JP4484301B2 - 場所打ちライニング工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山面やトンネルの補修等といった覆工時に使用する急硬性セメントコンクリートに関する。尚、本発明では、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結剤をコンクリートに配合した急結性吹付コンクリートの吹付工法が行われている(特公昭60−4149号公報)。
【0003】
この吹付工法は、通常、掘削工事現場に設置した計量混合プラントで、セメント、骨材、及び水を混合して吹付コンクリートを調製し、アジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、その途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹付ける工法である。
【0004】
この急結性吹付コンクリートは、高圧空気によりコンクリートを地山面に吹付けるために、トンネル内での粉塵が非常に多くなるおそれがあった。そのため、吹付の際には防塵マスク等をしなければならず、作業性が低下するおそれがあった。又、吹付コンクリートの20〜30%程度は地山に付着しないで下に落ちるという、いわゆるリバウンドとなってしまうために経済的に好ましくないという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、人体の安全面や経済的な面で、粉塵とリバウンドの少ないトンネルのコンクリート覆工方法として場所打ちライニング工法が用いられている。
【0006】
場所打ちライニング工法は、ヨーロッパで開発され、昭和56年に日本に導入されたトンネルの施工方法であり、コンクリート打設時に、2kgf/cm2(0.2MPa)程度の圧力をかけるため、コンクリートが地山と密着して、地山のゆるみを無くすことができ、地盤沈下を最小限にすることが可能となる方法である。即ち、場所打ちライニング工法は、掘削装置と推進装置からなり、型枠機構を装備したシールド機後部で、直接覆工コンクリートを打設する方法であり、シールド機の推進と同時に、通常40〜50cm程度のコンクリート厚になるように設置された巻立てコンクリート型枠の中へ、コンクリートを導入管から流し込み、連続的に加圧し、打設して覆工するものである。この覆工方法は、吹付コンクリートをトンネルに吹付した後に行う二次覆工や、導水路トンネル等のトンネル補修ライニングにも使用できる。
【0007】
この場所打ちライニング工法で使用されるコンクリートは、例えば、混練後のスランプ値が20cm以上といった、型枠内に十分充填されるだけの流動性が必要であり、しかも、混練後、コンクリートポンプを使用して打設するので、一定時間、その流動性を保持することが必要である。さらに、シールド機を数百メートル/月程度の割合で前進させるため、早期強度の発現性に優れていなければならない。
【0008】
このように、場所打ちライニング工法には、ポンプ圧送が容易な流動性や良好な初期強度の発現性が要求されるが、従来のコンクリートでは、流動性を一定時間保持させると、強度発現が遅れ、施工の能率が著しく悪くなるという課題があった。
【0009】
一方、急硬成分と遅延剤の組み合わせからなる従来の急硬材や、超速硬セメントを含有したコンクリートを用いた場合は、強度発現性が十分であっても、硬化時間が短いために一定時間流動性を保持することが難しく、コンクリートポンプ内で硬化してしまうおそれがあるという課題があった。
【0010】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の組成を有する急硬性セメントコンクリートをトンネル内の型枠に流し込むことにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)(1−1)C 12 A 7 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートを含有してなる急硬成分100質量部、(1−2)石膏20〜200質量部、(1−3)硫酸アルミニウムを含有してなる酸性物質を、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して0.1〜10質量部、(1−4)アルカリ金属炭酸塩類100質量部とオキシカルボン酸及び/又はこれらの塩5〜200質量部を含有してなる凝結調整剤を、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して0.5〜30質量部、及び(1−5)水を、急硬成分、石膏、酸性物質、及び凝結調整剤を含有する急硬材100質量部に対して、40〜200質量部、を混合してなる急硬材スラリーを、セメント100質量部に対して固形分換算で5〜30質量部と、(2)水/セメント比が35〜65%であり、細骨材率が40〜65%であるセメントコンクリートとを混合してなる急硬性セメントコンクリートを型枠内に連続して流し込むことを特徴とする場所打ちライニング工法であり、(1−2)の石膏が無水石膏であり、(1−4)のアルカリ金属炭酸塩類が炭酸カリウムであり、(1−4)の有機酸類がクエン酸ナトリウムであることを特徴とする該場所打ちライニング工法であり、(2)セメントコンクリートが減水剤を含有してなることを特徴とする該場所打ちライニング工法であり、(2)セメントコンクリートがコンクリートであることを特徴とする該場所打ちライニング工法であり、急硬性セメントコンクリートの硬化時間は2〜120分であることを特徴とする該場所打ちライニング工法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明ではセメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
【0013】
本発明で使用するセメントとしては、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、並びに、これらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セメント等が挙げられる。これらを微粉末化して使用してもよい。これらの中では、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントが好ましい。
