JP2020143257A - 衣料用繊維処理剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感に優れ、かつ、液体安定性に優れる衣料用繊維処理剤組成物を目的とする。【解決手段】(A)成分:特定の構造を有するポリマーと、(B)成分:特定の構造を有するアルキルアミドアミンと、(C)成分:特定の構造を有するノニオン界面活性剤(c1)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)と、を含有する、衣料用繊維処理剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用繊維処理剤組成物に関する。
近年、触るとひんやりと感じる(接触冷感)素材やシルクのような肌触りを実現する素材として、レーヨンが用いられることが増えている。レーヨンを含む繊維は、ドレスやジャケット、スーツの裏地や下着等のいわゆる「おしゃれ着」に用いられる。おしゃれ着を洗濯した場合の仕上がりの実感ポイントとしては、すべるような触感(すべり感)が挙げられる。
レーヨンを含む繊維は、すべり感に優れるが、洗濯することで生地のごわつきが発生したり、生地に皺が発生しやすかったりして、すべり感が低減することが問題であった。
例えば、特許文献1には、特定の構造を有する水溶性ポリマーと、アルキルアミドアミンと、水不溶性シリコーンとを含有する繊維製品用の洗浄剤が提案されている。特許文献1の繊維製品用の洗浄剤は、ウールやポリエステル等のすべり感の向上が図られている。
例えば、特許文献2には、特定の構造を有するポリマーと、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とを含有する衣料用洗剤が提案されている。特許文献2の衣料用洗剤は、綿タオルのふんわりとしたボリュームのある感触(ふんわり感)の向上が図られている。
特開2015−127369号公報 特開2016−113606号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感の向上については、配慮されていない。
加えて、衣料用洗剤等の衣料用繊維処理剤組成物には、固形分が析出せず、液が白濁しないこと(液体安定性)が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感に優れ、かつ、液体安定性に優れる衣料用繊維処理剤組成物を目的とする。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、特定の構造を有するポリマーと、アルキルアミドアミンと、2種類のノニオン界面活性剤とを組み合わせることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:下記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び下記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーと、
(B)成分:下記式(b−1)で表されるアルキルアミドアミンと、
(C)成分:下記式(c−1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)と、を含有する、衣料用繊維処理剤組成物。
Figure 2020143257
[式(a−1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。式(a−2)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
Figure 2020143257
[式(b−1)中、R10は、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。R11は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又はオキシエチレン基の平均繰り返し数が1〜25の(ポリ)オキシエチレン基である。]
21−O−(EO)(PO)−H ・・・(c−1)
[式(c−1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10〜16のアルキル基、又は炭素数8〜16の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、2〜10の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。]
[2]前記(A)成分が、下記式(a−3)で表される繰り返し単位をさらに有する、[1]に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
Figure 2020143257
[式(a−3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。]
[3]前記(A)成分における前記式(a−1)で表される繰り返し単位と、前記式(a−2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、前記式(a−3)で表される繰り返し単位の含有量との比が、10:90〜80:20である、[2]に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[4](D)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤、をさらに含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[5](E)成分:キレート剤、をさらに含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[6]前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.01〜200である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[7]前記(c1)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.1〜500である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[8]前記(C)成分の含有量が、総質量に対して、1.1〜50質量%である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[9]前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.01〜20である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[10]洗浄剤組成物である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
本発明の衣料用繊維処理剤組成物によれば、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感に優れ、かつ、液体安定性に優れる。
本明細書において、「レーヨン」とは、セルロースの再生繊維の総称をいう。
「レーヨンを含む繊維」とは、総質量に対してレーヨンを0質量超含む繊維をいう。レーヨンを含む繊維におけるレーヨンの含有量は、特に限定されないが、本発明の効果が得られやすい観点から、例えば、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%でもよい。ここで、レーヨンの含有量は、JIS L1030−2:2012「繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率」に記載の解じょ法、溶解法又は顕微鏡法のいずれかの試験方法で求めることができる。
「レーヨンを含む繊維」としては、例えば、ブラウス、カットソー、シャツ、下着、ジャケット、ドレス、スカーフ、ハンカチ、スーツの裏地、スカートの裏地等が挙げられる。
[衣料用繊維処理剤組成物]
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する組成物である。
なお、本明細書において、「衣料用繊維処理剤組成物」とは、衣料等の繊維製品に付着した汚れを洗浄できる洗浄剤に加え、衣料等の繊維製品に様々な機能を付与できる組成物をいうものとする。「様々な機能」としては、柔軟性、撥水性、耐久性、抗菌性等が挙げられる。「衣料等の繊維製品」としては、コート、ジャンパー、ジャケット、スーツ、セーター、シャツ、ズボン、スカート、下着、靴下等の衣料のほか、タオル、ハンカチ、ネクタイ、マフラー、帽子、手袋、帯、紐等、洗濯又はクリーニングの対象となる被洗物を含むものとする。
<(A)成分>
(A)成分は、下記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び下記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(A)成分を含有することで、洗濯後のレーヨンを含む繊維に対して、すべり感を向上させることができる。
Figure 2020143257
式(a−1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。
式(a−2)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。
(A)成分は、下記式(a−3)で表される繰り返し単位をさらに有することが好ましい。
Figure 2020143257
式(a−3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
なお、上記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記式(a−2)で表される繰り返し単位は、下記式(a−4)で表されるジアルキルジアリルアンモニウム塩モノマーに由来する繰り返し単位である。
Figure 2020143257
式(a−4)中、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。
上記式(a−1)、(a−2)及び(a−4)におけるXとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;硫酸イオン、硝酸イオン、亜硫酸イオン等の無機酸イオン;メチル硫酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン等の有機酸イオン等が挙げられる。
