JP2004315052A - フイルム移送方法、フイルム被覆方法及びそれらの装置 - Google Patents

フイルム移送方法、フイルム被覆方法及びそれらの装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム巻反から引出移送部により帯状のフィルムを引き出し移送するに際し、このフィルムは循回ベルトの循回走行及び循回ベルトに設けられて負圧源に接続された複数個の吸込孔部により循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用の協動により移送されることになり、このため、フィルム移送時のフィルム蛇行現象を回避することができ、円滑かつ安定したフィルム移送を行うことができる。
【解決手段】フィルム巻反Rと、該フィルム巻反から帯状のフィルムFを引出移送する引出移送部1とからなり、上記引出移送部に循回ベルト5を循回走行可能に設け、該循回ベルトに複数個の吸込孔部5aを設け、該吸込孔部に該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与する負圧源を接続してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば帯状フィルムの移送、丸餅、切餅、鏡餅、板餅などの裸餅の製造工程や生鮮食料品その他の食品の被覆に用いられるフイルム移送方法、フイルム被覆方法及びそれらの装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、この種のフィルムの移送は一般的に送りロールによりなされており、又、例えば餅の製造工程において、出来上がった裸餅を包装工程前に所定時間掛けて自然冷却硬化させる行程がある。この餅の冷却硬化行程において、餅の表面例えば丸餅の頂部付近が窪む現象が発生して商品価値を低下させることがあり、このため、冷却硬化行程において餅の表面をフィルムによりふわっとした状態で被覆することにより窪む現象を回避することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、送りロールによりフィルムを移送する従来の移送構造の場合、フィルムの蛇行現象が生じやすく、フィルムの安定移送が困難なことがあり、又、裸餅をフィルムにより自動的に被覆するに際し、フィルムは薄膜状であるので移送時の蛇行現象に加えて、裸餅は未硬化状態で粘性が残っていることから被覆の自動化が困難なことがあり、作業の円滑化を図ることができないことがあるという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、帯状のフィルムを移送するに際し、循回走行される循回ベルトに負圧源に接続された複数個の吸込孔部を設けて該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与し、該循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムを吸着して該フィルムを循回ベルトにより移送することを特徴とするフイルム移送方法にある。
【0005】
又、請求項2記載の方法の発明にあっては、帯状のフィルムを移送すると共に被覆物を載置したパレットを移送し、該移送中に該複数個の被覆物を該フィルムにより被覆するに際し、循回走行する循回ベルトに負圧源に接続された複数個の吸込孔部を設けて該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与し、該循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムを吸着して該フィルムを循回ベルトにより移送し、該フィルムにより被覆物を被覆することを特徴とするフイルム被覆方法にある。
【0006】
又、請求項3記載の装置の発明は、フィルム巻反と、該フィルム巻反から帯状のフィルムを引出移送する引出移送部とからなり、上記引出移送部に循回ベルトを循回走行可能に設け、該循回ベルトに複数個の吸込孔部を設け、該吸込孔部に該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与する負圧源を接続してなることを特徴とするフイルム移送装置にある。
【0007】
又、請求項4記載の方法の発明は、上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、該ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、該ベルト走行面に上記吸込孔部と該負圧室とを連通可能な通孔部を設けてなることを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項5記載の装置の発明は、フィルム巻反と、該フィルム巻反から帯状のフィルムを引出移送する引出移送部と、被覆物を載置したパレットを移送するパレット移送部と、該引出移送されるフィルムにより該被覆物を被覆する被覆部とからなり、上記引出移送部に循回ベルトを循回走行可能に設け、該循回ベルトに複数個の吸込孔部を設け、該吸込孔部に該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与する負圧源を接続してなることを特徴とするフイルム被覆装置にある。
