JP2016086158A - ウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材および薄型ウエハの製造方法 - Google Patents

ウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材および薄型ウエハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウエハとサポート基板の容易な仮接着、加工後のウエハの、サポート基板からの容易な剥離、剥離後のウエハの接着残渣の容易な除去を可能とするウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材およびこれらを用いる薄型ウエハの製造方法を提供する。
【解決手段】 表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面とサポート基板とが、仮接着材層を介して仮接着されてなるウエハ加工用積層体であって、該仮接着剤層が、該ウエハの表面と接する、ポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および該第一仮接着材層と、該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有する、ウエハ加工用積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型ウエハを効率的に得ることを可能にするウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材および薄型ウエハの製造方法に関する。
半導体デバイスの製造において、高集積化を図る方法として、三次元実装技術が注目されている。三次元実装技術の中でも、さらに集積度を高める技術として、薄くしたウエハから作製した半導体チップを積層し、この半導体チップを縦方向に貫通する配線となるシリコン貫通電極(略称:TSV)を用いて、半導体チップ相互間の回路接続を行う技術(以下、TSV技術と呼ぶことがある。)の研究開発動向が報告されている(例えば、非特許文献1)。TSV技術を用いた半導体の製造方法において、シリコン基板を薄くする工程、および、薄くした基板上に電極と配線回路を形成する工程では、薄いシリコン基板を破損なく搬送するためのサポート基板と、該サポート基板とシリコン基板とを一時的に接着させる仮接着剤が用いられる。この仮接着剤に求められる特性としては、平坦性良く両基板を接着する接着性、シリコン基板に対する種々の加工プロセスに耐えるための加工耐性、高温プロセスに耐えるための耐熱性、加工後のシリコン基板をサポート基板から簡便に剥離することができることなどが挙げられる。
このような用途に用いられる材料として、種々の接着剤が報告されている。例えば、特許文献1では、特定の熱可塑性組成物を溶媒に分散または溶解させたものであり、アクティブウエハをキャリアウエハまたは基板に接合して、その後の処理や取り扱い中にアクティブウエハまたはその活性部位を保護するのに有用である、接合用組成物の使用方法が開示されている。接着性組成物は接合層を形成し、当該接合層は、耐薬品性および耐熱性を有するが、製造工程の適切な段階でウエハをスライドさせて離間(剥離)させることができるように軟化させることができるとされる。離間(剥離)時には接着剤を高温で軟化させたまま、機械的な力で2枚の基板を剥離させ、最後にシリコン基板に付着した接着残渣を溶剤で洗浄している。接着剤を軟化させて剥離する方法は、高温が必要となり、また時間も要する作業である。またシリコンウエハに付着した接着残渣は、別途、洗浄する必要がある。
特許文献2では、マレイミド基を有するモノマーを含んでいる単量体組成物を共重合してなるポリマーを主成分とする接着剤組成物であって、熱重合禁止剤をさらに含んでいることを特徴とする接着剤組成物が開示されている。この接着剤組成物を用いる場合には、剥離時に2枚の基板を有機溶剤へ浸漬させ、剥離すると同時に接着剤を溶解させている。有機溶剤を用いる事はコストの増加や環境への負荷が懸念され、また有機溶剤は接着性組成物に対して、効率よく、迅速に浸漬させる必要がある。
特許文献3では、逆に装着されたデバイスウエハをキャリヤー基板から分離する方法および装置が開示されている。この方法は、ウエハであるシリコン基板の外周部分のみに接着剤を使用し、シリコン基板の内側は接着力を発現しない樹脂を用い支持して、接着残渣が内側には発生しないようにしている。この方法におけるデバイスウエハとキャリヤー基板の剥離時には専用のクランプを使用するとされる。
特許文献4では、粘着剤成分と酸発生剤と各種の炭酸塩とを含有する粘着剤組成物及び粘着テープが開示されており、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができるとされる。それぞれ非硬化型の粘着剤と硬化型の粘着剤が開示されており、特に硬化型の粘着剤は、光や熱の刺激によって、粘着剤成分の重合硬化が進行し、粘着剤の弾性率が上昇するために容易に剥離するとされる。これら粘着剤の主成分はポリマーであり、粘着性は有しているが、液体状の様な流動性は示さないため、シリコンウエハを固定する際には、気泡が混入することなく、均一に接触させながら貼り付ける必要があり、貼り付け作業には専用装置と時間を要する。また、実際のTSVの加工プロセスに適用する場合の例として、粘着テープの形態が開示されており、例えばポリエチレンテレフタラート等の基材を用いて、粘着テープの形態にして使用するとされる。
特許文献5では、ポリイミドシリコーン樹脂を接着材層として用いることによって、ウエハとサポート基板とを仮固定して製造する薄化ウエハの製造方法が開示されている。この場合、ウエハをサポート基板から剥離した際に、ウエハにポリイミドシリコーン樹脂層の残渣が付着する。そのため、その残渣を除去するために有機溶剤を用いて残渣を洗浄する必要がある。
特表2010−531385号公報 特開2010−24435号公報 特開2012−4522号公報 特開2012−107194号公報 特開2010−004200号公報
吉永孝司、Science & Technology Trends,April,2010,p.23〜p.34
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ウエハとサポート基板の容易な仮接着、加工後のウエハの、サポート基板からの容易な剥離、剥離後のウエハの接着残渣の容易な除去を可能とするウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材およびこれらを用いる薄型ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、下記のウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材およびこれらを用いる薄型ウエハの製造方法によって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の各発明を含む。
[発明1]
表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面とサポート基板とが、仮接着材層を介して仮接着されてなるウエハ加工用積層体であって、
該仮接着材層が、
該ウエハの表面と接する、一般式[1]:
Figure 2016086158
[式中、Aは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、CH基、SO基、SO基、C(CH基、NHCO基またはC(CF基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基またはフルオロアルコール基を表し、Rは、下記構造を含む4価の有機基であり、
Figure 2016086158
Wは単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、SO基、C(CF基または、置換もしくは非置換のアルキレン基を表し、nは正の整数を表す。]
で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および
該第一仮接着剤層と、該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有する、ウエハ加工用積層体。
[発明2]
硬化性シリコーン樹脂が、光硬化性シリコーン樹脂または熱硬化性シリコーン樹脂である、発明1のウエハ加工用積層体。
[発明3]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(A)〜(C)成分を少なくとも含む、発明1のウエハ加工用積層体。
(A)成分:組成式[2]:
Figure 2016086158
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、dは0以上、1未満の範囲内の数であり、a+b+c+d=1を満たす。)
で示され、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、
(B)成分:組成式[3]:
Figure 2016086158
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、e、fおよびgは、それぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、hは0以上、1未満の範囲内の数であり、e+f+g+h=1を満たす。)
で示され、ケイ素原子に結合するビニル基(Si−CH=CH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、および
(C)成分:ヒドロシリル化触媒。
[発明4]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(D)〜(F)成分を少なくとも含む、発明1のウエハ加工用積層体。
(D)成分:一般式[4]:
Figure 2016086158
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のRのうち、少なくとも1つは水素原子を表し、R10はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR10は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、複数のR11は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、sは正の整数を表す。)
で表される、シリコーン樹脂、
(E)成分:一般式[5]:
Figure 2016086158
(式中、R12はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR12は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R13はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のR13のうち、少なくとも1つはアルケニル基を表し、R14はアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、複数のR14は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、tは正の整数を表す。)
