JP2016108434A - 共役ジエン系重合体およびゴム組成物 - Google Patents

共役ジエン系重合体およびゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた加工性を有し、機械強度および耐チッピング性に優れたゴム架橋物(タイヤ)を与えることのできる共役ジエン系重合体の提供。【解決手段】式1で表される重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する共役ジエン系重合体。(R1〜R5は各々独立に、H、C1〜10のアルキル基、C6〜12のアリール基又はハロゲン原子;X1は、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO2−、−NH−、−C(=O)−、又は−OC(=O)−;X2は任意の結合基;Polymerは、共役ジエン単量体単位を含んでなる重合体鎖)【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系重合体、ならびに、該共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤに関し、より詳細には、優れた加工性を有し、機械強度および耐チッピング性に優れたゴム架橋物を与えることのできる共役ジエン系重合体、ならびに、該共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤに関する。
近年、環境問題および資源の問題から、自動車用のタイヤには機械強度に優れていることが求められている。充填剤としてシリカを配合したゴム組成物を用いて得られるタイヤは、従来使用されているカーボンブラックを配合したゴム組成物を用いて得られるタイヤに比べて、優れた機械強度を実現しながら、低発熱性を向上させることができるため、より低燃費性タイヤとすることができる。
たとえば、特許文献1では、共役ジオレフィン、あるいは共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物の重合体ゴムであって、該重合体中にプロトン性アミノ基を有する重合ゴムを含むゴム成分に、特定のビスマレイミド化合物、ケイ酸を含有する無機充填剤、およびシランカップリング剤を配合してなるゴム組成物が開示されている。この特許文献1によれば、発熱性が低く、かつ貯蔵弾性率に優れているゴム組成物が提供できると記載されている。
特許第4125452号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物は、機械特性が十分でなく、さらには、破断エネルギーが低く、耐チッピング性にも劣るものであった。なお、この理由としては、上記特許文献1に開示されたゴム組成物では、シリカなどの充填剤を分散させる際における分散が十分でないことなどが考えられる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた加工性を有し、機械強度および耐チッピング性に優れたゴム架橋物を与えることのできる共役ジエン系重合体、ならびに、該共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する共役ジエン系重合体が、加工性に優れ、しかも、機械強度および耐チッピング性に優れたゴム架橋物を与えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する共役ジエン系重合体が提供される。
本発明の共役ジエン系重合体は、下記一般式(1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2016108434
(上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−NH−、−C(=O)−、または−OC(=O)−であり、Xは、任意の結合基を表し、Polymerは、共役ジエン単量体単位を含んでなる重合体鎖を表す。)
本発明によれば、上記いずれかに記載の共役ジエン系重合体と、多官能性の熱可逆性を示す化合物とを含有するゴム組成物が提供される。
本発明のゴム組成物において、前記多官能性の熱可逆性を示す化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016108434
(上記一般式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、任意の結合基を表し、nは2〜10の整数である。)
また、本発明によれば、上記いずれかに記載のゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性ゴム組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、および該ゴム架橋物を含んでなるタイヤが提供される。
本発明によれば、優れた加工性を有し、機械強度および耐チッピング性に優れたゴム架橋物を与えることのできる共役ジエン系重合体、ならびに、該共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物およびタイヤを提供することができる。
<共役ジエン系重合体>
本発明の共役ジエン系重合体は、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する。
本発明の共役ジエン系重合体は、たとえば、少なくとも共役ジエン単量体を含有する単量体混合物を重合することでベースポリマーを得て、得られたベースポリマーの重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を導入することで得ることができる。
本発明の共役ジエン系重合体によれば、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を備えることにより、優れた加工性を実現しながら、ゴム架橋物とした際における、機械強度および耐チッピング性を優れたものとすることができるものである。特に、本発明の共役ジエン系重合体は、優れた加工性を備えるものであり、具体的には、架橋剤やシリカなどの充填剤を配合する前のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)と、これらを配合した後のムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー粘度)との差を小さくすることができ、これにより、配合剤の種類によらず、ムーニー粘度の変動を小さく抑えることが可能となるため、配合設計がし易いものであり、しかも、ペイン効果(動歪に対する貯蔵弾性率の変化)を低く抑えることができ、これにより、シリカなどの充填剤の分散性に優れたものである。ここで、熱可逆性結合基は、温度変化により架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こし得る基であり、架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こすことにより、上記効果を奏するものである。
なお、従来において、共役ジエン系重合体をシラン変性してなるものが知られており、このような従来技術では、シラン変性により、シリカなどの充填剤に対する相互作用を高めることで、シリカの再凝集を抑制させることが試みられている。しかしその一方で、従来技術においては、シリカなどの充填剤の初期分散性が十分ではなく、ゴム架橋物とした場合における、タイヤとしての性能(たとえば、低燃費性等)を十分に得ることができないものであった。これに対し、たとえば、共役ジエン系重合体を高分子量ポリマーとすることにより、シリカなどの充填剤の初期分散性を向上させる方法も考えられるが、このような手法では、高分子量としているために、シリカの再凝集を抑制させる効果が不十分となり、この場合においても、ゴム架橋物とした場合における、タイヤとしての性能(たとえば、低燃費性等)を十分に得ることができないものであった。
これに対し、本発明においては、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を備えることにより、混練初期においては、熱可逆性結合基が架橋構造を形成することで、高分子量ポリマーとしての挙動を示すことで、これにより、シリカなどの充填剤の初期分散性を向上させることができるものである。そして、その一方で、混練後期においては、熱可逆性結合基が解離することで、低分子量ポリマーとしての挙動を示すことで、シリカの再凝集を良好に抑制することができ、これにより、シリカの分散性を向上させることができものである。また、これに加えて、熱可逆性結合基を備えることで、高温時の流動性も向上させることができるものである。そして、本発明によれば、これらの作用により、ゴム架橋物とした場合における、タイヤとしての性能(たとえば、機械強度、耐チッピング性等)を飛躍的に向上させることができるものである。
