JP2016104702A - 3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬化合物の製造中間体として有用な3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを簡便かつ収率よく製造する。【解決手段】式(I)のモノエステル化合物(式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基を表す。)を、該モノエステル化合物の1.5〜100倍重量の無水フッ酸(HF)の存在下でSF4と反応させることにより、式(II)の3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを製造する。【化1】【選択図】なし
Description
本発明は、医薬の中間体等として有用な、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルの製造方法に関する。
3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、特に、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジメチルプロピオン酸は、選択的なボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニストとして有用なイミダゾール化合物の製造のために有用な2−メチル−4−(3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジメチルプロピル)1−トリチルー1Hイミダゾール(特許文献1、第62頁の「INTERMEDITATE6」参照)を製造するための中間体として、また、アルツハイマー病等のβ−セクレターゼやプラーク介在障害の治療に有用な医薬化合物の中間体である(4S)−6−(2′,2′−ジメチル−3′,3′,3′,−トリフルオロ−プロピル)−2,2−スピロシクロブチルー3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ〔2,3−b〕ピリジン−4−アミンを製造するための中間体として(特許文献2、段落〔0390〕実施例25の段階4参照)、有用な化合物である。
特許文献2の実施例25では、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジメチルプロピオン酸は、下記の4段階の工程により製造されており、複雑な製造工程が必要である。
一方、特許文献3には、カルボン酸基および電子求引基を有する4級炭素原子を含む反応物質を、溶媒中でSF4と反応させることにより、該カルボン酸をトリフルオロメチル基に置換する方法が記載されている。
本発明は、従来の製造方法に比して格段に簡便かつ収率よく、医薬化合物の製造中間体として有用な3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを製造する方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らが種々検討を行った結果、本発明の化合物を製造するに当たり、ジカルボン酸の一方を選択的にエステル化したモノエステル体を得、これをモノエステル体の1.5〜100倍重量の無水フッ酸の存在下でSF4と反応させることにより、エステル部分はそのままにして、一方のカルボン酸基だけを選択的にトリフルオロメチル基とすることができることを見出したものであり、これにより、従来の製造方法に比して、格段と簡便にかつ収率よく、医薬中間体として有用な本化合物を得ることができる。すなわち、本発明は下記のとおりのものである。なお、以下、式(I)で表される化合物を、化合物(I)と記載することがある。
(1)下記式(I)で表される化合物を、該式(I)で表わされる化合物の1.5〜100倍重量の無水フッ酸の存在下でSF4と反応させることにより、下記式(II)で表される化合物を製造する方法。
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(2)R1及びR2がメチル基である、上記(1)に記載の製造方法。
(3)R3がメチル基である、上記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)反応温度が−30〜+100℃である、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の製造方法。
(5)減圧下にて無水フッ酸をガス化して除去する工程をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の製造方法。
(3)R3がメチル基である、上記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)反応温度が−30〜+100℃である、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の製造方法。
(5)減圧下にて無水フッ酸をガス化して除去する工程をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の製造方法。
ここで、特許文献3には、カルボン酸基および電子求引基を有する4級炭素原子を含む反応物質を、溶媒中でSF4と反応させることにより、該カルボン酸をトリフルオロメチル基に置換する方法が記載されており、上記電子求引基にはエステル基も包含される。しかしながら、当該文献3に記載される製造方法を上述のモノエステル体である化合物(I)にそのまま採用しても、目的とする本化合物(II)が収率よく得られないことが分かった。
特許文献3に記載される4級炭素原子を含む反応物質におけるカルボン酸基及び電子求引基以外の2つの置換基は、定義上は各々炭素数1〜3のアルキル基である場合も含まれるものの、実際に実施例において製造されているのは、上記2つの置換基が互いに環を形成してシクロヘキサン環を形成し、かつ更にシクロヘキサン環基又はベンゼン環基を有するという、非常に疎水性が高く、且つ嵩高い構造を有するものである。これに対して、本発明の反応物質(I)は、上記2つの置換基に相当するR1及びR2がそれぞれ炭素数1〜3の低級アルキル基であるため、比較的親水性が高く、無水フッ酸(HF)にも溶け易いため、反応が進みやすく、反応条件を厳しくするとエステル化して保護した部分も脱保護してしまい、ビストリフルオロメチル基となってしまうため、SF4による選択的なフッ素化が難しいものと考えられる。また、反応が進み易いため、活性種(R3OCOCR1R2CF2OH)が生成しやすく、それを抑制する必要があるものと推定される。
一方、反応が未完結の場合には、酸フロライド(COF)と目的物が縮合した形のエーテル体{(R3OCOCR1R2CF2)2O}が副生してしまい、これが目的物と沸点が近いことから、蒸留分離困難となり、収率が低下してしまうことも分かった。