で表される、シリコーン樹脂、
(F)成分:ヒドロシリル化触媒。
[発明5]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(G)および(H)成分を少なくとも含む、発明1のウエハ加工用積層体。
(G)成分:一般式[6]:
(R15(R16Si(OR174−X―Y [6]
(式中、R15はアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の光重合性基を含む1価の有機基であり、R16は炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R17は炭素数1〜3のアルキル基であり、R15基、R16基、OR17基が複数存在する場合には、各々独立して同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Xは1〜3の整数であり、Yは0〜2の整数であり、1≦X+Y≦3を満たす。)
で表されるアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上を用いて加水分解縮合して得られる加水分解縮合物、
(H)成分:光重合開始剤。
[発明6]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、酸発生剤と、金属水酸化物、金属炭酸塩若しくは金属酸化物とを含む、発明1乃至5のいずれか一つのウエハ加工用積層体。
[発明7]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、紫外線吸収発泡剤を含む、発明1乃至6のいずれか一つのウエハ加工用積層体。
[発明8]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、熱発泡性化合物を含む、発明1乃至7のいずれか一つのウエハ加工用積層体。
[発明9]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、フィラーを含む、発明1乃至8のいずれか一つのウエハ加工用積層体。
[発明10]
前記サポート基板が、ガラス基板である、発明1乃至9のいずれか一つのウエハ加工用積層体。
[発明11]
工程(a)〜(d)を少なくとも含む、薄型ウエハの製造方法。
(a)発明1乃至10のいずれか一つのウエハ加工用積層体に対し、前記ウエハの裏面を研削または研磨する工程、
(b)裏面を研削または研磨したウエハに加工を施す工程、
(c)加工を施したウエハをサポート基板から剥離する工程、
(d)剥離したウエハに残存する仮接着材層を除去する工程。
[発明12]
工程(e)および工程(f)を含む、発明11の製造方法。
(e)剥離したサポート基板に残存する仮接着材層を除去する工程、
(f)仮接着材層を除去したサポート基板を再利用する工程。
[発明13]
工程(c)の剥離工程が、仮接着材層を加熱することにより行われるか、もしくは波長400nm未満の光を仮接着材層に照射することにより行われるか、またはその両方により行われる、発明11または発明12の製造方法。
[発明14]
工程(d)の除去工程が、前記ウエハを水と接触させる、または、仮接着材層を引き剥がすことで行われる、発明11乃至13のいずれか一つの製造方法。
[発明15]
表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面をサポート基板と仮接着するためのウエハ加工用仮接着材であって、
該ウエハの表面と接する、一般式[1]:
Figure 2016086158
[式中、Aは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、CH基、SO基、SO基、C(CH基、NHCO基またはC(CF基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基またはフルオロアルコール基を表し、Rは、下記構造を含む4価の有機基であり、
Figure 2016086158
Wは単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、SO基、C(CF基または、置換もしくは非置換のアルキレン基を表し、nは正の整数を表す。]
で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および
該第一仮接着材層と該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有する、ウエハ加工用仮接着材。
[発明16]
硬化性シリコーン樹脂が、光硬化性シリコーン樹脂または熱硬化性シリコーン樹脂である、発明15のウエハ加工用仮接着材。
[発明17]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(A)〜(C)成分を少なくとも含む、発明15のウエハ加工用仮接着材。
(A)成分:組成式[2]:
Figure 2016086158
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、dは0以上、1未満の範囲内の数であり、a+b+c+d=1を満たす。)
で示され、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、
(B)成分:組成式[3]:
Figure 2016086158
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、e、fおよびgは、それぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、hは0以上、1未満の範囲内の数であり、e+f+g+h=1を満たす。)
で示され、ケイ素原子に結合するビニル基(Si−CH=CH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、および
(C)成分:ヒドロシリル化触媒。
[発明18]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(D)〜(F)成分を少なくとも含む、発明15のウエハ加工用仮接着材。
(D)成分:一般式[4]:
Figure 2016086158
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のRのうち、少なくとも1つは水素原子を表し、R10はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR10は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、複数のR11は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、sは正の整数を表す。)
で表される繰り返し単位を有する、シリコーン樹脂、
(E)成分:一般式[5]:
Figure 2016086158
(式中、R12はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR12は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R13はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のR13のうち、少なくとも1つはアルケニル基を表し、R14はアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、複数のR14は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、tは正の整数を表す。)
で表される、シリコーン樹脂、
(F)ヒドロシリル化触媒。
[発明19]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(G)および(H)成分を少なくとも含む、発明15のウエハ加工用仮接着材。
(G)成分:一般式[6]:
(R15(R16Si(OR174−X―Y [6]
(式中、R15はアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の光重合性基を含む1価の有機基であり、R16は炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R17は炭素数1〜3のアルキル基であり、R15基、R16基、OR17基が複数存在する場合には、各々独立して同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Xは1〜3の整数であり、Yは0〜2の整数であり、1≦X+Y≦3を満たす。)
で表されるアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上を用いて加水分解縮合して得られる加水分解縮合物、
(H)成分:光重合開始剤。
[発明20]
硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、光酸発生剤と、金属水酸化物、金属炭酸塩若しくは金属酸化物とを含む、発明15乃至19のいずれか一つのウエハ加工用仮接着材。
[発明21]
発明11乃至14のいずれか一つの方法によって製造された薄型ウエハ。
本発明によれば、ウエハとサポート基板の容易な仮接着、加工後のウエハの、サポート基板からの容易な剥離、剥離後のウエハの接着残渣の容易な除去が可能となり、薄型ウエハを効率的に製造することができる。
本発明の薄型ウエハの製造方法の一例を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施の形態および実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態および実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施形態において、図1の(A)に示すように、本発明のウエハ加工用積層体10は、表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハ1と、ウエハ1を支持するサポート基板2と、これらウエハ1とサポート基板2との間に介在する仮接着材層3を備える。この仮接着材層3は第一仮接着材層3aと第二仮接着材層3bを備える。前記第一仮接着材層3aは前記ウエハ1の表面に接し、前記第二仮接着材層3bは前記サポート基板2に接する。すなわち、ウエハ加工用積層体10は、ウエハ1、第一仮接着材層3a、第二仮接着材層3b、サポート基板2が順に構成されている。
本発明の一実施形態において、本発明のウエハ加工用仮接着材は、第一仮接着材層と第二仮接着材層の二層構造からなる。このウエハ加工用仮接着材を用いてウエハとサポート基板を仮接着させる際には、第一仮接着材層がウエハの回路形成面を有する表面に接するようにし、第二仮接着材層がサポート基板に接するようにする。
本発明の一実施形態において、ウエハ加工用積層体10のウエハ1に所定の加工を施す。その後、図1の(B)に示すように、加工後のウエハ1’とサポート基板2とを、所定の方法により、第一仮接着材層3aと第二仮接着材層3bの界面で剥離させる。剥離後、ウエハ1’側には、第一仮接着材層3aと第二仮接着材層の接着残渣3b’(仮接着材層の接着残渣3’)が付着することがある。この第一仮接着材層3aと第二仮接着材層の接着残渣3b’は、例えば、水との接触によりウエハ1’から容易に除去することができる。具体的には、加工後のウエハ1’と第一仮接着材層3aとの界面に水が侵入することで、図1の(C)に示すように、ウエハ1’から仮接着材層の接着残渣3’を除去することができる。
