JP2018132357A - ロータリエンコーダ - Google Patents

ロータリエンコーダ Download PDF

Info

Publication number
JP2018132357A
JP2018132357A JP2017024878A JP2017024878A JP2018132357A JP 2018132357 A JP2018132357 A JP 2018132357A JP 2017024878 A JP2017024878 A JP 2017024878A JP 2017024878 A JP2017024878 A JP 2017024878A JP 2018132357 A JP2018132357 A JP 2018132357A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
rotating body
signal
magnetic sensor
rotation speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017024878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6877169B2 (ja
Inventor
宏克 奥村
Hirokatsu Okumura
宏克 奥村
齋藤 豊
Yutaka Saito
豊 齋藤
均 上甲
Hitoshi Joko
均 上甲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2017024878A priority Critical patent/JP6877169B2/ja
Priority to CN201810150413.6A priority patent/CN108426587B/zh
Priority to US15/895,272 priority patent/US10598517B2/en
Publication of JP2018132357A publication Critical patent/JP2018132357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6877169B2 publication Critical patent/JP6877169B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

【課題】回転体の回転位置を高精度に検出する。【解決手段】ロータリエンコーダ10は、回転体に設けられた磁石20,30と、固定体に設けられた磁気センサ部40,50,60と、磁気センサ部40,50,60からの出力信号に基づいて、回転体の回転位置を算出する制御部70とを有している。制御部70は、回転体の回転位置の算出に関する外部からの要求信号の受信間隔を計測することで回転体の現在の回転速度を算出し、算出された現在の回転速度と基準回転速度との比率に基づいて、基準回転速度において出力信号に重畳される誤差信号成分に関するパラメータを、現在の回転速度における値に換算し、換算された値に基づいて磁気センサ部40,50,60からの出力信号を補正し、補正された出力信号を用いて回転体の回転位置を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータリエンコーダに関し、特に磁気式のロータリエンコーダに関する。
固定体に対する回転体の回転位置を検出する装置として、磁気抵抗効果(MR)素子やホール素子などの感磁素子を利用した磁気式のロータリエンコーダが知られている。このようなロータリエンコーダでは、回転体(磁石)の回転に伴う磁界変化により、配線や回路等に誘導電圧が発生し、その信号成分が感磁素子からの出力信号に重畳されることで検出精度が悪化するという問題があることが知られている。
特許文献1には、上記誘導電圧が回転体の回転速度に比例して出力信号に重畳されることを利用して、誘導電圧による誤差を補正する方法が記載されている。この方法では、特定の回転速度において誘導電圧を打ち消すための補正量が予め記憶されており、この補正量から、特定の回転速度と使用時の回転速度との比率に基づいて、使用時の回転速度において誘導電圧を打ち消すための補正値が換算されている。これにより、回転速度に比例して増加する補正値を使用時の回転速度から換算して算出することができ、回転体の回転位置を精度良く検出することができる。
特開2016−99164号公報
しかしながら、特許文献1に記載の補正方法では、使用時の回転速度の算出精度が十分でないことから、誘導電圧を打ち消すための補正値の算出精度も十分でなく、その結果、高い検出精度を実現することが困難である。
