JP2016104487A - ガス分離方法 - Google Patents

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美樹 杉田
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Hidekazu Miyagi
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Abstract

【課題】気体混合物の分離に優れた特性を持つガス分離用ゼオライト膜複合体を提供する。【解決手段】ゼオライト膜複合体に複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離するガス分離方法であって、ゼオライト膜複合体を乾燥させる前処理を行った後に、該分離を行うことを特徴とする、ガス分離方法。耐薬品性、耐熱安定性等に優れ、気体の透過量が多く、高い分離係数、気体混合物の分離に優れた特性を持つゼオライト膜複合体を提供できる。【選択図】 なし

Description

本発明は、ガス分離用ゼオライト膜複合体に関し、さらに詳しくは、複数の気体成分からなる気体混合物から特定の気体成分を分離するガス分離用のゼオライト膜複合体であって、ゼオライト膜が、特定のゼオライト結晶相を含み、セラミックス支持体上に形成されてなるガス分離用ゼオライト膜複合体、該ゼオライト膜複合体をガス分離手段として用いるガス分離方法に関するものである。
ガス分離・精製法には、膜分離法、吸着分離法、吸収分離法、蒸留分離法、深冷分離法があるが、膜分離法は、ガス分離の途中での相変化を殆ど伴わず、圧力差を駆動エネルギーとして、膜を透過するガスの速度差によって分離する手法である。膜分離法は、他のガス分離・精製法に比べて取り扱いも容易で設備規模も比較的小さいため低コスト・省エネルギーで目的とするガスの分離や濃縮をおこなうことができる。
膜によるガス分離の方法としては、1970年代から高分子膜を用いた方法が提案されている。しかし、高分子膜は加工性に優れる特徴をもつ一方で、熱や化学物質、圧力により劣化して性能が低下することが問題であった。
近年、これらの問題を解決すべく耐薬品性、耐酸化性、耐熱安定性、耐圧性が良好な種々の無機膜が提案されてきている。その中でもゼオライトは、サブナノメートルの規則的な細孔を有しているため、分子ふるいとしての働きをもつので選択的に特定の分子を透過でき、高分離性能を示すことが期待されている。
具体的な混合ガスの膜分離の例としては、火力発電所や石油化学工業などから排出されるガスの分離で二酸化炭素と窒素、二酸化炭素とメタン、水素と炭化水素、水素と酸素、水素と二酸化炭素、窒素と酸素、パラフィンとオレフィンの分離などがある。用い得るガス分離用ゼオライト膜としては、A型膜、FAU膜、MFI膜、SAPO−34膜、DDR膜などのゼオライト膜が知られている。
A型ゼオライト膜は、水分の影響を受けやすく、結晶間隙のない膜にすることが難しく、分離性能は高くない。FAU膜はゼオライトの細孔が0.6〜0.8nmであり、気体分子2個分がゼオライト細孔内に入りうる大きさである。この膜は、ゼオライト細孔への吸着特性を持つ分子と持たない分子の分離、例えば二酸化炭素と窒素の分離に向いている。しかし、吸着性のない分子は分離しにくく、適用範囲が狭い。MFI膜の細孔径は0.55nmであり、気体分子の分離には細孔がやや大きく分離性能も高くない。
また、天然ガスの精製プラントや、生ごみなどをメタン発酵させてバイオガスを発生させるプラントでは、二酸化炭素とメタンの分離が望まれているが、これらを良好に分離するゼオライト膜としてはゼオライトの分子ふるい機能を利用した、DDR(特許文献1)、SAPO−34(非特許文献1)、SSZ−13(非特許文献2)が性能のよい膜として知られている。
特開2004−105942号公報
Shiguang Li et al., "Improved SAPO-34 Membranes for CO2/CH4 Separation", Adv. Mater. 2006, 18, 2601-2603 Halil Kalipcilar et al., "Synthesis and Separation Performance of SSZ-13 Zeolite Membranes on Tubular Supports", Chem. Mater. 2002, 14, 3458-3464
しかしながら、DDR(特許文献1)は、分離性能は良好であるが、ゼオライトの構造が二次元であるために、二酸化炭素のパーミエンス(Permeance、「透過度」ともいう)が低い。また、三次元構造であるCHA型のアルミノホスフェートであるSAPO−34(非特許文献1)は、分離性能やパーミエンスが良好だが、水存在下での性能が悪化する。
また、化学プラントでは、混合ガスに水分が含まれる場合が多く、水共存下で性能が悪化して実用には耐えない場合がある。同じくSUS支持体の膜であるCHA型のアルミノシリケートであるSSZ−13(非特許文献2)は、ゼオライト膜に非ゼオライト細孔(欠陥)が共存するために分離能が不十分で、二酸化炭素のパーミエンスも充分ではなかった。このように実用に耐えうる気体混合物用の分離膜は知られていなかった。
本発明は、かかる従来技術の問題が解決された、耐水性に優れ、気体混合物の分離に優れた特性を持つガス分離用ゼオライト膜複合体の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ある種の物性をもつゼオライト膜複合体が、実用上十分な処理量と分離処理性能を両立するゼオライト膜複合体になることを見出し、先に提案した(特願2010−043366号明細書)。本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、これらのゼオライト膜複合体が、気体混合物の分離に優れた特性を持つことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、下記の(1)〜(6)に存する。
(1)ゼオライト膜複合体に複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離するガス分離方法であって、ゼオライト膜複合体を乾燥させる前処理を行った後に、該分離を行うことを特徴とする、ガス分離方法。
(2)ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−9mol・(m・s・Pa)−1以上である、(1)に記載のガス分離方法。
(3)ゼオライト膜複合体が、メタンガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−7mol・(m・s・Pa)−1以下である、(1)又は(2)に記載のガス分離方法。
(4)ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素とメタンの混合ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合の分離係数が2以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載のガス分離方法。
(5)ゼオライト膜複合体が、ゼオライト膜としてCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のガス分離方法。
(6)前記乾燥を、ガス分離温度以上で行う、(1)〜(5)のいずれかに記載のガス分離方法。
本発明によれば、耐薬品性、耐熱安定性、耐酸化性、耐圧性に優れ、気体の透過量が多
く、高い分離係数、湿熱安定性の高い、気体混合物の分離に優れた特性を持つゼオライト膜複合体を提供することができる。また、本発明のゼオライト膜複合体をガス分離手段として用いることにより、小規模な設備、省エネルギー、低コストで高性能に気体の分離を実施できる。
また、本発明によれば、気体の混合物から透過性の大きい気体を透過させ、透過性の小さい気体は濃縮されることにより、透過性の大きい気体を系外に分離し、透過性の小さい気体を濃縮・回収することで目的気体を気体混合物から高純度で分離することができる。
単成分ガスの透過試験に用いた装置の模式図である。 混合ガスの透過試験に用いた装置の模式図である。 実施例1で作製したCHA型ゼオライト膜のXRDパターン[図中a)]および粉末のCHA型ゼオライトのXRDパターン[図中b)]である。
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明のガス分離用ゼオライト膜複合体は、複数の気体成分からなる気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離するガス分離用のゼオライト膜複合体であって、該ゼオライト膜が、CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含み、セラミックス支持体上に形成されてなることに特徴を有するものである。なお、本明細書において、「セラミックス支持体」を単に「支持体」と略称することがある。
(ガス分離用ゼオライト膜複合体)
本発明において、ゼオライト膜複合体は、上記のとおり、複数の気体成分からなる気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離する膜分離手段として用いられるものである。気体成分、分離方法、分離性能などは、ゼオライト膜複合体の詳細を説明した後に、ガス分離および分離性能の項において説明する。
(ゼオライト膜)
本発明において、ゼオライト膜を構成する成分としては、ゼオライト以外にシリカ、アルミナなどの無機バインダー、ポリマーなどの有機物、あるいはゼオライト表面を修飾するシリル化剤などを必要に応じ含んでいてもよい。
ゼオライト膜は、一部アモルファス成分などが含有されていてもよいが、好ましくは実質的にゼオライトのみで構成されるゼオライト膜である。
ゼオライト膜の厚さは特に限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。また、通常100μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは20μm以下の範囲である。膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性が低下したり、膜強度が低下する傾向がある。
ゼオライト膜を形成するゼオライトの粒子径は特に限定されないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる傾向がある。それ故、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下である。さらに、ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合がより好ましい。ゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じであるとき、ゼオライトの粒界が最も小さくなる。後に述べる水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径と膜の厚さが同じになる場合があるので好ましい。
ゼオライト膜の形状は特に限定されず、管状、中空糸状、モノリス型、ハニカム型などあらゆる形状を採用できる。また大きさも特に限定されず、例えば、管状の場合は、通常長さ2cm以上200cm以下、内径0.5cm以上2cm以下、厚さ0.5mm以上4mm以下が実用的で好ましい。
