以下に、本発明の実施の形態にかかる無線アダプタおよび機器制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る無線アダプタを有する機器管理システムの構成図であり、機器管理システム100は、図示しない監視対象機器に接続され機器監視装置20との無線通信機能を有する無線アダプタ10と、図示しない上位装置に接続され無線アダプタ10との無線通信機能を有する機器監視装置20とを有する。図1には機器監視装置20が無線アダプタ10を介して監視対象機器内の接点状態を監視する構成例が示され、機器管理システム100では、接点の状態を表す接点状態情報を付した無線伝送フレームである無線メッセージが、接点状態変化時に無線アダプタ10から機器監視装置20へ送信され、さらに周期的に無線アダプタ10から機器監視装置20へ送信される。
無線アダプタ10は、ケーブル16により監視対象機器に設けられた接点端子に接続され監視対象機器内の接点の状態を検出し接点状態を示す情報を出力する接点状態検出部11と、接点状態情報を付した無線メッセージを生成して出力する無線メッセージ生成部12と、接点状態を記憶する接点状態記憶部13と、機器監視装置20との間における無線メッセージの伝送を制御する無線伝送制御部14と、機器監視装置20との間で無線信号の送受信を行う無線送受信部15とを有する。接点状態検出部11から出力される接点状態を示す情報は、監視対象機器内の接点がONであるかOFFであるかを示すものである。無線伝送制御部14は、例えばメディアアクセス制御により無線メッセージ生成部12からの無線メッセージの伝送を制御する。無線送受信部15は、例えば無線伝送制御部14からの無線メッセージを無線信号に変調し、アンテナ17を介して受信した機器監視装置20からの無線信号を復調する。なお無線メッセージ生成部12で生成される無線メッセージには、接点状態情報以外にも接点識別情報、監視対象機器の識別情報といった情報も含まれるものとする。また接点状態検出部11はケーブル16により監視対象機器と接続されているが無線で接続される構成でもよい。
機器監視装置20は、ケーブル26により上位装置に接続される上位装置インタフェース部21と、無線メッセージを分析して接点状態情報を抽出する無線メッセージ分析部22と、無線アダプタ10から送信された無線メッセージに含まれる接点状態を記憶する接点状態記憶部23と、無線アダプタ10との間における無線メッセージの伝送を制御する無線伝送制御部24と、無線アダプタ10との間で無線信号の送受信を行う無線送受信部25とを有する。無線送受信部25は、無線伝送制御部24からの無線メッセージを無線信号に変調し、アンテナ27を介して受信した無線アダプタ10からの無線信号を復調する。なお上位装置インタフェース部21はケーブル26により上位装置と接続されているが無線で接続される構成でもよい。
以下動作を説明する。図2は図1に示す無線メッセージ生成部の動作を示すフローチャートである。無線メッセージ生成部12は無線アダプタ10に内蔵される周期タイマ値を初期化し(ステップS1)、接点状態検出部11に問い合わせた現在の接点状態と接点状態記憶部13に記憶している過去の接点状態とを比較し、接点状態に変化があるか否かを判定する(ステップS2)。例えば接点状態検出部11で検出された接点状態が接点ONを示すものであり、接点状態記憶部13に記憶された接点状態が接点OFFを示すものである場合、接点状態検出部11は、接点状態に変化があると判断する。また、例えば接点状態検出部11で検出された接点状態と接点状態記憶部13に記憶された接点状態とが共に同じである場合、接点状態検出部11は、接点状態に変化がないと判断する。
接点状態に変化がある場合(ステップS2,Yes)、無線メッセージ生成部12は、接点状態検出部11から接点状態の通知を受けた時点における接点状態の情報を接点状態記憶部13に記憶すると共に(ステップS3)、当該接点状態の情報を付した無線メッセージを生成し(ステップS4)、無線伝送制御部14に無線メッセージの送信を依頼する。さらに無線メッセージ生成部12は、周期タイマの値を一定数減じ(ステップS5)、周期タイマのカウント周期だけ待機した後に(ステップS6)、ステップS2の動作を繰り返す。
接点状態に変化がない場合(ステップS2,No)、無線メッセージ生成部12は、周期タイマの値が一定時間を経過したか否かにより周期タイマが満了したか否かを判断する(ステップS7)。周期タイマが満了していない場合(ステップS7,No)、ステップS5とステップS6の動作を繰り返す。
