JP2016099164A - エンコーダ及び回転角度位置算出方法 - Google Patents
エンコーダ及び回転角度位置算出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016099164A JP2016099164A JP2014234673A JP2014234673A JP2016099164A JP 2016099164 A JP2016099164 A JP 2016099164A JP 2014234673 A JP2014234673 A JP 2014234673A JP 2014234673 A JP2014234673 A JP 2014234673A JP 2016099164 A JP2016099164 A JP 2016099164A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic sensor
- land
- angle position
- phase
- correction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
Description
また、エンコーダには、絶対値の回転角度位置データをインクリメンタル信号等に変換して、A、B相と呼ばれる2つの伝送線を用いて送信可能なものが存在する。
しかしながら、特許文献1に記載された装置のような構成では、この誘起される電圧(以下、誘導電圧という。)が磁気センサの出力に重畳された際のノイズを十分に削減できず、回転角度位置検出の精度が低くなるという問題があった。
このように構成することで、誘導電圧は回転速度に比例して発生されるため、使用状態における回転速度と特定回転速度との速度比を計算し、補正量テーブルから補正値をその速度比によって換算すれば、適切な補正を行うことができる。
ω=D/T/R×60 …… 式(1)
ここで、ωは特定回転速度(rpm)、Rは角度分解能、Tはサンプリング周期(秒)、Dは特定の角度変位値であり、
前記使用状態における回転速度を、下記の式(2)で算出し、
ω'=(D'/D)×ω …… 式(2)
ここで、ω'は使用状態における回転速度(rpm)、D'は、現在のサンプリング時間における角度変位値と1つ前のサンプリング時間における角度変位値との差となる分割角度差分値であることを特徴とする。
このように構成することで、1つのサンプリング周期の間で分割角度差分値を算出するだけで回転速度が求められるので、使用回転速度における補正量を簡単に算出することができる。
このように構成することで、回転速度により補正の実行の有無を分ける必要がなくなるので、容易に補正をすることができる。
このように構成すると、A相信号とB相信号の両方に補正テーブルがあるので、回転速度に比例して重畳される誤差が、A相信号とB相信号で異なっても、それぞれ最適な補正値を得られることができ、精度良い回転角度位置の検出ができる。
このように構成すると、スルーホールは、感磁センサ及び半導体装置の少なくとも一方と重なる位置に形成されているので、感磁センサからの出力の伝送経路が短くなり、感磁センサからの出力の伝送経路で発生する誘導電圧によるノイズが小さくなり、誘導電圧によるノイズの影響を緩和することができる。
このように構成することで、誘導電圧同士を互いに相殺させることができ、誘導電圧によるノイズの影響を緩和することができる。
このように構成することで、サンプリング周期を変更する必要があっても、補正テーブルを使用して、回転角度位置の補正をすることができる。
このように構成することで、回転速度に比例して重畳される誤差の補正を、使用状態の回転速度に合わせて換算し補正することができ、回転角度位置を精度良く検出できる。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御システムXの構成について説明する。制御システムXは、エンコーダ部10、モータ11、制御装置12、及び上位機器13を含んで構成される。
このうち、エンコーダ部10と制御装置12とは本実施形態のエンコーダ装置1として機能する。
エンコーダ部10は、モータ11と同軸のシャフト等を含む回転体2の角度を回転角度位置データとして常に検出している。このため、エンコーダ部10は、モータ11のフレーム等に対して固定された固定体3を備えている。
この回転角度位置データは、回転体2の回転した回数を示す多回転データと、回転体2の角度を示す一回転内データとを含んでいる。また、回転角度位置データは、多回転データと一回転内データとが連続したビット列となるデータである。このうち、多回転データは、数ビット〜数十ビット、一回転内データは数ビット〜数百ビットの解像度である。
また、エンコーダ部10は、制御装置12からの指示に応じて、回転角度位置データを制御装置12へ出力する。
エンコーダ部10の詳細な構成については、後述する。
制御装置12は、例えば、マイクロコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでいる。
モータ11は、ロータ(rotor)、ベアリング(bearing)、ステータ(stator)、ブラケット(bracket)等を備える一般的なサーボモータ等である。
また、上位機器13は、例えば、インクリメンタル信号を受信する伝送線は、位相がそれぞれ90度ずれた信号のHL(Hは、ハイレベル信号、Lはローレベル信号を示す)のエッジで送信するA相、B相の二つの伝送線等で構成される。
次に、図2〜図6により、本発明の実施の形態に係るエンコーダ部10(ロータリーエンコーダ)の全体の配置構成について説明する。
図2に示すエンコーダ部10は、固定体3(図1)に対する回転体2の軸線周り(回転中心軸線L周り)の回転を磁気的に検出する磁気センサ装置である。図3は、本発明の実施の形態に係る磁気センサ装置の電気的構成を示す説明図である。
回転体2は、モータ11の回転出力軸等に連結された状態で使用される。回転体2の側には、N極とS極とが周方向において1極ずつ着磁された着磁面21を回転中心軸線L方向の一方側に向けるマグネット20(可動被検出物)が保持されている。マグネット20は回転体2と一体に回転中心軸線L周りに回転する。
感磁センサ4は、マグネット20の着磁面21に対して回転中心軸線L方向の一方側で対向して配置され、マグネット20の磁束による磁気抵抗を測定する。
チップ97は、感磁センサ4からの出力を増幅するアンプ部90(アンプ部90(+A)、アンプ部90(−A)、アンプ部90(+B)、アンプ部90(−B))を備えているIC等である。アンプ部90(+A)及びアンプ部90(−A)から出力される信号が、A相信号となる。また、アンプ部90(+B)及びアンプ部90(−B)から出力される信号が、B相信号となる。
信号処理部100の詳細な構成については後述する。
なお、信号処理部100は、半導体装置9に内蔵されていなくてもよい。
また、マグネット20と、感磁センサ4、第1ホール素子61、及び第2ホール素子62を含む固定体3とは、回転角度位置を検出するための検出素子を構成する。
チップ40は、内部に、素子基板45と、マグネット20の位相に対して互いに90°(π/2)の位相差を有する2相の感磁膜(A相(SIN)の感磁膜、及びB相(COS)の感磁膜)とを備えている。つまり、感磁センサ4は、可動被検出物の変位に対応したA相センサ(A相の感磁膜)及びB相センサ(B相の感磁膜)を含む。