そこで、本発明の目的は、回転体の回転位置を高精度に検出するロータリエンコーダを提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明のロータリエンコーダは、固定体に対する回転体の回転位置を検出するロータリエンコーダであって、固定体および回転体の一方に設けられた磁石と、固定体および回転体の他方に設けられ、磁石からの磁界変化を検出する磁気センサ部であって、磁石の着磁面に対向して配置され、回転体の回転に伴って正弦波状のA相信号を出力する第1の感磁素子と、磁石の着磁面に対向して配置され、回転体の回転に伴ってA相信号と90°の位相差を有する正弦波状のB相信号を出力する第2の感磁素子と、を有する磁気センサ部と、外部からの要求信号を受信したときに、A相信号およびB相信号に基づいて回転体の回転位置を算出する制御部と、を有し、制御部が、回転体の回転速度に比例してA相信号およびB相信号のそれぞれに重畳される誤差信号成分であって基準回転速度時の誤差信号成分に関する複数のパラメータを記憶する記憶部と、外部からの要求信号の受信間隔を計測し、計測された受信間隔における回転体の回転変位量から、回転体の現在の回転速度を算出する回転速度算出部と、を有し、制御部は、基準回転速度と回転速度算出部によって算出された現在の回転速度との比率に基づいて、記憶部に記憶されている複数のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータを現在の回転速度における値に換算し、換算された値に基づいてA相信号およびB相信号を補正する補正処理を実行し、補正されたA相信号およびB相信号を用いて回転体の回転位置を算出する。
このようなロータリエンコーダによれば、回転速度に応じた誤差信号成分に関するパラメータの換算値を用いて出力信号を補正することで、回転速度によらないほぼ一定の出力信号を得ることができ、高い検出精度を維持することができる。また、制御部が実際に回転位置の算出を行う周期を計測しているため、正確な回転速度を算出することができ、出力信号の補正精度を向上させることができる。
本発明の一態様では、上記誤差信号成分が、回転体の回転に伴って磁気センサ部に発生する誘導電圧信号であり、上記複数のパラメータが、その誘導電圧信号の振幅および位相を含み、制御部は、上記複数のパラメータのうち振幅のみを現在の回転速度に換算し、換算された振幅と、記憶部に記憶されている位相とに基づいて、減少する信号成分を補償するか、あるいは、複数のパラメータのうち振幅および位相の両方を現在の回転速度における値に換算し、換算された振幅および位相に基づいて、減少する信号成分を補償することが好ましい。
この場合、上記振幅および位相は、基準回転速度として一定の回転速度で回転体を回転させ、A相信号およびB相信号からそれぞれ所定の信号成分を差し引いて回転体の回転速度を算出したときに、算出された回転速度のリップルが最小になるときの所定の信号成分の振幅および位相であることが好ましい。出力信号に重畳される誘導電圧信号を直接分離することは困難であるが、このような方法により、誤差信号成分である誘導電圧信号を簡単に求めることができる。また、上記基準回転速度は、回転体に連結されたモータの瞬時最大回転速度であることが好ましく、これにより、パラメータとして、誘導電圧が最大になるときの振幅および位相を設定することができ、高い分解能で出力信号の補正を行うことができる。
また、本発明のロータリエンコーダは、複数の磁石と、複数の磁気センサ部と、を有していてよく、制御部は、複数の磁気センサ部からの複数のA相信号および複数のB相信号に基づいて回転体の回転位置を算出し、その際に複数の磁気センサ部のそれぞれに対して上記補正処理を実行するようになっていてもよい。この場合、複数の磁石が、回転体の周方向にN極とS極とが1極ずつ配置された第1の磁石と、前記回転体の周方向にN極とS極とが交互に複数配置された第2の磁石とを含み、複数の磁気センサ部が、第1の磁石に対応する少なくとも1つの磁気センサ部と、第2の磁石に対応する磁気センサ部とを含んでいることが好ましい。このような構成によれば、回転速度によらずに回転体の回転位置の検出精度を向上させることができる。
また、各感磁素子が、磁気抵抗効果素子を有していることが好ましい。これにより、1つの素子からA相信号およびB相信号を簡単に得ることができる。