(A)成分の質量平均分子量は、1,000〜5,000,000が好ましく、3,000〜2,000,000がより好ましく、10,000〜2,000,000がさらに好ましい。なお、本明細書における質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値を意味する。
(A)成分の重合の形態は、特に限定されず、ブロック重合、ランダム重合又はグラフト重合のいずれであってもよい。
(A)成分中の式(a−1)で表される繰り返し単位と、式(a−2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、式(a−3)で表される繰り返し単位の含有量との比は特に限定されない。式(a−1)で表される繰り返し単位と、式(a−2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、式(a−3)で表される繰り返し単位の含有量との比は、モル比で、10:90〜80:20が好ましく、20:80〜60:40がより好ましい。
上記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドから誘導されるポリマーが挙げられる。上記ポリマーの市販品としては、例えば、Lubrizol社製の商品名「マーコート100」が挙げられる。
上記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、上記式(a−3)で表される繰り返し単位とを有するポリマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミドコポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミド・アクリル酸ターポリマー等が挙げられる。
これらのポリマーとしては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
上記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、上記式(a−3)で表される繰り返し単位とを有するポリマーは、特に限定されないが、通常のラジカル重合により製造できる。例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドや、アクリルアミド等の(A)成分を構成するモノマーを、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により重合することで製造できる。また、重合の際には、通常のラジカル重合に用いられる重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウム等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物を用いることができる。
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミドコポリマーの市販品としては、例えば、Lubrizol社製の商品名「マーコート550」、「マーコート740」、「マーコート2200」、「Noverite300」、「Noverite302」等が挙げられる。
また、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミド・アクリル酸ターポリマーの市販品としては、例えば、Lubrizol社製の商品名「マーコート3330」、「マーコート3940」等が挙げられる。
(A)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.1〜1質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗濯後のレーヨンを含む繊維に充分なすべり感を付与できる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性を向上しやすい。
(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、下記式(b−1)で表されるアルキルアミドアミンである。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(B)成分を含有することで、洗濯後のレーヨンを含む繊維に対して、すべり感を向上させることができる。
Figure 2020143257
式(b−1)中、R10は、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。R10の炭素数は15〜21が好ましい。R10の炭素数が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感をより向上し、液体安定性をより向上できる。
10は、飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基でもよい。
11は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R11の炭素数は2〜3が好ましい。R11の炭素数が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感をより向上し、液体安定性をより向上できる。
12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又はオキシエチレン基の平均繰り返し数が1〜25の(ポリ)オキシエチレン基である。
12及びR13は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
(B)成分としては、例えば、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミン;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルジアルキル3級アミン;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド等の3級アミンが挙げられる。
中でも、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好ましい。
(B)成分は、衣料用繊維処理剤組成物中、又は衣料用繊維処理剤組成物を水に溶解した洗浄液中で塩の形で存在していてもよい。
(B)成分の塩としては、(B)成分を酸で中和した酸塩等が挙げられる。中和に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、市販品でもよいし、以下の方法により製造されたものでもよい。長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミン等の脂肪族アミドアルキル3級アミンは、例えば、以下の方法により製造される。
脂肪酸又は脂肪酸誘導体(脂肪酸低級アルキルエステル(ここで、「低級アルキル」は、炭素数7以下のアルキル基をいう。)、動物性油脂又は植物性油脂等)と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより脂肪族アミドアルキル3級アミンを製造できる。
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸や、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が挙げられ、中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が好ましい。これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが好ましい。
(B)成分の市販品としては、例えば、ライオン(株)製のアミドアミンAPA−168−65E等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が特に好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、レーヨンを含む繊維のすべり感を向上しやすい。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性を向上しやすい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、(A)成分と併用することで、(A)成分との複合体を形成し、レーヨンを含む繊維のすべり感の向上の相乗効果を発揮する。
(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、B/A比ともいう。)は、0.01〜200が好ましく、0.05〜100がより好ましく、0.1〜20がさらに好ましく、0.1〜10が特に好ましい。B/A比が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
<(C)成分>
(C)成分は、下記式(c−1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)である。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(C)成分を含有することで、繊維製品等から汚れを除去できる。また、(C)成分を含有することで、(A)成分と(B)成分とが繊維製品等に浸透しやすくなり、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
21−O−(EO)(PO)−H ・・・(c−1)
式(c−1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10〜16のアルキル基、又は炭素数8〜16の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、2〜10の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。
((c1)成分)
(c1)成分は、上記式(c−1)で表されるノニオン界面活性剤である。(c1)成分は、繊維製品等から汚れを除去する洗浄成分として機能する。また、衣料用繊維処理剤組成物は、(c1)成分を含有することで、(A)成分と(B)成分とが繊維製品等に浸透しやすくなり、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
