JP6219782B2 - 無線中継装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マスタ装置が一定間隔で送信するビーコンを用いてマスタ装置とスレーブ装置とが無線通信を行う2つの無線ネットワーク間の通信を中継する無線中継装置に係り、特に無線通信に伴う消費電力の低減を図った無線中継装置に関するものである。
近年、様々な電子機器に無線機能が搭載されており、異なる無線ネットワークの境界で無線ネットワーク間の通信を中継する機能を持った無線中継装置が広く利用されている。無線Wi−FiやBluethooth(商標)など通信方式による無線ネットワークは、通常、マスタ装置の制御のもとで1以上のスレーブ装置とマスタ装置が無線通信を行うように構成されている。このような無線ネットワークに用いられる無線中継装置は、一方の無線ネットワークに対してマスタ装置として動作するとともに、他方の無線ネットワークに対してスレーブ装置として動作する。
しかしながら、上記の無線中継装置においては、スレーブ装置として動作する場合にマスタ装置から信号が送信されるタイミングと、マスタ装置として動作する場合にスレーブ装置へ信号を送信するタイミングとが重なってしまい、通信の衝突を生じることがある。そこで、下記の特許文献1に記載される無線中継装置は、マスタ装置となる他の電子装置から送信されたパケットによってマスタ装置に同期したタイミングを検出し、当該検出したタイミングと基準クロックとの差を補正値として算出する。スレーブ装置となる他の電子装置と通信する場合、この算出した補正値に基づいて補正したタイミングで通信を行うことにより、上記のような通信の衝突が防止される。
特開2005−184193号公報
ところで、昨今ではモバイルWi−Fiルータのように電池で動作する可搬型の無線中継装置が多く利用されるようになってきており、電池の長寿命化と小型化が求められている。無線中継装置の消費電流は主として通信動作によるものであるが、特に送信時の消費電流が最も大きい。そのため、マスタ装置として動作可能な通信回路とスレーブ装置として動作可能な通信回路とを別個に備えている無線中継装置の場合、2つの通信回路が同時に送信を行うと、消費電流のピークが非常に大きくなってしまう。
電池の容量は、放電電流のピークにおいて電圧降下が許容範囲内に収まるように設定する必要があるため、放電電流のピークが大きくなるほど電池容量を大きくしなくてはならない。また、一般に電池は放電電流が一定の状態で最大の電力を取り出せることが知られており、パルス状の放電電流が流れる場合には、放電電流のピークが大きくなるほど、同じ電池残量でも取り出せる電力が小さくなる傾向がある。このように、電池の放電電流のピークが大きいほど電池容量を大きくしなければならないため、無線中継装置の2つの通信回路において同時に送信を行う状態は回避することが望ましい。
他方、マスタ装置とスレーブ装置によって構成される無線ネットワークにおいては、一般にマスタ装置が定期的にビーコンを送信することによって通信が制御される。そのため、無線中継装置においてマスタ装置として動作する一方の通信回路は、他の機器(スレーブ装置)へ定期的にビーコンを送信し、スレーブ装置として動作する他方の通信回路は、他の機器(マスタ装置)からのビーコンを定期的に受信する。マスタ装置として動作する一方の通信回路がビーコンや他の信号を送信する場合には、スレーブ装置として動作する他方の通信回路が送信を行わないようにすることが望ましい。
また、ビーコンを用いたデータ通信の場合、一般にビーコンとビーコンとの間の単位通信期間毎にどのデータを優先して送信するかが決定されている。そのため、2つの通信回路における単位通信期間が互いに同期していないと、例えば一方の通信回路において送信を行っている途中で他方の通信回路の単位通信期間が新たに開始するような状況が生じ易くなる。その場合、他方の通信回路では2つの単位通信期間に渡って送信動作を休止しなくてはならず、通信の遅延が生じ易くなるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、2つの通信回路の同時送信による消費電流のピークを抑えることができることができるとともに、通信の遅延を抑制できる無線中継装置を提供することにある。
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の無線中継装置は、第1マスタ装置の送信及び受信のタイミングに関する情報を含んだ第1ビーコンを前記第1マスタ装置から第1スレーブ装置へ繰り返し送信するように構成された第1無線ネットワークと、第2マスタ装置の送信及び受信のタイミングに関する情報を含んだ第2ビーコンを前記第2マスタ装置から第2スレーブ装置へ繰り返し送信するように構成された第2無線ネットワークとの間の通信を中継する無線中継装置であって、前記第1無線ネットワークの前記第1マスタ装置として通信を行うマスタ通信回路と、前記第2無線ネットワークの前記第2スレーブ装置として通信を行うスレーブ通信回路と、前記スレーブ通信回路において前記第2ビーコンが受信された場合、前記第2マスタ装置による前記第2ビーコンの送信タイミングの情報を当該受信された第2ビーコンから取得し、当該取得した送信タイミングの情報に基づいて、前記第2マスタ装置から前記第2ビーコンが送信される期間の直前に前記マスタ通信回路から前記第1ビーコンを送信する制御回路とを有する。前記制御回路は、前記マスタ通信回路及び前記スレーブ通信回路の一方が送信を行う期間において他方の送信動作を休止する。