共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの中でも、低発熱性およびウエットグリップ性に特に優れたゴム架橋物を得ることができるという点より、1,3−ブタジエンが好ましい。
本発明の共役ジエン系重合体中における、共役ジエン単量体単位の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは55〜85重量%である。共役ジエン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、最終的に得られるタイヤのウエットグリップ性および耐摩耗性をより高めることができる。
本発明の共役ジエン系重合体中に含有される共役ジエン単量体単位のビニル結合含有量は、好ましくは0〜80重量%であり、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜65重量%である。共役ジエン単量体単位のビニル結合含有量を上記範囲とすることにより、最終的に得られるタイヤの低発熱性をより高めることができる。
また、本発明の共役ジエン系重合体を構成するベースポリマーは、共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。このような他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸などの不飽和力ルボン酸単老体または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単量体;などが挙げられる。これらのなかでも、芳香族ビニル単量体が好ましく、スチレンが特に好ましい。
本発明の共役ジエン系重合体中における、他の単量体の単位の含有割合は、好ましくは0〜50重量%であり、より好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。
本発明の共役ジエン系重合体の重合体鎖末端に含有される、熱可逆性結合基は、温度変化により架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こし得る基であり、このような基であれば何でもよいが、本発明の共役ジエン系重合体が、下記一般式(3)で表される基であることが好ましい。なお、この場合には、本発明の共役ジエン系重合体は、下記一般式(1)で表されるものとなる。
Figure 2016108434
Figure 2016108434
本発明の共役ジエン系重合体において、上記一般式(3)で表される熱可逆性結合基は、たとえば、後述する多官能性の熱可逆性を示す化合物と、ディールズアルダー反応により付加反応することで、温度変化により架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こし得るものである。
上記一般式(1)、(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−NH−、−C(=O)−、または−OC(=O)−であり、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基であり、いずれも水素原子であることが特に好ましい。Xは、任意の結合基を表し、電子供与性の官能基を含む基であることが好ましく、ヘテロ原子を含む2価の有機基であることが好ましく、ヘテロ原子を含む炭素数1〜20の2価の有機基であることがより好ましい。また、Xがヘテロ原子を含む2価の有機基である場合における、ヘテロ原子としては、O、N、S、Siなどが挙げられ、生産性の観点より、少なくとも、ヘテロ原子として、Oを含むものであることが好ましい。あるいは、熱可逆性結合基の導入方法によっては、Xとしては、化学的な単結合であってもよい。また、Polymerは、共役ジエン単量体単位を含んでなる重合体鎖を表す。本発明においては、本発明の作用効果をより顕著なものとすることができるという点より、上記一般式(1)、(3)におけるXが−O−であるフラン骨格を有する熱可逆性結合基がより好ましい。
本発明の共役ジエン系重合体において、熱可逆性結合基は、重合体鎖末端に導入されるものであるが、重合体鎖末端のうち少なくとも一方に導入されていればよく、両方に導入されていてもよい。また、本発明の共役ジエン系重合体中における、熱可逆性結合基の含有割合は、重合体鎖末端に導入されるものであるため、ごく微量であり、共役ジエン系重合体に含有されているジエン単量体単位100モルに対して、通常、10×10−2〜10×10−5モルのオーダーである。
なお、本発明においては、熱可逆性結合基を、重合体鎖末端に導入するものであるが、重合体鎖の側鎖に、熱可逆性結合基を導入する技術として、たとえば、特許第4125452号公報に記載された技術が知られている。この特許第4125452号公報に記載された技術のように、重合体鎖の側鎖に、熱可逆性結合基を導入した場合には、熱可逆性結合基の導入効果である、機械特性の向上や耐チッピング性の向上、特に耐チッピング性の向上効果については得られないものである。なお、この特許第4125452号公報に記載された技術においては、熱可逆性結合基を重合体鎖の側鎖に導入するものであるため、ジエン単量体単位100モルに対する熱可逆性結合基の導入割合は、0.1〜30モルと比較的多いものとなっている。
本発明の共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値として、通常、100,000〜3,000,000、好ましくは、150,000〜1,000,000、より好ましくは、200,000〜600,000の範囲で適宜選択される。重量平均分子量を上記範囲とすることにより、加工性を良好なものとしながら、得られるゴム架橋物の低発熱性およびウエットグリップ性を良好に高めることができる。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法としては特に限定されないが、不活性溶媒中で、共役ジエン単量体を含有する単量体混合物を重合開始剤を用いて重合することで、活性末端を有するベースポリマーを得て、ベースポリマーの活性末端に、熱可逆性結合基を備える化合物を反応させる方法などが挙げられる。
重合に用いられる不活性溶媒としては、溶液重合において通常使用され、重合反応を阻害しないものであれば、特に制限なく使用できる。その具体例としては、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、2−ブテンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;が挙げられる。不活性溶媒の使用量は、単量体濃度が、通常、1〜50重量%となるような割合であり、好ましくは10〜40重量%となるような割合である。
重合開始剤としては、共役ジエン単量体を含有する単量体混合物を重合させて、活性末端を有するベースポリマーを与えることができるものであれば、特に限定されないが、たとえば、有機アルカリ金属化合物および有機アルカリ土類金属化合物や、ランタン系列金属化合物を主触媒とする重合開始剤が好ましく使用される。有機アルカリ金属化合物の具体例としては、たとえば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物が挙げられる。また、有機アルカリ土類金属化合物としては、n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカルシウム、ステアリン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、ケチルバリウムなどが挙げられる。ランタン系列金属化合物を主触媒とする重合開始剤としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウムなどのランタン系列金属とカルボン酸、リン含有有機酸などからなるランタン系列金属の塩を主触媒とし、これと、アルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムハイドライド化合物、有機アルミニウムハライド化合物などの助触媒とからなる重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤のなかでも、有機リチウム化合物、特に有機モノリチウム化合物を用いることが好ましい。なお、有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン(好ましくは、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン)などの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用量は、重合に用いる単量体混合物1000g当り、通常、1〜50ミリモル、好ましくは2〜20ミリモル、より好ましくは4〜15ミリモルの範囲である。
