JP2012045464A - 含水有機化合物の脱水濃縮装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分離膜として無機多孔質支持体表面にゼオライト膜を有する無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が収納された分離膜モジュール(A)と吸着装置(B)を順次に配置して成る脱水濃縮装置において、分離膜モジュール(A)の分離膜として、SiO2/Al2O3モル比が5以上であるゼオライトを含む多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を使用して成る脱水濃縮装置。
【選択図】なし
Description
具体的にはシリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などを含むセラミックス焼結体が挙げられる。その中でもアルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む無機多孔質支持体は、無機多孔質支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、無機多孔質支持体とゼオライト、特にCHA型ゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなる点でより好ましい。
平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になることがあり、支持体表面の細孔の割合が増えて緻密なゼオライト膜が形成されにくくなることがある。
なお、無機多孔質支持体表面とは例えばゼオライトを結晶化させる無機多孔質支持体表面部分を意味し、表面であればそれぞれの形状のどこの表面であってもよく、複数の面であっても良い。たとえば円筒管の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってよい。
多孔質支持体の気孔率は通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、通常70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。無機多孔質支持体の気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では無機多孔質支持体の強度が低下する傾向がある。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
それらの中で、後で詳述する多孔質支持体上に前記ゼオライトを膜状に固着させたゼオライト膜複合体が特に好ましい。該ゼオライト膜複合体は支持体を有することによって機械的な強度が増し、取り扱いが容易になり、種々の装置設計が可能であるほか、全て無機物で構成されるため、耐熱性、耐薬品性に優れるためである。
具体的には無機多孔質支持体表面に例えばCHA型ゼオライトを膜状に結晶化させたものであり、通常は水熱合成により、膜状に結晶化させたものである。
本発明において用いられるゼオライト膜の無機多孔質支持体上の位置は特に限定されるものではないが、管状無機多孔質支持体を用いる場合、外表面にゼオライト膜をつけてもよいし、内表面につけてもよく、さらに適用する系によっては両面につけてもよい。また、無機多孔質支持体の表面に積層させてもよいし、多孔質支持体の表面の細孔内を埋めるように結晶化させてもよい。この場合、結晶化した膜層の内部に亀裂や連続した微細孔が無いことが重要であり、いわゆる緻密膜を形成させることが分離性を向上することになる。
ここでいうピークの強度とは測定値からバックグラウンドの値を引いたものをさす。(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で表されるピーク強度比でいえば、望ましくは0.5以上、好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上である。上限は特に限定はないが、通常は1000以下である。
(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)で表されるピーク強度比でいえば、望ましくは4以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは8以上、特に好ましくは10以上である。上限は特に限定はないが、通常は1000以下である。
また2θ=9.6°付近のピークとは基材に由来しないピークのうち9.6°±0.6°の範囲に存在するピークのうち最大のものを指す。
これらの中で、多孔質支持体にゼオライトを膜状に結晶化させる方法が特に好ましい。このうち無機多孔質支持体を、ゼオライト製造に用いる反応混合物中に入れて、直接水熱合成することで無機多孔質支持体表面にゼオライトを結晶化させる方法が好ましい。
なお、Al元素以外に他の元素源、例えばGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、Znなどの元素源を含んでいてもよい。
アルカリの種類は特に限定されるものではないが、通常Na、K、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、Baであり、好ましくはNa、Kであり、より好ましくはKである。アルカリは2種類以上を併用してもよく、具体的にはNaとKを併用するのが好ましい。
支持体表面上に予め付着させておく種結晶の重量は、特に限定されるものではないが、基材1m2あたりの重量として、通常、0.01g以上、好ましくは0.05g以上、より好ましくは0.1g以上であり、通常100g以下であり、好ましくは50g以下であり、より好ましくは10g以下であり更に好ましくは8g以下である。種結晶の量が前記下限未満の場合には結晶ができにくくなり、膜の成長が不十分になる場合や、膜の成長が不均一になったりする傾向があるために緻密な膜が生成しにくくなることがある。また種結晶の量が前記上限超過の場合には、表面の凹凸が種結晶によって増長されたり、支持体表面から落ちた種結晶によって自発核が成長しやすくなって支持体上の膜成長が阻害されたりする場合があり、緻密な膜が生成しにくくなることがある。
水熱合成により結晶化させる場合、無機多孔質支持体を固定化するに際しては、縦置き、横置きなどあらゆる形態をとることができる。この場合、静置法で結晶化させてもよいし、反応混合物を攪拌させて結晶化させてもかまわない。
加熱処理の温度は、乾燥を目的とする場合は通常50℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは150℃以下である。加熱処理の温度はテンプレートの焼成を目的とする場合通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、更に好ましくは480℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である
加熱時間は、ゼオライト膜が十分に乾燥、またはテンプレートが焼成する時間であれば特に限定されず、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上である。上限は特に限定されず、通常200時間以内、好ましくは150時間以内、より好ましくは100時間以内である。
水熱合成を有機テンプレートの存在下で行った場合、得られたゼオライト膜複合体を、水洗した後に、例えば、加熱処理や抽出などにより、好ましくは加熱処理、すなわち焼成により有機テンプレートを取り除くことが適当である。
焼成温度は通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、更に好ましくは480℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である。焼成温度が低すぎる場合には有機テンプレートが残っている割合が多くなる傾向があり、ゼオライトの細孔が少なく、そのために分離濃縮の際の透過流束が減少する可能性があり好ましくない。焼成温度が高すぎる場合には支持体とゼオライトの熱膨張率の差が大きくなるためゼオライト膜に亀裂が生じやすくなる可能性があり、ゼオライト膜の緻密性が失われ分離性能が低くなりやすくなることがある。
また、有機酸/水以外の系においても、有機酸や無機酸が存在していても耐酸性が高いので使用することができる。
XRD測定は以下の条件に基づきおこなった。
装置名:オランダPANalytical社製X’PertPro MPD
光学系仕様 入射側:封入式X線管球(CuKα)
Soller Slit (0.04rad)
Divergence Slit (Valiable Slit)
試料台:XYZステージ
受光側:半導体アレイ検出器(X’ Celerator)
Ni−filter
SollerSlit (0.04rad)