上記の構成によれば、前記第2マスタ装置から前記第2ビーコンが送信される期間の直前に前記マスタ通信回路から前記第1ビーコンが送信されるため、前記第1ビーコンと前記第2ビーコンとが互いに同期し、かつ、近接したタイミングで送信される。これにより、前記マスタ通信回路及び前記スレーブ通信回路の一方が送信を行う期間において、送信を行う一方の通信回路におけるビーコンとビーコンとの間の単位通信期間と、送信を休止する他方の通信回路におけるビーコンとビーコンとの間の単位通信期間とがほぼ重なる。そのため、前記一方の通信回路の送信が、前記他方の通信回路における複数の前記単位通信期間にまたがって行われなくなる。その結果、前記一方の通信回路が1つの前記単位通信期間で送信を行うために、前記他方の通信回路における複数の前記単位通信期間を送信休止状態にしなくてもよくなる。従って、前記マスタ通信回路及び前記スレーブ通信回路の同時送信による消費電流のピークが抑えられるとともに、通信の遅延が抑制される。
好適に、前記制御回路は、前記第2マスタ装置へ送信すべきスレーブ側送信データを前記スレーブ通信回路が保持している場合、前記マスタ通信回路における送受信の動作を一時的に休止するマスタ通信休止状態へ移行することを通知する前記第1ビーコンを前記マスタ通信回路から送信し、前記マスタ通信回路が前記マスタ通信休止状態にあるとき、前記スレーブ側送信データに応じた無線信号を前記スレーブ通信回路から前記第2マスタ装置へ送信してよい。
上記の構成によれば、前記スレーブ通信回路において送信が行われる際に、前記マスタ通信回路の送受信動作が休止されるため、前記マスタ通信回路と前記スレーブ通信回路の同時送信が防止される。また、前記マスタ通信回路の受信動作の休止によって消費電流が更に低減される。
好適に、前記制御回路は、前記第1スレーブ装置へ送信すべきマスタ側送信データを前記マスタ通信回路が保持している場合、前記スレーブ通信回路からの無線信号の送信を一時的に休止するスレーブ送信休止状態へ移行してよく、前記スレーブ通信回路が前記スレーブ送信休止状態にあるとき、前記マスタ側送信データに応じた無線信号を前記マスタ通信回路から前記第1スレーブ装置へ送信してよい。
上記の構成によれば、前記マスタ通信回路において送信が行われる際に、前記スレーブ通信回路の送信動作が休止されるため、前記マスタ通信回路と前記スレーブ通信回路の同時送信が防止される。
好適に、前記制御回路は、前記スレーブ通信回路において受信された前記第2ビーコンに前記第2マスタ装置の通信動作を間欠的に休止するタイミングを示す休止情報が含まれている場合、当該休止情報が示すタイミングに合わせて前記スレーブ通信回路の動作を間欠的に休止してよく、当該休止情報が示すタイミングと異なるタイミングで前記マスタ通信回路の動作を間欠的に休止してよい。また、前記制御回路は、前記マスタ通信回路において送信又は受信を行う場合には、前記スレーブ通信回路の動作休止期間に行ってよく、前記スレーブ通信回路において送信を行う場合には、前記マスタ通信回路の動作休止期間に行ってよい。
上記の構成によれば、前記第2マスタ装置の間欠動作に合わせて前記スレーブ通信回路の通信動作が間欠的に休止するタイミングとは異なるタイミングで、前記マスタ通信回路の通信動作が間欠的に休止する。そして、前記マスタ通信回路の送信又は受信が前記スレーブ通信回路の動作休止期間に行われ、前記スレーブ通信回路の送信が前記マスタ通信回路の動作休止期間に行われる。これにより、前記マスタ通信回路及び前記スレーブ通信回路の一方の動作休止期間を有効に利用して他方の送信動作が行われるため、通信の遅延が抑制される。
好適に、前記制御回路は、前記第1スレーブ装置がスリープ状態から復帰して受信するDTIM(delivery traffic indication message)としての前記第1ビーコンの送信間隔を、前記第2マスタ装置へ送信すべきスレーブ側送信データが前記スレーブ通信回路に保持されている場合に長くしてよく、前記スレーブ側送信データが前記スレーブ通信回路に保持されていない場合に短くしてよい。
上記の構成によれば、前記スレーブ側送信データが前記スレーブ通信回路に保持されている場合に、DTIMとしての前記第1ビーコンの送信間隔が長くなるため、前記スレーブ通信回路から前記2マスタ装置への送信が完了する前に、前記第1スレーブ装置から前記マスタ通信回路にデータが送信される可能性が低くなる。よって、前記マスタ通信回路と前記スレーブ通信回路が同時に動作する可能性が低くなり、消費電流のピークを抑えることができる。