以下、本発明のウエハ加工用積層体、ウエハ加工用仮接着材および薄型ウエハの製造方法について、さらに詳細に説明する。
1.ウエハ加工用積層体
本発明のウエハ加工用積層体は、表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面とサポート基板とが、仮接着材層を介して仮接着されてなるウエハ加工用積層体であり、該仮接着材層が、該ウエハの表面に接する、一般式[1]で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および該第一仮接着材層と、該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有することを特徴とする。
<ウエハ>
本発明に係る表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハとしては、通常、半導体ウエハを用いる。このような半導体ウエハとしては、具体的には、シリコンウエハ、ゲルマニウムウエハ、ガリウム−砒素ウエハ、ガリウム−リンウエハ、ガリウム−砒素−アルミニウムウエハ等が挙げられる。また、このような半導体ウエハは、裏面の一部に研削、研磨、加工などが予め施されていてもよく、表面の回路形成面に保護膜(永久膜)が塗布されていてもよい。このような半導体ウエハの厚さは、特に制限されないが、典型的には、200〜1,000μmであり、より典型的には625〜775μmである。
<サポート基板>
本発明に係るサポート基板としては、シリコン基板、ガラス基板、石英基板などが使用可能である。ガラス基板の材質としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、溶融石英ガラス、合成石英ガラスなどが挙げられる。ガラス基板からのアルカリ元素の溶出が半導体チップ性能の劣化を招くことがあるので、アルカリ元素含有量が少ないガラス基板を用いることが好ましい。このようなガラス基板の材質としては、具体的には、無アルカリガラス、溶融石英ガラス、合成石英ガラスが挙げられる。中でも、入手容易性や経済性の観点から、無アルカリガラスが特に好ましい。また、アルカリ元素を組成に含むガラス基板を使用する場合には、予めガラス表面にバリア膜が塗布されたものを用いることが好ましい。バリア膜の材質としてはバリア性能が発揮されれば特に限定されず、接着性の観点からSiOが好ましい。このようなバリア膜は、真空蒸着、スパッタリング、熱分解成膜、ゾルゲル法などの手法により、ガラス表面上に作製することができる。
また、後述するように、工程(c)で仮接着材層に光エネルギーを照射する場合には、その光を透過するサポート基板を用いることが好ましい。
本発明に係るサポート基板は、第二仮接着材層との密着性を向上させることを目的として、使用に際して予め、該第二仮接着材層と接着させる面に対してセリア研磨、ジルコニア研磨、アルミナ研磨などの研磨処理、酸性水溶液を用いた洗浄、塩基性水溶液を用いた洗浄、界面活性剤を用いた洗浄、オゾン水を用いた洗浄、UVオゾン照射処理、プラズマ照射処理、もしくは、それらを併用した基板洗浄などを施してもよい。このような処理によって、サポート基板の表面が親水性となり、第二仮接着材層と強固に密着することができる場合がある。
本発明に係るサポート基板の厚さは、特に制限されないが、典型的には、200〜2,000μmであり、より典型的には500〜1,100μmである。
<仮接着材層>
本発明に係る仮接着材層は、一般式[1]で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂(以下、「ポリイミド樹脂[1]」と称することがある。)の樹脂膜からなる第一仮接着材層と、該第一仮接着材層に積層し、硬化性シリコーン樹脂を含む接着材組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層とを有する。本発明のウエハ加工用積層体においては、この第一仮接着材層が上述のウエハの表面と接し、第二仮接着材層が上述のサポート基板と接する。
本発明に係る仮接着材層の膜厚は、特に限定されない。通常は、0.1〜1,000μmであり、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜200μmである。
<第一仮接着材層>
本発明に係る第一仮接着材層は、ポリイミド樹脂[1]の樹脂膜からなる。
一般式[1]に係るnは、正の整数であり、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上限は特にないが、ポリイミド樹脂[1]の質量平均分子量が、好ましくは10,000以上となるようにnを定めることが、ポリイミド樹脂[1]の樹脂膜の強度の点から好ましい。また、nが2以上の場合、一般式[5]で表される構造1分子中に複数存在するA、RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式[1]のRに係るハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式[1]のRに係るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
一般式[1]のRに係るフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基などの炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のフルオロアルキル基が挙げられる。
一般式[1]のRに係るフルオロアルコール基としては、−C(CFOH基などの炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のフルオロアルコール基が挙げられる。
一般式[1]のRは、4価の有機基を表し、下記構造のいずれかであることが好ましい。
Figure 2016086158
上記構造中のWは単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、SO基、C(CF基または、置換もしくは非置換のアルキレン基を表す。
置換または非置換のアルキレン基において、アルキレン基中の水素原子が、フッ素原子、酸素原子、硫黄原子などを含む有機基で置換されていてもよい。
一般式[1]のRは、以下の構造のいずれかであることが特に好ましい。
Figure 2016086158
ポリイミド樹脂[1]における繰り返し単位としては、具体的には、以下のいずれかの式で表される繰り返し単位が一例として挙げられる。また、ポリイミド樹脂[1]は、これらのいずれかの式で表される繰り返し単位を少なくとも1種以上含むことが好ましい。式中のnはいずれも正の整数を表す。
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
ポリイミド樹脂[1]は、後述するポリイミド樹脂[1]の樹脂膜の製造方法にしたがって、樹脂膜とすることができる。
本発明に係る第一仮接着材層の膜厚は、特に限定されない。通常は、0.1〜1,000μmであり、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜200μmである。特に半導体ウエハの表面(サポート基板と貼り合わせる面)に電極等、凹凸形状がある場合、これを完全に第一仮接着材で埋め込むために、凹凸の最大高さよりも5μm以上厚い膜厚であることが好ましい。
<第二仮接着材層>
本発明に係る第二仮接着材層は、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜から形成される。この接着剤組成物に含まれる硬化性シリコーン樹脂としては、硬化膜とした際に、サポート基板および第一仮接着材層と接着する機能を有するものであれば、特に限定されない。例えば、熱硬化性シリコーン樹脂や光硬化性シリコーン樹脂を好適に用いることができる。以下、この熱硬化性シリコーン樹脂や光硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物について、具体的に説明する。
[熱硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物:(A)〜(C)成分]
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の一態様として、(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着剤組成物が挙げられる。
(A)成分に係る組成式[2]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]のRにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換の芳香族炭化水素基であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基などが挙げられる。中でも、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]のRにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換の芳香族炭化水素基であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基などが挙げられる。中でも、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]におけるR、RおよびRの組み合わせは、特に限定されない。中でも、Rがメチル基またはエチル基、Rがメチル基またはエチル基、Rがメチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基または3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基の何れかであることが好ましく、Rがメチル基、Rがメチル基、Rがメチル基またはフェニル基であることが特に好ましい。
(A)成分に係る組成式[2]におけるa、b、cおよびdの値は、核磁気共鳴装置を用いて(A)成分の29Si−NMRスペクトルとH−NMRスペクトルを測定し、これらを相補的に組み合わせて用いて算出することができる。
(A)成分の質量平均分子量は、特に限定されるものではない。500〜10,000であることが好ましく、さらに好ましくは、800〜3,500である。ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(略称:GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である。
