JP2016113606A - 衣料用洗剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)成分:(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は(a−2)で表される繰り返し単位と、(a−3)で表される繰り返し単位を有するポリマー0.01〜5質量%と、(B)成分:ノニオン界面活性剤と、(C)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤を含有する衣料用洗剤。(a−1)中、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基でありX−は対イオンである。(a−2)中、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基でありX−は対イオンである。(a−3)中、R5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R6、R7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基である。
[化1]
【選択図】なし
Description
しかし、被洗物を部屋干しすると、外干しで得られるような、ふんわりとしたボリュームのある触感と、からっと乾いた触感とを同時に得られないという問題があった。
ふんわりとした触感を被洗物に付与するために、従来から柔軟剤入り洗剤が用いられており、例えば、アミドアミンや四級アンモニウム塩などのカチオン性を有する界面活性剤を配合した洗剤製品が上市されている。しかしながら、これらは、ふんわりとしたボリュームのある触感を付与する点では不充分であった。
また、特許文献1には、水不溶性シリコーン及び陽イオン性セルロースを含有し、柔軟性が高められた洗剤が開示されている。しかし、特許文献1に開示された洗剤は、ふんわりとしたボリュームのある触感を高めることはできるが、同時にしっとりとした触感を付与するため、からっと乾いた触感を想起させ難いという問題があった。さらに、水不溶性シリコーンや陽イオン性セルロース等の基材を液体洗剤に配合する場合には、液体洗剤中でこれらの基材が分離し、製剤の安定性が損なわれる場合があった。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1](A)成分:下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位と、下記一般式(a−3)で表される繰り返し単位と、を有するポリマー0.01〜5質量%と、(B)成分:ノニオン界面活性剤と、(C)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤と、を含有することを特徴とする衣料用洗剤。
[2]前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が0.5〜25であることを特徴とする[1]に記載の衣料用洗剤。
[3]さらに、(D)成分:香料前駆体を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の衣料用洗剤。
[4]さらに、(E)成分:下記一般式(e−1)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位及び下記一般式(e−2)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位より選ばれる1種以上の繰り返し単位を有するポリマーを含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の衣料用洗剤。
本発明の洗剤は、(A)〜(C)成分を含有する組成物である。
本発明の洗剤の剤形は、液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
(A)成分は、下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位と、下記一般式(a−3)で表される繰り返し単位と、を有するポリマーである。本発明の衣料用洗剤は、(A)成分を含有することで、洗濯後の被洗物に対して、ふんわりとしたボリュームのある触感、及び、からっと乾いた触感を付与できる。
(A)成分中の(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は(a−2)で表される繰り返し単位と、(a−3)で表される繰り返し単位との含有比は特に限定されないが、(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は(a−2)で表される繰り返し単位と、(a−3)で表される繰り返し単位とのモル比が、[(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は(a−2)で表される繰り返し単位]:(a−3)で表される繰り返し単位=1:9〜7:3が好ましく、2:8〜6:4がより好ましい。
これらのポリマーとしては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
また、上記ターポリマーの市販品としては、例えばLubrizol社製の商品名「マーコート3330」、「マーコート3940」等が挙げられる。
これらの(A)成分は、1種が単独で用いられても、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分は、ノニオン界面活性剤である。(B)成分は、衣料用洗剤に洗浄力を付与するために用いられる。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(b−1)で表される化合物(以下、化合物(b1)という。)が挙げられる。
R11−X−(EO)s(PO)t−R12 ・・・(b−1)
