JP2021091593A - 急結混和材及び吹付コンクリート - Google Patents

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誉久 羽根井
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Abstract

【課題】良好な急結性能と材料の混合性を確保し、強度発現性にも優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供すること。【解決手段】化学成分としてのCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が1.8〜2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含む急結混和材であり、カルシウムアルミネートの含有量が、急結混和材全質量を基準として60〜87質量%であり、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の質量比([アルカリ土類金属の硫酸塩の質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.5〜7であり、アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.05〜2である、急結混和材。【選択図】なし

Description

本発明は、急結混和材及び吹付コンクリートに関する。
トンネル、採掘抗、地下空間等において、掘削面の崩壊防止、採掘時又は掘削後の地山補強の観点から吹付コンクリートが施工されている。吹付コンクリートは急結性によって施工対象物への付着性を担保している。急結性付与のために急結成分をコンクリートに混和し、例えば、カルシウムアルミネートやアルミン酸ナトリウム等を有効成分とする粉体急結剤は、強力な急結性を付与でき、液体急結剤と比べると強度的にも高いコンクリートが得られやすい。吹付コンクリートの一般的な施工法である湿式吹付工法では、例えば、少なくともセメント、水及び骨材を秤量・混合してベースコンクリートを作製し、アジテーター車等を介した上で、施工時に吹付装置にポンプ圧送する。吹付装置内では別送の粉体又は液体の急結剤を圧送中のベースコンクリートに添加し、吹付装置の吹付ノズル内で混合を進めて吹付コンクリートを形成し、これをノズル端孔から吹付ける。また、もう一つの施工法である乾式吹付工法では、水及び液体以外の少なくともセメントと骨材と粉体急結剤を秤量・混合してドライミックスコンクリートを作製し、これをその貯留槽等から施工時に吹付装置まで空気圧送する。吹付装置内では圧送中のドライミックスコンクリートに水を添加し、吹付ノズルに圧送されるまでに混合を進めて吹付コンクリートを形成し、同様に吹き付ける。何れの工法でも、吹付装置内の急結成分が水と接する地点(接水地点)から吹付ノズル端の吐出孔までを移動する間に、混合がなされて吹付コンクリートが形成される。混合に使われる距離は通常は数十cm〜数mの距離であり、その移動時間が混合時間になる。一般に、この距離が長いほど混合が進み、混合性が高まり、組織的にも性状的にもより均一なコンクリートを得易くなる。
このような吹付コンクリートを得るために、混和される粉体状の急結材は、一般には、前述した急結成分に、諸性状を調整する助剤が加えられたものである。例えば、化学成分としてのCaO含有量を多くしたカルシウムアルミネートに、硬化促進のセッコウを配合し、これらに初期強度発現性を高めるアルミン酸ナトリウムや凝結促進の炭酸ナトリウム等加えた高アルカリ化の従来の代表的な粉体急結材(例えば、特許文献1〜3参照。)では、高い急結性と初期強度発現性の付与作用の具備を一義的な目的としている。このため、急結材が水と接した後、極短時間で凝結が起こる。
特開2012−121763号公報 特開2003−012356号公報 特許第5129955号公報
しかしながら、従来の粉体急結剤はごく短時間で凝結が起こることから、混合距離を長くするとその間にコンクリートが固結しやすくなり、詰まりや閉塞等の甚大な吹付障害を起こすことがあった。一方、混合距離を短くすると、混合不足のおそれがあり、不均一な混合状態であると構成成分の反応にも微細なムラが生じ易く、その結果、均一性状や品質的に安定したコンクリート硬化体が得られ難く、強度等の硬化性状も劣るものとなる。そのため、粉体急結剤には急結性能が高いだけではなく、ノズルの詰りが起こりにくい等の混合性の改善も求められている。
したがって、本発明は、良好な急結性能と材料の混合性を確保し、強度発現性にも優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、カルシウムアルミネートの化学成分の割合、カルシウムアルミネートの含有量、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の比率、アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの比率を調整することで、良好な急結性能と材料の混合性を確保し、強度発現性にも優れる急結混和材及び吹付コンクリートが得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[5]で示される。