本発明によれば、2つの通信回路の同時送信による消費電流のピークを抑えることができることができるとともに、通信の遅延を抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係る無線中継装置を含んだ無線通信システムの一例を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る無線中継装置の構成の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る無線中継装置の通信動作を説明するための図である。図3Aはマスタ通信回路の通信動作を示し、図3Bはスレーブ通信回路の通信動作を示す。 図4は、第1ビーコンと第2ビーコンのタイミングが同期していない場合の通信動作を説明するための図である。図4Aはマスタ通信回路の通信動作を示し、図4Bはスレーブ通信回路の通信動作を示す。 図5は、本発明の実施形態に係る無線中継装置においてビーコンの送信タイミングの設定並びに休止状態の設定に関わる処理を説明するためのフローチャートである。 図6は、休止状態の設定処理を説明するためのフローチャートである。 図7は、単位通信期間ごとに反復されるマスタ通信回路の通信処理について説明するためのフローチャートである。 図8は、単位通信期間ごとに反復されるスレーブ通信回路の通信処理について説明するためのフローチャートである。 図9は、第2の実施形態に係る無線中継装置における間欠動作の設定処理を説明するためのフローチャートである。 図10は、第2の実施形態に係る無線中継装置の通信動作を説明するための図である。図10Aはマスタ通信回路の通信動作を示し、図10Bはスレーブ通信回路の通信動作を示し、図10Cは第2マスタ装置の通信動作を示す。 図11は、マスタ通信回路において間欠動作を行わない場合の通信動作を説明するための図である。図9Aはマスタ通信回路の通信動作を示し、図9Bはスレーブ通信回路の通信動作を示す。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る無線中継装置30を含んだ無線通信システムの一例を示す図である。図1に示す無線通信システムは、第1無線ネットワーク1と、第2無線ネットワーク2と、無線中継装置30を有する。第1無線ネットワーク1及び第2無線ネットワーク2は、例えば無線Wi−FiやBluethooth(商標)、ZigBee(商標)などの通信方式により無線通信を行う通信ネットワークであり、それぞれマスタ装置とスレーブ装置を含む。第1無線ネットワーク1及び第2無線ネットワーク2は、マスタ装置が1つ(若しくは複数の)スレーブ装置へ定期的にビーコンを送信することによって通信を制御するように構成されている。マスタ装置が送信するビーコンには、例えば、ネットワークの識別ID(ESSIDなど)や、スレーブ装置宛の送信データの有無を示す情報、ビーコンの送信タイミング(次のビーコンまでの間隔)を示す情報、スレーブ装置がサポートすべき通信速度などの情報が含まれる。
無線中継装置30は、第1無線ネットワーク1において第1マスタ装置として通信を行うマスタ通信回路31と、第2無線ネットワーク2において第2スレーブ装置として通信を行うスレーブ通信回路32を有する。第1マスタ装置としてのマスタ通信回路31は、第1無線ネットワーク1の第1スレーブ装置10へ定期的に第1ビーコンを送信し、第1スレーブ装置10との間でデータの送受信を行う。第2スレーブ装置としてのスレーブ通信回路32は、第2無線ネットワーク2の第2マスタ装置20から定期的に第2ビーコンを受信し、第2マスタ装置20との間でデータの送受信を行う。
無線中継装置30は、例えば図1に示すように電池34を搭載しており、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32は電池34から供給される電源に基づいて通信を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る無線中継装置30の構成の一例を示す図である。無線中継装置30は、例えば図2に示すように、マスタ通信回路31と、スレーブ通信回路32と、制御回路33を有する。
図2の例において、マスタ通信回路31は、送信回路311と、受信回路312と、通信データ処理回路313と、通信データバッファメモリ314を有する。送信回路311は、通信データ処理回路313から供給される送信信号に対して周波数変換や変調、電力増幅等の信号処理を施し、アンテナから無線信号として送信する。受信回路312は、アンテナにおいて受信された無線信号に対して増幅、変調、周波数変換等の信号処理を施し、受信信号として通信データ処理回路313に出力する。通信データ処理回路313は、通信データバッファメモリ314に保持される送信待ちのデータ(マスタ側送信データ)に対して符号化処理やパケット化処理、変調処理などのベースバンド処理を施し、送信信号として送信回路311に供給する。また、通信データ処理回路313は、受信回路312から出力される受信信号に対して復調処理や復号化処理、パケット抽出処理などのベースバンド処理を施し、受信結果のデータとして通信データバッファメモリ314に格納する。
また図2の例において、スレーブ通信回路32は、送信回路321と、受信回路322と、通信データ処理回路323と、通信データバッファメモリ324を有する。送信回路321,受信回路322,通信データ処理回路323,通信データバッファメモリ324の動作は、上述した送信回路311,受信回路312,通信データ処理回路313,通信データバッファメモリ314と同様である。
制御回路33は、無線中継装置の全体的な動作を統括的に制御する回路であり、例えばプログラムに従って動作するコンピュータや専用のロジック回路を含む集積回路(ASICなど)を用いて構成される。制御回路33を構成するコンピュータや集積回路は、通信データ処理回路313や通信データ処理回路323の少なくとも一部の機能を含んでいてもよい。
例えば制御回路33は、マスタ通信回路31におけるビーコンの設定や、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32における休止状態の設定を行う。