[式中、R11は炭素数8〜22の炭化水素基であり、−X−は2価の連結基であり、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基であり、sはEOの平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表し、3〜20の数である。POはオキシプロピレン基であり、tはPOの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表し、0〜6の数である。]
−X−の2価の連結基としては、−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
R12におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。R12におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2または3が好ましい。
tは0〜6の数であり、0〜3の数が好ましい。tが6超であると、液体洗剤とした場合の高温下での保存安定性が低下するおそれがある。
tが1以上の場合、つまり化合物(b1)が、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの両方が付加された付加体である場合、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加方法は、特に限定されず、例えばランダム付加でも、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
式(b1)中の−X−が−O−である場合、R11の炭素数は10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18が特に好ましい。R12は、水素原子であることが好ましい。
式(b1)中の−X−が−COO−である場合、R11の炭素数は9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。R12は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子どうしの配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等が生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合することができると推測される。また水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが洗濯機槽内の水中へ投入された場合、洗濯液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度は早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
当該ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られやすくなる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、化合物(b1)由来の原料臭気の少ない衣料用洗剤が得られやすくなる。これは、ナロー率が高い化合物(b1)には、その原料である脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体とが少ないためである。原料臭気の少ない衣料用洗剤を得る点からは、前記脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体との合計の含有量が、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの全量に対して、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
なお、前記ナロー率は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法等によって制御することができる。
(B)成分の含有量は、特に限定されないが、1回あたりの洗濯に使用する洗剤使用量が少量ですみ、洗剤製品としてコンパクトにできるといった利点が得られることから、(B)成分を高濃度で配合することが好ましい。この場合、(B)成分としては、ゲル化領域が小さく、高濃度で配合しやすい点から、第2級アルコールにエチレンオキシドを付加した第2級アルコールエトキシレート(例えば日本触媒社製のソフタノールシリーズ)や、MEEを用いることが好ましい。また、これらを、第1級アルコールにエチレンオキシドを付加した第1級アルコールエトキシレートと併用してもよい。
上記MEEとしては、炭素数8〜21(好ましくは炭素数10〜20、より好ましくは炭素数10〜18)の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均EO付加モル数5〜30(好ましくはEO付加モル数10〜20、より好ましくはEO付加モル数12〜16)であるものが好ましい。
(B)成分としてMEEを用いることで、高濃度で配合した場合でもゲル化が生じにくい。また、ふんわりとしたボリュームのある触感、及び、からっと乾いた触感の付与効果も高められやすくなる。
(C)成分は、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤である。(C)成分は、衣料用洗剤に洗浄力を付与するために用いられる。
なお、本発明において、高級脂肪酸塩とは、炭素数8〜22の脂肪酸塩を意味する。
(C)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドと、平均0〜6モルのプロピレンオキシドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩またはポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩またはポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの両方が付加された付加体である場合、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加方法は、特に限定されず、例えばランダム付加でも、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましい。また、該アルキル基が2級アルキル基である2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
