JPWO2016067677A1 - 高濃度アルコールの製造方法 - Google Patents

高濃度アルコールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016067677A1
JPWO2016067677A1 JP2016556388A JP2016556388A JPWO2016067677A1 JP WO2016067677 A1 JPWO2016067677 A1 JP WO2016067677A1 JP 2016556388 A JP2016556388 A JP 2016556388A JP 2016556388 A JP2016556388 A JP 2016556388A JP WO2016067677 A1 JPWO2016067677 A1 JP WO2016067677A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
water
zeolite
membrane
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016556388A
Other languages
English (en)
Inventor
一秀 前多
一秀 前多
山崎 幸一
幸一 山崎
垣内 博行
博行 垣内
岳史 田原
岳史 田原
武脇 隆彦
隆彦 武脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Engineering Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JPWO2016067677A1 publication Critical patent/JPWO2016067677A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/74Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • C07C29/76Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D17/00Separation of liquids, not provided for elsewhere, e.g. by thermal diffusion
    • B01D17/02Separation of non-miscible liquids
    • B01D17/0202Separation of non-miscible liquids by ab- or adsorption
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/001Processes specially adapted for distillation or rectification of fermented solutions
    • B01D3/003Rectification of spirit
    • B01D3/004Rectification of spirit by continuous methods
    • B01D3/005Combined distillation and rectification
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/14Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column
    • B01D3/143Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column by two or more of a fractionation, separation or rectification step
    • B01D3/145One step being separation by permeation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/36Pervaporation; Membrane distillation; Liquid permeation
    • B01D61/362Pervaporation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0039Inorganic membrane manufacture
    • B01D67/0051Inorganic membrane manufacture by controlled crystallisation, e,.g. hydrothermal growth
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/02Inorganic material
    • B01D71/028Molecular sieves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/02Inorganic material
    • B01D71/028Molecular sieves
    • B01D71/0281Zeolites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2311/00Details relating to membrane separation process operations and control
    • B01D2311/04Specific process operations in the feed stream; Feed pretreatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2323/00Details relating to membrane preparation
    • B01D2323/12Specific ratios of components used

Abstract

本発明はプロセス全体として効率的な、水−アルコール混合物から高濃度のアルコールを製造する方法を提供することを目的とする。本発明は水−アルコール混合物の水を吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得る水吸着工程、次いでアルコールを導入し含水アルコールを得る水脱着工程、及び前記含水アルコールをSiO2/Al2O3モル比が5〜15であるゼオライトを含む膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得る膜分離工程を有する、高濃度アルコールの製造方法に関する。

Description

本発明は高濃度アルコールを製造する方法に関し、特に水−アルコール混合物から高い濃度のアルコールを製造する方法に関する。また、該高濃度アルコールの製造装置にも関する。
アルコール類、ケトン類、エーテル類などの有機化合物と水との混合物から水分のみを除去することは、水と有機化合物との混合物が最低沸点を有する共沸混合物となり、通常の精留のみでは高濃度で有機化合物を精製することは困難である。
そのため、有機化合物と水の混合物から有機化合物のみを高濃度で取り出す方法としては、まず蒸留にて大部分の水分を除去した後、吸着剤を用いた圧力スイング吸着装置(Pressure Swing Absorption、以下「PSA」とも略称する。)により、残りの水分を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、装置を大型化せずエタノールと水の混合物を脱水する方法として、蒸留塔とPSAの間に膜分離手段を介在させる方法が提案されている。また、PSAから排出されたパージガスを膜分離手段に供給して、高濃度のエタノールを得る方法が提案されている(特許文献2)。
日本国特開2000−334257号公報 日本国特開2008−86988号公報
特許文献2に開示された方法では、吸着塔にエタノールをパージガスとして供給することで吸着塔に吸着した水の脱着を行い、更に吸着塔からのパージガスを膜分離手段に供給している。しかしながら、本発明者らがこの方法について検討したところ、吸着塔からのパージガスを直接圧縮して含水エタノールを膜分離手段に供給しているため、以下の様な課題があることが判明した。
例えば、脱着された成分の濃度は脱着経過によって変化するので、(i)水分濃度が高い状態で膜分離手段へ含水エタノールが導入される場合があること、(ii)脱着された成分の組成変動に対して圧縮機に機械的な不安が生じること、が挙げられる。また、パージガスを減圧状態から圧縮するため、(iii)圧縮機動力等がエネルギー的に不利であること、(iv)減圧工程部分の配管等の設備が過大となること、が挙げられる。
本発明はこのような課題を解決するものであり、プロセス全体として効率的な、水−アルコール混合物から高濃度のアルコールを製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、吸着塔及び膜分離装置をこの順に用い、さらに膜分離装置において特定のゼオライト膜複合体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の概要は、以下のとおりである。
[1] 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する方法であって、
製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得る水吸着工程、
次いで前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得る水脱着工程、及び
前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得る膜分離工程
を有することを特徴とする、高濃度アルコールの製造方法。
[2] 前記ゼオライトは、フレームワーク密度が10.0〜18.0T/1000Åのゼオライトである、前記[1]に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[3] 前記ゼオライトはCHA型ゼオライトである、前記[1]または[2]に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[4] 前記水吸着工程の前に、精留塔による精留工程を有し、前記水吸着工程における吸着塔に導入される前記水−アルコール混合物が前記精留工程における精留塔の塔頂の留出物である、前記[1]〜[3]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[5] 前記吸着塔が複数存在する、前記[1]〜[4]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[6] 前記膜分離工程で得られた第二の濃縮アルコールを前記水脱着工程における吸着塔に再導入する、前記[1]〜[5]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[7] 発酵菌によるアルコール発酵で生成されたエタノール含有液を原料とする、前記[1]〜[6]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[8] 前記水−アルコール混合物が酸を含有する、前記[1]〜[7]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[9] 前記膜分離工程における膜分離は、パーベーパレーション法による分離である、前記[1]〜[8]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[10] 前記膜分離工程における膜分離は、ベーパーパーミエーション法による分離である、前記[1]〜[8]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[11] 前記水脱着工程において導入するアルコールが、前記水吸着工程で得られた第一の濃縮アルコールである、前記[1]〜[10]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[12] 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する装置であって、
