JP2016119888A - 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置 - Google Patents

積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016119888A
JP2016119888A JP2014262802A JP2014262802A JP2016119888A JP 2016119888 A JP2016119888 A JP 2016119888A JP 2014262802 A JP2014262802 A JP 2014262802A JP 2014262802 A JP2014262802 A JP 2014262802A JP 2016119888 A JP2016119888 A JP 2016119888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
ingredient
ingredients
laminated
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014262802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5843335B1 (ja
Inventor
寛康 古川
Hiroyasu Furukawa
寛康 古川
高志 古川
Takashi Furukawa
高志 古川
琢也 古川
Takuya Furukawa
琢也 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Kiko KK
Original Assignee
Furukawa Kiko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Kiko KK filed Critical Furukawa Kiko KK
Priority to JP2014262802A priority Critical patent/JP5843335B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5843335B1 publication Critical patent/JP5843335B1/ja
Publication of JP2016119888A publication Critical patent/JP2016119888A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 食品の形状を崩さずに他の場所へ移動可能な食品移載装置と、食品移載装置を用いた積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を切断して袋詰めすることのできる積層食品袋詰め装置を提案する。【解決手段】 固定基材と第一の可動基材とをスライド機構を介して接続し、第一の可動基材と第二の可動基材とを進退機構を介して接続した。第二の可動基材のスライド板にベルトを周回させ、そのベルトを第一の可動基材のベルト保持手段で保持して、スライド板が前進すると、スライド板の上面側に繰り出されたベルト上に主食材等が掬い上げられ、スライド板が後退するとベルト上の主食材等が降ろされるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、パンの間に具材を挟んだサンドイッチや、バンズと呼ばれるパンの間に具材を挟んだハンバーガー、円盤状に成形したごはんの間に具材を挟んだライスバーガーのように、主食材の間に具材を挟んで積層された食品(本願において「積層食品」という)の当該主食材や具材を、その形状を崩さずに他の場所へ移動させる食品移載方法及び食品移載装置と、前記積層食品を製造する積層食品製造方法及び積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等では、フィルム製の袋(以下「フィルム袋」という)に包装されたサンドイッチが提供されている。本件出願人は、サンドイッチに関連する装置として、三角形状に切断されたサンドイッチを把持する物品把持装置及び当該物品把持装置で把持した物品をフィルム袋に詰める袋詰め装置を開発した(特許文献1)。これら物品把持装置や袋詰め装置は、本件出願人が先に特許権を取得した物品移載技術(特許文献2)を応用したものである。
特開2014−198571号公報 特許第4406775号公報
前記物品把持装置や袋詰め装置の開発により、サンドイッチの袋詰め作業の効率は大きく向上した。一方で、サンドイッチを製造する装置については、生産者を満足させるようなものはいまだ提案されていない。サンドイッチは、パンと具材を所定の順番に積層して製造するのが一般的である。パン自体は定形性を有するため、機械によって比較的容易に積層することができるが、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材(変形しやすい具材を含む。本願において同じ。)を所定量に調節し、かつ、均一厚にしてパンの上に載せ置くのは非常に困難であった。仮に、具材を所定量に調節することができ、かつ、均一厚にすることができても、その具材をその形を崩さずに主食材の上へ移載するのは極めて困難であった。近年では、たまごやジャガイモなどの触感を楽しめるように、具材の大型化が望まれるケースもあり、機械化の困難性がより一層高まっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのような積層食品の主食材や具材を、その形状を崩さずに他の場所へ移動することのできる食品移載方法及び食品移載装置と、当該食品移載装置を用いた積層食品製造方法及び積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を切断して袋詰めすることのできる積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置を提案することにある。
[食品移載装置]
本発明の食品移載装置は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーといった二以上の主食材の間に具材が挟まれた積層食品の当該主食材や具材を掬い上げて他の場所へ移動させるのに用いる装置であって、固定基材と、第一の可動基材と、第二の可動基材と、スライド機構と、進退機構を備えたものである。固定基材と第一の可動基材はスライド機構を介して接続され、第一の可動基材と第二の可動基材は進退機構を介して接続されている。第二の可動基材にはスライド板が設けられ、そのスライド板にはベルトが周回されている。ベルトは第一の可動基材に設けられたベルト保持手段によって保持されている。第一の可動基材は、スライド機構の前後方向への動作に伴って前後方向へスライドするようにしてあり、第二の可動基材及びスライド板は、進退機構の前後方向への進退動作に伴って前後方向へ移動するようにしてある。スライド板を主食材や具材に向けて前進移動させると、スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて主食材又は具材の下面側に潜り込み、当該主食材又は具材がスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げられるようにしてある。主食材又は具材がベルトの上に掬い上げられた状態で、スライド板を後退移動させると、スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されてベルト上の主食材又は具材が当該ベルトの上から降ろされる。
前記食品移載装置において、固定基材には、当該固定基材及びそれに連関する部材を上下方向に昇降させる昇降装置を接続することもできる。
[積層食品製造装置]
本発明の積層食品製造装置は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーといった二以上の主食材の間に具材が積層された積層食品の製造装置であって、少なくとも、搬送コンベアと、主食材や具材を載置して搬送する二以上の食品キャリアと、食品キャリアに主食材を供給する第一の主食材供給装置と、食品キャリアに載置された主食材の上に具材を供給する一又は二以上の具材供給装置と、食品キャリア上の具材の上に主食材を供給する第二の主食材供給装置を備えている。二以上の食品キャリアは搬送コンベアに取り付けられている。第一の主食材供給装置、具材供給装置及び第二の主食材供給装置は、搬送コンベアの側方に、搬送コンベアの手前側から先方に向けて、第一の主食材供給装置、具材供給装置、第二の主食材供給装置の順で配置してある。前記主食材供給装置は、主食材搬送体と主食材移載装置を、前記具材供給装置は、具材搬送体と具材移載装置を備えている。主食材移載装置及び具材移載装置として、前記いずれかの食品移載装置を用いている。主食材供給装置は、進退機構でスライド板を前記主食材の底面側に向けて前進移動させることによって主食材搬送体で搬送された主食材を掬い上げることができ、進退機構で前記スライド板を後退移動させることによって掬い上げた主食材を前記搬送コンベアに取り付けられた食品キャリア上に供給することができ、具材供給装置は、進退機構でスライド板を前進移動させることによって具材搬送体で搬送された具材を掬い上げることができ、進退機構でスライド板を後退移動させることによって掬い上げた具材を食品キャリア上の主食材又は他の具材の上に供給することができる。
前記積層食品製造装置は、第二の主食材供給装置の先方であって前記搬送コンベアの側方に、第一の具材供給装置と同じ構造の具材供給装置及び第二の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置を、この順番で一セット以上配置することもできる。
前記積層食品製造装置は、第二の主食材供給装置の先方であって前記搬送コンベアの側方に、第一の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置、第一の具材供給装置と同じ構造の具材供給装置及び第二の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置を、この順番で一セット以上配置することもできる。
前記積層食品製造装置は、それぞれの具材供給装置に、具材の量を調節する具量調節手段を設けることもできる。
前記積層食品製造装置は、主食材搬送体及び具材搬送体のそれぞれをベルト式のコンベアとすることもできる。この場合、主食材搬送体の先端寄りの位置に主食材の先端を検出する主食材検出センサーを設け、具材搬送体の先端寄りの位置に具材の先端を検出する具材検出センサーを設けることができる。主食材搬送体は、主食材検出センサーで主食材の先端が検出されると主食材の搬送を停止し、当該停止状態で先頭に位置する主食材が主食材移載装置によって取り出されると主食材の搬送を再開し、具材搬送体は、具材検出センサーで具材の先端が検出されると具材の搬送を停止し、当該停止状態で先頭に位置する具材が取り出されると具材の搬送を再開するようにしてある。
[積層食品袋詰め装置]
本発明の積層食品袋詰め装置は、前記いずれかの積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め装置であって、積層食品製造装置の先方に製造した積層食品を所望形状に切断する切断装置が設けられ、その切断装置の先方に切断された積層食品を搬送する切断食品搬送体が設けられ、前記切断装置の近傍に、当該切断装置で切断された切断済み積層食品を前記切断食品搬送体に送り出す食品送出装置が設けられ、その切断食品搬送体の先方に切断された積層食品を袋に詰めるための袋詰め装置が設けられたものである。
前記積層食品袋詰め装置の食品送出装置には、前記いずれかの食品移載装置を用いることができる。この場合、食品送出装置は、進退機構によってスライド板を前記食品移載装置の前方に送り込まれた積層食品の底面側に向けて前進移動させることによって当該積層食品を掬い上げることができ、前記進退機構で前記スライド板を後退移動させることによって掬い上げた積層食品を切断食品搬送体に移載できるようにするのが好ましい。
前記積層食品袋詰め装置は、切断食品搬送体上の積層食品を把持する把持装置と、袋を積層して収容可能なストッカーと、ストッカーに収容された袋をストッカーの下側から一枚ずつ取り出し可能な袋取出し装置と、袋取出し装置で取り出した袋の開口部を当該袋取出し装置と協働して開口可能な袋開口装置を備えたものとすることもできる。この場合、把持装置は、切断食品搬送体上の積層食品を把持して、前記ストッカーから取り出して開口した袋に差し込み可能であり、袋に差し込んだ状態で把持装置を解除して当該把持装置を袋から引き抜くことによって、袋内に積層食品を収容できるようにしてある。
[食品移載方法]
本発明の食品移載方法は、二以上の主食材の間に具材が挟まれた積層食品の当該主食材や具材を掬い上げて他の場所へ移動させるのに用いる食品移載方法であって、外周にベルトが周回されたスライド板を前記主食材又は具材の下側にむけて前進移動させ、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトをスライド板の上面側に繰り出して前記主食材又は具材の下面側に潜り込ませ、当該潜り込ませたベルトの上に主食材又は具材を掬い上げ、前記主食材又は具材がベルトの上に掬い上げられた状態で前記スライド板を後退移動させ、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトをスライド板の下面側に引き戻して前記ベルト上の主食材又は具材を当該ベルトの上から降ろす方法である。
[積層食品製造方法]
本発明の積層食品製造方法は、二以上の主食材の間に具材が積層された積層食品の製造方法であって、主食材搬送体で搬送される主食材をその主食材搬送体と対向する位置に配置された主食材移載装置で掬い上げ、当該主食材を前記主食材搬送体と主食材移載装置の間に配置された搬送コンベアで搬送される食品キャリアに供給し、具材搬送体で搬送される具材をその具材搬送体と対向する位置に配置された具材移載装置で掬い上げ、当該主食材を前記搬送コンベアで搬送される食品キャリアに供給し、前記主食材供給装置による主食材の供給と前記具材供給装置による具材の供給を、所望回数、所望順序で繰り返すことによって積層食品を製造する方法である。
[積層食品袋詰め方法]
本発明の積層食品袋詰め方法は、前記積層食品を積層食品製造装置の先方に配置された切断装置で切断し、前記切断装置で切断した切断済み積層食品を、当該切断装置の近傍に配置された食品送出装置で掬い上げ、前記食品送出装置で掬い上げた切断済み積層食品を、当該食品送出装置の先方に配置された切断食品搬送体に送り出し、前記切断食品搬送体に送り出された切断済み積層食品を、当該切断食品搬送体の近傍に設けられた把持装置で把持し、前記切断食品搬送体の近傍に配置されたストッカー内の袋を、当該切断食品搬送体の近傍に配置された袋取出し装置で一枚ずつ取り出し、前記袋取出し装置で取り出した袋の開口部を、当該袋取出し装置の近傍に配置された袋開口装置で開口し、前記把持装置で把持した切断済み積層食品を前記袋開口装置で開口した袋内に差し込み、その状態で、把持装置の把持を解放することによって、当該切断済み積層食品を袋内に収容する方法である。
本発明の食品移載方法及び食品移載装置は、次の効果を奏する。
(1)スライド板を前進移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材又は具材の下面側に潜り込ませる構造であるため、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材をその形を崩さずに掬い上げることができる。
(2)スライド板を後退移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材や具材の下から引き抜く構造であるため、前記定形性のない具材をその形を崩さずに他の場所に移載することができる。
(3)昇降装置を設けた場合、スライド板の位置を食品の掬い上げや移載に適した高さに調節することができるので、食品の掬い上げや移載に際して、具材を他の場所に確実に移載することができる。
本発明の積層食品製造方法及び積層食品製造装置は、次の効果を奏する。
(1)本発明の食品移載装置を備えているので、前記食品移載装置と同様の効果を奏する。
(2)主食材供給装置と具材供給装置によって、所定数の主食材と所定量の具材を順次供給することができるため、積層食品を効率的に製造することができる。
(3)主食材供給装置と具材供給装置の設置台数を増減するだけで、所望数の積層食品を重ねて製造することができるため、積層食品を一つずつ製造する場合と比べて作業効率が良い。
(4)主食材供給装置と具材供給装置の設置台数を増減するとともに、それらの設置個所を適宜設定するだけで、一の具材を挟んだ積層食品でも、複数の具材を挟んだ積層食品でも簡単に製造することができる。
(5)具量調節手段を設けて具材の量や厚さを調節できるようにすれば、当該具材の上に載せた主食材や具材が傾いたり、落下したりする問題が生じにくい。
本発明の積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置は、次の効果を奏する。
(1)前記積層食品製造装置を用いる装置であるため、前記積層食品製造装置と同様の効果を奏する。
(2)積層食品製造装置の先方に、積層食品を切断する切断装置と、切断された積層食品を搬送する切断食品搬送体と、切断装置で切断された積層食品を切断食品搬送体に送り出す食品送出装置と、切断された積層食品を袋に詰めるための袋詰め装置が設けられているため、積層食品の製造から袋詰めまでを一つのラインで完結させることができる。
(3)食品送出装置として本発明の食品移載装置を用いた場合、積層食品を崩すことなく、切断装置搬送体に送り出すことができる。
(a)本発明の食品移載装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の食品移載装置の背面側概略図。 図1に示す食品移載装置の平面側概略図であって、(a)はスライド機構のスライド体が最後方にさがり、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(b)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(c)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に伸長した状態を示すもの。 本発明の食品移載装置におけるスライド板とベルトの動作を説明するものであって、(a)はスライド板が最後方まで下がった状態を示す側面図、(b)はスライド板が途中まで前進した状態を示す側面図、(c)はスライド板が最前方まで前進した状態を示す側面図。 本発明の積層食品製造装置の概要を示す平面図。 (a)〜(f)はパン供給装置の動作説明図。 具材搬送体の一例を示す分解斜視図。 図6に示す厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(d)は厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(f)は具材供給装置の動作説明図。 (a)は切断装置の一例を示す正面図、(b)は切断装置の動作説明図。 (a)〜(e)は食品送出装置の動作説明図。 (a)は把持装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の把持装置の平面図、(c)は(a)の把持装置の側面図。 把持装置をロボットアームに取り付けた場合の概要説明図。 (a)〜(e)は図12に示す把持装置の動作説明図。 (a)(b)はストッカーに収容されたフィルム袋を袋取出し装置で取り出す場合の動作説明図、(c)〜(e)は袋取出し装置で取り出したフィルム袋を袋開口装置の上板で引き継ぐ場合の動作説明図。 (a)〜(c)は引き継いだフィルム袋の開口部を上板と下板とで開口する場合の動作説明図。
(食品移載方法及び食品移載装置の実施形態)
本発明の食品移載方法及び食品移載装置1の一例を、図面を参照して説明する。本発明の食品移載装置1は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのように、二以上の主食材(パンや薄型円盤状に成形されたライス等のことを指す。本願において同じ。)Aの間に具材(ゆでたまご、ツナマヨネーズ、ポテトサラダ、ハンバーグ、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード等のことを指す。本願において同じ。)Bが挟まれた積層食品の製造に際し、当該主食材Aや具材Bを掬い上げて所望の場所へ移動させることのできる装置である。
[食品移載装置の概要]
一例として図1(a)(b)に示す食品移載装置1は、固定基材2と、第一の可動基材3と、第二の可動基材4と、スライド機構5と、進退機構6と、昇降装置7を備えたものである。固定基材2と第一の可動基材3はスライド機構5を介して接続され、第一の可動基材3と第二の可動基材4は進退機構6を介して接続され、固定基材2と昇降装置7が接続されている。
[固定基材]
前記固定基材2は、スライド機構5が取り付けられたスライド機構取付け部2aと、昇降装置7が取り付けられた昇降装置取付け部2bを備えたものであり、昇降装置7の上下動作によって昇降するように構成されている。固定基材2は、ステンレス板など板材を折り返して形成することができる。
[スライド機構]
前記固定基材2に取り付けられたスライド機構5は、第一の可動基材3を前後方向にスライドさせるための機構である。この実施形態では、スライド機構5として、株式会社コガネイのフラットロッドレスタイプのエアシリンダ(型番:MRVS22X200-ZE135-A2)を用いている。このエアシリンダは、スライドチューブ5aにスライド体5bが設けられたものであり、エアを動力としてスライド体5bがエアチューブ5aの長手方向(前後方向)にスライドするように構成されている。当該エアシリンダのうち、スライドチューブ5aの部分が固定基材2に取り付けられ、そのスライドチューブ5aにスライド体5bがスライド自在に設けられている。スライド機構5はこれ以外のものを用いることもできる。
[第一の可動基材]
前記第一の可動基材3はスライド機構5のスライド体5bに接続され、当該スライド体5bの前後方向への移動に伴って、同方向へ移動するように構成されている。一例として図1(a)(b)及び図2(a)〜(c)に示す第一の可動基材3は、長板3aの先端に横板3bが連結された平面視T字状の部材であり、長板3aの一面に第一のガイドレール8が取り付けられている。第一のガイドレール8は背面視逆向きのコ字状であり(図1(b))、固定基材2に固定された第一のスライダー9が当該第一のガイドレール8の通路に嵌合するようにしてある。第一のガイドレール8に第一のスライダー9を嵌合させることで、第一の可動基材3のスムーズな前後移動が可能になる。
[進退機構]
前記第一の可動基材3の長板3aの他面には、前記進退機構6が設けられている。進退機構6は、第二の可動基材4を前後方向に移動させるものである。この実施形態では、進退機構6として、株式会社コガネイのペンシリンダ(型番:PBDAS16X100-7-ZC230B2)を用いている。このペンシリンダは、シリンダチューブ6aとロッド6bを備えたものであり、エアを動力としてロッド6bが進退するように構成されている。当該進退機構6のうち、シリンダチューブ6aが第一の可動基材3に取り付けられている。
前記ロッド6bの先端には、第二のスライダー10が取り付けられ、当該第二のスライダー10が、第一の可動基材3に取り付けられた第二のガイドレール11に嵌合するように構成されている。第二のガイドレール11に第二のスライダー10を嵌合させることで、第二の可動基材4のスムーズな前後移動が可能になる。第二のスライダー10の外側には第二の可動基材4が取り付けられ、第二のスライダー10の前後方向の移動に伴って、同方向に移動するようにしてある。
[第二の可動基材]
前記第二の可動基材4には、平面視縦長方形のスライド板12が固定され、当該第二の可動基材4の前後移動に伴って、当該スライド板12が前後に移動するように構成されている。第二の可動基材4は間隔をあけて設けられた一対のスライド体保持片4a、4bを備え、当該スライド体保持片4a、4bの間にスライド板12が保持されている。この実施形態では、ステンレス板を所望形状に折り曲げた複数の部材を組み合わせて第二の可動基材4を形成している。
[ベルト]
前記スライド板12の外周には、一枚のシート状のベルト13が周回されている。ベルト13は滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。このベルト13の両端部13a、13bは、第一の可動基材3の横板3bと当該横板3bに対向配置された保持板14の間に配置され、当該横板3bと保持板14の間に固定されている。図示は省略しているが、ベルト13の両端部13a、13bの間に平板状のスペーサーを配置し、横板3b−ベルトの一端13a−スペーサー−ベルトの他端13b−保持板14が、この順番で重なるように固定することもできる。これら部材の固定には、ボルトとナットなど、既存の留め具15を用いることができる。この実施形態では、ベルト保持手段として、横板3b及び保持板14を用いる場合を一例として説明しているが、ベルト13を確実に保持できる限り、ベルト保持手段はこれ以外の構成とすることもできる。
[ベルトの動作原理]
