JP2012121763A - 吹付け用急結剤及びそれを用いた吹付けコンクリート並びに吹付け工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹き付けコンクリートの付着性と強度発現性が向上する、吹付け用急結剤及びそれを用いた吹付けコンクリート並びに吹付け工法を提供する。
【解決手段】(1)カルシウムアルミネートと、粒径1μm以下の粒子が5質量%以下で、かつ10μm以下の粒子が80質量%以上であり、平均粒径が2〜6μmである石膏と、アルカリ金属アルミン酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸塩とを含有する吹付け用急結剤、(2)(1)の吹付け用急結剤をセメント100質量部に対して5〜15質量部含有する吹付けコンクリート、(3)(2)の吹付けコンクリートを用いた吹付け工法、である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリートの吹き付けに使用する吹付け用急結剤、及びそれを用いた吹付けコンクリート、並びに吹付け工法に関する。
トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するためなどに急結剤をコンクリートに配合した急結性吹き付けコンクリートの吹付け工法が行われている。(特許文献1参照)
この工法は、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材、及び水の計量混合プラントで吹付けコンクリートを作り、それをアジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付けコンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹き付ける工法である。
この工法では、地山に付着せずに落下する量と吹き付ける量との割合であるリバウンド(跳ね返り)率が15〜30重量%と大きく、リバウンドの少ない工法が求められているが、充分満足できる吹き付け材料や吹き付け工法がなく、その改良が強く望まれている。
近年、経済性への配慮や施工機械の性能向上により、単位時間あたりの吹き付け速度が以前に比べて増加している。特に大断面トンネルの掘削施工においては、経済性や作業効率性を考慮し、施工時間や掘削サイクルを短縮することが、重要なポイントとなっている。
しかし、吹付け速度の増加で、吹付けコンクリートには短時間に大きな自重がかかることになり、以前の初期強度発現性能では、自重を支えきれず剥離剥落する場合があり、リバウンドが増加し、危険性が高まることから、初期強度発現性の改善が望まれている。
これまでに、吹付けコンクリートの強度発現性を改善する方法として、セメントにセッコウを予め混合した吹付材料を使用し、カルシウムアルミネートと無水セッコウ等を混合してなる急結剤を用いる湿式吹付工法が提案されている。(特許文献2参照)。
特許第1312600号公報 特許第4248455号公報
カルシウムアルミネートと無水セッコウ等を混合してなる急結剤を用いる湿式吹付工法では、強度発現性は改善できるが、セメントにセッコウを混合させなければならず、工事現場で生コンクリートを製造するバッチャープラントでは、セッコウを保管し計量添加する設備が必要となる。このように経済性と強度発現性を両立した吹き付けコンクリートが望まれていた。
本発明者らは、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、吹付け用急結剤に粒度を調整した特定の石膏を用いることで、吹き付けコンクリートの付着性と強度発現性が向上することを確認して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)カルシウムアルミネートと、粒径1μm以下の粒子が5%以下で、かつ10μm以下の粒子が80%以上であり、平均粒径が2〜6μmである石膏と、アルカリ金属アルミン酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸塩とを含有する吹付け用急結剤、(2)(1)の吹付け用急結剤をセメント100部に対して5〜15部含有する吹付けコンクリート、(3)(2)の吹付けコンクリートを用いた吹付け工法、である。
本発明の吹付け用急結剤を使用することにより、吹付けコンクリートの凝結硬化性能が高まり、地山や岩盤への付着性が向上し、吹き付け直後の材料のリバウンドが減少する。また、初期強度発現性も大幅に向上することから、短時間に大きな自重がかかるような吹き付け条件下においても、剥離剥落する現象が少なくなり、リバウンドの減少とともに、作業の安全確保が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明でいうコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称するものである。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強等の各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントに高炉スラグやフライアッシュ等を混合した各種混合セメントが使用でき、必要とされる要求事項により使い分けることができる。