製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得た後、前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得て、
前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得ることを特徴とする、高濃度アルコールの製造装置。
本発明によれば、発酵菌によるアルコール発酵で生成されたエタノール含有液を始めとする各種アルコール含有液を原料とする、水−アルコール混合物から高濃度アルコールを得る際においても、プロセス全体として効率的に、純度の高い高濃度アルコールの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフロー図である。 図2は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフロー図である。 図3は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフロー図である。 図4は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフロー図である。 図5は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフロー図である。 図6は、実施例におけるパーベーパレーション法に用いた装置の概略図である。 図7は、実施例におけるパーベーパレーションに用いた装置の概略図である。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明は具体的な実施態様のみに限定されるものではない。なお、本明細書において“重量%”と“質量%”とは同義である。
本発明は、吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する方法であって、製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、水−アルコール混合物として例えば水−アルコール混合物のベーパーを前記吸着塔に導入し、水(水分子)を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得る水吸着工程、次いで該吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水(水分子)を脱着させて含水アルコールを得る水脱着工程、及び該含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得る膜分離工程を有することを特徴とする。
また、本発明は、吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する装置であって、製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、水−アルコール混合物として例えば水−アルコール混合物のベーパーを前記吸着塔に導入し、水(水分子)を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得た後、該吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水(水分子)を脱着させて含水アルコールを得て、該含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得ることを特徴とする。
本発明において製造されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、またはこれらの混合物が挙げられる。
本発明に適用される原料となるアルコール(メタノール、エタノール、またはこれらの混合物)としては、特に限定されるものではないが、種々の合成プロセスで製造された粗アルコールや、発酵菌などの微生物によってアルコール発酵で生成されたアルコール、特に、バイオマスを原料として得られるバイオエタノールがあげられる。
バイオエタノールは、バイオマス原料を、発酵菌などの微生物によってアルコール発酵することで製造されるエタノール含有液である。ここで発酵菌としてはグルコースおよびグルコースの2量体、多量体のいずれか1以上を炭素源としてアルコール発酵を行う微生物であれば何でもよく、一例として酵母菌やザイモモナスがあげられる。バイオエタノールには、アルコール、水の他、酸などの不純物が含まれている場合がある。
本発明では、バイオエタノールなどの純度が高くないエタノール混合物から、高濃度のアルコールを製造することができる。また、バイオエタノールのように酸などの不純物を含む恐れのあるアルコール混合物からも、高濃度のアルコールを製造することができる。
バイオエタノールのように酸などの不純物を含む恐れのあるアルコール混合物のpHは通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、通常2以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、より好ましくは5以上である。pHがこの範囲内である方が、ゼオライト膜の緻密性が維持されやすく、十分な分離性能が長期間にわたって得られる傾向がある。
従って、本発明は、バイオエタノールを原料とし、これを脱水して高濃度のアルコールを製造する方法として好適である。
ここで、本発明における高濃度のアルコールとは、通常88.0質量%以上、好ましくは90.0質量%以上、より好ましくは95.0質量%以上、さらに好ましくは98.0質量%以上、特に好ましくは99.0質量%以上、よりさらに好ましくは99.5質量%以上、最も好ましくは99.9質量%以上のアルコールである。なお、本明細書において、“高濃度”と“高純度”とは同義である。
本発明に用いる吸着塔は、圧力スイング吸着(PSA)によるもの、温度スイング吸着(TSA)によるもの、両者を組み合わせた圧力温度スイング吸着(PTSA)のいずれであってもよい。
PSAは、圧力を高くすることにより水などを吸着剤に吸着させ、圧力を低くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。一方、TSAは、水などを吸着剤に吸着させ、加熱ガス(窒素など)を供給して温度を高くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。
PSA、TSA、PTSAは、装置構成が比較的簡単であるために広く使用されており、吸着剤としては、脱水能力が高いことから合成ゼオライトである「モレキュラシーブ」(商品名)が好適に使用される。
吸着塔に導入される水−アルコール混合物中のアルコール濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、通常95質量%以下、好ましくは92質量%以下であり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。アルコール濃度が上限以下であることにより、前段の精留塔などの負荷が少なく、全体のエネルギー効率が向上する傾向にある。アルコール濃度が下限以上であることにより、水濃度が高すぎず、吸着材の充填量が増加することなく、吸着設備が大型化し設備面コストが増加する恐れが回避できる。そのため、吸着塔の吸着剤の再生頻度を抑えられ、運転コストも抑制できる傾向にある。
本発明において、吸着塔に導入される水−アルコール混合物としては、水吸着工程の前工程として存在する精留工程に用いられる精留塔の塔頂の留出物であることが好ましい。
精留塔により精留された塔頂の留出物(アルコール濃度が高くなった混合物)を吸着塔に導入することで、より純度の高いアルコールを得ることができる。
精留塔により精留された塔頂の留出物(混合物)は、アルコール濃度が通常70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、通常98質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であることが好ましい。アルコール濃度が上限以下であることにより、前段の精留塔などの負荷を減らし、全体のエネルギー効率を向上させる傾向にある。また、アルコール濃度が下限以上であることにより、水濃度が高すぎず、吸着材の充填量が増加することなく、吸着設備が大型化し設備面コストが増加する恐れが回避できる。そのため、吸着塔の吸着剤の再生頻度を抑えられ、運転コストも抑制できる傾向にある。
アルコール濃度が低い混合物が原料である場合には、まずもろみ塔などの予備蒸留塔に供給され、通常30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、通常70質量%未満、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下まで濃縮を行うことが好ましい。アルコール濃度がこの範囲内であるとき還流がほとんど必要なく、また、蒸発させる水の量も少ないためエネルギー消費量を少なくすることができる。
例えばバイオエタノールなどの不純物が多く含まれるアルコールの場合には、必要に応じて、不溶物や溶液中の高分子量成分を取り除く、精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過などの濾過や、中和処理、もろみ塔による予備蒸留などの前処理のうち1種類または複数種類を組み合わせて行うことが望ましい。もろみ塔などの予備蒸留塔によって濃縮されたエタノール混合物は、次に精留塔に供給されることが好ましい。
吸着塔は1基でもよいが、複数存在することが好ましい。複数存在する場合、少なくとも1つの吸着塔において混合物中の水を除去する水吸着工程が実施され、また、別の吸着塔において水脱着工程が実施される。例えば、2つの吸着塔が存在する場合、第一の吸着塔では、水−アルコール混合物を導入し水を吸着させて、既に水を吸着している第二の吸着塔には、アルコールを導入し水を脱着させて含水アルコールを得る。
1つの吸着塔のみを使用する場合には、一定時間、水吸着工程を実施した後に吸着塔への混合物の供給を止めて水脱着工程を行う。
水吸着工程では、水−アルコール混合物中の水が吸着剤に吸着されることで、アルコールが濃縮されて高濃度アルコールが得られる。ここで、本発明では水吸着工程により得られる高濃度アルコールを第一の濃縮アルコールと言う。
水脱着工程は、水吸着工程において得られた第一の濃縮アルコールの一部を吸着塔に導入して、吸着塔から吸着水を脱着させることが好ましい。
膜分離工程に導入される含水アルコールのアルコール濃度は、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。また、通常99質量%以下、好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