ゴニオメーター半径:240mm
測定条件 X線出力(CuKα):45kV、40mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):5.0−70.0°
測定モード:Continuous
読込幅:0.05°
計数時間:99.7sec
自動可変スリット(Automatic−DS):1mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
なお、X線は円筒管の軸方向に対して垂直な方向に照射した。またX線は、できるだけノイズ等がはいらないように、試料台においた円筒管状の膜複合体と、試料台表面と平行な面とが接する2つのラインのうち、試料台表面ではなく、試料台表面より上部にあるもう一方のライン上に主にあたるようにした。
装置:
SEM:FE−SEM Hitachi:S−4800
EDX:EDAX Genesis
加速電圧:10kV
倍率5000倍での視野全面(25μm×18μm)を走査し、X線定量分析を行った。
CHA型ゼオライト膜の作成のために、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液をUSP4544538の記載を参考に調製した。以下に例を示す。
5.5gの1−アダマンタンアミン(アルドリッチ社製)を75mlのメタノールに溶解し、24.2gの炭酸カリウムを加え、30分攪拌した。これに、10mlのヨードメタンを滴下させ、1昼夜攪拌した。その後塩化メチレンを50ml加えて固体をろ過した。得られた溶液の溶媒をエバポレーターにより除去して固体を得た。この固体に塩化メチレン130ml加えてろ過、溶媒の除去を2回繰り返した。その後、得られた固体をメタノールを用いて再結晶を行い、再結晶された固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥してN,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヨーダイド(TMADI)を得た。その後このTMADIを水に溶解させ、アニオン交換樹脂(三菱化学社製 SA−10A)によりイオン交換し、エバポレーターで濃縮し、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド水溶液を得た。滴定により、この水溶液中のN,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシドの濃度は0.75mmol/gであった。また、この水溶液中に含まれるK量は1.84重量%であった。
水熱合成のための反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−NaOH水溶液6.9gと水103.6gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.43gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、上記のN,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液9.2gを加え(この溶液中にKとして0.17g含有している。)、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.4gを加えて3時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
テンプレート焼成前のゼオライト(as−made)の膜複合体を電気炉で550℃、10時間焼成した。このときの昇温速度と降温速度はともに0.5℃/分とした。焼成後の膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は120g/m2であった。SEM観察から膜厚は約15μmであった。
また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比を測定したところ、22であった。
参考例2:
無機多孔質支持体CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.95gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で5時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/(m2・min)であった。テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉で500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は120g/m2であった。SEM観察から膜厚は約15μmであった。
無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
1mol/L−NaOH水溶液10.5gと1mol/L−KOH水溶液7.0gと水100.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O353.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.88gを加えて撹拌し溶解させ、透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.37gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)10.5gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で5時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/ (m2・min)であった。テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉で500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は130g/m2であった。
無機多孔質支持体として多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を用いた以外は、参考例3と同様に行って、無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作成した。
生成したCHA型ゼオライト膜のXRDの結果から、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=1.2であった。また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比を測定したところ、17であった。
無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
1mol/L−NaOH水溶液32gと1mol/L−KOH水溶液48gと水457gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)4.0gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)13.5gを加え、さらにコロイダルシリカ (日産化学社製 スノーテック−40)48gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してこのテフロン(登録商標)製内筒を1Lのステンレス製オートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉し昇温に5時間をかけたのち、160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。反応の間、200rpmで回転する撹拌翼によって反応混合物を混合した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で4時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/(m2・min)であった。テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉で500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は120g/m2であった。