本発明によれば、回転体の回転位置を高精度に検出するロータリエンコーダを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るロータリエンコーダの構成を示す概略図である。 本実施形態のロータリエンコーダにおける回転体の絶対角度位置の検出原理を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明のロータリエンコーダは、固定体に対する回転体の回転位置を検出するものである。本明細書では、本発明について、回転体に磁石が設けられ、固定体に磁気センサ部(感磁素子)が設けられているロータリエンコーダを例に挙げて説明するが、ロータリエンコーダの構成はこれに限定されるものではなく、その逆であってもよい。すなわち、本発明は、回転体に感磁素子が設けられ、固定体に磁石が設けられたロータリエンコーダにも適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るロータリエンコーダの構成を示す概略図である。図1(a)は、本実施形態のロータリエンコーダの概略斜視図であり、図1(b)は、本実施形態のロータリエンコーダのブロック図である。
本実施形態のロータリエンコーダ10は、図1(a)および図1(b)に示すように、第1の磁石20と、第2の磁石30と、第1の磁気センサ部40と、第2の磁気センサ部50と、第3の磁気センサ部60と、制御部70とを有している。第1の磁石20と第2の磁石30は、回転軸Lを中心として回転する回転体(図示せず)に設けられ、回転体と共に回転可能である。第1の磁気センサ部40と第2の磁気センサ部50と第3の磁気センサ部60は、固定体(図示せず)に設けられている。例えば、回転体は、モータの出力軸に連結され、固定体は、モータのフレームに固定されている。第1から第3の磁気センサ部40,50,60は、それぞれ増幅回路(図示せず)を介して制御部70に接続されている。
第1の磁石20は、回転体の回転軸L上に配置され、その中心が回転軸Lに一致する円盤状の永久磁石(例えばボンド磁石)からなり、周方向にN極とS極とが1極ずつ配置された着磁面21を有している。一方、第2の磁石30は、第1の磁石20の半径方向外側を囲うように配置され、その中心が回転軸Lに一致する円筒状の永久磁石(例えばボンド磁石)からなり、周方向にN極とS極とが交互に複数配置された環状の着磁面31を有している。第2の磁石30の着磁面31には、回転体の半径方向に並列して配置された複数(図示した実施形態では2つ)のトラック32a,32bが形成されている。各トラック32a,32bには、それぞれN極とS極からなる合計n個(nは2以上の整数、例えばN=64)の磁極対が形成されている。半径方向に隣接する2つのトラック32a,32bは、周方向にずれて配置され、本実施形態では、周方向に1極分ずれて配置されている。
第1の磁気センサ部40と第2の磁気センサ部50とは、第1の磁石20からの磁界変化を検出するものであり、それぞれ第1の磁石20の着磁面21に対向して配置されている。第3の磁気センサ部60は、第2の磁石30からの磁界変化を検出するものであり、第2の磁石30の着磁面31に対向して配置されている。
第1の磁気センサ部40は、それぞれが2つの磁気抵抗効果(MR)素子からなる4つの磁気抵抗パターン41〜44から構成された2つのセンサ(感磁素子)を備えている。具体的には、第1の磁気センサ部40は、回転体の回転に伴って正弦波状のA相信号(sin)を出力するA相センサと、回転体の回転に伴ってA相信号と90°の位相差を有する正弦波状のB相信号(cos)を出力するB相センサとを備えている。A相センサは、正弦波状の+a相信号(sin+)を出力する磁気抵抗パターン43と、+a相信号と180°の位相差を有する正弦波状の−a相信号(sin−)を出力する磁気抵抗パターン41とを有している。各磁気抵抗パターン43,41は、直列に接続された2つのMR素子からなり、これら2つの磁気抵抗パターン43,41が並列に接続されてブリッジ回路を構成している。B相センサは、正弦波状の+b相信号(cos+)を出力する磁気抵抗パターン44と、+b相信号と180°の位相差を有する正弦波状の−b相信号(cos−)を出力する磁気抵抗パターン42とを有している。各磁気抵抗パターン44,42は、直列に接続された2つのMR素子からなり、A相センサと同様に、これら2つの磁気抵抗パターン44,42が並列に接続されてブリッジ回路を構成している。
第2の磁気センサ部50は、第1のホール素子51と、回転軸Lを中心として第1のホール素子51に対して90°離れた位置に配置された第2のホール素子52とを有している。