本発明では、吸着塔から水を脱着する脱着工程で得られた含水アルコールを膜分離装置に導入して、含水アルコールの水とアルコールを分離する膜分離工程を有することを特徴とする。
従来、吸着塔に吸着された水は、高濃度のアルコール(本発明で言う、第一の濃縮アルコール)を吸着塔に導入することで、吸着塔から水を脱着して含水アルコールを得た後、該含水アルコールは精留塔などに再供給されることが行われていた。しかしながら、精留塔にて再蒸留する際には、液体を蒸発させるための蒸発熱が大量に必要となり、プロセス全体としてエネルギー的に好ましくない。そのため、吸着塔からの水の脱着で発生した水−アルコール混合物を、膜分離装置により分離することが可能であればエネルギー的に好ましい。
しかしながら、従来広く用いられているA型ゼオライト分離膜は、例えば20質量%以上の水を含有する混合物を導入すると、その構造が壊れてしまう。そのため、吸着塔から排出される含水アルコールをそのまま膜分離装置に導入することはできなかった。そのため、特許文献2では、吸着塔にアルコールをパージガスとして供給することで吸着塔から水の脱着を行い、更に吸着塔からのパージガスを膜分離手段に供給することで膜分離装置による分離を可能としている。
これに対して、本発明では、膜分離装置に特定の性質を有するゼオライト膜を用いることで、多量の水を含む混合物であっても膜分離装置に導入して、水とアルコールを効率的に分離することができる。
具体的に、本発明で用いる膜分離装置は、分離膜として、多孔質支持体表面にSiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体(単に、ゼオライト膜複合体と称する場合がある。)を有する。以下、本実施態様で用いるゼオライト膜複合体を構成する各成分について説明する。
本発明で用いられる多孔質支持体としては、表面にゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化できるような化学的安定性があり、多孔質であれば特に制限されるものではない。なかでも無機多孔質支持体が好ましく、たとえば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。
無機多孔質支持体の中でも、基本的成分あるいはその大部分が無機の非金属物質から構成されている固体材料であるセラミックスを焼結したもの(セラミックス支持体)を含む多孔質の支持体は、その一部がゼオライト膜合成中にゼオライト化することで界面の密着性を高める効果があるために特に好ましい。
具体的にはシリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などを含むセラミックス焼結体(セラミックス支持体)が挙げられる。その中でもアルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む多孔質支持体は、多孔質支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、多孔質支持体とゼオライト、特にCHA型ゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなる点でより好ましい。
ゼオライト膜複合体は支持体を有することによって機械的な強度が増し、取り扱いが容易になり、種々の装置設計が可能であるほか、無機多孔質支持体である場合には無機物で構成されるため、耐熱性、耐薬品性に優れる。
本発明で用いられる多孔質支持体の形状は、液体または気体の混合物を有効に分離できるものであれば制限されるものではなく、具体的には平板状、管状のもの、または円筒状、円柱状や角柱状の孔が多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられ、いずれの形状のものでもよい。
本発明で用いられる多孔質支持体は、その表面(以下「多孔質支持体表面」ともいう。)においてゼオライトを結晶化させることが好ましい。
前記多孔質支持体表面が有する平均細孔径は特に制限されるものではないが、細孔径が制御されているものが好ましく、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、特に好ましくは0.5μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下の範囲が好ましい。
平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になることがあり、支持体表面の細孔の割合が増えて緻密なゼオライト膜が形成されにくくなることがある。
多孔質支持体の平均厚さ(肉厚)は、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上であり、通常7mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。
支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体の平均厚さが薄すぎると多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が十分な強度を持たず多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなり実用上問題が生じる傾向がある。支持体の平均厚さが厚すぎると透過した物質の拡散が悪くなり透過流束が低くなる傾向がある。
多孔質支持体が円筒管である場合、円筒管の外径は通常3mm以上、好ましくは5.5mm以上、より好ましくは9.5mm以上、特に好ましくは11mm以上であり、通常51mm以下、好ましくは31mm以下、より好ましくは21mm以下、さらに好ましくは17mm以下、特に好ましくは15mm以下である。
支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体が円筒管の場合、その外径が小さすぎると多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が十分な強度を持たず多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなり実用上問題が生じる傾向がある。支持体が円筒管の場合、その外径が大きすぎると体積当たりの膜面積が小さくなるため、必要な膜面積を得るために必要な膜の体積が大きくなり、広い設置場所が必要になったり、大型のモジュールが必要になったりして、経済的に不利になる傾向がある。
また、多孔質支持体の表面は滑らかであることが好ましく、必要に応じて、表面をやすり等で研磨してもよい。
なお、多孔質支持体表面とは例えばゼオライトを結晶化させる無機多孔質支持体表面部分を意味し、表面であればそれぞれの形状のどこの表面であってもよく、複数の面であってもよい。たとえば円筒管の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってよい。
また、本発明で用いられる多孔質支持体の、多孔質支持体表面以外の部分の細孔径は制限されるものではない。
多孔質支持体の気孔率は通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、通常70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
多孔質支持体の気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では多孔質支持体の強度が低下する傾向がある。
次に、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトについて説明する。
SiO/Alモル比は、通常5以上、好ましくは5.5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上であり、通常15以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは9以下、特に好ましくは8以下である。SiO/Alモル比がこの範囲であるとき、ゼオライト膜は親水性に優れかつ耐酸性、耐水性も優れた膜となり、酸点と反応する物質の分離にも好適に用いられる。特に、SiO/Alモル比がこの範囲であるとき、含水量の多いメタノール及びエタノールの分離に好適である。SiO/Alモル比は、後述する水熱合成の反応条件により調整できる。
なお、SiO/Alモル比は、ゼオライト膜複合体のゼオライト膜側を走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)測定することにより得られた数値である。膜厚が数μmの膜のみの情報を得るために通常はX線の加速電圧を10kVで測定する。
本発明においてゼオライト膜を構成する主たるゼオライトのフレームワーク密度は、特に制限するものではないが、好ましくは10.0T/1000Å以上、より好ましくは12.0T/1000Å以上であり、好ましくは18.0T/1000Å以下、より好ましくは17.0T/1000Å以下、さらに好ましくは、16.0T/1000Å以下、最も好ましくは15.0T/1000Å以下である。この範囲であることが、耐久性の点で好ましい。
フレームワーク密度とは、ゼオライトの1000Åあたりの酸素以外の骨格を構成するT元素の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なお、フレームワーク密度とゼオライトとの構造の関係は、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
本発明におけるゼオライト膜を構成する主たるゼオライトは、通常、酸素6−10員環構造を有するゼオライトを含み、好ましくは酸素6−8員環構造を有するゼオライトを含む。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
酸素6−10員環構造を有するゼオライトの一例を挙げれば、AEI、AEL、AFG、ANA、BRE、CAS、CDO、CHA、DAC、DDR、DOH、EAB、EPI、ESV、EUO、FAR、FRA、FER、GIS、GIU、GOO、HEU、IMF、ITE、ITH、KFI、LEV、LIO、LOS、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MFS、MON、MSO、MTF、MTN、MTT、MWW、NAT、NES、NON、PAU、PHI、RHO、RRO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STF、STI、STT、TER、TOL、TON、TSC、TUN、UFI、VNI、VSV、WEI、YUG等がある。
好ましい酸素6−8員環構造を有するゼオライトの一例を挙げれば、AEI、AFG、ANA、CHA、EAB、ERI、ESV、FAR、FRA、GIS、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTN、MAR、PAU、RHO、RTH、SOD、STI、TOL、UFI等がある。
酸素n員環構造はゼオライトの細孔のサイズを決定するものであり、6員環よりも小さいゼオライトではHO分子のKinetic半径よりも細孔径が小さくなるため透過流束が小さくなり実用的でない。また、酸素10員環構造よりも大きい場合は細孔径が大きくなり、サイズの小さな有機物では分離性能が低下するため、用途が限定的になる場合がある。
前記の中でゼオライトの構造としては、上記したSiO/Alモル比を持つものが好ましく、より好ましくは、AEI、CHA、KFI、LEV、PAU、RHO、RTH、UFIであり、さらに好ましくは、CHA、LEV、UFIであり、最も好ましくはCHAである。また、ゼオライトとしては、アルミノケイ酸塩であることが好ましい。
