JP2016092122A - 炭化珪素基板 - Google Patents

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【課題】安価で高周波伝送損失の少ない炭化珪素基板を提供する。【解決手段】炭化珪素基板は、CVD法または焼結法により形成された炭化珪素からなる第1の層と、前記第1の層の表面に形成され、炭化珪素と異なる材料からなる第2の層と、を備える。前記第2の層の誘電正接が0.01未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素基板に関する。
炭化珪素は、シリコンよりも熱伝導性に優れた材料として知られている。炭化珪素のうち、単結晶構造を有するSiC(単結晶SiC)は、高価であるため、パワーデバイスや高周波デバイスの基板材料として普及させるのにコスト面の課題がある。一方、CVD法等で作製された多結晶構造を有するSiC(多結晶SiC)は、比較的安価でありながら単結晶SiCと同程度の熱伝導率を有する。パワーデバイス等の基板材料には単結晶構造は不要なため、多結晶SiCを基板材料として用いることで、放熱性に優れたデバイスを低コストで作ることができる。
しかし、多結晶SiCに直接デバイスを作製しても、結晶性の悪さから充分な特性が得られず、多結晶SiCを基材として他の誘電体層を貼りあわせてなる貼り合わせデバイスにおいてもデバイス特性が悪化する場合がある(特許文献1参照)。特に、多結晶SiCを高周波デバイスに用いた場合は、高周波領域における伝送損失(以降、高周波伝送損失ともいう)、特に誘電損が生じやすくなる。
特開2012−18960号公報
本発明は、安価で高周波伝送損失の少ない炭化珪素基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、炭化珪素基板であって、
CVD法または焼結法により形成された炭化珪素からなる第1の層と、
炭化珪素と異なる材料からなり、前記第1の層の表面に形成された第2の層と、を備え、
前記第2の層の誘電正接が0.01未満であることを特徴とする。
本発明によれば、安価で高周波伝送損失の少ない炭化珪素基板を提供することができる。
本実施形態の炭化珪素基板の層構成を説明する断面図である。 第2の層の誘電正接の大きさと炭化珪素基板の高周波伝送損失(減衰率)との関係を示すグラフである。
以下、本発明のSiC基板を詳細に説明する。
図1に、本実施形態のSiC基板Sの層構成を示す。
SiC基板Sは、CVD法または焼結法により形成されたSiCからなる第1の層1と、炭化珪素と異なる材料からなり、第1の層1の表面に形成された第2の層2と、を備える。第2の層2の誘電正接(tanδ)は0.01未満である。本明細書において、誘電正接は、5GHzにおける常温での誘電正接をいう。
(第1の層)
第1の層1は、CVD法により作製されたSiC(以降、CVD−SiCという)、または、焼結法により作製されたSiC(以降、焼結SiCという)からなる。CVD−SiCは、主として3C型(β型)の結晶多形を含み、焼結SiCは、主として3C型(β型)の結晶多形および6H型(α型)結晶多形を含む構造となっている。
第1の層1は、多結晶SiCであるCVD−SiCまたは焼結SiCからなり、誘電正接は0.1程度の高さを有しているが、後述するように、第2の層2の誘電正接が0.01未満であることによって、高周波伝送損失は少なくなっている。本明細書において、高周波伝送損失が少ないとは、第2の層2の表面側における高周波伝送損失が、例えば、周波数5GHzにおいて、0〜−0.05dB/mmの範囲内であることをいう。
第1の層1の比抵抗は、SiC基板Sの絶縁性を高める観点から、1×10Ωcm以上であることが好ましいが、この範囲に制限されず、例えば、中抵抗率と呼ばれる70〜200Ωcmの範囲にあってもよい。第1の層1に含まれる窒素の量(窒素濃度)は、第1の層1の絶縁性を過度に低下させないようにする観点から、少ないほど好ましく、例えば1×1019atoms/cm以下である。また、第1の層1に含まれるSi及びC以外の金属元素の量は、基板SiCの絶縁性を高める観点から、1ppm以下であることが好ましい。
第1の層1の厚さは、特に制限されず、SiC基板Sの用途に応じて。その用途で要求される仕様を考慮して、適宜定めることができ、例えば100〜1000μmである。
(第2の層)