生成した膜のXRDでは粉末のCHA型ゼオライトであるSSZ−13のXRDにくらべ2θ=9.6°付近のピークの強度が顕著に大きいことがわかる。生成した膜の(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=6.8とCOLLECTION OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FORZEOLITE Third Revised Edition 1996 ELSEVIERに記載の粉末のCHAのXRDの比((2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=2.5にくらべ著しく大きく、rhombohedral settingにおける(1,0,0)面への配向が推測された。また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比を測定したところ、17であった。
無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
1mol/L−NaOH水溶液30.1gと水66.0gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)0.057gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)12.7gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)23.6gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し160℃で48時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で4時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/(m2・min)であった。テンプレート焼成前のゼオライトの膜複合体を電気炉で500℃、5時間焼成した。焼成後の膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は100g/m2であった。
生成した膜のXRDにおいて(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=1.7であり、(2θ=17.9°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=0.3であった。
また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比を測定しようとしたが、出発の反応混合物のSiO2/Al2O3モル比が500であることからゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比も非常に高くなることから、正確な値が得られなかった。ゼオライト膜のSEM−EDXでは通常、SiO2/Al2O3モル比の測定限界値が100程度と考えられるため、少なくともこのゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比は100以上であると推測される。
参考例1で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いてパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.0kg/(m2・h)、分離係数は384、透過液中の水の濃度は99.74重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例2で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.8kg/(m2・h)、分離係数は544、透過液中の水の濃度は99.81重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例2で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により80℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は6.0kg/(m2・h)、分離係数は649、透過液中の水の濃度は99.84重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例2で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(10/90重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.4 kg/(m2・h)、分離係数は1411、透過液中の水の濃度は99.33重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例3で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.6kg/(m2・h)、分離係数は230、透過液中の水の濃度は99.57重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例5で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.6kg/(m2・h)、分離係数は64、透過液中の水の濃度は98.46重量%であった。測定結果を表1に示す。
参考例6で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は0.9kg/(m2・h)、分離係数は26、透過液中の水の濃度は96.30重量%であった。測定結果を表1に示す。約3時間で透過流束、分離係数、透過液中の水の濃度が安定したのでこの値は約3時間後の値である。
水熱合成のための反応混合物として、以下のものを調製した以外は参考例2と同様にして無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を作成した。用いた水熱合成のための反応混合物は、1mol/L−NaOH水溶液12.9gと1mol/L−KOH水溶液8.6gと水92.4gを混合したものに水酸化アルミニウム(Al2O353.5重量%含有、アルドリッチ社製)1.16gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とし、これに有機テンプレートとして、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド(TMADAOH)水溶液(TMADAOH25重量%含有、セイケム社製)2.91gを加え、さらにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)12.9gを加えて2時間撹拌して調製した。得られた膜複合体の焼成後の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は150g/m2であった。
XRD測定を参考例1と同様に行った。
生成した膜の(2θ=9.6°付近のピークの強度)/(2θ=20.8°付近のピークの強度)=12.8であった。
また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3モル比を測定したところ、15であった。
参考例7で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例1と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸混合溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。透過流束は4.5kg/(m2・h)、分離係数は180、透過液中の水の濃度は99.43重量%であった。測定結果を表1に示す。
無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
水熱合成のための反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−KOH水溶液126gに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)5.7gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)27gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
この0.2μm程度のCHA型ゼオライトの種結晶は以下のように合成した。触媒化成社製のSiO2/Al2O3比が7のY型ゼオライト10gを、KOH5gを水100gに溶かした水溶液に加え、2時間攪拌した。この反応混合物をテフロン(登録商標)製内筒に入れてオートクレーブを密閉し100℃7日間加熱した。その後、放冷し、ろ過、水洗してCHA型ゼオライトを得た。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し140℃で108時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で4時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/(m2・min)であった。この膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は50g/m2であった。