具体的には、制御回路33は、スレーブ通信回路32において第2マスタ装置20(図1)からの第2ビーコンが受信された場合、第2マスタ装置20による第2ビーコンの送信タイミングの情報を第2ビーコンから取得し、取得した送信タイミングの情報に基づいて、第2マスタ装置20から第2ビーコンが送信される期間の直前の期間においてマスタ通信回路31から第1ビーコンを送信する。すなわち、制御回路33は、第1ビーコンと第2ビーコンの送信タイミングを互いに同期させ、かつ、第1ビーコンが第2ビーコンと近接したタイミングで送信されるようにする。
制御回路33は、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32の一方が送信を行う期間において、他方の送信動作を休止する。
具体的には、制御回路33は、第2マスタ装置20へ送信すべきデータ(スレーブ側送信データ)をスレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324が保持している場合、マスタ通信回路31における送受信の動作を一時的に休止するマスタ通信休止状態へ移行することを通知する第1ビーコンをマスタ通信回路31から送信する。そして、制御回路33は、マスタ通信回路31がマスタ通信休止状態にあるとき、通信データバッファメモリ324のスレーブ側送信データに応じた無線信号をスレーブ通信回路32の送信回路321から第2マスタ装置20へ送信する。
また、制御回路33は、第1スレーブ装置10へ送信すべきデータ(マスタ側送信データ)をマスタ通信回路31の通信データバッファメモリ314が保持している場合、スレーブ通信回路32からの無線信号の送信を一時的に休止するスレーブ送信休止状態へ移行する。そして、制御回路33は、スレーブ通信回路32がスレーブ送信休止状態にあるとき、通信データバッファメモリ314のマスタ側送信データに応じた無線信号をマスタ通信回路31の送信回路311から第1スレーブ装置10へ送信する。
ここで、上述した構成を有する無線中継装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る無線中継装置30の通信動作を説明するための図である。図3は、無線中継装置30における消費電流の大きさの時間的な推移と通信動作とを関連付けて模式的に表したものであり、送信時(TX)に消費電流が最も大きくなり、受信動作時(RX)には消費電流が中程度の大きさとなり、休止状態において消費電流が最も小さくなっていることを表す。図3において斜線で示した期間は、ビーコンが送信若しくは受信されている期間を示す。また、図3における「ACK11」等は、受信側が送信元に対して送信する確認応答信号を示す。
図3Bにおいて示すように、スレーブ通信回路32が受信する第2ビーコン(BC21,Bc22,…)は一定の時間間隔を有しており、この時間間隔は、マスタ通信回路31が送信する第1ビーコン(BC11,BC12,…)と同じである。また、マスタ通信回路31による第1ビーコン(BC11,BC12,…)の送信期間は、第2ビーコン(BC21,Bc22,…)に対して直前の期間となっている。スレーブ通信回路32における送信(TX21,TX22)は、マスタ通信回路31が休止状態のとき(IM11)に行われ、マスタ通信回路31における送信(TX11)は、スレーブ通信回路32の送信が休止状態のとき(BC23〜B24)に行われる。そのため、マスタ通信回路31とスレーブ通信回路32とにおいて同時に送信が行われることはない。
ビーコンとビーコンとの間の通信期間(以下、「単位通信期間」と記す場合がある。)は、マスタ通信回路31とスレーブ通信回路32とでほぼ一致している。そのため、一方の通信回路における1つの単位通信期間の中で送信が行われた場合、その送信は他方の通信回路における1つの単位通信期間の中にも含まれるようになり、一方の通信回路における送信の期間が長くなっても、他方の通信回路における1つの単位通信期間の範囲を超える状態は生じ難い。すなわち、他方の通信回路において単位通信期間ごとに設定される通信(送信)の休止状態を効率的に利用して、単独の通信回路による送信を行うことができる。
これに対し、図4は、第1ビーコンの第2ビーコンのタイミングが同期していない場合の通信動作を示す。図4の例では、第1ビーコンと第2ビーコンの間隔が異なっているため、両者の送信タイミングが単位通信期間ごとにずれている。また、マスタ通信回路の送信(BC13,TX11)とスレーブ通信回路の送信(TX21,TX22)とが重なっている。このような同時送信を防ぐためには、例えばマスタ通信回路における単位通信期間(BC13〜BC13)の通信を休止状態にしたり、スレーブ通信回路の送信(TX21,TX22)のタイミングを変更する必要がある。
しかしながら、図4に示す通信動作では、スレーブ通信回路における1つの単位通信期間が、マスタ通信回路における2つの単位通信期間にまたがっている。そのため、スレーブ通信回路における1つの単位通信期間で送信を行う場合、マスタ通信回路における2つの単位通信期間を休止状態にしなくてはならず、マスタ通信回路の送信が図3の通信動作と比較して1単位通信期間だけ余計に遅延してしまうことがある。また、マスタ通信回路における第1ビーコンの送信期間と重ならないようにスレーブ通信回路の送信タイミングを設定するため、スレーブ通信回路の送信を遅延させることが必要になる場合もある。