また、共役ジエン単量体単位のビニル結合含有量を調節するために、単量体混合物を重合する際には、その重合に用いる不活性溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。極性化合物としては、たとえば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジテトラヒドロフリルプロパンなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの三級アミン;アルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物などが挙げられる。なかでも、エーテル化合物および三級アミンが好ましく、三級アミンがより好ましく、テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましく使用される。極性化合物の使用量は、重合開始剤1モルに対して、好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.3〜30モルの範囲である。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、共役ジエン単量体単位のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
重合温度は、通常、−78〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜90℃の範囲である。重合様式は、回分式、連続式などいずれの様式も採用可能である。
そして、このような重合反応により得られる活性末端を有するベースポリマーの活性末端に、熱可逆性結合基を備える化合物を反応させることにより、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入する。本発明において、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入する方法としては、熱可逆性結合基を備える化合物を、ベースポリマーの活性末端に直接反応させる方法を採用してもよいが、反応性等の観点より、以下に説明する方法により重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することが好ましい。
一例を挙げると、熱可逆性結合基を備える化合物として、下記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物(Xは、O、NH、S、またはSiを表し、好ましくは、Sである。)を使用し、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することができる。
Figure 2016108434
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。一般式(5)中、Polymerは、ベースポリマーを表し、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。)に、上記一般式(6)で表されるエポキシ化合物を反応させることで、上記一般式(7)で表される化合物を得る。上記一般式(6)中、R、R、R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基であり、好ましくは、R、R、R10は水素原子であり、R11は水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基である。なお、上記一般式(6)で表されるエポキシ化合物の具体例としては、酸化エチレン、酸化プロピレンが好適である。
次いで、上記反応により得られた上記一般式(7)で表される化合物に、上記一般式(8)で表される化合物を反応させることで、上記一般式(9)で表される化合物を得る。上記一般式(8)中、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基であり、好ましくは、R12、R13は水素原子であり、R14は水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基である。また、Xはハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。なお、上記一般式(8)で表される化合物の具体例としては、塩化アクリルが好適である。
そして、上記反応により得られた上記一般式(9)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させることで、上記一般式(10)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。なお、上記一般式(9)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させる際には、通常、トリエチルアミンやトリフェニルホスフィンなどの塩基触媒、または塩酸、硫酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸すず、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムなどの酸触媒の存在下で反応が行われる。
あるいは、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物(Xは、O、NH、S、またはSiを表し、好ましくは、Sである。)を用いて、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することもできる。
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。)に、上記一般式(11)で表されるジフェニルエチレン誘導体を反応させることで、上記一般式(12)で表される化合物を得る。上記一般式(11)中、R15、R16は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基であり、好ましくは、R15、R16は水素原子である。
次いで、上記反応により得られた上記一般式(12)で表される化合物に、上記一般式(8)で表される化合物を反応させることで、上記一般式(13)で表される化合物を得る。
そして、上記反応により得られた上記一般式(12)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させることで、上記一般式(14)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。なお、上記一般式(12)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させる際には、通常、トリエチルアミンやトリフェニルホスフィンなどの塩基触媒、または塩酸、硫酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸すず、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムなどの酸触媒の存在下で反応が行われる。
あるいは、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物(Xは、O、NH、S、またはSiを表し、好ましくは、Sである。)を用いて、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することもできる。
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。)に、上記一般式(15)で表されるエピハロヒドリン誘導体を反応させることで、上記一般式(16)で表される化合物を得る。上記一般式(15)中、R17は、炭素数1〜12のアルキレン基であり、好ましくはメチレン基である。また、R18、R19、R20は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜12のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。また、Xはハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。なお、上記一般式(15)で表される化合物の具体例としては、エピクロロヒドリンが好適である。