前記スライド板12に周回されたベルト13の動作原理は、図3(a)〜(c)によって説明することができる。図3(a)はスライド板12が最後方に位置している状態を示すものである。この状態から、スライド板12を図3(b)(c)のように前方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の下面側13xがスライド板12の上面側に送り出される。反対に、図3(c)のようにスライド板12が最前方に位置している状態から、スライド板12を図3(b)(a)のように後方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻される。この動作によって、スライド板12の外周のベルト13の上面側13yに移載対象である主食材Aや具材Bを掬い上げ、掬い上げた主食材Aや具材Bを他の場所に降ろすことができる。なお、ベルト13の下面側13xと上面側13yは相対的な概念であり、下面側13xの部分がスライド体12の上面側に繰り出されると当該部分は上面側13yとなり、反対に、上面側13yの部分がスライド体12の下面側に引き戻されると、当該部分は下面側13xとなる。
[昇降装置]
前記昇降装置7は、固定基材2及びそれに連関する部材、具体的には、固定基材2、第一の可動基材3、第二の可動基材4、スライド機構5、進退機構6、スライド板12、ベルト13及びベルト保持手段を、を上下方向に昇降させるための機構である。この実施形態では、昇降機構7として株式会社ダイアディックシステムズ製の電動シリンダ(型番:SCN6-20-150BW)を用いている。昇降装置7は前記部材を昇降できるものであればこれ以外であってもよい。昇降装置7を動作させて前記食品移載装置1を昇降させることによって、食品移載装置1を食品の取出しや移載に適した高さに適宜調節することができる。昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することもできる。
[食品移載装置の動作]
本発明の食品移載装置1の動作について、図2(a)〜(c)を参照して説明する。
(1)図2(a)の待機状態でスライド機構5を動作させると、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4が前進する。このとき、固定基材2及び当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5aは移動しない。また、ロッド6bは後退した状態で保持されている。
(2)前記(1)の状態から、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4を図2(b)の状態まで前進させたのち、進退機構6のロッド6bを前進させると、当該ロッド6bの先端に取り付けられた第二の可動基材4が前進移動する。このとき、固定基材2、当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5a、当該スライドチューブ5aに取り付けられたスライド体5b、当該スライド体5bに接続された第一の可動基材3は移動しない。
(3)前記(2)の状態から、進退機構6のロッド6bを前進させて第二の可動基材4を図2(c)の状態まで前進させると、その移動に伴って第二の可動基材4に取り付けられたスライド板12が前進し、当該スライド板12に周回されたベルト13のうち、下面側13xがスライド板12の上面側に繰り出される。
前記(1)〜(3)の動作を、スライド板12の先端を移動対象である主食材Aや具材B等の食品の下側に配置した状態で行うことで、スライド板12がこれら食品の下面側に潜り込み、当該食品をベルト13の上面側13yに掬い上げることができる。食品がベルト13の上に掬い上げられた状態でスライド板12を後退移動させと、当該スライド板12に周回されたベルト13の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻され、当該ベルト13上の食品が当該ベルト13の上から降ろされる。
(積層食品製造方法及び積層食品製造装置の実施形態)
本発明の積層食品製造方法及び積層食品製造装置(以下「製造装置」という)20の一例を、図面を参照して説明する。本発明の製造装置20は、サンドイッチやハンバーグ、ライスバーガーといった二以上の主食材Aの間に具材Bが挟まれた各種積層食品の製造に用いることができるが、ここでは、積層食品が四角形状のパンAの間にゆでたまごBが挟まれたサンドイッチSの場合を一例として説明する。また、この実施形態では、サンドイッチSを二セット重ねて製造する場合を一例として説明する。
[製造装置の概要]
一例として図4に示す製造装置20は、搬送コンベア21と、二以上の食品キャリア22と、当該食品キャリア22に下側のパン(以下、説明の便宜上、「第一の下パン」という)A1を供給する第一のパン供給装置23と、当該第一の下パンA1の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第一の具材」という)B1を供給する第一の具材供給装置24と、当該第一の具材B1の上に一つ目のサンドイッチSの上パン(以下、説明の便宜上、「第一の上パン」という)A2及び二つ目のサンドイッチの下パン(以下、説明の便宜上、「第二の下パン」という)A3を重ねて供給する第二のパン供給装置25と、当該第二の下パンA3の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第二の具材」という)B2を供給する第二の具材供給装置26と、当該第二の具材B2の上に上パン(以下、説明の便宜上、「第二の上パン」という)A4を供給する第三のパン供給装置27を備えたものである。
[搬送コンベア]
前記搬送コンベア21は、その表面側に間隔をあけて取り付けられた二以上の食品キャリア22及びその上に載置されていくサンドイッチS(前記製造過程にあるもの及び完成したものの双方を含む。本願において同じ。)搬送するものである。一例として図4に示す搬送コンベア21は無端状のベルトコンベアであり、先端部に達したベルトはそのまま下側に回り込んで元の位置に戻るように構成され、ベルト表面に取り付けられた食品キャリア22を先方に向けて搬送して元の位置に戻せるようにしてある。この実施形態では、搬送コンベア21として、モータで駆動する既存のベルトコンベアを用いているが、食品キャリア22を搬送できるものであれば、ベルトコンベア以外のコンベアであってもよい。また、搬送コンベア22は、無端状のものに限らず、有端状のものであってもよい。搬送コンベア21は、メンテナンスや修理の容易化のため、正逆両方に回転させられるようにしておくのが好ましい。
[食品キャリア]
前記搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22は、サンドイッチSを載置するための部材である。この実施形態で用いている食品キャリア22は、図10(b)に示すように、平板状の載せ板22aと、当該載せ板22aに間隔をあけて突設された二枚の立設板22b、22cとから構成されている。二枚の立設板22b、22cの間隔は、製造するサンドイッチSの主食材Aが収まる広さとしてある。載せ板22aの表面には、一方の立設板22bの一端側から他方の立設板22bの他端側に向けて斜めの溝(以下「斜め溝」という)22dが形成され、完成したサンドイッチSを切断装置28で三角形状に切断する際に、当該切断装置28の切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
[パン供給装置]
前記第一のパン供給装置23、第二のパン供給装置25及び第三のパン供給装置27は同じ構造のものであり、パンAを所定間隔で一列に搬送するパン搬送体(主食材搬送体)29とパン移載装置(主食材移載装置)30を備えている。図4に示すように、パン搬送体29とパン移載装置30は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、パン搬送体29で搬送されたパンAを対向位置に配置されたパン移載装置30で掬い上げ、両者の間を移動する食品キャリア22に供給できるようにしてある。
[パン搬送体]
この実施形態のパン搬送体29は、モータで駆動する既存のベルトコンベアである。パン搬送体29には、パンAの搬送方向先方寄りの位置に、搬送されたパンAの先端を検出する先端センサー(主食材検出センサー)31が設けてあり、当該先端センサー31によってパンAの先端が検出されたときに、パン搬送体29が停止するようにしてある。パン搬送体29の停止によって、パン搬送体29の先頭に停止したパンAがパン移載装置30によって掬い上げられる。パン搬送体29へのパンAの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできるが、パンAの重なりを防止するため、いずれの場合も、パンAは所定間隔をあけて搬送するのが好ましい。
[パン移載装置]
前記パン移載装置30は、パン搬送体29の先頭に停止したパンAを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22に移すための装置である。この実施形態では、パン移載装置30として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
パン搬送体29とパン移載装置30を備えた各パン供給装置23、25、27は、例えば、図5(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22にパンAを供給することができる。ここでは、第一のパン供給装置23を一例として説明するが、第二のパン供給装置25及び第三のパン供給装置27、並びに本願に出てくるその他のパン供給装置も同様に動作する。
(1)図5(a)は第一のパン供給装置23の待機状態を示すものである。この状態において、パン移載装置30は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、パン搬送体29には複数枚の第一の下パンA1が間隔をあけて搬送され、先端が検出された第一の下パン(以下「移載対象パン」という)A1がパン搬送体29の先頭部分で停止した状態にある。
(2)前記(1)の状態から、パン移載装置30のスライド機構5を動作させ、図5(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材をパン搬送体29に向けて前進させる。このとき、パン移載装置30のスライド板12が移載対象パンA1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によってパン移載装置30を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、パン移載装置30の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図5(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象パンA1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(d)のように上昇させ、移載対象パンA1をパン搬送体29上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図5(e)のように後退させ、パン搬送体29とパン移載装置30の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(f)のように降下させてスライド板12を食品キャリア22上に配置し、その状態で、パン移載機構30の進退機構6を収縮させてスライド板12を引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ板22a上に移載対象パンA1が供給される。
なお、第一のパン供給装置23、第二のパン供給装置25及び第三のパン供給装置27は同構造であり、その動作も同じであるが、それぞれの役割は異なる。具体的には、第一のパン供給装置23は食品キャリア22上に第一の下パンA1を、第二のパン供給装置25は第一の具材B1の上に第一の上パンA2及び第二の下パンA3を、第三のパン供給装置27は具材B2の上に第二の上パンA4を供給するという異なる役割を担う。また、第二のパン供給装置25は、第一の上パンA2と第二の下パンA3を重ねて供給するため、第二のパン供給装置25におけるパン搬送体29では、第一の上パンA2と第二の下パンA3を二枚重ねにして搬送する必要がある。
[具材供給装置]
前記第一の具材供給装置24及び第二の具材供給装置26は同じ構造のものであり、具材Bの量を調整しながら搬送する具材搬送体32と具材移載装置33を備えている。図4に示すように、具材搬送体32と具材移載装置33は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、具材搬送体32で搬送された具材Bを対向位置に配置された具材移載装置33で掬い上げて、両者の間を移動する食品キャリア22に供給できるようにしてある。
[具材搬送体]
この実施形態の具材搬送体32は、図6に示すように、モータで駆動する既存のベルトコンベア34の上面側に、具材Bの横幅を調節する横幅調節体35と、具材Bの厚みを調節する厚み調節体36を備えたものである。横幅調節体35は間隔をあけて配置された二枚の横板35a、35bと、それら横板35a、35bの後端側を連結する後連結板35cと、それら横板35a、35bの前端側に架設された前連結棒35dを備えた平面視縦長方形状であり、両横板35a、35bの前端側であって前連結棒35dの下側には、具材Bの横幅を規制する幅規制具35eが設けられている。図6に示す幅規制具35eは、平面視く字状であり、その一部が内向きに突出するように取り付けられている。両横板35a、35bにはブラケット37が設けられ、横幅調節体35は、当該ブラケット37を介してベルトコンベアの外側に配置された外フレーム38に固定されている。
[厚み調節体]
前記厚み調節体36は、間隔をあけて配置された二枚の側板36a、36bと、それら両側板36a、36bの前面側に設けられた前板36cと、両側板36a、36bの後方側を連結する後連結軸36dを備え、前板36cの幅方向両外側に縦長のアーム39a、39bが設けられている。前板36cは具材Bを一定厚に均す部分であり、具材Bに直接触れる部分であるため、その先端に具材Bに触れても問題のない材質の保護材40が設けてある。
両アーム39a、39bは外フレーム38の外側に配置され、両アーム39a、39bの下端側に設けられた切欠き溝41a、41bに図示しない偏芯軸が架設されている。この偏芯軸には駆動モータが連結され、当該駆動モータによって偏芯軸を回転させると、厚み調節体36が図7のような軌道で回転するようにしてある。偏芯軸の回転によって厚み調節体36の前板36cとベルトコンベアの表面の間隔Lが図8(a)〜(d)のように変化する。当該間隔が図8(a)のように狭い状態でベルトコンベア34が走行することで、厚み調節体36の前板36cによって具材Bの厚みが調節され、当該間隔が図8(c)のように広がった状態でベルトコンベア34が走行することで、一定厚に均された具材Bが前板36cの下を通過する。具材Bの量は、偏芯軸の回転数、すなわち、厚み調節体36の前板36cの下を具材Bが通過する回数によって調節することができる。また、具材Bの厚さは前板36cの高さや前板36cの先端につける保護材40の高さによって調節することができる。
具材搬送体32には、具材搬送方向先方寄りの位置に、ベルトコンベア34上を搬送された具材Bの先端を検出する先端センサー(具材検出センサー)42が設けてあり、当該先端センサー42によって具材Bの先端が検出されたときに、具材搬送体32が停止するようにしてある。具材Bは、横幅調節体35と厚み調節体36で調節されているため、具材Bの先端が検出されたときには、毎回同量又は略同量の具材Bが停止する。具材搬送体32の停止によって、具材搬送体32の先頭に停止した具材Bは具材移載装置33によって掬い上げられる。具材搬送体32への具材Bの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできる。いずれの場合も、具材Bの詰まりを防止する観点から、具材Bはある程度の厚さに均した状態で供給するのが好ましい。
[具材移載装置]
前記具材移載装置33は、具材搬送体32の先頭に停止した所定量の具材Bを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22(より具体的には食品キャリア22の上パンAの上)に移すための装置である。この実施形態では、具材移載装置33として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
具材搬送体32と具材移載装置33を備えた各具材供給装置24、26は、例えば、図9(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22上のパンAの上に具材Bを供給することができる。ここでは、第一の具材供給装置24を一例として説明するが、第二の具材供給装置26及び本願に出てくるその他の具材供給装置も同様に動作する。
(1)図9(a)は第一の具材供給装置24の待機状態を示すものである。この状態において、具材移載装置33は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、具材搬送体32では第一の具材B1が搬送され、先端が検出された具材(以下「移載対象具材」という)B1が具材搬送体32の先頭部分で停止した状態にある。停止状態にある移載対象B1の量は、第一の下パンA1の上に載る量としてある。
(2)前記(1)の状態から、具材移載装置33のスライド機構5を動作させ、図9(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を具材搬送体32に向けて前進させる。このとき、具材移載装置33のスライド板12が移載対象具材B1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によって具材移載装置33を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、具材移載装置33の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図9(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象具材B1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を図9(d)のように上昇させ、移載対象具材B1を具材搬送体32上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図9(e)のように後退させ、具材搬送体32と具材移載装置33の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を降下させてスライド板12を食品キャリア22の上に配置したのち、その状態で、具材移載装置33の進退機構6を後退させてスライド板12を図9(f)のように引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ面上にある第一の下パンA1の上に移載対象具材B1が供給される。
なお、第一の具材供給装置24及び第二の具材供給装置26は同構造であり、その動作も同じである。第一の具材供給装置24及び第二の具材供給装置26で供給する具材Bは、同じものであっても、異なるものであってもよい。同じ具材Bを供給するようにした場合、完成する二セットのサンドイッチSは同じものであり、異なる具材Bを供給するようにした場合、完成するにセットのサンドイッチSは異なるものとなる。
(積層食品製造方法及び積層食品製造装置の他の実施形態)
前記実施形態では、一つの具材Bが挟まれたサンドイッチSを、二セット重ねて製造する場合を一例としているが、パン供給装置と具材供給装置の台数及び配置を適宜設定することによって、二以上の具材Bが挟まれたサンドイッチSを製造したり、三セット以上のサンドイッチSを重ねて製造したりすることもできる。例えば、三セットのサンドイッチSを重ねて製造したい場合は、パン供給装置を四台と具材供給装置を三台用意し、第一のパン供給装置23−第一の具材供給装置24−第二のパン供給装置25−第二の具材供給装置26−第三のパン供給装置27−第三の具材供給装置(図示しない)−第四のパン供給装置(図示しない)の順番で配置し、第二のパン供給装置25と第三のパン供給装置27で二枚のパン(第一の上パンA2及び第二の下パンA3と、第二の上パンA4及び第三の下パンA5)を積層して供給できるようにすればよい。
また、パン供給装置と具材供給装置の台数を減らしてサンドイッチSを一セットだけ製造することもできる。この場合、パン供給装置を二台、具材供給装置を一台用意し、第一のパン供給装置23−第一の具材供給装置24−第二のパン供給装置25の順番で配置すればよい。
なお、ここまで説明した実施では、複数セットのサンドイッチSを重ねて製造する場合には、いずれかのパン供給装置(例えば、図4における第二のパン供給装置25)でパンAを二枚積層して供給するようにしているが、二台のパン供給装置を隣り合わせに並べて、それぞれのパン供給装置で一枚ずつパンを供給するようにしてもよい。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造する場合を一例としているが、本発明の製造装置20でハンバーガーやライスバーガーを作る場合には、具材Bとしてハンバーグやトマト、レタス、ケチャップ、マヨネーズ、タルタルソースなどを順次移載していけばよい。本発明の製造装置20では、本発明の食品移載装置1を用いるため、ケチャップやマヨネーズ、タルタルソースのような定形性を有しない具材Bであっても、形状を保持したまま移載することができる。
(積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置の実施形態)
本発明の積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置(以下「袋詰め装置」という)50の一例を、図面を参照して説明する。この実施形態の袋詰め装置50は、前記製造装置20で製造したサンドイッチSを切断してフィルム袋Pに詰める装置であり、前記製造装置20の先方に設けられた切断部54と、その切断部54で切断されたサンドイッチ(以下「切断済みサンドイッチ」という)Sを搬送する切断食品搬送体51と、当該切断食品搬送体51に切断済みサンドイッチSを送り出す食品送出装置52と、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに詰めるための袋詰めユニット53を備えている。
[切断部及び停止部]
図4に示すように、この実施形態では、図4に示す搬送コンベア21の第三のパン供給装置27の先方に、サンドイッチSの切断部54が設けられている。搬送コンベア21は、食品キャリア22が切断部54に到達したときに停止するように構成されている。前記切断装置28はこの切断部54に設けられ、切断部54に到達した食品キャリア22上のサンドイッチSを上方から切断できるようにしてある。切断装置28には、例えば、図10(a)(b)に示すような超音波切断機を用いることができる。この超音波切断機は、超音波で切断刃28aを振動させることによってサンドイッチSを切断するものであり、切断部54に停止しているサンドイッチSの上方から真下に切断刃28aを降下させるとともに、当該切断刃28aを振動させることによって、サンドイッチSを切断するものである。なお、図10(b)に示すように、この実施形態の食品キャリア22の載せ板22aには斜め溝22dが形成されており、切断刃28aを降下させたときに、当該切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
図4に示すように、搬送コンベア21の切断部54の先方には切断済みサンドイッチSが停止する停止部55が設けられている。切断済みサンドイッチSは搬送コンベア21上をさらに走行し、停止部55に到達したところで停止する。停止部55の側方(図4の例では、搬送コンベア21の搬送方向右側方)には、切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出す食品送出装置52が設けられている。
[食品送出装置]
前記食品送出装置52は、搬送コンベア21の停止部55に停止した切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出すための装置である。この実施形態では、食品送出装置52として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。なお、停止部55の高さ(搬送コンベア21の高さ)は予め特定されているため、食品送出装置52は搬送コンベア21の高さに合わせて設定しておけばよい。したがって、昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
食品送出装置52は、例えば、図11(a)〜(e)に示す手順で停止部55上の切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51に送り出すことができる。
(1)図11(a)は食品送出装置52の待機状態を示すものである。この状態において、食品搬送装置52は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。この状態において、ベルト13が周回されたスライド板12が、切断済みサンドイッチSの底面側手前に配置されている。
(2)前記(1)の状態から、食品送出装置52の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図11(b)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を切断済みサンドイッチSの下側に潜り込ませ、切断済みサンドイッチSをスライド板12の外周のベルト13の上に掬い上げる。