[1]化学成分としてのCaOとAlの含有モル比(CaO/Al)が1.8〜2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含む急結混和材であり、カルシウムアルミネートの含有量が、急結混和材全質量を基準として62〜87質量%であり、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の質量比([アルカリ土類金属の硫酸塩の質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.5〜7であり、アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.05〜2である、急結混和材。
[2]アルカリ金属の炭酸塩を更に含む、[1]の急結混和材。
[3]アルカリ金属の硫酸塩が硫酸ナトリウムである、[1]又は[2]の急結混和材。
[4]アルカリ土類金属の硫酸塩が硫酸カルシウムである、[1]〜[3]のいずれかの急結混和材。
[5]セメント、骨材、水及び[1]〜[4]のいずれかの急結混和材を含み、急結混和材の含有量が、セメント100質量部に対して5〜15質量部である、吹付コンクリート。
本発明によれば、良好な急結性能と材料の混合性を確保し、強度発現性にも優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の急結混和材は、化学成分としてのCaOとAlの含有モル比(CaO/Al)が1.8〜2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含む。
カルシウムアルミネートは、CaOとAlを主要化学成分とする無機水和活性物質であり、CaOとAlの含有モル比(CaO/Al)が1.8〜2.7である。CaOとAlの含有モル比が上記範囲外であると、急結性と施工性の両立が困難となる。CaOとAlの含有モル比は、より優れた急結性が得られやすいという観点から、1.9〜2.65であることが好ましく、2.0〜2.6であることがより好ましい。カルシウムアルミネートには、原料由来のCaOとAl以外の不純物等の異成分も、その存在形態に拘わらず、本発明の効果を阻害させない範囲で含んでもよい。
カルシウムアルミネートは結晶質、非晶質、又はその混合物のいずれも用いることができる。カルシウムアルミネートは、より優れた急結性が得られやすいという観点から、非晶質化の度合いであるガラス化率が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。カルシウムアルミネートの粉末度は特に制限されないが、コンクリートへの急結混和材に使用したときに適度な反応活性が得られやすいことから、混和対象となる水硬性組成物中のセメントと同程度かそれ以上の粉末度であることが好ましく、例えば、ブレーン比表面積3000〜6500cm/gの粉末度が挙げられる。
カルシウムアルミネートの含有率は、急結混和材全質量を基準として、60〜87質量%である。カルシウムアルミネートの含有率が上記範囲外であると、急結性と混合性の両立が困難になり、強度発現性も優れない。カルシウムアルミネートの含有率は、急結性、混合性、強度発現性に優れやすいという観点から、急結混和材全質量を基準として62〜85質量%であることが好ましく、63〜84質量%であることがより好ましく、65〜83質量%であることが更に好ましい。
カルシウムアルミネートは、例えば、CaO源となる原料及びAl源となる原料を、目的とする化学成分としてのCaOとAlの含有モル比が得られるように配合した原料混合物を、溶融するまで加熱することで得られる。また、製造時の加熱後の冷却過程の違いにより、冷却後のカルシウムアルミネートの構造状態に様々な差異が生じるため、冷却速度等の冷却条件に応じて、非晶質化の度合であるガラス化率を調整できる。
アルカリ金属の硫酸塩は、特に限定されるものではなくいずれのものも使用することができ、反応性に優れることから無水物であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、中でもナトリウムが好ましい。アルカリ金属の硫酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。アルカリ金属の硫酸塩の含有量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、無水物換算で4〜16質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましく、6〜14質量部であることが更に好ましい。アルカリ金属の硫酸塩の含有量が上記範囲内であれば、急結性及び強度発現性に優れやすい。