【0009】
又、請求項6記載の装置の発明にあっては、上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、該ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、該ベルト走行面に上記吸込孔部と該負圧室とを連通可能な通孔部を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項7記載の装置の発明は、上記被覆部に上記フィルムの両辺縁部を該フィルムの移送と協動して移送方向前方に向くに従って次第に折り込み可能な折り込みガイドを設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9は本発明の実施の形態例を示し、大別して、帯状のフィルム巻反RからフィルムFを引出移送する引出移送部1、被覆物Wとしての複数個の裸餅を載置したパレットPを移送するパレット移送部2及びフィルムFにより被覆物W及びパレットPを被覆する被覆部3からなる。
【0011】
上記引出移送部1は、この場合、内部に図示省略の負圧源に吸込ダクト口4aを介して接続された負圧室4bをもつ略三角筒状のベルト案内体4を配設し、このベルト案内体4の外周面にベルト走行面4c・4dを形成し、ベルト走行面4c・4dに循回ベルト5を図示省略の駆動モータにより駆動される駆動ロール6及び二個の案内ロール7・7により循回走行可能に設けると共にフィルム巻反Rから引き出されたフィルムFを循回ベルト5の表面に導出し、循回ベルト5に複数個の吸込孔部5a・5a・・・を設け、ベルト走行面4c・4dに上記吸込孔部5a・5a・・・と負圧室4bとを連通可能な複数個の孔からなる通孔部4e・4e・・・を設けて構成している。
【0012】
しかして、図示省略の駆動モータを駆動することにより循回ベルト5は循回走行し、このベルト案内体4の内部の負圧源に接続された負圧室4bの負圧Gにより通孔部4e・4e・・・及び吸込口部5a・5a・・・を介して循回ベルト5の表面に負圧吸着作用が付与され、循回ベルト5の表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムFを吸着してフィルムFを循回ベルト5により移送することになる。
【0013】
又、上記パレット移送部2は、この場合、ロール9a・9a間に張架されたベルト9bからなるパレットPを搬送可能な搬送コンベヤ9を水平配設し、この搬送コンベヤ9の前後位置に供給コンベヤ10及び排送コンベヤ11を水平配設し、供給コンベヤ10と搬送コンベヤ9との間及び搬送コンベヤ9と排送コンベヤ11との間にパレットPの前端を検出するセンサーS・Sを設け、供給コンベヤ10から搬送コンベヤ9にパレットPを順次供給すると共に搬送コンベヤ9から排送コンベヤ11へと順次排送するように構成している。
【0014】
又、上記被覆部3は、この場合、上記フィルムFの両辺縁部F・FをフィルムFの移送と協動して移送方向前方に向くに従って次第に折り込み可能な折り込みガイド12・12を設け、折り込みガイド12・12の内部に図示省略の負圧源に接続された負圧室12aを形成すると共にこの折り込みガイド12・12に図2の如く移送方向に向かって次第に狭まる形状の一対の折込縁M・Nを形成し、かつ、搬送コンベヤ9と排送コンベヤ11との間にフィルムFの左右の折込部F・Fを融着する融着部13及びフィルムFを分離切断する切断部14が配設され、この融着部13は上熱板13a及び受け板13bからなり、上熱板13と受け板13bとによりフィルムFを挟着してフィルムFの左右の折込部F・Fの融着箇所Kを融着するように構成され、又、切断部14はカッター14a及び受け刃14bからなり、カッター14aと受け刃14bとによりフィルムFを分離切断するように構成している。
【0015】
しかして、搬送コンベヤ9の移送方向後方位置においては、図3の状態から図4の状態の如く、フィルムFの両辺縁部F・Fは折込縁M・Nの対向間隙から折り込みガイド12・12の内部の負圧室12aに負圧Hにより吸い込まれ、図5、図6、図7の如く、フィルムFの移送に連れてフィルムFの両辺縁部F・Fは徐々に折り込まれ、搬送コンベヤ9の移送方向前方位置においては、図8の如く、被覆物Wの上面、側面及びパレットPの側面、左右底面を被覆することになり、その後、図9の如く、融着部13及び切断部14によりフィルムFの両辺縁部F・Fは融着されると共にフィルムFを分離切断することになる。
