe23の市販試薬を非晶質カルシウムアルミネートのクリンカ粉末に混合したものでは、化学成分としてのFe23がクリンカ中に含まれる場合に発現される作用・効果と比べ、相当劣るため適当でない。
また、前記クリンカの粉末の粉末度は限定されない。適度の急硬性や強度発現性を得る上では、好ましくはブレーン比表面積で4500cm2/g〜8000cm2/gにする。より好ましくは、ブレーン比表面積で4500〜6500cm2/gにする。ただし、クリンカ単独で粉末度を調整する代わりに、クリンカ粉末を含む吹付材用急結材の粒度調整を行うこともできる。この場合は、ブレーン比表面積で4000〜5500cm2/gとするのが本発明の効果を奏するに最適な反応活性が得られ易くなるので望ましい。
また、本発明の吹付材用急結材はアルカリ金属アルミン酸塩(B)を含有する。アルカリ金属アルミン酸塩の含有で、注水直後のモルタルやコンクリートの凝結が促進され、吹付材の付着性が増進する。アルカリ金属アルミン酸塩としては、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム又はアルミン酸カリウムの何れかを使用でき、2種以上を併用しても良い。好ましくは、アルミン酸ナトリウムを使用する。アルカリ金属アルミン酸塩の吹付材用急結材中の含有量は、クリンカの粉末(A)の含有量100質量部に対し、11〜16質量部が好ましい。11質量部未満では付着性が低下するため好ましくなく、また16質量部を超えると中長期強度の発現性が低下するので好ましくない。
また、本発明の吹付材用急結材はアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属重炭酸塩(C)を含有する。アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属重炭酸塩の含有により、強度発現を幇助・促進する。とりわけ、吹付後の仕上げ施工以降の強度増進に寄与し、剥落や変形の起こり難い吹付物の形成が容易になる。炭酸塩又は重炭酸塩を形成するアルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム又はカリウムの何れかを使用でき、2種以上を併用しても良い。この中では補助促進作用が特に良好なため炭酸ナトリウムが好ましい。アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属重炭酸塩の吹付材用急結材中の含有量は、クリンカの粉末(A)の含有量100質量部に対し、9〜18質量部が好ましい。9質量部未満では含有効果が殆ど得られず好ましくない。また、18質量部を超えると急凝性が低下するので好ましくない。アルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属重炭酸塩の併用は妨げるものではないが、併用により本発明の効果が特に増すものではない。
また、本発明の吹付材用急結材は石膏類(D)を含有する。石膏類の含有により、吹付材の中長期強度が増進し、強固で安定した地山補強、法面補強、地下空間構造の補強等が達成され易くなる。石膏類としては無水、半水、二水の各石膏の他、硫酸カルシウム等が使用でき、2種以上を併用しても良い。好ましくは、より安定した強度発現効果が得られるので無水石膏の使用が良い。石膏類の吹付材用急結材中の含有量は、クリンカの粉末(A)の含有量100質量部に対し、45〜80質量部が好ましい。45質量部未満では長期強度の伸びが乏しくなるので好ましくなく、また80質量部を超えると急凝性が低下するので好ましくない。
また、本発明の吹付材用急結材は、前記(A)〜(D)以外の成分も、本発明の効果を喪失させるものでない限り、含有しても良い。
また、本発明の吹付材は、セメントと前記吹付材用急結材を含有する。より詳しくは、セメント100質量部に対し、前記吹付材用急結材5〜15質量部を含有したものであることが好ましい。また、注水量は水セメント比で、38〜62%とするのが、強度発現性や吹付施工性の点から望ましい。注水は、例えば、予めセメントに水を加えて水性スラリー化したものに吹付材用急結材を後添加するのが望ましい。
本発明の吹付材に用いるセメントは、水硬性のセメントなら特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低発熱等の各種ポルトランドセメント、またポルトランドセメントにフライアッシュ、スラグ粉、シリカフューム等を混和させた混合セメント等を挙げることができる。