そして、上記反応により得られた上記一般式(16)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させることで、上記一般式(17)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。なお、上記一般式(16)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させる際には、通常、トリエチルアミンやトリフェニルホスフィンなどの塩基触媒、または塩酸、硫酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸すず、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムなどの酸触媒の存在下で反応が行われる。
また、熱可逆性結合基を備える化合物として、下記一般式(18)に示す金属化化合物(Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、好ましくはリチウムである。)を使用し、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することもできる。
Figure 2016108434
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。)に、上記一般式(15)で表されるエピハロヒドリン誘導体を反応させることで、上記一般式(16)で表される化合物を得る。
そして、上記反応により得られた上記一般式(16)で表される化合物に、上記一般式(18)に示す金属化化合物を反応させることで、上記一般式(19)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。
さらに、熱可逆性結合基を備える化合物として、下記一般式(20)に示すハロゲン化化合物(Xは、ハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。)を使用し、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することもできる。
Figure 2016108434
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。)に、下記一般式(20)に示すハロゲン化化合物を反応させることで、上記一般式(21)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。
あるいは、上記一般式(20)に示すハロゲン化化合物(Xは、ハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。)を用いて、下記に示す反応により、重合体鎖末端に熱可逆性結合基を導入することもできる。
Figure 2016108434
すなわち、上記の方法においては、活性末端を有するベースポリマー(一般式(5)で表した。)に、上記一般式(6)で表されるエポキシ化合物を反応させることで、上記一般式(7)で表される化合物を得る。
そして、上記反応により得られた上記一般式(7)で表される化合物に、上記一般式(20)に示すハロゲン化化合物を反応させることで、上記一般式(22)で表される共役ジエン系重合体(本発明の共役ジエン系重合体)を得ることができる。
上記各反応は、通常、不活性溶媒中で行われる。不活性溶媒としては、上述した重合反応で用いられる溶媒を制限なく用いることができ、たとえば、重合反応により得られた活性末端を有するベースポリマーを含有する重合溶液をそのまま用いることができる。また、上記各反応における反応条件としては、反応温度が、通常0〜100℃、好ましくは30〜90℃の範囲であり、反応時間が、通常1〜120分、好ましくは2〜60分の範囲である。
また、上記反応において、上記一般式(9)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させる際や、上記一般式(13)で表される化合物に、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物を反応させる際には、これらの反応を良好に進行させるという観点より、これらの反応を行う前に、上記一般式(9)で表される化合物を含む溶液や、上記一般式(13)で表される化合物を含む溶液に、メタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは水を添加して活性末端を失活させることが好ましい。
なお、活性末端を有するベースポリマーに、熱可逆性結合基を備える化合物を反応させる前に、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常使用される重合停止剤、重合末端変性剤およびカップリング剤などを重合系内に添加して、ベースポリマーの活性末端の一部を不活性化してもよい。
このとき用いられうる重合末端変性剤およびカップリング剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのN−置換環状アミド類;1,3−ジメチルエチレン尿素、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンなどのN−置換環状尿素類;4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのN−置換アミノケトン類;ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類;N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのN,N−ジ置換アミノアルキルメタクリルアミド類;4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドなどのN−置換アミノアルデヒド類;N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンなどのアミノアルコキシシラン類;ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのN−置換カルボジイミド類;N−エチルエチリデンイミン、N−メチルベンジリデンイミンなどのシッフ塩基類;プロピレンオキサイド、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ基含有化合物;4−ビニルピリジンなどのピリジル基含有ビニル化合物;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシタン、メチルトリフェノキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ノナン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ノナンなどのアルコキシル基含有化合物;四塩化錫、四塩化ケイ素、トリフェノキシクロロシラン、ヘキサクロロシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、ビス(トリクロロシリル)エタン、ビス(トリクロロシリル)プロパン、ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、ビス(トリクロロシリル)ノナンなどのハロゲン化金属化合物;が挙げられる。
そして、以上のように、活性末端を有するベースポリマーに、熱可逆性結合基を備える化合物を反応させた後、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤、クラム化剤、スケール防止剤などを反応溶液に添加した後、直接乾燥やスチームストリッピングにより反応溶液から反応溶媒を分離して、目的の共役ジエン系重合体を回収する。なお、反応溶液から反応溶媒を分離する前に、反応溶液に伸展油を混合し、共役ジエン系重合体を油展ゴムとして回収してもよい。
