JP2016115865A - 電力用半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力用半導体素子割れを引き起こすことなく、電力用半導体素子外周に形成された焼結金属を簡便に除去できる電力用半導体装置の製造方法を提供すること【解決手段】電極基板の電極面の、電力用半導体素子が接合される接合領域と、電力用半導体素子が接合されない剥離領域とで、表面状態が異なるよう処理する電極基板処理工程と、接合領域に、金属粒子を含み300℃以下で焼結する金属ペーストを塗布する金属ペースト塗布工程と、接合領域に電力用半導体素子を載置し、金属ペーストが加圧されるように電力用半導体素子と電極基板との間に圧力を加えながら金属ペーストの焼結温度まで昇温して焼結金属化する焼結工程と、電力用半導体素子の外周となる電極面に向けてレーザー光を照射することにより、焼結金属に加工溝を形成し、剥離領域に形成された焼結金属を剥離する剥離工程とを有するようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、電力用半導体素子が焼結金属で接合された電力用半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体装置の中でも電力用半導体装置は、産業用機器から家電・情報端末まで幅広い機器の主電力(パワー)の制御に用いられ、とくに高い信頼性と小型化が求められている。近年、とくに大電流を流すことができ、高温動作も可能なワイドバンドギャップ半導体材料である例えば炭化珪素(SiC)がシリコン(Si)に代わる半導体材料として開発が進められている。
一方、これまで用いられてきたはんだでは、高温動作への対応は困難であり、ナノあるいはマイクロレベルの金属微粒子を含むペーストを焼結して得られる焼結金属による接合が高温対応の接合技術として提案されている。最近では銀ナノ粒子接合が、その有力候補として挙げられている(例えば非特許文献1)。
このような焼結金属による接合は、接合時の温度よりも接合後の融点の方が高くなるため、高温運転が想定される電力用半導体装置の信頼性を向上させることが期待できる。しかしながら、焼結金属用のペーストを用いて接合する場合は、所定の接合力を得るために、原理的に焼結時に加圧力を必要とする。そのため、焼結金属用のペーストを加圧した際に半導体チップの外周に露出したペーストやペースト印刷時に生じる印刷ニジミのある部分は焼結時に圧力が十分掛からない低加圧状態となり、以降の工程で端部から脱離しやすい。この脱離物が製品内に残留すると、様々な不具合を引き起こす可能性があり、信頼性を阻害する要因となる。
そこで、この印刷ニジミ部分を発生させないように、半導体チップ端部を覆うような治具を用いるなどの方法が採られている(例えば特許文献1)。
特開2014−17302号公報 (17頁 図3、図6〜図7)
溶接学会誌 第76巻(2007)第3号 8〜12頁
特許文献1のような半導体チップを覆うような治具を用いた接合方法は、半導体チップが薄型化すると、加熱・加圧接合中に半導体チップが破損または亀裂進展するといった問題点が生じる可能性がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電力用半導体素子である半導体チップが薄くなっても、半導体チップ割れを引き起こすことなく、印刷ニジミ部分が生じて半導体チップ外周に焼結金属が形成されても、半導体チップ外周に形成された焼結金属を簡便に除去できる電力用半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、金属電極が形成された電極面を有する電極基板の電極面に焼結金属により電力用半導体素子が接合された電力用半導体装置の製造方法において、電極基板の電極面の、電力用半導体素子が接合される接合領域と、電力用半導体素子の周辺領域であって電力用半導体素子が接合されない剥離領域とで、表面状態が異なるよう処理する電極基板処理工程と、電極面の接合領域に、金属粒子を含み300℃以下で焼結する金属ペーストを塗布する金属ペースト塗布工程と、接合領域に電力用半導体素子を載置し、金属ペーストが加圧されるように電力用半導体素子と電極基板との間に圧力を加えながら金属ペーストの焼結温度まで昇温して金属ペーストに含まれる金属粒子を焼結金属化する焼結工程と、電力用半導体素子の外周となる電極面に向けてレーザー光を照射することにより、電力用半導体素子の外周の焼結金属に加工溝を形成し、剥離領域に形成された焼結金属を剥離する剥離工程とを有するようにした。
この発明によれば、電力用半導体素子が薄くなっても、電力用半導体素子割れを引き起こすことなく、電力用半導体素子外周に形成された焼結金属を簡便に除去できる電力用半導体装置の製造方法を提供できる。
本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法を示すプロセスフロー図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法を示す図1に続くプロセスフロー図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法による電極基板を示す側面断面図および上面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法により製造された電力用半導体装置の構成を示す側面断面図である。 本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法の電極基板処理工程の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による電力用半導体装置の製造方法による電極基板を示す側面断面図および上面図である。
実施の形態1.