本発明の吹付材には、モルタルやコンクリートに使用できる他の混和剤や砂等の細骨材を、本発明の効果を喪失させない限り、含有できる。このような混和剤として例えば、減水剤類の使用が望ましい。減水剤類の使用により強度や耐久性低下に繋がる水比を高めずとも注水直後の流動性が改善され、吹付装置を使用した吹付施工を円滑に行うことができる。減水剤類としては、減水剤の他、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、分散剤又は流動化剤と称されているものの何れでも良く、その有効成分は特に限定されない。減水剤類を配合するときの量は、セメント100質量部に対し、固形分換算で0.05〜5質量部が好ましい。
また、減水剤類以外の混和剤として、凝結の時間調整等の目的で凝結遅延剤を配合使用しても良い。凝結遅延剤としてはモルタルやコンクリートに使用できるものなら何れのものでも使用できる。好ましくは、強度発現性に影響が少ないもの、例えばクエン酸や酒石酸が使用できる。有機系凝結遅延剤の配合するときの量は、セメント100質量部に対し、固形分換算で0.01〜3質量部が好ましい。更に、前記凝結遅延剤と併用し、凝結時間の調整を効率良く行うため、初期凝結調整剤を用いても良い。初期凝結調整剤としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、消石灰、ミョウバン等を挙げることができ、その配合量は前記遅延剤の配合量にもよるが、セメント100質量部に対し、概ね0.05〜20質量部が好ましい。
本発明の吹付材の吹付施工方法は特に限定されない。セメント、前記吹付用混和剤と必要に応じて他の混和剤や細骨材を配合したものに注水混練して吹付機で吹き付けても良いし、急結成分を除くセメント等の水性スラリーからなるベースモルタルやベースコンクリートを予め作成し、これに吹付装置を用いて吹付直前に前記吹付用混和剤を添加し、吹付けても良い。また、壁面等に吹付けた吹付材の仕上調整等のための施工も特に方法は限定されない。例えば、鏝作業等で仕上げ調整を行うことができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は記載した実施例に限定されるものではない。
何れも市販粉末試薬のCaCO3、Al23及びFe23を原料に用い、少なくとも化学成分としてのCaO、Al23及びFe23が表1に表す含有量(質量%)となるクリンカが得られるように配合し、ヘンシェル型ミキサで約10分間乾式混合した。この原料混合物を電気炉を用い、大気中1600℃(±50℃)で60分間加熱し、加熱物は加熱時間経過後に直ちに炉外へ取り出し、冷却用の圧搾窒素ガス吹付けて急冷し、急冷クリンカを得た。
急冷クリンカをボールミルで粉砕し、分級装置を用い、ブレーン比表面積を5000cm2/gの粉末に調整した。この粉末を粉末エックス線回折装置を用い、質量がM1のカルシウムアルミネートに含まれる各鉱物の質量を内部標準法等で定量し、定量できた含有鉱物相の総和質量(M2)を算出し、残部を純ガラス相と見なし、次式によってガラス化率を算出した。ガラス化率(%)=(1−M2/M1)×100
また、化学分析法によって急冷クリンカ中の化学成分としてのFe23、CaO、Al23の含有量(質量%)を定量した。尚、粉末エックス線回折法では、鉄化合物及び金属鉄の明確な回折ピークは何れの急冷物粉末からも検出されず、このような状態で存在しないことを確認した。急冷クリンカの化学分析による定量結果は表1に纏めて表す。また、カルシウムアルミネートの前記ガラス化率も併せて表す。なお、表1には、比較のため鉄分を含まない一部の急冷物粉末に市販試薬の結晶質Fe23を添加混合したものも作製し、掲載した。
Figure 0006300368
表1の急冷物粉末、アルミン酸ナトリウム(市販試薬)、重炭酸ナトリウム又は炭酸ナトリウム(何れも市販試薬)、II型無水セッコウ(市販品)を表2に表す配合となるようヘンシェルミキサで混合し、吹付材用急結材を作製した。
Figure 0006300368
普通ポルトランドセメント(市販品)450g、JIS標準砂1350g及び水270gをホバートミキサに一括投入し、約3分間混練し、20℃の部屋に30分間静置した。静置時間経過後のモルタルスラリーを1分間再混練し、表2に表す吹付材用急結剤を27g添加して5秒間混練した。混練物は直ちに内径10cm、高さ10cmの底付円筒状容器に充填し、吹付材用急結剤の接水時(モルタルスラリーへの吹付材用急結剤添加時)から30秒、60秒、180秒、5分、10分及び30分経過時点の充填モルタルのプロクター貫入抵抗値を測定した。プロクター貫入抵抗値の測定方法は、土木学会コンクリート標準示方書「吹付けコンクリート用急結剤品質規格」に準拠し、断面積0.125cm2のプロクター針を使用して行った。該貫入抵抗値が概ね28N/mm2となった時点で凝結時間の終結と見なし、接水から30分以内に終結したものを急結性が「良好」と評価し、接水から30分以内に終結できなかったものは「不良」と評価した。測定値と評価結果は表3に表す。