第2の層2は、SiCと異なる材料からなり、誘電正接が0.01未満である。多結晶SiCであるCVD−SiCまたは焼結SiCは、単結晶SiCと比べて不純物が混入しやすく、誘電正接が大きくなりやすいが、本実施形態では、第2の層2が第1の層1と異なる材料からなり、第2の層2の誘電正接が0.01未満であることによって、高周波伝送損失が少なくなっている。第2の層2には、具体的に、CVD、ALD、スパッタ蒸着、熱酸化等の方法によって成膜された絶縁体が用いられる。なお、誘電正接は、LCRメータで直接、あるいはブリッジ回路を用いて測定される。誘電正接の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば0を超える大きさである。
ここで、誘電正接(tanδ)を種々変化させた複数のSiC基板を作製して、それぞれのSiC基板の第2の層の表面側における周波数5GHzでの高周波伝送損失(減衰率)を測定した結果を、図2に示す。SiC基板は、tanδが0.1である多結晶SiCの第1の層の上に、第2の層として膜厚1μmのAlの膜を形成し、さらに、第2の層の表面にコプレーナ線路を形成することにより作製した。コプレーナ線路の線路間距離(ギャップ)は1μmとし、線幅は5μmとした。高周波伝送損失は、ネットワークアナライザを用いて測定した。
図2から分かるように、第2の層2のtanδが0.01以上である場合は、その値が大きくなるほど、高周波伝送損失が増加する(高周波伝送損失の値が0から遠ざかる)ことが分かる。これに対し、第2の層2のtanδが0.01未満である場合は、高周波伝送損失は、−0.05dB/mmより大きい、0に近い値で安定している。本発明者等の知見によれば、周波数5GHzにおいて−0.05dB/mm以上の高周波伝送損失を示す基板であれば、高周波領域で作動する半導体素子を実装するのに実用上問題がない。したがって、第2の層2のtanδは0.01未満である。
また、上記実験と合わせて、作製したSiC基板のそれぞれに関して、SiC基板全体、ならびに第1の層および第2の層の各層の比抵抗を測定したところ、第2の層2のtanδが0.01未満であるSiC基板Sはいずれも、第2の層2の比抵抗は第1の層1よりも比抵抗が1×10Ωcm以上大きく、かつ、SiC基板S全体の比抵抗は1×1010Ωcm以上であることが分かった。なお、比抵抗は、比抵抗が1×106Ωcm程度より小さい領域では、4端子法を用いて、JIS C2141に準じて20℃で測定した。また、比抵抗が1×106Ωcm程度以上の領域では、熱雑音を低減可能な機器を組み込んだ4探針法による測定装置を用いて測定した。
第2の層2の材料は、好ましくは、第13族または第14族元素の窒化物、酸化物、または酸窒化物からなる。第13族元素としては、B、Al、Ga、In、Tlが挙げられるが、中でも、第2の層2の熱伝導性が優れたものになる点で、Alが好ましい。第14族元素としては、C、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられるが、中でも、第2の層2の絶縁性が良好になる点で、Siが好ましい。第13族または第14族元素の窒化物または酸化物としては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、窒化珪素(Si)を例示できる。これらの中で、熱伝導率が高く、放熱性に優れる第2の層2が得られやすい点で、AlNが特に好ましく用いられるが、第2の層2の厚さが薄くてもよい場合は、Al、SiO、Siも好ましく用いられる。
第2の層2には、上記した第13族または第14族元素の窒化物、酸化物、または酸窒化物に該当しない、不純物等の成分が含まれていてもよい。そのような成分は、第2の層2の誘電正接が0.01未満となる範囲において含まれていてもよい。
第2の層2は、SiCとの熱伝導率の差が例えば100W/mK以下の材料からなることが好ましい。これにより、SiC基板S全体としての熱伝導性を良好なものにすることができる。例えば、第1の層1の熱伝導率が200W/mK程度である場合、第2の層2の熱伝導率は100〜150W/mKである。なお、SiCの熱伝導率は200W/mK程度、AlNの熱伝導率は150W/mK程度、Alの熱伝導率は12〜34W/mK程度、SiOの熱伝導率は1.0〜1.4W/mK程度、Siの熱伝導率は23〜54W/mK程度である。なお、熱伝導率は、JIS R1611に準拠して測定され、本明細書において、20℃における値で表される。