A相の感磁膜は、180°(π)の位相差をもって回転体2の移動検出を行う+A相(SIN+)の感磁膜43、及び−A相(SIN−)の感磁膜41を備えている。また、B相の感磁膜は、180°(π)の位相差をもって回転体2の移動検出を行う+B相(COS+)の感磁膜44、及び−B相(COS−)の感磁膜42を備えている。つまり、A相センサからは正弦波状のA相信号(sin)が出力され、B相センサからは正弦波状のB相信号(cos)が出力される。また、A相信号とB相信号との位相差は、略π/2となる。
また、+B相の感磁膜44及び−B相の感磁膜42も、+A相の感磁膜44及び−A相の感磁膜41と同様、図4Bに示すブリッジ回路を構成している。これらは、一方端が電源端子48(Vcc)に接続され、他方端がグランド端子48(GND)に接続されている。+B相の感磁膜44の中点位置には、+B相が出力される出力端子48(+B)が設けられている。−B相の感磁膜42の中点位置には、−B相が出力される出力端子48(−B)が設けられている。
このため、感磁センサ4の感磁膜41〜44は、各感磁膜41〜44の抵抗値の飽和感度領域以上の磁界強度で、着磁面21の面内方向で向きが変化する回転磁界を検出することができる。すなわち、着磁境界線部分では、各感磁膜41〜44の抵抗値の飽和感度領域以上の磁界強度で面内方向の向きが変化する回転磁界が発生する。ここで、飽和感度領域とは、一般的に、抵抗値変化量kが、磁界強度Hと近似的に「k∝H2」の式で表すことができる領域以外の領域をいう。
また、飽和感度領域以上の磁界強度で回転磁界(磁気ベクトルの回転)の方向を検出する際の原理は、感磁膜41〜44に通電した状態で、抵抗値が飽和する磁界強度を印加したとき、磁界と電流方向がなす角度θと、感磁膜41〜44の抵抗値Rとの間には、下記の式(0)で示す関係があることを利用するものである:
R=R0−k×sin2θ …… 式(0)
ここで、R0は無磁界中での抵抗値、kは抵抗値変化量(飽和感度領域以上のときは定数となる。)を示す。
このような原理に基づいて回転磁界を検出すれば、角度θが変化すると抵抗値Rが正弦波に沿って変化する。このため、波形品質の高いA相信号の出力及びB相信号の出力を得ることができる。
図5により、本発明の実施の形態に係るエンコーダ部10における感磁センサ4からアンプ部90への信号経路について説明する。
図5A、図5Bは、両面基板5(回路基板)に対する感磁センサ4及び半導体装置9の実装構造を示す説明図、及び両面基板5(回路基板)の配線パターン等を示す説明図である。なお、図5Bには配線パターンのうち、本実施形態に関する配線パターンのみを示している。また、図5Bでは、両面基板5の一方面501に形成された配線パターンを実線で示し、両面基板5の他方面502に形成された配線パターンを一点鎖線で示している。また、図5Bは、感磁センサ4を点線で示し、半導体装置9を二点鎖線で示している。
チップ40と、出力端子48(+A)、48(−A)、48(+B)、48(−B)とは、感磁センサ側配線47(+A)、47(−A)、47(+B)、47(−B)によって電気的に接続されている。
A相用:
感磁センサ4の第1出力端子=出力端子48(+A)
感磁センサ4の第2出力端子=出力端子48(−A)
感磁センサ側第1配線=感磁センサ側配線47(+A)
感磁センサ側第2配線=感磁センサ側配線47(−A)
B相用:
感磁センサ4の第1出力端子=出力端子48(+B)
感磁センサ4の第2出力端子=出力端子48(−B)
感磁センサ側第1配線=感磁センサ側配線47(+B)
感磁センサ側第2配線=感磁センサ側配線47(−B)
A相用:
半導体装置9の第1入力端子=入力端子98(+A)
半導体装置9の第2入力端子=入力端子98(−A)
アンプ側第1配線=アンプ側配線93(+A)
アンプ側第2配線=アンプ側配線93(−A)
B相用:
半導体装置9の第1入力端子=入力端子98(+B)
半導体装置9の第2入力端子=入力端子98(−B)
アンプ側第1配線=アンプ側配線93(+B)
アンプ側第2配線=アンプ側配線93(−B)
具体的には、両面基板5の一方面501側には感磁センサ4が実装され、他方面502側には半導体装置9が実装されている。両面基板5は、厚さ方向(矢印Tで示す方向)をマグネット20の回転中心軸線L方向に向けている。
なお、感磁センサ4の平面サイズが半導体装置9の平面サイズより大きくてもよい。この場合、半導体装置9は、感磁センサ4を両面基板5の厚さ方向に平行投影した領域の内側に配置される。
本実施形態において、複数のスルーホール50は、感磁センサ4と両面基板5の厚さ方向において重なる位置に形成されている。このため、複数のスルーホール50は、感磁センサ4及び半導体装置9の双方と、両面基板5の厚さ方向において重なる位置に形成されている。
以下、図3及び図5A、図5Bを参照して、両面基板5のランドや配線等を説明する。両面基板5は、一方面501に、感磁センサ4が実装される複数のランド51と、ランド51から延在する複数の配線52とが形成されている。また、複数の配線52の各々の先端部にスルーホール50が形成されている。
また、複数のランド51には、ランド51(+A)と、ランド51(−A)と、ランド51(+B)と、ランド51(−B)とが含まれている。
ランド51(+A)は、感磁センサ4の出力端子48(+A)が実装される+A相用のランドである。ランド51(−A)は、感磁センサ4の出力端子48(−A)が実装される−A相用のランドである。ランド51(+B)は、感磁センサ4の出力端子48(+B)が実装される+B相用のランドである。ランド51(−B)は、感磁センサ4の出力端子48(−B)が実装される−B相用のランドである。
また、複数の配線52には、配線52(+A)と、配線52(−A)と、配線52(+B)と、配線52(−B)とが含まれている。配線52(+A)は、感磁センサ4の出力端子48(+A)が電気的に接続される+A相用の配線である。配線52(−A)は、感磁センサ4の出力端子48(−A)が電気的に接続される−A相用の配線である。配線52(+B)は、感磁センサ4の出力端子48(+B)が電気的に接続される+B相用の配線である。配線52(−B)は、感磁センサ4の出力端子48(−B)が電気的に接続される−B相用の配線である。
また、複数のスルーホール50には、スルーホール50(+A)と、スルーホール50(−A)と、スルーホール50(+B)と、スルーホール50(−B)とが含まれている。スルーホール50(+A)は、感磁センサ4の出力端子48(+A)が電気的に接続される+A相用のスルーホールである。スルーホール50(−A)は、感磁センサ4の出力端子48(−A)が電気的に接続される−A相用のスルーホールである。スルーホール50(+B)は、感磁センサ4の出力端子48(+B)が電気的に接続される+B相用のスルーホールである。スルーホール50(−B)は、感磁センサ4の出力端子48(−B)が電気的に接続される−B相用のスルーホールである。
また、ランド53のうち、ランド53(+A)には、半導体装置9のアンプ部90(+A)に電気的に接続する入力端子98(+A)が実装されている。また、ランド53(−A)には、半導体装置9のアンプ部90(−A)に電気的に接続する入力端子98(−A)が実装されている。また、ランド53(+B)には、半導体装置9のアンプ部90(+B)に電気的に接続する入力端子98(+B)が実装されている。また、ランド53(−B)には、半導体装置9のアンプ部90(−B)に電気的に接続する入力端子98(−B)が実装されている。