アルカリ土類金属の硫酸塩は、特に限定されるものではなくいずれのものも使用することができ、反応性に優れることから無水物であることが好ましい。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられ、中でもカルシウムが好ましい。アルカリ土類金属の硫酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。アルカリ土類金属の硫酸塩の粒径や粒度も特に制限されるものではなく、例えば、ブレーン比表面積が4000〜6500cm/g程度のものが挙げられる。アルカリ土類金属の硫酸塩の含有量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、無水物換算で5〜45質量部であることが好ましく、7〜40質量部であることがより好ましく、8〜38質量部であることが更に好ましく、10〜35質量部であることが特に好ましい。アルカリ土類金属の硫酸塩の含有量が上記範囲内であれば、強度発現性に優れやすい。
本実施形態に係る急結混和材において、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の質量比([アルカリ土類金属の硫酸塩の質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])は、無水物換算で0.5〜7である。アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の質量比が上記範囲外であると、急結性が低下し、混合性も優れず、強度発現性も得られにくい。アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩の質量比は、急結性、混合性、長期の強度発現性が得られやすいという観点から、無水物換算で0.8〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
硫酸アルミニウムはいずれの形態でもよく、例えば、16水和物、無水物等が挙げられ、中でも16水和物が好ましい。硫酸アルミニウムの含有量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、無水物換算で0.5〜15質量部であることが好ましく、0.7〜13質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましい。硫酸アルミニウムの含有量が上記範囲内であれば、低温環境下で急結性を高めた場合であっても強度発現性を確保しやすい。
本実施形態に係る急結混和材において、アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])は、無水物換算で0.05〜2である。アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比が上記範囲外であると、急結性が低下し、混合性も優れず、強度発現性も得られにくい。アルカリ金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比は、急結性、混合性、長期の強度発現性が得られやすいという観点から、無水物換算で0.1〜1.8であることが好ましく、0.2〜1.5であることがより好ましい。
本実施形態の急結混和材はアルカリ金属の炭酸塩を含んでもよい。アルカリ金属の炭酸塩は特に限定されるものではなくいずれのものも使用することができ、反応性に優れることから無水物であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、中でもナトリウムが好ましい。アルカリ金属の炭酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。アルカリ金属の炭酸塩の粒度は特に限定されず、例えば、ブレーン比表面積で概ね3000〜6500cm/gで最大粒径1mm以下の粉体の粉体を用いることができる。アルカリ金属の炭酸塩の含有量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、無水物換算で1〜10質量部であることが好ましく、1.5〜9質量部であることがより好ましく、2〜8質量部であることが更に好ましい。アルカリ金属の炭酸塩の含有量が上記範囲内であれば、初期の強度発現性が更に向上する。
本実施形態に係る急結混和材は、上記の各成分を混合して製造される。混合方法は特に制限されるものではなく、例えば、傾動ミキサ、パン型ミキサ、2軸ミキサ、グラウトミキサ、ホバートミキサ、オムニミキサ等の汎用的なミキサを用いることができる。