そこで、本発明者らは種々検討した結果、上記のとおり、原料のモノエステル化合物(I)に対して、1.5〜100倍重量の無水フッ酸(HF)の存在下でSF4と反応させることにより、本発明の反応物質を反応させて本発明の目的物質を製造するにあたり、モノエステル体のエステル部分は保護されたまま、カルボン酸基のみが有効にトリフルオロメチル基に選択的に置換させることができることを見出したものである。更に、反応温度を−30〜+100℃に設定することが、かかる選択的反応を有効に行う上で好ましいことが分かった。
本発明によれば、医薬化合物の中間体等として有用な、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを、従来の製造方法に比して格段に簡便かつ収率よく製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の式(I)で表されるモノエステル化合物において、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル等を挙げることができ、それぞれメチル又はエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
有用な医薬中間体の観点から、R1及びR2はそれぞれメチルであることが好ましい。
本発明の式(I)で表されるモノエステル化合物において、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル等を挙げることができ、それぞれメチル又はエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
有用な医薬中間体の観点から、R1及びR2はそれぞれメチルであることが好ましい。
式(I)で表されるモノエステル化合物は、市販のジカルボン酸を片方だけエステル化することにより製造することができる。あるいは、市販のジカルボン酸の両方をエステル化したのち、片方だけを加水分解することによっても製造することができる。
本発明の製造方法は、式(I)で表されるモノエステル化合物を、本発明で規定する量の無水フッ酸(HF)の存在下、SF4と反応させることにより、式(II)で表される3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを得ることができる。本発明で規定する無水フッ酸の量は、化合物(I)に対し1.5〜100倍重量が好ましく、2.0〜10.0倍重量がより好ましく、さらに2.7〜8.0倍重量が好ましい。SF4との反応温度は、−30〜+100℃が好ましく、+20〜40℃がより好ましい。反応時間は、特に限定的ではないが、1〜24時間が好ましく、4〜8時間がより好ましい。
本反応は、さらに他の溶媒を含有していてもよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロペンタフルオロプロパン等のフルオロカーボン類等を挙げることができる。
圧力は常圧でも差支えないが、SF4は蒸気圧が高いため、加圧反応器を使用することが好ましい。反応圧力は常圧〜2.6MPaで行うことが好ましく、蒸留を行う場合は、常圧で行うことが好ましい。
圧力は常圧でも差支えないが、SF4は蒸気圧が高いため、加圧反応器を使用することが好ましい。反応圧力は常圧〜2.6MPaで行うことが好ましく、蒸留を行う場合は、常圧で行うことが好ましい。
本発明により得られた3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルは、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法、例えば再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等により適宜精製することができる。ただし、無水フッ酸(HF)を含有しているため、特に大量生産した場合には、精製前に、無水フッ酸を除去することが好ましい。
ここで、無水フッ酸を取り除く方法としては、特に限定されないが、アルカリで中和する方法、水で希釈した後、液−液分離する方法、減圧下で無水フッ酸をガス化して取り除く方法等を挙げることができる。
本発明の目的物質である3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルは、水の存在下では熱によって分解しやすいため、中和熱や希釈熱の発生しない、減圧下で無水フッ酸をガス化して取り除く方法が、収率を上げるためには最も好ましい。この場合の圧力としては、特に限定的でないが、好ましくは20〜203kPa、より好ましくは50〜101kPaである。
本発明の目的物質である3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルは、水の存在下では熱によって分解しやすいため、中和熱や希釈熱の発生しない、減圧下で無水フッ酸をガス化して取り除く方法が、収率を上げるためには最も好ましい。この場合の圧力としては、特に限定的でないが、好ましくは20〜203kPa、より好ましくは50〜101kPaである。
以下、本発明を実施例により実証するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
[実施例1]
1リッターのステンレス製オートクレーブに、下記式(1)で表されるモノエステル体30g、無水フッ酸80g(モノエステル体の2.7倍重量)及びSF4 90gを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ天板を開放し、あらかじめ氷170gを入れたポリビーカーに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン126gを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は122gであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は106gであった。塩化メチレンを留去し、有機相16gを得た。これを減圧蒸留し、下記式(2)で表される目的物7gを得た。(総合収率20%)
1リッターのステンレス製オートクレーブに、下記式(1)で表されるモノエステル体30g、無水フッ酸80g(モノエステル体の2.7倍重量)及びSF4 90gを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ天板を開放し、あらかじめ氷170gを入れたポリビーカーに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン126gを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は122gであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は106gであった。塩化メチレンを留去し、有機相16gを得た。これを減圧蒸留し、下記式(2)で表される目的物7gを得た。(総合収率20%)
得られた化合物のNMRのデータは下記のとおりである。重クロロホルムを溶媒としてフロン11(トリクロロフルオロメタン)を標準物質として、陽子とフッ素のNMRを測定した。