第3の磁気センサ部60は、それぞれが2つのMR素子からなる4つの磁気抵抗パターン61〜64から構成された2つのセンサ(感磁素子)を備えている。具体的には、第3の磁気センサ部60は、回転体の回転に伴って正弦波状のA相信号(sin)を出力するA相センサと、回転体の回転に伴ってA相信号と90°の位相差を有する正弦波状のB相信号(cos)を出力するB相センサとを備えている。A相センサは、正弦波状の+a相信号(sin+)を出力する磁気抵抗パターン64と、+a相信号と180°の位相差を有する正弦波状の−a相信号(sin−)を出力する磁気抵抗パターン62とを有している。各磁気抵抗パターン64,62は、直列に接続された2つのMR素子からなり、これら2つの磁気抵抗パターン64,62が並列に接続されてブリッジ回路を構成している。B相センサは、正弦波状の+b相信号(cos+)を出力する磁気抵抗パターン63と、+b相信号と180°の位相差を有する正弦波状の−b相信号(cos−)を出力する磁気抵抗パターン61とを有している。各磁気抵抗パターン63,61は、直列に接続された2つのMR素子からなり、これら2つの磁気抵抗パターン63,61が並列に接続されてブリッジ回路を構成している。
制御部70は、中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを備えたマイクロコンピュータから構成され、第1から第3の磁気センサ部40,50,60から出力される出力信号に基づいて、回転体の回転位置(絶対角度位置)を算出するものである。
ここで、図2を参照して、本実施形態における回転体の絶対角度位置の検出原理について説明する。図2(a)は、特定の基準位置からの回転体の機械角の変化に対して、第1の磁石の磁極および強度、第1の磁気センサ部からの出力信号、第1のホール素子からの出力信号、および第2のホール素子からの出力信号を示している。図2(b)は、その出力信号と電気角θとの関係を示している。ここで、機械角とは、幾何学的または機械的に定められる角度を指し、電気角とは、感磁素子からの出力信号の位相から定められる角度を指す。なお、図2(a)では、第1および第2のホール素子からの出力信号は、コンパレータを介して得られるHまたはLの二値信号で示されている。
回転体が1回転すると、第1の磁石20も1回転(機械角で360°回転)する。そのため、第1の磁気センサ部40からは、図2(a)に示すように、それぞれ2周期分、すなわち電気角(出力信号の位相によって定まる角度)で720°分のA相信号(sin)およびB相信号(cos)が出力される。これらA相信号およびB相信号から、電気角θは、図2(b)に示すように、θ=tan−1(sin/cos)という関係式を用いて算出される。ただし、回転体が機械角で360°回転する間、電気角では720°回転するため、電気角θが算出されただけでは、回転体の絶対角度位置を求めることができない。そこで、回転軸Lを中心として互いに90°離れた位置に配置された2つのホール素子51,52が利用される。すなわち、2つのホール素子51,52から出力される出力信号から、第1の磁石20が発生する磁界の極性が判別され、そこから、図2(a)の一点鎖線で示すように、機械角による回転位置が平面座標系のどの象限に位置しているのかが判別される。こうして、回転体の絶対角度位置を算出することができる。
一方で、第3の磁気センサ部60からは、回転体が第2の磁石30における1対の磁極分だけ回転する度に、図2(a)に示したものと同様に、それぞれ2周期分(すなわち電気角で720°分)のA相信号(sin)およびB相信号(cos)が出力される。したがって、第3の磁気センサ部60から出力されるA相信号およびB相信号からも、上述した第1の磁気センサ部40と同様の原理で、第2の磁石30の1対の磁極に相当する角度内での回転体の絶対角度位置が算出される。第3の磁気センサ部60による絶対角度位置の検出分解能は第1の磁気センサ部40によるそれよりも高いため、これらを組み合わせることで、高い分解能で回転体の絶対角度位置を算出することができる。
本実施形態のロータリエンコーダ10では、回転体の回転に伴う磁界変化により、配線や回路等に誘導電圧が発生し、その信号成分が感磁素子からの出力信号に重畳される。例えば、第1の磁気センサ部40では、回転体の回転1周期に対して、同じ1周期の正弦波状の誘導電圧信号がA相信号およびB相信号にそれぞれ重畳される。また、第3の磁気センサ部60では、周方向にn個(nは2以上の整数、例えばN=64)の磁極対が形成されているとすると、回転体の回転1周期に対して、n周期と2n周期の2種類の正弦波状の誘導電圧信号が重畳される。このような誘導電圧信号は、回転体の回転位置に換算すると周期的な成分となって現れる。すなわち、誘電電圧信号を含む出力信号に基づいて算出された回転角度を実際の回転角度に対してプロットすると、理想的な直線に対して周期的なうねりとなって現れる。なお、この周期は、第1の磁気センサ部40では、回転体の回転1周期に対して1倍と3倍の周期であり、第3の磁気センサ部60では、周方向にn個(nは2以上の整数、例えばN=64)の磁極対が形成されているとすると、n倍と3n倍と4n倍の周期であることが、本発明者らによって確認されている。誘導電圧信号は、回転体の回転速度が速くなると、それに比例して、ほぼ同じ位相のまま振幅が大きくなって出力信号に重畳されるため、上述のような検出誤差は、回転体の回転速度の増加に伴って増加することになる。