一方で、第2の層2は、厚みが薄い場合(例えば10μm以下である場合)は、SiCとの熱伝導率の差が100W/mKを超える材料から作製されてもよい。第2の層2の厚さが薄い場合には、このような熱伝導率の差があっても、SiC基板S全体の熱伝導率の低下を抑えられる。また、第2の層2の材質として、熱伝導率は低いが誘電正接は小さいもの用いることができ、SiC基板Sの用途に応じた材料選択の自由度が増す。
第2の層2の膜厚は、第1の層1が剥がれにくくなり、安価に形成できる観点から、10μm以下であることが好ましい。また、第2の層2の膜厚が10μm以下であることにより、SiC基板Sの放熱性を良好なものにすることができる。さらに、第2の層2の表面に、導電パターンとしてギャップが十分に狭いコプレーナ線路が形成された場合は、電場の入り込み深さが小さいことから、第2の層2の膜厚がこのように比較的薄くても、高周波伝送損失を低減する効果が有効に発揮される。第2の層2の膜厚は、誘電正接が小さいことによる高周波伝送損失の低減効果を確実に得る観点から、0.1μm以上であることが好ましい。
第2の層2の表面の表面粗さRaは、10nm以下であることが好ましい。第2の層2の表面とは、第1の層1と接する側と反対側の面をいう。表面粗さは、算術平均粗さRaである。第2の層2の表面粗さRaが10nm以下であることにより、SiC基板Sに貼り合わせられる後述する貼り合わせ材との密着性が良好になる。第2の層2のこのような表面粗さは、第2の層2の表面を研磨することによって得られるほか、第1の層1の表面(第2の層2が形成される側の表面)を研磨した後に、均一な膜厚の第2の層2を形成することによっても得られる。第1の層1および第2の層2の表面の研磨は、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いた機械研磨や、CMP等の化学機械研磨により行われる。なお、第2の層2が形成される側の第1の層1の表面は、予め研磨されることが好ましい。この場合、第1の層1の表面は、例えば、表面粗さRaが3nm以下に調整される。
第2の層2を研磨する場合は、研磨による取り代を確保するために、第2の層2の膜厚は20μm以上であることが好ましい。この場合の第2の層2の形成は、速く成膜でき、かつ、コストを抑えられる点で、CVD法、スパッタリング等の方法により行われることが好ましい。
一方、第1の層1を研磨し、その後、均一な膜厚の第2の層2を形成する場合は、第2の層2の表面を研磨する必要がないことから、第2の層2の形成は、高い段差被覆性を有する点で、ALD法により好ましく行われる。これにより、第2の層2の表面粗さを上記範囲にし、貼り合わせ材等との密着性を高めることができる。
なお、第2の層2の膜厚を厚くしたい場合には、例えば、第1の層1の表面に、CVD法、スパッタリング等により第2の層2の大半の部分を形成し、その後、ALD法により第2の層2の残りの部分を形成する方法を用いることができる。なお、高速に成膜を行うために、ALD法の中でも、公知のSpatialALD法が用いられてもよい。SpatialALD法は、薄膜を構成する元素を主成分とする2種類の前駆体をそれぞれ含んだガスを空間的に分離して供給することを行う成膜方法である。
SiC基板Sは、第2の層2の表面が上記範囲の表面粗さRaを有していることに加え、反りが100μm以下であることが好ましい。これにより、第2の層の表面と貼り合わせ材等との密着性をより高めることができる。
なお、第2の層2は、第1の層1を熱処理等によって酸化して形成したSiOからなる層であってもよい。
本実施形態のSiC基板Sは、例えば、次のようにして作製される。ここでは、第2の層2として、AlNを作製する場合を例に説明する。
まず、減圧容器内に、シラン系ガスおよび炭化水素ガスを含む原料ガスを供給するとともに、窒素ガスを供給し、減圧容器内に配置された黒鉛基材を1100〜1500℃に加熱して、黒鉛基材上に多結晶SiCを堆積させて第1の層1を形成する。第1の層1を形成後、酸素雰囲気中で900〜1400℃で加熱することにより、黒鉛基材を燃焼させて除去する。このようにして形成された第1の層1の表面を、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨し、平滑にした後、別の減圧容器内で、窒素原子を含む窒化ガスおよびアルミニウムを含む原料ガスを交互に供給しながら、第1の層1を常温〜400℃で加熱して、第1の層1の表面にAlNからなる第2の層2を形成する。