(ゼオライト)
本発明において、ゼオライト膜を構成するゼオライトはCHA型アルミノ珪酸塩である。
本発明において用いられるアルミノ珪酸塩は、SiとAlの酸化物を主成分とするものであり、本発明の効果を損なわない限り、それ以外の元素が含まれていてもよい。
本発明において用いられるアルミノ珪酸塩のSiO/Alモル比は 、特に限
定されるものではないが、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上である。上限は、通常Alが不純物程度の量であり、SiO/Alモル比としては10万以下である。SiO/Alモル比が前記下限未満ではゼオライト膜の緻密性が低下する場合があり、また耐久性が低下する傾向がある。SiO/Alモル比は、後に述べる水熱合成の反応条件により調整することができる。
なお、SiO/Alモル比は、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)により得られた数値である。数ミクロンの膜のみの情報を得るために通常はX線の加速電圧を10kVで測定する。
(CHA型ゼオライト)
本発明において、CHA型ゼオライトとは、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものを示す。天然に産出
するチャバサイトと同等の結晶構造を有するゼオライトである。CHA型ゼオライトは0.38×0.38nmの径を有する酸素8員環からなる3次元細孔を有することを特徴とする構造をとり、その構造はX線回折データにより特徴付けられる。
CHA型ゼオライトのフレームワーク密度(T/nm)は14.5である。また、SiO/Alモル比は上記と同様である。
ここで、フレームワーク密度(T/nm)とは、ゼオライトのnm(1000Å)あたりの、骨格を構成する酸素以外の元素(T元素)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なお、フレームワーク密度とゼオライトの構造との関係はATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
(セラミックス支持体)
セラミックス支持体は、その表面などにゼオライトを膜状に結晶化できるような化学的安定性がある多孔質の無機物質であれば如何なるものであってもよい。具体的には、例えば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体などが挙げられる。
セラミックス支持体は、その一部がゼオライト膜合成中にゼオライト化することで界面の密着性を高める効果がある。
さらに、アルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含むセラミックス支持体は、支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、支持体とゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなるのでより好ましい。
支持体の形状は、気体混合物や液体混合物を有効に分離できるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、平板状、管状のもの、または円筒状、円柱状や角柱状の孔が
多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられる。
本発明において、セラミックス支持体の表面などにゼオライト膜を形成、好ましくはゼオライトを膜状に結晶化させる。
支持体が有する平均細孔径は特に制限されないが、細孔径が制御されているものが好ましく、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になったり、緻密なゼオライト膜が形成されにくくなる傾向がある。
支持体の表面は滑らかであることが好ましく、必要に応じて表面をやすり等で研磨してもよい。なお、支持体の表面とはゼオライト膜を形成させる支持体の表面部分を意味し、表面であればそれぞれの形状のどこの表面であってもよく、複数の面であっても良い。例えば円筒管の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってよい。
また、支持体の細孔径は特に制限されず、また特に制御する必要は無いが、気孔率は、通常20%以上60%以下であることが好ましい。気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では支持体の強度が低下する傾向がある。
(ゼオライト膜複合体)
ゼオライト膜複合体とは、支持体の表面などにゼオライトが膜状に固着しているものであり、場合によっては、ゼオライトの一部が、支持体の内部にまで固着している状態のものが好ましい。
ゼオライト膜複合体としては、支持体の表面などにゼオライトを水熱合成により膜状に結晶化させたものが好ましい。
ゼオライト膜の支持体上の位置は特に限定されず、管状の支持体を用いる場合、外表面にゼオライト膜をつけてもよいし、内表面につけてもよく、さらに適用する系によっては両面につけてもよい。また、支持体の表面に積層させてもよいし、支持体の表面層の細孔内を埋めるように結晶化させてもよい。この場合、結晶化した膜層の内部に亀裂や連続した微細孔が無いことが重要であり、いわゆる緻密な膜を形成させることが分離性を向上することになる。
本発明において、ゼオライト膜複合体は、X線回折のパターンにおいて、2θ=17.9°付近のピークの強度が2θ=20.8°付近のピークの強度の0.5倍以上の大きさ
であることが好ましい。
ここで、ピークの強度とは、測定値からバックグラウンドの値を引いたものをさす。(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で表
されるピーク強度比(以下これを「ピーク強度比A」 ということがある。)でいえば、
通常0.5以上、好ましくは0.8以上である。上限は特に限定されないが、通常1000以下である。
また、本発明においてゼオライト膜複合体は、X線回折のパターンにおいて、2θ=9.6°付近のピークの強度が2θ=20.8°付近のピークの強度の4倍以上の大きさで
あることが好ましい。
(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で
表されるピーク強度比(以下これを「ピーク強度比B」ということがある。)でいえば、通常4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、特に好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、通常1000以下である。
ここでいう、X線回折パターンとはゼオライトが主として付着している側の表面にCuKαを線源とするX線を照射して、走査軸をθ/2θとして得るものである。測定するサンプルの形状としては、膜複合体のゼオライトが主として付着している側の表面にX線が照射できるような形状なら何でもよく、膜複合体の特徴をよく表すものとして、作成した膜複合体そのままのもの、あるいは装置によって制約される適切な大きさに切断したものが好ましい。
ここでいうX線回折パターンは、ゼオライト膜複合体の表面が曲面である場合には自動可変スリットを用いて照射幅を固定して測定してもかまわない。自動可変スリットを用いた場合のX線回折パターンとは、可変→固定スリット補正を実施したパターンを指す。
ここで、2θ=17.9°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち17.9°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
2θ=20.8°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち20.8°±0.6°の範囲に存在するピークで最大のものを指す。
2θ=9.6°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち9.6°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
X線回折パターンで2θ=9.6°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 2016104487
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(1,0,0)の面に由来するピークである。
また、X線回折パターンで2θ=17.9°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 2016104487
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(1,1,1)の面に由来するピークである。
X線回折パターンで2θ=20.8°付近のピークはCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによればrhombohedral settingで空間群を
Figure 2016104487
(No.166)とした時にCHA構造において指数が(2,0,−1)の面に由来する
ピークである。
(1,0,0)面由来のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来のピーク強度の典型的な比(ピーク強度比B)は、COLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによれば2.5である。
そのため、この比が4以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,0,0)面が膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。ゼオライト膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは分離性能の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
(1,1,1)面由来のピークの強度と(2,0,−1)の面に由来のピーク強度の典型的な比(ピーク強度比A)は、COLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FOR ZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERによれば0.3である。
そのため、この比が0.5以上であるということは、例えば、CHA構造をrhombohedral settingとした場合の(1,1,1)面が膜複合体の表面と平行に近い向きになるようにゼオライト結晶が配向して成長していることを意味すると考えられる。ゼオライト膜複合体においてゼオライト結晶が配向して成長することは分離性能の高い緻密な膜が出来るという点で有利である。
このように、ピーク強度比A、Bのいずれかが、上記した特定の範囲の値であるということは、ゼオライト結晶が配向して成長し、分離性能の高い緻密な膜が形成されていることを示すものである。
CHA型ゼオライト結晶が配向して成長している緻密なゼオライト膜は、次に述べる通り、ゼオライト膜を水熱合成法により形成する際に、例えば、特定の有機テンプレートを用い、水性反応混合液中にKイオンを共存させることにより達成することができる。
(ゼオライト膜の製造方法)