従って、マスタ通信回路31とスレーブ通信回路32とで単位通信期間がほぼ一致するように第1ビーコンと第2ビーコンの送信タイミングを同期させる図3の通信動作は、図4に示す通信動作との対比からも分かるように、2つの通信回路の同時送信を回避しつつ通信の遅延を抑制することができる。
無線中継装置のより詳細な動作について、図5〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る無線中継装置においてビーコンの送信タイミングの設定並びに休止状態の設定に関わる処理を説明するためのフローチャートである。
制御回路33は、スレーブ通信回路32において第2マスタ装置20からの第2ビーコンが受信されると(ST100)、その第2ビーコンに含まれる情報から、次回の第2ビーコンの送信タイミングを検知する(ST110)。制御回路33は、検知した送信タイミングに基づいて、第2ビーコンの送信期間の直前に第1ビーコンの送信期間を設定する(ST120)。例えば制御回路33は、次回の第1ビーコンの送信タイミングに関する設定値を所定のレジスタ(第1ビーコン送信タイミング設定レジスタ)に書き込む。
次いで、制御回路33は、マスタ通信回路31における通信の間欠動作を設定する(ST130)。例えば制御回路33は、間欠動作の条件(通信休止期間の長さと繰り返し間隔など)が設定された所定のレジスタ(マスタ間欠動作条件設定レジスタ)と、マスタ通信回路31の間欠動作の状態が設定された所定のレジスタ(マスタ間欠動作状態レジスタ)とを参照して、次の単位通信期間におけるマスタ通信回路31の間欠動作の状態(起動状態/休止状態)を決定し、その結果に基づいてマスタ間欠動作状態レジスタの設定値を更新する。
また、制御回路33は、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32における送信待ちデータの有無に応じて、次回の単位通信期間における休止状態を設定する(ST140)。
図6は、休止状態の設定処理(ST140:図5)を説明するためのフローチャートである。
スレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324に送信待ちのデータ(スレーブ側送信データ)が有り(ST200)、マスタ通信回路31の通信データバッファメモリ314に送信待ちのデータ(マスタ側送信データ)が無い場合(ST210)、制御回路33は、次回の単位通信期間におけるマスタ通信回路31の通信動作を休止状態に設定する(ST240)。例えば制御回路33は、マスタ通信回路31の通信動作を休止状態に設定する所定のレジスタ(マスタ休止状態設定レジスタ)に所定のアサート値を書き込む。
他方、スレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが無く(ST200)、マスタ通信回路31の通信データバッファメモリ314にマスタ側送信データが有る場合(ST220)、制御回路33は、次回の単位通信期間におけるスレーブ通信回路32の送信動作を休止状態に設定する(ST250)。例えば制御回路33は、スレーブ通信回路32の送信動作を休止状態に設定する所定のレジスタ(スレーブ休止状態設定レジスタ)に所定のアサート値を書き込む。
スレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが有り(ST200)、マスタ通信回路31の通信データバッファメモリ314にもマスタ側送信データが有る場合(ST210)、制御回路33は、次回の単位通信期間においてマスタ通信回路31又はスレーブ通信回路32の何れか一方の通信動作(送信動作)を休止状態に設定する(ST230)。例えば、制御回路33は、マスタ間欠動作状態レジスタにおいてマスタ通信回路31が休止状態に設定されている場合、マスタ通信回路31のみを休止状態とする。
マスタ間欠動作状態レジスタにおいてマスタ通信回路31が起動状態に設定されている場合、制御回路33は、例えば乱数発生部が発生する乱数に基づいて休止状態とする通信回路(マスタ通信回路31又はスレーブ通信回路32)を決定してもよい。あるいは、制御回路33は、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32における通信遅延や通信レートの移動平均値をそれぞれ測定し、その測定結果に基づいて、休止状態とする通信回路を決定してもよい。
スレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが無く(ST200)、マスタ通信回路31の通信データバッファメモリ314にもマスタ側送信データが無い場合(ST220)、制御回路33は、次回の単位通信期間においてマスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32を何れも休止状態に設定しない。
図5に戻る。
間欠動作及び休止状態を設定すると(ST130,ST140)、制御回路33は、第1ビーコン送信タイミング設定レジスタに書き込まれた設定値に基づいて第1ビーコンの送信タイミングを待ち(ST150)、送信タイミングに達したところで、マスタ通信回路31から第1ビーコンを送信する(ST160)。マスタ間欠動作状態レジスタやマスタ休止状態設定レジスタにおいて休止状態となることが設定されている場合、制御回路33は、第1スレーブ装置10に対して休止状態を通知する情報を含んだ第1ビーコンをマスタ通信回路31から送信する。
