JP2011213620A - 第1級アルキルブロマイドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価かつ簡便な手法によって工業的に第1級アルキルブロマイドを製造しうる手段を提供する。
【解決手段】有機溶媒中、第1級アルコールを臭化水素と反応させて第1級アルキルブロマイドを得る際に、反応系内の水分を除去しながら当該反応を行なう。
【選択図】なし
【解決手段】有機溶媒中、第1級アルコールを臭化水素と反応させて第1級アルキルブロマイドを得る際に、反応系内の水分を除去しながら当該反応を行なう。
【選択図】なし
Description
本発明は、第1級アルキルブロマイドの製造方法に関する。具体的には、第1級アルコールを臭化水素と反応させることによる第1級アルキルブロマイドの製造方法に関する。得られた第1級アルキルブロマイドは、種々の医薬、農薬などの原料などとして用いられうる。
第1級アルキルブロマイドは、置換または非置換のアルキル基の末端に位置する第1級炭素原子に臭素原子(Br)が結合した構造を有する化合物である。
従来、第1級アルキルブロマイドの製造方法としては、例えば、対応する第1級アルコールを臭化水素(HBr)と反応させて臭素化する手法が知られている。また、かような手法によって分岐状のアルキル基を有する第1級アルキルブロマイド(分岐アルキルブロマイド)を製造すると、第3級炭素原子または第2級炭素原子が臭素化された異性体が生成する。そして、この異性体は目的生成物との沸点が極めて近いため、蒸留による分離精製が困難であるという問題があった。
かような問題を解決することを目的として、例えば特許文献1では、分岐状のアルキル基を有する第1級アルコールを臭化水素と反応させて臭素化する際に、副生した異性体を加水分解する技術が提案されている。
また、例えば非特許文献1では、分岐状のアルキル基を有する第1級アルコールを臭化水素水と反応させて臭素化する際に、テトラアルキルアンモニウム塩を添加する技術が提案されている。
ところで、分岐アルキルブロマイドを製造する際には、副生物の生成を抑制することを目的として、ブロモ化剤としてPBr3やPPh3Br2が用いられることがある。しかしながら、これらのブロモ化剤は高価であり、かつ、反応後に発生する大量の廃棄物の処理が工業的な実施にあたっては障害となりうる。
特許文献1に記載の方法によれば、確かに、目的生成物を高純度で精製することが可能である。しかしながら、反応終了後に別途、副生物を加水分解する工程を行なう必要があるなど操作が煩雑であるという問題がある。また、テトラアルキルアンモニウム塩は高価であり、さらに廃棄物処理の観点からも工業的には使用しにくいという問題がある。
そこで本発明は、安価かつ簡便な手法によって工業的に第1級アルキルブロマイドを製造しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は上記問題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、第1級アルコールと臭化水素とを反応させて第1級アルキルブロマイドを合成する際に生成する副生物の量は、反応系の含水率に負の相関があることを見出した。そして、かような知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
このようにして完成された本発明の第1級アルキルブロマイドの製造方法は、有機溶媒中、第1級アルコールを臭化水素と反応させて第1級アルキルブロマイドを得る段階を含む。そして、反応系内の水分を除去しながら反応を行なう点に特徴を有する。
本発明によれば、反応系内の水分を除去することで、反応系の含水率が極めて低い値に維持される。その結果、副生物の生成が顕著に抑制される。なお、本発明により得られる第1級アルキルブロマイドは、種々の医薬、農薬などの原料などとして用いられる。
以下、本発明の第1級アルキルブロマイドの製造方法について、詳細に説明する。
本発明の第1級アルキルブロマイドの製造方法では、有機溶媒中、第1級アルコールを臭化水素と反応させる。これにより、第1級アルキルブロマイドが生成する。そして、上記反応を、反応系内の水分を除去しながら行なう点に特徴を有する。
本発明の製造方法における原料は、(1)第1級アルコール、および(2)臭化水素である。
まず、(1)の「第1級アルコール」とは、第1級炭素原子にヒドロキシ基が結合した構造を有する化合物を意味する。本発明においては、原料として用いられる第1級アルコールの種類について特に制限はなく、任意の第1級アルコールが用いられうる。ただし、本発明において原料として用いられる第1級アルコールは、下記化学式1で表される分岐アルキルアルコールであることが好ましい。
化学式1において、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは、R1とR2とが結合した環構造を表し、R3は水素原子または炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基を表し、R1〜R3のうち、水素原子であるのは1つ以下である。ここで、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