本発明において、ゼオライト膜の製造方法は、ゼオライトを含む膜が形成可能な方法であれば特に制限されず、例えば、(1)支持体上にゼオライトを膜状に結晶化させる方法、(2)支持体にゼオライトを無機バインダー、あるいは有機バインダーなどで固着させる方法、(3)ゼオライトを分散させたポリマーを固着させる方法、(4)ゼオライトのスラリーを支持体に含浸させ、場合によっては吸引させることによりゼオライトを支持体に固着させる方法などの何れの方法も用いることができる。
これらの中で、セラミックス支持体にゼオライトを膜状に結晶化させる方法が特に好ましい。結晶化の方法に特に制限はないが、支持体を、ゼオライト製造に用いる水熱合成用の反応混合物(以下これを「水性反応混合物」ということがある。)中に入れて、直接水熱合成することで支持体表面などにゼオライトを結晶化させる方法が好ましい。
具体的には、例えば、組成を調整して均一化した水性反応混合物を、支持体を内部に緩やかに固定した、オートクレーブなどの耐熱耐圧容器に入れて密閉して、一定時間加熱すればよい。
水性反応混合物としては、Si元素源、Al元素源、(必要に応じて)有機テンプレート、および水を含み、さらに必要に応じアルカリ源を含むものが好ましい。
水性反応混合物に用いるSi元素源としては、例えば、無定形シリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル、ケイ酸ナトリウム、無定形アルミのシリケートゲル、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリメチルエトキシシラン等を用いることができる。
Al元素源としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アル
ミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、無定形アルミノシリケートゲル等を用いることができる。なお、Al元素源以外に他の元素源、例えばGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、Znなどの元素源を含んでいてもよい。
ゼオライトの結晶化において、必要に応じて有機テンプレート(構造規定剤)を用いることができるが、有機テンプレートを用いて合成したものが好ましい。有機テンプレートを用いて合成することにより、結晶化したゼオライトのアルミニウム原子に対するケイ素原子の割合が高くなり、結晶性が向上する。
有機テンプレートとしては、所望のゼオライト膜を形成しうるものであれば種類は問わず、如何なるものであってもよい。また、テンプレートは1種類でも、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
有機テンプレートとしては、通常、アミン類、4級アンモニウム塩類が用いられる。例えば、米国特許第4544538号明細書、米国特許公開第2008/0075656号明細書に記載の有機テンプレートが好ましいものとして挙げられる。
具体的には、例えば、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオン、3−キナクリジナールから誘導されるカチオン、3−exo−アミノノルボルネンから誘導されるカチオン等の脂環式アミンから誘導されるカチオンが挙がられる。これらの中で、1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンがより好ましい。
1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンを有機テンプレートとしたとき、緻密な膜を形成しうるCHA型ゼオライトが結晶化する。
1−アダマンタンアミンから誘導されるカチオンのうち、N,N,N−トリアルキル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンがさらに好ましい。N,N,N−トリアルキル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンの3つのアルキル基は、通常、それぞれ独立したアルキル基であり、好ましくは低級アルキル基、より好ましくはメチル基である。それらの中で最も好ましい化合物は、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムカチオンである。
このようなカチオンは、CHA型ゼオライトの形成に害を及ぼさないアニオンを伴う。このようなアニオンを代表するものには、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオンや水酸化物イオン、酢酸塩、硫酸塩、およびカルボン酸塩が含まれる。これらの中で、水酸化物イオンが特に好適に用いられる。
また、その他の有機テンプレートとしては、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンも用いることができる。この場合もアルキル基は、それぞれ独立したアルキル基であり、好ましくは低級アルキル基、より好ましくはメチル基である。それらの中で、最も好ましい化合物は、N,N,N−トリメチルベンジルアンモニウムカチオンである。
また、このカチオンが伴うアニオンは上記と同様である。
水性反応混合物に用いるアルカリ源としては、有機テンプレートのカウンターアニオンの水酸化物イオン、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Ca(OH)などのアルカリ土類金属水酸化物などを用いることができる。
アルカリの種類は特に限定されず、通常Na、K、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、好ましくはNa、K、より好ましくはKである。また、アルカリは2種類以上を併用してもよく、具体的には、NaとK、あるいはLiとKを併用するのが好ましい。
水性反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比は、通常、それぞれの元素の酸化物のモル比、すなわちSiO/Alモル比として表わす。
SiO/Al比は特に限定されないが、通常5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。また、通常10万以下である。
SiO/Al比がこの範囲にあるとき、緻密な膜を形成しうるCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを結晶化させることができる。
水性反応混合物中のシリカ源と有機テンプレートの比は、SiOに対する有機テンプレートのモル比(有機テンプレート/SiO比)で、通常0.005以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上であり、通常1以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下である。この範囲にあるとき緻密なゼオライト膜が生成しうることに加えて、生成したゼオライトが耐酸性に強くAlが脱離しにくい。また、この条件において、特に緻密で耐酸性のCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを形成させることができる。
Si元素源とアルカリ源の比は、M(2/n)O/SiO(ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)モル比で、通常0.02以上、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.05以上であり、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。
CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライト膜を形成する際、アルカリ金属の中でカリウム(K)が含まれる場合がより緻密で結晶性の高い膜を生成させるという点で好ましい。その場合のKと、Kを含むすべてのアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属とのモル比は、通常0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であり、上限は通常1以下である。
水性反応混合物中へのKの添加は、前記のとおり、rhombohedral settingで空間群を
Figure 2016104487
(No.166)とした時に、CHA構造において指数が(1,0,0)の面に由来するピークである2θ=9.6°付近のピーク強度と(2,0,−1)の面に由来するピークである2θ=20.8°付近のピーク強度の比(ピーク強度比B)、または、(1,1,1)の面に由来するピークである2θ=17.9°付近のピーク強度と(2,0,−1)の面に由来するピークである2θ=20.8°付近のピーク強度の比(ピーク強度比A)を大きくする傾向がある。
Si元素源と水の比は、SiOに対する水のモル比(HO/SiOモル比)で、通常10以上、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、特に好ましくは50以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、特に好ましくは150以下である。
水性反応混合物中の物質のモル比がこれらの範囲にあるとき、緻密なゼオライト膜が生成しうる。水の量は緻密なゼオライト膜の生成においてとくに重要であり、粉末合成法の一般的な条件よりも水がシリカに対して多い条件のほうが細かい結晶が生成して緻密な膜ができやすい傾向にある。
一般的に、粉末のCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを合成する際の水の量は、HO/SiOモル比で、15〜50程度である。HO/SiOモル比が高い(50以上1000以下)、すなわち水が多い条件にすることにより、支持体の表面などにCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトが緻密な膜状に結晶化した分離性能の高いゼオライト膜複合体を得ることができる。
さらに、水熱合成に際して、必ずしも反応系内に種結晶を存在させる必要は無いが、種結晶を加えることで、支持体上にゼオライトの結晶化を促進できる。種結晶を加える方法としては特に限定されず、粉末のゼオライトの合成時のように、水性反応混合物中に種結晶を加える方法や、支持体上に種結晶を付着させておく方法などを用いることができる。ゼオライト膜複合体を製造する場合は、支持体上に種結晶を付着させておくことが好ましい。支持体上に予め種結晶を付着させておくことで緻密で分離性能良好なゼオライト膜が生成しやすくなる。
使用する種結晶としては、結晶化を促進するゼオライトであれば種類は問わないが、効率よく結晶化させるためには形成するゼオライト膜と同じ結晶型であることが好ましい。CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライト膜を形成する場合は、CHA型ゼオライトの種結晶を用いることが好ましい。
種結晶の粒子径は小さいほうが望ましく、必要に応じて粉砕して用いても良い。粒径は、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上であり、通常5μm以下、好ましくは、3μm以下、より好ましくは2μm以下である。