本実施形態の急結混和材は、セメント、骨材及び水と混合することで吹付コンクリートとして調製することができる。急結混和材の含有量は、セメント100質量部に対して5〜15質量部であることが好ましく、5.5〜12質量部であることがより好ましく、6〜10質量部であることが更に好ましい。急結混和材の含有量が上記範囲内であれば、急結性及び混合性を両立しやすい。
セメントは、ポルトランドセメントが好ましく、ポルトランドセメントは何れの種類のものでもよく、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩の各種ポルトランドセメントが挙げられる。セメントとしては、ポルトランドセメントを含む例えば高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメントも使用できる。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。ポルトランドセメントを使用する場合の粒度は特に限定されず、例えば、JIS規格(JIS R 5210:2019)の2500cm/g以上のものが挙げられる。
骨材は、細骨材及び粗骨材が挙げられる。細骨材は、モルタルやコンクリートに使用できる細骨材なら特に限定されない。粗骨材はコンクリートに使用できる粗骨材なら特に限定されない。細骨材及び粗骨材とも、所定の骨材強度が確保し易く、他の含有成分との比重差が少ないため材料分離が生じ難いことから、表乾密度が2.3〜2.9g/cmの骨材を使用することが好ましい。このような骨材の具体例としては、細骨材は、珪砂や石灰石砂等の天然骨材、安山岩、砂岩、玄武岩等の砕砂等が挙げられ、粗骨材は、珪石、石灰石、安山岩、砂岩、玄武岩等の砕石や砂利が挙げられる。骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
吹付コンクリート中の骨材の含有量は特に限定されるものではないが、施工時におけるコンクリートの圧送性に優れやすいという観点から、セメント含有量100質量部に対し、細骨材及び粗骨材の合計が300〜570質量部であることが好ましく、380〜550質量部であることがより好ましく、420〜520質量部であることが更に好ましい。細骨材及び粗骨材を併用する場合、細骨材率(全骨材中の細骨材の質量割合)は54〜69質量%であることが好ましく、55〜65質量%であることがより好ましく、56〜63質量%であることが更に好ましい。
本実施形態の吹付コンクリートは減水剤を含んでもよい。減水剤は、分散剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤、流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤、アクリル系減水剤が挙げられる。これらの中では、ポリカルボン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。減水剤の含有量は、水量を抑制しながらも流動性を確保しやすいという観点から、例えば、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.15〜0.8質量部であってもよく、0.25〜0.6質量部であってもよい。
本実施形態の吹付コンクリートは増粘剤を含んでもよい。増粘剤はモルタルやコンクリートに使用できる増粘剤であれば特に限定されず、溶性のセルロース誘導体を有効成分とするものが好ましい。増粘剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。増粘剤の含有量は、吹付時の粉塵の発生を抑制しやすいという観点から、セメント含有量100質量部に対し、固形分換算で0.03〜0.15質量部であることが好ましく、0.06〜0.10質量部であることがより好ましい。
本実施形態の吹付コンクリートは、上記以外の成分も、本発明の効果を阻害しない範囲で含有することができる。含有可能な成分として、短繊維、ポゾラン反応性物質等が挙げられる。
本実施形態の吹付コンクリートは、使用する目的、場所等の要因に応じて水の量を適宜調整することができる。水の含有量は、セメント100質量部に対して52〜68質量部であることが好ましく、53〜67質量部であることがより好ましく、55〜65質量部であることが更に好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、強度発現性に優れる傾向となる。
吹付コンクリートは、例えば、急結混和材を除く各材料を水と混練してベースコンクリートとし、吹付ノズルの先端でベースコンクリート及び急結混和材を混合して吹付ける湿式吹付工法により製造してもよく、急結混和材を含む各材料を混合してベース組成物とし、吹付ノズルの先端でベース組成物及び水を混合して吹付ける乾式吹付工法により製造してもよい。吹付コンクリートは、粉塵やリバウンドがより低減されやすいという観点から、湿式吹付け工法により製造することが好ましい。