(B)成分に係る組成式[3]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]のRにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換の芳香族炭化水素基であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基などが挙げられる。中でも、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]のRにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]のRにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換の芳香族炭化水素基であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基などが挙げられる。中でも、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]におけるR、RおよびRの組み合わせは、特に限定されない。中でも、Rがメチル基またはエチル基、Rがメチル基またはエチル基、Rがメチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基または3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基の何れかであることが好ましく、Rがメチル基、Rがメチル基、Rがメチル基またはフェニル基であることが特に好ましい。
(B)成分に係る組成式[3]におけるe、f、gおよびhの値は、上述の組成式[2]におけるa、b、cおよびdの値と同様に、核磁気共鳴装置を用いて(B)成分の29Si−NMRスペクトルとH−NMRスペクトルを測定し、これらを相補的に組み合わせて用いて算出することができる。
(B)成分の質量平均分子量は、特に限定されるものではない。500〜10,000であることが好ましく、さらに好ましくは、800〜3,500である。質量平均分子量が500未満の場合、本発明の硬化膜の樹脂強度が劣ることがあり、10,000を超える場合、(B)成分の粘度が高く本発明のシリコーン樹脂組成物の硬化膜の成形性が悪くなることがある。ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(略称:GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である。
本発明に係る(C)成分は、(A)成分と(B)成分のヒドロシリル化反応の触媒(硬化触媒)として作用するものであれば特に限定されない。具体的には、遷移金属である白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどを含む金属触媒が挙げられるが、特に収率、操作の簡便性などの理由から一般的に白金触媒が使用される。(C)成分の含有量は、特に限定されないが、(A)成分および(B)成分の総量に対して、質量単位で0.01〜1,000質量ppm範囲内となる量が好ましい。
本発明に係る(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着剤組成物において、(A)成分と(B)成分の配合比は、特に制限されない。通常は、(A)成分の分子中に含有されるSiH基と、(B)成分の分子中に含有されるSi−CH=CH基のモル比を基準として配合する。具体的には、(A)成分の分子中に含有されるSiH基のモル数:(B)成分の分子中に含有されるSi−CH=CH基のモル数を0.8:0.2〜0.5:0.5の範囲にすることが好ましい。
本発明に係る(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着材組成物は、加熱することで、(A)成分と(B)成分のヒドロシリル化反応が進行して、硬化膜とすることができる。この硬化膜は、サポート基板と接着し、かつ第一仮接着材層とも接着する、第二仮接着材層としての役割を担う。この加熱条件は、本発明のウエハ加工用積層体の製造方法において後述するように、室温(特に加熱または冷却しない雰囲気温度をいい、通常約15〜30℃である。以下同じ。)〜300℃の温度範囲で行えばよく、加熱時間は6時間以内で行うことが好ましいが、これらの条件は使用する材料に応じて適宜変更してもよい。
[熱硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物:(D)〜(F)成分]
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の一態様として、(D)〜(F)成分を少なくとも含む接着剤組成物が挙げられる。
(D)成分に係る一般式[4]のRのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(D)成分に係る一般式[4]のRのアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(D)成分に係る一般式[4]のR10のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(D)成分に係る一般式[4]のR10のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(D)成分に係る一般式[4]のR11のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(D)成分に係る一般式[4]のR11のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(D)成分の質量平均分子量は、特に限定されるものではない。通常500〜500,000であり、1,000〜250,000が好ましい。ここで、(D)成分の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(略称:GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である。
(E)成分に係る一般式[5]のR12のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR12のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR13のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR13のアルケニル基は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。中でも、ビニル基、アリル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR13のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR14のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR14のアルケニル基は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。中でも、ビニル基、アリル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。
(E)成分に係る一般式[5]のR14のアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(E)成分の質量平均分子量は、特に限定されるものではない。通常500〜500,000であり、1,000〜250,000が好ましい。ここで、(E)成分の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(略称:GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である。
本発明に係る(D)成分および(E)成分は、付加硬化型のシリコーン樹脂である。(D)成分は、その分子中にヒドロシリル基(SiH基)を有し、(E)成分は、その分子中にSi−アルケニル基を有する。(D)成分および(E)成分の具体例としては、具体的には、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(例えば、Gelest社製、製品名:DMS−Vシリーズ)、ジフェニルシロキサン変性ポリジメチルシロキサン(例えば、Gelest社製、製品名:PDVシリーズ)、ビニル変性ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、製品名:VDT、VDS、VDV、VGM、VGP、VGF、VMSシリーズ)、Si−H末端ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、製品名:DMS−Hシリーズ)、Si−H変性ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、製品名:HMS、HESシリーズ)、フェニル変性ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、製品名:HDP、HPMシリーズ)等のほか、SYLGARD 184(商品名、ダウコーニング製)やKE−106(商品名、信越化学工業製)などを挙げることができる。これらの化合物は、単独または二種以上を混合して用いてもよい。
本発明に係る(F)成分は、(D)成分と(E)成分のヒドロシリル化反応の触媒(硬化触媒)として作用するものであれば、特に限定されない。具体的には、遷移金属である白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどを含む金属触媒が挙げられるが、特に収率、操作の簡便性などの理由から一般的に白金触媒が使用される。(F)成分の含有量は、特に限定されないが、(D)成分および(E)成分の総量に対して、質量単位で0.01〜1,000質量ppm範囲内となる量が好ましい。
本発明に係る(D)〜(F)成分を少なくとも含む接着剤組成物は、加熱することで、(D)成分と(E)成分のヒドロシリル化反応が進行して、硬化膜とすることができる。この硬化膜は、前述の(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着剤組成物の硬化膜と同様に、サポート基板と接着し、かつ第一仮接着材層とも接着する、第二仮接着材層としての役割を担う。この加熱は、前述の(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着剤組成物における加熱条件と同様にして行えばよく、適宜変更してもよい。
[光硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物:(G)および(H)成分]
本発明の光硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の一態様として、(G)成分および(H)成分を少なくとも含む接着剤組成物が挙げられる。
(G)成分に係る一般式[6]のR15の有機基は、具体的には、3−アクリロキシプロピル基などのアクリロキシアルキル基、メタクリロキシメチル基、メタクリロキシプロピル基などのメタクリロキシアルキル基、3−プロピルメタクリロイル基などのアルキルメタクリロイル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、メタクリロイル基、アクリロイル基などが挙げられる。
(G)成分に係る一般式[6]のR16の炭素数1〜3のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
(G)成分に係る一般式[6]のR16における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換の芳香族炭化水素基であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基などが挙げられる。中でも、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