支持体上に種結晶を付着させる方法は特に限定されず、例えば、種結晶を水などの溶媒に分散させてその分散液に支持体を浸けて表面に種結晶を付着させるディップ法や、種結晶を水などの溶媒と混合してスラリー状にしたものを支持体上に塗りこむ方法などを用いることができる。種結晶の付着量を制御し、再現性良く膜複合体を製造するにはディップ法が望ましい。
種結晶を分散させる溶媒は特に限定されないが、特に水が好ましい。分散させる種結晶の量は特に限定されず、分散液の全重量に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。また、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。
分散させる種結晶の量が少なすぎると、支持体上に付着する種結晶の量が少ないため、水熱合成時に支持体表面に部分的にゼオライトが生成しない箇所ができ、欠陥のある膜となる可能性がある。分散液中の種結晶の量が多すぎると、ディップ法によって支持体上に付着する種結晶の量がほぼ一定となるため、種結晶の無駄が多くなりコスト面で不利である。
支持体にディップ法あるいはスラリーの塗りこみによって種結晶を付着させ、乾燥した後にゼオライト膜の形成を行うことが望ましい。
支持体上に予め付着させておく種結晶の重量は特に限定されず、基材1mあたりの重量で、通常0.01g以上、好ましくは0.05g以上、より好ましくは0.1g以上であり、通常100g以下、好ましくは50g以下、より好ましくは10g以下、更に好ましくは8g以下である。
種結晶の量が下限未満の場合には、結晶ができにくくなり、膜の成長が不十分になる場合や、膜の成長が不均一になったりする傾向がある。また、種結晶の量が上限を超える場合には、表面の凹凸が種結晶によって増長されたり、支持体表面から落ちた種結晶によって自発核が成長しやすくなって支持体上の膜成長が阻害されたりする場合がある。何れの場合も、緻密なゼオライト膜が生成しにくくなる傾向となる。
水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する場合、支持体の固定化方法に特に制限はなく、縦置き、横置きなどあらゆる形態をとることができる。この場合、静置法でゼオライト膜を形成させてもよいし、水性反応混合物を攪拌させてゼオライト膜を形成させ
てもよい。
ゼオライト膜を形成させる際の温度は特に限定されないが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。反応温度が低すぎると、ゼオライトが結晶化し難くなることがある。また、反応温度が高すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
加熱時間は特に限定されないが、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上であり、通常10日間以下、好ましくは5日以下、より好ましくは3日以下、さらに好ましくは2日以下である。反応時間が短すぎるとゼオライトが結晶化し難くなることがある。反応時間が長すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成し易くなることがある。
ゼオライト膜形成時の圧力は特に限定されず、密閉容器中に入れた水性反応混合物を、この温度範囲に加熱したときに生じる自生圧力で十分である。さらに必要に応じて、窒素などの不活性ガスを加えても差し支えない。
水熱合成により得られたゼオライト膜複合体は、水洗した後に、加熱処理して、乾燥させる。ここで、加熱処理とは、熱をかけてゼオライト膜複合体を乾燥又はテンプレートを使用した場合にテンプレートを焼成することを意味する。
加熱処理の温度は、乾燥を目的とする場合は、通常50℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは150℃以下である。加熱処理の温度はテンプレートの焼成を目的とする場合通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、更に好ましくは450℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である。
加熱時間は、ゼオライト膜が十分に乾燥、またはテンプレートが焼成する時間であれば特に限定されず、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上である。上限は特に限定されず、通常200時間以内、好ましくは150時間以内、より好ましくは100時間以内である。
水熱合成を有機テンプレートの存在下で行った場合、得られたゼオライト膜複合体を、水洗した後に、例えば、加熱処理や抽出などにより、好ましくは加熱処理、すなわち焼成により有機テンプレートを取り除くことが適当である。
焼成温度が低すぎると有機テンプレートが残っている割合が多くなる傾向があり、ゼオライトの細孔が少なく、そのために分離濃縮の際のガスの透過量が減少する場合がある。焼成温度が高すぎると支持体とゼオライトの熱膨張率の差が大きくなるためゼオライト膜に亀裂が生じやすくなる可能性があり、ゼオライト膜の緻密性が失われ分離性能が低くなることがある。
焼成時間は、昇温速度や降温速度により変動するが、有機テンプレートが十分に取り除かれる時間であれば特に限定されず、好ましくは1時間以上、より好ましくは5時間以上である。上限は特に限定されず、例えば、通常200時間以内、好ましくは150時間以内、より好ましくは100時間以内、特に好ましくは24時間以内である。焼成は空気雰囲気で行えばよいが、酸素を付加した雰囲気で行ってもよい。
焼成の際の昇温速度は、支持体とゼオライトの熱膨張率の差がゼオライト膜に亀裂を生じさせることを少なくするために、なるべく遅くすることが望ましい。昇温速度は、通常5℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、さらに好ましくは1℃/分以下、特に好ましく
は0.5℃/分以下である。通常、作業性を考慮し0.1℃/分以上である。
また、焼成後の降温速度もゼオライト膜に亀裂が生じることを避けるためにコントロールする必要がある。昇温速度と同様、遅ければ遅いほど望ましい。降温速度は、通常5℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、さらに好ましくは1℃/分以下、特に好ましくは0.5℃/分以下である。通常、作業性を考慮し0.1℃/分以上である。
ゼオライト膜は、必要に応じてイオン交換しても良い。イオン交換は、テンプレートを用いて合成した場合は、通常、テンプレートを除去した後に行う。イオン交換するイオンとしては、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオン、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+などのアルカリ土類金属イオン、Fe、Cu、Zn、Agなどの遷移金属のイオンなどが挙げられる。これらの中で、プロトン、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオンが好ましい。
イオン交換は、焼成後(テンプレートを使用した場合など)のゼオライト膜を、NHNO、NaNOなどアンモニウム塩あるいは交換するイオンを含む水溶液、場合によっては塩酸などの酸で、通常、室温から100℃の温度で処理後、水洗する方法などにより行えばよい。さらに、必要に応じて200℃〜500℃で焼成してもよい。
加熱処理後のゼオライト膜複合体の空気透過量は、通常1400L/(m・h)以下、好ましくは1000L/(m・h)以下、より好ましくは700L/(m・h)以下、より好ましくは600L/(m・h)以下、さらに好ましくは500L/(m・h)以下、特に好ましくは300L/(m・h)以下、もっとも好ましくは200L/(m・h)である。透過量の下限は特に限定されないが、通常0.01L/(m・h)以上、好ましくは0.1L/(m・h)以上、より好ましくは1L/(m・h)以上である。
ここで、空気透過量とは、実施例の項で詳述するとおり、ゼオライト膜複合体を大気圧下におき、ゼオライト膜複合体の内側を5kPaの真空ラインに接続した時の空気の透過量[L/(m・h)]である。
かくして製造されるゼオライト膜複合体は、優れた特性をもつものであり、本発明におけるガス分離用の膜分離手段として好適に用いることができる。
(ガス分離)
本発明のガス分離方法は、上記ゼオライト膜複合体に、複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離することに特徴を有するものである。
本発明におけるゼオライト膜の分離機能の一つは、分子ふるいとしての分離であり、用いるゼオライトの有効細孔径以上の大きさを有する気体分子とそれ以下の気体分子とを好適に分離することができる。
従って、本発明における透過性の高い気体成分とは、CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライト結晶相の細孔を通過しやすい気体分子からなる気体成分であり、分子径が概ね0.38nm程度より小さい気体分子からなる気体成分が好ましい。
ゼオライトの有効細孔径は導入する金属種やイオン交換、酸処理、シリル化などによって制御することが可能である。有効細孔径を制御することによって、分離性能を向上させることも可能である。
ゼオライト骨格に導入する金属種の原子径によって、細孔径はわずかに影響を受ける。ケイ素よりも原子径が小さな金属、具体的には例えばホウ素(B)等を導入した場合には細孔径は小さくなり、ケイ素よりも大きな原子径の金属、具体的には例えばスズ(Sn)等を導入した場合には細孔径は大きくなる。
また酸処理によって、導入されている金属を骨格から脱離することによって、細孔径が影響される場合がある。
イオン交換により、イオン半径の大きな1価のイオンで交換した場合には、有効細孔径は小さくなる方向となり、一方イオン半径の小さな1価のイオンで交換した場合には有効細孔径は、CHA構造がもつ細孔径に近い値となる。またカルシウムのような2価のイオンの場合にも交換サイトの位置によっては、有効細孔径がCHA構造がもつ細孔径に近い値となる。
シリル化によっても、ゼオライトの有効細孔径を小さくすることが可能である。外表面の末端シラノールをシリル化し、さらに、シリル化層を積層することによって、ゼオライトの外表面に面した細孔の有効細孔径は小さくなる。
また、本発明のゼオライト複合膜のもうひとつの分離機能は、ゼオライトの表面物性の制御により気体分子のゼオライト膜への吸着性を制御することである。すなわち、ゼオライトの極性を制御することによりゼオライトへの吸着性の大きな分子を透過させやすくすることもできる。
ゼオライト骨格のSiをAlで置換することにより極性を大きくすることが可能であり、これにより、極性の大きい気体分子を積極的にゼオライト細孔に吸着、透過させることができる。また、Alの置換量が減少すると極性の小さいゼオライト膜となり、極性の小さい気体分子を透過させるに有利となる。
またGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、ZnをAl元素源以外に他の元素源にいれて、極性を制御することも可能である。
このほか、イオン交換によって、分子の吸着性能や、ゼオライト細孔径の制御を制御し、透過性能をコントロールすることもできる。