図7は、単位通信期間ごとに反復されるマスタ通信回路31の通信処理について説明するためのフローチャートである。
マスタ間欠動作状態レジスタ又はマスタ休止状態設定レジスタにおいて休止状態となることが設定されている場合、制御回路33は、マスタ通信回路31を休止状態に設定する(ST350)。例えば制御回路33は、必要な最小限の回路を除いて電源供給を遮断することにより、マスタ通信回路31の消費電流が最小となるようにする。
マスタ間欠動作状態レジスタ及びマスタ休止状態設定レジスタの何れも休止状態に設定されていない場合、制御回路33は、通信データバッファメモリ314にマスタ側送信データが保持されているか否か、並びに、スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されているか否かを判定する(ST310〜ST320)。
通信データバッファメモリ314にマスタ側送信データが保持されており、かつ、スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されている場合、制御回路33は、マスタ側送信データに応じた無線信号を送信回路311から送信する処理(ST330)、及び、受信回路312において第1スレーブ装置10からの無線信号の受信を待ち受ける処理(ST340)を行う。
一方、通信データバッファメモリ314にマスタ側送信データが保持されていない場合、又は、スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されていない場合、制御回路33は送信処理を行わず、受信回路312において第1スレーブ装置10からの無線信号の受信を待ち受ける(ST340)。
図8は、単位通信期間ごとに反復されるスレーブ通信回路32の通信処理について説明するためのフローチャートである。
制御回路33は、スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されているか否か、通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが保持されているか否か、並びに、マスタ間欠動作状態レジスタ又はマスタ休止状態設定レジスタにおいて休止状態となることが設定されているか否かをそれぞれ判定する(ST400,ST410,ST420)。
スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されておらず、通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが保持されており、かつ、マスタ間欠動作状態レジスタ又はマスタ休止状態設定レジスタにおいて休止状態となることが設定されている場合、制御回路33は、第2マスタ装置20から受信した第2ビーコンに応じて、スレーブ側送信データに応じた無線信号を送信回路321から送信する処理(ST430)、及び、受信回路322において第2マスタ装置20からの無線信号の受信を待ち受ける処理(ST440)を行う。
スレーブ休止状態設定レジスタが休止状態に設定されている場合、通信データバッファメモリ324にスレーブ側送信データが保持されていない場合、又は、マスタ間欠動作状態レジスタ及びマスタ休止状態設定レジスタの何れにおいても休止状態となることが設定されていない場合、制御回路33は送信処理を行わず、受信回路322において第2マスタ装置20からの無線信号の受信を待ち受ける(ST440)。
以上説明したように、本実施形態に係る無線中継装置によれば、第2マスタ装置20から第2ビーコンが送信される期間の直前の期間においてマスタ通信回路31から第1ビーコンが送信されるため、第1ビーコンと第2ビーコンとが互いに同期し、かつ、近接したタイミングで送信される。これにより、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32の一方が送信を行う期間において、送信を行う一方の通信回路における単位通信期間と、送信を休止する他方の通信回路における単位通信期間とがほぼ一致する。そのため、図4に示す通信動作のように、一方の通信回路の送信が、他方の通信回路における複数の単位通信期間にまたがって行われない。その結果、一方の通信回路が1つの単位通信期間で送信を行うために、他方の通信回路における複数の単位通信期間を送信休止状態にしなくてもよくなる。従って、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32の同時送信による消費電流のピークを防止できるとともに、通信の遅延を抑制できる。
また、本実施形態に係る無線中継装置によれば、スレーブ通信回路32による第2ビーコンの受信の直前において、マスタ通信回路31による第1ビーコンの送信が行われる。通常、第2マスタ装置20からのデータの送信は第2ビーコンの直後に行われており、第2ビーコンの直前(単位通信期間の終了間際)に第2マスタ装置20からデータが送信されることは殆ど無い。そのため、第2ビーコンの受信の直前において第1ビーコンの送信を行うことにより、マスタ通信回路31における第1ビーコンの送信時にスレーブ通信回路32におけるデータの受信動作が生じないため、第1ビーコンの送信時における消費電流のピークを抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る無線中継装置では、第2マスタ装置20の間欠動作に合わせてスレーブ通信回路32の送受信の間欠動作が行われる。本実施形態に係る無線中継装置の構成と動作は、既に説明した図2に示す無線中継装置とほぼ同様であるため、以下では相違点を中心に説明する。