また、R1とR2とが結合した環構造について、当該環構造の炭素数(R1およびR2が結合した炭素原子も含む)は、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜8である。また、当該環構造を構成する環炭素数(R1およびR2が結合した炭素原子も含む)は、好ましくは3〜8であり、より好ましくは4〜7であり、特に好ましくは5〜6であり、最も好ましくは6である。R1とR2とが結合して環構造を形成する場合の−C(R1)(R2)(R3)基の例としては、例えば、シクロプロピル基、メチルシクロプロピル基、1−エチルシクロプロピル基、1−プロピルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、2−エチルシクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、2,2−ジエチルシクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチルシクロブチル基、1−エチルシクロブチル基、1−プロピルシクロブチル基、2−メチルシクロブチル基、2−エチルシクロブチル基、3−メチルシクロブチル基、3−エチルシクロブチル基、2,2−ジメチルシクロブチル基、2,2−ジエチルシクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−プロピルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、2,2−ジメチルシクロペンチル基、2,2−ジエチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−プロピルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジエチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘプチル基、1−エチルシクロヘプチル基、1−プロピルシクロヘプチル基、2−メチルシクロヘプチル基、2−エチルシクロヘプチル基、3−メチルシクロヘプチル基、3−エチルシクロヘプチル基、4−メチルシクロヘプチル基、4−エチルシクロヘプチル基、2,2−ジメチルシクロヘプチル基、2,2−ジエチルシクロヘプチル基などが挙げられる。
化学式1で表される分岐アルキルアルコールの具体例としては、例えば、2−メチルプロパノール、2−メチルブタノール、2−エチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−エチルペンタノール、2−プロピルペンタノール、2,3−ジメチルブタノール、2−エチル−3−メチルブタノール、2−プロピル−3−メチルブタノール、2−イソプロピル−3−メチルブタノール、2−メチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘキサノール、2−ブチルヘキサノール、2,3−ジメチルペンタノール、2,4−ジメチルペンタノール、2,3,3−トリメチルブタノール、2−エチル−3−メチルペンタノール、2−エチル−4−メチルペンタノール、2−エチル−3,3−ジメチルブタノール、2−プロピル−3−メチルペンタノール、2−プロピル−4−メチルペンタノール、2−プロピル−3,3−ジメチルブタノール、2−イソプロピルヘキサノール、2−イソプロピル−3−メチルペンタノール、2−イソプロピル−4−メチルペンタノール、2−イソプロピル−3,3−ジメチルブタノール、2−ブチル−3−メチルペンタノール、2−ブチル−4−メチルペンタノール、2−ブチル−3,3−ジメチルブタノール、2−メチルヘプタノール、2−エチルヘプタノール、2−プロピルヘプタノール、2−ブチルヘプタノール、2−ペンチルヘキサノール2,3−ジメチルヘキサノール、2,4−ジメチルヘキサノール、2,5−ジメチルヘキサノール、2,3,4−トリメチルペンタノール、2−メチル−3−エチルペンタノール、2,4,4−トリメチルペンタノール、2−エチル−3−メチルヘキサノール、2−エチル−4−メチルヘキサノール、2−エチル−5−メチルヘキサノール、2−エチル−4,4−ジメチルヘキサノール、2,2−ジメチルプロパノール、2,2−ジメチルブタノール、2,2−ジエチルプロパノール、2,2−ジエチルブタノール、シクロプロピルメタノール、1−メチルシクロプロピルメタノール、1−エチルシクロプロピルメタノール、1−プロピルシクロプロピルメタノール、2−メチルシクロプロピルメタノール、2−エチルシクロプロピルメタノール、2,2−ジメチルシクロプロピルメタノール、2,2−ジエチルシクロプロピルメタノール、シクロブチルメタノール、1−メチルシクロブチルメタノール、1−エチルシクロブチルメタノール、1−プロピルシクロブチルメタノール、2−メチルシクロブチルメタノール、2−エチルシクロブチルメタノール、3−メチルシクロブチルメタノール、3−エチルシクロブチルメタノール、2,2−ジメチルシクロブチルメタノール、2,2−ジエチルシクロブチルメタノール、シクロペンチルメタノール、1−メチルシクロペンチルメタノール、1−エチルシクロペンチルメタノール、1−プロピルシクロペンチルメタノール、2−メチルシクロペンチルメタノール、2−エチルシクロペンチルメタノール、3−メチルシクロペンチルメタノール、3−エチルシクロペンチルメタノール、2,2−ジメチルシクロペンチルメタノール、2,2−ジエチルシクロペンチルメタノール、シクロヘキシルメタノール、1−メチルシクロヘキシルメタノール、1−エチルシクロヘキシルメタノール、1−プロピルシクロヘキシルメタノール、2−メチルシクロヘキシルメタノール、2−エチルシクロヘキシルメタノール、3−メチルシクロヘキシルメタノール、3−エチルシクロヘキシルメタノール、4−メチルシクロヘキシルメタノール、4−エチルシクロヘキシルメタノール、2,2−ジメチルシクロヘキシルメタノール、2,2−ジエチルシクロヘキシルメタノール、シクロヘプチルメタノール、1−メチルシクロヘプチルメタノール、1−エチルシクロヘプチルメタノール、1−プロピルシクロヘプチルメタノール、2−メチルシクロヘプチルメタノール、2−エチルシクロヘプチルメタノール、3−メチルシクロヘプチルメタノール、3−エチルシクロヘプチルメタノール、4−メチルシクロヘプチルメタノール、4−エチルシクロヘプチルメタノール、2,2−ジメチルシクロヘプチルメタノール、2,2−ジエチルシクロヘプチルメタノールなどが挙げられる。これらの分岐アルキルアルコールが原料として用いられることが好ましいが、より好ましくは2−メチルプロパノール、2−メチルブタノール、2−エチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−エチルペンタノール、2−プロピルペンタノール、2−メチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘキサノール、2−ブチルヘキサノールが原料として用いられ、特に好ましくは2−エチルブタノールが原料として用いられる。