共役ジエン系重合体を油展ゴムとして回収する場合に用いる伸展油としては、ゴム工業において通常使用されるものが使用でき、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤、植物系軟化剤、脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤を用いる場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。伸展油を使用する場合、その使用量は、共役ジエン系重合体100重量部に対して、通常5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは、20〜50重量部である。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の共役ジエン系重合体と、多官能性の熱可逆性を示す化合物とを含有する。
多官能性の熱可逆性を示す化合物としては、特に限定されないが、上述した本発明の共役ジエン系重合体に備えられる熱可逆性結合基に対して、温度変化により架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こし得る基を2以上有する化合物であり、より具体的には、ディールズアルダー反応により付加反応することで、温度変化により架橋構造の形成と解離とを可逆的に起こし得る基を2以上有する化合物であることが好ましい。
このような多官能性の熱可逆性を示す化合物としては、特に限定されないが、反応性等の観点より、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016108434
(上記一般式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、任意の結合基を表し、nは2〜10の整数である。)
なかでも、反応性をより良好なものとすることができるという点より、多官能性の熱可逆性を示す化合物としては、上記一般式(2)において、nが2である下記一般式(23)で示されるビスマレイミド化合物がより好ましい。
Figure 2016108434
(上記一般式(23)中、R、Rは、上記一般式(2)と同様であり、Xは、炭素数1〜100の直鎖または分岐状のアルキレン基、または、下記一般式(24)〜(27)で表されるいずれかの基である。)
Figure 2016108434
上記一般式(24)〜(27)中、R21〜R30は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲン原子であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。X〜X13は、化学的な単結合、炭素数1〜10の分岐または直鎖状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、または、−S(=O)−であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。
上記一般式(23)で表される化合物として、Xが、炭素数1〜100の直鎖または分岐状のアルキレン基であるものは、上述した本発明の共役ジエン系重合体との相溶性に特に優れるため、均一なゴム組成物を得やすいという観点より、好ましい。
また、上記一般式(23)で表される化合物として、Xが、上記一般式(24)〜(27)のいずれかであるものは、フェニル基の電子吸引性のために、マレイミド構造に含まれる炭素−炭素二重結合の電子密度を低くすることができ、これにより、ディールズアルダー反応による付加反応をより起こしやすくすることができるという点より好ましい。
本発明においては、上述した本発明の共役ジエン系重合体に、多官能性の熱可逆性を示す化合物を配合することにより、シリカなどの充填剤を配合して混練等を行う際には、混練初期においては、共役ジエン系重合体に備えられる熱可逆性結合基と、多官能性の熱可逆性を示す化合物との間で架橋構造を形成することで、高分子量ポリマーとしての挙動を示すことで、これにより、シリカなどの充填剤の初期分散性を向上させることができるものである。そして、その一方で、混練後期においては、熱可逆性結合基と、多官能性の熱可逆性を示す化合物とが解離することで、低分子量ポリマーとしての挙動を示すことで、シリカなどの充填剤の再凝集を良好に抑制することができ、これにより、シリカなどの充填剤の分散性を向上させることができものである。そして、本発明によれば、これらの作用により、優れた加工性を実現しながら、ゴム架橋物とした場合における、タイヤとしての性能(たとえば、機械強度、耐チッピング性等)を飛躍的に向上させることができるものである。
なお、共役ジエン系重合体に熱可逆性結合基を導入する化合物として、上記一般式(4)に示すXHで表される官能基を有する化合物(Xは、O、NH、S、またはSiを表し、好ましくは、Sである。)を用い、かつ、多官能性の熱可逆性を示す化合物として、上記一般式(23)で示されるビスマレイミド化合物(一般式(23)において、R、Rが水素原子であるビスマレイミド化合物)を用いた場合を例示すると、これらの架橋および解離反応は、下記式(28)の通りとなる。
Figure 2016108434
また、本発明のゴム組成物中における、多官能性の熱可逆性を示す化合物の配合量は、共役ジエン系重合体に含有される熱可逆性結合基の量および種類に応じて適宜選択すればよいが、共役ジエン系重合体に含有される熱可逆性結合基1モルに対して、好ましくは0.01〜20モルであり、より好ましくは0.05〜15モル、さらに好ましくは0.1〜10モルである。多官能性の熱可逆性を示す化合物の配合量を上記範囲とすることにより、加工性を良好なものとしながら、得られるゴム架橋物の低発熱性およびウエットグリップ性をより向上させることができる。
また、本発明のゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは20〜100、より好ましくは30〜90、特に好ましくは35〜80である。
<架橋性ゴム組成物>
本発明の架橋性ゴム組成物は、上述した本発明のゴム組成物に、架橋剤を配合してなるものである。
架橋剤としては、たとえば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜4重量部である。
また、本発明の架橋性ゴム組成物は、シリカをさらに含有していることが好ましい。本発明で用いるシリカとしては、たとえば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。これらのシリカは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。用いるシリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法で測定される)は、好ましくは50〜300m/g、より好ましくは80〜250m/g、特に好ましくは100〜220m/gである。また、シリカのpHは、pH5〜10であることが好ましい。
本発明の架橋性ゴム組成物におけるシリカの配合量は、架橋性ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部であり、より好ましくは30〜150重量部、さらに好ましくは50〜100重量部である。シリカの配合量を上記範囲とすることにより、架橋性ゴム組成物の加工性をより高めることができる。
また、本発明の架橋性ゴム組成物は、シランカップリング剤をさらに含有していることが好ましい。シランカップリング剤としては、たとえば、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどが挙げられる。
本発明の架橋性ゴム組成物におけるシランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部である。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、さらに、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、およびグラファイトなどのカーボンブラックを配合してもよい。これらのなかでも、ファーネスブラックが好ましい。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、通常、120重量部以下である。
さらに、本発明の架橋性ゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、充填剤(上記シリカおよびカーボンブラックを除く)、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤、粘着付与剤などの配合剤をそれぞれ必要量配合できる。