(G)成分に係る一般式[6]のR17の炭素数1〜3のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
(G)成分に係る一般式[6]で表されるアルコキシシラン化合物[以下、「アルコキシシラン化合物[6]」と称することがある。]は、具体的には、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルアクリレート、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン化合物、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン化合物、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのモノアルコキシシラン化合物が例示できる。中でも、トリアルコキシシラン化合物が好ましく、具体的には、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートが特に好ましい。
本発明に係る(G)成分は、少なくとも1種以上のアルコキシシラン化合物[6]を加水分解縮合することで得られる。
(G)成分の質量平均分子量は、特に限定されるものではなく、通常100〜100,000であり、500〜50,000が好ましい。
本発明に係る(H)成分である光重合開始剤としては、(G)成分を光重合させるものであれば特に限定されない。具体的には、以下のものが使用可能である。
ベンゾフェノン、オルソベンゾイン安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、カンファーキノン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure127)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure369)、Irgacure379(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:Irgacure379EG)、オキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure754)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure907)、Irgacure1700(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、Irgacure1800(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、Irgacure1850(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、Irgacure1870(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure819)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロ−ル−1−イル)−フェニル)チタニウム(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:Irgacure784)、Irgacure4265(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)。
本発明に係る(G)成分および(H)成分を少なくとも含む接着剤組成物において、(H)成分の含有量は、(G)成分の質量に対して、0.01質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る(G)成分および(H)成分を少なくとも含む接着剤組成物は、光照射することで重合反応が進行して、硬化膜とすることができる。この硬化膜は、前述の(A)〜(C)成分を少なくとも含む接着剤組成物の硬化膜や(D)〜(F)成分を少なくとも含む接着剤組成物の硬化膜と同様に、サポート基板と接着し、かつ第一仮接着材層とも接着する、第二仮接着材層としての役割を担う。この光照射の条件は、重合反応が進行する条件であればよく、(H)成分の種類に合わせて適宜調整することができる。
(G)成分および(H)成分を含む接着剤組成物が、後述する酸発生剤およびガス発生金属化合物を含む場合において、酸発生剤として、光の吸収領域の長波側末端波長が400nm以下である光酸発生剤を用いる場合には、(H)成分としては、光の吸収領域の短波側末端波長が400nmを上回る光重合開始剤を用いることが好ましい。このとき、(G)成分の光重合反応に用いる光の波長としては、400nmを上回るものが好ましく、具体的には、中心波長が405nmの青色LED、420nmのLED、465nmのLED、595nmのLED等が挙げられる。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、酸発生剤と、金属水酸化物、金属炭酸塩および金属酸化物からなる群から選ばれる1種以上の金属化合物とを含んでいてもよい。この場合、接着剤組成物中に含まれる金属化合物の量は、硬化性シリコーン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜80質量部配合されていれば良く、酸発生剤の量は金属水酸化物、金属炭酸塩および金属酸化物に対して当量以上配合されていれば良い。ここで、前述の熱硬化性シリコーン樹脂および光硬化性シリコーン樹脂において、硬化性シリコーン樹脂とは、(A)〜(C)成分の総量、(D)〜(F)成分の総量または(G)〜(H)成分の総量を意味する。工程(c)で後述するように、酸発生剤に光が照射されるまたは加熱されることでプロトン酸が発生し、該プロトン酸がこの金属化合物と容易に反応して、ガスや水が生成する。このガスや水の発生が応力となって、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することが可能となる。
本明細書において、酸発生剤とは、光を照射したり、一定以上の温度に加熱するなどの刺激を与えることにより酸を発生する材料を意味する。
このような酸発生剤としては、例えば、スルホン酸エステル、オニウム塩(例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などの従来公知の酸発生剤を用いることができる。中でも、光を照射することにより酸を発生し、光の吸収領域の長波側末端波長が400nm未満である光酸発生剤が好ましい。このような光酸発生剤としては、例えば、トリアリールスルホニウム塩の光酸発生剤、非イオン性の光酸発生剤などが挙げられる。中でも、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム(みどり化学株式会社製、商品名:TPS−109)のようなイオン性の化合物や、NAI−101(商品名、みどり化学株式会社製)、NAI−100(商品名、みどり化学株式会社製)のような非イオン性の化合物、以下に示す構造を有する化合物が特に好ましい例として挙げられる。
Figure 2016086158
Figure 2016086158
Figure 2016086158
前述の光酸発生剤は、5%重量減少温度(Td5)が250℃以上を示すものが特に好適に使用することができる。ここで、Td5の測定条件は、通常の大気雰囲気下において、25℃から昇温速度10℃/分で測定した場合の条件である。熱重量分析を行う装置としては、例えば示差熱熱重量測定装置(リガク株式会社製、型式:Thermo Plus、TG8120)等が挙げられる。
また、前述の金属水酸化物、金属炭酸塩および金属酸化物としては、例えば、以下に示すものを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
金属水酸化物:
水酸化リチウム(LiOH、融点:462℃)、水酸化ナトリウム(NaOH、融点:318℃)、水酸化カリウム(KOH、融点:360℃)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)、融点:350℃)、水酸化カルシウム(Ca(OH)、融点:580℃)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)、融点:375℃)、水酸化バリウム(Ba(OH)、融点:408℃)、水酸化鉄(Fe(OH)、融点:350〜400℃)。
金属炭酸塩:
炭酸リチウム(LiCO、融点:723℃)、炭酸ナトリウム(NaCO、融点:851℃)、炭酸カリウム(KCO、融点:891℃)、炭酸ルビジウム(RbCO、融点:837℃)、炭酸セシウム(CsCO、融点:610℃)、炭酸カルシウム(CaCO、融点:825℃)、炭酸バリウム(BaCO、融点:811℃)、炭酸マグネシウム(MgCO、融点:350℃)、炭酸ストロンチウム(SrCO、融点:1,497℃)、炭酸コバルト(CoCO)。
金属酸化物:
酸化リチウム(LiO、融点:1,570℃)、酸化ナトリウム(NaO、融点:1,132℃)、酸化カリウム(KO、融点:350℃)、酸化ベリリウム(BeO、融点:2,570℃)、酸化マグネシウム(MgO、融点:2,800℃)、酸化カルシウム(CaO、融点:2,613℃)、二酸化チタン(TiO、融点:1,870℃)、三酸化二クロム(Cr、融点:2,435℃)、二酸化マンガン(MnO、融点:535℃)、三酸化二鉄(Fe、融点:1,566℃)、四酸化三鉄(Fe、融点:1,597℃)、酸化コバルト(CoO、融点:1,933℃)、酸化ニッケル(NiO、融点:1,984℃)、酸化銅(CuO、融点:1,201℃)、酸化銀(AgO、融点:280℃)、酸化亜鉛(ZnO、融点:1,975℃)、酸化アルミニウム(Al、融点:2,072℃)、酸化スズ(SnO、融点:1,080℃)、酸化イッテルビウム(Yb、融点:2,346℃)。
これらの金属化合物は、酸発生剤から発生したプロトン酸と容易に反応して、ガスや水が生成する。中でも、ガスや水が容易に生成しやすいことから、金属水酸化物、金属炭酸塩が好ましい。その中でも、分子量が比較的小さい金属化合物が特に好ましく、例えば、金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられ、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがさらに好ましい。