【0014】
本発明で使用する急硬材スラリーは、急硬成分、石膏、酸性物質、及び必要に応じて凝結調整剤を含有する急硬材と水を含有するものである。
【0015】
本発明で使用する急硬成分としては、カルシウムアルミネート類等のセメント鉱物系等が挙げられる。これらの中では、セメントコンクリートの凝結硬化が早い等の凝結性状が優れ、強度発現性が良好な点で、セメント鉱物系急硬成分の使用が好ましく、カルシウムアルミネート類がより好ましい。
【0016】
本発明で使用するカルシウムアルミネート類とは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAl2O3 とを主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAl2O3の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属土類ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAl2O3とを主成分とするものに、これらが少量固溶した物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであってもよい。
【0017】
カルシウムアルミネート類の中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネート類が好ましく、C12A7 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
【0018】
カルシウムアルミネート類の粒度は、ブレーン値で4000cm2 /g以上が好ましい。4000cm2 /g未満だと急結性や初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0019】
本発明で使用する石膏は、強度発現性を向上するために使用するものである。石膏としては、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、強度発現性の点で、無水石膏が好ましい。
【0020】
石膏の粒度は、強度発現性の点で、ブレーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、5000cm2 /g以上がより好ましい。3000cm2 /g未満だと強度発現性が低下するおそれがある。
【0021】
石膏の使用量は、急硬成分100質量部に対して、20〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。20質量部未満だと長期強度発現性が小さいおそれがあり、200質量部を越えると初期強度発現性が遅れるおそれがある。
【0022】
本発明で使用する酸性物質は、温度変化による硬化時間の変化を緩やかにし、強度発現性を良好にし、急硬材スラリーの特性を保持するために使用するものである。セメントコンクリートの現場到着が遅れたり、施工現場での準備不足のためにセメントコンクリート打設まで時間を要したりする場合には、急硬材と水を混合して急硬材スラリーを調製した後、急硬材スラリーとセメントコンクリートを混合するまで急硬材スラリーを練り置く必要がある。この急硬材スラリーの練り置き時間が長いと、当初設定していた硬化時間が短くなり、強度発現性が低下するおそれがある。特に高温時にはその傾向が顕著となり、ホースが閉塞し、型枠内へ急硬性セメントコンクリートが十分に充填できないおそれがあるという課題があった。この課題を解決するために酸性物質を使用するものである。
【0023】
酸性物質としては、リン酸一ナトリウムやリン酸一カリウム等のリン酸塩、硫酸アルミニウムや硫酸アンモニウム等の硫酸塩、並びに硫酸水素ナトリウムや硫酸水素カリウム等の重硫酸塩等が挙げられる。これらの中では、流動性が良好で、安全な点で、硫酸塩が好ましく、硫酸アルミニウムがより好ましい。又、硫酸、塩酸、及び硝酸等の強酸やリン酸も使用できる。
【0024】
酸性物質の使用量は、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.1質量部未満だと温度変化による硬化時間のコントロールが難しく、急硬材スラリーを練り置いた後の硬化時間が短く、強度発現性が小さいおそれがあり、10質量部を越えると強度発現性が低下するおそれがある。
【0025】
本発明では、急硬性セメントコンクリートの凝結硬化を調整するために、凝結調整剤を使用することが好ましい。
【0026】
凝結調整剤としては、有機酸類やアルカリ金属炭酸塩類等が挙げられる。これらの中では、硬化時間をコントロールでき、ホース等の閉塞がなく、硬化後の強度発現性が良好な点で、有機酸類とアルカリ金属炭酸塩類を併用することが好ましい。
【0027】
有機酸類としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、及びグルコン酸等のオキシカルボン酸又はこれらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩等)等が挙げられる。これらの中では、硬化時間をコントロールでき、ホース等の閉塞がない点で、オキシカルボン酸及び/又はこれらの塩が好ましく、クエン酸ナトリウムがより好ましい。
【0028】
アルカリ金属炭酸塩類としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩や、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等の重炭酸塩が挙げられる。これらの中では、硬化後の強度発現性が良好な点で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
【0029】