Figure 0006300368
また、普通ポルトランドセメント(市販品)400g及び水200gを内容積500ccの底付円筒容器に入れ、ハンドミキサで1分間混練し、温度10℃又は20℃の部屋に30分間静置させた。静置時間経過後約1分間再混合し、表2に表す吹付用急結剤48gを添加し、更に数秒間混練し、セメントペーストを作製した。作製後のセメントペーストは直ちに吹付機(市販の吹付用モルタルガン)に充填し、同じ温度下で150cm離れた場所に地面に垂直に設置した縦2m×横2m×厚さ10cmのコンクリート製平板面に概ね垂直角となるよう吹付けた。そのままこれを前記静置したのと同じ温度下で24時間放置した。放置後、吹付から1日経過時点で目視により吹付けた状況を観察した結果、吹付けられたセメントペーストが垂れ落ちたり、剥離・剥落せずに付着していたものを付着性が「良好」と判断し、これ以外の状況となったものは、殆ど付着できなかったものを含め、付着性が「不良」と判断した。この結果を表4に表す。
Figure 0006300368
また、普通ポルトランドセメント(市販品)400g、細骨材(比重2.62、粗粒率2.37)987g、粗骨材(比重2.64、最大粒径15mmの砕石)688g及び水200gをホバートミキサで約分間練り混ぜ、内容積500ccの底付円筒容器に入れ、ハンドミキサで1分間混練し、温度10℃又は20℃の部屋に30分間静置させた。静置時間経過後約1分間再混合し、表2に表す吹付用急結剤25gを添加して5秒間混練し、吹付用コンクリートを作製した。作製後直ちに床面から高さ1mの位置から吹付用コンクリートを自然落下させた。落下後の状態を肉眼で観察し、コンクリート中の粗骨材が飛び出して散らばらず、且つ落下した落下物が床面に殆ど広がらなかったものを、吹付用コンクリートのリバウンド防止が「良好」と判断し、これ以外の状況となったものは、リバウンド防止が「不良」と判断した。この結果は表5に表す。
Figure 0006300368
さらに、普通ポルトランドセメント(市販品)450g、JIS標準砂1350g及び水225gをホバートミキサに一括投入し、約分間混練し、20℃の屋内に30分間静置させた。静置時間経過後のモルタルスラリーを1分間再混練し、表2に表す吹付材用急結剤を40.5g添加して5秒間混練した。この混練物を直ちに内寸40×40×160mmの成形用型枠に充填し、このまま同じ温度の屋内に所定時間静置した。静置後は脱型し、材齢が1、7及び28日の成形物からなる供試体を得た。前記供試体の圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機を使用して測定した。その結果を表6に表す。
Figure 0006300368
以上の結果から、本発明の吹付材用急結材は、瞬結はしないが、十分な吹き付け付着性を具備し、吹付け後でも注水から概ね10分以内なら、凝結半ばの未硬化状態が維持されているので、仕上げ調整等の施工を吹付物に対して行うことが可能であり、それ以降の凝結進展及び強度発現性の増加とも良好であることがわかる。これに対し、本発明外の吹付材は、付着性が劣るか、或いは付着できても付着物が極短時間で終結を迎えており、仕上げ調整等の施工に適さない状態のものであることがわかる。

Claims (3)

  1. (A)CaOとAl23の含有モル比(CaO/Al23)が2〜2.4のガラス化率90%以上のカルシウムアルミネートを有効成分とし、化学成分としてFe23を1〜2.5質量%含有し、かつ化学成分としてのCaOとAl23とFe23の合計含有量が95質量%以上であるクリンカの粉末100質量部、(B)アルカリ金属アルミン酸塩11〜16質量部、(C)アルカリ金属炭酸塩9〜18質量部及び(D)石膏類45〜80質量部を含有する吹付材用急結材。
  2. セメントと請求項1記載の吹付材用急結材を含有する吹付材。
  3. さらに、減水剤類を含有する請求項2記載の吹付材。
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