式(c−1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10〜16のアルキル基であることが好ましく、分岐鎖を有する炭素数12〜14のアルキル基であることがより好ましい。また、R21が、炭素数8〜16の直鎖アルキル基の場合、R21は、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子(すなわち、第2級アルキル基)であり、R21の炭素数は、12〜14が好ましい。
mは、2〜10の数であり、2〜8が好ましい。
nは、0〜6の数である。
m+nは、2〜16が好ましく、2〜14がより好ましく、2〜10がさらに好ましい。
(c1)成分は、液体安定性に優れる観点から、オキシエチレン基のみであることが好ましい。(c1)成分が、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の両方を有する場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダムに付加されていてもよく、ブロック付加であってもよい。
(c1)成分としては、市販品を用いてもよい。(c1)成分の市販品としては、例えば、三菱ケミカル(株)製のダイヤドール(登録商標)(C13、Cの次の数字は、アルコールの炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製のNeodol(登録商標)(C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol(登録商標)23(C12とC13との混合物)、EXXAL(登録商標)13(C13)等のアルコール1モルに対して、3〜10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、3又は5モル相当、もしくは7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標)TO3、Lutensol(登録商標)TO5、Lutensol(登録商標)TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標)XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標)XL70、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標)XA60、BASF社製);C12〜14の第2級アルコールに対して、3又は5又は7又は9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ソフタノール(登録商標)30、ソフタノール(登録商標)50、ソフタノール(登録商標)70、ソフタノール(登録商標)90、(株)日本触媒製)等が挙げられる。
(c1)成分としては、繊維製品等への浸透のしやすさの観点から、式(c−1)におけるR21が、分岐鎖を有する炭素数12〜14のアルキル基であり、mが2〜8であるもの(市販品としては、Lutensol(登録商標)TO7(BASF社製)や、EXXAL(登録商標)13(Sasol社製)等のアルコール1モルに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの)、又は、式(c−1)におけるR21が、炭素数12〜14の直鎖アルキル基であり、直鎖アルキル基の酸素原子に結合する炭素原子は、2級の炭素原子であり、mが2〜8であるもの(市販品としては、ソフタノール(登録商標)30、(株)日本触媒製)が好ましい。
(c1)成分としては、式(c−1)におけるR21が、分岐鎖を有する炭素数12〜14のアルキル基であり、mが2〜8であるものが特に好ましい。
(c1)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、3〜7質量%が特に好ましい。(c1)成分の含有量が上記下限値以上であると、(A)成分及び(B)成分の繊維製品等に対する浸透効果を高めやすい。(c1)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性を向上しやすい。
(c1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c1)成分は、(A)成分と併用することで、(A)成分を繊維製品等に浸透しやすくして、すべり感の向上の相乗効果を発揮する。
(c1)成分/(A)成分で表される質量比(以下、c1/A比ともいう。)は、0.1〜500が好ましく、0.3〜200がより好ましく、1〜50がさらに好ましく、1〜20が特に好ましい。c1/A比が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感の向上効果が充分に得られる。加えて、c1/A比が上記数値範囲内であると、液体安定性を向上しやすい。
((c2)成分)
(c2)成分は、(c1)成分を除くノニオン界面活性剤である。衣料用繊維処理剤組成物は、(c2)成分を含有することで、洗浄性能がより高められる。加えて、衣料用繊維処理剤組成物は、(c2)成分を含有することで、液体安定性がより高められる。
(c2)成分としては、例えば、脂肪酸アルキルエステル、高級アルコール(炭素数8〜22のアルコール)、アルキルフェノール、高級脂肪酸(炭素数8〜22の脂肪酸)、高級脂肪酸アルキルエステル(炭素数8〜22の脂肪酸残基を有するエステル)又は高級アミン(炭素数8〜22のアルキル基を有するアミン)等のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキルアミンオキシド、アルケニルアミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグルコシド等が挙げられる。
(c2)成分としては、下記式(c−2)で表される、(c1)成分以外のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
23−J−(EO)(PO)−R24 ・・・(c−2)
式(c−2)中、R23は、炭素数8〜22の炭化水素基であり、R24は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数2〜6のアルケニル基である。
Jは、−O−、−COO−、−CONH−を表す。
EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。
pは、EOの平均繰り返し数を表し、3〜70の数である。
qは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。
式(c−2)中、R23の炭素数は、8〜22であり、10〜18が好ましい。R23の炭素数が上記数値範囲内であると、衣料用繊維処理剤組成物の洗浄力がより高まる。
23としては、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等に由来する炭化水素基が挙げられる。
23は、不飽和結合を有していてもよく、有していなくてもよい。
23としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
23は、直鎖であってもよく、分岐鎖を有していてもよい。
ただし、Jが−O−のとき、(c2)成分は、式(c−1)で表されるノニオン界面活性剤を除く。
24は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数2〜6のアルケニル基である。
24がアルキル基の場合、R24の炭素数は、1〜3が好ましい。
24がアルケニル基の場合、R24の炭素数は、2〜3が好ましい。
式(c−2)中、Jが−O−の場合、(c2)成分は、アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤である。
Jが−O−の場合、洗浄力向上の観点から、R23は、炭素数10〜20の直鎖アルキル基又は炭素数10〜20の直鎖アルケニル基が好ましい。Jが−O−の場合、R24は、水素原子が好ましい。
式(c−2)中、Jが−COO−の場合、(c2)成分は、脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤(MEE)である。
Jが−COO−の場合、洗浄力向上の観点から、R23は、炭素数9〜21の直鎖アルキル基もしくは炭素数9〜21の分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数9〜21の直鎖アルケニル基もしくは炭素数9〜21の分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、炭素数11〜17の直鎖アルキル基もしくは炭素数11〜17の分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数11〜17の直鎖アルケニル基もしくは炭素数11〜17の分岐鎖状のアルケニル基がより好ましい。Jが−COO−の場合、R24は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
式(c−2)中、pは、3〜70の数であり、3〜20の数が好ましく、5〜18の数がより好ましい。pが上記上限値以下であると、HLB値が高くなりすぎず、洗浄力が低下しにくい。ここで、HLB値とは、疎水性と親水性のバランスを表す0〜20の数値のことであり、0に近いほど水に溶けにくく、20に近いほど水に溶けやすい性質を表す。
式(c−2)中、qは、0〜6の数であり、1〜3の数が好ましい。qが上記上限値以下であると、高温(例えば、50℃)条件下での保存安定性(長期(例えば、1ヶ月)の液体安定性)が低下しにくい。
「−(EO)(PO)−」は、EOとPOとが混在して配列するランダム鎖であってもよく、EOとPOとがブロック状に配列するブロック鎖であってもよい。
(c2)成分としては、市販品を用いてもよい。(c2)成分の市販品としては、例えば、プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214又はCO−1270(商品名)等の直鎖状の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標)TO12、Lutensol(登録商標)TO15等、BASF社製);C12〜14の第2級アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ソフタノール(登録商標)120、ソフタノール(登録商標)150、(株)日本触媒製);ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル))等が挙げられる。