(3)前記(2)の状態から、食品送出装置52のスライド機構5を動作させ、図11(c)のように第一の可動基材3及びこれに接続された部材を切断食品搬送体51に向けて前進させ、スライド板12を切断食品搬送体51上に配置する。
(4)前記(3)の状態から、進退機構6を収縮させ、図11(d)のように食品送出装置52のスライド板12を引き戻すことによって、切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51上に移載する。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図11(e)のように後退させ、次の切断済みサンドイッチSの移載に備える。
[切断食品搬送体]
前記切断食品搬送体51は、切断済みサンドイッチSを食品キャリア22から受け継いで、その切断済みサンドイッチSをさらに先方へ搬送するためのものである。この実施形態では、切断食品搬送体51として既存のベルトコンベアを用いている。ベルトコンベアの先方には、切断済みサンドイッチSを検出する切断食品検出センサー56が設けられ、当該切断食品検出センサー56が切断食品搬送体51で搬送される先頭の切断済みサンドイッチSを検出すると、当該ベルトコンベアが停止するようにしてある。
[袋詰めユニット]
前記袋詰めユニット53は、切断食品搬送体51上の切断済みサンドイッチSを把持する把持装置57と、フィルム袋Pを積層してストックしておくストッカー58と、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出す袋取出し装置59と、取り出したフィルム袋Pの開口部を開く袋開口装置60を備えている。前記把持装置57には、例えば、特許文献1記載の物品把持装置を用いることができる。
[把持装置]
この把持装置57は、図12(a)〜(c)に示すように、本体61と、当該本体61に設けられた一対の把持体62a、62bと、当該把持体62a、62bを駆動させる駆動手段63a、63bを備えたものである。一対の把持体62a、62bは、両把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが収まる広さの間隔をあけて対向配置してある。それぞれの把持体62a、62bは、スライド板64a、64bの外周にシート状のベルト65a、65bが周回され、そのベルト65a、65bの両端部側が本体61に固定されている。ベルト65a、65bは、前記食品移載装置1におけるベルト13と同様、滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。駆動手段63a、63bによって両スライド板64a、64bを前記本体61の先方に突出するまで前進移動させると、突出した一対の把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが把持され、両スライド板64a、64bを後退移動させると、一対の把持体62a、62b間に把持されていた切断済みサンドイッチSの把持が解放されるようにしてある。
前記一対の把持体62a、62bは、両者を同時に移動するようにすることも、別々に移動するようにすることもできる。また、把持体62a、62bの先端側は、把持した切断済みサンドイッチSの外に突出しないように階段状の段差を持たせてある。本体61はロボットアームRへの取付け部66を備え、図13のようにロボットアームRに取り付けて使用できるようにしてある。なお、把持装置57は、図4に示すように、切断食品搬送体51の搬送方向両側方に一台ずつ設けてあり、それぞれの把持装置57で、把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに挿入できるようにしてある。
把持装置57は、例えば、図14(a)〜(e)の手順で切断済みサンドイッチSを把持することができる。図14(a)に示すように、本体61の先端の当て部67(図14(a))を切断食品搬送体51の上にある切断済みサンドイッチSの背面に押し当てる(図14(b))。その状態で、本体61を前進させることなくその位置に保持して、本体61の先端に設けられている二枚の把持体62a、62bのうち一方(図14(b)では上方の把持体62b)を、本体61の先方に前進移動させて切断済みサンドイッチSの上面に宛がう(図14(b))。その状態で、他方の把持体(図14(c)では下方の把持体62a)を本体61の先方に前進移動させて、把持体62bのベルト65bで切断済みサンドイッチSの下面を掬いあげて、両把持体62a、62bの間に切断済みサンドイッチSを把持する(図14(c))。切断済みサンドイッチSを把持した把持装置57は、本体61の軸線周りに回転させ、把持した切断済みサンドイッチSを図14(d)のように縦向きに変更できるようにしてある。切断済みサンドイッチSを縦向きにした把持装置57は、ロボットアームRの動作によって、図14(e)のように水平方向に回転させられるようにしてある。
[ストッカー]
図15(a)〜(e)に示すように、前記ストッカー58は上下に開口部58a、58bを備え、フィルム袋Pを上側の開口部(上側開口部58a)から入れて下側の開口部(下側開口部58b)からフィルム袋Pを取り出せるようにしてある。一例として図4に示すストッカー58は、フィルム袋Pを横並びにストックできる構造のものである。なお、本実施形態におけるフィルム袋Pは上面P1と下面P2を備えた既存のサンドイッチ用フィルム袋であり、上面P1と下面P2の両者が重なった状態でストッカー58に積層収容されている。
[袋取出し装置]
ストッカー58の近傍には、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出すための袋取出し装置59が設けられている(図4)。一例として、図4及び図15(a)〜(e)に示す袋取出し装置59は、ストッカー58の手前側からストッカー58の下側までの大きさの基体59aに移動体59bが設けられたものであり、当該移動体59bが基体59aに沿ってスライド可能なものである。移動体59bは図示しない昇降手段によって上下に昇降するようにしてあり、移動体59bをストッカー58の下側に接近させられるようにしてある。移動体59bには、フィルム袋Pを吸着保持するための取出し吸盤68が設けられ、ストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持できるようにしてある。
[袋開口装置]
前記袋取出し装置59の近傍には、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pの開口部を開口する袋開口装置60(図4)が設けられている。一例として図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c)に示す袋開口装置60は、フィルム袋Pの下面P2を保持する下側部材60bとフィルム袋Pの上面P1を保持する上側部材60aを備えている。図4に示すように、下側部材60bは前記切断食品搬送体51の先方に間隔をあけて配置されている。上側部材60aは回転軸69(図15(c)〜(e))に取り付けられ、当該下側部材60bの上方と袋取出し装置59の移動体59bの上方の間を往復移動できるようにしてある。また、上側部材60aは水平軸部材72(図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c))を備え、当該水平軸部材72を回転軸として上下方向に傾動できるようにしてある。下側部材60bの上面側にはフィルム袋Pの下面P2を吸着保持する下面用吸盤70が、上側部材60aの下面側には同フィルム袋Pの上面P1を吸着保持する上面用吸盤71が設けられている。前記袋取出し装置59の取出し吸盤68並びに袋開口装置60の下面用吸盤70及び上面用吸盤71には、図示しない吸引装置が接続され、当該吸引装置によって、フィルム袋Pを吸引できるようにしてある。
ストッカー58内のフィルム袋Pの取出しと当該フィルム袋Pの開口部の開口は、例えば、次の手順で行うことができる。
(1)基体59aに設けられた移動体59bを図15(a)のようにストッカー58の下に滑り込ませ、その状態で基体59aをストッカー58の底面側に向けて上昇させる。上昇させたところで、移動体59bの取出し吸盤68でストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持する。
(2)前記(1)の状態で、基体59aを図15(b)のように元の位置まで降下させて、移動体59bを元の位置まで引き戻す。
(3)前記(2)の状態で、回転軸69を回転させることによって、上側部材60aを図15(c)のように上側部材60aをフィルム袋Pを保持した状態の移動体59bの上側まで移動させる。
(4)前記(3)の状態で、上側部材60aを図15(d)のように下向きに傾倒させ、その上側部材60aの上面用吸盤71で移動体59bで保持されたフィルム袋Pを吸着する。
(5)前記(4)の状態で、上側部材60aを図15(e)のように上向きに元の位置まで復帰させ、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pを移動体59bから上側部材60aに引き継ぐ。フィルム袋Pを引き継いだ後、回転軸69を回転させることによって、フィルム袋Pを保持した上側部材60aを下側部材60bの上方まで移動さ、上側部材60aと下側部材60bとを対向させる(図16(a))。
(6)前記(5)の状態で、下側部材60bを図16(b)のように斜め上向きに立ち上げ、上側部材60aの上面用吸盤71で上面P1が吸着保持されたフィルム袋Pの下面P2を当該下側部材60bの下面用吸盤72で吸着保持する。
(7)前記(6)の状態で、下側部材60bを図16(c)のように元の位置に戻すと、上面P1が上面用吸盤71で吸着保持され、下面P2が下面用吸盤70で吸着保持されたフィルム袋Pの開口部が開口される。
前記要領でフィルム袋Pの開口部を開口した後、切断済みサンドイッチSを保持した把持装置57をロボットアームRの動作によってフィルム袋P側に水平回転させ、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pの開口部の手前まで移動させる(図16(c))。この状態で、把持装置57をフィルム袋Pの開口部からフィルム袋P内に差し込み、その把持装置57をフィルム袋P内に差し込んだ状態で把持装置57のスライド板64a、64bを後退させることによって、把持装置57で把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋P内に収容することができる。なお、切断済みサンドイッチSが収容されたフィルム袋Pは、図4に示すように、切断食品搬送体51の先方に設けられた排出コンベア73に移載される。切断済みサンドイッチSを収容したフィルム袋Pは、排出コンベア73のさらに先方で手作業によって封締めされる。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造して袋詰めする場合を一例としているため、フィルム袋Pをストッカー58に収容しているが、ハンバーガーやライスバーガーなどを製造して袋詰めする場合には、既存の紙製袋を用いることもできる。
本発明の食品移載装置1はサンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーの主食材Aや具材Bの移動に、本発明の積層食品製造装置20は、これらの製造に特に好適に用いることのできるものである。
1 食品移載装置
2 固定基材
2a スライド機構取付け部
2b 昇降装置取付け部
3 第一の可動基材
3a 長板
3b 横板
4 第二の可動基材
4a、4bスライド体保持片
5 スライド機構
5a スライドチューブ
5b スライド体
6 進退機構
6a シリンダチューブ
6b ロッド
7 昇降装置
8 第一のガイドレール
9 第一のスライダー
10 第二のスライダー
11 第二のガイドレール
12 スライド板
13 ベルト
13a、13b (ベルトの)両端部
13x (ベルトの)下面側
13y (ベルトの)上面側
14 保持板
15 留め具
20 積層食品製造装置(製造装置)
21 搬送コンベア
22 食品キャリア
22a 載せ板
22b、22c 立設板
22d 斜め溝
23 第一のパン供給装置
24 第一の具材供給装置
25 第二のパン供給装置
26 第二の具材供給装置
27 第三のパン供給装置
28 切断装置
28a 切断刃
29 パン搬送体(主食材搬送体)
30 パン移載装置(主食材移載装置)
31 先端センサー(主食材検出センサー)
32 具材搬送体
33 具材移載装置
34 ベルトコンベア
35 横幅調節体
35a、35b 横板
35c 後連結板
35d 前連結棒
35e 幅規制具
36 厚み調節体
36a、36b 側板
36c 前板
36d 後連結軸
37 ブラケット
38 外フレーム
39a、39b アーム
40 保護材
41a、41b 切欠き溝
42 先端センサー(具材検出センサー)
43 第三の具材供給装置
44 第四のパン供給装置
50 積層食品袋詰め装置(袋詰め装置)
51 切断食品搬送体
52 食品送出装置
53 袋詰めユニット
54 切断部
55 停止部
56 切断食品検出センサー
57 把持装置
58 ストッカー
58a、58b (ストッカーの)開口部
59 袋取出し装置
59a 基体
59b 移動体
60 袋開口装置
60a (袋開口装置の)上側部材
60b (袋開口装置の)下側部材
61 本体
62a、62b 把持体
63a、63b 駆動手段
64a、64b スライド板
65a、65b ベルト
66 取付け部
67 当て部
68 取出し吸盤
69 回転軸
70 下面用吸盤
71 上面用吸盤
72 水平軸部材
73 排出コンベア
A 主食材
A1 第一の下パン
A2 第一の上パン
A3 第二の下パン
A4 第二の上パン
B 具材
B1 第一の具材
B2 第二の具材
P フィルム袋
P1 (フィルム袋の)上面
P2 (フィルム袋の)下面
R ロボットアーム
S サンドイッチ
切断済みサンドイッチ
本発明は、パンの間に具材を挟んだサンドイッチや、バンズと呼ばれるパンの間に具材を挟んだハンバーガー、円盤状に成形したごはんの間に具材を挟んだライスバーガーのように、主食材の間に具材を挟んで積層された食品(本願において「積層食品」という)を製造する積層食品製造方法及び積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等では、フィルム製の袋(以下「フィルム袋」という)に包装されたサンドイッチが提供されている。本件出願人は、サンドイッチに関連する装置として、三角形状に切断されたサンドイッチを把持する物品把持装置及び当該物品把持装置で把持した物品をフィルム袋に詰める袋詰め装置を開発した(特許文献1)。これら物品把持装置や袋詰め装置は、本件出願人が先に特許権を取得した物品移載技術(特許文献2)を応用したものである。
特開2014−198571号公報 特許第4406775号公報
前記物品把持装置や袋詰め装置の開発により、サンドイッチの袋詰め作業の効率は大きく向上した。一方で、サンドイッチを製造する装置については、生産者を満足させるようなものはいまだ提案されていない。サンドイッチは、パンと具材を所定の順番に積層して製造するのが一般的である。パン自体は定形性を有するため、機械によって比較的容易に積層することができるが、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材(変形しやすい具材を含む。本願において同じ。)を所定量に調節し、かつ、均一厚にしてパンの上に載せ置くのは非常に困難であった。仮に、具材を所定量に調節することができ、かつ、均一厚にすることができても、その具材をその形を崩さずに主食材の上へ移載するのは極めて困難であった。近年では、たまごやジャガイモなどの触感を楽しめるように、具材の大型化が望まれるケースもあり、機械化の困難性がより一層高まっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのような積層食品を製造する積層食品製造方法及積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を切断して袋詰めすることのできる積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置を提案することにある。
積層食品製造装置
本発明の積層食品製造装置は、主食材と具材を積層して積層食品を製造する積層食品製造装置において、前記主食材を供給する主食材供給体と、当該主食材供給体の上の主食材を取り上げて他の場所へ移載する主食材移載装置と、前記具材を供給する具材供給体と、当該具材供給体の上の具材を取り上げて他の場所へ移載する具材移載装置と、前記主食材移載装置から移載される主食材と、前記具材移載装置から移載される具材を搬送する搬送コンベアを備え、前記主食材供給体と前記主食材移載装置が前記搬送コンベアを挟んで配置されて主食材配給装置が形成され、前記具材供給体と前記具材移載装置が前記搬送コンベアを挟んで配置されて具材配給装置が形成され、前記主食材配給装置と前記具材配給装置が前記搬送コンベアの搬送方向に必要数配置され、各対の主食材配給装置の主食材移載装置は、前記搬送コンベアの上方を越えて主食材供給体側に移動して主食材供給体で供給される主食材を取り上げ、その取り上げ後に前記搬送コンベアの上方に移動して取り上げた前記主食材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアの上の主食材若しくは具材の上に配給することができ、各対の具材配給装置の具材移載装置は、前記搬送コンベアの上方を越えて具材供給体側に移動して具材供給体で供給される具材を取り上げ、その取り上げ後に前記搬送コンベアの上方に移動して取り上げた前記具材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアの上の主食材若しくは具材の上に配給することができ、各対の主食材移載装置での搬送コンベアへの主食材の配給と、各対の具材移載装置での搬送コンベアへの具材の配給を所望回数行うことによって、主食材又は具材を積層して積層食品を製造するものである。
前記積層食品製造装置において、各対の主食材配給装置の主食材移載装置に、当該主食材移載装置を上下方向に昇降させる第一の昇降装置が設けられ、各対の具材配給装置の具材移載装置に、当該具材移載装置を上下方向に昇降させる第二の昇降装置が設けられたものとすることができる。
前記積層食品製造装置において、主食材移載装置は、少なくとも、スライド板と、当該スライド板の外周に周回されたベルトと、当該ベルトをその周回状態を維持した状態で保持可能なベルト保持手段と、前記スライド板を主食材供給体に近づく方向に前進移動させる又は前記主食材供給体から離れる方向に後退移動させる進退機構を備え、前記主食材移載装置の前記スライド板が前記進退機構によって前記主食材供給体上の主食材に向けて前進移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて前記主食材の下面側に潜り込み、当該主食材をスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げることができ、前記主食材がベルトの上に掬い上げられた状態で、前記スライド板が前記進退機構によって後退移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されて前記ベルト上の主食材を、前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能であり、具材移載装置は、少なくとも、スライド板と、当該スライド板の外周に周回されたベルトと、当該ベルトをその周回状態を維持した状態で保持可能なベルト保持手段と、前記スライド板を具材供給体に向けて前進又は前記具材供給体から離れる方向に後退移動させる進退機構を備え、前記具材移載装置は、前記スライド板が前記進退機構によって前記具材供給体上の具材に向けて前進移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて前記具材の下面側に潜り込み、当該具材をスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げることができ、前記具材がベルトの上に掬い上げられた状態で、前記スライド板が前記進退機構によって後退移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されて前記ベルト上の具材を、前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能なものとすることもできる。
前記積層食品製造装置において、搬送コンベアは、ベルトコンベアと当該ベルトコンベアに設けられた二以上の食品キャリアを備え、主食材配給装置は、主食材を前記食品キャリア又は当該食品キャリア上に先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能であり、具材配給装置は、具材を前記食品キャリア又は当該食品キャリア上に先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能なものとすることもできる。
前記積層食品製造装置において、具材供給体は、具材を搬送するベルトコンベアと、当該ベルトコンベアで搬送される具材の横幅を調節する横幅調節体と、前記ベルトコンベアで搬送される具材の厚さを調節する厚み調節体を備えたものとすることもできる。
[積層食品袋詰め装置]
本発明の積層食品袋詰め装置は、前記積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め装置において、前記積層食品を把持する把持装置と、当該積層食品を収容する袋を収容可能なストッカーと、当該ストッカーに収容された袋をストッカーの下側から一枚ずつ取り出し可能な袋取出し装置と、当該袋取出し装置で取り出した袋の開口部を当該袋取出し装置と協働して開口可能な袋開口装置を備え、前記把持装置は前記積層食品を把持して、前記ストッカーから取り出されて前記袋開口装置で開口された袋に差し込み可能であり、袋に差し込んだ状態で把持装置を解除して当該把持装置を袋から引き抜くことによって、袋内に積層食品を収容可能なものである。
前記積層食品袋詰め装置において、積層食品を三角形に切断する切断装置が設けられ、把持装置は、前記切断装置で三角形に切断された積層食品を把持して、当該切断された積層食品を袋内に収容可能とすることもできる。
[積層食品製造方法]
本発明の積層食品製造方法は、主食材と具材を積層して積層食品を製造する方法であって、前記主食材を取り上げて他の場所へ移載する主食材移載装置が、主食材を供給する主食材供給体側に移動して、当該主食材供給体で供給された主食材を取り上げる主食材取り上げ工程と、前記主食材を取り上げた前記主食材移載装置が、搬送コンベアの上方に移動する移動工程と、前記主食材移載装置が、取り上げた前記主食材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に供給された主食材若しくは具材の上に配給する主食材配給工程と、前記具材を取り上げて他の場所へ移載する具材移載装置が、具材を供給する具材供給体側に移動して、当該具材供給体で供給された具材を取り上げる具材取り上げ工程と、前記具材を取り上げた前記具材移載装置が、前記搬送コンベアの上方に移動する移動工程と、前記具材移載装置が、取り上げた前記具材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に配給された主食材若しくは具材の上に配給する具材配給工程と、前記主食材取り上げ工程、主食材移載装置の移動工程、主食材配給工程、具材取り上げ工程、具材移載装置の移動工程及び具材配給工程を、所望回数行うことによって、主食材又は具材を積層して積層食品を製造する方法である。
[積層食品袋詰め方法]
本発明の積層食品袋詰め方法は、前記積層食品製造方法で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め方法において、前記積層食品を把持装置で把持する積層食品把持工程と、前記積層食品を収容する袋が収容されたストッカーの下側から一枚ずつ袋を取り出す袋取出し工程と、前記袋取出し工程で取り出された袋の開口部を開口する袋開口工程と、前記把持装置で把持した積層食品を前記袋開口装置で開口した開口部から袋内に収容する積層食品収容工程と、前記積層食品を前記袋内に収容した状態で、前記把持装置の把持を解除して当該袋内に積層食品を解放する積層食品解放工程を備えた方法である。
前記積層食品袋詰め方法は、積層食品を切断装置で三角形に切断する積層食品切断工程と、前記切断装置で三角形に切断された積層食品を把持して、当該切断された積層食品を袋内に収容する積層食品収容工程を備えた方法とすることもできる。
本発明における食品移載方法及び食品移載装置は、次の効果を奏する。
(1)スライド板を前進移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材又は具材の下面側に潜り込ませる構造であるため、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材をその形を崩さずに掬い上げることができる。
(2)スライド板を後退移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材や具材の下から引き抜く構造であるため、前記定形性のない具材をその形を崩さずに他の場所に移載することができる。
(3)昇降装置を設けた場合、スライド板の位置を食品の掬い上げや移載に適した高さに調節することができるので、食品の掬い上げや移載に際して、具材を他の場所に確実に移載することができる。
本発明の積層食品製造方法及び積層食品製造装置は、次の効果を奏する。
(1)本発明における食品移載装置を備えているので、前記食品移載装置と同様の効果を奏する。