【0016】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1の如く、パレットPに複数個の被覆物Wを載置し、このパレットPを供給コンベヤ10上から搬送コンベヤ9へと供給し、パレット搬送部2の搬送コンベヤ9はパレットPを搬送することになり、このパレット搬送時において、引出移送部1の循回ベルト5が循回走行することになり、このとき、循回ベルト5に複数個の吸込孔部5a・5a・・・が形成され、ベルト走行面4c・4dに上記吸込孔部5a・5a・・・と負圧室4bとを連通可能な複数個の孔からなる通孔部4e・4e・・・が形成され、ベルト案内体4の内部は負圧源に接続された負圧室4bに形成されているので、ベルト案内体4の内部の負圧源に接続された負圧室4bの負圧Gにより通孔部4e・4e・・・及び吸込口部5a・5a・・・を介して循回ベルト5の表面に負圧吸着作用が付与され、循回ベルト5の表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムFを吸着してフィルムFを循回ベルト5により移送することになり、このフィルム移送時において、被覆部3の折り込みガイド12・12によりフィルムFの両辺縁部F・Fは徐々に折り込まれ、被覆物Wの上面、側面及びパレットPの側面、左右底面を被覆することになり、搬送コンベヤ9上のパレットPの先端部をセンサSが検出すると搬送コンベヤ9は停止し、融着部13及び切断部14によりフィルムFの両辺縁部F・Fは融着されると共にフィルムFを分離切断され、分離切断後、供給コンベヤ10上の新たなパレットPが搬送コンベヤ9上に供給され、搬送コンベヤ9の搬送及び引出移送部1との協動によりフィルムFの両辺縁部F・Fは徐々に折り込まれ、被覆物Wの上面、側面及びパレットPの側面、左右底面を被覆することになり、そして、融着部13及び切断部14によりフィルムFの両辺縁部F・Fは融着されると共にフィルムFを分離切断され、図9の如く、被覆物W及びパレットPは被覆されることになる。
【0017】
しかして、フィルム巻反Rから引出移送部1により帯状のフィルムFを引き出し移送するに際し、このフィルムFは循回ベルト5の循回走行及び循回ベルト5に設けられて負圧源に接続された複数個の吸込孔部5aにより循回ベルト5の表面に付与された負圧吸着作用の協動により移送されることになり、このため、フィルム移送時のフィルム蛇行現象を回避することができ、円滑かつ安定したフィルム移送を行うことができる。
【0018】
又、この場合、上記引出移送部1に内部に負圧源に接続された負圧室4bをもつベルト案内体4を設け、ベルト案内体4の外周面にベルト走行面4c・4dを設け、ベルト走行面4c・4dに吸込孔部5aと負圧室4bとを連通可能な通孔部4eを設けてなるから、循回ベルト5の表面に容易に負圧吸着作用を付与することができ、構造を簡素化することができる。
【0019】
又、この場合、上記引出移送されるフィルムFにより被覆物W及びパレットPを被覆する被覆部3を設けているから、引出移送部1により蛇行現象を回避して安定移送を行うことができると共にフィルムFを循回ベルト5の表面から垂れ下がることなく移送することができ、被覆物Wへの接触を回避してフィルム移送してふわっとした状態で被覆物W及びパレットPを被覆することができ、良好に被覆することができる。
【0020】
又、この場合、被覆部3にフィルムFの両辺縁部F・FをフィルムFの移送と協動して移送方向前方に向くに従って次第に折り込み可能な折り込みガイド12・12を設けてなるから、フィルム被覆作業を円滑に行うことができる。
【0021】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、引出移送部1、パレット移送部2、被覆部3等の構造は適宜変更して設計され、又、包装、被覆機械のフィルム移送に限らず、他の機械のフィルム移送にも適用することができ、又、裸餅の被覆、包装に限らず、魚や肉などの生鮮食料品、その他の食品の被覆、包装に適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1及び請求項3記載の発明にあっては、フィルム巻反から引出移送部により帯状のフィルムを引き出し移送するに際し、このフィルムは循回ベルトの循回走行及び循回ベルトに設けられて負圧源に接続された複数個の吸込孔部により循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用の協動により移送されることになり、このため、フィルム移送時のフィルム蛇行現象を回避することができ、円滑かつ安定したフィルム移送を行うことができる。
【0023】
又、請求項2及び請求項5記載の発明にあっては、上記引出移送されるフィルムにより被覆物を被覆する被覆部を設けているから、上記引出移送部により蛇行現象を回避してフィルムを安定して移送することができると共にフィルムを循回ベルトの表面から垂れ下がることなく移送することができ、被覆物への接触を回避してフィルム移送してふわっとした状態で被覆物を被覆することができ、良好に被覆することができる。