本実施形態の急結混和材及び吹付コンクリートは、良好な急結性能と材料の混合性を確保し、強度発現性にも優れるものである。そのため、トンネル壁面や斜面への吹付けにおいて、混合不足による品質のムラが少なく、十分な強度を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例は、特記無い限り、20±1℃の環境下で行った。
[カルシウムアルミネートの作製]
市販の工業用薬品のCaCOとAlを用い、CaO及びAlの含有モル比(CaO/Al3、C/A比)の値が以下に表すカルシウムアルミネートが得られるように秤量配合し、ヘンシェル型混合機で原料調合物を作製した。この原料調合物を電気炉中で、約1600℃±50℃にて60分間加熱した。一部のものを除き、加熱時間経過後は加熱物を直ちに炉外に取り出した。取り出した加熱物の表面に冷却用の窒素ガスを最大流速約30mL/秒で吹付けて急冷し、冷却物を得た。冷却物のガラス化率については、窒素ガスの流速を最大値よりも落として吹付けることで調整した。各冷却物は、全鋼製のボールミルで粉砕し、分級装置にかけてブレーン比表面積約5400cm/gに整粒した。カルシウムアルミネートのガラス化率は、粉末エックス線回折装置を用い、質量がM1のカルシウムアルミネートクリンカに含まれる各鉱物の質量を内部標準法等で定量し、定量できた含有鉱物相の総和質量;M2を算出し、残部が純ガラス相と見なし、次式でガラス化率を算出した。
ガラス化率(質量%)={1−(M2/M1)}×100
[材料]
カルシウムアルミネート:CaO/Alが1.8〜3.0、ブレーン比表面積5400cm/g
硫酸ナトリウム試薬(無水芒硝)
硫酸カルシウム試薬(無水石膏)
硫酸アルミニウム試薬(16水和物)
炭酸ナトリウム試薬
セメント:普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積3200cm/g、密度3.15g/cm
細骨材:石灰石細骨材(表乾密度;2.65g/cm、中心粒径;0.6mm)
粗骨材:砕石(表乾密度;2.74g/cm、粒径5〜15mm)
減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
増粘剤:プロピルメチルセルロースを主成分とするもの
[急結混和材の作製]
各材料を表1に示す割合として配合し、ヘンシェルミキサで1分間混合した。
Figure 2021091593
[ベースコンクリートの作製]
実施例1〜20、23〜28及び比較例1〜5については、セメント100質量部に対して細骨材292質量部、粗骨材194質量部を混合し、次いで水60質量部を加えてコンクリートミキサで2分間混合し、ベースコンクリートを作製した。実施例21については、セメント100質量部に対して細骨材211質量部、粗骨材144質量部、減水剤0.5質量部(固形分換算)を混合し、次いで水50質量部を加えてコンクリートミキサで2分間混合し、ベースコンクリートを作製した。実施例22については、セメント100質量部に対して細骨材292質量部、粗骨材194質量部、増粘剤0.1質量部(固形分換算)を混合し、次いで水60質量部を加えてコンクリートミキサで2分間混合し、ベースコンクリートを作製した。
[吹付コンクリートの作製]
ベースコンクリートを混練後直ちに供給用タンクに入れ、そこから長さ約10m、内径6cmの樹脂製ホースを介して吹付装置へポンプ圧送した。吹付装置は、ベースコンクリートが圧送される内径2インチの圧送管と、その側面に約30度の傾斜角で連通するベースコンクリートに添加物(急結混和材)を供給添加するための円筒状側管と、吹付コンクリートを吹き付ける内径(先端孔径)2インチの噴射用ノズルとを基本構成とする市販品である。ここで、添加物供給用の側管は、圧送管本管と噴射用ノズルとの間に鋼製ト字状管(三方管)を介すことで形成させた。ト字状管の直線上に位置する二方の管口に圧送管本管と噴射用ノズルがそれぞれ接続され、残りの管口に、別送される急結性混和材の供給管が接続される構造とした。ト字状管内でのベースコンクリートへの急結混和材の添加位置(ベースコンクリートと急結混和材の合流地点)から噴射用ノズル孔端までの距離の間に、ベースコンクリートと急結混和材の混合がなされ、その距離(以下、混合距離と称す。)は1.5m又は5mとした。急結混和材は圧搾空気により所定量を空気圧送し、これを吹付装置内で圧送中のベースコンクリートに添加し、添加されたコンクリートは所定の混合距離を進む間に混合され、吹付コンクリートを作製した。
急結混和材の添加量は表1に示すとおりである。
[急結性の評価]
ベースコンクリートの配合において、それぞれ含有する粗骨材と細骨材の合計含有量に相当する量を全て細骨材の含有量にし、粗骨材を含まず、また他の成分とその含有量は変更せずに、モルタル配合に変更したベースモルタルをベースコンクリートと同様の手順で作製した。得られたベースモルタルに急結混和材を表1に示す割合で添加し、高速ミキサで5秒間混合し、モルタル混練物を作製した。