架橋剤として、硫黄または含硫黄化合物を用いる場合には、架橋促進剤および架橋活性化剤を併用することが好ましい。架橋促進剤としては、たとえば、スルフェンアミド系架橋促進剤;グアニジン系架橋促進剤;チオウレア系架橋促進剤;チアゾール系架橋促進剤;チウラム系架橋促進剤;ジチオカルバミン酸系架橋促進剤;キサントゲン酸系架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋促進剤の配合量は、架橋性ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜4重量部である。
架橋活性化剤としては、たとえば、ステアリン酸などの高級脂肪酸;酸化亜鉛;などを挙げることができる。これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋活性化剤の配合量は、架橋性ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、特に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、上述した共役ジエン系重合体以外のその他のゴムを配合してもよい。その他のゴムとしては、たとえば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム(高シス−BR、低シスBRであってもよい。また、1,2−ポリブタジエン重合体からなる結晶繊維を含むポリブタジエンゴムであってもよい)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどのうち、上述した本発明の共役ジエン系重合体以外のものをいう。これらのなかでも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の架橋性ゴム組成物において、上述した共役ジエン系重合体は、架橋性ゴム組成物中のゴム成分の10〜100重量%を占めることが好ましく、50〜100重量%を占めることが特に好ましい。このような割合で、上述した共役ジエン系重合体をゴム成分中に含めることにより、ゴム架橋物の低発熱性をより高めることができる。
本発明の架橋性ゴム組成物を得るためには、常法に従って各成分を混練すればよく、たとえば、上述した共役ジエン系重合体および多官能性の熱可逆性を示す化合物を含有するゴム組成物に、架橋剤や架橋促進剤などの熱に不安定な成分を除く成分を配合し、ミキサーなどで混練し、次いで、得られた混練物に架橋剤や架橋促進剤などの熱に不安定な成分を混合して目的の組成物を得ることができる。この際において、本発明では、熱に不安定な成分を除く成分の混練温度を、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃とする。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を用い、たとえば、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜12時間、特に好ましくは3分〜6時間である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を用いて得られるものであるため、機械強度および耐チッピング性に優れるものである。そして、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、たとえば、タイヤにおいて、キャップトレッド、ベーストレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位の材料;ホース、ベルト、マット、防振ゴム、その他の各種工業用品の材料;樹脂の耐衝撃性改良剤;樹脂フィルム緩衝剤;靴底;ゴム靴;ゴルフボール;玩具;などの各種用途に用いることができる。特に、本発明のゴム架橋物は、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、およびスタッドレスタイヤなどの各種タイヤにおいて、トレッド、カーカス、サイドウォール、およびビード部などのタイヤ各部位に好適に用いることができ、特に、シリカを配合させることにより低発熱性に優れたものとすることができるため、低燃費タイヤのトレッド用として、特に好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
〔重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布〕
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、ポリスチレン換算の分子量に基づくチャートを得て、そのチャートに基づいて求めた。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィの具体的な測定条件は、以下の通りとした。
測定器 :高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、商品名「HLC−8220」
カラム :東ソー社製、商品名「GMH−HR−H」を二本直列に連結した。
検出器 :示差屈折計(東ソー社製、商品名「RI−8020」)
溶離液 :テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
〔スチレン含有量およびビニル結合含有量〕
スチレン含有量、およびビニル結合含有量は、ブルカー・バイオスピン社製FT−NMR装置(製品名:ADVANCEIII 500)を用いてH−NMRにより測定した。
〔熱可逆性結合基の含有割合〕
熱可逆性結合基の含有割合は、ブルカー・バイオスピン社製FT−NMR装置(製品名:ADVANCEIII 500)を用いてH−NMRにより測定した。
〔ムーニー粘度(ML1+4,100℃)の変化量〕
ゴム組成物のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)と、架橋性ゴム組成物のムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー粘度)とを、JIS K6300に従い、ムーニー粘度計(島津製作所社製)を用いて測定し、得られた結果より、ムーニー粘度の変化量を、「ムーニー粘度の変化量=(コンパウンド・ムーニー粘度)−(ポリマー・ムーニー粘度)」にしたがって、算出した。ムーニー粘度の変化量が小さいほど、加工性に優れると判断できる。
〔ペイン効果〕
ペイン効果は、架橋性ゴム組成物を用い、粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、製品名「RPA−2000」)により、60℃、1Hzの条件で、動的歪み1%および10%における貯蔵粘弾率G’を測定し、動的歪み1%における貯蔵粘弾率G’と動的歪み10%における貯蔵粘弾率G’との差分(ΔG’=G’(1%)−G’(10%))を算出することにより求めた。得られた差分について、比較例1の測定値をそれぞれ100とする指数で示した。この指数が小さいほど、シリカなどの充填剤の分散性に優れるため、加工性に優れると判断できる。
〔ゴム架橋物の引張破断強度および破断伸び〕
架橋性ゴム組成物を、160℃、20分間プレス架橋することで、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6301にしたがって、引張試験を行い、破断強度および破断伸びを測定した。なお、破断強度および破断伸びが大きいほど、機械強度に優れると判断できる。
〔破断エネルギー〕
架橋性ゴム組成物を、160℃、20分間プレス架橋することで、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6301にしたがって、引張試験を行い、破断までの応力−歪曲線を求め、応力−歪曲線の面積を破断エネルギーとした。得られた破断エネルギーの測定値、および、比較例1の測定値を100とする指数を求め、耐チッピング性を評価した。破断エネルギーの測定値および指数値が大きいほど、耐チッピング性に優れると評価できる。
〔製造例1:共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの製造〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン800g、テトラメチルエチレンジアミン1.44mmol、1,3−ブタジエン94.8g(1.76mol)、およびスチレン25.2g(0.24mol)を仕込んだ後、n−ブチルリチウム0.80mmolを加え、50℃で重合を開始した。続いて、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、酸化プロピレンを1.60mmol添加し、25℃で60分間反応させ、さらに、塩化アクリルを1.60mmol添加して60分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加した。