次に、CHA型ゼオライトについて説明する。本発明において好適に用いられるCHA型ゼオライトとは、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものを示す。これは天然に産出するチャバサイトと同等の結晶構造を有するゼオライトである。CHA型ゼオライトは3.8×3.8Åの径を有する酸素8員環からなる3次元細孔を有することを特徴とする構造をとり、その構造はX線回折データにより特徴付けられる。
本発明において用いられるCHA型ゼオライトのフレームワーク密度は、14.5T/1000Åである。
膜を構成する成分としては、ゼオライト以外にシリカ、アルミナなどの無機バインダー、ポリマーなどの有機物、あるいはゼオライト表面を修飾するシリル化剤などを必要に応じ含んでいてもよい。
本発明におけるゼオライト膜は、一部アモルファス成分などが含有されていてもよいが、好ましくは実質的にゼオライトのみで構成されるゼオライト膜である。さらに好ましくはCHA型のゼオライトを主成分とするゼオライト膜であり、一部、モルデナイト型、MFI型などの他の構造のゼオライトが含まれていても、アモルファス成分などが含有されていてもよく、より好ましくは、実質的にCHA型のゼオライトのみで構成されるゼオライト膜である。
また、膜分離工程では、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜と他の分離膜と組み合わせて用いることもできる。
例えば、含水アルコールをSiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を用いて分離した後、得られた透過液を他の分離膜で分離してもよい。また、含水アルコールを他の分離膜で分離した後、得られた透過液をSiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を用いて分離してもよい。
他の分離膜として、具体的には、LTA型ゼオライト膜、FAU型ゼオライト膜またはSiO/Alモル比が15を超えるゼオライト膜などと組み合わせて用いてもよい。例えば、SiO/Alモル比が15を超えるCHA型ゼオライト膜と組み合わせて用いてもよい。
たとえば、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜を用いて含水アルコールを分離した後、得られた濃縮アルコール成分をLTA型ゼオライト膜を用いて、さらに脱水を行うことができる。このように複数の種類のゼオライト膜を組み合わせることによって、プロセスの効率が向上したり、装置をコンパクトにすることが可能となり、経済的なメリットが得られる場合がある。LTA型ゼオライト膜に導入する、濃縮アルコール成分のアルコール濃度としては通常80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、通常99.5質量%以下、好ましくは99.0質量%以下、より好ましくは98.0質量%以下である。該濃縮アルコール成分がこの濃度範囲にある場合、LTA型ゼオライト膜が壊れることなく長期間安定した性能を発揮することが可能になる。また、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜とLTA型ゼオライト膜との組み合わせによる経済的なメリットが大きくなる。
本発明において用いられるゼオライト膜の厚さとしては、特に制限されるものではないが、通常、0.1μm以上であり、好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上、より好ましくは5μm以上、特に好ましくは7μm以上である。また通常100μm以下であり、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは20μm以下の範囲である。膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性や膜強度が低下する傾向がある。
本発明におけるゼオライト膜を形成するゼオライトの粒子径は特に限定されるものではないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる傾向があることから、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下である。さらに好ましくはゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合である。これはゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じであるときに、ゼオライトの粒界が最も小さくなるためである。水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径と膜の厚さが同じになる場合があるので好ましい。
本発明において、ゼオライト膜複合体とは、多孔質支持体の表面にゼオライトが膜状に固着しているものであり、ゼオライトの一部が多孔質支持体の内部にまで固着している状態のものが好ましい。
このようなゼオライト膜複合体を形成するためには、多孔質支持体にゼオライトを膜状に結晶化させて形成させる方法、多孔質支持体にゼオライトを無機バインダー、あるいは有機バインダーなどで固着させる方法、ゼオライトを分散させたポリマーを固着させる方法、ゼオライトのスラリーを多孔質支持体に含浸させ、場合によっては吸引させることによりゼオライトを多孔質支持体に固着させる方法などがある。
本発明で用いるゼオライト膜複合体は、多孔質支持体表面にゼオライトを膜状に結晶化させたものが好ましい。具体的には、Si元素源、Al元素源および水を含む水性反応混合物を用いて、水熱合成により、CHA型ゼオライトを有するゼオライト膜を多孔質支持体上に形成する方法により製造されたものが好ましい。また、多孔質支持体上にCHA型ゼオライトを水熱合成により膜状に結晶化させたものが特に好ましい。
本発明に用いるゼオライト膜は、アルコールの分離に際しては、特に酸点を有さない膜であることが好ましいため、酸点の由来となり得る有機テンプレートなどの有機物を含まない水性反応混合物を用いて水熱合成により多孔質支持体上に形成されたものが好ましい。
ここで、有機テンプレートとは、生成するゼオライトの結晶構造を規制する、すなわち、鋳型剤としての働きを持つ構造規定剤(structure−directing agent)のうち、とくに有機化合物である物をいう。
水熱合成は、例えば、組成を調整して均一化した水熱合成用の反応混合物(以下これを「水性反応混合物」ということがある。)をオートクレーブなどの耐熱耐圧容器に入れて、多孔質支持体をこの耐熱耐圧容器の内部に緩やかに固定し、密閉して、一定時間加熱すればよい。
水性反応混合物としては、Si元素源、Al元素源、および水を含み、さらに必要に応じてアルカリ源を含むものが好ましい。
水性反応混合物に用いるSi元素源としては、例えば、無定形シリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル、ケイ酸ナトリウム、無定形アルミのシリケートゲル、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリメチルエトキシシラン等を用いることができる。
Al元素源としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、無定形アルミノシリケートゲル等を用いることができる。なお、Al元素源以外に他の元素源、例えばGa、Fe、B、Ti、Zr、Sn、Znなどの元素源を含んでいてもよい。
アルカリ源としては水酸化物イオンやNaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Ca(OH)などのアルカリ土類金属水酸化物などを用いることができる。アルカリの種類は特に限定されるものではないが、通常Na、K、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、Baであり、好ましくはNa、Kであり、より好ましくはKである。アルカリは2種類以上を併用してもよく、具体的にはNaとKを併用するのが好ましい。
反応混合物中のSi元素源とAl元素源の比は通常、それぞれの元素の酸化物のモル比、SiO/Alモル比(以下単に「SiO/Al比」ということがある。)として表わす。SiO/Al比は、5以上であり、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、さらに好ましくは7.5以上、特に好ましくは8以上である。また、好ましくは14以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。
SiO/Alモル比がこの範囲内にあるときゼオライト膜が緻密に生成し、更に生成したゼオライトが強い親水性を示し、有機物を含有する混合物中から親水性の化合物、特に水を選択的に透過することができる。また、耐酸性に強く脱Alしにくいゼオライト膜が得られる。
Si元素源とアルカリ源の比は、M(2/n)O/SiO(ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nはその価数1または2を示す。)モル比で、通常0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、通常1.0以下、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下である。
Si元素源と水の比は、SiOに対する水のモル比(HO/SiOモル比)で、通常10以上、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは60以上、最も好ましくは70以上であり、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、特に好ましくは100以下である。
水性反応混合物中の物質のモル比がこれらの範囲にあるとき、より緻密なゼオライト膜が生成し得る。水の量は緻密なゼオライト膜の生成においてとくに重要であり、粉末合成法の一般的な条件よりも水がシリカに対して多い条件の方が液中での自発核の生成が減少し、支持体上の種結晶からの結晶成長が促進されて緻密な膜ができやすい傾向にある。
一般的に、粉末のゼオライトを合成する際の水の量は、HO/SiOモル比で、15〜50程度である。HO/SiOモル比が高い(50以上1000以下)、すなわち水が多い条件にすることにより、支持体上にゼオライトが緻密な膜状に結晶化した分離性能の高い多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を得ることができる。
特に本発明の特徴を有するゼオライト膜は、FAU型ゼオライトを種結晶とし、該種結晶の存在下で水熱合成を行うことにより、形成されたCHA型ゼオライト膜であることが好ましい。
種結晶として用いるFAU型ゼオライトは構造がFAU型のゼオライトであればいずれでもよく、FAU型ゼオライトとしては、例えば、ケイ酸塩とリン酸塩が挙げられる。ケイ酸塩としては、例えば、アルミノケイ酸塩、ガロケイ酸塩、フェリケイ酸塩、チタノケイ酸塩、ボロケイ酸塩等が、リン酸塩としては、アルミニウムとリンからなるアルミノリン酸塩(ALPO−5などのALPOと称されるもの)、ケイ素とアルミニウムとリンからなるシリコアルミノリン酸塩(SAPO−34などのSAPOと称されるもの)、Feなどの元素を含むFAPO−5などのMeAPOと称されるメタロアルミノリン酸塩等が挙げられる。これらの中で、アルミノケイ酸塩、シリコアルミノリン酸塩が好ましく、アルミノケイ酸塩がより好ましい。