(C)成分の含有量は、衣料用洗剤の総質量に対して、2〜20質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が、上記好ましい範囲であると、再汚染防止性効果及び(A)成分の分散安定性を高めやすくなる。
(D)成分は、香料前駆体である。ここで、香料前駆体とは、それ自体は無臭又は無臭に近いものであるが、液体洗剤中で、又は繊維上で、酸化反応等によって香りを発生するものである。
本発明の衣料用洗剤は、(D)成分を含有することで、洗濯処理・乾燥後の被洗物から感じられる香りの強さ(香気強度)がより高められる。これにより、洗濯後の被洗物のふんわりとしたボリュームのある触感、及び、からっと乾いた触感の実感効果をより高められる。さらに、(D)成分由来の香気が徐々に放出されることで、前記実感効果をより持続させられる。
本発明において、(D)成分は、(D)成分の種類等に応じて適宜選択すればよく、例えば硫黄を含有する香料前駆体(硫黄含有香料前駆体)が挙げられる。
硫黄含有香料前駆体としては、例えば、下記一般式(d−1)で表される化合物が挙げられる。
ただし、式(d−1)中、Jは、下記化学式(J−1)〜(J−7)でそれぞれ表される基、及びこれらの異性体からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。下記化学式(J−1)〜(J−7)中、波線は、Sと結合する結合手を表す。下記化学式(J−1)〜(J−2)中、点線は、点線が設けられている炭素原子間の結合の1つ以上が二重結合であることを意味する。下記化学式(J−4)中、jは、0〜20の整数を表す。
Sは、硫黄原子である。
Gは、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の直鎖状又は炭素数2〜15の分岐鎖状の炭化水素基を表す。
Qは、−S−Jで表される基、−NR61−Jで表される基又は水素原子である。ただし、前記−S−Jで表される基におけるSは硫黄原子であり、Jは下記化学式(J−1)〜(J−7)でそれぞれ表される基、及びこれらの異性体からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。前記−NR61−Jで表される基におけるNは窒素原子であり、Jは前記−S−Jで表される基におけるJと同じであり、R61は水素原子又はメチル基である。
上記化学式(J−4)中、jは、0〜20の整数(jが0のとき(J−4)は5員環である)であり、5〜15の整数が好ましい。
上記式(d−1)におけるJとしては、上記化学式(J−1)で表される基、上記化学式(J−2)で表される基が好ましい。
上記式(d−1)中、Gは、飽和炭化水素基でもよいし不飽和炭化水素基でもよい。Gとしては、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。Gにおける炭化水素基の炭素数は、10〜14が好ましい。Gにおける炭化水素基の有する置換基としては、例えば、−OR62、−N(R62)2、−COOR62(前記R62は、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数1〜6のアルケニル基又は水素原子を表す)等が挙げられる。
これらの中でも、香りの持続性を高める観点から、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2−ブタノン及び3−(ドデシルチオ)−5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
その中でも、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン及び4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が特に好ましい。
(D)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の衣料用洗剤が(D)成分を含有する場合、衣料用洗剤中の(D)成分の含有量は、衣料用洗剤の総質量に対して、0.0001〜3質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、0.006〜0.2質量%がさらに好ましく、0.01〜0.1質量%が特に好ましい。
(D)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、香気強度がより高められるとともに、香気維持性がより高められる。一方、前記の好ましい上限値を超えると、香りが強く残りすぎるおそれがある。
(E)成分は、下記一般式(e−1)で表されるモノマー(以下、「モノマー(e1)」ともいう。)から誘導された繰り返し単位及び下記一般式(e−2)で表されるモノマー(以下、「モノマー(e2)」ともいう。)から誘導された繰り返し単位より選ばれる1種以上の繰り返し単位を有するポリマーである。本発明の衣料用洗剤は、(E)成分を含有することで、汚れの再付着を防止する効果が高められる。
上記式(e−1)中、R52のアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐鎖状でもよい。また、環状構造を含んでもよい。R52のアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。
モノマー(e1)としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
モノマー(e1)は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上記式(e−2)中、R54のアルキル基は、直鎖状でもよいし分岐鎖状でもよい。また、環状構造を含んでいてもよい。R54のアルキル基の炭素数は、10〜25が好ましく、10〜20がより好ましい。