有機酸類とアルカリ金属炭酸塩類を併用した場合の両者の混合割合は、アルカリ金属炭酸塩類100質量部に対して、有機酸類5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。5質量部未満だと硬化時間をコントロールできず、ホース等の閉塞が発生するおそれがあり、200質量部を越えると初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0030】
凝結調整剤の使用量は、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。0.5質量部未満だと硬化時間をコントロールできず、圧送性が低下してホース等の閉塞が発生し、強度発現性が低下するおそれがあり、30質量部を越えると強度発現性が低下するおそれがある。
【0031】
急硬性スラリー中の水の使用量は、急硬成分、石膏、酸性物質、及び必要に応じて凝結調整剤を含有する急硬材100質量部に対して、40〜200質量部が好ましく、50〜100質量部が好ましい。40重量部未満だと粘性が高すぎて圧送性が低下し、ポンプ圧送ができないおそれがあり、200質量部を越えると急硬性セメントコンクリートの水セメント比が大きくなり、長期強度発現性が低下するおそれがある。
【0032】
急硬材スラリーの使用量は、セメント100質量部に対して、固形分換算で5〜30質量部が好ましく、7〜20質量部がより好ましい。5質量部未満だと硬化時間が長すぎて初期凝結が十分に得られず、強度発現性が低下するおそれがあり、30質量部を越えると長期強度発現性が低下するおそれがある。
【0033】
急硬材スラリーの調製方法としては特に制限はないが、予め急硬成分、石膏、酸性物質、及び凝結調整剤を混合したものを水と混合して急硬材スラリーとしてもよく、水、凝結調整剤、及び酸性物質を混合、溶解した後、急硬成分、石膏を混合して急硬材スラリーとしてもよい。
【0034】
本発明では、急硬性セメントコンクリートの混合前の特性や凝結硬化後の強度特性等を改善するために、各々に減水剤、増粘剤、超微粉、及び繊維状物質からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混和材料を使用してもよい。
【0035】
本発明で使用するセメントコンクリートの水セメント比(W/C)は、35〜65%であり、40〜60%が好ましい。35%未満だとセメントコンクリートの粘性が大きくなり、作業性や圧送性が低下するおそれがあり、65%を越えると強度発現性に悪影響を与えるおそれがある。但し、ここでいう水には急硬材スラリー中の水を含まず、セメントには急硬材を含まない。
【0036】
本発明で使用するセメントコンクリートの細骨材率(S/a)は、40〜65%が好ましく、45〜60%がより好ましい。40%未満だとホースが詰まり、圧送性が悪くなり、急硬性セメントコンクリートを型枠に投入した後にジャンカ(コンクリート表面に骨材が浮き出ること)が出るおそれがあり、65%を越えるとセメントコンクリートのW/Cが大きくなり、強度発現性が低下するおそれがある。
【0037】
本発明で使用するセメントコンクリートは、粗骨材の最大寸法が10〜25mmであることが好ましく、型枠内の充填性を考慮してスランプが15〜25cmであることが好ましい。
【0038】
本発明で使用するセメントコンクリートと急硬材スラリーは、ポンプで別々に圧送され、コンクリートホースの途中に設けた混合管から、急硬材スラリーを圧入、混合して急硬性セメントコンクリートとし、トンネル内に設けたトルネル型枠内に流し込んで充填混合されるものである。
【0039】
混合管の混合機構としては特に限定はされないが、セメントコンクリートと急硬材を充分に混合できる性能があれば混合管内に邪魔板等を設けても構わないが、強制混合できる点で、混合管内に攪拌羽根を設けることが好ましい。
【0040】
本発明の急硬性セメントコンクリートの硬化時間は、混合管で混合された時点から始まるが、硬化時間は2〜120分が好ましく、5〜60分がより好ましい。2分未満だとホース内で閉塞し、トルネル型枠内に急硬性セメントコンクリートが充分に充填できないおそれがあり、120分を越えると圧縮強度発現性が低下し、型枠の脱枠が遅くなり、作業性が悪くなるおそれがある。
【0041】
【実施例】
以下、実験例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0042】
実験例1
W/C=48%、S/a=52%、セメント360kg/m3 とし、セメント100質量部に対して減水剤1質量部を混合してコンクリートを調製した。
一方、急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して表1に示す量の酸性物質と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と水75質量部とを混合して急硬材スラリーを調製し、表1に示す時間練り置いた。
所定時間練り置いた急硬材スラリーを、セメント100質量部に対して固形分換算で10質量部となるように、コンクリートと急硬材スラリーを混合して急硬性コンクリートを調製し、この急硬性コンクリートについて試験実施温度30℃で評価した。結果を表1に示す。
【0043】
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3350cm2 /g、比重3.16
細骨材:新潟県青海産石灰砂、比重2.64 FM=2.82
粗骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂利、比重2.65、最大骨材寸法15mm
減水剤:市販ポリカルボン酸系高分子化合物
急硬成分:カルシウムアルミネート、C12A7 組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6050cm2 /g
石膏:市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5900cm2 /g
凝結調整剤:(炭酸カリウム:クエン酸ナトリウム)=〔7:3(質量比)〕の混合物
酸性物質:市販硫酸アルミニウム
【0044】
(測定方法)
硬化時間:急硬性コンクリートを調製後、コンクリート温度が1℃上昇した時点を硬化時間とした。