図1および図2は本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法を示すプロセスフロー図であり、プロセスフローは、図1から図2に続く。また、図3は、本発明の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法のうち、電極基板の製造方法を説明する図である。また、図4は、製造された電力用半導体装置の構成を示す側面断面図である。本発明により製造される電力用半導体装置における電極基板1は、一般的に銅などの高熱伝導性を有する金属材料や、絶縁基板と高熱伝導性を有する金属の積層構造を有しているものが使われる。電極基板1は、図4に示すように、例えば、窒化珪素(Si34)等のセラミックス板の絶縁基板20の両面に銅(Cu)の金属電極21および22がろう付け処理され、上面が平坦になっている。電極基板1は、縦幅40mm×横幅40mmの矩形であり、厚さは0.5mmである。また、電極基板表面の酸化などの汚染がある場合、この酸化膜が接合材である焼結金属と銅との密着性を阻害するために接合信頼性が低下する。そのため、表面の酸化膜などの汚染要因については、酸またはアルカリによる洗浄を行うことが望ましい。
電極基板1の上面の金属電極21である電極面には、焼結金属30により電力用半導体素子5が実装されている。例えば高温動作も可能なワイドバンドギャップ半導体材料である炭化珪素(SiC)等を用いた電力用半導体素子5を実装する。ワイドバンドギャップ半導体材料としては、他に、窒化ガリウム系材料、ダイアモンドなどがある。電力用半導体素子5は、縦幅10mm×横幅10mmの矩形であり、厚さは0.3mmである。例えば、スイッチング素子としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いた場合、裏面にはコレクタ電極が形成され、主面(表面)には主電力電極であるエミッタ電極と、制御電極であるゲート電極が形成されている。さらに、電力用半導体素子5としては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)の他、整流素子であるSBD(Schottky Barrier diode)などを用いることもできる。
なお、上面の金属電極21の表面及び電力用半導体素子5の表面側には、外部回路との電気接続を行うための図示しない電極端子等が設けられている。下面(裏面)の金属電極22には、電力用半導体素子5で発生した熱を除去するために、図示しない冷却部材が接合される。そして、電力用半導体素子5は、一般的には図示しない封止樹脂で覆われている。なお、電極基板1及び電力用半導体素子5の上記の寸法は一例であって、他の寸法であっても良いのは言うまでもない。
電力用半導体素子5と電極基板1とは、金属粒子を含有する金属ペーストを加圧・昇温して焼結金属化させて焼結金属30により接合する。金属ペーストは、好ましくは平均粒径が1μm以下、典型的には平均粒径が10〜100nm程度の銀の微粒子(以降ナノ粒子と呼ぶ)が含有された金属ペーストを用いる。ナノ粒子は、有機膜によって保護されており、有機膜が揮発することにより焼結が開始される。このため、300℃以下の低温でも焼結する。本発明では、このような、金属粒子を含み300℃以下で焼結する金属ペーストを用いて電力用半導体素子5と電極基板1の電極面を接合する。後述するように、金属ペーストは、加圧しつつ加熱することにより焼結し、電力用半導体素子5が電極基板1に接合される。この加熱と加圧により、焼結金属が電力用半導体素子5からはみ出ることになる。このはみ出た焼結金属を除去する必要がある。
このため、電極基板1に対して、予め図3に示すような加工を施しておく。図3(a)は電極基板1の側面断面図、図3(b)は上面図である。本発明では、上面に金属電極21が形成された電極基板1の電極面の、焼結金属により電力用半導体素子が接合される直下部分である接合領域13とそれ以外の部分である剥離領域14とで表面状態を変えている。本実施の形態1では、剥離領域14に保護膜12を形成することにより、接合領域13と剥離領域14とで表面状態を変えている。焼結金属として、例えば銀を用いた場合、剥離領域14に銀との接合を阻害するような金属成膜を施し、保護膜12としての金属膜を形成する。