FAU型ゼオライトとしては一般にX型ゼオライトとY型ゼオライトがあり、どちらを用いても、それらの混合物でも構わないが、Y型ゼオライトを用いることが望ましい。
種結晶として用いるFAU型ゼオライトは市販のX型ゼオライトやY型ゼオライトを用いてもよいし、合成してもよい。一般的な合成方法はVERIFIED SYNTHESES OF ZEOLITIC MATERIALS Second Revised Edition 2001 ELSEVIERのP157などに記載されている。
また、用いるFAU型ゼオライトはプロトン型でも、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン、遷移金属イオンにイオン交換したものでも構わず、それらの混合物でもよい。これらのアルカリ金属イオンとしてはNa、K、Liなどが、アルカリ土類金属イオンとしてはCa2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+などが、遷移金属イオンとしてはFe、Cu、Znなどがあげられる。これらの中で、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオンが好ましい。
イオン交換は、FAU型ゼオライトを、NHNO、NaNOなどの硝酸塩、NaOHなどの水酸化物塩、CHCOONaなどの酢酸塩あるいは交換するイオンを含む水溶液、場合によっては塩酸などの酸で処理後、水洗する方法などにより行えばよい。
該水溶液の濃度は、通常、0.00001mol/L以上、好ましくは0.0001mol/L以上、さらに好ましくは0.001mol/L以上、通常10mol/L以下、好ましくは5mol/L以下、さらに好ましくは2mol/L以下である。
また、処理時の温度は、通常10℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、通常200℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下である。
処理時間は、通常2時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上、さらに好ましくは20時間以上、通常10日以下、好ましくは7日以下、より好ましくは4日以下である。さらに、必要に応じて200〜500℃で焼成してもよい。
最終的には特にプロトン型、Na型、K型およびそれらの混合物になっていることが望ましく、Na型あるいはプロトン型あるいはそれらの混合物であることがさらに好ましい。
種結晶のICP発光分光分析法によって測定されるSiO/Al比は、通常15未満、好ましくは12未満、より好ましくは10未満であり、通常1以上、好ましくは3以上である。
種結晶の粒子径は特に規定されないが、粒度分布測定により得られる粒子径の極大値の少なくとも一つが特定の大きさの範囲に入っていることが望ましい。
なお、極大値は粒度分布測定により得られた粒度分布図(横軸に粒子径を縦軸に体積基準の相対粒子量をとった図)の極大値を指す。極大値は好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1.8μm以下であり、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上である。
粒子径が前記上限以下であることにより、基材への種結晶の担持が良好で、欠陥の少ないゼオライト膜が形成しやすい。粒子径が前記下限以上であることにより、合成中に種結晶が溶解しにくく欠陥の少ないゼオライト膜が形成しやすい。
種結晶の粒子径の分布については特に限定されないが、粒度分布測定により得られた累積分布図(体積基準、粒子径の小さいものから積算)で、50%の高さを与える直径D50が、通常0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下であることが望ましい。
また、支持体の平均細孔径の0.5倍以上20倍以下の範囲に存在する種結晶の割合が通常5%以上、好ましくは15%以上、さらに好ましくは25%以上であり、通常100%以下、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。この範囲にあるとき基材への種結晶の担持が良好に行われ緻密で性能の高いゼオライト膜を合成することができる。
このように種結晶の粒子径を制御することによって、基材に担持される種結晶の状態を制御することが可能になり、欠陥の少ない緻密な膜が形成される。
種結晶を好ましいサイズにするために、市販のFAU型ゼオライトや合成によって得られたFAU型ゼオライト、イオン交換したFAU型ゼオライトの結晶を乳鉢やボールミル、ジェットミルなどで粉砕しても構わない。
種結晶を加える方法としては、支持体上に種結晶を付着させておく方法などを用いることが好ましい。支持体上に予め種結晶を付着させておくことで緻密で分離性能が良好なゼオライト膜が生成しやすくなる。
支持体上に種結晶を付着させる方法は特に限定されず、例えば、種結晶を水などの溶媒に分散させてその分散液に支持体を浸けて種結晶を付着させるディップ法や、種結晶を水などの溶媒と混合してスラリー状にしたものを支持体上に塗りこむ方法などを用いることができる。種結晶の付着量を制御し、再現性良くゼオライト膜複合体を製造するにはディップ法が望ましい。
種結晶を分散させる分散媒は特に限定されないが、特に水が好ましい。必要に応じて塩酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶性の物質を加えて分散液のpHを調整してもよい。pHを調整する場合は、分散液のpHを通常7.5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、通常14以下、好ましくは12以下にすることが望ましい。分散液のpHをこの範囲にすることによって種結晶の付着量を好ましい範囲としやすい。
分散させる種結晶の量は特に限定されず、分散液の全質量に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。また、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、とくに好ましくは3質量%以下である。
分散させる種結晶の量が少なすぎると、支持体上に付着する種結晶の量が少ないため、水熱合成時に支持体上に部分的にゼオライトが生成しない箇所ができ、欠陥のある膜となる可能性がある。ディップ法によって支持体上に付着する種結晶の量は分散液中の種結晶の量がある程度以上でほぼ一定となるため、分散液中の種結晶の量が多すぎると、種結晶の無駄が多くなりコスト面で不利である。
支持体上に予め付着させておく種結晶の量は特に限定されず、基材1mあたりの質量で、通常0.01g以上、好ましくは0.1g以上であり、通常100g以下、好ましくは50g以下、より好ましくは10g以下、更に好ましくは5g以下、特に好ましくは3g以下、最も好ましくは1g以下である。
種結晶の量が下限以上であることにより、結晶ができやすく、膜の成長が良好になり、膜の成長が均一になりやすい。また、種結晶の量が上限以下であることにより、表面の凹凸が種結晶によって増長されにくく、支持体から落ちた種結晶からの結晶成長が少なくなり、支持体上の膜成長が阻害されにくい。よって、この範囲であることにより緻密なゼオライト膜が生成しやすい傾向がある。
水熱合成により支持体上にゼオライト膜を形成する場合、支持体の固定化方法に特に制限はなく、縦置き、横置きなどあらゆる形態をとることができる。この場合、静置法でゼオライト膜を形成させてもよいし、水性反応混合物を攪拌させてゼオライト膜を形成させてもよい。
ゼオライト膜を形成させる際の温度は特に限定されないが、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、更に好ましくは140℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは190℃以下である。反応温度が低すぎると、ゼオライトが生成しない場合がある。また、反応温度が高すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成する場合がある。
加熱時間は特に限定されないが、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上であり、通常10日以下、好ましくは5日以下、より好ましくは3日以下、さらに好ましくは2日以下である。反応時間が短すぎるとゼオライトが結晶化しないことがある。反応時間が長すぎると、本発明におけるゼオライトとは異なるタイプのゼオライトが生成することがある。
ゼオライト膜形成時の圧力は特に限定されず、密閉容器中に入れた水性反応混合物をこの温度範囲に加熱したときに生じる自生圧力で十分である。さらに必要に応じて、窒素などの不活性ガスを加えても差し支えない。
水熱合成により得られた多孔質支持体−ゼオライト膜複合体は、水洗した後に、加熱処理して、乾燥させる。ここで、加熱処理とは、熱をかけて多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を乾燥することを意味する。
加熱処理の温度は、乾燥を目的とする場合は通常50℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、通常200℃以下、好ましくは150℃以下である。
加熱時間は、乾燥を目的とする場合にはゼオライト膜が十分に乾燥する時間であれば特に限定されず、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上である。上限は特に限定されず、通常100時間以内、好ましくは10時間以内、より好ましくは5時間以内である。
加熱処理の温度は有機テンプレートの焼成を目的とする場合、通常350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは430℃以上、更に好ましくは480℃以上であり、通常900℃以下、好ましくは850℃以下、さらに好ましくは800℃以下、特に好ましくは750℃以下である。
加熱時間は有機テンプレートの焼成を目的とする場合には有機テンプレートが焼成する時間であれば特に限定されず、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上である。上限は特に限定されず、通常200時間以内、好ましくは100時間以内、より好ましくは50時間以内、さらに好ましくは20時間以内である。
ゼオライト膜は、必要に応じてイオン交換をしてもよい。イオン交換するイオンとしては、プロトンや、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオン、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+などのアルカリ土類金属イオン、Fe、Cu、Znなどの遷移金属のイオンなどが挙げられる。これらの中で、Na、K、Liなどのアルカリ金属イオンが好ましい。
イオン交換は加熱処理後のゼオライト膜を、NHNO、NaNOなどの硝酸塩あるいは交換するイオンを含む水溶液で、通常、室温から100℃の温度で処理後、水洗する方法などにより行えばよい。
ゼオライト膜は、必要に応じてシリル化剤を用いてシリル化処理をしてもよい。シリル化処理に用いるシリル化剤としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロキシシラン、テトライソプロキシシラン、テトラブトキシシランなどのアルコキシシラン、メチルシリケートオリゴマー、エチルシリケートオリゴマーなどのシリケートオリゴマーなどが挙げられる。これらの中でテトラエトキシシランやメチルシリケートオリゴマーが好ましい。