圧縮強度:φ5cm×10cmの型枠に急硬性コンクリートを充填し、所定材齢の圧縮強度を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
実験例2
水の温度を表2に示す温度とし、急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して表2に示す量の酸性物質と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と水75質量部を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
実験例3
急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して酸性物質3質量部と表3に示す量の凝結調整剤からなる急硬材100質量部と水75質量部を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
実験例4
急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して酸性物質3質量部と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と水75質量部を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いた後、急硬材スラリーを、セメント100質量部に対して固形分換算で表4に示す量使用したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
実験例5
急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して酸性物質3質量部と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と表5に示す量の水を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表5に示す。
【0053】
(測定方法)
圧送性:急硬性コンクリートを20mポンプ圧送したときの圧送状況を観察した。配管が詰まらない場合を○、詰まり気味の場合を△、配管が詰まってしまう場合を×とした。
【0054】
【表5】
【0055】
実験例6
表6に示す量のW/Cにしてコンクリートを調製し、急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して酸性物質3質量部と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と水75質量部を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
実験例7
表7に示すS/aにしてコンクリートを調製し、急硬成分100質量部、石膏100質量部、及び、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して酸性物質3質量部と凝結調整剤10質量部からなる急硬材100質量部と水75質量部を混合して急硬材スラリーを調製し、2時間練り置いたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表7に示す。
【0058】
(測定方法)
ジャンカの有無:急硬性コンクリートをトンネル型枠内に連続して流し込み、脱枠した後のコンクリート表面を観察した。表面にジャンカが見られない場合を○、ジャンカが少し見られる場合を△、ジャンカが多く見られた場合を×とした。
【0059】
【表7】
【0060】
【発明の効果】
本発明の急硬材スラリーを使用することにより、初期強度発現性が良好で、温度変化による硬化時間の変化が緩やかで、流動性を保持できる急硬性セメントコンクリ−トが得られ、能率の良い場所打ちライニング工法が可能となる。そして、急硬材スラリーの練り置き時間が長くても硬化時間の変動がなく、圧縮強度低下も低下しない。従って、従来1日3サイクル行っていた施工現場では、1サイクル毎に急硬材スラリーを廃棄していたが、本発明の急硬材スラリーは次のサイクルにも使用できるので、作業性と経済性の向上が見込まれる。
Claims (5)
- (1)(1−1)C 12 A 7 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートを含有してなる急硬成分100質量部、(1−2)石膏20〜200質量部、(1−3)硫酸アルミニウムを含有してなる酸性物質を、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して0.1〜10質量部、(1−4)アルカリ金属炭酸塩類100質量部とオキシカルボン酸及び/又はこれらの塩5〜200質量部を含有してなる凝結調整剤を、急硬成分と石膏の合計100質量部に対して0.5〜30質量部、及び(1−5)水を、急硬成分、石膏、酸性物質、及び凝結調整剤を含有する急硬材100質量部に対して、40〜200質量部、を混合してなる急硬材スラリーを、セメント100質量部に対して固形分換算で5〜30質量部と、(2)水/セメント比が35〜65%であり、細骨材率が40〜65%であるセメントコンクリートとを混合してなる急硬性セメントコンクリートを型枠内に連続して流し込むことを特徴とする場所打ちライニング工法。
- (1−2)の石膏が無水石膏であり、(1−4)のアルカリ金属炭酸塩類が炭酸カリウムであり、(1−4)の有機酸類がクエン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1記載の場所打ちライニング工法。
- (2)セメントコンクリートが減水剤を含有してなることを特徴とする請求項1又は2記載の場所打ちライニング工法。
- (2)セメントコンクリートがコンクリートであることを特徴とする請求項1〜3のうちの1項記載の場所打ちライニング工法。
- 急硬性セメントコンクリートの硬化時間は2〜120分であることを特徴とする請求項1〜4のうちの1項記載の場所打ちライニング工法。
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