周期タイマが満了した場合(ステップS7,Yes)、無線メッセージ生成部12は、周期タイマの値を初期化し(ステップS8)、例えば接点状態検出部11に接点の状態を問い合わせ、そのときの接点状態の情報を付した無線メッセージを生成する(ステップS4)。
実施の形態1では周期タイマがダウンカウントされた場合の例を説明したが、周期タイマをアップカウントして周期タイマが無線メッセージの生成周期である一定時間を経過したか否かにより、周期タイマが満了したか否かを判断する構成でもよい。また1つの無線アダプタ10に複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12は、複数の監視対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。また1つの無線アダプタ10に複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12は、周期タイマの満了時に全ての監視対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。
図3は図1に示す無線メッセージ分析部の動作を示すフローチャートである。無線メッセージ分析部22は、無線伝送制御部24からの無線メッセージを受信したか否かを判断し(ステップS11)、無線メッセージを受信した場合(ステップS11,Yes)、接点状態記憶部23に記憶された接点状態を読み出し(ステップS12)、無線メッセージに含まれる接点状態と接点状態記憶部23から読み出した接点状態とを比較し、接点状態に変化があるか否かを判断する(ステップS13)。
接点状態に変化がある場合(ステップS13,Yes)、無線メッセージ分析部22は、接点状態に変化があったことを通知する状態変化通知メッセージを生成して出力し(ステップS14)、接点状態記憶部23に記憶される接点状態を更新する(ステップS15)。接点状態に変化がない場合(ステップS13,No)、無線メッセージ分析部22は状態変化通知メッセージを生成することなく接点状態記憶部23に記憶される接点状態を更新して(ステップS15)処理を終了する。
図4は図1に示す機器管理システム全体の動作を示すシーケンスチャートである。図4には、監視対象機器内の接点状態と、無線アダプタ10に設定された無線メッセージの生成周期T1,T2と、無線アダプタ10から機器監視装置20へ送信される無線メッセージの内容と、機器監視装置20に記憶されている接点状態と、機器監視装置20から上位装置へ通知される接点状態の内容とが示されている。t1はT1の開始時点の時刻を表し、t2は時刻t1から一定時間経過後の時刻を表し、t3は時刻t2から一定時間経過後に無線アダプタ10から無線メッセージが送信された時刻を表し、t4は周期タイマが満了する時刻、すなわちT1が満了する時刻を表し、t5はT2が満了する時刻を表す。図4では、時刻t1から時刻t4までの期間をT1と仮定し、時刻t4から時刻t5までの期間をT2と仮定して、無線アダプタ10から機器監視装置20へ周期的に接点状態を通知することとしているが、無線アダプタ10は前回の無線メッセージを送信した時点から一定時間経過後に無線メッセージを送信する構成としてもよい。
接点状態は、時刻t1から時刻t2まではOFFであり、時刻t2ではOFFからONに切り替わり、時刻t2から時刻t3ではONであり、時刻t3でONからOFFに切り替わり、時刻t3から時刻t5まではOFFである。機器監視装置20に記憶される接点状態の情報は、時刻t1から時刻t2まではOFFであり、時刻t2から時刻t4まではONであり、時刻t4から時刻t5まではOFFである。また図4では、時刻t2から時刻t4までの間で一時的に無線伝送エラーが生じたと仮定し、これにより時刻t3で生成された無線メッセージが、機器監視装置20へ到達せず、または機器監視装置20で正常に受信されていないものとする。
時刻t2で接点状態がOFFからONに変化したとき、接点状態がONであることを示す接点状態情報を含む無線メッセージが機器監視装置20へ送信され、無線メッセージを受信した機器監視装置20では、接点がOFFからONに変化したことを示す状態変化通知メッセージが上位装置へ通知され、接点がOFFからONに変化したことを示す情報が記憶される。時刻t3で接点状態がONからOFFに変化したとき、接点状態がOFFであることを示す接点状態情報を含む無線メッセージは、無線伝送エラーにより機器監視装置20へ到達しないため、機器監視装置20では接点の変化が検出されない。従って、上位装置には状態変化通知メッセージが通知されず、機器監視装置20には従前の接点状態が保持される。無線伝送エラーにより接点状態を含む無線メッセージが機器監視装置20へ到達しない場合でも、実施の形態1では、周期タイマが満了した時刻t4の時点で接点状態OFFの情報を含む無線メッセージが生成され、その無線メッセージが機器監視装置20へ送信される。従って時刻t4の時点で生成された無線メッセージを受信した機器監視装置20では、接点がONからOFFに変化したことが検出され、上位装置には接点がONからOFFに変化したことを示すメッセージが通知されると共に、接点がONからOFFに変化したことを示す情報が記憶される。