図9は、本実施形態に係る無線中継装置における無線中継装置の間欠動作の設定処理を説明するためのフローチャートである。この間欠動作の設定処理は、図5に示すフローチャートにおけるステップST130の処理に対応する。
制御回路33は、スレーブ通信回路32において受信された第2ビーコンに含まれる第2マスタ装置20の間欠動作に関する情報(間欠動作情報)に基づいて、第2マスタ装置20が間欠動作をしているか否か判定する(ST500)。
第2マスタ装置20が間欠動作をしている場合、制御回路33は、間欠動作情報が示すタイミングに合わせてスレーブ通信回路32の動作が間欠的に休止するとともに、間欠動作情報が示すタイミングと異なるタイミングでマスタ通信回路31の動作が間欠的に休止するように、次の単位通信期間におけるマスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32の間欠動作の状態を設定する(ST510)。
例えば、制御回路33は、第2ビーコンに含まれる第2マスタ装置20の間欠動作情報に基づいて、次回の単位通信期間における第2マスタ装置20の状態(起動状態/休止状態)を判定し、その判定結果を示す設定値を所定のレジスタ(スレーブ間欠動作状態レジスタ)に書き込む。制御回路33は、スレーブ間欠動作状態レジスタにおいて第2マスタ装置20の休止状態が設定されている場合、スレーブ通信回路32を休止状態に設定する。例えば制御回路33は、必要な最小限の回路を除いて電源供給を遮断することにより、スレーブ通信回路32の消費電流が最小となるようにする。
また、制御回路33は、第2ビーコンに含まれる第2マスタ装置20の間欠動作情報に基づいて、第2マスタ装置20の間欠動作の周期と同じ周期で位相が異なるようにマスタ通信回路31の間欠動作のパターンを決定する。そして制御回路33は、この決定したパターンから次回の単位通信期間における第2マスタ装置20の状態(起動状態/休止状態)を判定し、その判定結果を示す設定値をマスタ間欠動作状態レジスタに書き込む。制御回路33は、マスタ間欠動作状態レジスタにおいて休止状態が設定されている場合、マスタ通信回路31を休止状態に設定する。
第2マスタ装置20が間欠動作をしていない場合、制御回路33は、マスタ通信回路31について単独に間欠動作の設定を行う(ST520)。この設定処理は、既に説明したステップST130(図5)と同じである。
図10は、第2の実施形態に係る無線中継装置の通信動作を説明するための図である。図10の例において、第2マスタ装置20は、休止状態になる2つ単位通信期間と、起動状態になる1つの単位通信期間とを交互に繰り返しており、スレーブ通信回路32もこれと同じタイミングで休止状態と起動状態を繰り返す。他方、マスタ通信回路31も第2マスタ装置20と同じパターンで間欠動作を繰り返しているが、第2マスタ装置20と比べて繰り返しパターンの位相がずれている。すなわち、マスタ通信回路31は、第2マスタ装置20及びスレーブ通信回路32が起動状態となる単位通信期間に対して2つ単位通信期間だけ遅れてから起動状態となる。これにより、スレーブ通信回路32が起動状態のときはマスタ通信回路31が休止状態となり、マスタ通信回路31が起動状態のときはスレーブ通信回路32が休止状態となっている。
以上説明したように、本実施形態に係る無線中継装置によれば、第2マスタ装置20の間欠動作に合わせてスレーブ通信回路32の通信動作が間欠的に休止するとともに、スレーブ通信回路32の休止のタイミングとは異なるタイミングでマスタ通信回路31の通信動作が間欠的に休止する。マスタ通信回路31の送信又は受信は、スレーブ通信回路32の動作休止期間に行われ、スレーブ通信回路32の送信は、マスタ通信回路31の動作休止期間に行われる。これにより、第2マスタ装置20が休止状態のときにスレーブ通信回路32の受信動作が停止されるため、消費電流を削減できる。また、マスタ通信回路31及びスレーブ通信回路32の一方の動作休止期間を有効に利用して他方の送信動作が行われるため、通信の遅延をより効果的に抑制できる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態に係る無線中継装置では、マスタ通信回路31において間欠動作が行われているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、マスタ通信回路31が常時受信状態を維持してもよい。この場合、例えば図11において示すように、スレーブ通信回路32が送信(TX11,TX12)を行う単位通信期間(BC22〜BC23)に限ってマスタ通信回路31が休止状態(IM11)となるように、制御回路33がマスタ通信回路31を制御してもよい。
上述した実施形態に係る無線中継装置では、第2マスタ装置20からスレーブ通信回路32へ第2ビーコンが送信される期間の直前の期間においてマスタ通信回路31が第1ビーコンを送信しているが、本発明の他の実施形態では、第2ビーコンが送信される期間の直後の期間においてマスタ通信回路31が第1ビーコンを送信してもよい。