(2)主食材給装置と具材給装置によって、所定数の主食材と所定量の具材を順次給することができるため、積層食品を効率的に製造することができる。
(3)主食材給装置と具材給装置の設置台数を増減するだけで、所望数の積層食品を重ねて製造することができるため、積層食品を一つずつ製造する場合と比べて作業効率が良い。
(4)主食材給装置と具材給装置の設置台数を増減するとともに、それらの設置個所を適宜設定するだけで、一の具材を挟んだ積層食品でも、複数の具材を挟んだ積層食品でも簡単に製造することができる。
(5)具量調節手段を設けて具材の量や厚さを調節できるようにすれば、当該具材の上に載せた主食材や具材が傾いたり、落下したりする問題が生じにくい。
本発明の積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置は、次の効果を奏する。
(1)前記積層食品製造装置を用いる装置であるため、前記積層食品製造装置と同様の効果を奏する。
(2)積層食品製造装置の先方に、積層食品を切断する切断装置と、切断された積層食品を搬送する切断食品搬送体と、切断装置で切断された積層食品を切断食品搬送体に送り出す食品送出装置と、切断された積層食品を袋に詰めるための袋詰め装置が設けられているため、積層食品の製造から袋詰めまでを一つのラインで完結させることができる。
(3)食品送出装置として本発明における食品移載装置を用いた場合、積層食品を崩すことなく、切断食品搬送体に送り出すことができる。
(a)本発明における食品移載装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の食品移載装置の背面側概略図。 図1に示す食品移載装置の平面側概略図であって、(a)はスライド機構のスライド体が最後方にさがり、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(b)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(c)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に伸長した状態を示すもの。 本発明における食品移載装置におけるスライド板とベルトの動作を説明するものであって、(a)はスライド板が最後方まで下がった状態を示す側面図、(b)はスライド板が途中まで前進した状態を示す側面図、(c)はスライド板が最前方まで前進した状態を示す側面図。 本発明の積層食品製造装置の概要を示す平面図。 (a)〜(f)はパン給装置の動作説明図。 具材供給体の一例を示す分解斜視図。 図6に示す厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(d)は厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(f)は具材給装置の動作説明図。 (a)は切断装置の一例を示す正面図、(b)は切断装置の動作説明図。 (a)〜(e)は食品送出装置の動作説明図。 (a)は把持装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の把持装置の平面図、(c)は(a)の把持装置の側面図。 把持装置をロボットアームに取り付けた場合の概要説明図。 (a)〜(e)は図12に示す把持装置の動作説明図。 (a)(b)はストッカーに収容されたフィルム袋を袋取出し装置で取り出す場合の動作説明図、(c)〜(e)は袋取出し装置で取り出したフィルム袋を袋開口装置の上板で引き継ぐ場合の動作説明図。 (a)〜(c)は引き継いだフィルム袋の開口部を上板と下板とで開口する場合の動作説明図。
(食品移載方法及び食品移載装置の実施形態)
本発明における食品移載方法及び食品移載装置1の一例を、図面を参照して説明する。本発明における食品移載装置1は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのように、二以上の主食材(パンや薄型円盤状に成形されたライス等のことを指す。本願において同じ。)Aの間に具材(ゆでたまご、ツナマヨネーズ、ポテトサラダ、ハンバーグ、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード等のことを指す。本願において同じ。)Bが挟まれた積層食品の製造に際し、当該主食材Aや具材Bを掬い上げて所望の場所へ移動させることのできる装置である。
[食品移載装置の概要]
一例として図1(a)(b)に示す食品移載装置1は、固定基材2と、第一の可動基材3と、第二の可動基材4と、スライド機構5と、進退機構6と、昇降装置7を備えたものである。固定基材2と第一の可動基材3はスライド機構5を介して接続され、第一の可動基材3と第二の可動基材4は進退機構6を介して接続され、固定基材2と昇降装置7が接続されている。
[固定基材]
前記固定基材2は、スライド機構5が取り付けられたスライド機構取付け部2aと、昇降装置7が取り付けられた昇降装置取付け部2bを備えたものであり、昇降装置7の上下動作によって昇降するように構成されている。固定基材2は、ステンレス板など板材を折り返して形成することができる。
[スライド機構]
前記固定基材2に取り付けられたスライド機構5は、第一の可動基材3を前後方向にスライドさせるための機構である。この実施形態では、スライド機構5として、株式会社コガネイのフラットロッドレスタイプのエアシリンダ(型番:MRVS22X200-ZE135-A2)を用いている。このエアシリンダは、スライドチューブ5aにスライド体5bが設けられたものであり、エアを動力としてスライド体5bがエアチューブ5aの長手方向(前後方向)にスライドするように構成されている。当該エアシリンダのうち、スライドチューブ5aの部分が固定基材2に取り付けられ、そのスライドチューブ5aにスライド体5bがスライド自在に設けられている。スライド機構5はこれ以外のものを用いることもできる。
[第一の可動基材]
前記第一の可動基材3はスライド機構5のスライド体5bに接続され、当該スライド体5bの前後方向への移動に伴って、同方向へ移動するように構成されている。一例として図1(a)(b)及び図2(a)〜(c)に示す第一の可動基材3は、長板3aの先端に横板3bが連結された平面視T字状の部材であり、長板3aの一面に第一のガイドレール8が取り付けられている。第一のガイドレール8は背面視逆向きのコ字状であり(図1(b))、固定基材2に固定された第一のスライダー9が当該第一のガイドレール8の通路に嵌合するようにしてある。第一のガイドレール8に第一のスライダー9を嵌合させることで、第一の可動基材3のスムーズな前後移動が可能になる。
[進退機構]
前記第一の可動基材3の長板3aの他面には、前記進退機構6が設けられている。進退機構6は、第二の可動基材4を前後方向に移動させるものである。この実施形態では、進退機構6として、株式会社コガネイのペンシリンダ(型番: PBDAS16X100-7-ZC230B2)を用いている。このペンシリンダは、シリンダチューブ6aとロッド6bを備えたものであり、エアを動力としてロッド6bが進退するように構成されている。当該進退機構6のうち、シリンダチューブ6aが第一の可動基材3に取り付けられている。
前記ロッド6bの先端には、第二のスライダー10が取り付けられ、当該第二のスライダー10が、第一の可動基材3に取り付けられた第二のガイドレール11に嵌合するように構成されている。第二のガイドレール11に第二のスライダー10を嵌合させることで、第二の可動基材4のスムーズな前後移動が可能になる。第二のスライダー10の外側には第二の可動基材4が取り付けられ、第二のスライダー10の前後方向の移動に伴って、同方向に移動するようにしてある。
[第二の可動基材]
前記第二の可動基材4には、平面視縦長方形のスライド板12が固定され、当該第二の可動基材4の前後移動に伴って、当該スライド板12が前後に移動するように構成されている。第二の可動基材4は間隔をあけて設けられた一対のスライド体保持片4a、4bを備え、当該スライド体保持片4a、4bの間にスライド板12が保持されている。この実施形態では、ステンレス板を所望形状に折り曲げた複数の部材を組み合わせて第二の可動基材4を形成している。
[ベルト]
前記スライド板12の外周には、一枚のシート状のベルト13が周回されている。ベルト13は滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。このベルト13の両端部13a、13bは、第一の可動基材3の横板3bと当該横板3bに対向配置された保持板14の間に配置され、当該横板3bと保持板14の間に固定されている。図示は省略しているが、ベルト13の両端部13a、13bの間に平板状のスペーサーを配置し、横板3b−ベルトの一端13a−スペーサー−ベルトの他端13b−保持板14が、この順番で重なるように固定することもできる。これら部材の固定には、ボルトとナットなど、既存の留め具15を用いることができる。この実施形態では、ベルト保持手段として、横板3b及び保持板14を用いる場合を一例として説明しているが、ベルト13を確実に保持できる限り、ベルト保持手段はこれ以外の構成とすることもできる。
[ベルトの動作原理]
前記スライド板12に周回されたベルト13の動作原理は、図3(a)〜(c)によって説明することができる。図3(a)はスライド板12が最後方に位置している状態を示すものである。この状態から、スライド板12を図3(b)(c)のように前方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の下面側13xがスライド板12の上面側に送り出される。反対に、図3(c)のようにスライド板12が最前方に位置している状態から、スライド板12を図3(b)(a)のように後方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻される。この動作によって、スライド板12の外周のベルト13の上面側13yに移載対象である主食材Aや具材Bを掬い上げ、掬い上げた主食材Aや具材Bを他の場所に降ろすことができる。なお、ベルト13の下面側13xと上面側13yは相対的な概念であり、下面側13xの部分がスライド体12の上面側に繰り出されると当該部分は上面側13yとなり、反対に、上面側13yの部分がスライド体12の下面側に引き戻されると、当該部分は下面側13xとなる。
[昇降装置]
前記昇降装置7は、固定基材2及びそれに連関する部材、具体的には、固定基材2、第一の可動基材3、第二の可動基材4、スライド機構5、進退機構6、スライド板12、ベルト13及びベルト保持手段を、を上下方向に昇降させるための機構である。この実施形態では、昇降装置7として株式会社ダイアディックシステムズ製の電動シリンダ(型番:SCN6-20-150BW)を用いている。昇降装置7は前記部材を昇降できるものであればこれ以外であってもよい。昇降装置7を動作させて前記食品移載装置1を昇降させることによって、食品移載装置1を食品の取出しや移載に適した高さに適宜調節することができる。昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することもできる。
[食品移載装置の動作]
本発明における食品移載装置1の動作について、図2(a)〜(c)を参照して説明する。
(1)図2(a)の待機状態でスライド機構5を動作させると、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4が前進する。このとき、固定基材2及び当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5aは移動しない。また、ロッド6bは後退した状態で保持されている。
(2)前記(1)の状態から、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4を図2(b)の状態まで前進させたのち、進退機構6のロッド6bを前進させると、当該ロッド6bの先端に取り付けられた第二の可動基材4が前進移動する。このとき、固定基材2、当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5a、当該スライドチューブ5aに取り付けられたスライド体5b、当該スライド体5bに接続された第一の可動基材3は移動しない。
(3)前記(2)の状態から、進退機構6のロッド6bを前進させて第二の可動基材4を図2(c)の状態まで前進させると、その移動に伴って第二の可動基材4に取り付けられたスライド板12が前進し、当該スライド板12に周回されたベルト13のうち、下面側13xがスライド板12の上面側に繰り出される。
前記(1)〜(3)の動作を、スライド板12の先端を移動対象である主食材Aや具材B等の食品の下側に配置した状態で行うことで、スライド板12がこれら食品の下面側に潜り込み、当該食品をベルト13の上面側13yに掬い上げることができる。食品がベルト13の上に掬い上げられた状態でスライド板12を後退移動させと、当該スライド板12に周回されたベルト13の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻され、当該ベルト13上の食品が当該ベルト13の上から降ろされる。
(積層食品製造方法及び積層食品製造装置の実施形態)
本発明の積層食品製造方法及び積層食品製造装置(以下「製造装置」という)20の一例を、図面を参照して説明する。本発明の製造装置20は、サンドイッチやハンバーグ、ライスバーガーといった二以上の主食材Aの間に具材Bが挟まれた各種積層食品の製造に用いることができるが、ここでは、積層食品が四角形状のパンAの間にゆでたまごBが挟まれたサンドイッチSの場合を一例として説明する。また、この実施形態では、サンドイッチSを二セット重ねて製造する場合を一例として説明する。
[製造装置の概要]
一例として図4に示す製造装置20は、搬送コンベア21と、二以上の食品キャリア22と、当該食品キャリア22に下側のパン(以下、説明の便宜上、「第一の下パン」という)A1を給する第一のパン給装置23と、当該第一の下パンA1の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第一の具材」という)B1を給する第一の具材給装置24と、当該第一の具材B1の上に一つ目のサンドイッチSの上パン(以下、説明の便宜上、「第一の上パン」という)A2及び二つ目のサンドイッチの下パン(以下、説明の便宜上、「第二の下パン」という)A3を重ねて給する第二のパン給装置25と、当該第二の下パンA3の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第二の具材」という)B2を給する第二の具材給装置26と、当該第二の具材B2の上に上パン(以下、説明の便宜上、「第二の上パン」という)A4を給する第三のパン給装置27を備えたものである。
[搬送コンベア]
前記搬送コンベア21は、その表面側に間隔をあけて取り付けられた二以上の食品キャリア22及びその上に載置されていくサンドイッチS(前記製造過程にあるもの及び完成したものの双方を含む。本願において同じ。)搬送するものである。一例として図4に示す搬送コンベア21は無端状のベルトコンベアであり、先端部に達したベルトはそのまま下側に回り込んで元の位置に戻るように構成され、ベルト表面に取り付けられた食品キャリア22を先方に向けて搬送して元の位置に戻せるようにしてある。この実施形態では、搬送コンベア21として、モータで駆動する既存のベルトコンベアを用いているが、食品キャリア22を搬送できるものであれば、ベルトコンベア以外のコンベアであってもよい。また、搬送コンベア22は、無端状のものに限らず、有端状のものであってもよい。搬送コンベア21は、メンテナンスや修理の容易化のため、正逆両方に回転させられるようにしておくのが好ましい。
[食品キャリア]
前記搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22は、サンドイッチSを載置するための部材である。この実施形態で用いている食品キャリア22は、図10(b)に示すように、平板状の載せ板22aと、当該載せ板22aに間隔をあけて突設された二枚の立設板22b、22cとから構成されている。二枚の立設板22b、22cの間隔は、製造するサンドイッチSの主食材Aが収まる広さとしてある。載せ板22aの表面には、一方の立設板22bの一端側から他方の立設板22bの他端側に向けて斜めの溝(以下「斜め溝」という)22dが形成され、完成したサンドイッチSを切断装置28で三角形状に切断する際に、当該切断装置28の切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
[パン給装置]
前記第一のパン給装置23、第二のパン給装置25及び第三のパン給装置27は同じ構造のものであり、パンAを所定間隔で一列に搬送するパン供給体(主食材供給体)29とパン移載装置(主食材移載装置)30を備えている。図4に示すように、パン供給体29とパン移載装置30は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、パン供給体29で搬送されたパンAを対向位置に配置されたパン移載装置30で掬い上げ、両者の間を移動する食品キャリア22に給できるようにしてある。
[パン供給体]
この実施形態のパン供給体29は、モータで駆動する既存のベルトコンベアである。パン供給体29には、パンAの搬送方向先方寄りの位置に、搬送されたパンAの先端を検出する先端センサー(主食材検出センサー)31が設けてあり、当該先端センサー31によってパンAの先端が検出されたときに、パン供給体29が停止するようにしてある。パン供給体29の停止によって、パン供給体29の先頭に停止したパンAがパン移載装置30によって掬い上げられる。パン供給体29へのパンAの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできるが、パンAの重なりを防止するため、いずれの場合も、パンAは所定間隔をあけて搬送するのが好ましい。
[パン移載装置]
前記パン移載装置30は、パン供給体29の先頭に停止したパンAを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22に移すための装置である。この実施形態では、パン移載装置30として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
パン供給体29とパン移載装置30を備えた各パン給装置23、25、27は、例えば、図5(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22にパンAを給することができる。ここでは、第一のパン給装置23を一例として説明するが、第二のパン給装置25及び第三のパン給装置27、並びに本願に出てくるその他のパン給装置も同様に動作する。
(1)図5(a)は第一のパン給装置23の待機状態を示すものである。この状態において、パン移載装置30は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、パン供給体29には複数枚の第一の下パンA1が間隔をあけて搬送され、先端が検出された第一の下パン(以下「移載対象パン」という)A1がパン供給体29の先頭部分で停止した状態にある。
(2)前記(1)の状態から、パン移載装置30のスライド機構5を動作させ、図5(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材をパン供給体29に向けて前進させる。このとき、パン移載装置30のスライド板12が移載対象パンA1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によってパン移載装置30を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、パン移載装置30の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図5(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象パンA1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(d)のように上昇させ、移載対象パンA1をパン供給体29上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図5(e)のように後退させ、パン供給体29とパン移載装置30の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(f)のように降下させてスライド板12を食品キャリア22上に配置し、その状態で、パン移載装置30の進退機構6を収縮させてスライド板12を引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ板22a上に移載対象パンA1が給される。
なお、第一のパン給装置23、第二のパン給装置25及び第三のパン給装置27は同構造であり、その動作も同じであるが、それぞれの役割は異なる。具体的には、第一のパン給装置23は食品キャリア22上に第一の下パンA1を、第二のパン給装置25は第一の具材B1の上に第一の上パンA2及び第二の下パンA3を、第三のパン給装置27は具材B2の上に第二の上パンA4を給するという異なる役割を担う。また、第二のパン給装置25は、第一の上パンA2と第二の下パンA3を重ねて給するため、第二のパン給装置25におけるパン供給体29では、第一の上パンA2と第二の下パンA3を二枚重ねにして搬送する必要がある。
[具材給装置]
前記第一の具材給装置24及び第二の具材給装置26は同じ構造のものであり、具材Bの量を調整しながら搬送する具材供給体32と具材移載装置33を備えている。図に示すように、具材供給体32と具材移載装置33は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、具材供給体32で搬送された具材Bを対向位置に配置された具材移載装置33で掬い上げて、両者の間を移動する食品キャリア22に給できるようにしてある。
[具材供給体]
この実施形態の具材供給体32は、図6に示すように、モータで駆動する既存のベルトコンベア34の上面側に、具材Bの横幅を調節する横幅調節体35と、具材Bの厚みを調節する厚み調節体36を備えたものである。横幅調節体35は間隔をあけて配置された二枚の横板35a、35bと、それら横板35a、35bの後端側を連結する後連結板35cと、それら横板35a、35bの前端側に架設された前連結棒35dを備えた平面視縦長方形状であり、両横板35a、35bの前端側であって前連結棒35dの下側には、具材Bの横幅を規制する幅規制具35eが設けられている。図6に示す幅規制具35eは、平面視く字状であり、その一部が内向きに突出するように取り付けられている。両横板35a、35bにはブラケット37が設けられ、横幅調節体35は、当該ブラケット37を介してベルトコンベアの外側に配置された外フレーム38に固定されている。
[厚み調節体]
前記厚み調節体36は、間隔をあけて配置された二枚の側板36a、36bと、それら両側板36a、36bの前面側に設けられた前板36cと、両側板36a、36bの後方側を連結する後連結軸36dを備え、前板36cの幅方向両外側に縦長のアーム39a、39bが設けられている。前板36cは具材Bを一定厚に均す部分であり、具材Bに直接触れる部分であるため、その先端に具材Bに触れても問題のない材質の保護材40が設けてある。
両アーム39a、39bは外フレーム38の外側に配置され、両アーム39a、39bの下端側に設けられた切欠き溝41a、41bに図示しない偏芯軸が架設されている。この偏芯軸には駆動モータが連結され、当該駆動モータによって偏芯軸を回転させると、厚み調節体36が図7のような軌道で回転するようにしてある。偏芯軸の回転によって厚み調節体36の前板36cとベルトコンベアの表面の間隔Lが図8(a)〜(d)のように変化する。当該間隔が図8(a)のように狭い状態でベルトコンベア34が走行することで、厚み調節体36の前板36cによって具材Bの厚みが調節され、当該間隔が図8(c)のように広がった状態でベルトコンベア34が走行することで、一定厚に均された具材Bが前板36cの下を通過する。具材Bの量は、偏芯軸の回転数、すなわち、厚み調節体36の前板36cの下を具材Bが通過する回数によって調節することができる。また、具材Bの厚さは前板36cの高さや前板36cの先端につける保護材40の高さによって調節することができる。
具材供給体32には、具材搬送方向先方寄りの位置に、ベルトコンベア34上を搬送された具材Bの先端を検出する先端センサー(具材検出センサー)42が設けてあり、当該先端センサー42によって具材Bの先端が検出されたときに、具材供給体32が停止するようにしてある。具材Bは、横幅調節体35と厚み調節体36で調節されているため、具材Bの先端が検出されたときには、毎回同量又は略同量の具材Bが停止する。具材供給体32の停止によって、具材供給体32の先頭に停止した具材Bは具材移載装置33によって掬い上げられる。具材供給体32への具材Bの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできる。いずれの場合も、具材Bの詰まりを防止する観点から、具材Bはある程度の厚さに均した状態で給するのが好ましい。
[具材移載装置]
前記具材移載装置33は、具材供給体32の先頭に停止した所定量の具材Bを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22(より具体的には食品キャリア22の上パンAの上)に移すための装置である。この実施形態では、具材移載装置33として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