その後、無線アダプタ10は、周期タイマが満了した時刻t5で、周期タイマの満了時における接点状態である接点OFFの情報を含む無線メッセージが機器監視装置20へ送信される。この接点状態は時刻t4の時点の接点状態と同一であるため、無線メッセージを受信した機器監視装置20では、上位装置への通知が行われず、また従前の接点状態が保持される。
以上のように実施の形態1に係る無線アダプタ10は、監視対象機器の接点状態の変化時に無線メッセージを生成すると共に、接点状態の変化時とは異なるタイミングで無線メッセージを生成する無線メッセージ生成部を備える。この構成により、接点状態の変化時に生成された無線メッセージが機器監視装置20に到達しなかった場合でも、周期的にまたは前回の無線メッセージを送信した時点から一定の時間が経過したときに接点状態を通知することで上位装置に接点状態の変化を通知することができ、より信頼性の高い状態監視が可能となる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る機器制御装置を有する機器管理システムの構成図であり、機器管理システム200は、図示しない制御対象機器に接続され機器制御装置40との無線通信機能を有する無線アダプタ30と、図示しない上位装置に接続され無線アダプタ30との無線通信機能を有する機器制御装置40とを有する。図5には機器制御装置40が無線アダプタ30を介して制御対象機器を制御する構成例が示され、機器管理システム200では、制御対象機器内の接点状態を制御する接点制御情報を付した無線伝送フレームである無線メッセージが、接点状態の変化時に機器制御装置40から無線アダプタ30へ送信され、さらに周期的に無線メッセージを機器制御装置40から無線アダプタ30へ送信される。接点制御情報は、例えば制御対象機器内の接点をOFFからONに変化させ、またはOFFからONに変化させるための制御メッセージであり上位装置から出力される。
機器制御装置40は、ケーブル46により上位装置に接続され上位装置からの接点制御情報を無線メッセージ生成部42へ中継する上位装置インタフェース部41と、接点制御情報を付した無線メッセージを生成して出力する無線メッセージ生成部42と、接点制御情報を記憶する接点制御情報記憶部43と、無線アダプタ30との間における無線メッセージの伝送を制御する無線伝送制御部44と、無線アダプタ30との間で無線信号の送受信を行う無線送受信部45とを有する。無線伝送制御部44は、例えばメディアアクセス制御により無線メッセージ生成部42からの無線メッセージの伝送を制御する。無線送受信部45は、例えば無線伝送制御部44からの無線メッセージを無線信号に変調し、アンテナ47を介して受信した無線アダプタ30からの無線信号を復調する。なお上位装置インタフェース部41はケーブル46により上位装置と接続されているが無線で接続される構成でもよい。また無線メッセージ生成部42で生成される無線メッセージには、接点制御情報以外にも制御対象機器を特定する識別情報、制御対象機器内の接点の識別情報も含まれるものとする。
無線アダプタ30は、ケーブル36により制御対象機器に設けられた接点端子に接続され制御対象機器を制御するためのリレー回路を内蔵するリレー部31と、機器制御装置40から送信された無線メッセージを分析して接点制御情報を抽出する無線メッセージ分析部32と、機器制御装置40との間における無線メッセージの伝送を制御する無線伝送制御部34と、機器制御装置40との間で無線信号の送受信を行う無線送受信部35とを有する。無線送受信部35は、無線伝送制御部34からの無線メッセージを無線信号に変調し、アンテナ37を介して受信した機器制御装置40からの無線信号を復調する。なおリレー部31はケーブル36により制御対象機器と接続されているが無線で接続される構成でもよい。