また、配線54のうち、配線54(+A)と配線52(+A)との重なり部分にはスルーホール50(+A)が形成されている。また、配線54(−A)と配線52(−A)との重なり部分にはスルーホール50(−A)が形成されている。また、配線54(+B)と配線52(+B)との重なり部分にはスルーホール50(+B)が形成されている。また、配線54(−B)と配線52(−B)との重なり部分にはスルーホール50(−B)が形成されている。
A相用:
感磁センサ用第1ランド=ランド51(+A)
感磁センサ用第2ランド=ランド51(−A)
B相用:
感磁センサ用第1ランド=ランド51(+B)
感磁センサ用第2ランド=ランド51(−B)
A相用:
第1スルーホール=スルーホール50(+A)
第2スルーホール=スルーホール50(−A)
B相用:
第1スルーホール=スルーホール50(+B)
第2スルーホール=スルーホール50(−B)
A相用:
半導体装置用第1ランド=ランド53(+A)
半導体装置用第2ランド=ランド53(−A)
B相用:
半導体装置用第1ランド=ランド53(+B)
半導体装置用第2ランド=ランド53(−B)
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態に係るエンコーダ部10のA相において、誘導電圧を回路により効果的に打ち消すための構成について説明する。
この方向においては、他方面502側で感磁センサ用第1ランド(ランド51(+A))に電気的に接続される半導体装置用の第1ランド(ランド53(+A))に対して他方面502側で感磁センサ用第2ランド(ランド51(−A))に電気的に接続される半導体装置用第2ランド(ランド53(−A))が位置する方向は、感磁センサ用第1ランド(ランド51(+A))に対して感磁センサ用第2ランド(ランド51(−A))が位置する方向と反対である。
しかしながら、これらの、第1誘導電圧、第2誘導電圧、及び第3誘導電圧は、上述の構成により、いずか1つの誘導電圧と他の2つの誘導電圧とが打ち消すことになる。つまり、本実施形態では、感磁センサ用第1ランド(ランド51(+A))から半導体装置用第1ランド(ランド53(+A))への伝送経路と、感磁センサ用第2ランド(ランド51(−A))から半導体装置用第2ランド(ランド53(−A))への伝送経路とは、両面基板5の他方面502で位置が切り換わっている。このため、第3誘導電圧を、第1誘導電圧と第2誘導電圧とによって打ち消すことができる。
また、B相に関しても、A相と同様な構成である。両面基板5において、一方面501側で感磁センサ4の第1出力端子(出力端子48(+B))が電気的に接続される感磁センサ用第1ランド(ランド51(+B))と、一方面501側で感磁センサ4において第1出力端子(出力端子48(+B))と対を成す第2出力端子(出力端子48(−B))が電気的に接続される感磁センサ用第2ランド(ランド51(−B))とを結ぶ仮想線が延在する方向において、他方面502側で感磁センサ用第1ランド(ランド51(+B))に電気的に接続する半導体装置用第1ランド(ランド53(+B))に対して他方面502側で感磁センサ用第2ランド(ランド51(−B))に電気的に接続する半導体装置用第2ランド(ランド53(−B))が位置する方向は、感磁センサ用第1ランド(ランド51(+B))に対して感磁センサ用第2ランド(ランド51(−B))が位置する方向と反対である。
特に本実施形態において、スルーホール50は、感磁センサ4及び半導体装置9の双方に両面基板5の厚さ方向で重なる位置に形成されている。このため、感磁センサ4から半導体装置9への伝送経路が短くなり、磁束と鎖交する面積が狭くなる。よって、感磁センサ4からの出力の伝送経路で発生する誘導電圧が低くなる。結果として、感磁センサ4からの出力の伝送経路で発生する誘導電圧によるノイズが小さくなり、検出結果への誘導電圧によるノイズの影響を緩和することができる。
次に、図7Aを参照して、信号処理部100により、回転角度位置を補正する際の詳細な構成について説明する。
信号処理部100は、RAMやROMやフラッシュメモリ等の記録媒体を備えた、CPU、マイクロコントローラ、DSP、ASIC等である。信号処理部100は、検出素子の信号から回転角度位置を検出する。
より詳しく説明すると、信号処理部100は、回転角度位置算出部110(回転角度位置算出手段)、補正量テーブル120、及び補正部130(補正手段)を備えている。
具体的には、回転角度位置算出部110は、A相信号及びB相信号からXY平面上のリサージュ波形を算出し解析することによって、可動被検出物の角度位置θを検出する。この際に、回転角度位置算出部110は、第1ホール素子61と第2ホール素子62により、A相信号(正弦波信号sin)、B相信号(正弦波信号cos)のいずれの区間に位置するかを算出する。回転角度位置算出部110は、可動被検出物の角度位置θと、この区間とから回転角度位置を算出する。この回転角度位置は、アブソリュート値(絶対値)であり、1周を角度分解能Rで分解した値を単位として表した整数値である。この角度分解能Rの値は、20ビットの分解能の検出素子を使用した場合は2^20=1048576となる。また、この整数値については、符号が1ビット分含まれる2の補数を使用してもよい。
また、回転角度位置算出部110は、サンプリング周期T(秒)間の回転角度位置の変位を角度変位値D’として算出する。回転角度位置算出部110は、つまり、現在のサンプリング時間における回転角度位置と、1つ前のサンプリング時間における回転角度位置の差を角度変位値D’として算出する。この角度変位値D’は、例えば1回転を角度分解能Rで分割した値を単位とする整数の値となる。つまり、Rが1048576の場合、Dが1048576で1回転を示す値となる。また、サンプリング周期Tは、数μ秒〜数百μ秒等の値で、後述するように可変である。
この補正量テーブル120の詳細については、後述する。
特定回転速度ω(rpm)は、下記の式(1)の関係であり、
ω=D/T/R×60 …… 式(1)
ここで、Rは角度分解能、Tはサンプリング周期(秒)、Dは特定の角度変位値である。
また、この特定回転速度ωにおいて、使用状態における回転速度ω'(現在の回転速度)を、下記の式(2)で算出する
ω'=(D'/D)×ω …… 式(2)
ここで、D'は、現在のサンプリング時間における角度変位値と1つ前のサンプリング時間における角度変位値との差となる分割角度差分値である。
また、補正部130は、サンプリング周期が変更された場合、特定回転速度ωのサンプリング周期Tと変更されたサンプリング周期T’の比に対応する周期調整値を算出し、当該周期調整値を適用して補正値を算出する。つまり、サンプリング周期T’が、特定回転速度ωのサンプリング周期Tと同一の場合、周期調整値は1となる。
また、補正部130は、最終的な補正値を、下記の式(3)で算出する:
補正値=補正量×速度比×周期調整値/(特定の丸め値) …… 式(3)
ここで、特定の丸め値は、特定回転速度ωにおける1回転の特定の分割数と、角度分解能Rとの関係で決定される値である。たとえば、特定の分割数が256で、角度分解能Rが20ビットの場合、特定の丸め値は8192となる。
また、補正部130は、補正量テーブル120のA相信号及びB相信号のそれぞれの補正量から、A相信号及びB相信号のそれぞれについて補正値を算出して補正する。つまり、補正部130は、A相信号については、A相信号テーブル121の補正量から補正値を算出する。また、補正部130は、B相信号については、B相信号テーブル122の補正量から補正値を算出する。
ここで、図7Bを参照して、補正量テーブル120の詳細について説明する。