本発明において、望ましい気体混合物としては、二酸化炭素、水素、酸素、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ブテン、2-ブテン、イソブテン、六フッ化硫黄、ヘリウム、一酸化炭素、一酸化窒素、水な
どから選ばれる少なくとも1種の成分を含むものが挙げられる。前記ガスを含む気体混合物の成分のうち、パーミエンスの高い気体成分は、ゼオライト膜複合体を透過し分離され、パーミエンスの低い気体成分は供給ガス側に濃縮される。
さらに気体混合物としては、上記成分の少なくとも2種の成分を含むものがより好ましい。この場合、2種の成分としては、パーミエンスの高い成分とパーミエンスの低い成分の組合せが好ましい。
ガス分離の条件は、対象とするガス種や組成、膜の性能により異なるが、温度は、通常0〜300℃、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは室温〜150℃である。
供給ガスの圧力は、分離対象のガスが高圧であればそのままの圧力でもよく、適宜圧力を減圧調整して所望の圧力にして用いても良い。分離対象のガスが、分離に用いる圧力より低い場合は、圧縮機などで増圧して用いることができる。
供給ガスの圧力は特に制限されないが、通常大気圧若しくは大気圧より大きく、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは、0.11MPa以上である。また、通常上限値は20MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
供給側のガスと透過側のガスの差圧は特に制限されないが、通常20MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、更に好ましくは1MPa以下である。また通常0.001MPa以上、好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.02MPa以上である。
ここで差圧とは、当該ガスの供給側の分圧と透過側の分圧の差をいう。尚、本発明における圧力[Pa]は、特に断りのない限り、絶対圧を指す。
供給ガスの流速は、透過するガスの減少を補うことが可能である程度の流速で、また供給ガスにおいて透過性の小さなガスの膜のごく近傍における濃度とガス全体における濃度が一致するように、ガスを混合できるだけの流速であればよく、分離ユニットの管径、膜の分離性能にもよるが、通常0.5mm/sec以上、この好ましくは1mm/sec以上であり、上限は特に制限なく、通常、1m/sec以下、好ましくは0.5m/sec以下である。
本発明の分離方法において、スイープガスを用いてもよい。スイープガスを用いた方法とは、透過側に供給ガスとは異なる種類のガスを流し、膜を透過したガスを回収するものである。
スイープガスの圧力は、通常大気圧であるが特に制限はなく、好ましくは20MPa以下、より好ましくは10MPa以下、更に好ましくは1MPa以下であり、下限は、好ましくは0.09MPa以上、より好ましくは、0.1MPa以上である。場合によっては、減圧にして用いても良い。
スイープガスの流速は、特に制限はないが、通常10−7mol/(m・s)以上10mol/(m・s)以下である。
ガス分離に用いる装置は、特に限定されないが、通常はモジュールにして用いる。膜モジュールは、例えば、図1及び2に示したような装置でもよいし、され「ガス分離・精製技術」(株)東レリサーチセンター2007年発行22頁に例示されている膜モジュールを用いてもよい。
(分離性能)
本発明におけるゼオライト膜複合体は、耐薬品性、耐酸化性、耐熱安定性、耐圧性に優れかつ、高い透過性能、分離性能を発揮し、耐久性に優れた性能を持つ。特に無機ガス、低級炭化水素の分離に優れた分離性能を示す。
ここでいう高い透過性能とは、十分な処理量を示し、例えば、膜を透過する気体成分のパーミエンス(Permeance)[mol・(m・s・Pa)−1]が、例えば二酸化炭素を、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合、通常1×10−9以上、好ましくは5×10−8以上、より好ましくは1×10−7以上であり、上限は特に限定されず、通常1×10−4以下である。
また、パーミエンス[mol・(m・s・Pa)−1]は、例えばメタンを同様の条件で透過させた場合、通常1×10−7以下、好ましくは1×10−8以下、より好ましくは5×10−9以下であり、理想的にはパーミエンスは0であるが、実用上10−10〜10−14程度以上のオーダーとなる場合がある。
ここで、パーミエンス(Permeance)とは、透過する物質量を、膜面積と時間と透過する物質の供給側と透過側の分圧差の積で割ったものであり、単位は、[mol・(m・s・Pa)−1]であり、実施例の項において述べる方法により算出される値である。「透過度」ともいうことがある。
また、ゼオライト膜の選択性は分離係数により表される。分離係数は膜分離で一般的に用いられる選択性を表す指標であり、実施例の項において述べる方法により算出される値である。
分離係数は、例えば、二酸化炭素とメタンの体積比1:1の混合ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合、通常2以上、好ましくは10以上、より好ましくは30以上、特に好ましくは50以上である。分離係数の上限は完全に二酸化炭素しか
透過しない場合でありその場合は無限大となるが、実用上、分離係数は10万程度以下となる場合がある。
本発明のガス分離用ゼオライト膜複合体は、上記のとおり、耐薬品性、耐酸化性、耐熱安定性、耐圧性に優れかつ、高い透過性能、分離性能を発揮し、耐久性に優れるものであり、例えば次のようなガス分離技術として特に好適に用いることができる。
二酸化炭素分離技術としては、天然ガスからの二酸化炭素の除去、生活系廃棄物などの有機物の埋め立てにより発生するランドファィルガス(メタン約60%、二酸化炭素40%、微量の窒素、水蒸気含有)からの二酸化炭素除去等が挙げられる。
水素分離技術としては、石油精製工業における水素回収、化学工業の各種反応プロセスにおける水素回収・精製(水素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素等の混合物)、燃料電池用の高純度水素の製造などがある。燃料電池用の水素製造は、メタンの水蒸気改質反応により得られ、H、CO、CH、HOの混合ガスから水素の分離が必要とされている。
そのほか、酸素分離技術として、空気からの酸素富化ガスの製造(医療用、燃焼用酸素富化空気など)、窒素分離技術として空気からの窒素素富化ガスの製造(防爆用、酸化防止など)、水蒸気分離(精密機械等の脱湿)、溶存ガス分離(水、有機液体からの脱気)、有機ガス分離(石油精製工業、石油化学工業における有機ガス分離、オレフィン、パラフィンの分離)などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、ゼオライト膜の物性及び分離性能は、次の方法で測定した。また以下、「CHA型珪酸塩のゼオライト」を単に「CHA型ゼオライト」と呼ぶ。
(1)X線回折(XRD)
XRD測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:オランダPANalytical社製X’PertPro MPD
・光学系仕様 入射側:封入式X線管球(CuKα)
Soller Slit (0.04rad)
Divergence Slit (Valiable Slit)
試料台:XYZステージ
受光側:半導体アレイ検出器(X’ Celerator)
Ni−filter
Soller Slit (0.04rad)
ゴニオメーター半径:240mm
・測定条件 X線出力(CuKα):45kV、40mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):5.0−70.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°
計数時間:99.7sec
自動可変スリット(Automatic−DS):1mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
なお、X線は円筒管の軸方向に対して垂直な方向に照射した。またX線は、できるだけ
ノイズ等がはいらないように、試料台においた円筒管状の膜複合体と、試料台表面に平行な面とが接する2つのラインのうち、試料台表面に接するラインではなく、試料台表面より上部にあるもう一方のライン上に主にあたるようにした。
また、照射幅を自動可変スリットによって1mmに固定して測定し、Materials Data, Inc.のXRD解析ソフトJADE 7.5.2(日本語版)を用いて可変ス
リット→固定スリット変換を行ってXRDパターンを得た。
(2)SEM−EDX
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4800
EDX:EDAX Genesis
・加速電圧:10kV
倍率5000倍での視野全面(25μm×18μm)を走査し、X線定量分析を行った。
(3)SEM
SEM測定は以下の条件に基づき行った。
・装置名:SEM:FE−SEM Hitachi:S−4100
・加速電圧:10kV
(4)空気透過量
大気圧下で、ゼオライト膜複合体の一端を封止し、他端を、気密性を保持した状態で5kPaの真空ラインに接続して、真空ラインとゼオライト膜複合体の間に設置したマスフローメーターでゼオライト膜複合体を透過した空気の流量を測定し、空気透過量[L/(
・h)]とした。マスフローメーターとしてはKOFLOC社製8300、Nガス
用、最大流量500ml/min(20℃、1気圧換算)を用いた。KOFLOC社製8
300においてマスフローメーターの表示が10ml/min(20℃、1気圧換算)以
下であるときはLintec社製MM−2100M、Airガス用、最大流量20ml/
min(0℃、1気圧換算)を用いて測定した。
(5)単成分ガス透過試験
単成分ガス透過試験は、図1、または図2に模式的に示す装置を用いて、以下のとおり行った。用いた試料ガスは、二酸化炭素(純度99.9%、高圧ガス工業社製)、メタン(純度99.999%、ジャパンファインプロダクツ製)、水素(純度99.99%以上、HORIBA STEC製水素発生器OPGU−2200より発生)、窒素(純度99.99%、東邦酸素工業製)、ヘリウム(純度99.99、ジャパンヘリウムセンター製)
である。
図1において、円筒形のゼオライト膜複合体1は、ステンレス製の耐圧容器2に格納された状態で恒温槽(図示せず)に設置されている。恒温槽には、試料ガスの温度調整が可能なように、温度制御装置が付設されている。
円筒形のゼオライト膜複合体1の一端は、円柱状のエンドピン3で密封されている。他端は接続部4で接続され、接続部4の他端は、耐圧容器2と接続されている。円筒形のゼオライト膜複合体の内側と、透過ガス8を排出する配管11が、接続部4を介して接続されており、配管11は、耐圧容器2の外側に伸びている。耐圧容器2には、試料ガスの供給側の圧力を測る圧力計5が接続されている。各接続部は気密性よく接続されている。
図2において、円筒形のゼオライト膜複合体1は、ステンレス製の耐圧容器2に格納された状態で、恒温槽(図示せず)に設置されている。恒温槽には、試料ガスの温度調整が可能なように、温度制御装置が付設されている。
円筒形のゼオライト膜複合体1の一端は、円形のエンドピン3で密封されている。他端