以下動作を説明する。図6は図5に示す無線メッセージ生成部の動作を示すフローチャートである。無線メッセージ生成部42は機器制御装置40に内蔵される周期タイマ値を初期化し(ステップS21)、接点状態の変更を指示する接点制御情報を受信したか否かを判断する(ステップS22)。例えば上位装置から通知された接点制御情報が制御対象機器内の接点をONからOFFに変更させるものであり、接点制御情報記憶部43に記憶された接点制御情報が接点ONを示すものである場合、無線メッセージ生成部42は、接点状態の変更を指示する接点制御情報を受信したと判断する。また、上位装置から通知された接点制御情報が接点OFFを示すものであり、接点制御情報記憶部43に記憶された接点制御情報が接点OFFを示すものである場合、無線メッセージ生成部42は、接点状態の変更を指示する接点制御情報を受信していないと判断する。
接点状態の変更を指示する接点制御情報を受信した場合(ステップS22,Yes)、無線メッセージ生成部42は、接点制御情報を接点制御情報記憶部43に記憶すると共に(ステップS23)、接点制御情報を付した無線メッセージを生成して出力する(ステップS24)。さらに無線メッセージ生成部42は、周期タイマの値を一定数減じ(ステップS25)、周期タイマのカウント周期だけ待機した後に(ステップS26)、ステップS2の動作を繰り返す。
接点状態の変更を指示する接点制御情報を受信していない場合(ステップS22,No)、無線メッセージ生成部42は、周期タイマの値が一定時間を経過したか否かにより周期タイマが満了したか否かを判断する(ステップS27)。周期タイマが満了していない場合(ステップS27,No)、無線メッセージ生成部42は、ステップS25とステップS26の動作を繰り返す。周期タイマが満了した場合(ステップS27,Yes)、無線メッセージ生成部42は、周期タイマの値を初期化し(ステップS28)、接点制御情報記憶部43に記憶されている接点制御情報を読み出し、読み出した接点制御情報を付した無線メッセージを生成して出力する(ステップS24)。
実施の形態2では周期タイマがダウンカウントされた場合の例を説明したが、周期タイマをアップカウントして周期タイマが無線メッセージの生成周期である一定時間を経過したか否かにより、周期タイマが満了したか否かを判断する構成でもよい。また1つの無線アダプタ30に複数の制御対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部42は、複数の制御対象機器に各々対応する接点制御情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。また1つの無線アダプタ30に複数の制御対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部42は、周期タイマの満了時に全ての制御対象機器に各々対応する接点制御情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。
図7は図5に示す無線メッセージ分析部の動作を示すフローチャートである。無線メッセージ分析部32は、無線メッセージを受信したか否かを判断し(ステップS31)、無線メッセージを受信した場合(ステップS31,Yes)、無線メッセージに含まれる接点制御情報、すなわち接点状態の変更を指示する情報を読み出し、リレー部31に状態変更を指示して(ステップS32)処理を終了する。
図8は図5に示す機器管理システム全体の動作を示すシーケンスチャートである。図8には、上位装置から機器制御装置40へ通知される接点状態と、機器制御装置40に記憶されている接点状態と、機器制御装置40から無線アダプタ30へ送信される無線メッセージの内容と、機器制御装置40に設定された無線メッセージの生成周期T1,T2と、制御対象機器内の接点状態とが示されている。t1はT1の開始時点の時刻を表し、t2は時刻t1から一定時間経過後の時刻を表し、t3は時刻t2から一定時間経過後に機器制御装置40から無線メッセージが送信された時刻を表し、t4は周期タイマが満了する時刻、すなわちT1が満了する時刻を表し、t5はT2が満了する時刻を表す。図8では、t1からt4までの期間をT1と仮定し、t4からt5までの期間をT2と仮定して、機器制御装置40から無線アダプタ30へ周期的に接点状態を通知することとしているが、機器制御装置40は前回の無線メッセージを送信した時点から一定の時間が経過したときに無線メッセージを送信する構成としてもよい。