金属ペーストとして銀ナノ粒子ペーストを用いて銀接合を行う場合、銀との密着性が悪いアルミやチタンやニッケルを、電力用半導体素子5が接合される直下部分以外の部分である電極基板1の剥離領域14に厚みが5um以下になるようにめっき又はスパッタにより成膜する。一方、電力用半導体素子5が接合される直下部分である接合領域13には保護膜12である金属膜は成膜しない。剥離領域14に形成された保護膜(金属膜)12は銀との密着性が悪いため、プレス機による加熱・加圧により温度と圧力が高くなっても、焼結金属の電力用半導体素子5からはみ出た部分と電極基板1との密着性を阻害することができる。なお、保護膜12を成膜する剥離領域14は、電極基板1の電極面のうち、接合領域13以外の部分の全領域であってもよいが、焼結金属がはみ出す可能性のある部分、すなわち少なくとも電力用半導体素子5の周辺領域であって電力用半導体素子が接合されない領域であればよい。
図5に実施の形態1による電極基板1の加工方法の一例を示す。まず、図5(a)に示すように、電極基板1に電力用半導体素子5を接合する接合領域13には成膜しないようにするため、マスク40を置いて成膜を阻害する。そこに噴出ノズル18から噴霧液体19をマスク40で覆われていない領域に塗布することで接合させたくない領域、すなわち剥離領域14に保護膜12を形成する。保護膜12の厚みは銀接合層よりも薄い必要があり、10μm以下の厚みであることが望ましい。その後、マスク40を除去すると、図5(b)に示すように、マスクで覆われていた部分は電極基板1の上面の金属電極21が剥き出しの状態となり、この領域が接合領域13となる。この時に使用する噴霧液体は、ナノインクなどの金属ナノ粒子を含んだ溶液を噴霧液体19として用いることが望ましい。この場合の金属種類は、銀との密着性が悪い、アルミやチタンやニッケルを用いることが望ましい。
保護膜12として金属ではなく無機膜を剥離領域14に形成すると、焼結金属の電力用半導体素子からはみ出た部分が無機膜上に形成されるため、保護膜12を除去することではみ出た焼結金属を除去することができる。無機膜の一例として、図5(a)の工程において、ポリシラザンを含んだ溶液を噴出ノズル18から噴霧液体19を塗布することで酸化シリコン膜を成膜することができる。ポリシラザンは、加熱すると架橋反応により、無機膜12として耐久性の低い酸化シリコン膜を形成する。この膜は、酸やアルカリに容易に除去される。そのため、この酸化シリコン膜の上に形成された、すなわち電力用半導体素子5からはみ出た焼結金属の部分を酸やアルカリで洗浄することにより、酸化シリコン膜とともにはみ出た焼結金属を容易に除去することが出来る。ポリシラザン溶液は、酸やアルカリに非常に弱い酸化シリコン膜が出来るので、酸処理により簡便に除去することが出来る。利用できる無機膜としては、窒化シリコン膜やカーボン膜などがある。ただし、ポリシラザン溶液を噴霧して作製した酸化シリコン膜は、作製方法および除去方法が簡便なため、はみ出た焼結金属を剥離するための保護膜12としてより好ましい無機膜である。
次に、図1、図2を参照して、本実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法全体を説明する。図1、図2では、まず、図1(a)のように、すでに説明したような製造方法で電極基板1の金属電極面の剥離領域に金属膜や無機膜などの保護膜12を形成する。次に図1(b)に示すように、印刷製版4を電極基板1の上にセットし、銀のナノ粒子のような金属粒子を含んだ金属ペースト3をスキージ2を用いて印刷塗布する。金属ペースト3に含まれる金属粒子としては、銀ナノ粒子以外にも金や銅といった金属で、且つ1um以下の粒径を有するものであり、300℃以下の温度で焼結する金属ペーストであれば適用出来る。印刷製版4で規定される印刷範囲は、搭載する電力用半導体素子5と同じか、それ以上であることが望ましい。電力用半導体素子5よりも印刷面積が小さい場合には、接合中に加える荷重によりチップ割れなどの歩留低下を引き起こす可能性があるからである。