本発明の一実施形態に係る無線中継装置は、マスタ通信回路31から第1スレーブ装置10へ送信する第1ビーコンの中に、第1スレーブ装置10がスリープ状態から復帰して受信することが規定されているDTIM(delivery traffic indication message)を含むようにしてもよい。この場合、無線中継装置は、DTIMとしての第1ビーコンの送信間隔を、送信データの有無に応じて変化させてもよい。
具体的には、制御回路33は、第2マスタ装置20への送信待ちのデータ(スレーブ側送信データ)がスレーブ通信回路32の通信データバッファメモリ324に保持されている場合に、マスタ通信回路31における第1ビーコンの送信間隔を長くし、スレーブ側送信データがスレーブ通信回路2の通信データバッファメモリ324に保持されていない場合、当該送信間隔を短くする。
これにより、スレーブ側送信データがスレーブ通信回路32に保持されている場合に、DTIMとしての第1ビーコンの送信間隔が長くなるため、スレーブ通信回路32の送信が完了する前に、第1スレーブ装置10からマスタ通信回路31にデータが送信される可能性が低くなる。よって、マスタ通信回路31とスレーブ通信回路32が同時に動作する可能性が低くなり、消費電流のピークを抑えることができる。
1…第1無線ネットワーク、2…第2無線ネットワーク、10…第1スレーブ装置、20…第2マスタ装置、30…無線中継装置、31…マスタ通信回路、311…送信回路、312…受信回路、313…通信データ処理回路、314…通信データバッファメモリ、32…スレーブ通信回路、321…送信回路、322…受信回路、323…通信データ処理回路、324…通信データバッファメモリ、33…制御回路、34…電池。

Claims (5)

  1. 第1マスタ装置の送信及び受信のタイミングに関する情報を含んだ第1ビーコンを前記第1マスタ装置から第1スレーブ装置へ繰り返し送信するように構成された第1無線ネットワークと、第2マスタ装置の送信及び受信のタイミングに関する情報を含んだ第2ビーコンを前記第2マスタ装置から第2スレーブ装置へ繰り返し送信するように構成された第2無線ネットワークとの間の通信を中継する無線中継装置であって、
    前記第1無線ネットワークの前記第1マスタ装置として通信を行うマスタ通信回路と、
    前記第2無線ネットワークの前記第2スレーブ装置として通信を行うスレーブ通信回路と、
    前記スレーブ通信回路において前記第2ビーコンが受信された場合、前記第2マスタ装置による前記第2ビーコンの送信タイミングの情報を当該受信された第2ビーコンから取得し、当該取得した送信タイミングの情報に基づいて、前記第2マスタ装置から前記第2ビーコンが送信される期間の直前に前記マスタ通信回路から前記第1ビーコンを送信する制御回路とを有し、
    前記制御回路は、前記マスタ通信回路及び前記スレーブ通信回路の一方が送信を行う期間において他方の送信動作を休止する、
    無線中継装置。
  2. 前記制御回路は、前記第2マスタ装置へ送信すべきスレーブ側送信データを前記スレーブ通信回路が保持している場合、前記マスタ通信回路における送受信の動作を一時的に休止するマスタ通信休止状態へ移行することを通知する前記第1ビーコンを前記マスタ通信回路から送信し、前記マスタ通信回路が前記マスタ通信休止状態にあるとき、前記スレーブ側送信データに応じた無線信号を前記スレーブ通信回路から前記第2マスタ装置へ送信する、
    請求項1に記載の無線中継装置。
  3. 前記制御回路は、前記第1スレーブ装置へ送信すべきマスタ側送信データを前記マスタ通信回路が保持している場合、前記スレーブ通信回路からの無線信号の送信を一時的に休止するスレーブ送信休止状態へ移行し、前記スレーブ通信回路が前記スレーブ送信休止状態にあるとき、前記マスタ側送信データに応じた無線信号を前記マスタ通信回路から前記第1スレーブ装置へ送信する、
    請求項1又は請求項2に記載の無線中継装置。
  4. 前記制御回路は、
    前記スレーブ通信回路において受信された前記第2ビーコンに前記第2マスタ装置の通信動作を間欠的に休止するタイミングを示す間欠動作情報が含まれている場合、当該間欠動作情報が示すタイミングに合わせて前記スレーブ通信回路の動作を間欠的に休止し、当該間欠動作情報が示すタイミングと異なるタイミングで前記マスタ通信回路の動作を間欠的に休止し、
    前記マスタ通信回路において送信又は受信を行う場合には、前記スレーブ通信回路の動作休止期間に行い、
    前記スレーブ通信回路において送信を行う場合には、前記マスタ通信回路の動作休止期間に行う、
    請求項1〜3のいずれかに記載の無線中継装置。
  5. 前記制御回路は、前記第1スレーブ装置がスリープ状態から復帰して受信するDTIM(delivery traffic indication message)としての前記第1ビーコンの送信間隔を、前記第2マスタ装置へ送信すべきスレーブ側送信データが前記スレーブ通信回路に保持されている場合に長くし、前記スレーブ側送信データが前記スレーブ通信回路に保持されていない場合に短くする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の無線中継装置。
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