そこで、本実施形態では、回転体の回転速度によらず安定した検出精度を維持するために、制御部70が、回転速度に比例して各磁気センサ部40,50,60からの出力信号に重畳される上述の誘導電圧信号による誤差を補正する機能を有している。具体的には、制御部70は、各磁気センサ部40,50,60からの出力信号に対して、基準回転速度時の誘導電圧信号(誤差信号成分)に関するパラメータを記憶しており、基準回転速度と現在の回転速度との比率に基づいて、そのパラメータを現在の回転速度における値に換算し、換算された値に基づいて出力信号を補正する。こうして、回転速度に比例する誘導電圧信号の成分を差し引くことで、回転速度によらないほぼ一定の出力信号を得ることができ、高い検出精度を維持することができる。
以下では、再び図1(b)を参照しながら、主にこの補正処理に関する機能に着目して、制御部70の機能的な構成について説明する。
制御部70は、A/D変換部(ADC)71と、角度算出部72と、補正処理部73とを有し、補正処理部73は、記憶部74と、通信周期計測部75と、回転速度算出部76とを有している。
ADC71は、第1から第3の磁気センサ部40,50,60から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して角度算出部72および補正処理部73へ出力する。角度算出部72は、ADC71でデジタル変換された第1から第3の磁気センサ部40,50,60からの出力信号に基づいて、上述した回転体の回転位置を算出する。このとき、角度算出部72は、補正処理部73から、第1から第3の磁気センサ部40,50,60の各出力信号に重畳される誘導電圧信号を打ち消すための補正情報を取得する。そして、角度算出部72は、取得した補正情報に基づいて上記出力信号を補正し、上述の算出方法により、補正された出力信号を用いて回転体の回転位置を算出する。
補正処理部73は、記憶部74に記憶されている基準回転速度時の誘導電圧信号(誤差信号成分)に関するパラメータを、基準回転速度と回転速度算出部76によって算出された現在の回転速度との比率に基づいて、現在の回転速度における値に換算する。
記憶部74は、基準回転速度時の誘導電圧信号(誤差信号成分)に関するパラメータ、具体的には、その誘導電圧信号の振幅および位相を記憶する。ここで、誘導電圧信号の振幅は、回転速度に伴って変化するが、位相は、回転速度によらずほぼ一定である。したがって、補正処理を行う際に、記憶部74に記憶されている基準回転速度時の位相は、そのまま角度算出部72に送られるが、振幅は、補正処理部73で現在の回転速度での振幅に換算された後、角度算出部72へと送られる。そして、角度算出部72では、補正処理部73で換算された振幅と記憶部74から送られる位相から誘導電圧信号を打ち消すための補正信号が生成され、これが差し引かれることで出力信号が補正される。なお、誘導電圧信号の位相については、回転速度によらずほぼ一定であるとして、記憶部74に記憶されている値をそのまま角度算出部72に送っているが、回転速度に伴って変化するものとして振幅と同様に扱ってもよい。
通信周期計測部75は、ロータリエンコーダ10の外部にある上位の制御装置(図示せず)と制御部70との通信周期を計測する。例えば、制御部70は、上位の制御装置からの要求信号を受信したときに回転体の回転速度を算出するようになっているが、通信周期計測部75は、制御部70が要求信号を受信した時刻を計測し、その時刻から要求信号の受信間隔を計測する。
回転速度算出部76は、こうして通信周期計測部75が計測した受信間隔と、角度算出部72から取得した回転体の回転位置の情報とに基づいて、所定の時間間隔における回転体の回転変位量を算出し、そこから回転体の現在の回転速度を算出する。なお、制御部70が上位の制御装置から要求信号を受信する周期は予め設定されているため、演算処理を簡単にするために、特許文献1に記載されているように、この設定値を用いて回転速度を算出することもできる。しかしながら、実際の通信周期が変動した場合には正確な回転速度を算出することが困難になり、結果的に補正精度を維持することが困難になる。これに対し、本実施形態では、制御部70が実際に回転位置の算出を行う周期を計測しているため、正確な回転速度を算出することができ、その結果、補正処理部73による補正精度を向上させることができる。