これらの中でも、(B)成分の吸着を促進しやすくレーヨンを含む繊維のすべり感に優れ、洗浄力に優れる観点から、プロクター・アンド・ギャンブル社製の直鎖状の天然アルコール(例えば、CO−1270)に対して、平均12モル相当のエチレンオキシドを付加したもの、及びプロクター・アンド・ギャンブル社製の直鎖状の天然アルコール(例えば、CO−1270)に対して、平均10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;C12〜14の直鎖1級アルコールに対して、エチレンオキシドの平均9モル、プロピレンオキシドの平均2モル、エチレンオキシドの平均9モルを、この順で付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル;式(c−2)中、R23が炭素数12〜14の直鎖アルキル基であり、R24が水素原子であり、Jが−O−であり、p=2、q=18である化合物が好ましい。
(c2)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、10〜25質量%が特に好ましい。(c2)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力を向上しやすい。(c2)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性を向上しやすい。
(c2)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c1)成分の含有量と(c2)成分の含有量との合計量((C)成分の含有量)は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、1.1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力を向上しやすい。加えて、(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、(B)成分の繊維製品等への浸透、吸着を促進しやすくレーヨンを含む繊維のすべり感を高めやすい。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、すすぎ性がより優れた衣料用繊維処理剤組成物となりやすい。
(c1)成分/(C)成分で表される質量比(以下、c1/C比ともいう。)は、0.002〜0.8が好ましく、0.01〜0.7がより好ましく、0.01〜0.6がさらに好ましく、0.1〜0.5が特に好ましく、0.15〜0.5が最も好ましい。c1/C比が上記下限値以上であると、(A)成分及び(B)成分の繊維製品等への浸透、吸着を促進しやすくレーヨンを含む繊維のすべり感を高めやすい。c1/C比が上記上限値以下であると、衣料用繊維処理剤組成物の分離や固化が生じにくく、液体安定性を高めやすい。
(c2)成分/(A)成分で表される質量比(以下、c2/A比ともいう。)は、1〜1200が好ましく、1〜200がより好ましく、5〜100がさらに好ましく、10〜80が特に好ましい。c2/A比が上記数値範囲内であると、洗浄効果を維持しつつ、液体安定性を高めやすい。
<任意成分>
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、洗浄剤組成物に通常用いられる成分を配合することができる。
任意成分としては、例えば、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤((D)成分)、キレート剤((E)成分)、特定の構造を有するポリマー((F)成分)、高級脂肪酸又はその塩、両性界面活性剤、(B)成分を除くカチオン界面活性剤、水、有機溶剤、再汚染防止剤、減粘剤(可溶化剤ともいう。)、風合い向上剤、防腐剤、酸化防止剤、着色剤、香料、天然物等のエキス、pH調整剤等が挙げられる。
((D)成分)
(D)成分は、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤である。(D)成分としては、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に用いられているアニオン界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
(D)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸又はその塩;内部オレフィンスルホン酸(二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有するスルホン酸)又はその塩;ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩;α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩;アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
(D)成分の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、直鎖アルキル基の炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
アルキル基の炭素数が上記数値範囲内であると、再汚染防止性(繊維製品等に付着した汚れが洗浄液で落ちて他の繊維製品等へ付着することを防止する性能)の向上を図ることができる。アルキル基としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化する方法が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸又はその塩としては、炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸又はその塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10〜20のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加した(すなわち、平均1〜10モルのオキシエチレン基を有する)アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩)が好ましい。また、炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加した、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩は、例えば、下記式(d−1)で表される。
41−O−[(EO)/(PO)]−SO ・・・(d−1)
式(d−1)中、R41は炭素数8〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、vはEOの平均繰り返し数を表し、0以上の数であり、wはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数であり、0<v+wである。Mは対カチオンである。
式(d−1)中、R41の炭素数は、8〜20であり、10〜20が好ましく、12〜14がより好ましい。R41としては、例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。これらの中でもドデシル基が好ましい。
vは、0以上であり、0以上10以下が好ましく、0.5以上5以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましい。
wは、0〜6であり、0〜3が好ましく、0がより好ましい。
としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンから誘導されるカチオン等が挙げられる。
(EO)/(PO)において、EOとPOとは、ランダムに付加されていてもよく、ブロック付加であってもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、平均1〜10モル(より好ましくは平均1〜5モル)のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させる方法が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩)が好ましい。また、炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加した、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
アルカンスルホン酸又はその塩としては、炭素数は10〜20のアルカンスルホン酸又はその塩が挙げられ、炭素数14〜17のアルカンスルホン酸又はその塩が好ましく、第2級アルカンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩としては、炭素数10〜20のα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
(D)成分としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(特に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加した、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸エステル塩)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩(特に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加した、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸エステル塩)、及びα−オレフィンスルホン酸又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が、液体安定性の観点からより好ましい。また、(A)成分を配合した際の液体安定性から直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が、特に好ましい。