上述したように、補正量テーブル120は、検出素子の信号に重畳される誤差を打ち消すための補正量が記憶されたテーブルである。ここで、検出素子は、S極とN極の磁極が一対着磁されたマグネット20を有する可動被検出物と、マグネット20に対向する感磁センサ4が実装された固定体3とを含んでいる。このため、マグネット20が回転することにより固定体3に誘起される誘導電圧が、回転速度に比例して検出素子の信号に重畳される誤差となる。この誤差は、A相信号とB相信号とでは、両面基板5(図3)上のパターンの形状や厚みや配置の誤差等の関係で、異なる値が重畳される。このため、補正量テーブル120は、A相信号とB相信号それぞれについて、A相信号テーブル121とB相信号テーブル122として記憶される。
また、補正量テーブル120では、特定回転速度ωにおけるA相信号及びB相信号それぞれの誤差の値を補正量として、1回転を特定の分割数で分割した分割角度位置に対応して記憶する。また、この分割角度位置の特定の分割数は、上述の式(1)の角度分解能Rよりも小さい値とすることで、記憶媒体の記憶領域を節約できる。たとえば、図7Bの例では、特定の分割数を256としている。また、この特定の分割数を2のべき乗とすることで、ビット演算により高速に補正値を算出することが可能である。
また、補正量テーブル120は、例えば、軸を停止させた状態で検出されたA相信号及びB相信号それぞれの値と、特定回転速度ωにおいて検出されたA相信号及びB相信号それぞれの値とを比較して算出することが可能である。図7Bの例では、A相信号テーブル121とB相信号テーブル122のそれぞれについて、1回転中の分割角度位置である0〜255に対応して、補正量の値がそれぞれ記憶されている。
次に、図8により、本発明の実施の形態に係るエンコーダ部10による回転角度位置検出処理の説明を行う。
本実施形態の回転角度位置検出処理では、現在の回転速度を算出し、この現在の回転速度と特定回転速度との速度比を算出する。この上で、分割角度位置に対応した補正量を補正量テーブル120から読み出して、算出された速度比と掛け合わせて補正値を算出する。この補正値により、補正部130により回転角度位置を補正する。また、サンプリング周波数が変更された場合は、周期調整値を変更する。
本実施形態の回転角度位置検出処理は、主に信号処理部100が、記憶媒体に記憶された制御プログラム(図示せず)を、各部と協働しハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、図8のフローチャートにより、回転角度位置検出処理の詳細をステップ毎に説明する。
まず、回転角度位置算出部110が、回転角度位置算出処理を行う。
回転体2(図2)が1回転すると、感磁センサ4(磁気抵抗素子)からは、図4Cに示すA相信号(正弦波信号sin)、B相信号(正弦波信号cos)が2周期分、出力される。回転角度位置算出部110は、アンプ部90(アンプ部90(+A)、90(−A)、90(+B)、90(−B))増幅されたこれらのA相信号及びB相信号から、図4Dに示すリサージュ図形を算出し、正弦波信号sin、cosからθ=tan-1(sin/cos)を算出し、可動被検出物の角度位置θを算出する。また、本実施形態では、マグネット20の中心からみて90°(π/2)ずれた位置に第1ホール素子61及び第2ホール素子62が配置されている。このため、第1ホール素子61及び第2ホール素子62の出力の組合せにより、現在位置が正弦波信号sin、cosのいずれの区間に位置するかが分かる。従って、エンコーダ部10は、感磁センサ4での検出結果、第1ホール素子61での検出結果、及び第2ホール素子62での検出結果に基づいて回転体2の絶対角度位置情報として回転角度位置を算出する。これにより、アブソリュート動作を行うことができる。
また、回転角度位置算出部110は、現在のサンプリング時間における回転角度位置と、1つ前のサンプリング時間における回転角度位置の差を角度変位値D’として算出する。
次に、補正部130が、速度比算出処理を行う。
上述したように、補正部130は、特定回転速度ωにおいて、使用状態における回転速度ω'(現在の回転速度)を、下記の式(2)で算出可能である
ω'=(D'/D)×ω …… 式(2)
ここで、角度変位値Dは、上述したように、特定回転速度ωに関連する特定の角度変位値である。
具体的には、補正部130は、D'/Dの値を、速度比として算出する。
次に、補正部130が、補正値算出処理を行う。
補正部130は、まず、回転角度位置算出部110により回転角度位置を特定の丸め値で割って、補正量テーブル120に対応した分割角度位置を算出する。補正部130は、上述の例のように、角度分解能Rが20ビットの場合、回転角度位置を特定の丸め値として8192で割ることで、0〜255までの分割角度位置を算出する。補正部130は、8192で割る代わりに、回転角度位置を14ビット右シフトすることで、この算出を高速化できる。補正部130は、この分割角度位置に対応した補正量を、A相信号についてはA相信号テーブル121から、B相信号についてはB相信号テーブル122から、それぞれ取得する。
また、補正部130は、下記の式(3)により、最終的な補正値を算出する:
補正値=補正量×速度比×周期調整値/(特定の丸め値) …… 式(3)
この際、補正部130は、A相信号及びB相信号について、それぞれ補正値を算出する。
次に、補正部130が、サンプリング周期が変更されたか否かを判定する。補正部130は、上位機器13や制御装置12からの制御信号等によりサンプリング周期が変更された場合に、Yesと判定する。補正部130は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、補正部130は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、補正部130は、回転角度位置検出処理を終了する。
サンプリング周期が変更された場合、補正部130が、周期調整値算出処理を行う。
補正部130は、サンプリング周期が変更された場合、特定回転速度ωのサンプリング周期Tに基づいて周期調整値を算出する。
たとえば、補正部130は、特定回転速度ωのサンプリング周期Tが62.5μ秒であった場合、これを40μ秒に変更する場合に、62.5/40=25/16として周期調整値を算出する。
また、補正部130は、同様に、サンプリング周期を50μ秒に変更する場合は5/4、80μ秒の場合は25/32、100μ秒の場合は5/8、125μ秒の場合は1/2等として、周期調整値を算出する。このように、周期調整値の分母を2のべき乗の値とすることで、補正部130は、上述の式(3)をビットシフトで高速に演算することが可能となる。
また、補正部130は、次の補正値の算出時から、算出された周期調整値を適用して補正値を算出する。
以上により、本発明の実施の形態に係る回転角度位置検出処理を終了する。
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、磁気式エンコーダでは、動作時に出力値に誤差(速度リップル)が生じることが問題になっていた。これは、マグネットが基板の近傍で回転することで配線パターンに発電が生じ、その誘導電圧が磁気センサの出力に重畳されるためであった。
これに対して、本発明の実施の形態に係るエンコーダ部10は、検出素子の信号から回転角度位置を検出する回転角度位置算出部110を備え、回転速度に比例して検出素子の信号に重畳される誤差を打ち消すための補正量を、特定回転速度における1回転中で分割した分割角度位置に対応して記憶する補正量テーブル120と、使用状態における回転速度と特定回転速度との速度比を算出し、補正量テーブル120に記憶された補正量から、算出された速度比及び分割角度位置に対応した補正値を算出する補正部130とを備えることを特徴とする。