上記式(e−2)において、R55が水素原子、R54が炭素数10〜30のアルキル基であるモノマー(e2)としては、例えば、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル等が挙げられる。上記式(e−2)において、R55がカルボキシル基、R54が水素原子であるモノマー(e2)としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。R55がカルボキシル基、R54が水素原子であるモノマー(e2)としては、マレイン酸が好ましい。
モノマー(e2)は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
前記架橋されたポリマーとしては、例えば、架橋剤により架橋された高分子架橋体が挙げられる。前記架橋剤としては、例えば、アリルエーテル化合物が挙げられる。前記アリルエーテル化合物としては、例えば、アリルエーテル、糖のアリルエーテル、糖アルコールのアリルエーテル等が挙げられる。前記糖としては、例えば、スクロース等が挙げられる。前記糖アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比[(A)成分の含有量に対する、(E)成分の含有量の質量割合、以下「E/A比」ともいう]は、0.5〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。E/A比が上記下限値以上であると、再汚染防止効果が高められやすくなる。E/A比が上記上限値以下であると、ふんわりとしたボリュームのある触感が維持されやすくなる。
(E)成分の市販品としては、例えば、Lubrizol社製のCarbopol(登録商標)シリーズ、DOW社製のACUSOL(登録商標)シリーズ、BASF社製のSokalan(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
上記Corbopolシリーズとしては、例えば、疎水化Carbopol ETD 2623、Carbopol 1382(INCI名:商品名Acrylates/C10−30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)、Carbopol Aqua 30等が挙げられる。
上記ACUSOLシリーズとしては、例えば、ACUSOL810、ACUSOL820、ACUSOL830等が挙げられる。
上記Sokalanシリーズとしては、例えば、Sokalan PA30CL、Sokalan CP7、Rheovis AT120、Luvigel FIT UP等が挙げられる。
本発明の衣料用洗剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外の他の成分を含有することができ、例えば、高級脂肪酸塩、水混和性有機溶剤、溶媒、両性界面活性剤、金属イオン捕捉剤(キレート剤)、無機塩、酸化防止剤、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、(A)成分以外の風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、(A)成分及び(E)成分以外の高分子ビルダー、ハイドロトロープ剤、シリコーン化合物、保存安定性向上剤、防腐剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁剤、天然物等のエキス、pH調整剤等が挙げられる。
本発明の衣料用洗剤は、高級脂肪酸塩を含有することで、すすぎ性を向上させることができる。
高級脂肪酸塩としては、炭素数10〜20の脂肪酸塩が好ましく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸の塩、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸の塩等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール塩、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
高級脂肪酸塩の含有量は、衣料用洗剤の総質量に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。高級脂肪酸塩の含有量が、上記下限値未満であると、すすぎ性が充分に得られない場合がある。また、上記上限値を超えると、低温での製剤安定性が損なわれる場合がある。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗剤とした場合の液安定性、流動性等から、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましい。
水混和性有機溶剤は、いずれか1種が単独で用いられても、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
水混和性有機溶剤の含有量は、衣料用洗剤の総質量に対して、3〜20質量%が好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
液体洗剤とした場合の水の含有量は、(A)〜(C)成分及びその他の任意成分の含有量に応じて適宜に設定できるが、通常、液体洗剤の総質量に対して、10〜90質量%であり、20〜80質量%が好ましい。
衣料用洗剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が好ましい。
なお、本明細書において、pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定される値を意味する。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
A−1:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー、Lubrizol社製、商品名「マーコート550」。
A−2:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー、Lubrizol社製、商品名「マーコート740」。