衣料用繊維処理剤組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性をより高めやすい。
(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分/(A)成分で表される質量比(以下、D/A比ともいう。)は、0.1〜200が好ましく、1〜70がより好ましく、1〜50がさらに好ましく、1〜15が特に好ましい。D/A比が上記数値範囲内であると、液体安定性をより高めやすい。
((E)成分)
(E)成分は、キレート剤である。(E)成分は、金属イオン捕捉剤として機能する。
(E)成分としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。(E)成分としては、液体安定性に優れる観点から、クエン酸が好ましい。
衣料用繊維処理剤組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。(E)成分の含有量が上記下限値以上であると、製造時のpHを調整しやすい。(E)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性をより高めやすい。
(E)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分/(A)成分で表される質量比(以下、E/A比ともいう。)は、0.01〜20が好ましく、0.05〜10がより好ましく、0.1〜5がさらに好ましい。E/A比が上記数値範囲内であると、液体安定性をより高めやすい。
((F)成分)
(F)成分は、下記式(f−1)で表される繰り返し単位、下記式(f−2)で表される繰り返し単位、及び下記式(f−3)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。(F)成分は、レーヨンを含む繊維のすべり感を向上する効果を有する。
Figure 2020143257
式(f−1)中、R31、R32、R33は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、R34は、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R35は、水素原子又はメチル基である。Yは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メチル硫酸イオン、又はエチル硫酸イオンである。
Figure 2020143257
式(f−2)中、R36は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R37は、水素原子又はメチル基である。Zは、−CONH−である。sは、0又は1である。
Figure 2020143257
式(f−3)中、R38は、炭素数6〜18のアルキル基であり、R39、R40は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、R41は、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R42は、水素原子又はメチル基である。Yは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メチル硫酸イオン、又はエチル硫酸イオンである。
式(f−1)で表される繰り返し単位を有するポリマー(以下、「ポリマーf1」ともいう。)としては、例えば、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)、3−(メタクリルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)が挙げられる。ポリマーf1としては、AAPTACが好ましい。
式(f−2)で表される繰り返し単位を有するポリマー(以下、「ポリマーf2」ともいう。)としては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アリルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。ポリマーf2としては、AMPSが好ましい。
式(f−3)で表される繰り返し単位を有するポリマー(以下、「ポリマーf3」ともいう。)としては、例えば、塩化アルキルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。
(F)成分としては、ポリマーf3が好ましい。
また、(F)成分としては、上記式(f−1)で表される繰り返し単位と上記式(f−3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー、上記式(f−2)で表される繰り返し単位と上記式(f−3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー、上記式(f−1)で表される繰り返し単位と上記式(f−2)で表される繰り返し単位と上記式(f−3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(以下、「ターポリマーf123」ともいう。)がより好ましい。
また、(F)成分としては、ターポリマーf123がさらに好ましい。
(F)成分の重合の形態は、特に限定されず、ブロック重合、ランダム重合又はグラフト重合のいずれであってもよい。
(F)成分が、ターポリマーf123の場合、ターポリマーf123の総質量を100質量%として、式(f−1)で表される繰り返し単位の構成割合は、0.1〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。
また、(F)成分が、ターポリマーf123の場合、ターポリマーf123の総質量を100質量%として、式(f−2)で表される繰り返し単位の構成割合は、0.1〜30質量%が好ましい。
また、(F)成分が、ターポリマーf123の場合、ターポリマーf123の総質量を100質量%として、式(f−3)で表される繰り返し単位の構成割合は、0.1〜20質量%が好ましい。
(F)成分としては、(F)成分の総質量を100質量%として、AAPTCを0.1〜99質量%、AMPSを0.1〜30質量%、塩化アルキルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを0.1〜20質量%含有するターポリマーf123が特に好ましい。
また、(F)成分しては、(F)成分の総質量を100質量%として、AAPTCを50〜99質量%、AMPSを0.1〜30質量%、塩化アルキルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを0.1〜20質量%含有するターポリマーf123が最も好ましい。
ターポリマーf123の市販品としては、アシュランド・ジャパン(株)製の商品名「ChromoHance113(クロモハンス113)」が挙げられる。クロモハンス113は、成分表示名称として、下記式(f−4)で表されるポリクオタニウム−113と、水と、フェノキシエタノールと、カプリリルグリコールとを含む透明な液体である。クロモハンス113の25℃におけるpHは、3.5〜4.5であり、25℃における粘度は、200〜800mPa・sである。
Figure 2020143257
クロモハンス113において、式(f−1)で表される繰り返し単位及び式(f−3)で表される繰り返し単位におけるカチオンが吸着部位となり、洗浄後に式(f−3)で表される繰り返し単位におけるアルキル基(R38)が外側(空気側)となることで、なめらかさを発現するものと考えられる。式(f−2)で表される繰り返し単位は、洗浄液中での高分子の形態、表面電荷をコントロールする役割を果たしているものと考えられる。
38の炭素数は、6〜18であり、10〜18が好ましい。
(F)成分として、式(f−3)で表される繰り返し単位を有しない場合、すべり感の向上は得られにくいものと考えられる。
(F)成分の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。(F)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗濯後のレーヨンを含む繊維に充分なすべり感を付与できる。(F)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体安定性を向上しやすい。
(高級脂肪酸又はその塩)
高級脂肪酸又はその塩としては、炭素数10〜20の高級脂肪酸又はその塩が好ましく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
高級脂肪酸の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が高級脂肪酸又はその塩を含有する場合、高級脂肪酸又はその塩の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.2〜3.0質量%がより好ましい。
高級脂肪酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に用いられている両性界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0〜10質量%が好ましい。
両性界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
((B)成分を除くカチオン界面活性剤)
(B)成分を除くカチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、特開2003-12471号公報に記載のカチオン界面活性剤等が挙げられる。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0〜20質量%が好ましい。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(水)
衣料用繊維処理剤組成物は、水を含むことが好ましい。水の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記下限値以上であると、製造時のハンドリングのしやすさ及び使用する際の水への溶解性がより優れる。水の含有量が上記上限値以下であると、衣料用繊維処理剤組成物の洗浄力を高めやすい。