金属ペースト3を印刷塗布後、図1(c)に示すようになる。印刷厚みは50〜300umの範囲で行うのが良い。加圧接合後の接合厚みは30um以上必要であるため、加圧によって印刷厚みが圧縮されることを考慮すれば、最適な印刷厚みとして、50〜150umが望ましい。印刷後は、金属ペースト3の内部に含まれる溶媒を電力用半導体素子5を搭載する前に揮発させて、接合層内にガス溜まりしないようにするのが望ましい。ガス溜まりが出来ると金属粒子と電力用半導体素子5または電極基板1との間に空隙を生じさせるため、密着性の低下を引き起こすからである。ただし、ナノ粒子である金属粒子を保護している有機膜は、揮発するとナノ粒子の焼結が開始されるため、この段階で揮発させるのは好ましく無い。そのため、有機膜が揮発しない200℃以下の温度でペースト中の溶媒を揮発させることが望ましく、溶媒を揮発させるための乾燥温度としては50〜200℃の範囲が好ましい。次に、図1(d)のように、乾燥させて溶媒を揮発させた金属ペースト3上に電力用半導体素子5を載置する。
次に図2(a)に示すように、緩衝材6を電力用半導体素子5の上に置き、プレス機の上ヒーター7と下ヒーター8で挟み込んで加熱加圧する。緩衝材6はPTFEやPFAなどのフッ素系樹脂、あるいはポリイミドなどの軟らかく変形する素材など、電力用半導体素子5の全面を均一に加熱・加圧出来る高分子材料を用いるのが望ましい。その結果、図2(b)に示すように、金属ペースト3が焼結して焼結金属30となり、電力用半導体素子5と電極基板1とを接合出来る。接合条件は、金属粒子を変形させて緻密に出来る加圧力と金属粒子表面についている有機保護被膜が揮発する温度以上を加える必要がある。そのため、加圧力1MPa以上、加熱温度200℃以上であることが望ましい。そして、電力用半導体素子5の外部には焼結金属30の電力用半導体素子5からはみ出た部分9が形成される。このはみ出た部分9は、量産プロセス中に剥離して、残渣付着による絶縁破壊や工程内の歩留低下を引き起こす要因となる。そのため、接合後にこの焼結金属の電力用半導体素子5からはみ出た部分9を除去する必要がある。
はみ出た部分9を除去するため、図2(c)に示すように、画像認識により予め把握した電力用半導体素子5の外周となる電極基板1の電極面に向けて、レーザー発振器10からのレーザー光をガルバノミラー11によって照射して、電力用半導体素子5の外周に沿って電力用半導体素子5外部にはみ出た焼結金属に加工溝を形成する。このレーザー加工により、電力用半導体素子5への応力緩和効果も得られる。加工溝は、電力用半導体素子5の外周の焼結金属を貫通するよう形成するのが好ましい。電極基板1の金属電極にもわずかに溝が形成されても良い。焼結金属が銀、すなわち金属ペーストの金属粒子が銀粒子の場合、レーザー発振器10の波長は、銀の吸収波長(300〜350nm)に近い波長である紫外線の波長のレーザー光(例えばYAGレーザーの第三高調波、355nm)を用いて、低出力で周囲へのダメージを与えないように加工することが望ましい。赤外光(例えばYAGレーザー光、1064nm)や、可視光(例えばYAGレーザーの第二高調波、532nm)のレーザー光を用いても焼結金属30の電力用半導体素子からはみ出た部分9の加工は出来る。しかし、これらの波長領域では金や銅といった貴金属の方が銀よりもレーザー光を吸収しやすいため、電極基板1の金属電極の金属種類によっては繰り返し周波数や出力などのレーザー条件を調整する必要がある。また、レーザー発振器10は紫外波長に近い波長域を作り出せる固体レーザー、半導体レーザーが望ましいが、ガスレーザーなどを用いても良い。
レーザー加工の後、図2(d)に示すように、レーザー光による溝形成により分離された焼結金属30の電力用半導体素子からはみ出た部分9を除去する。レーザー加工後に焼結金属の電力用半導体素子からはみ出た部分9を電極基板1より除去する方法としては、エアブローや超音波洗浄などの非接触な方法が電力用半導体素子へのダメージが無く望ましい。このとき、保護膜12が金属膜の場合は、焼結金属は金属膜から剥がれて除去され保護膜12は電極面に残る。保護膜12が酸化シリコン膜のように酸に弱い無機膜の場合は、上述のように、酸処理により無機膜とともに焼結金属を除去する。
以上の実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法によれば、焼結金属接合によって生じた焼結金属の電力用半導体素子5からはみ出た部分9を電力用半導体素子5へダメージを与えること無く、且つ簡便に除去することが出来る。
実施の形態2.