本実施形態によれば、SiCと異なる材料からなり、誘電正接が0.01未満である第2の層2を有していることによって、高周波伝送損失が少なくなっているとともに、第2の層2が、CVD法または焼結法で作製された多結晶SiCの第1の層1の上に形成されていることで、安価でかつ放熱性に優れたSiC基板Sが得られる。このようなSiC基板Sを用いて作製されたデバイスは、デバイス特性が良好であり、特に高周波デバイスに用いられた場合の高周波伝送損失を少なくすることができる。なお、この効果は、SiC基板の表面粗さが上記範囲内であることにも起因して得られる。このようなSiC基板Sは、例えば、0.7GHz以上の高周波素子として好適に用いられ、20GHz以上の高周波素子としてより好適に用いられる。また、SiC基板Sは、第2の層2の誘電正接が0.01未満であることで、高い絶縁性(比抵抗10−10Ωcm以上)を有している。
本実施形態のSiC基板Sは、少なくとも第2の層2の表面に、導電パターンが形成されていてもよい。導電パターンの種類は、特に制限されず、コプレーナ線路、マイクロストリップ線路等を形成することができる。コプレーナ線路は、例えば、ギャップ1〜100μm、線幅1〜500μmとすることができる。
多結晶SiCは、上記したように高周波特性に劣るため、それのみで信頼性の高い高周波デバイスを得ることには限界がある。ここで、多結晶SiCの代わりに、SiC基板よりも高周波特性に優れた基板材料としてサファイア基板を用いることが考えられる。サファイア基板は、例えば、その上にシリコン層を成膜したシリコンサファイアとして用いられる。しかし、サファイア基板は、熱伝導率が低いため(41W/mK程度)、デバイスに用いられた場合の放熱性が良好ではなく、デバイスの信頼性、安定した動作が損なわれるおそれがある。本実施形態のSiC基板Sを用いれば、放熱性に優れたデバイスを作製できるとともに、デバイスの信頼性、安定した動作が確保される。また、SiCは、シリコンと比べ熱伝導性が高く、放熱性に優れるため、例えば、発熱量の大きいデバイスにおける冷却を簡易に行える。このため、集積密度を高くし、製品を小型化できる。また、高温動作が可能となり、例えば、100℃を超える環境で用いられる可能性のあるデバイスや、10kW程度の大電力が供給されるデバイスとして用いられた場合に、デバイスにおける熱暴走を抑え、信頼性の高いデバイスを作ることができる。
(SiC基板の用途)
本実施形態のSiC基板Sは、例えば、種々の特性を有する貼り合わせ材と貼り合わせることができ、貼り合わせ基板に用いることができる。貼り合わせ材としては、例えば、Si、SiC、GaN、AlGaN、AlN、GaAs等の単結晶材料のウエハが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
貼り合わせ基板は、単結晶ウエハの有する特性をそのまま有し、かつ、安価に作製されるSiCによって厚さが確保されているため、種々の特性を有する基板を安価に作製できる。すなわち、高価な単結晶ウエハからなる貼り合わせ材の厚さを薄くして、コストを抑えることができる。なお、貼り合わせ基板の厚さを確保する理由は、デバイス作製のために貼り合わせ基板の表面に層の形成等を行う場合に必要とされるためである。
SiC基板Sと貼り合わせ材を貼り合わせる方法は、例えば、公知のスマートカット(イオンカットともいう)を用いることができる。具体的には、貼り合わせ材である単結晶ウエハに、イオン注入法により水素原子を数μmの深さに高濃度に導入して切れ目を入れ(水素脆化させ)、次いで、水素原子を導入した単結晶ウエハの表面をSiC基板の第2の層の表面にあてがい、必要に応じて熱処理を施すことで、単結晶ウエハの上記表面を含む部分が当該表面の全域にわたって、単結晶ウエハの他の部分から剥がされる。このとき単結晶ウエハのうち剥がれてSiC基板S上に残る部分の厚みは、数μmの薄さである。なお、貼り合わせ基板は、スマートカットによって作製した後に、貼り合わせ材の表面にエピタキシャル成長によって単結晶薄膜が形成されてもよい。これにより、貼り合わせ材として誘電正接が十分に小さくないものを用いた場合にも、貼り合わせ基板の表面の特性を良好にできるとともに、貼り合わせ材の全てをエピタキシャル成長により形成する場合と比べ、コストを大きく低減することができる。なお、貼り合わせは、スマートカットに限定されず、メートル法、SUFTLA(登録商標)等、他の方法により行われてもよい。