このように構成することで、回転速度に比例して重畳される誤差の補正を、使用状態の回転速度に合わせて換算し補正することが可能となる。これにより、使用状態に対応した回転角度位置の補正ができ、回転角度位置の検出の精度を高めることができる。
このように構成することで、下記のような効果が得られる。ここで、回転磁束により誘起される誘導電圧は回転速度に比例して発生する。このため、特定回転速度での補正量を補正テーブルに記憶しておき、使用状態における回転速度と特定回転速度との速度比を計算することで、その速度比によって換算すれば、容易に適切な補正を行うことができる。また、特定回転速度での補正量のみを補正量テーブル120に記憶しておけばよいため、補正量テーブル120の作成の手間を少なくし、記憶媒体のコストを削減できる。
ω=D/T/R×60 …… 式(1)
ここで、Rは角度分解能、Tはサンプリング周期(秒)、Dは角度変位値であり、
この特定回転速度ωにおいて、使用状態における回転速度ω'を、下記の式(2)で算出する
ω'=(D'/D)×ω …… 式(2)
ここで、D'は、現在のサンプリング時間における角度変位値と1つ前のサンプリング時間における角度変位値との差となる分割角度差分値であることを特徴とする。
このように構成することで、1サンプリング周期間の分割角度差分値を算出するだけで、使用状態における回転速度が算出できる。このため、使用状態の回転速度における補正量を容易に算出することができる。
このように構成することで、使用状態の回転速度により、回転角度位置の補正を実行するか否かを場合分けする必要がなくなる。このため、補正の演算を容易にすることができ、コストを削減することができる。
また、誘導起電力による誤差は回転速度に比例するので、回転数が低いときは補正量も小さくなる。このため、使用状態における回転数の全範囲で補正をしても、誤差を増やすことがない。また、場合分けによる誤差の特性の差等を減少させることもできる。
このように構成することにより、回転速度に比例して重畳される誤差がA相信号とB相信号で異なっていても、A相信号とB相信号の両方に補正テーブルがあるので、それぞれ最適な補正値を得ることが可能となる。よって、回転角度位置の検出の精度を高めることができる。
このように構成することで、スルーホール50は、感磁センサ4及び半導体装置9の少なくとも一方と重なる位置に形成されているので、感磁センサ4からの出力の伝送経路が短くなる。このため、感磁センサ4からの出力の伝送経路で発生する誘導ノイズが小さくなり、誘導電圧に起因するノイズの影響を緩和することができる。
このように構成することで、誘導電圧同士を互いに相殺させることができ、誘導電圧に起因するノイズの影響を緩和することができる。
このように構成することで、設計段階での変更や、使用時の動作モードの変更等によりサンプリング周期を変更する必要があっても、先に作成した補正テーブルを容易に使用して、回転角度位置の補正をすることができる。このため、開発コストを削減できる。
また、重畳させる波形の位相・振幅を変化させ、誤差が最小になる値を誘導電圧の発電電圧として算出した。
図9Bは、実施例であり、信号処理部100により補正をした状態で回転速度を変化させた際の発電電圧を算出した結果のグラフである。補正を行うことで、回転速度に比例する誘導電圧による誤差の影響を緩和させることができたことが分かる。結果として、COS発電電圧及びSIN発電電圧による誤差を、最大値の1/5以下に削減することができた。
なお、上述の実施の形態では、感磁センサ4がマグネット20に対して回転中心軸線L方向で対向している例について記載した。しかしながら、リング状のマグネット20の外周面又は外周面に感磁センサ4が対向しているエンコーダ部10に本実施形態の回路を適用してもよい。
このように構成することで、エンコーダ部10の構成のバリエーションを増やし、設計を容易にすることができる。
このように構成することとで、誘導電圧の発生を柔軟に抑えるよう設計を最適化して、誤差を少なくすることができる。
このように構成することで、基板の設計等を柔軟化することができ、コストを削減することができる。
このように構成することで、記憶媒体の補正テーブルの容量を削減でき、演算資源も削減できるためコストを削減できる。
2 回転体
3 固定体
4 感磁センサ(センサIC)
5 両面基板
9 半導体装置(アンプIC)
10 エンコーダ部
11 モータ
12 制御装置
13 上位機器
20 マグネット
21 着磁面
40 チップ(感磁センサ側チップ)
41〜44 感磁膜
45 素子基板
47 感磁センサの素子基板(チップ)と出力端子との間の感磁センサ側配線
47(+A) 感磁センサ側配線(感磁センサ側第1配線)
47(−A) 感磁センサ側配線(感磁センサ側第2配線)
47(+B) 感磁センサ側配線(感磁センサ側第1配線)
47(−B) 感磁センサ側配線(感磁センサ側第2配線)
48 感磁センサの出力端子
48(+A) 出力端子(感磁センサの第1出力端子)
48(−A) 出力端子(感磁センサの第2出力端子)
48(+B) 出力端子(感磁センサの第1出力端子)
48(−B) 出力端子(感磁センサの第2出力端子)
48(Vcc) 電源端子
48(GND) グランド端子
50 スルーホール
50(+A) 第1スルーホール
50(−A) 第2スルーホール
50(+B) 第1スルーホール
50(−B) 第2スルーホール
51 感磁センサ側のランド
51(+A) ランド(感磁センサ用第1ランド)
51(−A) ランド(感磁センサ用第2ランド)
51(+B) ランド(感磁センサ用第1ランド)
51(−B) ランド(感磁センサ用第2ランド)
52 両面基板の配線
53 半導体装置側のランド
53(+A) ランド(半導体装置用第1ランド)
53(−A) ランド(半導体装置用第2ランド)
53(+B) ランド(半導体装置用第1ランド)
53(−B) ランド(半導体装置用第2ランド)
54 両面基板の配線
55 ランド
61 第1ホール素子
62 第2ホール素子
90、95、96 アンプ部
93 半導体装置のチップと入力端子との間のアンプ側配線
93(+A) アンプ側配線(アンプ側第1配線)
93(−A) アンプ側配線(アンプ側第2配線)
93(+B) アンプ側配線(アンプ側第1配線)
93(−B) アンプ側配線(アンプ側第2配線)
97 チップ(アンプ側チップ)
98 入力端子(半導体装置の入力端子)
98(+A) 入力端子(半導体装置の第1入力端子)
98(−A) 入力端子(半導体装置の第2入力端子)
98(+B) 入力端子(半導体装置の第1入力端子)
98(−B) 入力端子(半導体装置の第2入力端子)
100 信号処理部
110 回転角度位置算出部
120 補正量テーブル
121 A相信号テーブル
122 B相信号テーブル
130 補正部
501 一方面
502 他方面
L 回転軸
X 制御システム
Claims (9)
- 検出素子の信号から回転角度位置を検出する回転角度位置算出手段を備えたエンコーダであって、
回転速度に比例して前記検出素子の信号に重畳される誤差を打ち消すための補正量を、特定回転速度における1回転中で分割した分割角度位置に対応して記憶する補正量テーブルと、
使用状態における回転速度と前記特定回転速度との速度比を算出し、前記補正量テーブルに記憶された前記補正量から、算出された速度比及び前記分割角度位置に対応した補正値を算出し、前記回転角度位置算出手段により検出された前記回転角度位置を前記補正値により補正する補正手段とを備える