(有機溶剤)
衣料用繊維処理剤組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、下記式(g−1)で表されるグリコールエーテル系溶剤、下記式(g−2)で表される溶剤等が挙げられる。
51−(OR52OH ・・・(g−1)
CHOCR53(CH)CHR54CHR55OR56 ・・・(g−2)
式(g−1)中、R51は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R52は炭素数2〜4のアルキレン基であり、sは平均付加モル数を表し1〜5である。
式(g−2)中、R53〜R55は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R56は水素原子又はアセチル基である。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
式(g−1)で表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
式(g−2)で表される溶剤としては、例えば、3−メトキシメタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−エチルブタノール、3−メトキシ−3−プロピルブタノール、3−メトキシ−2−メチルブタノール、3−メトキシ−2−エチルブタノール、3−メトキシ−2−プロピルブタノール、3−メトキシ−1−メチルブタノール、3−メトキシ−1−エチルブタノール、3−メトキシ−1−プロピルブタノール、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−2−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−1−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−プロピルブチルアセテート等が挙げられる。
有機溶剤としては、衣料用繊維処理剤組成物としての流動性、臭気が穏やかな点、原料の入手のしやすさから、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブタノールが好ましい。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.5〜25質量%が好ましく、1〜23質量%がより好ましく、1.5〜20質量%がさらに好ましい。有機溶剤の含有量が上記下限値以上であると、衣料用繊維処理剤組成物の流動性が良好となり、ゲル化せず、使用性がより高まる。有機溶剤の含有量が上記上限値以下であると、充分な流動性の改善効果が得られ、製造コストを低減できる。
(再汚染防止剤)
再汚染防止剤としては、アルキレンテレフタレート単位、及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、オキシアルキレン単位、及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、を有する水溶性ポリマーが挙げられる。
具体的には、商品名「TexCare SRN−100」(クラリアント社製、質量平均分子量2000〜3000)、商品名「TexCare SRN−300」(クラリアント社製、質量平均分子量7000)、商品名「Repel−O−Tex Crystal」(ローディア社製)、商品名「Repel−O−Tex QC」(ローディア社製)等が挙げられる。
これらの中では、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、TexCare SRN−100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN−100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN−170(クラリアント社製)が用いられることが好ましい。
他の再汚染防止剤としては、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。具体的には、商品名「Sokalan HP20」(BASF社製)等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が再汚染防止剤を含有する場合、再汚染防止剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01〜5質量%が好ましい。
(減粘剤(可溶化剤))
減粘剤(可溶化剤ともいう。ただし、上述した有機溶剤を除く。)としては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、パラトルエンスルホン酸又はその塩、クメンスルホン酸又はその塩、安息香酸又はその塩、尿素等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が減粘剤を含有する場合、減粘剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01〜15質量%が好ましい。
(風合い向上剤)
衣料用繊維処理剤組成物は、乾燥後の風合いを良くするために、風合い向上剤を配合してもよい。風合い向上剤としては、変性基を有するシリコーンオイルが挙げられ、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。風合い向上剤が配合されていることで、繊維製品等の浴中摩擦が低減し、レーヨンを含む繊維のすべり感がより高まる。
風合い向上剤の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の「CF1188N」、「BY16−878」、「BY16−891」、「BY16−893」、「FV2090−01」、「SILSTYLE104」、「SF8417」、「SF8418」、「BY16−837」、「BY16−906」、「FZ−2203」、「FZ−3789」等、信越化学工業(株)製の「KF−877」、「KF−889」、「X−22−3939A」等、旭化成ワッカーシリコーン(株)製の「WetSoft(登録商標)CTA」、「WetSoft(登録商標)AE200」、「WetSoft(登録商標)NE810」、「WetSoft(登録商標)NE820」、「WetSoft(登録商標)WP201」等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が風合い向上剤を含有する場合、風合い向上剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
(防腐剤)
防腐剤としては、例えば、ダウ・ケミカル社製の商品名「ケーソンCG」、商品名「ROCIMA640」、ソー・ジャパン(株)製の商品名「アクチサイドMBS」、商品名「アクチサイドM20」、クラリアント社製の商品名「NIPACIDE BIT 20」等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が防腐剤を含有する場合、防腐剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.001〜1質量%が好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、例えば、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、青色403号、緑色3号、緑色202号、赤色106号、黄色203号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)、BLUE HP(ミリケン社製、商品名「LIQUITINT Blue HP」)等の汎用の色素や顔料等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%が好ましい。
(香料)
香料としては、例えば、特開2002−146399号公報に記載の香料成分、特開2018−178305号公報に記載の香料成分等が挙げられる。また、カプセル香料(香料を含むカプセル粒子)を配合してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が香料を含有する場合、香料の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
(天然物等のエキス)
天然物等のエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物が挙げられる。
天然物等のエキスの含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0〜0.5質量%が好ましい。
天然物等のエキスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸等の酸性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。pH調整剤としては、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムがより好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、pH調整剤を除く上述した各成分のみで、衣料用繊維処理剤組成物が所望のpHとなる場合は、pH調整剤を用いなくてもよい。
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、洗浄剤組成物又は柔軟剤組成物を含む。
衣料用繊維処理剤組成物が洗浄剤組成物の場合、25℃におけるpHは4〜10が好ましく、4〜9がより好ましく、4〜8がさらに好ましい。
衣料用繊維処理剤組成物が柔軟剤組成物の場合、25℃におけるpHは1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
25℃におけるpHが上記数値範囲内であると、衣料用繊維処理剤組成物の保存安定性を良好に維持できる。
衣料用繊維処理剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
なお、本明細書において、pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)により測定される値を意味する。
なお、本発明の衣料用繊維処理剤組成物を構成する成分の合計量は、100質量%を超えない。