接点状態は、時刻t1から時刻t2まではOFFであり、時刻t2ではOFFからONに切り替わり、時刻t2から時刻t4まではONであり、時刻t4でONからOFFに切り替わり、時刻t4から時刻t5まではOFFである。機器制御装置40に記憶される接点状態は、時刻t1から時刻t2まではOFFであり、時刻t2から時刻t3まではONであり、時刻t3から時刻t5まではOFFである。また図8では、時刻t2から時刻t4までの間で一時的に無線伝送エラーが生じたと仮定し、これにより時刻t3で生成された無線メッセージが、無線アダプタ30へ到達せず、または無線アダプタ30で正常に受信されていないものとする。
時刻t2で接点状態がOFFからONに変化したとき、接点状態ONの接点制御情報を含む無線メッセージが無線アダプタ30へ送信され、無線メッセージを受信した無線アダプタ30は接点をOFFからONに変化させる指示を制御対象機器へ出力する。
時刻t3で上位装置から通知される接点状態がONからOFFに変化したとき、接点状態OFFの接点制御情報を含む無線メッセージは、無線伝送エラーにより無線アダプタ30へ到達せず、無線アダプタ30では接点をONからOFFへ変化させる指示が出力されない。
このように無線伝送エラーにより無線メッセージが無線アダプタ30へ到達しない場合でも、機器制御装置40は、周期タイマが満了した時刻t4の時点で接点状態OFFの接点制御情報を含む無線メッセージを無線アダプタ30へ送信する。従って時刻t4の時点で生成された無線メッセージを受信した無線アダプタ30では、接点をONからOFFへ変化させる指示が制御対象機器に対して出力することができる。
その後、機器制御装置40は、周期タイマが満了した時刻t5で、周期タイマの満了時に接点状態OFFの接点制御情報を含む無線メッセージを無線アダプタ30へ送信するが、接点状態は時刻t4の時点の接点状態と同一であるため、この無線メッセージを受信した無線アダプタ30では接点を変化させる指示が出力されない。
以上のように実施の形態2に係る機器制御装置40は、制御対象機器の接点状態変更指示の受信時に無線メッセージを生成すると共に、接点状態変更指示の受信時とは異なるタイミングで無線メッセージを生成する無線メッセージ生成部42を備える。この構成により、接点状態変更指示の受信時に生成された無線メッセージが無線アダプタ30に到達しなかった場合でも、周期的にまたは前回の無線メッセージを送信した時点から一定時間が経過したときに接点状態を通知することで無線アダプタ30に接点状態の変化を通知することができ、より信頼性の高い機器制御が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1では接点状態を無線で伝送する構成例を説明した。実施の形態3では監視対象機器の接点状態の変化から各種の累積値を機器監視装置が把握する構成例を説明する。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
累積値の例としては以下のものが考えられる。
(1)積算メータといった監視対象機器が発するパルス波形をカウントすることで得られるメータ累積値。
(2)監視対象機器の接点状態がONである時間を累計することで得られる機器起動時間累積値。
(3)監視対象機器の接点状態がOFFからONに変化する回数を累計することで得られる機器起動回数累積値。
図9は本発明の実施の形態3に係る無線アダプタを含む機器管理システムの構成図である。実施の形態3の機器管理システム100Aでは、無線アダプタ10の代わりに無線アダプタ10Aが用いられ、機器監視装置20の代わりに機器監視装置20Aが用いられ、無線メッセージ生成部12、接点状態記憶部13、無線メッセージ分析部22、および接点状態記憶部23の代わりに無線メッセージ生成部12A、累積値記憶部13A、無線メッセージ分析部22A、および累積値記憶部23Aが用いられている。累積値記憶部13Aには各種の累積値が記憶され、累積値記憶部23Aには無線アダプタ10Aから送信された無線メッセージに含まれる累積値が記憶される。
表1には無線メッセージ生成部12Aで測定される項目と、各測定項目の値を累積することで得られる項目とが示されている。測定項目としては、監視対象機器が発するパルスの数と、監視対象機器の接点状態がONである時間と、監視対象機器の接点状態がOFFからONに変化する回数とである。各測定項目の値を累積することで得られる項目としては、上記(1)に示すメータ累積値と、上記(2)に示す機器起動時間累積値と、上記(3)に示す機器起動回数累積値とである。
以下動作を説明する。無線メッセージ生成部12Aは、接点状態検出部11で検出された接点状態の変化に基づき各測定項目に対応した累積値を求め、求められた各累積値は、累積値記憶部13Aから読み出した各測定項目の累積値に対応付けて加算され、加算後の各累積値が累積値記憶部13Aに記憶される。