A−3:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー、Lubrizol社製、商品名「マーコート2200」。
A−4:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸コポリマー、Lubrizol社製、商品名「マーコート3940」。
B−1:MEE、脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数16〜18、EOの平均付加モル数15)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「CEAO−90」。
B−2:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数15)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAO−90」。
B−3:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数12)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAL−90」。
B−4:炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したノニオン界面活性剤、株式会社日本触媒製、商品名「ソフタノール90」。
B−5:炭素数10〜14の第1級アルコールに対して、5モル相当のエチレンオキシドと、2モル相当のプロピレンオキシドをブロック付加したノニオン界面活性剤。
C−1:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」。
C−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)、新日本理化株式会社製、商品名「シノリンSPE−1150」。
C−3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)、常法により、1−ドデカノールに平均付加モル数1.0モルのプロピレンオキシドと、平均付加モル数2.0モルのエチレンオキシドをこの順に付加したのち、これを硫酸化しモノエタノールアミンで中和することにより製造したもの。
C−4:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩(特開平8−81694号公報に記載の方法で合成されたもの。)
C−5:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン株式会社製、商品名「リポランLB−840」。
D−1:3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン。特表2005−511710号公報の例4に記載の化合物。上記一般式(d−1)における、Jが化学式(J−1)(3,4位間に二重結合を有する)で表される基、Gがドデシル基、Qが水素原子である化合物。
D−2:4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノン。原料としてドデカンチオール(東京化成工業株式会社製)とβヨノン(ヴェ・マンフィス香料株式会社製)とを用い、特表2005−511710号公報の例4に記載の合成方法と同様にして合成した化合物。上記一般式(d−1)における、Jが化学式(J−2)(1,2位間に二重結合を有する)で表される基、Gがドデシル基、Qが水素原子である化合物。
E−1:アクリル酸の重合体。BASF社製、商品名「Sokalan PA30CL」。
E−2:アクリル酸とマレイン酸の共重合体。BASF社製、商品名「Sokalan CP7」。
E−3:アクリル酸アルキルとメタクリル酸アルキルとの共重合体の部分架橋体。Lubrizol社製、商品名「Cabopol Aqua30」。
E−4:アクリル酸アルキルを含む高分子架橋体。DOW社製、商品名「AQUSOL 820」。
A’−1:ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン[C17H35CONH(CH2)3N(CH3)2]。
A’−2:塩化アルキル(炭素数12〜14)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード12−37w」。
A’−3:カチオン化セルロース、ダウ・ケミカル社製、商品名「UCARE JR−400」。
A’−4:カチオン化セルロース、ダウ・ケミカル社製、商品名「SX−400H」。
A’−5:カチオン化セルロース、ライオン株式会社製、商品名「レオガードMTY」。
シリコーン化合物:アミノポリエーテル変性シリコーン。東レ・ダウ・コーニング社製、商品名「BY16−893」。
各成分の末尾に記載の数値は、衣料用洗剤中の含有量である。
・金属イオン補足剤(キレート剤):クエン酸(一方社油脂工業株式会社製)・・・・0.1質量%。
・保存安定性向上剤:安息香酸ナトリウム(東亜合成株式会社製)・・・・1質量%。
・高級脂肪酸塩:ヤシ脂肪酸ナトリウム(日油株式会社製)・・・・2質量%。
・防腐剤:イソチアゾロン液(商品名「ケーソンCG」、ローム・アンド・ハース社製)・・・・0.01質量%。
・酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「K−NOX BHT」、Degussa社製)・・・・0.04質量%。
・水混和性有機溶剤:エタノール(商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製)・・・・8質量%、ブチルカルビトール(日本乳化剤株式会社製)・・・・3質量%。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)・・・・適量、モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)・・・・適量。
・溶媒:水(精製水)・・・・バランス。
pH調整剤の含有量「適量」は、衣料用洗剤を表中のpHにするのに要した量である。