また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3比を測定したところ6であった。
参考例8で得られた無機多孔質支持体-CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例7と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/酢酸水溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
参考例4で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール水溶液(30/70重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は7.7kg/(m2・h)、分離係数は3000、透過液中の水の濃度は99.92重量%であった。測定結果を表2に示す。
実施例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて実施例7と同様にパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(10/90重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は4.0kg/(m2・h)、分離係数は36000、透過液中の水の濃度は99.97重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール溶液(30/70重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.8kg/(m2・h)、分離係数は31000、透過液中の水の濃度は99.99重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により50℃の水/2−プロパノール溶液(30/70重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は2.5kg/(m2・h)、分離係数は29000、透過液中の水の濃度は99.99重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により50℃の水/テトラヒドロフラン溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は3.1kg/(m2・h)、分離係数は3100、透過液中の水の濃度は99.97重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により40℃の水/アセトン溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.6kg/(m2・h)、分離係数は14600、透過液中の水の濃度は99.99重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により70℃の水/N−メチル−2−ピロリドン溶液(50/50重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は5.6kg/(m2・h)、分離係数は10300、透過液中の水の濃度は99.99重量%であった。測定結果を表2に示す。
参考例2と同様にして得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により70℃の水/エタノール溶液(86/14重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は1.3kg/(m2・h)、分離係数は500、透過液中の水の濃度は99.97重量%であった。測定結果を表2に示す。
無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体はCHA型ゼオライトを無機多孔質支持体上に直接水熱合成することで作製した。
水熱合成のための反応混合物として、以下のものを調製した。
1mol/L−KOH水溶液126gに水酸化アルミニウム(Al2O3 53.5重量%含有、アルドリッチ社製)5.7gを加えて撹拌し溶解させ、ほぼ透明溶液とした。これにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)27gを加えて2時間撹拌し、水熱合成用混合物を調製した。
この0.2μm程度のCHA型ゼオライトの種結晶は以下のように合成した。触媒化成社製のSiO2/Al2O3比が7のY型ゼオライト10gを、KOH5gを水100gに溶かした水溶液に加え、2時間攪拌した。この反応混合物をテフロン(登録商標)製内筒に入れてオートクレーブを密閉し100℃7日間加熱した。その後、放冷し、ろ過、水洗してCHA型ゼオライトを得た。
参考例1と同様にこの種結晶を付着させた支持体を上記反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬してオートクレーブを密閉し140℃で108時間、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後、放冷した後に支持体−ゼオライト膜複合体を反応混合物から取り出し洗浄後100℃で4時間以上乾燥させた。乾燥後のas−madeの状態で円筒管状の膜複合体の一端を封止し、他の一端を真空ラインに接続することで管内を減圧とし、真空ライン設置した流量計で空気の透過量を測定したところ透過量は0ml/(m2・min)であった。この膜複合体の重量と支持体の重量の差から支持体上に結晶化したCHA型ゼオライトの重量は50g/m2であった。
また、SEM−EDXにより、ゼオライト膜のSiO2/Al2O3比を測定したところ6であった。
参考例8で得られた無機多孔質支持体−CHA型ゼオライト膜複合体を用いて参考例1Aと同様にパーベーパレーション法により70℃の水/2−プロパノール水溶液(30/70重量%)から水を選択的に透過させる分離を行った。
透過流束は3.9kg/(m2・h)、分離係数は21、透過液中の水の濃度は90重量%であった。測定結果を表2に示す。
2:第2分離膜モジュール
3:冷却器
4:タンク
10:加熱手段
11:加熱器
12:蒸発器
13:加熱器
20:加熱手段
21:中間加熱器
51:供給ポンプ
52:循環ポンプ
53:循環ポンプ
54:真空ポンプ
55:排出用ポンプ
61〜63:圧力制御弁
7:圧力スィング吸着装置
7a:第1吸着塔
7b:第2吸着塔
71:冷却器
72:冷却器
101:スターラー
102:湯浴
103:撹拌子
104:被分離液
105:ゼオライト膜複合体
106:ピラニゲージ
107:透過液捕集用トラップ
108:コールドトラップ
109:真空ポンプ
Claims (5)
- 分離膜として無機多孔質支持体表面にゼオライト膜を有する無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が収納された分離膜モジュール(A)と吸着装置(B)を順次に配置して成る脱水濃縮装置において、分離膜モジュール(A)の分離膜として、SiO2/Al2O3モル比が5以上であるゼオライトを含む多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を使用して成ることを特徴する脱水濃縮装置。
- ゼオライト膜がCHA型ゼオライト結晶を含み、かつゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて2θ=17.9°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の0.5倍以上である請求項1に記載の脱水濃縮装置。
- ゼオライト膜がCHA型ゼオライト結晶を含み、かつゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて2θ=9.6°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の4倍以上である請求項1に記載の脱水濃縮装置。
- ゼオライト膜表面にX線を照射して得たX線回折パターンにおいて2θ=17.9°付近のピーク強度が、2θ=20.8°付近のピーク強度の0.5倍以上である請求項1に記載の脱水濃縮装置。
- 無機多孔質支持体が、アルミナ、シリカ及びムライトの群から選ばれる少なくとも1種類を含む請求項1−4の何れかに記載の脱水濃縮装置。
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