その後、累積値が変化したとき、また前述した周期タイマが満了したとき、無線メッセージ生成部12Aは、変化後の累積値の情報を付した無線メッセージを生成し、生成された無線メッセージは機器監視装置20Aへ送信される。無線メッセージ分析部22Aでは無線メッセージを受信したか否かが判断され、無線メッセージを受信した場合、無線メッセージ分析部22Aは累積値記憶部23Aに記憶された累積値を読み出し、無線メッセージに含まれる累積値と累積値記憶部23Aから読み出した累積値とを比較し、累積値が変化したか否かを判断する。累積値が変化した場合、無線メッセージ分析部22Aは、累積値が変化したことを表す累積値変化通知メッセージを生成して上位装置へ通知すると共に累積値記憶部23Aに記憶された累積値を更新する。
実施の形態3では、周期タイマが満了したとき、すなわち周期的に無線メッセージを送信することとしているが、無線アダプタ10Aは前回の無線メッセージを送信した時点から一定の時間が経過したときに無線メッセージを送信する構成としてもよい。また、1つの無線アダプタ10Aに複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12Aは、複数の監視対象機器に各々対応する累積値を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。また1つの無線アダプタ10Aに複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12Aは、周期タイマの満了時に全ての監視対象機器に各々対応する累積値を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。
以上のように実施の形態3の無線アダプタ10Aは、累積値の変化時に無線メッセージを生成すると共に、累積値の変化時とは異なるタイミングで無線メッセージを生成する無線メッセージ生成部12Aを備える。この構成により機器監視装置20Aでは無線伝送エラーの影響を受けずに正確な累積値を計算することができ、また累積値の変化時だけでなく、周期的または前回の無線メッセージを送信した時点から一定時間が経過したときにも累積値が送信されるため、無線伝送エラーが生じた場合でも機器監視装置20Aでは累積値を正確に把握することができる。
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係る機器監視装置および無線アダプタで構成された機器管理システムの構成図である。図10に示す機器管理システム100Bでは、実施の形態1と同様に無線メッセージが無線アダプタ10Bから機器監視装置20へ送信されるが、実施の形態4では、電池で駆動可能に構成された無線アダプタにおいて起動時間を短くすることで電池の消耗を抑制する構成例を説明する。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
機器管理システム100Bでは無線アダプタ10の代わりに無線アダプタ10Bが用いられ、無線アダプタ10Bは、ケーブル16により監視対象機器に設けられた接点端子に接続され監視対象機器内の接点の状態を検出すると共に接点状態が変化したとき無線部19を起動するための割込み信号を発生させる接点状態検出部11Bと、無線部19を起動するための割込み信号を周期的に発生させる起動制御部18と、接点状態検出部11Bまたは起動制御部18からの割込み信号により起動され無線メッセージを生成する無線メッセージ生成部12Bと、接点状態記憶部13と、無線伝送制御部14と、無線送受信部15とを有する。無線メッセージ生成部12B、接点状態記憶部13、無線伝送制御部14、および無線送受信部15は、起動制御の対象である無線部19を構成する。実施の形態4では、無線部19が起動してからスリープ状態に至るまでの起動時間を短くすることで無線部19の電源である図示しない電池の消耗を抑制する構成である。
以下動作を説明する。図11は図10に示す無線メッセージ生成部の動作を示すフローチャートである。無線メッセージ生成部12Bは、接点状態検出部11Bまたは起動制御部18からの割込み信号により起動され、接点状態検出部11Bに問い合わせた現在の接点状態と接点状態記憶部13に記憶している過去の接点状態とを比較し、接点状態に変化があるか否かを判定する(ステップS41)。接点状態に変化がある場合(ステップS41,Yes)、無線メッセージ生成部12Bは接点状態を含めた無線メッセージを生成し(ステップS42)、無線伝送制御部14に無線メッセージの送信を依頼し、その後スリープ状態に遷移する(ステップS43)。接点状態に変化がない場合(ステップS41,No)、無線メッセージ生成部12Bは無線メッセージを生成することなくスリープ状態に遷移する(ステップS43)。