水の含有量「バランス」は、衣料用洗剤全体で100質量%とするのに必要な量である。
各成分の末尾に記載の数値は、衣料用洗剤中の含有量である。
・高級脂肪酸塩:石けん(商品名「コウニュウ Cノリ」、ライオンオレオケミカル社製)
・酵素:プロテアーゼ(商品名「サビナーゼ12T」、ノボザイムズ社製)・・・・0.5質量%。
・無機塩:硫酸ナトリウム(日本化学工業株式会社製)・・・・20質量%、炭酸カリウム(旭硝子株式会社製)・・・・5質量%、炭酸ナトリウム(旭硝子株式会社製)・・・・バランス。
炭酸ナトリウムの含有量「バランス」は、衣料用洗剤全体で100質量%とするのに必要な量である。
[実施例1〜16、18〜26、比較例1〜8]
表1〜4に示す組成に従い、水に、(A)〜(C)成分及びその他の成分(水及びpH調整剤を除く)を添加し混合した後、pH調整剤でpHを表中の値に調整して、実施例1〜16,18,22、比較例1〜2の衣料用洗剤を得た。
(D)成分又は(E)成分をさらに添加したこと以外は上記と同様にして、実施例19〜21,23〜26の衣料用洗剤を得た。
(A)成分に代えて、(A’)成分を用いた以外は、上記と同様にして、比較例3〜8の衣料用洗剤を得た。
[実施例17、比較例9]
(C)成分及び任意成分(酵素を除く)を、固形分60質量%で含むスラリーとした。このスラリーを、70℃で2時間撹拌した後、向流式噴霧乾燥塔で、水分が約6質量%となるまで乾燥(熱風温度260℃)して噴霧乾燥粉を得た。
上記噴霧乾燥粉に、(A)成分を添加し、乾式混合した。乾式混合後の粉末に、(B)成分を噴霧し、次いで、酵素を添加した。これを混合して実施例17の衣料用洗剤を得た。
また、(A)成分に代えて、(A’)成分を用いた以外は、上記と同様にして、比較例9の衣料用洗剤を得た。
表1〜2に、得られた各例の衣料用洗剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
なお、実施例1〜16,18〜26及び比較例1〜8の衣料用洗剤は液体洗剤であり、実施例17及び比較例9の衣料用洗剤は粉末洗剤である。また、前記液体洗剤のうち、実施例1〜11,18〜26及び比較例1〜6は、界面活性剤を高濃度で含有する濃縮タイプである。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、実施例16及び比較例9の衣料用洗剤のpHについては、該洗剤の1質量%水溶液のpHを意味する。
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、市販のタオル(綿100%)3枚、および浴比(洗濯水/被洗布総質量)を20倍に調整するために、綿肌シャツ2枚(B.V.D.社製、全被洗布の総質量約600g)を投入し、各例の衣料用洗剤を添加し(実施例1〜11,22〜26の衣料用洗剤及び比較例1〜6の衣料用洗剤は10mL、実施例12〜15の衣料用洗剤及び比較例7〜8の衣料用洗剤は25mL、実施例17及び比較例9の衣料用洗剤は20g)、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。洗濯終了後、取り出したタオルを25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に1日放置して、これを試験布とした。試験布の「ふんわりとしたボリュームのある触感」及び「からっと乾いた触感」について、専門パネラー10人が、下記判断基準による対照布との一対比較を行い採点した。専門パネラー10人の採点結果の平均値を下記評価基準に分類して、それぞれの触感を評価した。それぞれの評価において、○、◎を合格とした。
なお、触感の評価は、上記恒温恒湿室(20m3の密閉空間)で行い、対照布としては、各例の衣料用洗剤に代えて、標準洗剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同じ洗浄操作で処理したタオルを用いた。
ふんわりとしたボリュームのある触感及びからっと乾いた触感(乾燥1日後)の評価結果を表1,3〜4に示す。
1点:対照布と同等。
2点:対照布よりややボリュームがあり、ふんわりしている。
3点:対照布よりボリュームがあり、ふんわりしている。
4点:対照布よりかなりボリュームがあり、ふんわりしている。
5点:対照布より非常にボリュームがあり、ふんわりしている。
≪ふんわりとしたボリュームのある触感の評価基準≫
◎:4点以上。
○:3点以上4点未満。
×:3点未満。
1点:対照布より湿った触感がする。
2点:対照布よりやや湿った触感がする。
3点:対照布と同等。
4点:対照布よりやや乾いた触感がする。
5点:対照布より乾いた触感がする。
≪からっと乾いた触感の評価基準≫
◎:4点以上。
○:3点以上4点未満。
×:3点未満。
実施例18〜21の衣料用洗剤10mLを添加して洗浄操作を行ったこと、洗濯終了後、取り出したタオルを25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に2週間放置したものを試験布としたこと以外は、上記乾燥1日後の評価と同様にして、ふんわりとしたボリュームのある触感及びからっと乾いた触感(乾燥2週間後)を評価した。
評価結果を表2に示す。
洗浄力評価の汚垢布として、顔や首周りの垢汚れを綿布に擦り付けて作製した「顔垢布」を使用した。洗濯液は、水30Lに対して、実施例1〜11,18〜26の衣料用洗剤及び比較例1〜6の衣料用洗剤は10mL、実施例12〜16の衣料用洗剤及び比較例7〜8の衣料用洗剤は25mL、実施例17及び比較例9の衣料用洗剤は20gを、それぞれ分散・溶解して調製した。
Terg−O−meter(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用い、上記の顔垢布10枚と、洗浄メリヤス布と、前記洗濯液とを該洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4°DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