具材供給体32と具材移載装置33を備えた各具材給装置24、26は、例えば、図9(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22上のパンAの上に具材Bを給することができる。ここでは、第一の具材給装置24を一例として説明するが、第二の具材給装置26及び本願に出てくるその他の具材給装置も同様に動作する。
(1)図9(a)は第一の具材給装置24の待機状態を示すものである。この状態において、具材移載装置33は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、具材供給体32では第一の具材B1が搬送され、先端が検出された具材(以下「移載対象具材」という)B1が具材供給体32の先頭部分で停止した状態にある。停止状態にある移載対象B1の量は、第一の下パンA1の上に載る量としてある。
(2)前記(1)の状態から、具材移載装置33のスライド機構5を動作させ、図9(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を具材供給体32に向けて前進させる。このとき、具材移載装置33のスライド板12が移載対象具材B1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によって具材移載装置33を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、具材移載装置33の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図9(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象具材B1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を図9(d)のように上昇させ、移載対象具材B1を具材供給体32上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図9(e)のように後退させ、具材供給体32と具材移載装置33の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を降下させてスライド板12を食品キャリア22の上に配置したのち、その状態で、具材移載装置33の進退機構6を後退させてスライド板12を図9(f)のように引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ面上にある第一の下パンA1の上に移載対象具材B1が給される。
なお、第一の具材給装置24及び第二の具材給装置26は同構造であり、その動作も同じである。第一の具材給装置24及び第二の具材給装置26で給する具材Bは、同じものであっても、異なるものであってもよい。同じ具材Bを給するようにした場合、完成する二セットのサンドイッチSは同じものであり、異なる具材Bを給するようにした場合、完成するにセットのサンドイッチSは異なるものとなる。
(積層食品製造方法及び積層食品製造装置の他の実施形態)
前記実施形態では、一つの具材Bが挟まれたサンドイッチSを、二セット重ねて製造する場合を一例としているが、パン給装置と具材給装置の台数及び配置を適宜設定することによって、二以上の具材Bが挟まれたサンドイッチSを製造したり、三セット以上のサンドイッチSを重ねて製造したりすることもできる。例えば、三セットのサンドイッチSを重ねて製造したい場合は、パン給装置を四台と具材給装置を三台用意し、第一のパン給装置23−第一の具材給装置24−第二のパン給装置25−第二の具材給装置26−第三のパン給装置27−第三の具材給装置(図示しない)−第四のパン給装置(図示しない)の順番で配置し、第二のパン給装置25と第三のパン給装置27で二枚のパン(第一の上パンA2及び第二の下パンA3と、第二の上パンA4及び第三の下パンA5)を積層して給できるようにすればよい。
また、パン給装置と具材給装置の台数を減らしてサンドイッチSを一セットだけ製造することもできる。この場合、パン給装置を二台、具材給装置を一台用意し、第一のパン給装置23−第一の具材給装置24−第二のパン給装置25の順番で配置すればよい。
なお、ここまで説明した実施では、複数セットのサンドイッチSを重ねて製造する場合には、いずれかのパン給装置(例えば、図4における第二のパン給装置25)でパンAを二枚積層して給するようにしているが、二台のパン給装置を隣り合わせに並べて、それぞれのパン給装置で一枚ずつパンを給するようにしてもよい。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造する場合を一例としているが、本発明の製造装置20でハンバーガーやライスバーガーを作る場合には、具材Bとしてハンバーグやトマト、レタス、ケチャップ、マヨネーズ、タルタルソースなどを順次移載していけばよい。本発明の製造装置20では、本発明における食品移載装置1を用いるため、ケチャップやマヨネーズ、タルタルソースのような定形性を有しない具材Bであっても、形状を保持したまま移載することができる。
(積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置の実施形態)
本発明の積層食品袋詰め方法及び積層食品袋詰め装置(以下「袋詰め装置」という)50の一例を、図面を参照して説明する。この実施形態の袋詰め装置50は、前記製造装置20で製造したサンドイッチSを切断してフィルム袋Pに詰める装置であり、前記製造装置20の先方に設けられた切断部54と、その切断部54で切断されたサンドイッチ(以下「切断済みサンドイッチ」という)Sを搬送する切断食品搬送体51と、当該切断食品搬送体51に切断済みサンドイッチSを送り出す食品送出装置52と、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに詰めるための袋詰めユニット53を備えている。
[切断部及び停止部]
図4に示すように、この実施形態では、図4に示す搬送コンベア21の第三のパン給装置27の先方に、サンドイッチSの切断部54が設けられている。搬送コンベア21は、食品キャリア22が切断部54に到達したときに停止するように構成されている。前記切断装置28はこの切断部54に設けられ、切断部54に到達した食品キャリア22上のサンドイッチSを上方から切断できるようにしてある。切断装置28には、例えば、図10(a)(b)に示すような超音波切断機を用いることができる。この超音波切断機は、超音波で切断刃28aを振動させることによってサンドイッチSを切断するものであり、切断部54に停止しているサンドイッチSの上方から真下に切断刃28aを降下させるとともに、当該切断刃28aを振動させることによって、サンドイッチSを切断するものである。なお、図10(b)に示すように、この実施形態の食品キャリア22の載せ板22aには斜め溝22dが形成されており、切断刃28aを降下させたときに、当該切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
図4に示すように、搬送コンベア21の切断部54の先方には切断済みサンドイッチSが停止する停止部55が設けられている。切断済みサンドイッチSは搬送コンベア21上をさらに走行し、停止部55に到達したところで停止する。停止部55の側方(図4の例では、搬送コンベア21の搬送方向右側方)には、切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出す食品送出装置52が設けられている。
[食品送出装置]
前記食品送出装置52は、搬送コンベア21の停止部55に停止した切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出すための装置である。この実施形態では、食品送出装置52として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。なお、停止部55の高さ(搬送コンベア21の高さ)は予め特定されているため、食品送出装置52は搬送コンベア21の高さに合わせて設定しておけばよい。したがって、昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
食品送出装置52は、例えば、図11(a)〜(e)に示す手順で停止部55上の切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51に送り出すことができる。
(1)図11(a)は食品送出装置52の待機状態を示すものである。この状態において、食品搬送装置52は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。この状態において、ベルト13が周回されたスライド板12が、切断済みサンドイッチSの底面側手前に配置されている。
(2)前記(1)の状態から、食品送出装置52の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図11(b)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を切断済みサンドイッチSの下側に潜り込ませ、切断済みサンドイッチSをスライド板12の外周のベルト13の上に掬い上げる。
(3)前記(2)の状態から、食品送出装置52のスライド機構5を動作させ、図11(c)のように第一の可動基材3及びこれに接続された部材を切断食品搬送体51に向けて前進させ、スライド板12を切断食品搬送体51上に配置する。
(4)前記(3)の状態から、進退機構6を収縮させ、図11(d)のように食品送出装置52のスライド板12を引き戻すことによって、切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51上に移載する。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図11(e)のように後退させ、次の切断済みサンドイッチSの移載に備える。
[切断食品搬送体]
前記切断食品搬送体51は、切断済みサンドイッチSを食品キャリア22から受け継いで、その切断済みサンドイッチSをさらに先方へ搬送するためのものである。この実施形態では、切断食品搬送体51として既存のベルトコンベアを用いている。ベルトコンベアの先方には、切断済みサンドイッチSを検出する切断食品検出センサー56が設けられ、当該切断食品検出センサー56が切断食品搬送体51で搬送される先頭の切断済みサンドイッチSを検出すると、当該ベルトコンベアが停止するようにしてある。
[袋詰めユニット]
前記袋詰めユニット53は、切断食品搬送体51上の切断済みサンドイッチSを把持する把持装置57と、フィルム袋Pを積層してストックしておくストッカー58と、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出す袋取出し装置59と、取り出したフィルム袋Pの開口部を開く袋開口装置60を備えている。前記把持装置57には、例えば、特許文献1記載の物品把持装置を用いることができる。
[把持装置]
この把持装置57は、図12(a)〜(c)に示すように、本体61と、当該本体61に設けられた一対の把持体62a、62bと、当該把持体62a、62bを駆動させる駆動手段63a、63bを備えたものである。一対の把持体62a、62bは、両把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが収まる広さの間隔をあけて対向配置してある。それぞれの把持体62a、62bは、スライド板64a、64bの外周にシート状のベルト65a、65bが周回され、そのベルト65a、65bの両端部側が本体61に固定されている。ベルト65a、65bは、前記食品移載装置1におけるベルト13と同様、滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。駆動手段63a、63bによって両スライド板64a、64bを前記本体61の先方に突出するまで前進移動させると、突出した一対の把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが把持され、両スライド板64a、64bを後退移動させると、一対の把持体62a、62b間に把持されていた切断済みサンドイッチSの把持が解放されるようにしてある。
前記一対の把持体62a、62bは、両者を同時に移動するようにすることも、別々に移動するようにすることもできる。また、把持体62a、62bの先端側は、把持した切断済みサンドイッチSの外に突出しないように階段状の段差を持たせてある。本体61はロボットアームRへの取付け部66を備え、図13のようにロボットアームRに取り付けて使用できるようにしてある。なお、把持装置57は、図4に示すように、切断食品搬送体51の搬送方向両側方に一台ずつ設けてあり、それぞれの把持装置57で、把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに挿入できるようにしてある。
把持装置57は、例えば、図14(a)〜(e)の手順で切断済みサンドイッチSを把持することができる。図14(a)に示すように、本体61の先端の当て部67(図14(a))を切断食品搬送体51の上にある切断済みサンドイッチSの背面に押し当てる(図14(b))。その状態で、本体61を前進させることなくその位置に保持して、本体61の先端に設けられている二枚の把持体62a、62bのうち一方(図14(b)では上方の把持体62b)を、本体61の先方に前進移動させて切断済みサンドイッチSの上面に宛がう(図14(b))。その状態で、他方の把持体(図14(c)では下方の把持体62a)を本体61の先方に前進移動させて、把持体62bのベルト65bで切断済みサンドイッチSの下面を掬いあげて、両把持体62a、62bの間に切断済みサンドイッチSを把持する(図14(c))。切断済みサンドイッチSを把持した把持装置57は、本体61の軸線周りに回転させ、把持した切断済みサンドイッチSを図14(d)のように縦向きに変更できるようにしてある。切断済みサンドイッチSを縦向きにした把持装置57は、ロボットアームRの動作によって、図14(e)のように水平方向に回転させられるようにしてある。
[ストッカー]
図15(a)〜(e)に示すように、前記ストッカー58は上下に開口部58a、58bを備え、フィルム袋Pを上側の開口部(上側開口部58a)から入れて下側の開口部(下側開口部58b)からフィルム袋Pを取り出せるようにしてある。一例として図4に示すストッカー58は、フィルム袋Pを横並びにストックできる構造のものである。なお、本実施形態におけるフィルム袋Pは上面P1と下面P2を備えた既存のサンドイッチ用フィルム袋であり、上面P1と下面P2の両者が重なった状態でストッカー58に積層収容されている。
[袋取出し装置]
ストッカー58の近傍には、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出すための袋取出し装置59が設けられている(図4)。一例として、図4及び図15(a)〜(e)に示す袋取出し装置59は、ストッカー58の手前側からストッカー58の下側までの大きさの基体59aに移動体59bが設けられたものであり、当該移動体59bが基体59aに沿ってスライド可能なものである。移動体59bは図示しない昇降手段によって上下に昇降するようにしてあり、移動体59bをストッカー58の下側に接近させられるようにしてある。移動体59bには、フィルム袋Pを吸着保持するための取出し吸盤68が設けられ、ストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持できるようにしてある。
[袋開口装置]
前記袋取出し装置59の近傍には、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pの開口部を開口する袋開口装置60(図4)が設けられている。一例として図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c)に示す袋開口装置60は、フィルム袋Pの下面P2を保持する下側部材60bとフィルム袋Pの上面P1を保持する上側部材60aを備えている。図4に示すように、下側部材60bは前記切断食品搬送体51の先方に間隔をあけて配置されている。上側部材60aは回転軸69(図15(c)〜(e))に取り付けられ、当該下側部材60bの上方と袋取出し装置59の移動体59bの上方の間を往復移動できるようにしてある。また、上側部材60aは水平軸部材72(図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c))を備え、当該水平軸部材72を回転軸として上下方向に傾動できるようにしてある。下側部材60bの上面側にはフィルム袋Pの下面P2を吸着保持する下面用吸盤70が、上側部材60aの下面側には同フィルム袋Pの上面P1を吸着保持する上面用吸盤71が設けられている。前記袋取出し装置59の取出し吸盤68並びに袋開口装置60の下面用吸盤70及び上面用吸盤71には、図示しない吸引装置が接続され、当該吸引装置によって、フィルム袋Pを吸引できるようにしてある。
ストッカー58内のフィルム袋Pの取出しと当該フィルム袋Pの開口部の開口は、例えば、次の手順で行うことができる。
(1)基体59aに設けられた移動体59bを図15(a)のようにストッカー58の下に滑り込ませ、その状態で基体59aをストッカー58の底面側に向けて上昇させる。上昇させたところで、移動体59bの取出し吸盤68でストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持する。
(2)前記(1)の状態で、基体59aを図15(b)のように元の位置まで降下させて、移動体59bを元の位置まで引き戻す。
(3)前記(2)の状態で、回転軸69を回転させることによって、上側部材60aを図15(c)のように上側部材60aをフィルム袋Pを保持した状態の移動体59bの上側まで移動させる。
(4)前記(3)の状態で、上側部材60aを図15(d)のように下向きに傾倒させ、その上側部材60aの上面用吸盤71で移動体59bで保持されたフィルム袋Pを吸着する。
(5)前記(4)の状態で、上側部材60aを図15(e)のように上向きに元の位置まで復帰させ、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pを移動体59bから上側部材60aに引き継ぐ。フィルム袋Pを引き継いだ後、回転軸69を回転させることによって、フィルム袋Pを保持した上側部材60aを下側部材60bの上方まで移動さ、上側部材60aと下側部材60bとを対向させる(図16(a))。
(6)前記(5)の状態で、下側部材60bを図16(b)のように斜め上向きに立ち上げ、上側部材60aの上面用吸盤71で上面P1が吸着保持されたフィルム袋Pの下面P2を当該下側部材60bの下面用吸盤72で吸着保持する。
(7)前記(6)の状態で、下側部材60bを図16(c)のように元の位置に戻すと、上面P1が上面用吸盤71で吸着保持され、下面P2が下面用吸盤70で吸着保持されたフィルム袋Pの開口部が開口される。
前記要領でフィルム袋Pの開口部を開口した後、切断済みサンドイッチSを保持した把持装置57をロボットアームRの動作によってフィルム袋P側に水平回転させ、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pの開口部の手前まで移動させる(図16(c))。この状態で、把持装置57をフィルム袋Pの開口部からフィルム袋P内に差し込み、その把持装置57をフィルム袋P内に差し込んだ状態で把持装置57のスライド板64a、64bを後退させることによって、把持装置57で把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋P内に収容することができる。なお、切断済みサンドイッチSが収容されたフィルム袋Pは、図4に示すように、切断食品搬送体51の先方に設けられた排出コンベア73に移載される。切断済みサンドイッチSを収容したフィルム袋Pは、排出コンベア73のさらに先方で手作業によって封締めされる。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造して袋詰めする場合を一例としているため、フィルム袋Pをストッカー58に収容しているが、ハンバーガーやライスバーガーなどを製造して袋詰めする場合には、既存の紙製袋を用いることもできる。
本発明における食品移載装置1はサンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーの主食材Aや具材Bの移動に、本発明の積層食品製造装置20は、これらの製造に特に好適に用いることのできるものである。
1 食品移載装置
2 固定基材
2a スライド機構取付け部
2b 昇降装置取付け部
3 第一の可動基材
3a 長板
3b 横板
4 第二の可動基材
4a、4bスライド体保持片
5 スライド機構
5a スライドチューブ
5b スライド体
6 進退機構
6a シリンダチューブ
6b ロッド
7 昇降装置
8 第一のガイドレール
9 第一のスライダー
10 第二のスライダー
11 第二のガイドレール
12 スライド板
13 ベルト
13a、13b (ベルトの)両端部
13x (ベルトの)下面側
13y (ベルトの)上面側
14 保持板
15 留め具
20 積層食品製造装置(製造装置)
21 搬送コンベア
22 食品キャリア
22a 載せ板
22b、22c 立設板
22d 斜め溝
23 第一のパン給装置
24 第一の具材給装置
25 第二のパン給装置
26 第二の具材給装置
27 第三のパン給装置
28 切断装置
28a 切断刃
29 パン供給体(主食材供給体)
30 パン移載装置(主食材移載装置)
31 先端センサー(主食材検出センサー)
32 具材供給
33 具材移載装置
34 ベルトコンベア
35 横幅調節体
35a、35b 横板
35c 後連結板
35d 前連結棒
35e 幅規制具
36 厚み調節体
36a、36b 側板
36c 前板
36d 後連結軸
37 ブラケット
38 外フレーム
39a、39b アーム
40 保護材
41a、41b 切欠き溝
42 先端センサー(具材検出センサー)
43 第三の具材給装置
44 第四のパン給装置
50 積層食品袋詰め装置(袋詰め装置)
51 切断食品搬送体
52 食品送出装置
53 袋詰めユニット
54 切断部
55 停止部
56 切断食品検出センサー
57 把持装置
58 ストッカー
58a、58b (ストッカーの)開口部
59 袋取出し装置
59a 基体
59b 移動体
60 袋開口装置
60a (袋開口装置の)上側部材
60b (袋開口装置の)下側部材
61 本体
62a、62b 把持体
63a、63b 駆動手段
64a、64b スライド板
65a、65b ベルト
66 取付け部
67 当て部
68 取出し吸盤
69 回転軸
70 下面用吸盤
71 上面用吸盤
72 水平軸部材
73 排出コンベア
A 主食材
A1 第一の下パン
A2 第一の上パン
A3 第二の下パン
A4 第二の上パン
B 具材
B1 第一の具材
B2 第二の具材
P フィルム袋
P1 (フィルム袋の)上面
P2 (フィルム袋の)下面
R ロボットアーム
S サンドイッチ
切断済みサンドイッチ
本発明は、パンの間に具材を挟んだサンドイッチや、バンズと呼ばれるパンの間に具材を挟んだハンバーガー、円盤状に成形したごはんの間に具材を挟んだライスバーガーのように、主食材の間に具材を挟んで積層された食品(本願において「積層食品」という)を製造する積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め装置に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等では、フィルム製の袋(以下「フィルム袋」という)に包装されたサンドイッチが提供されている。本件出願人は、サンドイッチに関連する装置として、三角形状に切断されたサンドイッチを把持する物品把持装置及び当該物品把持装置で把持した物品をフィルム袋に詰める袋詰め装置を開発した(特許文献1)。これら物品把持装置や袋詰め装置は、本件出願人が先に特許権を取得した物品移載技術(特許文献2)を応用したものである。
特開2014−198571号公報 特許第4406775号公報
前記物品把持装置や袋詰め装置の開発により、サンドイッチの袋詰め作業の効率は大きく向上した。一方で、サンドイッチを製造する装置については、生産者を満足させるようなものはいまだ提案されていない。サンドイッチは、パンと具材を所定の順番に積層して製造するのが一般的である。パン自体は定形性を有するため、機械によって比較的容易に積層することができるが、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材(変形しやすい具材を含む。本願において同じ。)を所定量に調節し、かつ、均一厚にしてパンの上に載せ置くのは非常に困難であった。仮に、具材を所定量に調節することができ、かつ、均一厚にすることができても、その具材をその形を崩さずに主食材の上へ移載するのは極めて困難であった。近年では、たまごやジャガイモなどの触感を楽しめるように、具材の大型化が望まれるケースもあり、機械化の困難性がより一層高まっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのような積層食品を製造する積層食品製造装置と、当該積層食品製造装置で製造した積層食品を切断して袋詰めすることのできる積層食品袋詰め装置を提案することにある。
[積層食品製造装置]