単結晶シリコンの貼り合わせ材とSiC基板Sとの貼り合わせ基板は、熱伝導性に優れかつ高周波伝送損失の少ない上記SiC基板を備えているため、単結晶シリコンからなる貼り合わせ材と多結晶シリコン基板とが貼り合わされてなる従来の貼り合わせ基板と比べ、多様な用途に用いることができる。例えば、携帯通信端末の受信機や、RFスイッチ、デジタルステップ減衰器、PLL周波数合成器、ミキサ、プリスケーラ、デジタル可変キャパシタ、DC−DCコンバータ等に用いられる。
また、単結晶SiCの貼り合わせ材とSiC基板Sとの貼り合わせ基板は、誘電正接の小さい第2の層を備えていることで、高周波デバイスに用いられる場合に有用である。この場合に、例えば、貼り合わせ材とSiC基板とを貼り合わせた後に、貼り合わせ材の表面にエピタキシャル膜を形成することによって、単結晶SiCをチャネル層とするFETを作製することができる。
さらに、単結晶GaNまたはAlGaNの貼り合わせ材とSiC基板Sとの貼り合わせ基板は、10kW程度の大電力が供給される高周波デバイスに用いられた場合に、誘電正接の小さい第2の層があることによって、高周波伝送損失が低減される。この貼り合わせ基板は、複数の貼り合わせ材を有していてもよく、例えば、単結晶GaNの貼り合わせ材の表面に、単結晶AlGaNの貼り合わせ材をさらに貼り合わせて、高周波デバイスを作製することができる。
単結晶AlNの貼り合わせ材とSiC基板との貼り合わせ基板は、ワイドギャップを有するとともに高い絶縁性を有していることで、より高い周波数およびより高い電力のデバイスに用いることができる。
単結晶GaAsの貼り合わせ材とSiC基板との貼り合わせ基板は、単結晶シリコンよりも高い周波数特性を有している一方で、第1の層1による放熱性に優れた高周波デバイスが得られる。
なお、貼り合わせ基板の貼り合わせ材の表面には、上記した導電パターンが形成されていてもよい。例えば、貼り合わせ材として、単結晶シリコンのウエハを、そのまま、あるいは、熱処理を施して表面にSiOの誘電体層を形成したものを、SiC基板Sの第2の層2の表面に貼り合わせ、貼り合わせ基板の表面をなす単結晶シリコン層に、導電パターンを形成することができる。特に、単結晶シリコンのウエハをそのままSiC基板Sに貼り合わせて作製した貼り合わせ基板の表面にコプレーナ線路を形成した場合、単結晶シリコン層の膜厚を500nm以下とし、コプレーナ線路の線路間距離(ギャップ)をS、第2の層2の膜厚をDとしたとき、S/D≦10となるよう、SおよびDを調整することで、高周波伝送損失の低減効果が特に大きくなる。
以上、本発明の炭化珪素基板について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
S SiC基板
1 第1の層
2 第2の層

Claims (6)

  1. CVD法または焼結法により形成された炭化珪素からなる第1の層と、
    炭化珪素と異なる材料からなり、前記第1の層の表面に形成された第2の層と、を備え、
    前記第2の層の誘電正接が0.01未満であることを特徴とする炭化珪素基板。
  2. 前記第2の層は、第13族または第14族元素の窒化物、酸化物、または酸窒化物からなる、請求項1に記載の炭化珪素基板。
  3. 前記第2の層の表面粗さRaが10nm以下である、請求項1または2に記載の炭化珪素基板。
  4. 0.7GHz以上の高周波素子として用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の炭化珪素基板。
  5. 前記第2の層の表面側における周波数5GHzでの高周波伝送損失が0〜−0.05dB/mmの範囲内にある、請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化珪素基板。
  6. 第2の層の表面に導電パターンが形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の炭化珪素基板。
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