未洗浄の汚染布および洗浄後の汚染布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S−洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S−未汚れ布のK/S)×100。
ただし、K/Sは式:(1−R/100)2/(2R/100)で求められる値であり、Rは未汚れ布、洗浄前の汚染布または洗浄後の汚染布の反射率(%)である。
10枚の汚染布について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて、下記基準で判定し、○、◎を合格とした。
◎:70%以上。
○:60%以上70%未満。
×:60%未満。
≪液体洗剤≫
液体洗剤(実施例1〜16,18〜26、比較例1〜8)をそれぞれ円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて50℃の恒温槽で1か月間保存した。保存後の外観を目視で観察し、下記基準に基づいて製剤安定性を評価し、△、○を合格とした。
○:均一で分離がない。
△:均一だがやや濁りが見られる。
×:分離・析出が見られる。
≪粉末洗剤≫
外側からコートボール紙(坪量:350g/m2)、ワックスサンド紙(坪量:30g/m2)、クラフトパルプ紙(坪量:70g/m2)の3層からなる紙を用いて、長さ15cm×幅9cm×高さ12cmの箱を作製した。この箱に粉末洗剤(実施例17、比較例9)をそれぞれ1.0kgずつ充填した。
上記粉末洗剤が充填された箱を、温度40℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿室内に1か月間保存した。保存後の粉末洗剤を、目開き5mmの篩に通し、この篩を通らなかった粉末洗剤の質量を測定し、下記基準に基づいて製剤安定性を評価した。△、○を合格とした。
○:篩の上に残った粉末洗剤の質量が、篩にかけた粉末洗剤の総質量に対して5質量%以下。
△:篩の上に残った粉末洗剤の質量が、篩にかけた粉末洗剤の総質量に対して5質量%超〜10質量%以下。
×:篩の上に残った粒状洗剤の質量が、篩にかけた粉末洗剤の総質量に対して10質量%超。
実施例22〜26の衣料用洗剤を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
被洗物として、下記の綿布、ポリエステル(PE)布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
綿布:再汚染判定布として綿メリヤス(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
ポリエステル(PE)布:再汚染判定布としてポリエステルトロピカル(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg−o−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに衣料用洗剤0.3gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(綿布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
綿布の再汚染判定布におけるΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤による綿布への再汚染防止効果を評価した。下記判定基準において、◎◎、◎及び○を合格とした。評価結果を表3に示す。
◎◎:ΔZが10未満。
◎:ΔZが10以上15未満。
○:ΔZが15以上20未満。
△:ΔZが20以上25未満。
×:ΔZが25以上。
一方、(A)成分の含有量が0.01質量%未満である衣料用洗剤(比較例1)、(A)成分に代えて、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、塩化アルキルトリメチルアンモニウムを用いた衣料用洗剤(比較例3,4)は、からっと乾いた触感を付与できたが、ふんわりとしたボリュームのある触感を充分に付与することはできなかった。また、(A)成分の含有量が5質量%を超える衣料用洗剤(比較例2)、(A)成分に代えて、カチオン化セルロースを用いた衣料用洗剤(比較例5〜9)は、ふんわりとしたボリュームのある触感を付与できたが、からっと乾いた触感を充分に付与することはできなかった。すなわち、比較例の衣料用洗剤は、ふんわりとしたボリュームのある触感と、からっと乾いた触感の両方を付与できるものではなかった。
以上の結果から、本発明を適用した衣料用洗剤は、ふんわりとしたボリュームのある触感と、からっと乾いた触感の両方を付与できることが確認できた。
Claims (4)
- (A)成分:下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び/又は下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位と、下記一般式(a−3)で表される繰り返し単位と、を有するポリマー0.01〜5質量%と、
(B)成分:ノニオン界面活性剤と、
(C)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤と、を含有することを特徴とする衣料用洗剤。
- 前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が0.5〜25であることを特徴とする請求項1に記載の衣料用洗剤。
- さらに、(D)成分:香料前駆体を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衣料用洗剤。
- さらに、(E)成分:下記一般式(e−1)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位及び下記一般式(e−2)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位より選ばれる1種以上の繰り返し単位を有するポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の衣料用洗剤。
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