これらの金属化合物の平均粒子径は特に限定されないが、上限は10μm以下であることが好ましく、下限については特に限定されない。また、最大粒子径は特に限定されないが、上限は30μm以下が好ましく、下限については特に限定されない。平均粒子径が10μmを超える場合は、ウエハの回路形成面(デバイス構造)にダメージを与えることがある。また、最大粒子径が30μmを超える場合には、本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の平滑性と均一性を保てなくなることがある。より好ましい粒子径としては平均粒子径1μm以下、最大粒子径5μm以下である。このような粒子径の金属化合物を用いることにより、後述する工程(c)で波長光400nm未満の光を照射したときの剥離性がより優れたものとなる。なお、これらの金属化合物の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(略称:SEM)を用いて倍率10万倍の観察像から任意の20個の粒子を選択して長径を測定したときの平均値を意味する。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、紫外線吸収発泡剤をさらに含んでいてもよい。この場合、接着材組成物中に含まれる紫外線吸収発泡剤の量は硬化性シリコーン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜80質量部以上配合されていれば良い。ここで、前述の熱硬化性シリコーン樹脂および光硬化性シリコーン樹脂において、硬化性シリコーン樹脂とは、(A)〜(C)成分の総量、(D)〜(F)成分の総量または(G)〜(H)成分の総量を意味する。工程(c)で後述するように、紫外線吸収発泡剤は紫外線を吸収することで化学変化して、ガスを発生させる。このガスが応力となって、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することが可能となる。
本発明に用いることができる紫外線吸収発泡剤の種類は、上述のように紫外線を吸収してガスを発生させるものであれば特に限定されない。例えば、ジケトン骨格を有する有機化合物、ジアゾニウム塩などが挙げられる。
このようなジケトン骨格を有する有機化合物には、具体的には、以下に示す化学構造式(2)で示されるアントラセンジケトン、化学構造式(3)で示されるペンタセンジケトンが含まれる。
Figure 2016086158
Figure 2016086158
また、ジアゾニウム塩としては、4−ジアゾジフェニルアミンスルファート、p−モルホリノベンゼンジアゾニウムテトラフルオロほう酸塩が例示できる。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、加熱によりガスを発生させる熱発泡性化合物を含んでいてもよい。この熱発泡性化合物としては、加熱によって化学構造が変化してガスを発生させる化合物、加熱によって吸着成分が脱離してガスを発生させる化合物などが挙げられる。接着材組成物中に含まれる熱発泡性化合物の量は硬化性シリコーン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜80質量部配合されていれば良い。ここで、前述の熱硬化性シリコーン樹脂および光硬化性シリコーン樹脂において、硬化性シリコーン樹脂とは、(A)〜(C)成分の総量、(D)〜(F)成分の総量または(G)〜(H)成分の総量を意味する。工程(c)で後述するように、熱発泡性化合物は加熱によってガスを発生させる。このガスが応力となって、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することが可能となる。
本発明に用いることができる熱発泡性化合物の種類は、特に限定されない。例えば、約245℃で窒素およびアンモニアなどを発生させるヒドラゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名:セルマイク142)、200℃近傍で窒素および二酸化炭素などを発生させるアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名:セルマイクCE)、200℃近傍で窒素などを発生させるN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(永和化成工業株式会社製、商品名:セルラーD)、160℃近傍で窒素などを発生させる4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業株式会社製、商品名:ネオセルボン)、325℃近傍で窒素を発生させるビステトラゾール・ジアンモニウム(永和化成工業株式会社製、商品名:セルテトラBHT−2NH3)350℃近傍で窒素を発生させるビステトラゾール・ピペラジン(永和化成工業株式会社製、商品名:セルテトラBHT−PIPE)などの有機化合物や、140℃以上で二酸化炭素を発生させる炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物が挙げられる。
また、熱発泡性化合物として、アルコキシシランの加水分解縮合物を使用することもできる。この加水分解縮合物には、その組成中に未反応のシラノール基(Si−OH)が多数存在していることから、加熱による脱水縮合反応によって、水が発生する。水の沸点(100℃)以上に加熱すると、水が蒸発して水蒸気となり、熱発泡性化合物として作用する。
また、熱発泡性化合物として、ヘミアセタール結合、3級カーボネート結合、3級カルボキシレート結合、アセタール結合またはスルホン酸エステル基を分子中に有する有機化合物を使用することもできる。これらの結合や官能基を分子中に有する有機化合物は、所定の温度で熱分解してガスを発生させることから、熱発泡性化合物として作用する。このような有機化合物としては、具体的には、以下に示す反応式(1)〜(5)に従って、熱分解する有機化合物が挙げられる。反応式中、R18、R19は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。
Figure 2016086158
加熱によって吸着成分が脱離してガスを発生させる化合物としては、例えば、約300℃で吸着水を分離して水蒸気を発生するホウ酸亜鉛(早川商事株式会社製、商品名:FireBreakZB)が挙げられる。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、熱膨張係数の調整などを目的として、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。これらのフィラーの添加量としては、本発明に係る接着剤組成物としての機能を損なわず、かつ、有効量であれば特に限定されない。通常、0.1〜80質量部であれば良い。また、これらのフィラーの粒子径は特に限定されないが、平均粒子径が10μm以下が好ましく、下限については特に限定されない。また、最大粒子径は30μm以下が好ましく、下限については特に限定されない。平均粒子径が10μmを超える場合は、サポート基板の種類によってはサポート基板にダメージを与えることがある。また、最大粒子径が30μmを超える場合には、本発明に係る接着剤組成物の平滑性と均一性を保てなくなることがある。より好ましい粒子径としては平均粒子径1μm以下、最大粒子径5μm以下である。なお、これらのフィラーの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(略称:SEM)を用いて倍率10万倍の観察像から任意の20個の粒子を選択して長径を測定したときの平均値を意味する。これらのフィラーの粒子形状としては、接着剤組成物に良好に混合することから球状が好ましい。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、接着力の向上や調整を目的として、極性基を有する化合物を添加物として含んでいても良い。極性基としては、特に限定されないが、ヒドロキシル基、カルボン酸基、シラノール基、リン酸基などが挙げられる。このような化合物としては、1つ以上の極性基を有し、かつ、1つ以上の光重合性基を有する化合物が好ましく、具体的には、メタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)(略称:HEMA、和光純薬製)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、略称:PETA)、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名:ビスコート3PA)、またはビス(2−メタクリロイルオキシエチル)リン酸エステル(日本化薬株式会社製、商品名:KAYAMER PM−2)などが挙げられる。中でも、HEMAが特に好適に用いられる。
また、本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、光重合性基による架橋密度の向上を目的として、2つ以上の光重合性基を有する化合物を添加物として含んでいても良い。このような化合物を添加することで、より強靭な硬化膜が得られる。このような化合物としては、具体的には、ジアクリル酸エチレングリコール、エチレングリコールジメタクリラート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(略称:TMPTA)などが挙げられるが、これらに限定されない。中でも、トリメチロールプロパントリアクリレートが特に好適に用いられる。
これらの添加物を用いる場合、本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物における添加物の含有量としては、硬化性シリコーン樹脂に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましい。1質量%以上であれば接着力、架橋密度を向上させることができ、30質量%を超えて加える必要はない。特に好ましくは10質量%以上20質量%以下である。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、その組成において、硬化性シリコーン樹脂のみを構成成分として含んでいてもよいし、上述のその他の成分も構成成分として含んでいてもよい。本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物において、各成分の好ましい組み合わせとしては、以下の組み合わせ(I−1)〜(III−3)が挙げられる:
(I−1)(A)成分、(B)成分、(C)成分、酸発生剤およびガス発生金属化合物、
(I−2)(D)成分、(E)成分、(F)成分、酸発生剤およびガス発生金属化合物、
(I−3)(G)成分、(H)成分、酸発生剤およびガス発生金属化合物、
(II−1)(A)成分、(B)成分、(C)成分および紫外線吸収発泡剤、
(II−2)(D)成分、(E)成分、(F)成分、光重合開始剤および紫外線吸収発泡剤、
(II−3)(G)成分、(H)成分および紫外線吸収発泡剤、
(III−1)(A)成分、(B)成分、(C)成分および熱発泡性化合物、
(III−2)(D)成分、(E)成分、(F)成分および熱発泡性化合物、
(III−3)(G)成分、(H)成分および熱発泡性化合物。
これらの組み合わせにおいて、別途上述のフィラーや添加物を含んでいてもよい。また、これらの組み合わせは、その他の組み合わせを制限するものではない。
本発明に係る第二仮接着材層の膜厚は、特に限定されない。通常は、0.1〜1,000μmであり、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜200μmである。
[ウエハ加工用積層体の製造方法]
本発明のウエハ加工用積層体の製造方法は、特に限定されない。例えば、表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハを、第一仮接着材層と第二仮接着材層とを備える仮接着材層を介して、該表面と該第一仮接着材層が接し、該第二仮接着材層がサポート基板と接するように、該サポート基板と接合することで、本発明のウエハ加工用積層体を得ることができる。このとき、ウエハの表面に第一仮接着材層を予め形成しておくことが好ましい。ウエハの表面に第一仮接着材層を形成した後は、所定の方法により、該第一仮接着材層上に第二仮接着材層を形成させ、該第二仮接着材層上にサポート基板を形成させてウエハ加工用積層体を得ることができる。