シリル化処理としては、加熱処理後のゼオライト膜をシリル化剤を含む溶液に浸漬し、室温から通常150℃以下、好ましくは100℃以下で加熱処理した後、水洗することにより得る方法や、加熱処理後のゼオライト膜にシリル化剤を塗布し、水蒸気共存下で通常、室温から150℃以下で加熱処理することにより得る方法などが挙げられる。
本発明において用いられるゼオライト膜の多孔質支持体上の位置は特に限定されるものではないが、管状多孔質支持体を用いる場合、外表面にゼオライト膜をつけてもよいし、内表面につけてもよく、さらに適用する系によっては両面につけてもよい。また、多孔質支持体の表面に積層させてもよいし、多孔質支持体の表面の細孔内を埋めるように結晶化させてもよい。この場合、結晶化した膜層の内部に亀裂や連続した微細孔が無いことが重要であり、いわゆる緻密膜を形成させることが分離性を向上することになる。
本発明に係る、膜分離装置を用いた分離工程は、パーベーパレーション(PV)法またはパーベーパーミエーション(VP)法が採用されるが、本発明では、エネルギー効率の点からパーベーパレーション(PV)法を採用することがより好ましい。
PV法は、分離膜に含水アルコールの液体を接触させて水を透過させる。すなわち、この方式は、透過気化法または浸透気化法とも呼ばれ、混合物(供給液)を分離膜を介して蒸発させ、その際、水のみを透過させることにより、アルコールを分離して濃縮する。供給液は気化熱で冷却されるため、それを補うための加熱手段が必要となる。
本発明に係る膜分離装置に導入することにより得られたアルコールは、その濃度が十分に高い場合にはそのままプロダクツ(製品)とすることも可能であり、また、濃度が十分高くない場合には、吸着塔に再導入することができる。
ここで、本発明では、膜分離装置に導入して得られた高濃度のアルコールを第二の濃縮アルコールと言う。
本発明では、第一の濃縮アルコールと第二の濃縮アルコールを合せてプロダクツ、すなわち高濃度アルコールとすることが好ましい。第一の濃縮アルコールと第二の濃縮アルコールはそれぞれ上記定義した高濃度アルコールの濃度範囲内のものであればよく、必ずしも両者が同じ濃度である必要はない。
尚、膜分離装置を用いた膜分離工程における水の透過流束は0.1kg/(m・h)以上であることが好ましく、さらに好ましくは2.0kg/(m・h)以上、より好ましくは5.0kg/(m・h)以上である。
膜分離工程における水の透過流束が上記範囲であることにより、膜分離工程からそのままプロダクツを得る場合は、その生産効率を高めることになり、膜分離工程から吸着塔に戻す場合においては、吸着塔のエネルギー効率を高めることになる。また、透過流束の値が大きい場合、膜分離工程における所望の濃縮量および濃縮速度を保ったまま、分離膜面積を減らす設計をすることも可能であり、装置のコンパクト化も可能となる。
本発明に係る、膜分離装置を用いた膜分離工程における膜透過液中の水の濃度は通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上、さらに好ましくは99.9質量%以上である。この範囲であることにより、膜分離工程におけるアルコールの損失量が小さくなり、高濃度アルコールの生産効率が高くなる。
以下、具体的な実施態様を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は具体的な実施態様のみに限定されないことはいうまでもない。
図1は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の一例を示すフローシートである。
図1では、例えばバイオエタノールのようなエタノールと水を含む液体を格納する原料タンク10から、原料を精留塔1に供給し、精留塔1の塔頂から濃縮された水−アルコール混合物を得る(例えばエタノール濃度は91.0質量%)。
精留塔1の塔頂液は、蒸発塔2において蒸発させた後に、過熱された水−アルコール混合物ベーパーとなり、該水−アルコール混合物ベーパーは吸着塔3aに供給される。吸着塔3aでは水−アルコール混合物ベーパーに含まれる水を吸着して高濃度のエタノール(第一の濃縮アルコール)を得て(例えばエタノール濃度は99.5質量%)、製品タンク5へと輸送される。
一方、吸着塔3bは、既に水−アルコール混合物ベーパーに含まれる水の吸着に用いられた吸着塔であり、内部に多くの水を吸着している。そのため、吸着塔3aには水−アルコール混合物ベーパーを供給して水−アルコール混合物ベーパーに含まれる水を吸着する一方、吸着塔3bには吸着塔3aで得られた高濃度のエタノール(第一の濃縮アルコール)ベーパーの一部を供給し、吸着塔3bで吸着された水を脱着させて含水エタノールを得る(例えばエタノール濃度67.4質量%)。
このように、吸着塔3bから水を脱着する脱着工程で得られた含水エタノールは、従来、水の含有量が多いため、そのまま膜分離装置に導入することができなかった。そのため、得られた含水エタノールは上流側にある精留塔に再導入されることで再利用を図っていた。
本プロセスでは、膜分離装置4に特定のゼオライト膜複合体を用いることで、膜分離装置4に導入して再利用が可能となった。本実施態様により、水脱着工程で得られた含水エタノールの再利用において、エネルギー効率が高い方法を採用することが可能となった。
膜分離装置4に導入された含水エタノールは、高濃度のエタノール(第二の濃縮アルコール)として得ることができ(例えばエタノール濃度99.5質量%)、製品タンク5に供給される。
図2は、本発明の実施態様に係るアルコールの製造方法の別の例を示すフローシートである。
図2は、図1に示すプロセスの変形例であり、例えば膜分離工程で得られるエタノールが、十分に濃度が高いエタノールとならなかった場合(例えばエタノール濃度90.0質量%)、吸着塔3aに再導入することで、エタノールの純度を更に上げる。
この変形例は、吸着塔3bにおける水脱着工程から供給される含水エタノールのエタノール濃度、膜分離設備の分離能などを勘案し、膜分離装置4に導入した後に得られたエタノールの濃度に応じて採用することができる。
図3は、本発明の実施態様の一例を示すフローシートである。
アルコール濃度が1〜8質量%の原料をもろみ塔21に供給し予備蒸留を行い、アルコール濃度が40〜60質量%の水−アルコール混合物のベーパーを得る。この水−アルコール混合物のベーパーを精留塔25に供給し、アルコール濃度が90〜95質量%の水−アルコール混合物を得る。得られた水−アルコール混合物のベーパーを吸着塔30に供給し、第一の濃縮アルコールを得るとともに、再生脱着中の吸着塔からはアルコール濃度が40〜80質量%の含水アルコールのベーパーを得る。この含水アルコールのベーパーは、減圧装置(凝縮器付)31にて液体とされ、液体の含水アルコールを膜分離装置33に供給する。膜分離装置33では、パーベーパレーション法により水とアルコールが分離されて、第二の濃縮アルコールが得られるとともに、膜を透過した水とアルコール(アルコール濃度1〜10質量%)は精留塔25へ戻される。
図4は、本発明の実施態様の一例を示すフローシートである。図3の実施態様に対して、この実施態様では、精留塔の後工程に蒸留塔38を設置している。
図5は、本発明の実施態様の一例を示すフローシートである。図3の実施態様に対して、膜分離装置で得られた第2の濃縮アルコールを吸着塔30に戻している。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
水熱合成用の水性反応混合物として以下のものを調製した。
水酸化アルミニウム(Al53.5質量%含有、アルドリッチ社製)に1mol/L−KOH水溶液と水を加えて混合撹拌し溶解させ溶液とした。
これにコロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテック−40)を加えて2時間撹拌し、水性反応混合物とした。
この水性反応混合物の組成(モル比)は、SiO/Al/KOH/HO=1/0.125/0.7/80、SiO/Al=8であった。
無機多孔質支持体としては、多孔質アルミナチューブ(外径12mm、内径9mm)を用いた。
プロトン型のY型ゼオライト(HY(SAR=5)、触媒化成工業社製)10.0gにNaOH5.00gと水100gを混合したものを100℃で7日間加熱した後、ろ過、水洗、乾燥することによりFAU型ゼオライトを得た。このFAU型ゼオライトの粒度分布を測定したところD50は1.73μm、極大値は1.32μm、2.98μmであった。このFAU型ゼオライトを種結晶として使用した。
この種結晶を水に0.5質量%分散させたものに、上記支持体を所定時間浸した後、100℃で5時間以上乾燥させて種結晶を付着させた。付着した種結晶の質量は0.48g/mであった。
種結晶を付着させた支持体を、上記水性反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒(200ml)に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、5時間かけて室温から180℃まで昇温した。昇温完了後、180℃で24時間、静置状態で、自生圧力下で加熱した。所定時間経過後に放冷し、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を水性反応混合物から取り出し、洗浄後、100℃で4時間乾燥させた。
乾燥後の多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の空気透過量は4L/(m・h)であった。SEM−EDX測定(膜表面)により、ゼオライト膜の膜表面からのSiO/Alモル比を測定したところ、6であった。
得られたSiO/Alモル比が6であるCHA型ゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により60℃の被分離液である含水エタノール(水/エタノール=30/70質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。
パーベーパレーション法に用いた装置の概略図を図6に示す。図6において多孔質支持体−ゼオライト膜複合体5Aは真空ポンプ9Aによって内側が減圧され、被分離液4Aが接触している外側と圧力差が約1気圧(1.01×10Pa)になっている。この圧力差によって、被分離液4A中の透過物質(水)が多孔質支持体−ゼオライト膜複合体5Aに浸透気化して透過する。透過した物質は透過液捕集用トラップ7Aで捕集される。一方、被分離液4A中の有機化合物は、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体5Aの外側に滞留する。
その結果、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の透過流束は4.4kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.95質量%であった。水のパーミエンスであらわすと、4.6×10−6mol/(m・s・Pa)であった。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
SiO/Alモル比が7であるCHA型ゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、ゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により100℃の被分離液である含水エタノール(水/エタノール=49/51質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。