【0024】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、ベルト走行面に吸込孔部と負圧室とを連通可能な通孔部を設けてなるから、循回ベルトの表面に容易に負圧吸着作用を付与することができ、構造を簡素化することができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、ベルト走行面に上記吸込孔部と負圧室とを連通可能な通孔部を設けてなるから、循回ベルトの表面に容易に負圧吸着作用を付与することができ、フィルム被覆作業を円滑に行うことができ、又、請求項7記載の発明にあっては、上記被覆部に上記フィルムの両辺縁部をフィルムの移送と協動して移送方向前方に向くに従って次第に折り込み可能な折り込みガイドを設けてなるから、フィルム被覆作業を円滑に行うことができる。
【0025】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の全体側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
【図3】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図4】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図5】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図6】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例の説明斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態例の横断面図である。
【図9】本発明の実施の形態例の斜視図である。
【符号の説明】
R フィルム巻反
F フィルム
W 被覆物
P パレット
G 負圧
1 引出移送部
2 パレット移送部
3 被覆部
4 ベルト案内体
4b 負圧室
4c ベルト走行面
4d ベルト走行面
4e 通孔部
5 循回ベルト
5a 吸込口部
12 折り込みガイド

Claims (7)

  1. 帯状のフィルムを移送するに際し、循回走行される循回ベルトに負圧源に接続された複数個の吸込孔部を設けて該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与し、該循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムを吸着して該フィルムを循回ベルトにより移送することを特徴とするフイルム移送方法。
  2. 帯状のフィルムを移送すると共に被覆物を載置したパレットを移送し、該移送中に被覆物を該フィルムにより被覆するに際し、循回走行する循回ベルトに負圧源に接続された複数個の吸込孔部を設けて該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与し、該循回ベルトの表面に付与された負圧吸着作用によりフィルムを吸着して該フィルムを循回ベルトにより移送し、該フィルムにより被覆物を被覆することを特徴とするフイルム被覆方法。
  3. フィルム巻反と、該フィルム巻反から帯状のフィルムを引出移送する引出移送部とからなり、上記引出移送部に循回ベルトを循回走行可能に設け、該循回ベルトに複数個の吸込孔部を設け、該吸込孔部に該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与する負圧源を接続してなることを特徴とするフイルム移送装置。
  4. 上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、該ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、該ベルト走行面に上記吸込孔部と該負圧室とを連通可能な通孔部を形成してなることを特徴とする請求項3記載のフイルム移送装置。
  5. フィルム巻反と、該フィルム巻反から帯状のフィルムを引出移送する引出移送部と、被覆物を載置したパレットを移送するパレット移送部と、該引出移送されるフィルムにより該被覆物を被覆する被覆部とからなり、上記引出移送部に循回ベルトを循回走行可能に設け、該循回ベルトに複数個の吸込孔部を設け、該吸込孔部に該循回ベルトの表面に負圧吸着作用を付与する負圧源を接続してなることを特徴とするフイルム被覆装置。
  6. 上記引出移送部に内部に負圧源に接続された負圧室をもつベルト案内体を設け、該ベルト案内体の外周面にベルト走行面を設け、該ベルト走行面に上記吸込孔部と該負圧室とを連通可能な通孔部を形成してなることを特徴とする請求項5記載のフイルム被覆装置。
  7. 上記被覆部に上記フィルムの両辺縁部を該フィルムの移送と協動して移送方向前方に向くに従って次第に折り込み可能な折り込みガイドを設けてなることを特徴とする請求項5又は6記載のフイルム被覆装置。
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