図12は接点状態検出部からの割込み信号で無線部が起動するときの動作を示すシーケンスチャートである。図12には、監視対象機器内の接点状態と、接点状態検出部11Bと無線部19との間で伝送される信号と、無線部19から機器監視装置20へ送信される無線メッセージの内容と、機器監視装置20から上位装置へ通知される接点状態の内容とが示されている。
図12に示すように接点状態がOFFからONに変化したとき、接点状態検出部11Bからの割込み信号により無線部19が起動し、無線部19から接点状態検出部11Bに接点状態の問い合わせが行われ、接点状態検出部11Bから無線部19に接点状態の応答が行われる。接点状態の変化を確認した無線部19は、接点状態ONの情報を含めた無線メッセージを生成してスリープ状態に遷移する。無線メッセージを受信した機器監視装置20は接点がONに変化したことを示すメッセージを上位装置へ通知する。
その後、接点状態がONからOFFに変化したときにも、接点状態検出部11Bからの割込み信号により無線部19が起動し、無線部19から接点状態検出部11Bに接点状態の問い合わせが行われ、接点状態検出部11Bから無線部19に接点状態の応答が行われる。接点状態の変化を確認した無線部19は、接点状態OFFの情報を含めた無線メッセージを生成してスリープ状態に遷移する。無線メッセージを受信した機器監視装置20は接点がOFFに変化したことを示すメッセージを上位装置へ通知する。
図13は起動制御部からの割込み信号で無線部が起動するときの動作を示すシーケンスチャートである。図13には、監視対象機器内の接点状態と、起動制御部18から無線部19へ伝送される割込み信号と、接点状態検出部11Bと無線部19との間で伝送される信号と、無線部19から機器監視装置20へ送信される無線メッセージの内容と、機器監視装置20から上位装置へ通知される接点状態の内容とが示されている。起動制御部18の割込み信号は、一定周期で出力されるものとし、その周期は例えば実施の形態1で説明した無線メッセージの生成周期と同じでもよいし、この生成周期とは異なる周期でもよい。
例えば図12において接点状態OFFの無線メッセージが無線伝送エラーにより機器監視装置20へ到達しない場合でも、図13に示すように起動制御部18が周期的に割込み信号を出力することにより無線部19が起動する。割込み信号が出力されるタイミングは、例えば無線アダプタ10Bに設定された周期タイマが満了したときである。そのため機器監視装置20では接点状態OFFの情報を含めた無線メッセージが受信され、上位装置には接点が変化したことを示すメッセージが通知される。
実施の形態4では、無線アダプタ10Bの起動制御部18から周期的に出力される割込み信号により無線部19が起動して無線メッセージを送信することとしているが、起動制御部18は、前回割込み信号を出力した時点から一定の時間が経過したときに次の割込み信号を出力する構成としてもよい。また、1つの無線アダプタ10Bに複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12Bは、複数の監視対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。また1つの無線アダプタ10Bに複数の監視対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12Bは、周期タイマの満了時に全ての監視対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。
以上のように実施の形態4に係る無線アダプタ10Bは、監視対象機器の接点状態の変化時に起動して無線メッセージを生成すると共に、接点状態の変化時とは異なるタイミングで起動して前記無線メッセージを生成する無線部19を備える。この構成により、実施の形態1と同様に接点状態の変化時に生成された無線メッセージが機器監視装置20に到達しなかった場合でも、周期的にまたは前回の無線メッセージを送信した時点から一定の時間が経過したときに起動することで上位装置に接点状態の変化を通知することができ、より信頼性の高い状態監視が可能であると共に、電池で駆動可能に構成された無線アダプタ10Bの消費エネルギーを低減して電池の消耗を抑制することができる。
実施の形態5.