なお、原料化合物が上述した分岐アルキルアルコールのみに限定されることはなく、これら以外の第1級アルコールが本発明の原料として用いられても、もちろんよい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノールなどの第1級アルコールもまた、本発明の原料として用いられうる。
原料として用いられる第1級アルコールの入手については、市販品が存在する場合にはその市販品を購入することにより準備することが可能である。また、自ら調製することにより当該化合物を準備してもよい。原料として用いられる第1級アルコールを自ら調製する手法について特に制限はなく、有機化学の技術分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
本発明の反応においては、上記で準備した原料(第1級アルコール)を、臭化水素(HBr)と反応させる。本発明の反応に用いる臭化水素の形態として特に制限はなく、気体状、液状、水溶液状などの臭化水素が使用されうる。臭化水素ガスおよび臭化水素酸をそれぞれ単独で用いてもよいし、これらを併用してもよい。
反応に用いられる臭化水素の量についても特に制限はないが、反応を十分に進行させるという観点からは、原料である第1級アルコール1モルに対して、1モル超の臭化水素を用いることが好ましく、より好ましくは1.1〜3.0モル、さらに好ましくは1.2〜1.5モルの臭化水素が用いられる。
本発明の反応は、有機溶媒の存在下、または非存在下で行なわれる。有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、プソイドクメン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールジメチルエーテル類、酢酸エチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類およびそれらの混合物などが挙げられる。これらのうち、飽和脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素が好ましく、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンがより好ましい。有機溶媒の使用量は特に制限されず、コストや容積効率などの観点から、用いる装置の形式等に応じて最小限必要な量を用いることが好ましい。かような観点から、有機溶媒の使用量は、第1級アルコール100質量部に対して好ましくは0〜500質量部であり、より好ましくは30〜100質量部である。
反応原料の添加形態に特に制限はないが、好ましい形態としては、後述する実施例1のように、第1級アルコールを有機溶媒とともに仕込み、そこへ臭化水素を添加し、反応させる形態が挙げられる。この際、臭化水素は臭化水素ガスとして吹き込むか、または臭化水素酸水溶液の形態で滴下されることが好ましく、後者がより好ましい。
反応は、加熱下で行なわれるのが好ましい。加熱温度について特に制限はないが、通常は35〜200℃であり、好ましくは50〜150℃であり、より好ましくは70〜110℃である。なお、より好ましい温度の上限値(110℃)以下の温度を採用すると、異性体の生成がより一層抑制されうるため、非常に好ましい。
反応を行なう際の反応圧力は特に制限されないが、0.001〜5MPaの範囲が好ましく、0.01〜1MPaの範囲がより好ましい。低圧では必要以上の長時間を要し、また高圧では反応速度は上昇するものの、あまり高すぎても顕著な有意性は認められず、経済的に不利である。
本発明の反応では、第1級アルコールと臭化水素との反応により、目的生成物である第1級アルキルブロマイドが生成する。この第1級アルキルブロマイドは、原料として用いた第1級アルコールのヒドロキシ基に代えて、臭素原子が導入された構造を有する。例えば、上述した化学式1の分岐アルキルアルコールを原料として用いた場合、得られる目的生成物(第1級アルキルブロマイド)は、下記化学式2で表される構造を有する。
化学式2において、R1〜R3は、上述した化学式1における定義と同様である。
本発明における第1級アルコールと臭化水素との反応では、副生生物として、水が生成する。本発明は、上述した第1級アルコールと臭化水素との反応を、反応系内の水分を除去しながら行なう点に特徴を有する。
反応系内の水分除去処理の具体的な手法について特に制限はなく、有機化学の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。かような処理の手法としては、例えば、常圧または減圧下での共沸脱水、または公知の脱水剤(例えば、無水硫酸マグネシウム、市販のモレキュラーシーブスなど)を添加することによる脱水などが挙げられる。なかでも、好ましくは共沸脱水が採用される。水の共沸留去は、公知の蒸留方法を用いて行なうことができる。なお、反応系内の水分については、生成する都度その全量を除去してもよいし、場合によっては、その一部のみを除去することとしてもよい。いずれにせよ、副生する水の少なくとも一部を反応の進行とともに除去する限り、本発明の技術的範囲に包含される。