[衣料用繊維処理剤組成物の製造方法]
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、従来公知の方法により、(A)成分、(B)成分、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整することによって製造できる。
[衣料用繊維処理剤組成物の使用方法]
衣料用繊維処理剤組成物の使用方法は、例えば、衣料用繊維処理剤組成物を洗濯機の洗浄剤の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、衣料用繊維処理剤組成物を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、衣料用繊維処理剤組成物を予め水に溶解して調製される衣料用繊維処理剤組成物の水溶液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、衣料用繊維処理剤組成物を被洗物に直接塗布して、例えば、3分〜24時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
前記衣料用繊維処理剤組成物の水溶液中の衣料用繊維処理剤組成物の含有量は、特に限定されない。水に対する衣料用繊維処理剤組成物の添加量は、例えば、水30L当たり、40mLが好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の[使用原料]に示す通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
A−1:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのモル比30:70、質量平均分子量160万)、商品名「Noverite300」、Lubrizol社製。
A−2:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸コポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とのモル比80:20、質量平均分子量50万)、商品名「Noverite301」、Lubrizol社製。
A−3:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのモル比30:
70、質量平均分子量12万)、商品名「Noverite302」、Lubrizol社製。
A−4:ジメチルジアリルアンモニウムポリマー(質量平均分子量15万)、商品名「マーコート100」、Lubrizol社製。
A’−1((A)成分の比較成分):カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(質量平均分子量20万〜80万)、商品名「HCG SUPRACARE212」、ダウ・ケミカル社製。
<(B)成分>
B−1:ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、商品名「アミドアミンAPA168−65E」、脂肪酸(C16/C18)ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸/パルミチン酸の質量比=7/3、ライオン(株)製。
<(C)成分>
((c1)成分)
c1−1:C1327O(EO)H(式(c−1)中、R21が分岐鎖を有する炭素数13のアルキル基であり、mが7、nが0である化合物)、商品名「Lutensol(登録商標)TO−7」、BASF社製。
c1−2:式(c−1)中、R21が炭素数12〜14の第2級アルコールに、3モル相当のエチレンオキシドを付加した化合物(式(c−1)中、R21が炭素数12〜14の第2級アルキル基であり、mが3、nが0である化合物)、商品名「ソフタノール(登録商標)30」、(株)日本触媒製。
c1−3:式(c−1)中、R21が炭素数12〜14の第2級アルコールに、5モル相当のエチレンオキシドと、3.5モル相当のプロピレンオキシドとを付加した化合物(式(c−1)中、R21が炭素数12〜14の第2級アルキル基であり、mが5、nが3.5である化合物)、商品名「ソフタノール(登録商標)EP5035」、(株)日本触媒製。
((c2)成分)
c2−1:炭素数12又は14の直鎖状の天然アルコール(商品名「CO−1270」、プロクター・アンド・ギャンブル社製)に対して、平均12モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
c2−2:炭素数12又は14の直鎖状の天然アルコール(商品名「CO−1270」、プロクター・アンド・ギャンブル社製)に対して、平均10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
c2−3:1級イソトリデシルアルコール(商品名「Lutensol(登録商標)TO3」、BASF社製)に対して、平均60モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
<任意成分>
((D)成分)
D−1:炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、商品名「ライポン(登録商標)LH−200」、ライオン(株)製。
((E)成分)
E−1:クエン酸、商品名「クエン酸」、ライオン(株)製。
((F)成分)
F−1:ポリクオタニウム−113(AAPTAC、AMPS、塩化ドデシルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの共重合体)の20質量%水溶液、商品名「クロモハンス113」、アッシュランド・ジャパン(株)製。
(その他の任意成分)
ヤシ脂肪酸:商品名「椰子脂肪酸」、日油(株)製。
POE変性シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン、商品名「CF1188N」、東レ・ダウコーニング(株)製。
再汚染防止剤:ソイルリリースポリマー(質量平均分子量2000〜5000)、商品名「TexCare SRN−170C」、クラリアントジャパン(株)製。
安息香酸Na:商品名「安息香酸ナトリウム」、東亞合成(株)製。
香料1:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
香料2:特開2018−178305号公報の表1に記載の香料組成物。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学(株)製。
色素:C.I.(カラーインデックス)アシッドレッド138、商品名「カヤノール(登録商標)ミリング」、日本化薬(株)製。
BIT:防腐剤、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、商品名「NIPACIDE
BIT 20」、クラリアントジャパン(株)製。
MBS:防腐剤、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンとの混合物、商品名「アクチサイドMBS」、ソー・ジャパン(株)製。
NaOH:商品名「水酸化ナトリウム」、東亞合成(株)製。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤:特開2003−12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
アミノ変性シリコーン:アミノ変性シリコーン、商品名「X528369」、信越化学(株)製。
塩化カルシウム:商品名「塩化カルシウム」、富士フィルム和光純薬(株)製。
エタノール:商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売(株)製。
PEG#1000:ポリエチレングリコール、商品名「PEG#1000−L60」、ライオン(株)製。
水:イオン交換水。
[実施例1〜21、比較例1〜6]
表1〜4の組成に従い、(A)成分〜(C)成分、及び任意成分を水に加えて混合し、混合液を得た。この混合液のpHが7.3となるようにpH調整剤を適量添加して衣料用繊維処理剤組成物を得た。
得られた各組成物について下記評価法により、すべり感、液体安定性、洗浄力を評価した。結果を表1〜5に示す。
なお、表中の各成分の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。表中の「適量」は、各例の衣料用繊維処理剤組成物のpHを7.3にするのに要したpH調整剤の量である。表中の「バランス」は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。表中の「−」は、その成分が配合されていないことを示す。
<すべり感の評価>
(官能評価)
全自動電気洗濯機(パナソニック(株)製、品番「NA-VX7600L」)に、各例の衣料用繊維処理剤組成物を40g投入し、そこへ市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)、レーヨンエアリーブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン76質量%、ポリエステル24質量%)各1枚を入れた。さらに、衣類量が合計1.5kgになるように市販のシャツ((株)フジボウアパレル製、「B.V.D GOLD 丸首半袖シャツ」(綿100%))を7枚入れた。15℃の3°DH硬水を使用し、おうちクリーニングコース(洗濯10分、注水すすぎ1回、脱水3分設定)にてこれらの衣類を洗濯処理した。
洗濯後の各ブラウスを、直射日光の当たらない場所で一晩平干しして乾燥させた。この洗濯と乾燥を3回繰り返した後、上記の各ブラウスを手のひらでなぞるように触り、すべり感を下記評価基準に基づいて評価した。
対照布は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に代えて、標準洗剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同様に洗濯処理したレーヨンブラウス及びレーヨンエアリーブラウスとした。各ブラウスと、対照布とを一対比較により官能評価を行い、専門パネラー6名の採点結果の平均点を求め、レーヨンを含む繊維のすべり感を判定した。平均点が2点以上の場合を合格とした。
《評価基準》
1点:対照布と同等。
2点:対照布よりややすべり感がある。
3点:対照布よりすべり感がある。