は、接続部4で接続され、接続部4の他端は耐圧容器2と接続されている。円筒形のゼオライト膜複合体の内側と透過ガス8を排出する配管11が、接続部4を介して接続されており、配管11は、耐圧容器2の外側に伸びている。また、ゼオライト膜複合体1には、配管11を経由して、スイープガス9を供給する配管12が挿入されている。さらに、耐圧容器2には、試料ガスの供給側の圧力を測る圧力計5、供給側の圧力を調整する背圧弁6が接続されている。各接続部は気密性よく接続されている。
図1の装置において、単成分ガス透過試験を行う場合は、試料ガス(供給ガス7)を、一定の圧力で耐圧容器2とゼオライト膜複合体1の間に供給し、ゼオライト膜複合体を透過した透過ガス8を、配管11に接続されている流量計(図示せず)にて測定する。
図2の装置において、単成分ガス透過試験を行う場合は試料ガス(供給ガス7)を、一定の流量で耐圧容器2とゼオライト膜複合体1の間に供給し、背圧弁6により供給側の圧力を一定とする。配管11から排出される排出ガスの流量を測定する。
さらに具体的には、水分や空気などの成分を除去するため、測定温度以上での乾燥、及び、排気若しくは使用する供給ガスによるパージ処理をした後、試料温度及びゼオライト膜複合体1の供給ガス7側と透過ガス8側の差圧を一定として、透過ガス流量が安定したのちに、ゼオライト膜複合体1を透過した試料ガス(透過ガス8)の流量を測定し、ガスのパーミエンス[mol・(m・s・Pa)−1]を算出する。パーミエンスを計算する際の圧力は、供給ガスの供給側と透過側の圧力差(差圧)を用いる。
上記測定結果に基づき、理想分離係数αを下記式(1)により算出する。
α=(Q/Q)/(P/P) (1)
〔式(1)中、QおよびQは、それぞれ、透過性の高いガスおよび透過性の低いガスの透過量[mol・(m・s)−1]を示し、PおよびPは、それぞれ、供給ガスである透過性の高いガスおよび透過性の低いガスの圧力[Pa]を示す。〕
(6)混合ガス透過試験
ゼオライト膜複合体の混合ガス透過試験は、図2に模式的に示す装置を用いて、以下のとおり行った。用いた試料ガスは、二酸化炭素(純度99.9%、高圧ガス工業社製)、メタン(純度99.999%、ジャパンファインプロダクツ製)、水素(純度99.99%以上、HORIBA STEC製水素発生器OPGU−2200より発生)、窒素(9
9.99%、東邦酸素工業製)である。流量制御機器を用いて所定の割合で混合したガスを供給した。
混合ガス透過試験に用いる図2の装置の具体的な構成は上述の通りである。
図2の装置において、試料ガス(供給ガス7)を、一定の流量で耐圧容器2とゼオライト膜複合体1の間に供給し、背圧弁6により供給側の圧力を一定とする。配管11から排出される排出ガスの流量を測定するとともに、排出ガスを分取してガスクロマトグラフによる成分分析を行う。スイープガスを使用する場合はスイープガス9を配管12から、ゼオライト膜複合体1の内側に流し、配管11から排出される排出ガス(スイープガス9の排出ガス及び同伴された透過ガス8)の流量を測定するとともに、排出ガスを分取してガスクロマトグラフによる成分分析を行う。
このときの、ゼオライト膜複合体1を透過した各成分ガスの流速を、上記のとおり測定し、ガスの透過量[mol・(m・s)−1]を算出する。
上記測定結果に基づき、分離係数α’を下記式(2)により算出する。
α’=(Q’/Q’)/(P’/P’) (2)
〔式(2)中、Q’およびQ’は、それぞれ、透過性の高いガスおよび透過性の低いガスの透過量[mol・(m・s)−1]を示し、P’およびP’は、それぞれ、供給ガス中の透過性の高いガスおよび透過性の低いガスの分圧[Pa]を示す。〕
また分離性能を表す指標としてパーミエンス比を用いる場合もある。パーミエンス比は透過性の低いガスのパーミエンスに対する透過性の高いガスのパーミエンスの比率であり、下記式(3)により算出する。
パーミエンス比=パーミエンス/パーミエンス (3)
〔式(3)中、パーミエンスおよびパーミエンスは、それぞれ、透過性の高いガスおよび透過性の低いガスのパーミエンス[mol・(m・s・Pa)−1]を示す。〕
混合ガス透過試験におけるパーミエンスは、供給側のガスの各成分の分圧と、透過側のガスの各成分の分圧との差を圧力差として、各ガスの面積当たり、時間当たりの透過量を圧力差で割ることで算出される。具体的には下記式(4)により算出することができる。パーミエンス=Q/(P(供給)−P(透過))
〔式(4)中、Qは算出しようとするガス成分の透過量[mol・(m・s)−1]を示し、P(供給)およびP(透過)は、それぞれ供給ガス中の算出しようとするガスの分圧[Pa]、および透過ガス中の算出しようとするガスの分圧[Pa]を示す。〕
混合ガス透過試験における各ガス成分の透過量は、全体の透過量を流量計にて測定し、また透過ガスのガス組成をガスクロマトグラフィーで測定して、全体の透過量と組成から算出した。
(実施例1)
(1)CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライト膜複合体の作製
セラミックス支持体上にCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを直接水熱合成することによりセラミックス支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5g、1mol/L−KOH水溶液7.0g、水100.6gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TMADAOH」と称する。)水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.36gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.066/0.15/0.1/100/0.04、SiO/Al=15である。
セラミックス支持体としては、ニッカトー社製のムライトチューブPM(外径12mm、内径9mm)を80mmの長さに切断した後、超音波洗浄機で洗浄したのち乾燥させたものを用いた。
種結晶として、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.1/0.06/40/0.07のゲル組成(モル比)で、160℃、2日間水熱合成して結晶化させたものを、ろ過、水洗、乾燥して得られたCHA型ゼオライトを用いた。種結晶の粒径は0.3〜3μm程度であった。
この種結晶を約1質量%水中に分散させたものに、上記支持体を所定時間浸した後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は約0.9g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記水性反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、160℃で48時間
、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
この膜複合体を、空気中、電気炉で、550℃、10時間焼成した。このときの昇温速度と降温速度はともに0.5℃/分とした。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は154g/mであった。
SEM測定から求めた膜厚は約15μmであった。また、焼成後の空気透過量は50L/(m・h)であった。
生成したゼオライト膜のXRDパターンを図3のa)に示す。図中の*は支持体由来のピークである。XRD測定からCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
粉末のCHA型ゼオライト(米国特許第4544538号明細書においてSSZ−13と一般に呼称されるゼオライト、以下これを「SSZ−13」と称する。)のXRDパターンを図3のb)に示す。
図3から、生成したゼオライト膜のXRDパターンは、粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13のXRDパターンにくらべ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きいことがわかる。
粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13の(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=0.2に対し、生成したゼオライト膜
の(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)
=3.5であり、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面
への配向が推測された。
また、短冊状に切断したゼオライト膜複合体をSEMで観測した結果、表面に結晶が緻密に生成していた。
また、SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は17であった。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体の単成分ガス透過性を、図1の装置を用いて検討した。評価したガスは二酸化炭素、メタンである。
ゼオライト膜複合体1を、予め140℃、200Paで真空乾燥の前処理をした後、温度を50℃とした。次いで、供給ガス7を、耐圧容器2とゼオライト膜複合体1との円筒の間に導入して、圧力を0.1994MPaに保ち、ゼオライト膜複合体1の円筒の内側を0.1013MPa(大気圧)として、40分以上放置し、温度、供給ガス側の圧力、透過ガス速度を定常状態とした。
このとき、ゼオライト膜複合体1の供給ガス7側と透過ガス8側の差圧は、0.098MPaであった。
その結果、供給ガスとして、二酸化炭素を用いた際のパーミエンスは3.47×10−7mol・(m・s・Pa)−1、メタンを用いた際のパーミエンスは3.9×10−9mol・(m・s・Pa)−1であった。また、二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは89であった。
(3)混合ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体の混合ガス透過性を、図2の装置を用いて検討した。
供給ガスには流量調整機器で二酸化炭素49体積%、メタン51体積%に調整した混合ガスを使用した。上記混合ガスを供給ガス7として、耐圧容器2とゼオライト膜複合体1
との円筒の間に12mmol/minの流量で導入して、供給ガス圧力を0.1994MPaに保ち、スイープガス(窒素ガス)を4.5mmol/min(0.05mol/(m・s)流した。この状態で、ゼオライト膜複合体1を140℃として乾燥(前処理)したのち、50℃とし、40分以上放置して、温度、供給ガス側の圧力、透過したガス速度を定常状態とした。
ゼオライト膜複合体1の円筒の内側は0.107MPaであり、二酸化炭素およびメタンの、供給ガス7側の分圧は、それぞれ、0.0977MPaおよび0.102MPaである。
二酸化炭素の透過量は14.4mmol・(m・s)−1、メタンの透過量は0.205mmol・(m・s)−1であった。また、二酸化炭素とメタンの分離係数α’は73であった。
(実施例2)
(1)CHA型ゼオライト膜複合体の作製
セラミックス支持体上にCHA型ゼオライトを直接水熱合成することによりセラミックス支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は次のとおり調製した。