次に、温度を80℃に上げてトリエチルアミン4.00mmolおよびフルフリルチオール8.00mmolを添加し、3時間反応させた後、老化防止剤として、イルガノックス1520L(BASF製)を、共役ジエン系重合体100部に対して0.20部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、共役ジエン系重合体aを得た。
得られた共役ジエン系重合体aについて、H−NMRを測定した結果、フランに由来するシグナルが観測され、重合体鎖末端にフランが導入されていることが確認された。共役ジエン系重合体aの1本鎖当たりのフラン構造の導入率は70%であった。また、得られた共役ジエン系重合体aのスチレン含有量は21.0重量%、ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は63.5重量%であった。また、GPC測定において、全体としてMnが256,000、Mwが333,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.30であった。
次に、得られた共役ジエン系重合体a 110gをトルエン500mlに溶解し、多官能性の熱可逆性を示す化合物としての4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン0.23mmolを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状のゴム組成物Aを得た。得られたゴム組成物Aについて、H−NMRを測定した結果、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンのフラン付加体のピークが確認された。
〔製造例2:共役ジエン系重合体bと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Bの製造〕
フルフリルチオールの添加量を8.00mmolから3.00mmolに変更した以外は製造例1と同様にして、共役ジエン系重合体bを得た。得られた共役ジエン系重合体bについて、H−NMRを測定した結果、フランに由来するシグナルが観測され、重合体鎖末端にフランが導入されていることが確認された。共役ジエン系重合体bの1本鎖当たりのフラン構造の導入率は30%であった。また、得られた共役ジエン系重合体bのスチレン含有量は20.8重量%、ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は64.1重量%であった。また、GPC測定において、全体としてMnが238,000、Mwが313,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.32であった。
次に、得られた共役ジエン系重合体b 110gをトルエン500mlに溶解し、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン0.10mmolを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状のゴム組成物Bを得た。得られたゴム組成物Bについて、H−NMRを測定した結果、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンのフラン付加体のピークが確認された。
〔製造例3:共役ジエン系重合体cの製造〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン800g、テトラメチルエチレンジアミン1.44mmol、1,3−ブタジエン94.8g(1.76mol)、およびスチレン25.2g(0.24mol)を仕込んだ後、n−ブチルリチウム0.80mmolを加え、50℃で重合を開始した。続いて、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、共役ジエン系重合体cを含有する溶液を得た。さらに、老化防止剤として、イルガノックス1520L(BASF製)を、共役ジエン系重合体100部に対して0.20部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、共役ジエン系重合体cを得た。得られた共役ジエン系重合体cについて、H−NMRを測定した結果、スチレン含有量は21.2%、ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は63.8%であった。また、GPC測定において、全体としてMnが211,000、Mwが220,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.03であった。
〔製造例4:共役ジエン系重合体dと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Dの製造〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン800g、テトラメチルエチレンジアミン1.44mmol、1,3−ブタジエン94.8g(1.76mol)、およびスチレン25.2g(0.24mol)を仕込んだ後、n−ブチルリチウム0.80mmolを加え、50℃で重合を開始した。続いて、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、四塩化錫を0.05mmol添加し、30分間反応させた。
次に、下記式(29)で表されるポリオルガノシロキサンを、使用したn−ブチルリチウムの0.2倍モルに相当するエポキシ基の含有量となるように、20%濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、末端をシラノール変性した共役ジエン系重合体を含有する溶液を得た。
Figure 2016108434
次に、この溶液に、フルフリルチオール0.86ml(8.47mmol)、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.46g(2.82mmol)を加え、70℃で5時間撹拌した後、老化防止剤として、イルガノックス1520L(BASF社製)を、シラノール変性した共役ジエン系重合体100部に対して0.20部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、共役ジエン系重合体dを得た。
得られた共役ジエン系重合体dについて、H−NMRを測定した結果、フランに由来するシグナルが観測され、側鎖にフランが導入されていることが確認された。共役ジエン系重合体dの1本鎖当たりのフラン構造の導入率は、70%であった。また、得られた共役ジエン系重合体dのスチレン含有量は20.4重量%、ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は64.0重量%であった。また、GPC測定において、全体としてMnが276,000、Mwが412,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.50であった。
次に、得られた共役ジエン系重合体d 110gをトルエン500mlに溶解し、多官能性の熱可逆性を示す化合物としての4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン0.26mmolを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状のゴム組成物Dを得た。得られたゴム組成物Dについて、H−NMRを測定した結果、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンのフラン付加体のピークが確認された。
〔製造例5:共役ジエン系重合体eの製造〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン800g、テトラメチルエチレンジアミン1.44mmol、1,3−ブタジエン94.8g(1.76mol)、およびスチレン25.2g(0.24mol)を仕込んだ後、n−ブチルリチウム0.80mmolを加え、50℃で重合を開始した。続いて、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、四塩化錫を0.05mmol添加し、30分間反応させた。