ウエハの表面への第一仮接着材層の形成方法は、特に限定されない。例えば、ポリイミド樹脂[1]を含む溶液をウエハの表面に塗布し、次いで、塗布層における該溶液中の溶剤を揮発させる方法が一例として挙げられる。
この塗布方法は、特に限定されない。ウエハの表面に平坦な薄膜を形成できる方法を採用することが好ましく、具体的には、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ロールコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、スリットコート法などの公知の方法を挙げることができる。中でも、半導体製造プロセスにおいて一般的に使用されており、塗布面に良好な平坦性が得られることから、スピンコート法を採用することが好ましい。塗布後、塗布層におけるポリイミド樹脂を含む溶液中の溶剤を、加熱処理により揮発させる。この加熱処理における加熱温度は、溶剤の揮発条件に応じて、適宜調整することが好ましい。この一連の操作により、ウエハの表面に第一仮接着材層を形成することができる。
ウエハの表面への第一仮接着材層の形成方法のその他の例として、後述するポリイミド[1]の樹脂膜の製造方法におけるポリイミド[1]の前駆体を含む溶液をウエハの表面に塗布し、ウエハ表面上で熱イミド化させる方法が挙げられる。この塗布方法は特に限定されず、前述のポリイミド樹脂[1]を含む溶液をウエハの表面に塗布する方法と同様にして塗布することができる。塗布後、150〜400℃、好ましくは300〜400℃の温度範囲で、通常30分間以上、好ましくは1〜24時間加熱を行うことで、ウエハの表面に第一仮接着材層を形成することができる。
ウエハの表面に形成された第一仮接着材層上に第二仮接着材層を形成し、該第二仮接着材層上にサポート基板を形成する方法としては、該第二仮接着材層を構成する原料となる接着剤組成物の溶液を塗布する方法と、該接着材組成物をフィルム状の硬化膜として貼り付ける方法がある。
上述の塗布方法では、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物を、ウエハの表面に形成された第一仮接着材層上、または、サポート基板上にスピンコートなどの方法により塗布する。次いで、非塗布体(塗布していないサポート基板またはウエハの表面に形成された第一仮接着材層)を塗布層に積層させて、ウエハとサポート基板を貼り合わせる。その後、ウエハ、第一仮接着材層、塗布層およびサポート基板がこの順序に積層して貼り合わさった状態で、加熱を施す。この加熱処理は室温〜300℃の温度範囲で行えばよく、加熱時間は6時間以内で行うことが好ましいが、これらの条件は使用する材料に応じて適宜変更してもよい。この加熱処理により、塗布層の接着剤組成物に含まれる硬化性シリコーン樹脂の硬化が進行し、第二仮接着材層として第一仮接着材層と接着し、且つサポート基板とも接着する。これにより、本発明に係るウエハ加工用積層体を得ることができる。
また、この方法においては、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の塗布後に、塗布層が形成された被塗布体に加熱を施して硬化性シリコーン樹脂を硬化させ、塗布層を第二仮接着材層として被塗布体と接着させてから、非塗布体と貼り合わせることもできる。この加熱は室温〜300℃の温度範囲で行えばよく、加熱時間は1分間以上、6時間以内で行うことが好ましいが、これらの条件は使用する材料に応じて適宜変更してよい。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が流動性を有する場合には、溶剤に溶解させることなく、ウエハの表面に形成した第一仮接着材層上に、または、サポート基板上に塗布することができる。溶剤を用いないことでプリベークなどの加熱処理を省略することができる。当該接着剤組成物が流動性を有さずに溶剤を用いる必要がある場合には、当該接着剤組成物を溶剤に溶解させた塗布溶液とし、第一仮接着材層またはサポート基板に塗布し、その後プリベークを行って第二仮接着材層を形成することができる。このときのプリベークは、その溶剤の揮発条件に応じて、室温〜250℃の温度で行い、溶剤を揮発させる。プリベーク後に、例えば養生として一定時間、静置した後に使用に供されてもよい。
用いる溶剤の種類は特に限定されないが、例えば、メチルイソブチルケトン(略称:MIBK)、メチルエチルケトン(略称:MIK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトンなどのケトン類;イソプロピルアルコール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(略称:PGME)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテートなどのエステル類が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
上述の接着剤組成物の塗布溶液を被塗布体、すなわち、ウエハの表面に形成された第一仮接着材層またはサポート基板に塗布する方法は、特に制限されず、該被塗布体上に平坦な膜が形成できる方法が好ましい。具体的には、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ナイフコーティング法またはスリットコート法が挙げられる。
一方、接着剤組成物を無溶剤で用いる場合の塗布方法としては、上記の塗布方法以外にディスペンサー、スクリーン印刷などを用いることもできる。
次に、上述のフィルム状として貼り付ける方法について説明する。
本発明に係る硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物は、フィルム状に形成してから、ウエハの表面に形成された第一仮接着材層に貼り付けることで、第一仮接着材層上に第二仮接着材層を形成することができる。その後、この第二仮接着材層とサポート基板を貼り合せることでウエハ加工用積層体を得ることができる。また、このフィルムは、サポート基板に貼り付けることで、該サポート基板上に第二仮接着材層を形成してから、ウエハの表面に形成された第一仮接着材層と貼り合わせてウエハ加工用積層体を得ることもできる。このようなフィルムの貼り付けは、ラミネート法などの方法により行うことができ、貼り合わせ装置を用いてもよい。この貼り合わせ装置としては、市販のウエハ接合装置を使用することができる。例えば、EVG社のEVG520IS、850TB、SUSS社のXBC300などが挙げられる。
このようにして得られたウエハ加工用積層体は、加熱処理により仮接着材層のさらなる硬化を行ってもよい。この加熱処理は、仮接着材層を形成するポリイミド樹脂の種類や、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の組成成分にもよるが、通常室温〜300℃、好ましくは室温〜250℃で行い、加熱時間は、通常24時間以内、好ましくは1時間以内である。段階的に昇温しながら連続加熱してもよい。
[ポリイミド樹脂[1]の樹脂膜の製造方法]
本発明に係るポリイミド樹脂[1]の製造方法は、特に限定されない。例えば、下記一般式[7]:
Figure 2016086158
[式中のAおよびRは、一般式[1]におけるAおよびRと同義である。]
で表されるジアミン化合物と下記一般式[8]:
Figure 2016086158
[式中のRは、一般式[1]におけるRと同義である。]
で表されるテトラカルボン酸二無水物とから、ポリイミド樹脂[1]を製造し、それを成膜する方法や、が挙げられる。
この一般式[7]で表されるジアミン化合物(以下、「ジアミン化合物[7]」と称することがある。)としては、以下の化合物を例示することができる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる:
3,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、2,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(略称:2,2’−TFMB)、ビス(フッ素化アルキル)−4,4’−ジアミノビフェニル、ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(フッ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル、ジフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビナフチルアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノジュレン、1,4−キシリレンジアミン、ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジアルキル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(略称:mTB)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチルージアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチルージアミノジフェニルメタン、9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(略称:BIS−A−AF)、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシ−2−プロピル)−5,5’−ジメチルベンジジン(略称:HFIP−mTB)など。
また、一般式[8]で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「テトラカルボン酸二無水物[8]」と称することがある。)としては、以下の化合物を例示することができる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる:
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物)、トリフルオロメチルベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ビストリフルオロメチルベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ジフルオロベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水化物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ケトン酸二無水物(略称:BTDA)、オキシジフタル酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(略称:6FDA)、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水化物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水化物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水化物など。