記憶部74に記憶されるパラメータの設定は、ロータリエンコーダ10が工場から出荷される前に、以下のように行われる。まず、回転体に連結されたモータを一定の回転速度で回転させる。ここで、回転速度が一定であるため、出力信号が理想的なものでなく誤差を含んでいると、そこから算出される回転体の回転速度にはリップルは現れるが、誤差のない理想的な出力信号であればリップルが現れることはない。そこで、誘導電圧信号が重畳されたA相信号およびB相信号からそれぞれ所定の信号成分を差し引いたものから回転体の回転速度を算出する。そして、誘導電圧信号を打ち消すように所定の信号成分の振幅および位相を最適な値に調整して、算出される回転速度のリップルを最小にする。このときの振幅および位相がパラメータとして設定される。出力信号に重畳される誘導電圧信号を直接分離することは困難であるが、このような方法により、誤差信号成分である誘導電圧信号を簡単に求めることができる。なお、所定の信号成分を差し引く代わりに、出力されるA相信号およびB相信号のそれぞれに所定の信号成分を重畳させ、算出される回転速度のリップルが最小になるときの信号成分を位相反転させたものをパラメータとして設定することもできる。
なお、上述したように、回転体の回転位置を算出したときにも周期的な誤差成分が現れるため、この誤差成分を最小にするように所定の信号成分の振幅および位相を調整することもできる。ただし、この演算処理は複雑になり、さらに、誤差成分の周波数が高くなると、エイリアシングを抑制するために非常に高いサンプリング周波数が必要になり、サンプリング点数が膨大になってしまうことがある。そのため、実際には、回転速度を算出する方法を用いてパラメータを設定することが好ましい。また、パラメータを設定する際のモータの回転速度は、瞬時最大回転速度(例えば6000rpm)であることが好ましい。これにより、パラメータとして、誘導電圧が最大になるときの振幅および位相を設定することができ、高い分解能で出力信号の補正を行うことができる。
10 ロータリエンコーダ
20 第1の磁石
21 着磁面
30 第2の磁石
31 着磁面
32a,32b トラック
40 第1の磁気センサ部
41〜44 磁気抵抗パターン
50 第2の磁気センサ部
51 第1のホール素子
52 第2のホール素子
60 第3の磁気センサ部
61〜64 磁気抵抗パターン
70 制御部
71 ADC
72 角度算出部
73 補正処理部
74 記憶部
75 通信周期計測部
76 回転速度算出部

Claims (9)

  1. 固定体に対する回転体の回転位置を検出するロータリエンコーダであって、
    前記固定体および前記回転体の一方に設けられた磁石と、
    前記固定体および前記回転体の他方に設けられ、前記磁石からの磁界変化を検出する磁気センサ部であって、前記磁石の着磁面に対向して配置され、前記回転体の回転に伴って正弦波状のA相信号を出力する第1の感磁素子と、前記磁石の着磁面に対向して配置され、前記回転体の回転に伴って前記A相信号と90°の位相差を有する正弦波状のB相信号を出力する第2の感磁素子と、を有する磁気センサ部と、
    外部からの要求信号を受信したタイミングで、前記A相信号および前記B相信号に基づいて前記回転体の回転位置を算出する制御部と、を有し、
    前記制御部が、
    前記回転体の回転速度に比例して前記A相信号および前記B相信号のそれぞれに重畳される誤差信号成分であって基準回転速度時の前記誤差信号成分に関する複数のパラメータを記憶する記憶部と、
    前記外部からの要求信号の受信間隔を計測し、該計測された受信間隔における前記回転体の回転変位量から、前記回転体の現在の回転速度を算出する回転速度算出部と、を有し、
    前記制御部は、前記基準回転速度と前記回転速度算出部によって算出された前記現在の回転速度との比率に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記複数のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータを前記現在の回転速度における値に換算し、該換算された値に基づいて前記A相信号および前記B相信号を補正する補正処理を実行し、該補正されたA相信号およびB相信号を用いて前記回転体の回転位置を算出する、ロータリエンコーダ。
  2. 前記誤差信号成分が、前記回転体の回転に伴って前記磁気センサ部に発生する誘導電圧信号であり、前記複数のパラメータが、前記誘導電圧信号の振幅および位相を含む、請求項1に記載のロータリエンコーダ。