1mol/L−NaOH水溶液3.5g、1mol/L−KOH水溶液7g、水107.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al53.5質量%含有、アルドリッチ社製)0.44gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、TMADAOH水溶液(TMADAOH25質量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.033/0.05/0.1/100/0.04、SiO/Al=30である。
上記反応混合物を用い、焼成温度を450℃とした以外は、実施例1と同様にして、CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの質量は154g/mであった。また、焼成後の空気の透過量は50L/(m・h)であった。
XRD測定からCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。また、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=1.2であ
り、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推
測された。
また、短冊状に切断したCHA型ゼオライト膜複合体をSEMで観測した結果、表面に結晶が緻密に生成していた。
また、SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は22であった。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、単成分ガス透過試験を行った。評価したガスは二酸化炭素、メタンである。
二酸化炭素のパーミエンスは3.50×10−7mol・(m・s・Pa)−1、メタンのパーミエンスは2.46×10−9mol・(m・s・Pa)−1、二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは142であった。
(3)混合ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、混合ガス透過試験を行った。
二酸化炭素の透過量は16.5mmol・(m・s)−1、メタンの透過量は0.132mmol・(m・s)−1、二酸化炭素とメタンの分離係数α’は130であった。
(実施例3)
焼成温度を500℃とした以外は、実施例2と同様にして作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いて、供給ガスの圧力を0.2975MPaとした以外は、実施例2と同様にして、混合ガス透過試験を行った。評価したガスは二酸化炭素、メタンである。
二酸化炭素の透過量は25.0mmol・(m・s)−1、メタンの透過量は0.191mmol・(m・s)−1、二酸化炭素とメタンの分離係数α’は136であった。
(実施例4)
(1)単成分ガス透過試験
焼成温度を500℃とした以外は、実施例2と同様にして作成したCHA型ゼオライト膜複合体の単ガス成分透過性を、図2の装置を用いて評価した。評価したガスは二酸化炭素、メタン、水素、窒素、ヘリウムである。
ゼオライト膜複合体を、140℃で、供給ガス7としてHeを、耐圧容器2とゼオライト膜複合体1との円筒の間に導入して、圧力を0.400MPaに保ち、ゼオライト膜複合体1の円筒の内側を0.100MPa(大気圧)として、120分間乾燥し、前処理した。
その後、供給側の圧力を0.200MPaとし、供給ガスを各評価ガスに変更した。このとき、ゼオライト膜複合体1の供給ガス7側と透過ガス8側の差圧は、0.100MPaであった。
その後、温度を50℃とし、温度が安定した後に供給ガスを各評価ガスに変更した。このとき、ゼオライト膜複合体1の供給ガス7側と透過ガス8側の差圧は、0.100MPaであった。
このようにして得られた各ガスのパーミエンスを表1に示す。50℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは783、水素とメタンの理想分離係数αは264、窒素とメタンの理想分離係数αは48であり、また140℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは171、水素とメタンの理想分離係数αは94、窒素とメタンの理想分離係数αは12であった。
Figure 2016104487
上記で作成したCHA型ゼオライト膜複合体の混合ガス透過性を、図2の装置を用いて検討した。具体的には以下の混合ガス透過試験1〜4を実施した。乾燥(前処理)は単ガス透過試験と同様にして行った。
(2)混合ガス透過試験1
供給ガスとして流量調整機器で二酸化炭素75体積%、メタン25体積%に調整した混合ガスを使用した。図2の耐圧容器とゼオライト膜複合体1との円筒の間に40、24、8mmol/minの流量で導入して、供給ガス圧力を0.300MPaとした。二酸化炭素、およびメタンの分圧は、それぞれ0.225MPaおよび0.0750MPaである。またゼオライト膜複合体1の円筒の内側は0.100MPaである。
二酸化炭素、メタンの透過量、また二酸化炭素とメタンの分離係数を表2に示す。総流量が少ない条件では分離係数が小さくなった。流量が小さい場合には供給ガスの混合が十分なされずに膜の外側のごく近傍のメタン濃度が高くなっているためと思われる。
Figure 2016104487
(3)混合ガス透過試験2
供給ガスには流量調整機器で水素28体積%、メタン72体積%に調整した混合ガスを使用した。恒温槽を50℃とし、図2の耐圧容器とゼオライト膜複合体1との円筒の間に45、27、9mmol/minの流量で導入して、供給ガス圧力を0.300MPaとした。水素、およびメタンの供給ガス7側の分圧は、それぞれ、0.112MPaおよび
0.288MPaである。またゼオライト膜複合体1の円筒の内側は0.100MPaである。
水素、メタンの透過量、及び水素とメタンの分離係数を表3に示す。総流量が少ない条件では分離係数が小さくなった。流量が小さい場合には供給ガスの混合が十分なされずに膜の外側のごく近傍のメタン濃度が高くなっているためと思われる。
Figure 2016104487
(4)混合ガス透過試験3
供給ガスには窒素55%、一酸化炭素30%、水素15%の標準ガスを使用した。恒温槽を50℃とし、図2の耐圧容器とゼオライト膜複合体1との円筒の間に27mmol/minの流量で導入して、供給ガス圧力を0.300MPaとした。
窒素、一酸化炭素、メタンの供給ガス7側の分圧は、それぞれ、0.166MPa、0.0900MPaおよび0.0440MPaである。またゼオライト膜複合体1の円筒の内側は0.100MPaである。
窒素、一酸化炭素、水素の透過量はそれぞれ2.1mmol・(m・s)−1、3.8mmol・(m・s)−1、2.9mmol・(m・s)−1であり、一酸化炭素と窒素、水素と窒素の分離係数α’はそれぞれ1.4と2.1であり、パーミエンス比は1.6と3.4であった。
Figure 2016104487
(5)混合ガス透過試験4
供給ガスには空気を使用した。恒温槽は50℃とし、図2の耐圧容器とゼオライト膜複合体1との円筒の間に27mmol/minの流量で導入して、供給ガス圧力を0.300MPaとした。
窒素、酸素の透過量はそれぞれ5.2mmol・(m・s)−1、1.9mmol・(m・s)−1、であり、酸素と窒素の分離係数α’は1.4、パーミエンス比は1.6であった。結果を表5に示す。
Figure 2016104487
(実施例5)
(1)CHA型ゼオライト膜複合体の作製
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製し、焼成温度を500℃とした以外は実施例1と同様に無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は1mol/L−KOH水溶液14.0gと水104.0gを混合したものに水酸化リチウム一水和物0.29gと水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)1.33gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌して調製した。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/LiOH/KOH/HO/TMADAOH=1/0.1/0.1/0.2/100/0.04、SiO/Al=10である。
焼成後のゼオライト膜複合体の重量と支持体の重量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は120g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は147L/(m・h)であった。
生成した膜のXRDを測定したところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。
XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°
付近のピークの強度)=0.8であり、種結晶に用いた粉末のCHA型ゼオライトのXRDに比べ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きく、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
短冊状に切断した無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体をSEMで観測した結果、表面に結晶が緻密に生成していた。
また、SEM−EDXにより測定した、ゼオライト膜のSiO/Alモル比は19であった。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、単成分ガス透過試験を行った。評価したガスは二酸化炭素、メタンである。
二酸化炭素のパーミエンスは7.13×10−7mol・(m・s・Pa)−1、メタンのパーミエンスは6.07×10−9mol・(m・s・Pa)−1、二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは117であった。
(実施例6)
(1)CHA型ゼオライト膜複合体の作製
水熱合成用の反応混合物として、以下のものを調製して、160℃静置状態、自生圧力下での加熱時間を5日間、焼成温度を500℃とした以外は実施例1と同様に無機多孔質
支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は1mol/L−NaOH水溶液15.0gと水75.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.71gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これにTMADAOH水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)25.3gを加え、さらにヒュームドシリカ(日本アエロジル社製 アエロジル200)9.0gと水10.0gを混合したものを加えて2時間撹拌して調製した。
この反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/NaOH/HO/TMADAOH=1/0.025/0.1/44/0.2、SiO/Al=40である。