本発明で使用するコンクリートのセメント量は、作業性や、粘性、経済性の面から、360から600kg/mであることが好ましい。
本発明で使用するカルシウムアルミネートとは、初期の凝結や強度発現性が向上するものであり、CaO原料やAl原料等を混合したものをキルンで焼成したり、電気炉で溶融したりするなどの熱処理をして得られるものをいい、初期にセメントコンクリートの凝結を起こさせる急結成分である。
カルシウムアルミネートの鉱物成分としては、CaOをC、AlをAとすると、CA、C12、CA、及びCAなどで示されるカルシウムアルミネート熱処理物を粉砕したものなどが挙げられる。さらに、その他の成分として、SiOを含有するアルミノ珪酸カルシウム、C12の1つのCaOをCaFなどのハロゲン化物で置き換えたC11・CaX(Xはフッ素等のハロゲン)、SO成分を含むC・SO、並びに、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属が一部固溶したカルシウムアルミネートなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。
これらの中では、反応活性の面でC12組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、急結性や強度発現性の面から、ブレーン値で3000cm/g以上が好ましく、4000cm/g以上がより好ましい。
本発明で使用する石膏は、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。これらの中では、強度発現性等の面から無水石膏の使用が好ましい。
本発明では、石膏の粒度は、粒径1μm以下の粒子が5%以下で、かつ10μm以下の粒子が80%以上であり、平均粒径が2〜6μmに粒度調整したものを用いる。粒度調整の方法は特に限定されるものではないが、例えば、粉砕と分級により行う。
粒径1μm以下の粒子が5%を越えて含まれると、付着性と強度発現性の向上効果が得難く、粉体急結剤自体の保存性が低下する場合があり、10μm以下の粒子が80%未満では、付着性と強度発現性の向上効果が得られない。
石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100部に対して、10〜150部が好ましく、40〜120部がより好ましい。10部未満では付着性や強度発現性を高めることが難しく、150部を超えると付着性や強度発現性を高めることが難しく、また長期に膨張する場合がある。
本発明の吹付け用急結剤には、初期凝結の促進を補助させるものとして、アルカリ金属アルミン酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸塩を使用する。
本発明で使用するアルカリ金属アルミン酸塩は、例えば、水酸化アルミニウムとアルカリ金属水酸化物を混合溶融し、乾燥して粉末状として得られるものであり、極初期の凝結を促すものであり、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。これらの中では、凝結性の面で、アルミン酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属アルミン酸塩の使用量は、極初期の凝結性や、長期強度発現性の面から、カルシウムアルミネート100部に対して、1〜20部が好ましく、2〜15部がより好ましい。
本発明で使用するアルカリ金属炭酸塩とは、初期強度の増加を補助するものであり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用可能である。アルカリ金属炭酸塩の使用量は、カルシウムアルミネート100部に対して、1〜50部が好ましく、3〜20部がより好ましい。1部未満では効果がなく、50部を越えると凝結性能が低下する場合がある。
本発明の吹付け用急結剤の使用量は、初期凝結性、初期強度発現性や、施工性の面から、セメント100部に対して、5〜15部が好ましい。5部未満では、適正な急結性能が得られず、15部を越えて添加すると配管が閉塞する場合があり、また経済的でない。
本発明では必要に応じて吹付けコンクリートに減水剤を使用することが可能である。減水剤とは、コンクリートの流動性を改善するために使用するものをいい、液状や粉状のものいずれも使用でき、高性能減水剤が好ましい。アルキルアリルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、及びメラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、並びに、ポリカルボン酸系高分子化合物等が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。
減水剤の使用量は、必要とする流動性や、強度発現性の面で設定すれば良い。
さらに、本発明では、吹付けコンクリートの耐衝撃性や靭性を向上させるために、繊維物質を併用することが可能である。
本発明では、無機質繊維や有機質繊維いずれも使用でき、吹付けコンクリートの耐衝撃性や靭性を向上させる効果を有する。
繊維物質の長さは、圧送性の面から、コンクリート圧送性や混合性の面で70mm以下が好ましく、0.5〜60mmがより好ましい。