  3. 前記制御部は、前記複数のパラメータのうち前記振幅のみを前記現在の回転速度に換算し、該換算された振幅と、前記記憶部に記憶されている前記位相とに基づいて、前記減少する信号成分を補償する、請求項2に記載のロータリエンコーダ。
  4. 前記制御部は、前記複数のパラメータのうち前記振幅および位相の両方を前記現在の回転速度における値に換算し、該換算された振幅および位相に基づいて、前記減少する信号成分を補償する、請求項2に記載のロータリエンコーダ。
  5. 前記振幅および位相は、前記基準回転速度として一定の回転速度で回転体を回転させ、前記A相信号および前記B相信号からそれぞれ所定の信号成分を差し引いて前記回転体の回転速度を算出したときに、該算出された回転速度のリップルが最小になるときの前記所定の信号成分の振幅および位相である、請求項2から4のいずれか1項に記載のロータリエンコーダ。
  6. 前記基準回転速度が、前記回転体に連結されたモータの瞬時最大回転速度である、請求項5に記載のロータリエンコーダ。
  7. 複数の前記磁石と、複数の前記磁気センサ部と、を有し、
    前記制御部は、前記複数の磁気センサ部からの複数の前記A相信号および複数の前記B相信号に基づいて前記回転体の回転位置を算出し、その際に前記複数の磁気センサ部のそれぞれに対して前記補正処理を実行する、請求項1から6のいずれか1項に記載のロータリエンコーダ。
  8. 前記複数の磁石が、前記回転体の周方向にN極とS極とが1極ずつ配置された第1の磁石と、前記回転体の周方向にN極とS極とが交互に複数配置された第2の磁石とを含み、
    前記複数の磁気センサ部が、前記第1の磁石に対応する少なくとも1つの磁気センサ部と、前記第2の磁石に対応する磁気センサ部とを含む、請求項7に記載のロータリエンコーダ。
  9. 前記各感磁素子が、磁気抵抗効果素子を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載のロータリエンコーダ。
JP2017024878A 2017-02-14 2017-02-14 ロータリエンコーダ Active JP6877169B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017024878A JP6877169B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 ロータリエンコーダ
CN201810150413.6A CN108426587B (zh) 2017-02-14 2018-02-13 旋转编码器
US15/895,272 US10598517B2 (en) 2017-02-14 2018-02-13 Rotary encoder

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017024878A JP6877169B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 ロータリエンコーダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018132357A true JP2018132357A (ja) 2018-08-23
JP6877169B2 JP6877169B2 (ja) 2021-05-26

Family

ID=63249638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017024878A Active JP6877169B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 ロータリエンコーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6877169B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110274615A (zh) * 2019-08-08 2019-09-24 成都芯进电子有限公司 一种磁角度编码器中提高增量编码abz输出精度的电路及方法
JP2020046430A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 機械の運動を検出するためのポジション検出システム及び方法
CN111900961A (zh) * 2020-08-24 2020-11-06 国网山东省电力公司滨州市沾化区供电公司 一种波形信号发生器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041773A (ja) * 1999-08-03 2001-02-16 Futaba Corp リニヤスケール