焼成後のゼオライト膜複合体の重量と支持体の重量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は330g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は67L/(m・h)であった。
生成した膜のXRDを測定したところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。 XRDパターンにおいて、(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=1.5、2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ
=20.8°付近のピークの強度)=0.3であった。このように、生成した膜のXRD
ピークに特異な強度を示すものはなかった。これから例えば、生成した膜がrhombohedral settingにおける(1,0,0)面、(1,1,1)面のいずれに
も配向していないことが推測される。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、単成分ガス透過試験を行った。
二酸化炭素のパーミエンスは9.29×10−7mol・(m・s・Pa)−1、メタンのパーミエンスは1.27×10−9mol・(m・s・Pa)−1、二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは7.3であった。
(実施例7)
セラミックス支持体として、80mmの長さの多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を使用し、焼成温度を500℃とした以外は実施例2と同様に無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作製した。
焼成後のゼオライト膜複合体の重量と支持体の重量の差から求めた、支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は157g/mであった。
焼成後のゼオライト膜複合体の空気透過量は81.7L/(m・min)であった。
生成した膜のXRDを測定したところCHA型ゼオライトが生成していることがわかった。XRDパターンにおいて、XRDパターンから、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=2.0であり、種結晶に用いた粉末
のCHA型ゼオライトのXRDに比べ2θ=17.9°付近のピークの強度が顕著に大きく、rhombohedral settingにおける(1,1,1)面への配向が推測された。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したCHA型ゼオライト膜複合体を用いて、単成分ガス透過試験を行った。前処理として、ゼオライト膜複合体を、140℃で、供給ガス7としてCO2を、耐圧容器2とゼオライト膜複合体1との円筒の間に導入して、圧力を0.200MPaに保ち、ゼオライト膜複合体1の円筒の内側を0.098MPa(大気圧)として、70分間乾燥
した。それ以外は実施例4と同様にして、単成分ガス透過試験を行った。評価したガスは二酸化炭素、メタン、水素、窒素、ヘリウムである。
このようにして得られた各ガスのパーミエンスを表6に示す。50℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは368、水素とメタンの理想分離係数αは130、窒素とメタンの理想分離係数αは21であり、また140℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは54、水素とメタンの理想分離係数αは41、窒素とメタンの理想分離係数αは5であった。
Figure 2016104487
(比較例1)
セラミックス支持体上にMFI型ゼオライトを直接水熱合成することによりセラミックス支持体−MFI型ゼオライト膜複合体を作製した。
水熱合成用の反応混合物は次のとおり調製した。
水118gに有機テンプレートとして、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(以下これを「TPAOH」と称する。)水溶液(TPAOH 40質量%含有、セイケム社製)4.1gを加え、さらにテトラエトキシシラン(以下これを「TEOS」と称する。)9.9gを加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この反応混合物の組成(モル比)は、TEOS/TPAOH/HO=1/0.17/140である。
セラミックス支持体としては、多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を80mmの長さに切断した後、超音波洗浄機で洗浄したのち乾燥させたものを用いた。
種結晶として、SiO/NaOH/TPAOH/HO=1/0.1/0.1/40
のゲル組成(モル比)で、160℃、1日間水熱合成して結晶化させたものを、ろ過、水洗、乾燥して得られたMFI型ゼオライトを用いた。
この種結晶を約1質量%水中に分散させたものに、上記支持体を所定時間浸した後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は約1.6g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記水性反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、160℃で48時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で5時間以上乾燥させた。
この膜複合体を、空気中、電気炉で、450℃、32時間焼成した。このときの昇温速度と降温速度はともに0.5℃/分とした。焼成後の膜複合体の質量と支持体の質量の差から求めた、支持体上に結晶化したMFI型ゼオライトの質量は85g/mであった。
XRD測定からMFI型ゼオライトが生成していることがわかった。
(2)単成分ガス透過試験
上記で作製したMFI型ゼオライト膜複合体を用いた以外は、実施例7と同様にして、単成分ガス透過試験を行った。評価したガスは二酸化炭素、メタン、水素、窒素、ヘリウムである。
このようにして得られた各ガスのパーミエンスを表7に示す。50℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは1.2、水素とメタンの理想分離係数αは1.0、窒素とメタンの理想分離係数αは0.5であり、また140℃での二酸化炭素とメタンの理想分離係数αは0.7、水素とメタンの理想分離係数αは1.2、窒素とメタンの理想分離係数αは0.5であった。
Figure 2016104487
実施例1〜7の通り、CHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含み、セラミックス支持体上に形成されたゼオライト膜を用いて、ガスの透過性評価を行うと、ガスによって、透過性が異なることがわかる。混合ガスを用いた場合には透過性の高いガスが膜を透過し、透過性の低いガスが膜を通らずに濃縮し、透過性の大きい気体を系外に分離し、透過性の小さい気体を濃縮・回収することで目的気体を気体混合物から高純度で分離することができた。
一方、MFI型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含み、セラミックス支持体上に形成されたゼオライト膜を用いて、ガスの透過性評価を行うと、ガスの透過係性はガスによらず、ほぼ一様となった。MFI膜では細孔径に対して、評価したガスの分子径がいずれも小さ
いために形状選択的な分離ができないと考えられる。
本発明は産業上の任意の分野に使用可能であるが、例えば、ガス分離を必要とする化学工業プラント、天然ガスの精製プラント、生ゴミなどからバイオガスを発生させるプラント等における気体混合物の分離に特に好適に使用することができる。
1:ゼオライト膜複合体
2:耐圧容器
3:エンドピン
4:接続部
5:圧力計
6:背圧弁
7:供給ガス
8:透過ガス
9:スイープガス
10:排出ガス
11:透過ガス排出用配管
12:スイープガス導入用配管
即ち、本発明の要旨は、下記の(1)〜(6)に存する。
(1)セラミックス支持体上にゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体に複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離するガス分離方法であって、ゼオライト膜複合体を乾燥させる前処理を行った後に、
該分離を行うことを特徴とする、ガス分離方法。
(2)ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−9mol・(m・s・Pa)−1以上である、(1)に記載のガス分離方法。
(3)ゼオライト膜複合体が、メタンガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−7mol・(m・s・Pa)−1以下である、(1)又は(2)に記載のガス分離方法。
(4)ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素とメタンの混合ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合の分離係数が2以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載のガス分離方法。
(5)ゼオライト膜複合体が、ゼオライト膜としてCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のガス分離方法。
(6)前記乾燥を、ガス分離温度以上で行う、(1)〜(5)のいずれかに記載のガス分離方法。

Claims (6)

  1. ゼオライト膜複合体に複数の気体成分からなる気体混合物を接触させ、該気体混合物から、透過性の高い気体成分を透過して分離するガス分離方法であって、ゼオライト膜複合体を乾燥させる前処理を行った後に、該分離を行うことを特徴とする、ガス分離方法。
  2. ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−9mol・(m・s・Pa)−1以上である、請求項1に記載のガス分離方法。
  3. ゼオライト膜複合体が、メタンガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合のパーミエンスが1×10−7mol・(m・s・Pa)−1以下である、請求項1又は2に記載のガス分離方法。
  4. ゼオライト膜複合体が、二酸化炭素とメタンの混合ガスを、温度50℃、差圧0.098MPaで透過させた場合の分離係数が2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス分離方法。
  5. ゼオライト膜複合体が、ゼオライト膜としてCHA型アルミノ珪酸塩のゼオライトを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス分離方法。
  6. 前記乾燥を、ガス分離温度以上で行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス分離方法。
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