無機質繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、及び金属繊維等が挙げられ、有機質繊維としては、ビニロン繊維、PET再生繊維、及びポリプロピレン繊維等が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用できる。これらの中では、経済性の面で、金属繊維やポリプロピレン繊維が好ましい。
繊維物質の使用量は、耐衝撃性、靱性や、流動性、圧送性の面から、吹付けコンクリートの0.1から2容積%が好ましく、0.3から1.5容積%がより好ましい。
吹付けコンクリート製造時の水の使用量は、経済性、圧送性や、強度発現性の面から、セメント100部に対して、30〜65部が好ましく、40〜60部がより好ましい。
本発明の吹付けコンクリートで使用される細骨材や粗骨材等の骨材は、吸水率が低く、骨材自体の強度が高いものが好ましいが、特に制限されるものではない。
細骨材は、最大寸法5mm以下のものか好ましく、川砂、山砂、及び石灰砂等が挙げられる。粗骨材としては、最大寸法15mm以下のものが好ましい。
本発明で使用する吹付けコンクリートの流動性は特に制限はなく、適正な施工性と付着性等が得られる値で良い。
本発明において、吹付けコンクリートの製造方法は、特に制限されるものではなく。所定の配合で所定の練上り性状が得られる方法であれば良い。
本発明の吹付け工法では、要求される物性、経済性、及び施工性等から、セメントを含有するドライセメントモルタル、セメントと水を含有するセメントモルタル、又はこれらのペーストやコンクリートとして吹付作業を行うことができ、乾式吹付け法や湿式吹付け法いずれもが使用できる。
乾式吹き付け法としては、セメント、急結剤、及び骨材等を混合し、空気圧送し、途中添加管から水を添加して、湿潤状態で吹き付ける方法や、セメントと骨材等を混合して空気圧送し、途中で急結剤、水の順に添加し、湿潤状態で吹き付ける方法等が挙げられる。
湿式吹き付け法としては、セメント、水、及び骨材等を混合して混練し、空気圧送し、途中で、Y字管の一方から本発明の急結剤を添加して吹き付ける方法等が挙げられる。
本発明においては、従来使用の吹付け設備等が使用可能であり、吹き付け圧力は特に限定されるものではなく、吹付けコンクリートの吐出量は、通常、1.5から20m/hであり、吹付け空気量は特に限定されるものではない。
吹き付け設備は、吹付けが充分に行われれば特に限定されるものではなく、例えば、吹付けコンクリートの圧送にはアリバー社商品名「アリバー280」、シンテック社「MKW−25 SMT」、PET社「G4ポンプ」、及びスクイズポンプなどが使用可能である。また、粉体急結剤の圧送には、急結剤圧送装置「ナトムクリート」が使用可能である。
以下、実験例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実験例1」
各材料の単位量をセメント360kg/m、細骨材1053kg/m、粗骨材717kg/m、及び水216kg/mとし、吹付けコンクリートとした。
これをコンクリートポンプ「シンテック社MKW−25SMT」を用いて途中に2つのY字管を設けたホースを圧送した。2つのY字管のうちポンプ側のY字管からエアーを差し込み、ホース先端側のもう一つのY字管より、カルシウムアルミネート100部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ炭酸塩を10部と表1に示す量の石膏を混合した吹付け用急結剤を、急結剤添加機「デンカナトムクリート」により、セメント100部に対して7部となるようにエアーと共に圧送、合流混合して吹付けコンクリートとした。
この吹付けコンクリート1mを吹付速度10m/hの条件で吹き付けて、リバウンド率の測定と各材令の圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:新潟県糸魚川産姫川水系砂、表乾密度2.62
粗骨材:新潟県糸魚川産6号砕石、最大寸法15mm、表乾密度2.68
カルシウムアルミネート:C12組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質で、ブレーン値5,900cm/g
石膏:無水石膏(天然品)、粒径1μm以下の粒子が2%で、かつ10μm以下の粒子が99%であり、平均粒径を3μmに粉砕と分級により粒度調整したもの
アルカリ金属アルミン酸塩:アルミン酸ナトリウム、市販品
アルカリ金属炭酸塩:炭酸ナトリウム、市販品
<測定方法>
圧縮強度:調製した吹付けコンクリートを、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠と幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に吹き付けした。材齢1日以内はプルアウト型枠の供試体を使用して測定した。プルアウト型枠表面からピンを吹付けコンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体表面積)の式から圧縮強度を算出した。
材齢1日以降は幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠から採取した直径5.5cm×長さ11cmの供試体を200KN耐圧機により圧縮強度を求めた。
リバウンド率:吹付けコンクリートを1m吹き付けし、吹き付け終了後、付着せずに床面に敷いたビニールシートに落下した吹付けコンクリートの量を測定し、リバウンド率=(吹き付けの際に付着せずに落下した吹付けコンクリートの質量)/(吹き付けに使用した吹付けコンクリートの総量)×100(%)の式から算出。