パーベーパレーションに用いた装置の概略図を図7に示す。
図7において原料タンク11にある被分離液(体積4.0L)は循環ポンプ12により膜分離装置14へと1.0L/minの流量で送液される。
被分離液は膜分離装置14に導入される前に電気ヒーター13で100℃に熱せられる。膜分離装置14内にあるゼオライト膜複合体は真空ポンプ19によって内側が減圧され、膜分離装置14内に導入された被分離液が接触している外側と、圧力差が約1気圧になっている。この圧力差によって膜分離装置14内の被分離液中の透過物質となる水がゼオライト膜複合体に浸透気化して透過する。
透過した物質は冷却トラップ17で捕集される。一方、濃縮されたエタノールは原料タンク11に戻される。一定時間経過後にサンプリングライン15で採液した液の濃度と、冷却トラップ17に捕集された透過物質の重量と濃度を測定し、水の透過流束を求めた。
冷却トラップ17に捕集した透過液、被分離液の組成分析はガスクロマトグラフによって行った。水の透過流束は12.2kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=32/68質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は10.4kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=15/85質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は6.8kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(実施例5)
SiO/Alモル比が6であるT型(ERI/OFF)ゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=31/69質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は3.4kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例5と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=15/85質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は1.9kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例5と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=10/90質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は1.4kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
SiO/Alモル比が20であるCHA型ゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を用いて、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=50/50質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は2.2kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=33/67質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は2.1kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1と同様に、パーベーパレーション法により100℃の含水エタノール(水/エタノール=15/85質量%)から水を選択的に透過させる膜分離工程を行った。水の透過流束は1.3kg/(m・h)、透過液中の水の濃度は99.99質量%であった。測定結果を表1に示す。
膜分離工程における水の透過流束が大きいということは、水脱着工程から得られる含水エタノール中のエタノールを単位時間あたりに濃縮できる単位面積当たりの能力が高いことを意味している。そのため、膜分離工程からそのままプロダクツを得る場合は、その生産効率を高めることになり、膜分離工程から吸着塔に戻す場合においては、吸着塔のエネルギー効率を高めることになる。
Figure 2016067677
以上の結果から、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜を備えた、ゼオライト膜複合体を用いることにより、効率よく高濃度のアルコールを製造できることが分かった。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2014年10月30日出願の日本特許出願(特願2014−221970)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 精留塔
2 蒸発塔
3a、3b 吸着塔
4 膜分離装置
5 製品タンク
6 熱交換器
7 ポンプ
10、11 原料タンク
12 循環ポンプ
13 電気ヒーター/温度コントローラー
14 膜分離装置
15 サンプリングライン
16 真空圧力計
17 冷却トラップ
18 凝縮器
19 真空ポンプ
20 もろみ塔供給予熱器
21 もろみ塔
22 もろみ塔リボイラー
23 回収水予熱器
24 精留塔コンデンサー
25 精留塔
26 過熱器
27 精留塔リボイラー
28 製品凝縮器
29 製品冷却器
30 吸着塔
31 減圧装置(凝縮器付)
32 加熱器
33 膜分離装置
34 透過側コンデンサー
35 真空ポンプ
36 濃縮液冷却器
37 濃縮液コンデンサー
38 蒸発塔
39 蒸発塔リボイラー
1A スターラー
2A 湯浴
3A 撹拌子
4A 被分離液
5A 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体
6A ピラニゲージ
7A 透過液捕集用トラップ
8A コールドトラップ
9A 真空ポンプ
すなわち、本発明の概要は、以下のとおりである。
[1] 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する方法であって、
製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得る水吸着工程、
次いで前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得る水脱着工程、及び
前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得る膜分離工程
を有することを特徴とする、高濃度アルコールの製造方法。
[2] 前記ゼオライトは、フレームワーク密度が10.0〜18.0T/1000Åのゼオライトである、前記[1]に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[3] 前記ゼオライトはCHA型ゼオライトである、前記[1]または[2]に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[4] 前記水吸着工程の前に、精留塔による精留工程を有し、前記水吸着工程における吸着塔に導入される前記水−アルコール混合物が前記精留工程における精留塔の塔頂の留出物である、前記[1]〜[3]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[5] 前記吸着塔が複数存在する、前記[1]〜[4]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[6] 前記膜分離工程で得られた第二の濃縮アルコールを前記水吸着工程における吸着塔に再導入する、前記[1]〜[5]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[7] 発酵菌によるアルコール発酵で生成されたエタノール含有液を原料とする、前記[1]〜[6]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[8] 前記水−アルコール混合物が酸を含有する、前記[1]〜[7]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[9] 前記膜分離工程における膜分離は、パーベーパレーション法による分離である、前記[1]〜[8]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[10] 前記膜分離工程における膜分離は、ベーパーパーミエーション法による分離である、前記[1]〜[8]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[11] 前記水脱着工程において導入するアルコールが、前記水吸着工程で得られた第一の濃縮アルコールである、前記[1]〜[10]のいずれか一に記載の高濃度アルコールの製造方法。
[12] 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する装置であって、
製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得た後、前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得て、
前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得ることを特徴とする、高濃度アルコールの製造装置。

Claims (12)

  1. 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する方法であって、
    製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
    水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得る水吸着工程、
    次いで前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得る水脱着工程、及び
    前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得る膜分離工程
    を有することを特徴とする、高濃度アルコールの製造方法。