JP2009037617A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 可動情報を伝送するための位置測定装置及び方法
JP2016099164A (ja) * 2014-11-19 2016-05-30 日本電産サンキョー株式会社 エンコーダ及び回転角度位置算出方法
JP2017032480A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 ルネサスエレクトロニクス株式会社 信号変換器及び制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041773A (ja) * 1999-08-03 2001-02-16 Futaba Corp リニヤスケール
JP2009037617A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 可動情報を伝送するための位置測定装置及び方法
JP2016099164A (ja) * 2014-11-19 2016-05-30 日本電産サンキョー株式会社 エンコーダ及び回転角度位置算出方法
JP2017032480A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 ルネサスエレクトロニクス株式会社 信号変換器及び制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020046430A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 機械の運動を検出するためのポジション検出システム及び方法
JP7387348B2 (ja) 2018-09-18 2023-11-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 機械の運動を検出するためのポジション検出システム及び方法
CN110274615A (zh) * 2019-08-08 2019-09-24 成都芯进电子有限公司 一种磁角度编码器中提高增量编码abz输出精度的电路及方法
CN110274615B (zh) * 2019-08-08 2024-05-10 成都芯进电子有限公司 一种磁角度编码器中提高增量编码abz输出精度的电路及方法
CN111900961A (zh) * 2020-08-24 2020-11-06 国网山东省电力公司滨州市沾化区供电公司 一种波形信号发生器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6877169B2 (ja) 2021-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108592956B (zh) 旋转编码器及其绝对角度位置检测方法
US10775200B2 (en) Rotary encoder and absolute angular position detection method thereof
KR102195533B1 (ko) 로터리 인코더 및 로터리 인코더의 각도 보정 방법
CN108426587B (zh) 旋转编码器
JP6940955B2 (ja) ロータリエンコーダ
US8466672B2 (en) Method of processing encoder signals
US8368392B2 (en) Magnetic encoder and method of detecting absolute rotational position
JP6649018B2 (ja) ロータリエンコーダ、およびロータリエンコーダの絶対角度位置検出方法
KR20160059958A (ko) 인코더 및 회전 각도 위치 산출 방법
KR102328288B1 (ko) 로터리 인코더, 및 로터리 인코더의 절대 각도 위치 검출 방법
JP6877169B2 (ja) ロータリエンコーダ
CN110388943B (zh) 编码器
TWI683990B (zh) 編碼器
JP6842943B2 (ja) ロータリエンコーダ
JP2020153980A (ja) 回転部材の少なくとも1つの回転パラメータを決定するシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6877169

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150