ことを特徴とするエンコーダ。 - 前記検出素子は、
S極とN極の磁極が一対着磁されたマグネットを有する可動被検出物と、前記マグネットに対向する感磁センサが実装された固定体とを含み、
回転速度に比例して前記検出素子の信号に重畳される誤差は、前記マグネットが回転することにより前記固定体に誘起される誘導電圧である
ことを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。 - 前記補正手段は、
前記使用状態における回転速度と前記特定回転速度との速度比の算出の際、
前記特定回転速度は、下記の式(1)の関係であり、
ω=D/T/R×60 …… 式(1)
ここで、ωは特定回転速度(rpm)、Rは角度分解能、Tはサンプリング周期(秒)、Dは特定の角度変位値であり、
前記使用状態における回転速度を、下記の式(2)で算出し、
ω'=(D'/D)×ω …… 式(2)
ここで、ω'は使用状態における回転速度(rpm)、D'は、現在のサンプリング時間における角度変位値と1つ前のサンプリング時間における角度変位値との差となる分割角度差分値である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンコーダ。 - 前記補正手段は、
使用状態における回転数の全範囲で、前記回転角度位置を補正する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンコーダ。 - 前記検出素子は、
前記感磁センサが、前記可動被検出物の変位に対応したA相センサ及びB相センサを含み、
前記A相センサからは正弦波状のA相信号が出力され、前記B相センサからは正弦波状のB相信号が出力され、
前記A相信号と前記B相信号との位相差が略π/2であり、
前記回転角度位置算出手段は、
前記A相信号及び前記B相信号からXY平面上のリサージュ波形を算出し解析することによって前記可動被検出物の角度位置を検出し、検出された角度位置により前記回転角度位置を算出し、
前記補正量テーブルは、
前記A相信号及び前記B相信号のそれぞれについて補正量を記憶し、
前記補正手段は、
前記補正量テーブルの前記A相信号及び前記B相信号のそれぞれの補正量から、前記A相信号及び前記B相信号のそれぞれについて前記補正値を算出して補正する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のエンコーダ。 - 前記固定体は、
一方面側に前記感磁センサが実装され、他方面側に半導体装置が実装された両面基板を有し、
前記半導体装置は、感磁センサからの出力信号を増幅するアンプ部を備え、
前記感磁センサと前記半導体装置とは、少なくとも一部同士が前記両面基板の厚さ方向において重なる位置に配置され、
前記感磁センサと前記半導体装置とは、前記両面基板において前記感磁センサ及び前記半導体装置の少なくとも一方に前記両面基板の厚さ方向で重なる位置に形成された複数のスルーホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のエンコーダ。 - 前記感磁センサにおいて、感磁膜が形成された感磁センサ側チップと第1出力端子との間の感磁センサ側第1配線及び前記感磁センサ側チップと第2出力端子との間の感磁センサ側第2配線が前記マグネットの磁束と鎖交することにより発生する第1誘導電圧、
複数のスルーホールのうち、第1出力端子に対応する第1スルーホール及び第2出力端子に対応する第2スルーホールが前記マグネットの磁束と鎖交することにより発生する第2誘導電圧、及び
前記半導体装置において、前記アンプ部が形成されたアンプ側チップと第1出力端子に電気的に接続する第1入力端子との間のアンプ側第1配線、及び前記アンプ側チップと第2出力端子に電気的に接続する第2入力端子との間のアンプ側第2配線が前記マグネットの磁束と鎖交することにより発生する第3誘導電圧は、
いずれか1つの誘導電圧と他の2つの誘導電圧とが打ち消すように形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のエンコーダ。 - 前記補正手段は、
サンプリング周期が変更された場合、前記特定回転速度のサンプリング周期と変更されたサンプリング周期に対応する周期調整値を算出し、該周期調整値を適用して補正値を算出する
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載のエンコーダ。 - 検出素子の信号から回転角度位置を検出するエンコーダにより実行される回転角度位置算出方法であって、
回転速度に比例して前記検出素子の信号に重畳される誤差を打ち消す補正量を、特定回転速度と、1回転中で分割した分割角度位置とに対応して記憶し、
使用状態における回転速度と前記特定回転速度との速度比を算出し、前記補正量テーブルに記憶された前記補正量から、算出された速度比及び前記分割角度位置に対応した補正値を算出し、該補正値により前記検出素子の信号を補正し、
補正された前記検出素子の信号により前記回転角度位置を算出する
ことを特徴とする回転角度位置算出方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014234673A JP6484008B2 (ja) | 2014-11-19 | 2014-11-19 | エンコーダ及び回転角度位置算出方法 |
TW104136725A TWI663383B (zh) | 2014-11-19 | 2015-11-06 | Encoder and rotation angle position calculation method |
KR1020150157971A KR102481561B1 (ko) | 2014-11-19 | 2015-11-11 | 인코더 및 회전 각도 위치 산출 방법 |
CN201510779336.7A CN105606019B (zh) | 2014-11-19 | 2015-11-13 | 编码器及旋转角度位置计算方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014234673A JP6484008B2 (ja) | 2014-11-19 | 2014-11-19 | エンコーダ及び回転角度位置算出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016099164A true JP2016099164A (ja) | 2016-05-30 |
JP6484008B2 JP6484008B2 (ja) | 2019-03-13 |
Family
ID=55986156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014234673A Active JP6484008B2 (ja) | 2014-11-19 | 2014-11-19 | エンコーダ及び回転角度位置算出方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6484008B2 (ja) |
KR (1) | KR102481561B1 (ja) |
CN (1) | CN105606019B (ja) |