Figure 2012121763
表1の結果から、本発明による実施例では、付着性に優れ、かつ、良好な強度発現性が得られることが分かる。比較例として実施した実験No.1-1は、リバウンド率が大きく、強度発現性は実施例より低い。
「実験例2」
吹付け用急結剤の組成を、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ金属炭酸塩を10部として、急結剤に使用する石膏の粒度や平均粒径を変えて、実験例1と同様に試験を行った。
Figure 2012121763
表2の結果から、本発明による急結剤を用いることで、急結性に優れ、かつ、良好な強度発現性が得られることが分かる。
「実験例3」
吹付け用急結剤の組成を、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部と、表3に示したアルカリ金属アルミン酸塩とアルカリ金属炭酸塩を混合した吹付け用急結剤を用いて、実験例1と同様に試験を実施した。結果を表3に記す。
Figure 2012121763
表3の結果から、本発明の吹付け用急結剤を用いることで、急結性に優れ、かつ、良好な強度発現性が得られることが分かる。
「実験例4」
吹付け用急結剤として、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ金属炭酸塩を10部混合したものを用いて、表4に示すように吹付け用急結剤のセメント100部に対する量を変えて、実験例1と同様に試験を実施した。結果を表4に記す。
Figure 2012121763
表4の結果から、吹付け用急結剤の添加量が少ないと付着性と初期強度発現性の改善効果が少なく、添加量が多いと強度発現性は良好だがリバウンド率が大きいことが分かる。
「実験例5」
吹付け用急結剤として、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ金属炭酸塩を10部混合したものを、セメント100部に対して7部用い、表5に示すコンクリート配合を用いて、実験例1と同様に試験を実施した。セメント量の多い配合については、減水剤をコンクリート製造時に使用した。結果を表5に記す。
<使用材料>
減水剤:高性能減水剤、ポリカルボン酸系高分子化合物、液状減水剤、市販品
Figure 2012121763
表5の結果から、W/Cが大きいほど付着性と強度発現性が低下する。W/Cの小さい配合(実験No.5-1と5-2)で減水剤を使用してコンクリート配合製造することで状態の良いコンクリートを得ることが出来た。
「実験例6」
単位セメント量450kg/m、単位水量203kg/m(単位減水剤量5.4kgを含む)、及び細骨材率60%とした吹付けコンクリートに対して、表6に示す繊維物質を配合して混練りし、吹付けコンクリートを調製した。吹付け用急結剤は、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ金属炭酸塩を10部混合したものを、セメント100部に対して7部になるように添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に併記する。
<使用材料>
繊維物質:鋼繊維、繊維長さ30mm、市販品
Figure 2012121763
表6に結果から、繊維物質を混入しても本発明の吹付け用急結剤を用いることで、付着性に優れ、良好な強度発現性が得られることが分かる。
「実験例7」
水を除いたコンクリート材料の単位量は実験例1と同様な量として混合したドライコンクリートを、コンクリートポンプ(アリバー社商品名「アリバー280」)で圧送した。
コンクリート圧送配管の途中に2つのY字管を設け、ポンプ側のY字管から急結剤とエアーを差し込み、ホース先端側のもう一つのY字管から水をセメント100部に対して45部となるように添加し、乾式吹き付け施工を実施した。
吹付け用急結剤は、カルシウムアルミネート100部に対して、石膏を60部、アルカリ金属アルミン酸塩を5部、アルカリ金属炭酸塩を10部混合したものを、セメント100部に対して7部になるように添加した。
その結果、配管の閉塞等のトラブルもなく吹き付け施工を実施することができた。その時の材齢10分と28日の圧縮強度は、それぞれ2.0N/mm2 、50.6N/mm2 であった。
本発明の吹付け用急結剤及びそれを用いた吹付けコンクリート並びに吹付け工法は、例えば、道路、鉄道、及び導水路等のトンネル工事において露出した地山面へ吹き付ける時に使用できるものであり、これらの他に、深礎杭の掘削時に露出する地山や、法面吹き付けの用途にも適用可能である。

Claims (3)

  1. カルシウムアルミネートと、粒径1μm以下の粒子が5質量%以下で、かつ10μm以下の粒子が80質量%以上であり、平均粒径が2〜6μmである石膏と、アルカリ金属アルミン酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸塩とを含有する吹付け用急結剤。
  2. 請求項1に記載の吹付け用急結剤をセメント100質量部に対して5〜15質量部含有することを特徴とする吹付けコンクリート。
  3. 請求項2記載の吹付けコンクリートを用いた吹付け工法。
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