図14は本発明の実施の形態5に係る機器制御装置および無線アダプタで構成される機器管理システムの構成図である。図14に示す機器管理システム200Bでは、実施の形態2と同様に接点制御情報を付した無線メッセージが機器制御装置40から無線アダプタ30Bへ送信されるが、実施の形態5では電池で駆動可能に構成された無線アダプタ30Bにおいて起動時間を短くすることで電池の消耗を抑制する構成例を説明する。以下、実施の形態2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
機器管理システム200Bでは無線アダプタ30の代わりに無線アダプタ30Bが用いられ、無線アダプタ30Bは、周期タイマの満了により周期的に起動しまたは起動制御部38からの割込み信号の受信により起動する無線メッセージ分析部32Bと、無線伝送制御部34と、無線送受信部35と、無線部39を起動するための割込み信号を周期的に発生させる起動制御部38とを有する。無線メッセージ分析部32B、無線伝送制御部34、および無線送受信部35は起動制御の対象である無線部39を構成する。実施の形態5では、無線部39が起動してからスリープ状態に至るまでの起動時間を短くすることで無線部39の電源である図示しない電池の消耗を抑制する構成である。
以下動作を説明する。図15は無線部が周期タイマの満了時に起動するときの動作を示すシーケンスチャートである。図15には、上位装置から無線メッセージ生成部42へ通知される接点状態と、無線伝送制御部44と無線部39との間で伝送される情報と、無線部39からリレー部31へ伝送される接点状態と、制御対象機器内の接点状態とが示されている。図15に示すように上位装置から接点状態ONを示すメッセージが無線メッセージ生成部42へ伝送されたとき、無線メッセージ生成部42は接点状態ONの情報を含む無線メッセージを生成して無線伝送制御部44へ伝送する。無線伝送制御部44は無線部39からの送信要求を受信するまで無線メッセージの送信を保留する。周期タイマの満了により起動した無線部39は無線伝送制御部44へ送信要求を行い、これにより無線伝送制御部44から無線部39へ無線メッセージが送信される。無線メッセージを受信した無線部39は接点状態ONをリレー部31に伝達した後にスリープ状態になり、制御対象機器の接点はOFFからONに制御される。機器制御装置40と無線アダプタ30Bでは、上位装置から接点状態OFFを示すメッセージが無線メッセージ生成部42へ伝送されたときも同様の動作が行われる。
図16は、起動制御部からの割込み信号で無線部が起動するときの動作を示すシーケンスチャートである。図16には、上位装置から無線メッセージ生成部42へ通知される接点状態と、無線伝送制御部44と無線部39との間で伝送される情報と、無線部39からリレー部31へ伝送される接点状態と、起動制御部38から無線部39へ伝送される割込み信号と、制御対象機器内の接点状態とが示されている。上位装置から接点状態OFFを示すメッセージが無線メッセージ生成部42へ伝送されたとき、無線メッセージ生成部42は接点状態OFFの情報を含む無線メッセージを生成して無線伝送制御部44へ伝送する。起動制御部38からの割込み信号により起動した無線部39は無線伝送制御部44へ送信要求を行い、これにより無線伝送制御部44から無線部39へ無線メッセージが送信される。無線メッセージを受信した無線部39は接点状態をリレー部31に伝達した後にスリープ状態になり、制御対象機器の接点はONからOFFに制御される。
なお起動制御部38の割込み信号は、一定周期で出力されるものとし、その周期は実施の形態1で説明した無線メッセージの生成周期と同じでもよいし、この生成周期とは異なる周期でもよい。またこれらの動作については、例えばIEEE802.15.4に記載されているData Requestメッセージの仕組みを用いてもよいし、その他の手段を用いてもよい。
また実施の形態5では、起動制御部38から周期的に出力される割込み信号により無線部39が起動して無線メッセージを送信することとしているが、無線アダプタ30Bの起動制御部38は、前回割込み信号を出力した時点から一定の時間が経過したときに次の割込み信号を出力する構成としてもよい。また、1つの無線アダプタ30Bに複数の制御対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部42Aは、複数の制御対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。また1つの無線アダプタ30Bに複数の制御対象機器が接続されている場合、無線メッセージ生成部12Aは、周期タイマの満了時に全ての制御対象機器に各々対応する接点状態情報を含めた無線メッセージを生成する構成でもよい。
以上のように実施の形態5に係る無線アダプタ30Bは、制御対象機器の接点状態を制御する情報を含む無線メッセージを生成して送信する機器制御装置40に対して、周期的に起動して無線メッセージの送信を要求し、または前回起動した時点から一定時間経過後に起動して無線メッセージの送信を要求する無線部39を備える。この構成により、実施の形態2と同様に接点状態の変化時に生成された無線メッセージが無線アダプタ30Bに到達しなかった場合でも、周期的にまたは前回の無線メッセージを受信した時点から一定の時間が経過したときに起動することで制御対象機器に接点状態の変化を通知することができ、より信頼性の高い機器制御が可能であると共に、電池で駆動可能に構成された無線アダプタ30Bの消費エネルギーを低減して電池の消耗を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。