本発明においては、このように反応系内の水分を除去しながら反応を行なうと、驚くべきことに、副生物の生成が顕著に抑制されることが判明したのである。なお、かような効果が奏されるメカニズムは完全に明らかとはなっていないが、反応系内に水が存在すると原料のアルコールが酸性条件下でプロトン化されて異性化が生じやすいのに対し、本発明の構成とすることでかようなプロトン化−異性化の機構が進行しにくくなるというメカニズムが推定されている。ただし、当該メカニズムはあくまでも推定されたものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が制限を受けることはない。
目的生成物として得られた第1級アルキルブロマイドは、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィなどの分離手段により、またはこれらを組み合わせることにより分離精製されうる。
本発明の製造方法により製造される第1級アルキルブロマイドは、医薬、農薬その他の精密化学品の原料などとして好適に用いられうる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)にヘプタン35gを加え、撹拌しながら温度を95℃に保ち、48質量%臭化水素酸水溶液224g(1.3モル)を16時間かけて滴下した。反応はディーンスターク装置により水185.0gを抜きながら行った。その結果、2−エチルブタノールの転化率は81.6%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は98.2%、収率は80.0%(131.3g,0.8モル)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は0.68%であった。
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)にヘプタン35gを加え、撹拌しながら温度を95℃に保ち、48質量%臭化水素酸水溶液224g(1.3モル)を16時間かけて滴下した。反応はディーンスターク装置により水185.0gを抜きながら行った。その結果、2−エチルブタノールの転化率は81.6%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は98.2%、収率は80.0%(131.3g,0.8モル)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は0.68%であった。
比較例1:
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)に48質量%臭化水素酸水溶液224g(1.3モル)を加え、95℃にて12時間加熱攪拌した。その結果、2−エチルブタノールの転化率は80.5%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は41.1%、収率は33.1%(54.5g,0.33モル)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は2.84%であった。
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)に48質量%臭化水素酸水溶液224g(1.3モル)を加え、95℃にて12時間加熱攪拌した。その結果、2−エチルブタノールの転化率は80.5%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は41.1%、収率は33.1%(54.5g,0.33モル)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は2.84%であった。
比較例2:特許文献1の追試
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)を80℃に保ち、臭化水素ガス136g(1.7モル)を13時間かけて吹き込み反応させた。その結果、2−エチルブタノールの転化率は97.6%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は92.2%、収率は89.5 %(0.9モル,148.5g)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は6.7%であった。
2−エチルブタノール 102.14g(1.0モル)を80℃に保ち、臭化水素ガス136g(1.7モル)を13時間かけて吹き込み反応させた。その結果、2−エチルブタノールの転化率は97.6%、目的とする2−エチルブチルブロミドの選択率は92.2%、収率は89.5 %(0.9モル,148.5g)であった。また、生成物(2−エチルブチルブロミド)に対する副生物(3−ブロモ−3−メチルペンタン)のGC単純面積比は6.7%であった。
Claims (4)
- 有機溶媒中、第1級アルコールを臭化水素と反応させて第1級アルキルブロマイドを得る段階を含む第1級アルキルブロマイドの製造方法であって、
反応系内の水分を除去しながら前記反応を行なうことを特徴とする、製造方法。 - 前記第1級アルコールが2−エチルブタノールである、請求項2に記載の製造方法。
- 反応系における水の最大存在量が前記第1級アルコール1モルに対して1モル未満となるように水分の除去を行なう、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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