次に、上記式(29)で表されるポリオルガノシロキサンを、使用したn−ブチルリチウムの0.2倍モルに相当するエポキシ基の含有量となるように、20%濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、末端をシラノール変性した共役ジエン系重合体eを含有する溶液を得た。さらに、老化防止剤として、イルガノックス1520L(BASF社製)を、シラノール変性した共役ジエン系重合体100部に対して0.20部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、共役ジエン系重合体eを得た。
得られた共役ジエン系重合体eについて、H−NMRを測定した結果、共役ジエン系重合体eのスチレン含有量は21.1重量%、ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は64.5重量%であった。また、GPC測定において、全体としてMnが274,000、Mwが391,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.43であった。
〔製造例6:共役ジエン系重合体eと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Fの製造〕
製造例5で得られた共役ジエン系重合体e 110gをトルエン500mlに溶解し、多官能性の熱可逆性を示す化合物としての4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン0.26mmolを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状のゴム組成物Fを得た。
Figure 2016108434
〔実施例1〕
容量250mlのバンバリーミキサーを用いて、製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物A 70部、および天然ゴム30部を素練りした。次いで、シリカ(商品名「Zeosil1165MP」、ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET法):160m/g)40部、シランカップリング剤(ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、商品名「Si69」、デグッサ社製)4.8部、およびプロセスオイル(商品名「フッコール エラミック30」、新日本石油社製)5部を添加して、110℃を開始温度として1.5分間混練した。この混練物に、シリカ(商品名「Zeosil1165MP」、ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET法):160m/g)20部、酸化亜鉛(亜鉛華1号)3.0部、ステアリン酸(商品名「ビーズステアリン酸つばき」、日油社製)2部、および老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2部を添加し、2.5分間混練して、バンバリーミキサーから混練物を排出させた。混練終了時の混練物の温度は150℃であった。次いで、この混練物を、室温まで冷却した後、再度バンバリーミキサー中で、3分間混練し、その後、バンバリーミキサーから混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールを用いて、得られた混練物と、硫黄1.6部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ−G」、大内新興化学工業社製)1.4部と、ジフェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)1.4部との混合物)とを混練した後、シート状の架橋性ゴム組成物を取り出した。
得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上記各評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの代わりに、製造例2で得られた共役ジエン系重合体bと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例1〕
製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの代わりに、製造例3で得られた共役ジエン系重合体cを使用した以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの代わりに、製造例4で得られた共役ジエン系重合体dと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Dを使用した以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの代わりに、製造例5で得られた共役ジエン系重合体eを使用した以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
製造例1で得られた共役ジエン系重合体aと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Aの代わりに、製造例6で得られた共役ジエン系重合体eと、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンとを含有するゴム組成物Fを使用した以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016108434
表1、表2より、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する共役ジエン系重合体を用いた場合には、ムーニー粘度変化(コンパウンド・ムーニー粘度と、ポリマー・ムーニー粘度との差)が小さく、また、ペイン効果の値も低く、そのため、加工性に優れていると判断でき、さらには、得られるゴム架橋物は、機械強度が良好であり、しかも、破断エネルギーが大きくなった。このことから、耐チッピング性に優れると推測される(実施例1,2)。
一方、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を導入しなかった場合には、ペイン効果の値が高く、加工性に劣るものであり、得られるゴム架橋物は、破断エネルギーが小さくなった。このことから、耐チッピング性に劣ると推測される(比較例1)。
また、熱可逆性結合基を、重合体鎖末端ではなく、側鎖に導入した場合(すなわち、主鎖変性とした場合)にも、その導入効果が得られず、ペイン効果の値が高く、加工性に劣るものであり、得られるゴム架橋物は、伸びに劣るものであった(比較例2)。
さらに、重合体鎖末端に、熱可逆性結合基に代えて、シラノール基を導入した場合には、ペイン効果の値が高く、加工性に劣るものであり、得られるゴム架橋物は、伸びに劣るものであり、さらには、破断エネルギーも小さくなった。このことから、耐チッピング性にも劣ると推測される(比較例3,4)。

Claims (7)

  1. 重合体鎖末端に、熱可逆性結合基を有する共役ジエン系重合体。
  2. 下記一般式(1)で表される請求項1に記載の共役ジエン系重合体。
    Figure 2016108434
    (上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−NH−、−C(=O)−、または−OC(=O)−であり、Xは、任意の結合基を表し、Polymerは、共役ジエン単量体単位を含んでなる重合体鎖を表す。)
  3. 請求項1または2に記載の共役ジエン系重合体と、多官能性の熱可逆性を示す化合物とを含有することを特徴とするゴム組成物。
  4. 前記多官能性の熱可逆性を示す化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
    Figure 2016108434
    (上記一般式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子であり、Xは、任意の結合基を表し、nは2〜10の整数である。)
  5. 請求項3または4に記載のゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性ゴム組成物。
  6. 請求項5に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  7. 請求項6に記載のゴム架橋物を含んでなるタイヤ。
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