TW (1) | TWI663383B (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018132359A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 日本電産サンキョー株式会社 | ロータリエンコーダ |
JP2018132357A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 日本電産サンキョー株式会社 | ロータリエンコーダ |
WO2019230203A1 (ja) * | 2018-06-01 | 2019-12-05 | ミネベアミツミ株式会社 | 磁気検出ユニット、角度検出装置、位置検出装置、モータ制御装置、モータユニットおよびモータ制御方法 |
US10598517B2 (en) | 2017-02-14 | 2020-03-24 | Nidec Sankyo Corporation | Rotary encoder |
JP2021032849A (ja) * | 2019-08-29 | 2021-03-01 | トヨタ自動車株式会社 | レゾルバ装置 |
JP2021047033A (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | ファナック株式会社 | エンコーダおよびエンコーダの制御方法 |
KR20220118844A (ko) * | 2021-02-19 | 2022-08-26 | 현대자동차주식회사 | 라이다 모터의 포지션 정확도 개선 장치 및 방법 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6394399B2 (ja) * | 2015-01-09 | 2018-09-26 | 株式会社デンソー | 回転角検出装置 |
CN106390344A (zh) * | 2016-08-24 | 2017-02-15 | 常州博电电子科技有限公司 | 一种塞盖、监控系统及监控方法 |
KR102010673B1 (ko) * | 2017-12-22 | 2019-08-13 | 현대트랜시스 주식회사 | 차량 구동 중 각도센서가 적용된 모터시스템의 모터 축 위치신호의 왜곡 보정 방법 및 장치 |
CN110531103B (zh) * | 2019-09-30 | 2021-08-10 | 浙江海洋大学 | 一种基于利萨如图形的光速测量方法与装置 |
TWI730564B (zh) | 2019-12-26 | 2021-06-11 | 財團法人工業技術研究院 | 編碼器及利用該編碼器的訊號處理方法 |
CN112781484B (zh) * | 2020-12-22 | 2022-11-08 | 广州极飞科技股份有限公司 | 线性霍尔传感器的转子角度校准方法及装置、电子设备 |
KR102460007B1 (ko) * | 2021-08-30 | 2022-10-27 | 박성현 | 자기식 엔코더 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007107886A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Yaskawa Electric Corp | エンコーダ誤差補正装置およびエンコーダ |
JP2010210472A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Mitsutoyo Corp | 誘導検出型ロータリエンコーダ |
US20100303460A1 (en) * | 2009-05-27 | 2010-12-02 | Bradley Hunter | Encoder interpolator with enhanced precision |
JP2012168016A (ja) * | 2011-02-14 | 2012-09-06 | Nidec Sankyo Corp | 磁気センサユニットおよびエンコーダ付きモータ |
JP2012231648A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Aisan Ind Co Ltd | モータロータ及びモータ |
JP2013011538A (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 回転角計測装置,制御装置およびそれらを用いた回転機システム |
JP2014044218A (ja) * | 2008-08-26 | 2014-03-13 | Nikon Corp | エンコーダシステム、及び信号処理方法 |
JP2014194385A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Nidec Sankyo Corp | 磁気センサ装置 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07253317A (ja) * | 1994-03-15 | 1995-10-03 | Nikon Corp | 回転角度読取装置 |
JP3365063B2 (ja) * | 1994-07-25 | 2003-01-08 | 神鋼電機株式会社 | 回転角度検出方法 |
JP3665733B2 (ja) * | 1999-09-30 | 2005-06-29 | 山洋電気株式会社 | レゾルバの位相誤差補正方法及び装置 |
JP2006234671A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Ishida Co Ltd | 計量装置 |
JP4640708B2 (ja) * | 2006-02-14 | 2011-03-02 | 株式会社デンソー | 回転角度検出装置 |
JP5198761B2 (ja) * | 2006-12-11 | 2013-05-15 | 株式会社ミツトヨ | 回転変位補正装置、および、変位検出装置 |
JP5096442B2 (ja) * | 2009-11-17 | 2012-12-12 | 株式会社日立製作所 | 回転角計測装置,モータシステム及び電動パワーステアリング・システム |
WO2011080935A1 (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-07 | 株式会社ショーワ | 相対角度検出装置、回転角度検出装置、相対角度検出方法および回転角度検出方法 |
-
2014
- 2014-11-19 JP JP2014234673A patent/JP6484008B2/ja active Active
-
2015
- 2015-11-06 TW TW104136725A patent/TWI663383B/zh not_active IP Right Cessation
- 2015-11-11 KR KR1020150157971A patent/KR102481561B1/ko active IP Right Grant
- 2015-11-13 CN CN201510779336.7A patent/CN105606019B/zh active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007107886A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Yaskawa Electric Corp | エンコーダ誤差補正装置およびエンコーダ |