本発明の積層食品製造装置は、主食材と具材を積層して積層食品を製造する積層食品製造装置において、前記主食材を供給する主食材供給体と、当該主食材供給体の上の主食材を取り上げて他の場所へ移載する主食材移載装置と、前記具材を供給する具材供給体と、当該具材供給体の上の具材を取り上げて他の場所へ移載する具材移載装置と、前記主食材移載装置から移載される主食材と、前記具材移載装置から移載される具材を搬送する搬送コンベアを備え、前記主食材供給体と前記主食材移載装置が前記搬送コンベアを挟んで配置されて主食材配給装置が形成され、前記具材供給体と前記具材移載装置が前記搬送コンベアを挟んで配置されて具材配給装置が形成され、前記主食材配給装置と前記具材配給装置が前記搬送コンベアの搬送方向に必要数配置され、各対の主食材配給装置の主食材移載装置は、前記搬送コンベアの上方を越えて主食材供給体側に移動して主食材供給体で供給される主食材を取り上げ、その取り上げ後に前記搬送コンベアの上方に移動して取り上げた前記主食材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアの上の主食材若しくは具材の上に配給することができ、各対の具材配給装置の具材移載装置は、前記搬送コンベアの上方を越えて具材供給体側に移動して具材供給体で供給される具材を取り上げ、その取り上げ後に前記搬送コンベアの上方に移動して取り上げた前記具材を前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアの上の主食材若しくは具材の上に配給することができ、各対の主食材移載装置での搬送コンベアへの主食材の配給と、各対の具材移載装置での搬送コンベアへの具材の配給を所望回数行うことによって、主食材又は具材を積層して積層食品を製造するものである。
前記積層食品製造装置において、各対の主食材配給装置の主食材移載装置に、当該主食材移載装置を上下方向に昇降させる第一の昇降装置が設けられ、各対の具材配給装置の具材移載装置に、当該具材移載装置を上下方向に昇降させる第二の昇降装置が設けられたものとすることができる。
前記積層食品製造装置において、主食材移載装置は、少なくとも、スライド板と、当該スライド板の外周に周回されたベルトと、当該ベルトをその周回状態を維持した状態で保持可能なベルト保持手段と、前記スライド板を主食材供給体に近づく方向に前進移動させる又は前記主食材供給体から離れる方向に後退移動させる進退機構を備え、前記主食材移載装置の前記スライド板が前記進退機構によって前記主食材供給体上の主食材に向けて前進移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて前記主食材の下面側に潜り込み、当該主食材をスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げることができ、前記主食材がベルトの上に掬い上げられた状態で、前記スライド板が前記進退機構によって後退移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されて前記ベルト上の主食材を、前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能であり、具材移載装置は、少なくとも、スライド板と、当該スライド板の外周に周回されたベルトと、当該ベルトをその周回状態を維持した状態で保持可能なベルト保持手段と、前記スライド板を具材供給体に向けて前進又は前記具材供給体から離れる方向に後退移動させる進退機構を備え、前記具材移載装置は、前記スライド板が前記進退機構によって前記具材供給体上の具材に向けて前進移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて前記具材の下面側に潜り込み、当該具材をスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げることができ、前記具材がベルトの上に掬い上げられた状態で、前記スライド板が前記進退機構によって後退移動すると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されて前記ベルト上の具材を、前記搬送コンベア又は当該搬送コンベアに先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能なものとすることもできる。
前記積層食品製造装置において、搬送コンベアは、ベルトコンベアと当該ベルトコンベアに設けられた二以上の食品キャリアを備え、主食材配給装置は、主食材を前記食品キャリア又は当該食品キャリア上に先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能であり、具材配給装置は、具材を前記食品キャリア又は当該食品キャリア上に先に配給された主食材若しくは具材の上に配給可能なものとすることもできる。
前記積層食品製造装置において、具材供給体は、具材を搬送するベルトコンベアと、当該ベルトコンベアで搬送される具材の横幅を調節する横幅調節体と、前記ベルトコンベアで搬送される具材の厚さを調節する厚み調節体を備えたものとすることもできる。
[積層食品袋詰め装置]
本発明の積層食品袋詰め装置は、前記積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め装置において、前記積層食品を把持する把持装置と、当該積層食品を収容する袋を収容可能なストッカーと、当該ストッカーに収容された袋をストッカーの下側から一枚ずつ取り出し可能な袋取出し装置と、当該袋取出し装置で取り出した袋の開口部を当該袋取出し装置と協働して開口可能な袋開口装置を備え、前記把持装置は前記積層食品を把持して、前記ストッカーから取り出されて前記袋開口装置で開口された袋に差し込み可能であり、袋に差し込んだ状態で把持装置を解除して当該把持装置を袋から引き抜くことによって、袋内に積層食品を収容可能なものである。
前記積層食品袋詰め装置において、積層食品を三角形に切断する切断装置が設けられ、把持装置は、前記切断装置で三角形に切断された積層食品を把持して、当該切断された積層食品を袋内に収容可能とすることもできる。
本発明における食品移載装置は、次の効果を奏する。
(1)スライド板を前進移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材又は具材の下面側に潜り込ませる構造であるため、ゆでたまごやツナマヨネーズ、ポテトサラダのような定形性のない具材をその形を崩さずに掬い上げることができる。
(2)スライド板を後退移動させて、当該スライド板の外周に周回されたベルトを主食材や具材の下から引き抜く構造であるため、前記定形性のない具材をその形を崩さずに他の場所に移載することができる。
(3)昇降装置を設けた場合、スライド板の位置を食品の掬い上げや移載に適した高さに調節することができるので、食品の掬い上げや移載に際して、具材を他の場所に確実に移載することができる。
本発明の積層食品製造装置は、次の効果を奏する。
(1)本発明における食品移載装置を備えているので、前記食品移載装置と同様の効果を奏する。
(2)主食材配給装置と具材配給装置によって、所定数の主食材と所定量の具材を順次配給することができるため、積層食品を効率的に製造することができる。
(3)主食材配給装置と具材配給装置の設置台数を増減するだけで、所望数の積層食品を重ねて製造することができるため、積層食品を一つずつ製造する場合と比べて作業効率が良い。
(4)主食材配給装置と具材配給装置の設置台数を増減するとともに、それらの設置個所を適宜設定するだけで、一の具材を挟んだ積層食品でも、複数の具材を挟んだ積層食品でも簡単に製造することができる。
(5)具量調節手段を設けて具材の量や厚さを調節できるようにすれば、当該具材の上に載せた主食材や具材が傾いたり、落下したりする問題が生じにくい。
本発明の積層食品袋詰め装置は、次の効果を奏する。
(1)前記積層食品製造装置を用いる装置であるため、前記積層食品製造装置と同様の効果を奏する。
(2)積層食品製造装置の先方に、積層食品を切断する切断装置と、切断された積層食品を搬送する切断食品搬送体と、切断装置で切断された積層食品を切断食品搬送体に送り出す食品送出装置と、切断された積層食品を袋に詰めるための袋詰め装置が設けられているため、積層食品の製造から袋詰めまでを一つのラインで完結させることができる。
(3)食品送出装置として本発明における食品移載装置を用いた場合、積層食品を崩すことなく、切断食品搬送体に送り出すことができる。
(a)本発明における食品移載装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の食品移載装置の背面側概略図。 図1に示す食品移載装置の平面側概略図であって、(a)はスライド機構のスライド体が最後方にさがり、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(b)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に収縮した状態を示すもの、(c)はスライド機構のスライド体が最前方に移動し、進退機構のロッドが完全に伸長した状態を示すもの。 本発明における食品移載装置におけるスライド板とベルトの動作を説明するものであって、(a)はスライド板が最後方まで下がった状態を示す側面図、(b)はスライド板が途中まで前進した状態を示す側面図、(c)はスライド板が最前方まで前進した状態を示す側面図。 本発明の積層食品製造装置の概要を示す平面図。 (a)〜(f)はパン配給装置の動作説明図。 具材供給体の一例を示す分解斜視図。 図6に示す厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(d)は厚み調節体の動作説明図。 (a)〜(f)は具材配給装置の動作説明図。 (a)は切断装置の一例を示す正面図、(b)は切断装置の動作説明図。 (a)〜(e)は食品送出装置の動作説明図。 (a)は把持装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)の把持装置の平面図、(c)は(a)の把持装置の側面図。 把持装置をロボットアームに取り付けた場合の概要説明図。 (a)〜(e)は図12に示す把持装置の動作説明図。 (a)(b)はストッカーに収容されたフィルム袋を袋取出し装置で取り出す場合の動作説明図、(c)〜(e)は袋取出し装置で取り出したフィルム袋を袋開口装置の上板で引き継ぐ場合の動作説明図。 (a)〜(c)は引き継いだフィルム袋の開口部を上板と下板とで開口する場合の動作説明図。
(食品移載装置の実施形態)
本発明における食品移載装置1の一例を、図面を参照して説明する。本発明における食品移載装置1は、サンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーのように、二以上の主食材(パンや薄型円盤状に成形されたライス等のことを指す。本願において同じ。)Aの間に具材(ゆでたまご、ツナマヨネーズ、ポテトサラダ、ハンバーグ、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード等のことを指す。本願において同じ。)Bが挟まれた積層食品の製造に際し、当該主食材Aや具材Bを掬い上げて所望の場所へ移動させることのできる装置である。
[食品移載装置の概要]
一例として図1(a)(b)に示す食品移載装置1は、固定基材2と、第一の可動基材3と、第二の可動基材4と、スライド機構5と、進退機構6と、昇降装置7を備えたものである。固定基材2と第一の可動基材3はスライド機構5を介して接続され、第一の可動基材3と第二の可動基材4は進退機構6を介して接続され、固定基材2と昇降装置7が接続されている。
[固定基材]
前記固定基材2は、スライド機構5が取り付けられたスライド機構取付け部2aと、昇降装置7が取り付けられた昇降装置取付け部2bを備えたものであり、昇降装置7の上下動作によって昇降するように構成されている。固定基材2は、ステンレス板など板材を折り返して形成することができる。
[スライド機構]
前記固定基材2に取り付けられたスライド機構5は、第一の可動基材3を前後方向にスライドさせるための機構である。この実施形態では、スライド機構5として、株式会社コガネイのフラットロッドレスタイプのエアシリンダ(型番:MRVS22X200-ZE135-A2)を用いている。このエアシリンダは、スライドチューブ5aにスライド体5bが設けられたものであり、エアを動力としてスライド体5bがエアチューブ5aの長手方向(前後方向)にスライドするように構成されている。当該エアシリンダのうち、スライドチューブ5aの部分が固定基材2に取り付けられ、そのスライドチューブ5aにスライド体5bがスライド自在に設けられている。スライド機構5はこれ以外のものを用いることもできる。
[第一の可動基材]
前記第一の可動基材3はスライド機構5のスライド体5bに接続され、当該スライド体5bの前後方向への移動に伴って、同方向へ移動するように構成されている。一例として図1(a)(b)及び図2(a)〜(c)に示す第一の可動基材3は、長板3aの先端に横板3bが連結された平面視T字状の部材であり、長板3aの一面に第一のガイドレール8が取り付けられている。第一のガイドレール8は背面視逆向きのコ字状であり(図1(b))、固定基材2に固定された第一のスライダー9が当該第一のガイドレール8の通路に嵌合するようにしてある。第一のガイドレール8に第一のスライダー9を嵌合させることで、第一の可動基材3のスムーズな前後移動が可能になる。
[進退機構]
前記第一の可動基材3の長板3aの他面には、前記進退機構6が設けられている。進退機構6は、第二の可動基材4を前後方向に移動させるものである。この実施形態では、進退機構6として、株式会社コガネイのペンシリンダ(型番: PBDAS16X100-7-ZC230B2)を用いている。このペンシリンダは、シリンダチューブ6aとロッド6bを備えたものであり、エアを動力としてロッド6bが進退するように構成されている。当該進退機構6のうち、シリンダチューブ6aが第一の可動基材3に取り付けられている。
前記ロッド6bの先端には、第二のスライダー10が取り付けられ、当該第二のスライダー10が、第一の可動基材3に取り付けられた第二のガイドレール11に嵌合するように構成されている。第二のガイドレール11に第二のスライダー10を嵌合させることで、第二の可動基材4のスムーズな前後移動が可能になる。第二のスライダー10の外側には第二の可動基材4が取り付けられ、第二のスライダー10の前後方向の移動に伴って、同方向に移動するようにしてある。
[第二の可動基材]
前記第二の可動基材4には、平面視縦長方形のスライド板12が固定され、当該第二の可動基材4の前後移動に伴って、当該スライド板12が前後に移動するように構成されている。第二の可動基材4は間隔をあけて設けられた一対のスライド体保持片4a、4bを備え、当該スライド体保持片4a、4bの間にスライド板12が保持されている。この実施形態では、ステンレス板を所望形状に折り曲げた複数の部材を組み合わせて第二の可動基材4を形成している。
[ベルト]
前記スライド板12の外周には、一枚のシート状のベルト13が周回されている。ベルト13は滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。このベルト13の両端部13a、13bは、第一の可動基材3の横板3bと当該横板3bに対向配置された保持板14の間に配置され、当該横板3bと保持板14の間に固定されている。図示は省略しているが、ベルト13の両端部13a、13bの間に平板状のスペーサーを配置し、横板3b−ベルトの一端13a−スペーサー−ベルトの他端13b−保持板14が、この順番で重なるように固定することもできる。これら部材の固定には、ボルトとナットなど、既存の留め具15を用いることができる。この実施形態では、ベルト保持手段として、横板3b及び保持板14を用いる場合を一例として説明しているが、ベルト13を確実に保持できる限り、ベルト保持手段はこれ以外の構成とすることもできる。
[ベルトの動作原理]
前記スライド板12に周回されたベルト13の動作原理は、図3(a)〜(c)によって説明することができる。図3(a)はスライド板12が最後方に位置している状態を示すものである。この状態から、スライド板12を図3(b)(c)のように前方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の下面側13xがスライド板12の上面側に送り出される。反対に、図3(c)のようにスライド板12が最前方に位置している状態から、スライド板12を図3(b)(a)のように後方に移動させると、そのスライド板12の外周に周回されたベルト13のうち、スライド板12の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻される。この動作によって、スライド板12の外周のベルト13の上面側13yに移載対象である主食材Aや具材Bを掬い上げ、掬い上げた主食材Aや具材Bを他の場所に降ろすことができる。なお、ベルト13の下面側13xと上面側13yは相対的な概念であり、下面側13xの部分がスライド体12の上面側に繰り出されると当該部分は上面側13yとなり、反対に、上面側13yの部分がスライド体12の下面側に引き戻されると、当該部分は下面側13xとなる。
[昇降装置]
前記昇降装置7は、固定基材2及びそれに連関する部材、具体的には、固定基材2、第一の可動基材3、第二の可動基材4、スライド機構5、進退機構6、スライド板12、ベルト13及びベルト保持手段を、を上下方向に昇降させるための機構である。この実施形態では、昇降装置7として株式会社ダイアディックシステムズ製の電動シリンダ(型番:SCN6-20-150BW)を用いている。昇降装置7は前記部材を昇降できるものであればこれ以外であってもよい。昇降装置7を動作させて前記食品移載装置1を昇降させることによって、食品移載装置1を食品の取出しや移載に適した高さに適宜調節することができる。昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することもできる。
[食品移載装置の動作]
本発明における食品移載装置1の動作について、図2(a)〜(c)を参照して説明する。
(1)図2(a)の待機状態でスライド機構5を動作させると、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4が前進する。このとき、固定基材2及び当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5aは移動しない。また、ロッド6bは後退した状態で保持されている。
(2)前記(1)の状態から、第一の可動基材3及びこれに接続された第二の可動基材4を図2(b)の状態まで前進させたのち、進退機構6のロッド6bを前進させると、当該ロッド6bの先端に取り付けられた第二の可動基材4が前進移動する。このとき、固定基材2、当該固定基材2に固定されたスライドチューブ5a、当該スライドチューブ5aに取り付けられたスライド体5b、当該スライド体5bに接続された第一の可動基材3は移動しない。
(3)前記(2)の状態から、進退機構6のロッド6bを前進させて第二の可動基材4を図2(c)の状態まで前進させると、その移動に伴って第二の可動基材4に取り付けられたスライド板12が前進し、当該スライド板12に周回されたベルト13のうち、下面側13xがスライド板12の上面側に繰り出される。
前記(1)〜(3)の動作を、スライド板12の先端を移動対象である主食材Aや具材B等の食品の下側に配置した状態で行うことで、スライド板12がこれら食品の下面側に潜り込み、当該食品をベルト13の上面側13yに掬い上げることができる。食品がベルト13の上に掬い上げられた状態でスライド板12を後退移動させと、当該スライド板12に周回されたベルト13の上面側13yがスライド板12の下面側に引き戻され、当該ベルト13上の食品が当該ベルト13の上から降ろされる。
(積層食品製造装置の実施形態)
本発明の積層食品製造装置(以下「製造装置」という)20の一例を、図面を参照して説明する。本発明の製造装置20は、サンドイッチやハンバーグ、ライスバーガーといった二以上の主食材Aの間に具材Bが挟まれた各種積層食品の製造に用いることができるが、ここでは、積層食品が四角形状のパンAの間にゆでたまごBが挟まれたサンドイッチSの場合を一例として説明する。また、この実施形態では、サンドイッチSを二セット重ねて製造する場合を一例として説明する。
[製造装置の概要]
一例として図4に示す製造装置20は、搬送コンベア21と、二以上の食品キャリア22と、当該食品キャリア22に下側のパン(以下、説明の便宜上、「第一の下パン」という)A1を配給する第一のパン配給装置23と、当該第一の下パンA1の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第一の具材」という)B1を配給する第一の具材配給装置24と、当該第一の具材B1の上に一つ目のサンドイッチSの上パン(以下、説明の便宜上、「第一の上パン」という)A2及び二つ目のサンドイッチの下パン(以下、説明の便宜上、「第二の下パン」という)A3を重ねて配給する第二のパン配給装置25と、当該第二の下パンA3の上にゆでたまご(以下、説明の便宜上、「第二の具材」という)B2を配給する第二の具材配給装置26と、当該第二の具材B2の上に上パン(以下、説明の便宜上、「第二の上パン」という)A4を配給する第三のパン配給装置27を備えたものである。
[搬送コンベア]
前記搬送コンベア21は、その表面側に間隔をあけて取り付けられた二以上の食品キャリア22及びその上に載置されていくサンドイッチS(前記製造過程にあるもの及び完成したものの双方を含む。本願において同じ。)を搬送するものである。一例として図4に示す搬送コンベア21は無端状のベルトコンベアであり、先端部に達したベルトはそのまま下側に回り込んで元の位置に戻るように構成され、ベルト表面に取り付けられた食品キャリア22を先方に向けて搬送して元の位置に戻せるようにしてある。この実施形態では、搬送コンベア21として、モータで駆動する既存のベルトコンベアを用いているが、食品キャリア22を搬送できるものであれば、ベルトコンベア以外のコンベアであってもよい。また、搬送コンベア22は、無端状のものに限らず、有端状のものであってもよい。搬送コンベア21は、メンテナンスや修理の容易化のため、正逆両方に回転させられるようにしておくのが好ましい。
[食品キャリア]
前記搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22は、サンドイッチSを載置するための部材である。この実施形態で用いている食品キャリア22は、図10(b)に示すように、平板状の載せ板22aと、当該載せ板22aに間隔をあけて突設された二枚の立設板22b、22cとから構成されている。二枚の立設板22b、22cの間隔は、製造するサンドイッチSの主食材Aが収まる広さとしてある。載せ板22aの表面には、一方の立設板22bの一端側から他方の立設板22bの他端側に向けて斜めの溝(以下「斜め溝」という)22dが形成され、完成したサンドイッチSを切断装置28で三角形状に切断する際に、当該切断装置28の切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
[パン配給装置]
前記第一のパン配給装置23、第二のパン配給装置25及び第三のパン配給装置27は同じ構造のものであり、パンAを所定間隔で一列に搬送するパン供給体(主食材供給体)29とパン移載装置(主食材移載装置)30を備えている。図4に示すように、パン供給体29とパン移載装置30は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、パン供給体29で搬送されたパンAを対向位置に配置されたパン移載装置30で掬い上げ、両者の間を移動する食品キャリア22に配給できるようにしてある。
[パン供給体]
この実施形態のパン供給体29は、モータで駆動する既存のベルトコンベアである。パン供給体29には、パンAの搬送方向先方寄りの位置に、搬送されたパンAの先端を検出する先端センサー(主食材検出センサー)31が設けてあり、当該先端センサー31によってパンAの先端が検出されたときに、パン供給体29が停止するようにしてある。パン供給体29の停止によって、パン供給体29の先頭に停止したパンAがパン移載装置30によって掬い上げられる。パン供給体29へのパンAの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできるが、パンAの重なりを防止するため、いずれの場合も、パンAは所定間隔をあけて搬送するのが好ましい。
[パン移載装置]
前記パン移載装置30は、パン供給体29の先頭に停止したパンAを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22に移すための装置である。この実施形態では、パン移載装置30として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
パン供給体29とパン移載装置30を備えた各パン配給装置23、25、27は、例えば、図5(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22にパンAを配給することができる。ここでは、第一のパン配給装置23を一例として説明するが、第二のパン配給装置25及び第三のパン配給装置27、並びに本願に出てくるその他のパン配給装置も同様に動作する。
(1)図5(a)は第一のパン配給装置23の待機状態を示すものである。この状態において、パン移載装置30は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、パン供給体29には複数枚の第一の下パンA1が間隔をあけて搬送され、先端が検出された第一の下パン(以下「移載対象パン」という)A1がパン供給体29の先頭部分で停止した状態にある。
(2)前記(1)の状態から、パン移載装置30のスライド機構5を動作させ、図5(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材をパン供給体29に向けて前進させる。このとき、パン移載装置30のスライド板12が移載対象パンA1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によってパン移載装置30を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、パン移載装置30の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図5(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象パンA1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(d)のように上昇させ、移載対象パンA1をパン供給体29上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図5(e)のように後退させ、パン供給体29とパン移載装置30の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によってパン移載装置30を図5(f)のように降下させてスライド板12を食品キャリア22上に配置し、その状態で、パン移載装置30の進退機構6を収縮させてスライド板12を引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ板22a上に移載対象パンA1が配給される。
なお、第一のパン配給装置23、第二のパン配給装置25及び第三のパン配給装置27は同構造であり、その動作も同じであるが、それぞれの役割は異なる。具体的には、第一のパン配給装置23は食品キャリア22上に第一の下パンA1を、第二のパン配給装置25は第一の具材B1の上に第一の上パンA2及び第二の下パンA3を、第三のパン配給装置27は具材B2の上に第二の上パンA4を配給するという異なる役割を担う。また、第二のパン配給装置25は、第一の上パンA2と第二の下パンA3を重ねて配給するため、第二のパン配給装置25におけるパン供給体29では、第一の上パンA2と第二の下パンA3を二枚重ねにして搬送する必要がある。
[具材配給装置]
前記第一の具材配給装置24及び第二の具材配給装置26は同じ構造のものであり、具材Bの量を調整しながら搬送する具材供給体32と具材移載装置33を備えている。図4に示すように、具材供給体32と具材移載装置33は、搬送コンベア21を挟んで対向配置され、具材供給体32で搬送された具材Bを対向位置に配置された具材移載装置33で掬い上げて、両者の間を移動する食品キャリア22に配給できるようにしてある。
[具材供給体]
この実施形態の具材供給体32は、図6に示すように、モータで駆動する既存のベルトコンベア34の上面側に、具材Bの横幅を調節する横幅調節体35と、具材Bの厚みを調節する厚み調節体36を備えたものである。横幅調節体35は間隔をあけて配置された二枚の横板35a、35bと、それら横板35a、35bの後端側を連結する後連結板35cと、それら横板35a、35bの前端側に架設された前連結棒35dを備えた平面視縦長方形状であり、両横板35a、35bの前端側であって前連結棒35dの下側には、具材Bの横幅を規制する幅規制具35eが設けられている。図6に示す幅規制具35eは、平面視く字状であり、その一部が内向きに突出するように取り付けられている。両横板35a、35bにはブラケット37が設けられ、横幅調節体35は、当該ブラケット37を介してベルトコンベアの外側に配置された外フレーム38に固定されている。
[厚み調節体]
前記厚み調節体36は、間隔をあけて配置された二枚の側板36a、36bと、それら両側板36a、36bの前面側に設けられた前板36cと、両側板36a、36bの後方側を連結する後連結軸36dを備え、前板36cの幅方向両外側に縦長のアーム39a、39bが設けられている。前板36cは具材Bを一定厚に均す部分であり、具材Bに直接触れる部分であるため、その先端に具材Bに触れても問題のない材質の保護材40が設けてある。
両アーム39a、39bは外フレーム38の外側に配置され、両アーム39a、39bの下端側に設けられた切欠き溝41a、41bに図示しない偏芯軸が架設されている。この偏芯軸には駆動モータが連結され、当該駆動モータによって偏芯軸を回転させると、厚み調節体36が図7のような軌道で回転するようにしてある。偏芯軸の回転によって厚み調節体36の前板36cとベルトコンベアの表面の間隔Lが図8(a)〜(d)のように変化する。当該間隔が図8(a)のように狭い状態でベルトコンベア34が走行することで、厚み調節体36の前板36cによって具材Bの厚みが調節され、当該間隔が図8(c)のように広がった状態でベルトコンベア34が走行することで、一定厚に均された具材Bが前板36cの下を通過する。具材Bの量は、偏芯軸の回転数、すなわち、厚み調節体36の前板36cの下を具材Bが通過する回数によって調節することができる。また、具材Bの厚さは前板36cの高さや前板36cの先端につける保護材40の高さによって調節することができる。
具材供給体32には、具材搬送方向先方寄りの位置に、ベルトコンベア34上を搬送された具材Bの先端を検出する先端センサー(具材検出センサー)42が設けてあり、当該先端センサー42によって具材Bの先端が検出されたときに、具材供給体32が停止するようにしてある。具材Bは、横幅調節体35と厚み調節体36で調節されているため、具材Bの先端が検出されたときには、毎回同量又は略同量の具材Bが停止する。具材供給体32の停止によって、具材供給体32の先頭に停止した具材Bは具材移載装置33によって掬い上げられる。具材供給体32への具材Bの供給は機械作業で行うことも手作業で行うこともできる。いずれの場合も、具材Bの詰まりを防止する観点から、具材Bはある程度の厚さに均した状態で配給するのが好ましい。
[具材移載装置]
前記具材移載装置33は、具材供給体32の先頭に停止した所定量の具材Bを掬い上げて、搬送コンベア21に取り付けられた食品キャリア22(より具体的には食品キャリア22の上パンAの上)に移すための装置である。この実施形態では、具材移載装置33として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。
具材供給体32と具材移載装置33を備えた各具材配給装置24、26は、例えば、図9(a)〜(f)に示す手順で食品キャリア22上のパンAの上に具材Bを配給することができる。ここでは、第一の具材配給装置24を一例として説明するが、第二の具材配給装置26及び本願に出てくるその他の具材配給装置も同様に動作する。
(1)図9(a)は第一の具材配給装置24の待機状態を示すものである。この状態において、具材移載装置33は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。他方、具材供給体32では第一の具材B1が搬送され、先端が検出された具材(以下「移載対象具材」という)B1が具材供給体32の先頭部分で停止した状態にある。停止状態にある移載対象B1の量は、第一の下パンA1の上に載る量としてある。
(2)前記(1)の状態から、具材移載装置33のスライド機構5を動作させ、図9(b)のように、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を具材供給体32に向けて前進させる。このとき、具材移載装置33のスライド板12が移載対象具材B1の底面側の手前部分に位置するように、昇降装置7によって具材移載装置33を上下に昇降させる。
(3)前記(2)の状態から、具材移載装置33の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図9(c)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を移載対象具材B1の下側に潜り込ませる。
(4)前記(3)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を図9(d)のように上昇させ、移載対象具材B1を具材供給体32上から掬い上げる。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図9(e)のように後退させ、具材供給体32と具材移載装置33の間を走行する食品キャリア22の上方に配置する。
(6)前記(5)の状態から、昇降装置7によって具材移載装置33を降下させてスライド板12を食品キャリア22の上に配置したのち、その状態で、具材移載装置33の進退機構6を後退させてスライド板12を図9(f)のように引き戻すことによって、食品キャリア22の載せ面上にある第一の下パンA1の上に移載対象具材B1が配給される。
なお、第一の具材配給装置24及び第二の具材配給装置26は同構造であり、その動作も同じである。第一の具材配給装置24及び第二の具材配給装置26で配給する具材Bは、同じものであっても、異なるものであってもよい。同じ具材Bを配給するようにした場合、完成する二セットのサンドイッチSは同じものであり、異なる具材Bを配給するようにした場合、完成するにセットのサンドイッチSは異なるものとなる。
(積層食品製造装置の他の実施形態)
前記実施形態では、一つの具材Bが挟まれたサンドイッチSを、二セット重ねて製造する場合を一例としているが、パン配給装置と具材配給装置の台数及び配置を適宜設定することによって、二以上の具材Bが挟まれたサンドイッチSを製造したり、三セット以上のサンドイッチSを重ねて製造したりすることもできる。例えば、三セットのサンドイッチSを重ねて製造したい場合は、パン配給装置を四台と具材配給装置を三台用意し、第一のパン配給装置23−第一の具材配給装置24−第二のパン配給装置25−第二の具材配給装置26−第三のパン配給装置27−第三の具材配給装置(図示しない)−第四のパン配給装置(図示しない)の順番で配置し、第二のパン配給装置25と第三のパン配給装置27で二枚のパン(第一の上パンA2及び第二の下パンA3と、第二の上パンA4及び第三の下パンA5)を積層して配給できるようにすればよい。
また、パン配給装置と具材配給装置の台数を減らしてサンドイッチSを一セットだけ製造することもできる。この場合、パン配給装置を二台、具材配給装置を一台用意し、第一のパン配給装置23−第一の具材配給装置24−第二のパン配給装置25の順番で配置すればよい。
なお、ここまで説明した実施では、複数セットのサンドイッチSを重ねて製造する場合には、いずれかのパン配給装置(例えば、図4における第二のパン配給装置25)でパンAを二枚積層して配給するようにしているが、二台のパン配給装置を隣り合わせに並べて、それぞれのパン配給装置で一枚ずつパンを配給するようにしてもよい。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造する場合を一例としているが、本発明の製造装置20でハンバーガーやライスバーガーを作る場合には、具材Bとしてハンバーグやトマト、レタス、ケチャップ、マヨネーズ、タルタルソースなどを順次移載していけばよい。本発明の製造装置20では、本発明における食品移載装置1を用いるため、ケチャップやマヨネーズ、タルタルソースのような定形性を有しない具材Bであっても、形状を保持したまま移載することができる。
(積層食品袋詰め装置の実施形態)
本発明の積層食品袋詰め装置(以下「袋詰め装置」という)50の一例を、図面を参照して説明する。この実施形態の袋詰め装置50は、前記製造装置20で製造したサンドイッチSを切断してフィルム袋Pに詰める装置であり、前記製造装置20の先方に設けられた切断部54と、その切断部54で切断されたサンドイッチ(以下「切断済みサンドイッチ」という)Sを搬送する切断食品搬送体51と、当該切断食品搬送体51に切断済みサンドイッチSを送り出す食品送出装置52と、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに詰めるための袋詰めユニット53を備えている。
[切断部及び停止部]
図4に示すように、この実施形態では、図4に示す搬送コンベア21の第三のパン配給装置27の先方に、サンドイッチSの切断部54が設けられている。搬送コンベア21は、食品キャリア22が切断部54に到達したときに停止するように構成されている。前記切断装置28はこの切断部54に設けられ、切断部54に到達した食品キャリア22上のサンドイッチSを上方から切断できるようにしてある。切断装置28には、例えば、図10(a)(b)に示すような超音波切断機を用いることができる。この超音波切断機は、超音波で切断刃28aを振動させることによってサンドイッチSを切断するものであり、切断部54に停止しているサンドイッチSの上方から真下に切断刃28aを降下させるとともに、当該切断刃28aを振動させることによって、サンドイッチSを切断するものである。なお、図10(b)に示すように、この実施形態の食品キャリア22の載せ板22aには斜め溝22dが形成されており、切断刃28aを降下させたときに、当該切断刃28aの先端が当該斜め溝22dに収まるようにしてある。
図4に示すように、搬送コンベア21の切断部54の先方には切断済みサンドイッチSが停止する停止部55が設けられている。切断済みサンドイッチSは搬送コンベア21上をさらに走行し、停止部55に到達したところで停止する。停止部55の側方(図4の例では、搬送コンベア21の搬送方向右側方)には、切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出す食品送出装置52が設けられている。
[食品送出装置]
前記食品送出装置52は、搬送コンベア21の停止部55に停止した切断済みサンドイッチSを掬い上げて、切断食品搬送体51に送り出すための装置である。この実施形態では、食品送出装置52として、前記食品移載装置の実施形態で説明した食品移載装置1を用いている。食品移載装置1の構造は既に説明してあるため、ここでは説明を省略する。なお、停止部55の高さ(搬送コンベア21の高さ)は予め特定されているため、食品送出装置52は搬送コンベア21の高さに合わせて設定しておけばよい。したがって、昇降装置7は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
食品送出装置52は、例えば、図11(a)〜(e)に示す手順で停止部55上の切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51に送り出すことができる。
(1)図11(a)は食品送出装置52の待機状態を示すものである。この状態において、食品搬送装置52は、スライド機構5及び進退機構6が最後方に下がった状態にある。この状態において、ベルト13が周回されたスライド板12が、切断済みサンドイッチSの底面側手前に配置されている。
(2)前記(1)の状態から、食品送出装置52の進退機構6によって第二の可動基材4に設けられたスライド板12を図11(b)のように前方へスライドさせ、当該スライド板12を切断済みサンドイッチSの下側に潜り込ませ、切断済みサンドイッチSをスライド板12の外周のベルト13の上に掬い上げる。
(3)前記(2)の状態から、食品送出装置52のスライド機構5を動作させ、図11(c)のように第一の可動基材3及びこれに接続された部材を切断食品搬送体51に向けて前進させ、スライド板12を切断食品搬送体51上に配置する。
(4)前記(3)の状態から、進退機構6を収縮させ、図11(d)のように食品送出装置52のスライド板12を引き戻すことによって、切断済みサンドイッチSを切断食品搬送体51上に移載する。
(5)前記(4)の状態から、スライド機構5によって、第一の可動基材3及びこれに接続された部材を図11(e)のように後退させ、次の切断済みサンドイッチSの移載に備える。
[切断食品搬送体]
前記切断食品搬送体51は、切断済みサンドイッチSを食品キャリア22から受け継いで、その切断済みサンドイッチSをさらに先方へ搬送するためのものである。この実施形態では、切断食品搬送体51として既存のベルトコンベアを用いている。ベルトコンベアの先方には、切断済みサンドイッチSを検出する切断食品検出センサー56が設けられ、当該切断食品検出センサー56が切断食品搬送体51で搬送される先頭の切断済みサンドイッチSを検出すると、当該ベルトコンベアが停止するようにしてある。
[袋詰めユニット]
前記袋詰めユニット53は、切断食品搬送体51上の切断済みサンドイッチSを把持する把持装置57と、フィルム袋Pを積層してストックしておくストッカー58と、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出す袋取出し装置59と、取り出したフィルム袋Pの開口部を開く袋開口装置60を備えている。前記把持装置57には、例えば、特許文献1記載の物品把持装置を用いることができる。
[把持装置]
この把持装置57は、図12(a)〜(c)に示すように、本体61と、当該本体61に設けられた一対の把持体62a、62bと、当該把持体62a、62bを駆動させる駆動手段63a、63bを備えたものである。一対の把持体62a、62bは、両把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが収まる広さの間隔をあけて対向配置してある。それぞれの把持体62a、62bは、スライド板64a、64bの外周にシート状のベルト65a、65bが周回され、そのベルト65a、65bの両端部側が本体61に固定されている。ベルト65a、65bは、前記食品移載装置1におけるベルト13と同様、滑り抵抗の小さい材質のものが好ましく、例えば、合成樹脂製のものなどを用いることができる。駆動手段63a、63bによって両スライド板64a、64bを前記本体61の先方に突出するまで前進移動させると、突出した一対の把持体62a、62b間に切断済みサンドイッチSが把持され、両スライド板64a、64bを後退移動させると、一対の把持体62a、62b間に把持されていた切断済みサンドイッチSの把持が解放されるようにしてある。
前記一対の把持体62a、62bは、両者を同時に移動するようにすることも、別々に移動するようにすることもできる。また、把持体62a、62bの先端側は、把持した切断済みサンドイッチSの外に突出しないように階段状の段差を持たせてある。本体61はロボットアームRへの取付け部66を備え、図13のようにロボットアームRに取り付けて使用できるようにしてある。なお、把持装置57は、図4に示すように、切断食品搬送体51の搬送方向両側方に一台ずつ設けてあり、それぞれの把持装置57で、把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pに挿入できるようにしてある。
把持装置57は、例えば、図14(a)〜(e)の手順で切断済みサンドイッチSを把持することができる。図14(a)に示すように、本体61の先端の当て部67(図14(a))を切断食品搬送体51の上にある切断済みサンドイッチSの背面に押し当てる(図14(b))。その状態で、本体61を前進させることなくその位置に保持して、本体61の先端に設けられている二枚の把持体62a、62bのうち一方(図14(b)では上方の把持体62b)を、本体61の先方に前進移動させて切断済みサンドイッチSの上面に宛がう(図14(b))。その状態で、他方の把持体(図14(c)では下方の把持体62a)を本体61の先方に前進移動させて、把持体62bのベルト65bで切断済みサンドイッチSの下面を掬いあげて、両把持体62a、62bの間に切断済みサンドイッチSを把持する(図14(c))。切断済みサンドイッチSを把持した把持装置57は、本体61の軸線周りに回転させ、把持した切断済みサンドイッチSを図14(d)のように縦向きに変更できるようにしてある。切断済みサンドイッチSを縦向きにした把持装置57は、ロボットアームRの動作によって、図14(e)のように水平方向に回転させられるようにしてある。
[ストッカー]
図15(a)〜(e)に示すように、前記ストッカー58は上下に開口部58a、58bを備え、フィルム袋Pを上側の開口部(上側開口部58a)から入れて下側の開口部(下側開口部58b)からフィルム袋Pを取り出せるようにしてある。一例として図4に示すストッカー58は、フィルム袋Pを横並びにストックできる構造のものである。なお、本実施形態におけるフィルム袋Pは上面P1と下面P2を備えた既存のサンドイッチ用フィルム袋であり、上面P1と下面P2の両者が重なった状態でストッカー58に積層収容されている。
[袋取出し装置]
ストッカー58の近傍には、当該ストッカー58からフィルム袋Pを一枚ずつ取り出すための袋取出し装置59が設けられている(図4)。一例として、図4及び図15(a)〜(e)に示す袋取出し装置59は、ストッカー58の手前側からストッカー58の下側までの大きさの基体59aに移動体59bが設けられたものであり、当該移動体59bが基体59aに沿ってスライド可能なものである。移動体59bは図示しない昇降手段によって上下に昇降するようにしてあり、移動体59bをストッカー58の下側に接近させられるようにしてある。移動体59bには、フィルム袋Pを吸着保持するための取出し吸盤68が設けられ、ストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持できるようにしてある。
[袋開口装置]
前記袋取出し装置59の近傍には、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pの開口部を開口する袋開口装置60(図4)が設けられている。一例として図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c)に示す袋開口装置60は、フィルム袋Pの下面P2を保持する下側部材60bとフィルム袋Pの上面P1を保持する上側部材60aを備えている。図4に示すように、下側部材60bは前記切断食品搬送体51の先方に間隔をあけて配置されている。上側部材60aは回転軸69(図15(c)〜(e))に取り付けられ、当該下側部材60bの上方と袋取出し装置59の移動体59bの上方の間を往復移動できるようにしてある。また、上側部材60aは水平軸部材72(図15(c)〜(e)及び図16(a)〜(c))を備え、当該水平軸部材72を回転軸として上下方向に傾動できるようにしてある。下側部材60bの上面側にはフィルム袋Pの下面P2を吸着保持する下面用吸盤70が、上側部材60aの下面側には同フィルム袋Pの上面P1を吸着保持する上面用吸盤71が設けられている。前記袋取出し装置59の取出し吸盤68並びに袋開口装置60の下面用吸盤70及び上面用吸盤71には、図示しない吸引装置が接続され、当該吸引装置によって、フィルム袋Pを吸引できるようにしてある。
ストッカー58内のフィルム袋Pの取出しと当該フィルム袋Pの開口部の開口は、例えば、次の手順で行うことができる。
(1)基体59aに設けられた移動体59bを図15(a)のようにストッカー58の下に滑り込ませ、その状態で基体59aをストッカー58の底面側に向けて上昇させる。上昇させたところで、移動体59bの取出し吸盤68でストッカー58の一番下に収容されたフィルム袋Pを吸着保持する。
(2)前記(1)の状態で、基体59aを図15(b)のように元の位置まで降下させて、移動体59bを元の位置まで引き戻す。
(3)前記(2)の状態で、回転軸69を回転させることによって、上側部材60aを図15(c)のように上側部材60aをフィルム袋Pを保持した状態の移動体59bの上側まで移動させる。
(4)前記(3)の状態で、上側部材60aを図15(d)のように下向きに傾倒させ、その上側部材60aの上面用吸盤71で移動体59bで保持されたフィルム袋Pを吸着する。
(5)前記(4)の状態で、上側部材60aを図15(e)のように上向きに元の位置まで復帰させ、袋取出し装置59で取り出したフィルム袋Pを移動体59bから上側部材60aに引き継ぐ。フィルム袋Pを引き継いだ後、回転軸69を回転させることによって、フィルム袋Pを保持した上側部材60aを下側部材60bの上方まで移動さ、上側部材60aと下側部材60bとを対向させる(図16(a))。
(6)前記(5)の状態で、下側部材60bを図16(b)のように斜め上向きに立ち上げ、上側部材60aの上面用吸盤71で上面P1が吸着保持されたフィルム袋Pの下面P2を当該下側部材60bの下面用吸盤72で吸着保持する。
(7)前記(6)の状態で、下側部材60bを図16(c)のように元の位置に戻すと、上面P1が上面用吸盤71で吸着保持され、下面P2が下面用吸盤70で吸着保持されたフィルム袋Pの開口部が開口される。
前記要領でフィルム袋Pの開口部を開口した後、切断済みサンドイッチSを保持した把持装置57をロボットアームRの動作によってフィルム袋P側に水平回転させ、切断済みサンドイッチSをフィルム袋Pの開口部の手前まで移動させる(図16(c))。この状態で、把持装置57をフィルム袋Pの開口部からフィルム袋P内に差し込み、その把持装置57をフィルム袋P内に差し込んだ状態で把持装置57のスライド板64a、64bを後退させることによって、把持装置57で把持した切断済みサンドイッチSをフィルム袋P内に収容することができる。なお、切断済みサンドイッチSが収容されたフィルム袋Pは、図4に示すように、切断食品搬送体51の先方に設けられた排出コンベア73に移載される。切断済みサンドイッチSを収容したフィルム袋Pは、排出コンベア73のさらに先方で手作業によって封締めされる。
前記実施形態では、サンドイッチSを製造して袋詰めする場合を一例としているため、フィルム袋Pをストッカー58に収容しているが、ハンバーガーやライスバーガーなどを製造して袋詰めする場合には、既存の紙製袋を用いることもできる。
本発明における食品移載装置1はサンドイッチやハンバーガー、ライスバーガーの主食材Aや具材Bの移動に、本発明の積層食品製造装置20は、これらの製造に特に好適に用いることのできるものである。
1 食品移載装置
2 固定基材
2a スライド機構取付け部
2b 昇降装置取付け部
3 第一の可動基材
3a 長板
3b 横板
4 第二の可動基材
4a、4bスライド体保持片
5 スライド機構
5a スライドチューブ
5b スライド体
6 進退機構
6a シリンダチューブ
6b ロッド
7 昇降装置
8 第一のガイドレール
9 第一のスライダー
10 第二のスライダー
11 第二のガイドレール
12 スライド板
13 ベルト
13a、13b (ベルトの)両端部
13x (ベルトの)下面側
13y (ベルトの)上面側
14 保持板
15 留め具
20 積層食品製造装置(製造装置)
21 搬送コンベア
22 食品キャリア
22a 載せ板
22b、22c 立設板
22d 斜め溝
23 第一のパン配給装置
24 第一の具材配給装置
25 第二のパン配給装置
26 第二の具材配給装置
27 第三のパン配給装置
28 切断装置
28a 切断刃
29 パン供給体(主食材供給体)
30 パン移載装置(主食材移載装置)
31 先端センサー(主食材検出センサー)
32 具材供給体
33 具材移載装置
34 ベルトコンベア
35 横幅調節体
35a、35b 横板
35c 後連結板
35d 前連結棒
35e 幅規制具
36 厚み調節体
36a、36b 側板
36c 前板
36d 後連結軸
37 ブラケット
38 外フレーム
39a、39b アーム
40 保護材
41a、41b 切欠き溝
42 先端センサー(具材検出センサー)
43 第三の具材配給装置
44 第四のパン配給装置
50 積層食品袋詰め装置(袋詰め装置)
51 切断食品搬送体
52 食品送出装置
53 袋詰めユニット
54 切断部
55 停止部
56 切断食品検出センサー
57 把持装置
58 ストッカー
58a、58b (ストッカーの)開口部
59 袋取出し装置
59a 基体
59b 移動体
60 袋開口装置
60a (袋開口装置の)上側部材
60b (袋開口装置の)下側部材
61 本体
62a、62b 把持体
63a、63b 駆動手段
64a、64b スライド板
65a、65b ベルト
66 取付け部
67 当て部
68 取出し吸盤
69 回転軸
70 下面用吸盤
71 上面用吸盤
72 水平軸部材
73 排出コンベア
A 主食材
A1 第一の下パン
A2 第一の上パン
A3 第二の下パン
A4 第二の上パン
B 具材
B1 第一の具材
B2 第二の具材
P フィルム袋
P1 (フィルム袋の)上面
P2 (フィルム袋の)下面
R ロボットアーム
S サンドイッチ
切断済みサンドイッチ

Claims (13)

  1. 二以上の主食材の間に具材が挟まれた積層食品の当該主食材や具材を掬い上げて他の場所へ移動させるのに用いる食品移載装置において、
    固定基材と、第一の可動基材と、第二の可動基材と、スライド機構と、進退機構を備え、
    前記固定基材と第一の可動基材が前記スライド機構を介して接続され、
    前記第一の可動基材と第二の可動基材が前記進退機構を介して接続され、
    前記第二の可動基材にはスライド板が設けられ、
    前記スライド板にはベルトが周回され、
    前記ベルトは第一の可動基材に設けられたベルト保持手段によって保持され、
    前記第一の可動基材は、前記スライド機構の前後方向への動作に伴って前後方向へスライドし、
    前記第二の可動基材及びスライド板は、前記進退機構の前後方向への進退動作に伴って前後方向へ移動し、
    前記スライド板を前記主食材や具材に向けて前進移動させると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトがスライド板の上面側に繰り出されて前記主食材又は具材の下面側に潜り込み、当該主食材又は具材がスライド体の上面側に繰り出されたベルトの上に掬い上げられ、
    前記主食材又は具材がベルトの上に掬い上げられた状態で、スライド板を後退移動させると、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトがスライド板の下面側に引き戻されて前記ベルト上の主食材又は具材が当該ベルトの上から降ろされる、
    ことを特徴とする食品移載装置。
  2. 請求項1記載の食品移載装置において、
    固定基材に、当該固定基材及びそれに連関する部材を上下方向に昇降させる昇降装置が接続された、
    ことを特徴とする食品移載装置。
  3. 二以上の主食材の間に具材が積層された積層食品の製造装置において、
    少なくとも、搬送コンベアと、前記主食材や具材を載置して搬送する二以上の食品キャリアと、前記食品キャリアに主食材を供給する第一の主食材供給装置と、前記食品キャリアに載置された主食材の上に具材を供給する一又は二以上の具材供給装置と、前記食品キャリア上の具材の上に主食材を供給する第二の主食材供給装置を備え、
    前記二以上の食品キャリアは搬送コンベアに取り付けられ、
    前記第一の主食材供給装置、具材供給装置及び第二の主食材供給装置は、前記搬送コンベアの側方に、当該搬送コンベアの手前側から先方に向けて、第一の主食材供給装置、具材供給装置、第二の主食材供給装置の順で配置され、
    前記主食材供給装置は、主食材搬送体と主食材移載装置を備え、
    前記具材供給装置は、具材搬送体と具材移載装置を備え、
    前記主食材移載装置及び具材移載装置が、請求項1又は請求項2記載の食品移載装置であり、
    前記主食材供給装置は、進退機構でスライド板を前記主食材の底面側に向けて前進移動させることによって前記主食材搬送体で搬送された主食材を掬い上げることができ、前記進退機構で前記スライド板を後退移動させることによって掬い上げた主食材を前記搬送コンベアに取り付けられた食品キャリア上に供給可能であり、
    前記具材供給装置は、進退機構でスライド板を前進移動させることによって前記具材搬送体で搬送された具材を掬い上げることができ、前記進退機構でスライド板を後退移動させることによって掬い上げた具材を前記食品キャリア上の主食材又は他の具材の上に供給することができる、
    ことを特徴とする積層食品製造装置。
  4. 請求項3記載の積層食品製造装置において、
    第二の主食材供給装置の先方であって前記搬送コンベアの側方に、第一の具材供給装置と同じ構造の具材供給装置及び第二の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置が、この順番で一セット以上配置された、
    ことを特徴とする積層食品製造装置。
  5. 請求項3記載の積層食品製造装置において、
    第二の主食材供給装置の先方であって前記搬送コンベアの側方に、第一の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置、第一の具材供給装置と同じ構造の具材供給装置及び第二の主食材供給装置と同じ構造の主食材供給装置が、この順番で一セット以上配置された、
    ことを特徴とする積層食品製造装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の積層食品製造装置において、
    それぞれの具材供給装置に、具材の量を調節する具量調節手段が設けられた、
    ことを特徴とする積層食品製造装置。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の積層食品製造装置において、
    主食材搬送体及び具材搬送体のそれぞれはベルト式のコンベアであり、
    前記主食材搬送体は、その先端寄りの位置に主食材の先端を検出する主食材検出センサーを備え、
    前記具材搬送体は、その先端寄りの位置に具材の先端を検出する具材検出センサーを備え、
    前記主食材搬送体は、主食材検出センサーで主食材の先端が検出されると主食材の搬送を停止し、当該停止状態で先頭に位置する主食材が主食材移載装置によって取り出されると主食材の搬送を再開し、
    前記具材搬送体は、具材検出センサーで具材の先端が検出されると具材の搬送を停止し、当該停止状態で先頭に位置する具材が取り出されると具材の搬送を再開する、
    ことを特徴とする積層食品製造装置。
  8. 請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の積層食品製造装置で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め装置において、
    前記積層食品製造装置の先方に、製造した積層食品を所望形状に切断する切断装置が設けられ、
    前記切断装置の先方に、切断された積層食品を搬送する切断食品搬送体が設けられ、
    前記切断装置の近傍に、当該切断装置で切断された切断済み積層食品を前記切断食品搬送体に送り出す食品送出装置が設けられ、
    前記切断食品搬送体の先方に、切断された積層食品を袋に詰めるための袋詰め装置が設けられた、
    ことを特徴とする積層食品袋詰め装置。
  9. 請求項8記載の積層食品袋詰め装置において、
    食品送出装置は請求項1又は請求項2記載の食品移載装置であり、
    前記食品送出装置は、進退機構によってスライド板を前記食品移載装置の前方に送り込まれた積層食品の底面側に向けて前進移動させることによって当該積層食品を掬い上げることができ、前記進退機構で前記スライド板を後退移動させることによって掬い上げた積層食品を切断食品搬送体に移載することができる、
    ことを特徴とする積層食品袋詰め装置。
  10. 請求項8又は請求項9記載の積層食品袋詰め装置において、
    切断食品搬送体上の積層食品を把持する把持装置と、袋を積層して収容可能なストッカーと、当該ストッカーに収容された袋をストッカーの下側から一枚ずつ取り出し可能な袋取出し装置と、当該袋取出し装置で取り出した袋の開口部を当該袋取出し装置と協働して開口可能な袋開口装置を備え、
    前記把持装置は、切断食品搬送体上の積層食品を把持して、前記ストッカーから取り出して開口した袋に差し込み可能であり、袋に差し込んだ状態で把持装置を解除して当該把持装置を袋から引き抜くことによって、袋内に積層食品を収容可能である、
    ことを特徴とする積層食品袋詰め装置。
  11. 二以上の主食材の間に具材が挟まれた積層食品の当該主食材や具材を掬い上げて他の場所へ移動させるのに用いる食品移載方法において、
    外周にベルトが周回されたスライド板を前記主食材又は具材の下側にむけて前進移動させ、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の下面側のベルトをスライド板の上面側に繰り出して前記主食材又は具材の下面側に潜り込ませ、当該潜り込ませたベルトの上に主食材又は具材を掬い上げ、
    前記主食材又は具材がベルトの上に掬い上げられた状態で前記スライド板を後退移動させ、当該スライド板の外周に周回されたベルトのうち、スライド板の上面側のベルトをスライド板の下面側に引き戻して前記ベルト上の主食材又は具材を当該ベルトの上から降ろす、
    ことを特徴とする食品移載方法。
  12. 二以上の主食材の間に具材が積層された積層食品の製造方法において、
    主食材搬送体で搬送される主食材をその主食材搬送体と対向する位置に配置された主食材移載装置で掬い上げ、当該主食材を前記主食材搬送体と主食材移載装置の間に配置された搬送コンベアで搬送される食品キャリアに供給し、
    具材搬送体で搬送される具材をその具材搬送体と対向する位置に配置された具材移載装置で掬い上げ、当該主食材を前記搬送コンベアで搬送される食品キャリアに供給し、
    前記主食材供給装置による主食材の供給と前記具材供給装置による具材の供給を、所望回数、所望順序で繰り返すことによって積層食品を製造する、
    ことを特徴とする積層食品製造方法。
  13. 請求項12記載の積層食品製造方法で製造した積層食品を袋詰めする積層食品袋詰め方法において、
    前記積層食品を積層食品製造装置の先方に配置された切断装置で切断し、
    前記切断装置で切断した切断済み積層食品を、当該切断装置の近傍に配置された食品送出装置で掬い上げ、
    前記食品送出装置で掬い上げた切断済み積層食品を、当該食品送出装置の先方に配置された切断食品搬送体に送り出し、
    前記切断食品搬送体に送り出された切断済み積層食品を、当該切断食品搬送体の近傍に設けられた把持装置で把持し、
    前記切断食品搬送体の近傍に配置されたストッカー内の袋を、当該切断食品搬送体の近傍に配置された袋取出し装置で一枚ずつ取り出し、
    前記袋取出し装置で取り出した袋の開口部を、当該袋取出し装置の近傍に配置された袋開口装置で開口し、
    前記把持装置で把持した切断済み積層食品を前記袋開口装置で開口した袋内に差し込み、その状態で、把持装置の把持を解放することによって、当該切断済み積層食品を袋内に収容する、
    ことを特徴とする積層食品袋詰め方法。
JP2014262802A 2014-12-25 2014-12-25 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置 Active JP5843335B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014262802A JP5843335B1 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014262802A JP5843335B1 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015202988A Division JP2016119899A (ja) 2015-10-14 2015-10-14 積層食品製造装置、積層食品袋詰め装置、積層食品製造方法及び積層食品袋詰め方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5843335B1 JP5843335B1 (ja) 2016-01-13
JP2016119888A true JP2016119888A (ja) 2016-07-07

Family

ID=55073322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014262802A Active JP5843335B1 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5843335B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108357723A (zh) * 2018-01-16 2018-08-03 胡贤娟 一种用于封装装贴电子夹的胶袋输送开袋装置
JP2021011325A (ja) * 2019-07-03 2021-02-04 株式会社フジキカイ 物品移載装置
JP7474438B2 (ja) 2020-06-09 2024-04-25 株式会社日本キャリア工業 物品移動方法および物品移動装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7110585B2 (ja) * 2017-11-25 2022-08-02 花王株式会社 ロボットハンド
CN111280206A (zh) * 2020-03-02 2020-06-16 广东智源机器人科技有限公司 层叠食品制作装置

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6340147Y2 (ja) * 1983-04-12 1988-10-20
JPH0346097B2 (ja) * 1983-04-08 1991-07-15 Nitsushin Seika Kk
JPH0891316A (ja) * 1994-09-20 1996-04-09 Unie-Ku Mach Kk サンドイッチ等三角形状物の包装方法およびその包装機
JP2855194B2 (ja) * 1988-08-31 1999-02-10 株式会社サンデリカ サンドイッチの製造方法及び装置
JP2004315052A (ja) * 2003-04-17 2004-11-11 Furukawa Kiko Kk フイルム移送方法、フイルム被覆方法及びそれらの装置
JP2007222153A (ja) * 2006-01-30 2007-09-06 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2007307631A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2008184265A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Furukawa Kiko Kk 物品のせ降ろし方法と物品のせ降ろし装置
JP2008222366A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Furukawa Kiko Kk 物品自動移動装置
JP2009072209A (ja) * 2006-01-30 2009-04-09 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2012044894A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Nippon Spindle Mfg Co Ltd 食品製造装置
JP2012250825A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Furukawa Kiko Kk 物品移載装置
JP2014124132A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Yamazaki Baking Co Ltd 密封型サンドイッチの製造装置
JP2014161975A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Daiwa Can Co Ltd サンドイッチ製造装置
JP2014162529A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Daiwa Can Co Ltd サンドイッチ製造装置
JP2014198571A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 古川機工株式会社 物品把持装置と容器詰め装置

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0346097B2 (ja) * 1983-04-08 1991-07-15 Nitsushin Seika Kk
JPS6340147Y2 (ja) * 1983-04-12 1988-10-20
JP2855194B2 (ja) * 1988-08-31 1999-02-10 株式会社サンデリカ サンドイッチの製造方法及び装置
JPH0891316A (ja) * 1994-09-20 1996-04-09 Unie-Ku Mach Kk サンドイッチ等三角形状物の包装方法およびその包装機
JP2004315052A (ja) * 2003-04-17 2004-11-11 Furukawa Kiko Kk フイルム移送方法、フイルム被覆方法及びそれらの装置
JP2009072209A (ja) * 2006-01-30 2009-04-09 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2007222153A (ja) * 2006-01-30 2007-09-06 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2007307631A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Furukawa Kiko Kk 移載方法及びその装置
JP2008184265A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Furukawa Kiko Kk 物品のせ降ろし方法と物品のせ降ろし装置
JP2008222366A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Furukawa Kiko Kk 物品自動移動装置
JP2012044894A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Nippon Spindle Mfg Co Ltd 食品製造装置
JP2012250825A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Furukawa Kiko Kk 物品移載装置
JP2014124132A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Yamazaki Baking Co Ltd 密封型サンドイッチの製造装置
JP2014161975A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Daiwa Can Co Ltd サンドイッチ製造装置
JP2014162529A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Daiwa Can Co Ltd サンドイッチ製造装置
JP2014198571A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 古川機工株式会社 物品把持装置と容器詰め装置

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
境野結花: "「ベルト潜り込み式ロボットによる外部カメラを利用した自動玄関整理の研究」", ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’12講演論文集, JPN6015013647, 29 May 2012 (2012-05-29), JP, ISSN: 0003189439 *
多田隈建二郎 電気通信大学: "微小震動プレート爪機構", 第27回日本ロボット学会学術講演会予稿集DVD−ROM 2009年 THE 27TH ANNUAL , JPN6015013645, 17 September 2009 (2009-09-17), JP, ISSN: 0003136413 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108357723A (zh) * 2018-01-16 2018-08-03 胡贤娟 一种用于封装装贴电子夹的胶袋输送开袋装置
CN108357723B (zh) * 2018-01-16 2019-11-29 林梅仙 一种用于封装装贴电子夹的胶袋输送开袋装置
JP2021011325A (ja) * 2019-07-03 2021-02-04 株式会社フジキカイ 物品移載装置
JP7101998B2 (ja) 2019-07-03 2022-07-19 株式会社フジキカイ 物品移載装置
JP7474438B2 (ja) 2020-06-09 2024-04-25 株式会社日本キャリア工業 物品移動方法および物品移動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5843335B1 (ja) 2016-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016119899A (ja) 積層食品製造装置、積層食品袋詰め装置、積層食品製造方法及び積層食品袋詰め方法
JP2016119899A5 (ja)
JP6558650B2 (ja) 積層食品袋詰めシステム、積み重ね装置、移送装置
JP5843335B1 (ja) 積層食品製造装置及び積層食品袋詰め装置
JP7289329B2 (ja) 袋詰培地ブロックの袋折畳み機
JP2016144400A (ja) 積層食品重ね装置及び積層食品重ね方法
KR101185804B1 (ko) 자동포장기의 포대공급장치
JP2015196522A (ja) 容器充填方法
JP5461032B2 (ja) 仕分装置
US10919657B2 (en) Method of, and apparatus for, feeding products into containers
JP2015044595A (ja) 落とし入れ装置
US20200361646A1 (en) Food conveyor and packaging systems and methods
JP6041310B2 (ja) 食品把持装置と容器詰め装置
JP6379012B2 (ja) 物品移送装置
JP2018079961A (ja) 落とし入れ装置
JP2009012815A (ja) シート状トレー自動供給装置およびこれを用いた弁当箱への盛り付けラインシステム
KR101958550B1 (ko) 김 이송시스템 및 그 이송방법
US20020148203A1 (en) Method and apparatus for packaging flexible containers
JP2004155428A (ja) 箱詰装置
JP5324261B2 (ja) 物品保持装置
JP4472983B2 (ja) 箱詰装置
JP2018117527A (ja) シャリ玉処理装置
CN113911441A (zh) 一种食品装袋设备
JP2003002432A (ja) 物品の整列搬送装置
JP7294628B2 (ja) 果菜自動箱詰め排出方法、果菜収容箱自動積み重ね排出方法、果菜自動箱詰め排出装置、果菜収容箱自動積み重ね排出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5843335

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250