  2. 前記ゼオライトは、フレームワーク密度が10.0〜18.0T/1000Åのゼオライトである、請求項1に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  3. 前記ゼオライトはCHA型ゼオライトである、請求項1または2に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  4. 前記水吸着工程の前に、精留塔による精留工程を有し、前記水吸着工程における吸着塔に導入される前記水−アルコール混合物が前記精留工程における精留塔の塔頂の留出物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  5. 前記吸着塔が複数存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  6. 前記膜分離工程で得られた第二の濃縮アルコールを前記水脱着工程における吸着塔に再導入する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  7. 発酵菌によるアルコール発酵で生成されたエタノール含有液を原料とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  8. 前記水−アルコール混合物が酸を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  9. 前記膜分離工程における膜分離は、パーベーパレーション法による分離である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  10. 前記膜分離工程における膜分離は、ベーパーパーミエーション法による分離である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  11. 前記水脱着工程において導入するアルコールが、前記水吸着工程で得られた第一の濃縮アルコールである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の高濃度アルコールの製造方法。
  12. 吸着塔及び膜分離装置をこの順に用いて高濃度アルコールを製造する装置であって、
    製造されるアルコールはメタノールまたはエタノールであり、
    水−アルコール混合物を前記吸着塔に導入し、水を前記吸着塔に吸着させて第一の濃縮アルコールを得た後、前記吸着塔にアルコールを導入し、吸着させた前記水を脱着させて含水アルコールを得て、
    前記含水アルコールを、SiO/Alモル比が5〜15であるゼオライトを含むゼオライト膜複合体を備える膜分離装置に導入して第二の濃縮アルコールを得ることを特徴とする、高濃度アルコールの製造装置。
JP2016556388A 2014-10-30 2015-06-29 高濃度アルコールの製造方法 Pending JPWO2016067677A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014221970 2014-10-30
JP2014221970 2014-10-30
PCT/JP2015/068739 WO2016067677A1 (ja) 2014-10-30 2015-06-29 高濃度アルコールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2016067677A1 true JPWO2016067677A1 (ja) 2017-08-17

Family

ID=55857028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016556388A Pending JPWO2016067677A1 (ja) 2014-10-30 2015-06-29 高濃度アルコールの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US10329229B2 (ja)
EP (1) EP3214060B1 (ja)
JP (1) JPWO2016067677A1 (ja)
CN (1) CN106795075B (ja)
WO (1) WO2016067677A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10486079B1 (en) 2016-01-08 2019-11-26 Whitefox Technologies Limited Process and system for dehydrating a byproduct stream in ethanol production
JP2018020985A (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 三菱ケミカル株式会社 アルコールの製造方法
CN106495989B (zh) * 2016-09-27 2020-02-07 台州中知英健机械自动化有限公司 一种节能的酒精粗馏设备及其粗馏方法
US10729987B1 (en) 2016-12-09 2020-08-04 Whitefox Technologies Limited Process and system for heat integration in ethanol production
EP3575279A4 (en) * 2017-01-30 2020-02-12 Mitsubishi Chemical Corporation PROCESS FOR PRODUCING HIGH CONCENTRATION ALCOHOL
JP2020075864A (ja) * 2017-03-14 2020-05-21 三菱ケミカル株式会社 アルコールの製造方法
JP7167462B2 (ja) 2017-03-27 2022-11-09 三菱ケミカル株式会社 アルカリ性含水有機化合物の水分離方法
JP2021104467A (ja) * 2018-03-30 2021-07-26 日立造船株式会社 高含水系における低Siゼオライト膜適応脱水システムおよび脱水方法
EP3790638A1 (en) 2018-05-07 2021-03-17 Whitefox Technologies Limited Process and system for dehydrating a product stream in ethanol production with molecular sieve and membranes
CN109908616A (zh) * 2019-04-24 2019-06-21 中国轻工业西安设计工程有限责任公司 一氧化碳制乙醇的蒸馏节能系统及其蒸馏方法
WO2020255867A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 日本碍子株式会社 ゼオライト膜複合体、ゼオライト膜複合体の製造方法、分離装置、膜型反応装置および分離方法
CN112843766B (zh) * 2020-12-29 2022-06-14 复榆(张家港)新材料科技有限公司 变压吸附分离溶剂水二元共沸物的吸附分离工艺
WO2022191228A1 (ja) * 2021-03-11 2022-09-15 三菱ケミカル株式会社 脱水システム及び脱水方法
CN113213504B (zh) * 2021-06-10 2022-07-08 吉林大学 一种天然辉沸石在制备cha分子筛中的应用、cha分子筛的制备方法
CN114870420A (zh) * 2022-02-15 2022-08-09 北京袭明科技有限公司 一种高纯电子级异丙醇生产方法及装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3923699B2 (ja) 1999-03-17 2007-06-06 日本合成アルコール株式会社 有機化合物の脱水方法
JP4922804B2 (ja) 2006-09-08 2012-04-25 日立造船株式会社 含水有機化合物の脱水方法
US8114255B2 (en) * 2008-08-27 2012-02-14 Membrane Technology & Research, Inc. Membrane-augmented distillation with compression to separate solvents from water
CN105536564A (zh) * 2009-02-27 2016-05-04 三菱化学株式会社 无机多孔支持体-沸石膜复合体、其制造方法和使用其的分离方法
JP5569901B2 (ja) * 2009-06-08 2014-08-13 独立行政法人産業技術総合研究所 ゼオライト膜、分離膜モジュール及びその製造方法
ES2396191T3 (es) * 2009-12-08 2013-02-19 Süd-Chemie Ip Gmbh & Co. Kg Procedimiento para la obtención de etanol durante una fermentación
WO2012011285A1 (ja) * 2010-07-22 2012-01-26 新日鉄エンジニアリング株式会社 エタノール製造装置及びエタノール製造方法
JP2014118377A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Mitsubishi Chemicals Corp 有機化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US11028031B2 (en) 2021-06-08
CN106795075B (zh) 2020-11-24
US20190263741A1 (en) 2019-08-29
WO2016067677A1 (ja) 2016-05-06
CN106795075A (zh) 2017-05-31
EP3214060A4 (en) 2017-11-08
EP3214060B1 (en) 2020-02-19
US10329229B2 (en) 2019-06-25
EP3214060A1 (en) 2017-09-06
US20170204030A1 (en) 2017-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11028031B2 (en) Method for producing high-concentration alcohol
JP6172239B2 (ja) アルコール−水混合物からのアルコールの回収方法
JP7060042B2 (ja) 多孔質支持体-ゼオライト膜複合体及び多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法
JP5527107B2 (ja) 含水有機化合物の分離方法および分離装置
US20180339272A1 (en) Zeolite membrane composite
JP5533438B2 (ja) 含水有機化合物の脱水濃縮装置
JP5585307B2 (ja) Vocの回収装置
WO2016006564A1 (ja) ゼオライト膜、その製造方法およびこれを用いた分離方法
JP5903802B2 (ja) 多孔質支持体―ゼオライト膜複合体の製造方法
JP6167482B2 (ja) 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体の製造方法
JP5857533B2 (ja) 有機溶剤−酸−水混合物からの有機溶剤の回収方法
JP5810750B2 (ja) 酸−水混合物からの酸の回収方法
JP6167484B2 (ja) 多孔質支持体−ゼオライト膜複合体
JP5481075B2 (ja) ゼオライト膜の製造方法
JP7353017B2 (ja) 多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法
JP5494356B2 (ja) ゼオライト膜の再生方法
JP2015066532A (ja) ゼオライト薄膜を有する複合膜およびその製造方法
JP5884349B2 (ja) 含水有機化合物の脱水濃縮方法及びそれに用いる脱水濃縮装置
JP2017165671A (ja) 高濃度アルコールの製造方法
JP2014118377A (ja) 有機化合物の製造方法
JP6728583B2 (ja) 微量アルコールの除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170330

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170724