実施の形態1による電力用半導体装置の製造方法は、電極基板の電極面の接合領域13と剥離領域14とで表面状態が異なるように処理するのに、剥離領域14に焼結金属との接合を阻害するような保護膜12を施す製造方法であった。これに対し、本実施の形態2による電力用半導体装置の製造方法では、電極基板の電極面の接合領域13と剥離領域14とで表面状態が異なるように処理するのに、接合領域13を粗面化し、剥離領域14は平坦化する処理を行う。接合領域13を粗面化部15とすることでアンカー効果によって焼結金属との密着性を高めることができる。一方、剥離領域14は平坦化部16とすることで、焼結金属との密着性を低下させ、焼結金属の電力用半導体素子5からはみ出た部分9の剥離を促すことができる。それ以外については実施の形態1と同様である。
そこで、異なる部分を中心に説明する。図6は、本発明の実施の形態2による電極基板を示す図である。図6(a)は側面断面図、図6(b)は上面図である。電極基板1の金属電極21が形成された電極面に平坦化部16を得るために、機械研磨やCMPを行う必要がある。平坦化部16を機械研磨で得るには電極基板1の表面粗さよりも細かい型番で機械研磨するのが望ましい。例えば、電極面の表面粗さRaが15um程度であったとすると、研磨粒が15um以下の研磨砥粒#1000以上の型番で仕上げることにより電極面を滑らかにして、基板に接合部と焼結金属の電力用半導体素子からはみ出た部分のアンカー効果に違いを設けることで焼結金属の電力用半導体素子からはみ出た部分の剥離を誘起し易くする。
粗面化部15は、平坦化部16をマスキングして、ウェットエッチングやドライエッチングにより作製する。ウェットエッチング処理では、過酸化水素水、硫酸、スルホン酸やハロゲン化溶液、またはこれらの溶液を混合して行う。ドライエッチング処理では、アルゴン、または六フッ化硫黄や三窒化フッ素や四フッ化カーボン、またはフッ素以外のハロゲン系ガス、例えば乾燥塩素のようなガスを用いてプラズマ放電を行って銅表面のエッチングを行う。使用するガスの種類は1種類だけで無くてもよく、上記のガスを混合したようなプラズマ雰囲気下で銅表面の粗面化を行っても良い。
上記では、電極面を平坦化処理した後、粗面化部15を形成するようにしたが、逆に、まずウエットエッチングやドライエッチングなどで電極面を粗面化した後、剥離領域14を平坦化処理して粗面化部15と平坦化部16を形成するようにしても良い。
このようにして、粗面化処理により接合領域13を粗面化部15とし、平坦化処理により剥離領域14を平坦化部16とすることにより、粗面化部15は密着し易く、平坦化部16は剥離し易いために、プレス機による加熱・加圧の温度と圧力が高くなっても、はみ出た焼結金属をレーザー加工により容易に除去できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、組み合わせ、変形、省略したりすることが可能である。
1 電極基板、3 金属ペースト、5 電力用半導体素子、9 焼結金属の電力用半導体素子からはみ出た部分、10 レーザー発振器、12 保護膜、13 接合領域、14 剥離領域、15 粗面化部、16 平坦化部、21 金属電極(上面の)、30 焼結金属

Claims (9)

  1. 金属電極が形成された電極面を有する電極基板の前記電極面に焼結金属により電力用半導体素子が接合された電力用半導体装置の製造方法において、
    前記電極基板の電極面の、前記電力用半導体素子が接合される接合領域と、前記電力用半導体素子の周辺領域であって前記電力用半導体素子が接合されない剥離領域とで、表面状態が異なるよう処理する電極基板処理工程と、
    前記電極面の接合領域に、金属粒子を含み300℃以下で焼結する金属ペーストを塗布する金属ペースト塗布工程と、
    前記接合領域に前記電力用半導体素子を載置し、前記金属ペーストが加圧されるように前記電力用半導体素子と前記電極基板との間に圧力を加えながら前記金属ペーストの焼結温度まで昇温して前記金属ペーストに含まれる金属粒子を焼結金属化する焼結工程と、
    前記電力用半導体素子の外周となる前記電極面に向けてレーザー光を照射することにより、前記電力用半導体素子の外周の焼結金属に加工溝を形成し、前記剥離領域に形成された焼結金属を剥離する剥離工程と
    を有することを特徴とする電力用半導体装置の製造方法。
  2. 前記電極基板処理工程において、前記剥離領域に前記電極面の金属とは別の材料の保護膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  3. 前記保護膜として、金属膜を成膜することを特徴とする請求項2に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  4. 前記保護膜として、無機膜を成膜することを特徴とする請求項2に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  5. 前記保護膜として、ポリシラザン溶液を噴霧して前記剥離領域に塗布することにより酸化シリコン膜を成膜することを特徴とする請求項4に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  6. 前記電極基板処理工程において、前記電極面の少なくとも前記剥離領域を滑らかにする平坦化処理、および前記電極面の少なくとも前記接合領域の表面粗さを粗くする粗面化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  7. 前記金属ペーストに含まれる金属粒子は銀粒子であり、前記レーザー光の波長は紫外線領域の波長であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  8. 前記電力用半導体素子はワイドバンドギャップ半導体により形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  9. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイアモンドの半導体であることを特徴とする請求項8に記載の電力用半導体装置の製造方法。
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