JP7286256B2 - 吹付コンクリート - Google Patents
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Description
[1]下記ベースコンクリート(A)、下記急結材(B)を含み、急結材(B)の含有量がベースコンクリート(A)中のセメント100質量部に対して7~14質量部である吹付コンクリート。
ベースコンクリート(A):セメント100質量部、ブレーン比表面積3500~16000cm2/gの硫酸カルシウム7~16質量部(無水物換算)、骨材及び水を含むベースコンクリート。
急結材(B):急結材(B)全質量を基準として、化学成分としてのCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8~2.7のカルシウムアルミネートを68~87質量%、アルカリ土類金属硫酸塩を無水物換算で5~17質量%、アルカリ金属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩を含み、アルカリ金属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩が質量比(アルカリ金属硫酸塩の質量/アルカリ金属炭酸塩の質量、無水物換算)で1.2~8.5である急結材。
[2]急結材(B)が硫酸アルミニウムを更に含む、[1]の吹付コンクリート。
[3]ベースコンクリート(A)において、セメント100質量部に対し、骨材が280~600質量部、水が38~58質量部である、[1]又は[2]の吹付コンクリート。
本実施形態に係るベースコンクリートは、セメント、ブレーン比表面積3500~16000cm2/gの硫酸カルシウム、骨材及び水を含む。
本実施形態に係る急結剤は、化学成分としてのCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8~2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ金属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩を含む。
市販の工業用薬品のCaCO3とAl2O3を用い、CaO及びAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3、C/A比)の値が以下に表すカルシウムアルミネートが得られるように秤量配合し、ヘンシェル型混合機で原料調合物を作製した。この原料調合物を電気炉中で、約1600℃±50℃にて60分間加熱した。一部のものを除き、加熱時間経過後は加熱物を直ちに炉外に取り出した。取り出した加熱物の表面に冷却用の窒素ガスを最大流速約30mL/秒で吹付けて急冷し、冷却物を得た。冷却物のガラス化率については、窒素ガスの流速を最大値よりも落として吹付けることで調整した。各冷却物は、全鋼製のボールミルで粉砕し、分級装置にかけてブレーン比表面積約5400cm2/gに整粒した。カルシウムアルミネートのガラス化率は、粉末エックス線回折装置を用い、質量がM1のカルシウムアルミネートクリンカに含まれる各鉱物の質量を内部標準法等で定量し、定量できた含有鉱物相の総和質量;M2を算出し、残部が純ガラス相と見なし、次式でガラス化率を算出した。
ガラス化率(質量%)={1-(M2/M1)}×100
・急結材
カルシウムアルミネート:CaO/Al2O3が2.0~3.0、ガラス化率99%以上、ブレーン比表面積5400cm2/g
硫酸ナトリウム試薬(無水芒硝)
硫酸カルシウム試薬(無水石膏、ブレーン7600cm2/g)
硫酸アルミニウム試薬(16水和物)
炭酸ナトリウム試薬
・ベースコンクリート
セメント:普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積3200cm2/g、密度3.15g/cm3
硫酸カルシウム試薬(無水石膏、ブレーン10500cm2/g、市販品を粉砕・分級したもの)
細骨材:石灰石細骨材(表乾密度;2.65g/cm3、中心粒径;0.6mm)
粗骨材:砕石(表乾密度;2.74g/cm3、粒径5~15mm)
減水剤:ポリカルボン酸系減水剤
各材料を表1に示す割合として配合し、ヘンシェルミキサで1分間混合した。
セメント100質量部に対して細骨材265質量部、粗骨材182質量部、無水石膏12質量部、減水剤0.8質量部(固形分換算)を混合し、次いで水45質量部を加えてコンクリートミキサで2分間混合し、ベースコンクリートを作製した。