1H−NMR(CDCl3) δ1.50(6H,s), 3.78(3H,s)
19F−NMR (CDCl3) δ76ppm(s)
1H−NMR(CDCl3) δ1.50(6H,s), 3.78(3H,s)
19F−NMR (CDCl3) δ76ppm(s)
[実施例2]
200リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体15kg、無水フッ酸40kg(モノエステル体の2.7倍重量)、SF4 45kgを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ底弁より、あらかじめ氷85kgを入れたポリタンクに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン63kgを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は61kgであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は53kgであった。塩化メチレンを留去し、有機相8kgを得た。これを減圧蒸留し、上記式(2)で表される目的物3.5kgを得た。(総合収率20%)
200リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体15kg、無水フッ酸40kg(モノエステル体の2.7倍重量)、SF4 45kgを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ底弁より、あらかじめ氷85kgを入れたポリタンクに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン63kgを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は61kgであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は53kgであった。塩化メチレンを留去し、有機相8kgを得た。これを減圧蒸留し、上記式(2)で表される目的物3.5kgを得た。(総合収率20%)
[比較例1]
200リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体15kg、無水フッ酸20kg(モノエステル体の1.3倍重量)、SF4 45kgを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ底弁より、あらかじめ氷80kgを入れたポリタンクに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン63kgを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は62kgであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は55kgであった。塩化メチレンを留去し、有機相9kgを得た。これを減圧蒸留したが、酸フロライドと目的物が縮合してできるエステル体の含有量が多く、これが目的物と蒸留分離困難なため、目的物は得られなかった。(総合収率0%)
200リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体15kg、無水フッ酸20kg(モノエステル体の1.3倍重量)、SF4 45kgを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。オートクレーブ底弁より、あらかじめ氷80kgを入れたポリタンクに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン63kgを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は62kgであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は55kgであった。塩化メチレンを留去し、有機相9kgを得た。これを減圧蒸留したが、酸フロライドと目的物が縮合してできるエステル体の含有量が多く、これが目的物と蒸留分離困難なため、目的物は得られなかった。(総合収率0%)
[実施例3]
1リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体30g、無水フッ酸80g(モノエステル体の2.7倍重量)及びSF4 90gを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。40℃にて33kPaまで減圧し、無水弗酸をできる限りオートクレーブから留出除去した。オートクレーブ天板を開放し、あらかじめ氷70gを入れたポリビーカーに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン126gを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は140gであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は124gであった。塩化メチレンを留去し、有機相34gを得た。これを減圧蒸留し、下記式(2)で表される目的物26gを得た。(総合収率74%)
1リッターのステンレス製オートクレーブに、上記式(1)で表されるモノエステル体30g、無水フッ酸80g(モノエステル体の2.7倍重量)及びSF4 90gを仕込み、密閉した。40℃にて6時間反応後、常温まで冷却して残圧をパージした。40℃にて33kPaまで減圧し、無水弗酸をできる限りオートクレーブから留出除去した。オートクレーブ天板を開放し、あらかじめ氷70gを入れたポリビーカーに内容物を注ぎ入れた。この時の温度が5℃を上回らないようにゆっくり行なった。これに塩化メチレン126gを加えて攪拌し、静置分液した。有機相は140gであった。これを重曹水で中和し、分液した。硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、有機相は124gであった。塩化メチレンを留去し、有機相34gを得た。これを減圧蒸留し、下記式(2)で表される目的物26gを得た。(総合収率74%)
上記の結果から、モノエステル体に対する無水フッ酸の量が少ない場合には、SF4と反応させても副生成物が発生し、また目的物との蒸留分離が困難であるため、十分に収率よく目的物を得ることができないことが分かる。これに対して、無水フッ酸の量を一定以上とすることにより、上記の副反応を効果的に抑え、カルボン酸基を選択的にトリフルオロメチル基に置換された目的化合物を収率よく得ることができる。
本発明の方法を用いることにより、医薬化合物の製造中間体として有用な3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジアルキルプロピオン酸エステルを簡便かつ収率よく製造することができる。特に、大量生産に適している。
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