急結混和材添加から、20秒経過後、40秒経過後、60秒経過後及び180秒経過後のモルタル混練物のプロクター貫入抵抗値を測定し、急結性を評価した。プロクター貫入抵抗の測定方法は、土木学会コンクリート標準示方書「吹付コンクリート用急結剤品質規格」附属書「急結剤を添加したモルタルの貫入抵抗による瞬結時間測定方法」に準拠し、断面積0.125cmのプロクター針を使用した。この貫入抵抗値の測定結果を表2に示す。また、表中「>16(N/mm)」の記載はプロクター針の打込みはできたが、今回の使用機材の測定限界(最大16N/mm)を超えたものである。
[吹付コンクリートの強度発現性の評価]
混合距離を1.5mにし、作製した吹付コンクリートを、作製後直ちに、内寸30×40×20cmの成形用型枠内に吹き付け、型枠内を満たすようにした。これを20℃(±1℃)恒温庫に入れ所定時間経過後、型枠内の硬化コンクリートからコアドリルによって直径5cm、高さ10cmの円柱状供試体を採取し、材齢28日にした供試体を得た。この材齢28日供試体の一軸圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機で測定した。また、土木学会規準JSCE−G561に規定するプルアウト試験用型枠と埋込具を使用し、同様に作製した吹付コンクリートを、JSCE−G561に準拠したプルアウト試験に供した。当該試験により材齢4時間及び1日の吹付コンクリートの圧縮強度を測定した。各供試体の強度測定の結果を表2に示す。
[吹付コンクリートの付着性の評価]
上述した吹付装置を使用し、得られた吹付コンクリートを直ちに吹付施工に供した。吹付装置のノズル孔端から約100cm離れた地点に垂直に設置した厚さ9mmで3m四方のコンクリート製平板面に向かって、10m/時間の流量で、吹付コンクリートを吹き付けた。吹き付けたコンクリートの付着性の評価を、目視観察により次のように行った。平板面に吹き付けたコンクリートに垂れや剥落が起こることなく、付着し続けたものを付着性が「良好」と判断し、それ以外の状態になったものや吹き付けそのものが実質できなかったものは、全て付着性が「不良」と判断した。結果を表2に示す。
[吹付コンクリートの混合性の評価]
付着性の評価で行った吹付と同等の条件にて、混合距離(1.5m又は5m)別に、それぞれ5分間行った後に、ベースコンクリートの圧送供給を30分間停止して吹付を中断した後、ベースコンクリートの圧送供給を再開し、再度吹付を行った。その際、混合距離別に、ト字管や吹付装置の圧送経路中に狭窄や閉塞等の圧送障害や、吹付コンクリートの吹出量の低下等の吹付障害があったものを詰り・閉塞「有」と判断した。また、これらの現象が見られず、スムーズに圧送でき、吹付量の変動も見られなかったものは、詰り・閉塞「無」と判断した。この結果も表2に示す。10m/時間の流量で吹付けした混合距離が1.5mのときの混合時間は約1.0秒、同様に混合距離が5mのときの混合時間は約3.5秒であった。
Figure 2021091593
表2の結果から、実施例の吹付コンクリートは、吹付施工時の付着性を十分確保するための急結性を具備し、初期から高い強度発現性が得られ、強度の伸びもよいという結果が示された。また、実施例の吹付コンクリートは、急結剤の添加前後ともスムーズな圧送に適したコンクリートの流動性が確保でき、混合距離を長くしても圧送障害が起こり難いため、良好な混合性を得ることができた。

Claims (5)

  1. 化学成分としてのCaOとAlの含有モル比(CaO/Al)が1.8〜2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含む急結混和材であり、
    前記カルシウムアルミネートの含有量が、前記急結混和材全質量を基準として60〜87質量%であり、
    前記アルカリ金属の硫酸塩及び前記アルカリ土類金属の硫酸塩の質量比([アルカリ土類金属の硫酸塩の質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.5〜7であり、
    前記アルカリ金属の硫酸塩及び前記硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ金属の硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.05〜2である、急結混和材。
  2. アルカリ金属の炭酸塩を更に含む、請求項1に記載の急結混和材。
  3. 前記アルカリ金属の硫酸塩が硫酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の急結混和材。
  4. 前記アルカリ土類金属の硫酸塩が硫酸カルシウムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の急結混和材。
  5. セメント、骨材、水及び請求項1〜4のいずれか一項に記載の急結混和材を含み、
    前記急結混和材の含有量が、前記セメント100質量部に対して5〜15質量部である、吹付コンクリート。
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