4点:対照布よりかなりすべり感がある。
5点:対照布より非常にすべり感がある。
《判定基準》
◎◎:平均点4点以上。
◎ :平均点3点以上4点未満。
○ :平均点2点以上3点未満。
× :平均点2点未満。
(摩擦係数測定)
上記と同様に洗濯処理した市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)を20℃相対湿度65%の恒温室にて一晩放置後、平均摩擦係数(MIU)の測定を行った。表面試験機KES−FB4にレーヨンブラウスの布片をセットし、測定速度0.1cm/s、初期張力400g、摩擦静荷重50g、接触端子はピアノ線ワイヤーを用いた。測定部位を変えて5カ所測定し、その平均値を算出した。
対照布は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に代えて、標準洗剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同様に洗濯処理したレーヨンブラウスとした。対照布のMIUを100としたときのMIU相対値を求め、下記評価基準に基づいてレーヨンを含む繊維のすべり感を評価した。MIU相対値が100未満の場合を合格とした。
《評価基準》
◎◎:MIU相対値が90未満。
◎ :MIU相対値が90以上95未満。
○ :MIU相対値が95以上100未満。
× :MIU相対値が100以上。
<液体安定性の評価>
各例の衣料用繊維処理剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて5℃の恒温槽で1か月間保存した。保存後の外観を目視で観察し、下記評価基準に基づいて液体安定性(保存安定性)を評価した。判定が◎、○のものを合格とした。
《評価基準》
◎:均一で液体の分離がない。
○:均一だがやや濁りが見られる。
×:液体の分離又は固形分の析出が見られる。
<洗浄力の評価>
モデル皮脂汚れ(質量比:コレステロール/トリオレイン/オレイン酸/スクアレン=1/1/1/1)を用意し、モデル皮脂汚れを希釈して着色した液体(質量比:モデル皮脂汚れ/ヘキサン/カーボンブラック=1/2/0.001)をレーヨン布(市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)を5cm×5cmに裁断したもの)に0.05g/枚ずつ塗布し、一晩乾燥させて汚染布とした。洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗濯液として、水(15℃、5゜DH)900mLに対して、各例の衣料用繊維処理剤組成物を1300ppmになる様に加え、30秒間撹拌して調製したものを用いた。
洗浄試験器に、洗濯液と、上記の汚染布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比30倍に合わせて、60rpm、15℃で10分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、製品名「CW−C30A1−H1」)に移し、1分間脱水後、水30L中で1分間濯ぎ、風乾した。
未汚れ布、及び洗浄前後の汚染布について、それぞれ反射率を色差計(日本電色工業(株)製、製品名「SE2000」)で測定し、下記式により洗浄率(%)を求めた。ただし、K/Sは、(1−R/100)/(2R/100)である(Rは、未汚れ布、及び洗浄前後の汚染布の反射率(%)を示す。)。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S−洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S−未汚れ布のK/S)×100。
汚染布10枚についてそれぞれ洗浄率を求め、その平均値を算出し、衣料用繊維処理剤組成物の洗浄率とした。そして、下記評価基準に基づいて洗浄力を評価した。洗浄力が◎、○のものを合格とした。
《評価基準》
◎:洗浄率が45%以上。
○:洗浄率が30%以上45%未満。
×:洗浄率が30%未満。
Figure 2020143257
Figure 2020143257
Figure 2020143257
Figure 2020143257
表1〜4に示すように、本発明を適用した実施例1〜21は、すべり感の官能評価の平均点が2点以上、MIU相対値が100未満で、レーヨンを含む繊維のすべり感に優れることが分かった。加えて、本発明を適用した実施例1〜21は、液体安定性が「◎」又は「○」で、液体安定性に優れることが分かった。
一方、(A)成分を含有しない比較例1、6、(A)成分の代わりに比較成分を用いた比較例2は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(B)成分を含有しない比較例3は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(c1)成分を含有しない比較例4は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(c2)成分を含有しない比較例5は、洗浄力が「×」だった。
これらの結果から、本発明の衣料用繊維処理剤組成物によれば、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感に優れ、かつ、液体安定性に優れることが分かった。
また、以下に、(F)成分を含有する衣料用繊維処理剤組成物の処方例を示す。衣料用繊維処理剤組成物が(F)成分を含有する場合は、(A)成分を実質的に含んでいなくてもよい。
これらの処方例について、上述の実施例における「すべり感」の評価を行ったところ、いずれの処方例も、良好な結果が得られた。なお、これらの処方例で用いた各成分は、上述の実施例における[使用原料]の段落に記載した。
処方例の各成分の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。処方例の配合の「適量」は、組成物のpHを各例に記載の値にするのに要したpH調整剤の量である。処方例の配合の「バランス」は、各処方例に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
[処方例1] 洗浄剤組成物
(B)成分:B−1 1.2
(c1)成分:c1−1 5
(c2)成分:c2−1 12
(D)成分:D−1 2
(E)成分:E−1 0.2
(F)成分:F−1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
[処方例2] 洗浄剤組成物
(B)成分:B−1 0.3
(c1)成分:c1−2 2
(c2)成分:c2−2 20
(D)成分:D−1 2
(E)成分:E−1 0.2
(F)成分:F−1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
[処方例3] 洗浄剤組成物
(B)成分:B−1 0.3
(c1)成分:c1−3 2
(c2)成分:c2−2 20
(D)成分:D−1 2
(E)成分:E−1 0.2
(F)成分:F−1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
[処方例4] 柔軟剤組成物
(B)成分:B−1 1.2
(c1)成分:c1−1 5.0
(c2)成分:c2−3 2.0
(F)成分:F−1 0.3
(B)成分を除くカチオン界面活性剤 15
アミノ変性シリコーン 2.0
エタノール 2.0
塩化カルシウム 0.5
香料2 1.0
色素 0.001
BIT 0.015
pH調整剤 適量
バランス
合計 100.00質量%。
pH=2.5。

Claims (4)

  1. (A)成分:下記式(a−1)で表される繰り返し単位、及び下記式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーと、
    (B)成分:下記式(b−1)で表されるアルキルアミドアミンと、
    (C)成分:下記式(c−1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)と、を含有する、衣料用繊維処理剤組成物。
    Figure 2020143257
    [式(a−1)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。式(a−2)中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
    Figure 2020143257
    [式(b−1)中、R10は、炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。R11は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又はオキシエチレン基の平均繰り返し数が1〜25の(ポリ)オキシエチレン基である。]
    21−O−(EO)(PO)−H ・・・(c−1)
    [式(c−1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10〜16のアルキル基、又は炭素数8〜16の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、2〜10の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。]
  2. 前記(A)成分が、下記式(a−3)で表される繰り返し単位をさらに有する、請求項1に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
    Figure 2020143257
    [式(a−3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。]
  3. 前記(A)成分における前記式(a−1)で表される繰り返し単位と、前記式(a−2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、前記式(a−3)で表される繰り返し単位の含有量との比が、10:90〜80:20である、請求項2に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
  4. 洗浄剤組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
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