ベースコンクリートを混練後直ちに供給用タンクに入れ、そこから長さ約10m、内径6cmの樹脂製ホースを介して吹付装置へポンプ圧送した。吹付装置は、ベースコンクリートが圧送される内径2インチの圧送管と、その側面に約30度の傾斜角で連通するベースコンクリートに添加物(急結材)を供給添加するための円筒状側管と、吹付コンクリートを吹き付ける内径(先端孔径)2インチの噴射用ノズルとを基本構成とする市販品である。ここで、添加物供給用の側管は、圧送管本管と噴射用ノズルとの間に鋼製ト字状管(三方管)を介すことで形成させた。ト字状管の直線上に位置する二方の管口に圧送管本管と噴射用ノズルがそれぞれ接続され、残りの管口に、別送される急結性混和材の供給管が接続される構造とした。ト字状管内でのベースコンクリートへの急結材の添加位置(ベースコンクリートと急結材の合流地点)から噴射用ノズル孔端までの距離の間に、ベースコンクリートと急結材の混合がなされ、その距離(以下、混合距離と称す。)は1.5mとした。急結材は圧搾空気により所定量を空気圧送し、これを吹付装置内で圧送中のベースコンクリートに添加し、添加されたコンクリートは所定の混合距離を進む間に混合され、吹付コンクリートを作製した。
急結材の添加量はベースコンクリート中のセメント100質量部に対して9質量部添加した。
ベースコンクリートの配合において、それぞれ含有する粗骨材と細骨材の合計含有量に相当する量を全て細骨材の含有量にし、粗骨材を含まず、また他の成分とその含有量は変更せずに、モルタル配合に変更したベースモルタルをベースコンクリートと同様の手順で作製した。得られたベースモルタルに急結材を表1に示す割合で添加し、高速ミキサで5秒間混合し、モルタル混練物を作製した。
急結材添加から、30秒経過後、60秒経過後及び180秒経過後のモルタル混練物のプロクター貫入抵抗値を測定し、急結性を評価した。プロクター貫入抵抗の測定方法は、土木学会コンクリート標準示方書「吹付コンクリート用急結材品質規格」附属書「急結材を添加したモルタルの貫入抵抗による瞬結時間測定方法」に準拠し、断面積0.125cm2のプロクター針を使用した。この貫入抵抗値の測定結果を表2に示す。また、表中「>16(N/mm2)」の記載はプロクター針の打込みはできたが、今回の使用機材の測定限界(最大16N/mm2)を超えたものである。
実施例1~9及び比較例1~6については20℃、実施例10~12については10℃において測定を行った。
混合距離を1.5mにし、作製した吹付コンクリートを、作製後直ちに、内寸30×40×20cmの成形用型枠内に吹き付け、型枠内を満たすようにした。これを20℃(±1℃)恒温庫に入れ所定時間経過後、型枠内の硬化コンクリートからコアドリルによって直径5cm、高さ10cmの円柱状供試体を採取し、材齢28日にした供試体を得た。この材齢28日供試体の一軸圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機で測定した。また、土木学会規準JSCE-G561に規定するプルアウト試験用型枠と埋込具を使用し、同様に作製した吹付コンクリートを、JSCE-G561に準拠したプルアウト試験に供した。当該試験により材齢15分及び1日の吹付コンクリートの圧縮強度を測定した。各供試体の強度測定の結果を表2に示す。
実施例1~9及び比較例1~6については20℃、実施例10~12については10℃において測定を行った。
Claims (3)
- 下記ベースコンクリート(A)、下記急結材(B)を含み、
前記急結材(B)の含有量が前記ベースコンクリート(A)中のセメント100質量部に対して7~14質量部である吹付コンクリート。
ベースコンクリート(A):セメント100質量部、ブレーン比表面積3500~16000cm2/gの硫酸カルシウム7~16質量部(無水物換算)、骨材及び水を含むベースコンクリート。
急結材(B):急結材(B)全質量を基準として、化学成分としてのCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8~2.7のカルシウムアルミネートを68~87質量%、アルカリ土類金属硫酸塩を無水物換算で5~17質量%、アルカリ金属硫酸塩及びアルカリ金属炭酸塩を含み、前記アルカリ金属硫酸塩及び前記アルカリ金属炭酸塩が質量比(アルカリ金属硫酸塩の質量/アルカリ金属炭酸塩の質量、無水物換算)で1.2~8.5である急結材。 - 前記急結材(B)が硫酸アルミニウムを更に含む、請求項1に記載の吹付コンクリート。
- 前記ベースコンクリート(A)において、前記セメント100質量部に対し、前記骨材が280~600質量部、前記水が38~58質量部である、請求項1又は2に記載の吹付コンクリート。
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