JP2014044218A (ja) * | 2008-08-26 | 2014-03-13 | Nikon Corp | エンコーダシステム、及び信号処理方法 |
JP2010210472A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Mitsutoyo Corp | 誘導検出型ロータリエンコーダ |
US20100303460A1 (en) * | 2009-05-27 | 2010-12-02 | Bradley Hunter | Encoder interpolator with enhanced precision |
JP2012168016A (ja) * | 2011-02-14 | 2012-09-06 | Nidec Sankyo Corp | 磁気センサユニットおよびエンコーダ付きモータ |
JP2012231648A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Aisan Ind Co Ltd | モータロータ及びモータ |
JP2013011538A (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 回転角計測装置,制御装置およびそれらを用いた回転機システム |
JP2014194385A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Nidec Sankyo Corp | 磁気センサ装置 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018132359A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 日本電産サンキョー株式会社 | ロータリエンコーダ |
JP2018132357A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 日本電産サンキョー株式会社 | ロータリエンコーダ |
US10598517B2 (en) | 2017-02-14 | 2020-03-24 | Nidec Sankyo Corporation | Rotary encoder |
WO2019230203A1 (ja) * | 2018-06-01 | 2019-12-05 | ミネベアミツミ株式会社 | 磁気検出ユニット、角度検出装置、位置検出装置、モータ制御装置、モータユニットおよびモータ制御方法 |
CN112189127A (zh) * | 2018-06-01 | 2021-01-05 | 美蓓亚三美株式会社 | 磁性检测单元、角度检测装置、位置检测装置、电机控制装置、电机机构以及电机控制方法 |
JP2021032849A (ja) * | 2019-08-29 | 2021-03-01 | トヨタ自動車株式会社 | レゾルバ装置 |
JP7173706B2 (ja) | 2019-08-29 | 2022-11-16 | トヨタ自動車株式会社 | レゾルバ装置 |
JP2021047033A (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | ファナック株式会社 | エンコーダおよびエンコーダの制御方法 |
KR20220118844A (ko) * | 2021-02-19 | 2022-08-26 | 현대자동차주식회사 | 라이다 모터의 포지션 정확도 개선 장치 및 방법 |
KR102575733B1 (ko) * | 2021-02-19 | 2023-09-08 | 현대자동차주식회사 | 라이다 모터의 포지션 정확도 개선 장치 및 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6484008B2 (ja) | 2019-03-13 |
CN105606019A (zh) | 2016-05-25 |
KR102481561B1 (ko) | 2022-12-26 |
TWI663383B (zh) | 2019-06-21 |
TW201629436A (zh) | 2016-08-16 |
CN105606019B (zh) | 2018-05-15 |
KR20160059958A (ko) | 2016-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6484008B2 (ja) | エンコーダ及び回転角度位置算出方法 | |
KR102536006B1 (ko) | 위상 보상을 갖는 자기 센서 위치 측정 | |
TWI650528B (zh) | 旋轉角度檢測裝置及旋轉角度檢測方法 | |
US9255817B2 (en) | Rotation-angle detection device, image processing apparatus, and rotation-angle detection method | |
US7965004B2 (en) | Electric motor | |
KR102195533B1 (ko) | 로터리 인코더 및 로터리 인코더의 각도 보정 방법 | |
CN108351197B (zh) | 角度检测装置及电动助力转向装置 | |
WO2001020342A2 (en) | Tachometer apparatus and method for motor velocity measurement | |
JP6969581B2 (ja) | 回転角度検出装置 | |
JP2018132356A (ja) | ロータリエンコーダ | |
JPWO2007055135A1 (ja) | 磁気式エンコーダ装置 | |
JP2019097257A (ja) | 磁極方向検出装置 | |
JP6710994B2 (ja) | 回転角検出装置 | |
KR102071753B1 (ko) | 자기 센서 장치 | |
JPWO2017195435A1 (ja) | モータモジュール、モータステップ動作制御システム、およびモータ制御装置 | |
JP2013250084A (ja) | 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 | |
JP2018132357A (ja) | ロータリエンコーダ | |
KR20110016573A (ko) | 회전자 위치 센서 | |
JP2019190872A (ja) | エンコーダ | |
JP2016033476A (ja) | 非接触回転角センサ | |
JP2006197684A (ja) | ブラシレスモータ | |
JP2019190873A (ja) | エンコーダ | |
JP7002577B2 (ja) | 角度検出装置及び回転電機の制御装置 | |
JP2013011456A (ja) | 演算装置、相対移動量測定装置、および、演算方法 | |
JP2023029032A (ja) | 回転角度検出装置及び回転角度の導出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181023 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6484008 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |