JP2012250825A - 物品移載装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フレームと、フレームに往復移動可能に設けられた移動体と、移動体の表面側と裏面側に周回されたベルトを備え、移動体はその駆動側を縦移動させて送り出すと先端側が先方に横移動し、駆動側を縦移動させて引き戻すと先端側が横移動して引き戻され、ベルトは周回方向任意箇所がフレームに固定されてリング状であり、移動体はその駆動側が縦移動する先端側が横移動し、ベルトは移動体の先端側が先方に横移動すると同方向に繰り出されてベルト先方の物品をベルトの上に掬い上げることができ、移動体の駆動側が縦方向に引き戻されて先端側が横方向に引き戻されると、その戻り方向に引き戻されてベルトの上の物品をベルトの先方に降ろすことができるようにした。
【選択図】図1
Description
(1)移動体が縦方向から横方向に(その逆にも)曲がって往復移動できるので、移動体が縦移動する分だけ移動体の横移動長が短くなり、フレームの横寸法を小型化できる。
(2)ベルトを移動体の表面と裏面に周回してリング状にし、移動体の移動によりベルトが移動体の表面と裏面に沿って引き出されたり引き戻されたりするので、物品を押すことなくベルトで掬い上げることができ、変形しない。
(3)フレームに縦向きと横向きのガイドを一連に設けて、移動体がそのガイドに沿って縦−横に往復移動することができるので、移動体の縦−横移動がスムース且つ確実になる。
(4)二つの物品移載装置を対向配置すれば、一つの物品を、二つの物品移載装置の対向するベルトの上に掬い上げることができるので、ベルトの上の物品が安定する。また、掬い上げられた物品の荷重が二つの移載装置のベルト及び移動体に分散されるので、ベルト及び移動体の耐荷重性が向上する。
(5)二つの移載部を一つのフレームに装備すれば、物品移載装置を小型化できる。
(6)移動体に駆動体を連結すれば、移動体を自動的に縦−横移動させることができ、自動機器と組み合わせて利用することができる。
(7)物品載置体のベルト先端側に、物品をベルトと反対側から支持する支持具を設ければ、ベルトに掬い上げられた物品の落下を防止することもできる。
(8)ロボットハンドに取付け可能な取付け部を設ければ、ロボットハンドとして使用することができるので、自動化機械の一環としての利用も可能である。
本願発明の物品移載装置の一例について、図面を参照しながら説明する。図1に示す物品移載装置は、フレーム1と、フレーム1に装備された移動体2と、移動体2の表側と裏側にその移動方向に周回されたベルト3を備えている。ベルト3は周回方向任意箇所がフレーム1に固定されてリング状にしてある。以下の説明では、説明の便宜上、移動体2とそれに周回してリング状にしたベルト3をまとめて移載部4ということがある。
前記フレーム1は、二枚の縦フレーム5が左右(横)に離れて平行に配置され、両縦フレーム5の上部が上連結部6で、下部が下連結部7で連結されて、一定間隔に保持されている。下連結部7は、その両端がネジ10によってフレーム1に固定されている。夫々の縦フレーム5は側面視形状が略L字状であり、縦板部5aと支持部5bがあり、縦板部5aから支持部5bまでガイド8が一連に形成されている。図1のガイド8は縦板部5aから支持部5bまで連続する溝であり、縦板部5aと支持部5bの連続部で湾曲しており、縦板部5aと支持部5bの内面に開口して、二枚の縦フレーム5のガイド8が対向している。フレーム1の材質は金属、硬質樹脂等とすることができる。
図1の移動体2は図2(a)に示すように、多数本の細長板材を屈曲可能に連結してシャッター状にしたものであり、その幅方向両端部が図1のガイド8の溝に差し込まれて、ガイド8の曲がりに沿って縦−横方向に連続移動(連続スライド)可能としてある。移動体2の材質も金属、硬質樹脂等とすることができる。
図1のベルト3は移動体2の表側と裏側に周回させてあり、ベルト3の周回方向任意箇所(図1では周回方向両端部)がフレーム1の下連結部7に固定されて一定長のリング状に保持されている。詳しくは、図2(a)〜(c)に示すように、下連結部7に面ファスナー9aが固定され、その面ファスナー9aに、ベルト3の周回方向(長手方向)一端の表側に取付けられている面ファスナー9bを重ねて接合し、この長手方向一端の裏側に取付けられている面ファスナー9c(前記接合により裏返しになって表側に出る)の上に、ベルト3の周回方向(長手方向)他端に取付けられている面ファスナー9dを重ねて接合することによりベルト3の両端部を下連結部7に固定して、ベルト3をリング状に保持してある。
ベルト3の周回動の動作を図6(a)〜(c)に示す。図6(a)はベルト3の両端部が固定具11によりフレームに固定されている場合であり、固定部11の位置をY−Y線上に一定にして、移動体2を前進後退させたときのベルト3の動作説明である。図6(a)は移動体2が前進した状態であり、ベルト3の表面側(上面部分)3aが移動体2の先端で先方に押されて移動体2の先端側に送り出された(先方周回した)状態である。図6(b)は移動体2が図6(a)の位置から後退した状態であり、ベルト3が移動体2の後端で押されてベルト3の表面側(図6(b)では上面)3aが移動体2の後端側に周回(後方周回)した状態である。図6(c)は移動体2が図6(b)の位置から更に後退した状態であり、ベルト3の表面側(図6(c)では上面)3aが移動体2の後端で押されて更に移動体2の後端側に周回(後方周回)した状態である。
図1の移動体2の押し下げと、引き上げ(戻し)は、エアシリンダとかモータ等の駆動体により行われる。一例として図1に示す駆動体12はシリンダであり、上連結部6にエアシリンダ12が搭載され、そのロッド12aが上連結部6を貫通して移動体2の上部に連結された可動体13に連結されて、ロッド12aが図1の下方に伸びると移動体2が降下し、ロッド12aが図1の上方に縮むと移動体2が上昇するようにしてある。図1ではエアシリンダ12の両側方にガイドバー14が設けられており、その下端部14aが図2(a)に示すように可動体13に連結固定されて、前記ロッド12a(図1)の伸縮に伴って昇降する可動体13を上下に案内して、可動体13がスムースに昇降できるようにしてある。
図1に示す物品移載装置の場合は、図5(a)、(b)に示すように、ベルト3の先方に板状の支持具15を設けることもできる。支持具15はフレーム1に対向させてフレーム1の上部から下方に向けて取付けることができる。支持具15を設けることにより、ベルト3の上に掬い上げた物品Wをベルト3の先方から支持して、ベルト3からの物品Wの落下を防止することができる。支持具15の形状、構造、材質等は、物品Wの支持に適するものにする。支持具15は図5(a)の矢印X−X方向に往復移動可能とすることもできる。
本願発明は図1〜図5(a)、(b)に示す物品移載装置を二つ対向配置して、二つの物品移載装置の移載部4(移動体2及びベルト3:図5(a)、(b))を互いに向き合わせて配置することもできる。この場合、二つの物品移載装置の駆動体12は二つの移動体2に共用とすることも別々にすることもできる。
本願発明の移載装置は、図8に示すように、一つのフレーム1に、二つの移載部4を対向させて設けることもできる。図8の二つの移載部4は図1の物品移載装置の移載部4と同じ構成であり、移動体2の外周にベルト3が周回され、ベルト3の周回方向任意箇所が下連結部22に固定されてリング状にしてある。
図8の二つの移載部4の移動体2及びベルト3の先端部が図9(a)に示すように離れている状態(二つの移動体2の先端部間に空間がある状態)から、図9(b)に示すように二つの移動体2を同時に下方に押し下げると、二つの移載部4の先端部が互いに接近する方向に周回移動して両先端部間が閉塞される。このとき、図9(a)に示すように二つの移載部4の先端部間の空間に、受け皿25に載せた物品Wを送り込んでおくと、受け皿25の両側方に垂れている物品Wの両端部が、図9(b)に示す対向する二つの移載部4の先端部で押されて図9(b)のように受け皿25の下に押し込まれる。
図1、図2に示す移動体2は多数本の細長板材を屈曲可能に連結したものでるが、本願発明における移動体2は、図12(a)〜(c)に示すように、一枚の薄板(鋼材、樹脂板等)の内面に間隔をあけて溝24を設け、夫々の溝24を板材20の横幅方向全長に亘って設けて、その溝24部分を屈曲或いは湾曲可能なヒンジ構造にして、縦−横方向に曲がって往復スライド可能としたものであってもよい。
図1、図2に示すベルト3は面ファスナーとネジを使用してフレーム1に固定してあるが、本願発明におけるベルト3の固定構造は、図10〜図13のようにすることもできる。図10、図11に示す固定構造は、図8に示すように対向配置されている2枚の板材20の夫々のコーナー部30に開口された止め孔31(図8、図13)に、図13に示す横長の受け材32の両端部32aを差し込んで取付け、移動体2の外周に周回させたベルト3の両端部16a、16b(図12(c))を、図13に示す横長の嵌合具33の横長口34に図12(c)のように差し込んで横長口34の反対側に引き出し、その状態でベルト3の両端部16a、16bを指で引いて、両端部16a、16bに張り(テンション)を持たせ、その状態で図12(c)のように嵌合具33を受け材32の外側に被せて、ベルト3の両端部16a、16bを受け材32と嵌合具33の間に挟んで固定する。更に、図12(c)、図13のように嵌合具33の長手方向両端に形成されている止め孔35にネジ36を差込み、そのネジ36を縦板20のコーナー部30のネジ孔37(図13)にねじ込んで嵌合具33をそのコーナー部30に固定して、嵌合具33の緩み(抜け)を防止し、ベルト3にテンションを持たせてベルト3をフレーム1に固定する構造である。
図1に示すフレーム1のガイド8は溝であるが、ガイド8は凸条であってもよい。その場合、図1の溝状のガイドと同様に、縦板部5aから支持部5bまで連続させる。凸条の場合は、移動体2の幅方向両端部に嵌合溝を設けるなどして、それを凸条にスライド可能に被せるようにすることができる。
本願発明の物品移載装置は、ロボットハンドとして使用することもできる。この場合は、フレームに取付け部を設けて、その取付け部を直接又は他の連結具を介して間接的にロボットアームに取付け可能とする。
本願発明の物品移載装置は、ベッドの上に寝ている人を移動するのに使用することもできる。この場合は、移動体2を人の重さに耐え得る強度と構造にする。又、ベルトの周回移動によりベルトの上に掬い上げた人が落下しないようにするためには、図8のように一つフレーム1に移載部4を二つ対向配置した構造の物が適する。この場合、フレームにキャスターや車輪等の移動手段を設けて、ベルトの上に掬い上げた人を手軽に移動できるようにするのが良い。この場合、フレームをストレッチャーに取付けるとか、ストレッチャーの一部を本願発明の物品移載装置のフレームとすることもできる。また、図8のフレーム1をロボットアームに取付ければ、人を別途に載せたり、ベッドから人を移動したりする介護ロボットを構成することができる。
2 移動体
3 ベルト
3a ベルトの表面側
3b ベルトの裏面側
4 移載部
5 縦フレーム
5a 縦板部
5b 支持部
6 上連結部
7 下連結部
8 ガイド
9a〜9d 面ファスナー
10 ネジ
11 固定具
12 駆動体(エアシリンダ)
12a ロッド
13 可動体
14 ガイドバー
14a (ガイドバーの)下端部
15 支持具
16a、16b ベルトの両端部
20 板材
21 上連結部
22 下連結部
23 窓
24 溝
25 受け皿
26 受け材
30 板材のコーナー部
31 止め孔
32 受け材
32a 受け材の両端部
33 嵌合具
34 横長口
35 止め孔
36 ネジ
37 ネジ孔
T テーブル
W 物品
Claims (9)
- 往復移動可能な移動体の表面(上面)側と裏面(下面)側にベルトがリング状に周回され、移動体をベルトの内側で先方に移動させるとベルトが移動体の移動方向に繰り出されてベルト先方の物品をベルトに掬い上げることができ、移動体がベルト内で戻り移動するとベルトが引き戻されてベルトの上の物品をベルトの先方に降ろすことができる物品移載装置において、フレームと、フレームに往復移動可能に設けられた移動体と、移動体の表面側と裏面側に周回されたベルトを備え、前記移動体はその駆動側を縦移動させて送り出すと先端側が先方に横移動し、駆動側を縦移動させて引き戻すと先端側が横移動して引き戻され、前記ベルトは周回方向任意箇所がフレームに固定されてリング状であり、リング状のベルトは移動体の駆動側が縦移動して先端側が横移動するとその横移動方向先方に繰り出されて、ベルト先方の物品をベルトの上に掬い上げることができ、移動体の駆動側が縦方向に引き戻されて先端側が横方向に引き戻されると、移動体の先端側の戻り方向に引き戻されてベルトの上の物品をベルトの先方に降ろすことができるようにしたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1記載の物品移載装置において、移動体が、縦−横方向に屈曲又は湾曲可能であることを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1又は請求項2記載の物品移載装置において、移動体を縦−横方向に往復移動させる駆動体が移動体に連結されたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の物品移載装置において、フレームが、縦方向から横方向に連続して曲げられたガイドを備え、移動体を前記ガイドにセットして、移動体がガイドに沿って縦−横方向に往復移動できるようにしたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の物品移載装置において、ベルトの先方に、ベルトで掬い上げる物品を支持できる支持具を設けたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の物品移載装置を二つ備え、二つの物品移載装置は移動体及びベルトの先端側が対向して配置され、両物品移載装置の移動体の先端側を互いに前進させると両物品移載装置のベルト間にある物品を前記両ベルトの上に掬い上げることができ、両物品移載装置の移動体を互いに引き戻すと、両ベルトの上の物品を両ベルトの間に降ろすことができるようにしたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項6記載の物品移載装置において、二つの物品移載装置の駆動体が、二つの移動体に共用であるか別々であることを特徴とする物品移載装置。
- 往復移動可能な移動体の表面(上面)側と裏面(下面)側にベルトがリング状に周回され、移動体をベルトの内側で先方に移動させるとベルトが移動体の移動方向に繰り出されてベルト先方の物品をベルトに掬い上げることができ、移動体がベルト内で戻り移動するとベルトが引き戻されてベルトの上の物品をベルトの先方に降ろすことができる物品移載装置において、一つのフレームと、そのフレームに往復移動可能に設けられた二つの移動体と、夫々の移動体の表面側と裏面側に周回されたベルトを備え、前記夫々の移動体はその駆動側を縦移動させて送り出すと先端側が先方に横移動し、駆動側を縦移動させて引き戻すと先端側が横移動して引き戻され、前記夫々の移動体に周回されたベルトは、周回方向任意箇所がフレームに固定されてリング状に形成され、夫々のリング状のベルトは移動体の駆動側が縦移動して先端側が横移動するとその横移動方向先方に繰り出されて、ベルト先方の物品をベルトの上に掬い上げることができ、移動体の駆動側が縦方向に引き戻されて先端側が横方向に引き戻されると、移動体の先端側の戻り方向に引き戻されてベルトの上の物品をベルトの先方に降ろすことができるようにしたことを特徴とする物品移載装置。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の物品移載装置が、ロボットアームに取付け可能なロボットハンドであることを特徴とする物品移載装置。
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