上述のポリイミド樹脂[1]を得るための、ジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]との反応条件は、特に限定されない。例えば、ジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]を有機溶媒中で反応させてポリイミド[1]の前駆体を含む溶液を得て、このポリイミド[1]の前駆体を化学イミド化また熱イミド化する方法などが挙げられる。ここで、ポリイミド[1]の前駆体としては、ジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]の反応物であって、化学イミド化または熱イミド化によりポリイミド[1]を生成するものであれば特に限定されず、ポリイミド酸化合物などが挙げられる。これらの方法により得られたポリイミドの前駆体またはポリイミド[1]を含む溶液は、直接ウエハの表面に塗布し、加熱によりウエハ上に第一仮接着材層を形成することができる。または、別途精製したポリイミド[1]を前記有機溶媒に溶解させて、ウエハの表面に塗布し、加熱により溶媒を揮発させることで、ウエハ上に第一仮接着材層を形成することができる。
これらの方法において、テトラカルボン酸二無水物[8]の使用量は、ジアミン化合物[7]1モルに対して、0.90〜1.10モルの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.95〜1.05モルの範囲であり、さらに好ましくは、0.98〜1.02モルの範囲である。
また、これらの方法において、使用できる有機溶媒の種類としては、原料として用いるジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]が溶解するものであれば特に制限されない。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、アニソール、ジフェニルエーテル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族性溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチルラクトン等のラクトン系溶媒を例示することができ、これらを1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような有機溶媒の使用量としては、溶液中におけるジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]の濃度が10〜50質量%、好ましくは10〜30質量%に調整することが好ましい。
ジアミン化合物[7]とテトラカルボン酸二無水物[8]との反応温度は、特に限定されないが、通常0〜100℃以下、好ましくは室温〜80℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常1〜48時間、好ましくは24時間以内である。このような条件で反応を行うことで、ポリイミド[1]の前駆体を得ることができる。
上述のポリイミド[1]の前駆体を化学イミド化する方法において、脱水試薬や塩基を用いる。この脱水試薬の種類は、特に限定されないが、例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物等を好適に用いることが出来る。中でも、特に好ましい化合物として、無水酢酸、無水プロピオン酸などが挙げられる。このような脱水試薬の使用量としては、ジアミン化合物[7]1モルに対して、1.0〜5.0モル当量が好ましく、1.2〜4.0モル当量がより好ましく、1.5〜3.0モル当量がさらに好ましい。1.0モル当量より少ないと脱水試薬の作用によるイミド化が完全に進まず、得られるポリイミド[1]の樹脂膜の強度が低下する場合がある。一方、5.0モル当量より多いと、短時間でイミド化が進行してゲル化してしまうため、塗膜を形成しにくくなる場合がある。
上述の化学イミド化で用いる塩基の種類としては、ピリジンなどの含窒素複素環式化合物、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、などが挙げられる。このような塩基の使用量としては、ジアミン化合物[7]1モルに対して、0.1〜4.0モル当量が好ましく、0.3〜3.0モル当量がより好ましく、0.5〜2.0モル当量がさらに好ましい。0.1モル当量より少ないと触媒としての作用が不十分となり、イミド化が完全に進まず、得られるポリイミド[1]の樹脂膜の強度が低下する場合がある。一方、4.0モル当量より多い場合には、使用量を増やすことによる利点はほとんどないうえに、第一仮接着材層を形成するための一連の加熱処理において、溶剤を揮発させることが困難となる。そのため、溶剤の残存量が多くなり、得られるポリイミド[1]の樹脂膜の強度が低下する場合がある。
上述の化学イミド化において、反応温度は0〜150℃の範囲であればよく、好ましくは5〜100℃である。この温度範囲で反応を行うことで、成膜に耐える強度を有するポリイミド樹脂[1]を得ることができる。反応時間は通常30分間以上であればよく、好ましくは1〜24時間である。
上述のポリイミド[1]の前駆体を熱イミド化する方法においては、ポリイミド[1]の前駆体を含む溶液を加熱する。この加熱温度は150〜400℃の範囲であればよく、好ましくは300〜400℃である。加熱時間は、通常30分間以上であればよく、好ましくは1〜24時間である。これにより、ポリイミド[1]を得ることができる。
また、前述のウエハの表面への第一仮接着材層の形成は、ポリイミド樹脂[1]の前駆体を含む溶液をウエハの表面に塗布することでも行うことができる。この場合、塗布後、加熱により熱イミド化を進行させるとともに、塗布層における該溶液中の有機溶媒を揮発させることで、第一仮接着材層を形成することができる。この時の加熱温度や加熱時間は前述の熱イミド化と同様である。用いる有機溶媒の揮発条件により、適宜調整してもよい。
2.ウエハ加工用仮接着材
本発明のウエハ加工用仮接着材は、表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハをサポート基板に仮接着するためのウエハ加工用仮接着材であって、該ウエハの表面と接する、ポリイミド樹脂[1]の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および、該第一仮接着材層と、該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着剤層を有する。
この第一仮接着材層および第二仮接着材層の具体的な説明については、上述したウエハ加工用積層体の第一仮接着材層および第二仮接着材層に関する説明と同様であるので、省略する。
3.薄型ウエハの製造方法
本発明の薄型ウエハの製造方法は、上述のウエハ加工用積層体を用いることを特徴とする。本発明の製造方法により得られる薄型ウエハの厚さは、典型的には5〜300μm、より典型的には10〜100μmである。
本発明の薄型ウエハの製造方法は、以下の工程(a)〜(d)を少なくとも有する。
(a)上述のウエハ加工用積層体に対し、前記ウエハの裏面を研削または研磨する工程、
(b)裏面を研削または研磨したウエハに加工を施す工程、
(c)加工を施したウエハをサポート基板から剥離する工程、
(d)剥離したウエハに残存する仮接着材層を除去する工程。
また、本発明の薄型ウエハの製造方法は、前記工程後(c)後に、以下の工程(e)および工程(f)を有していてもよい。
(e)剥離したサポート基板に残存する仮接着材層を除去する工程、
(f)仮接着材層を除去したサポート基板を再利用する工程。
以下、各工程について詳細に説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、上述のウエハ加工用積層体のウエハの裏面を研削または研磨する工程である。ウエハの裏面を研削または研磨することで、該ウエハの厚みを薄くしていく。ウエハの裏面の研削加工、研磨加工の方式は特に制限はなく、公知の研削方式、研磨方式が採用される。例えば、研削は、ウエハと砥石(ダイヤモンドなど)に水をかけて冷却しながら行う方法が好ましい例として挙げられる。ウエハ裏面を研削加工する装置としては、例えば、ディスコ社製DAG−810(商品名)などが挙げられる。
また、ウエハ加工用積層体のウエハの裏面が、既に研削または研磨されたウエハを用いる場合には、工程(a)を省略して、直接工程(b)に供することもできる。
[工程(b)]
工程(b)は、工程(a)で裏面を研削または研磨したウエハ、すなわち、裏面研削または裏面研磨によって薄型化したウエハに加工を施す工程である。この工程には、研削または研磨以外のウエハレベルで行われる様々な加工プロセスが含まれる。例としては、電極形成、金属配線形成、保護膜形成などが挙げられる。より具体的には、電極などの形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクとするためのレジストの塗布、露光、及び現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成などの従来公知のプロセスが挙げられる。
[工程(c)]
工程(c)は、工程(b)で加工を施したウエハをサポート基板から剥離する工程、すなわち、薄型化して様々な加工を施したウエハをサポート基板から剥離する工程である。
剥離方法は、特に限定されないが、第二仮接着材層の形成に用いられる接着剤組成物に含まれる成分や、加工後のウエハの耐性に合わせて、適宜選択・調整することが好ましい。例えば、加熱により第二仮接着材層を軟化させる方法、加熱により第二仮接着材層からガスを発生させる方法、光照射により第二仮接着材層からガスを発生させる方法、などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて採用してもよい。
まず、加熱により第二仮接着材層を軟化させる方法について説明する。本発明に係る第二仮接着材層の形成に用いられる接着剤組成物に、所定の温度に加熱されると樹脂が軟化し、その後温度が下がると固まるという特性を有する熱可塑性樹脂を含む場合、工程(b)後のウエハ加工用積層体に所定時間、所定温度で加熱を施すことが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂を含む第二仮接着材層を軟化させて、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することができる。この加熱処理における加熱温度は、通常室温以上であればよく、特に50〜250℃の範囲で行うことが好ましい。また、加熱時間は、30分間以内であればよく、特に10分間以内で行うことが好ましい。この加熱処理の後に実際にウエハとサポート基板を分離する方法は、特に制限はなく、容易に分離することができる。例えば、水平方法に沿って反対方向にスライドさせることにより両者を分離する方法、ウエハまたはサポート基板の一方を水平に固定しておき、他方を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法などが挙げられる。
次に、加熱により第二仮接着材層からガスを発生させる方法について説明する。本発明に係る第二仮接着材層の形成に用いられる接着剤組成物が、上述の熱発泡性化合物を含む場合もしくは、上述の酸発生剤と金属化合物とを含む場合または、これらの全てを含む場合、工程(b)後のウエハ加工用積層体に所定時間、所定温度で加熱を施すことが好ましい。これにより、前述の熱発泡性化合物および/または塩基性化合物で説明したように、ガスおよび/または水が生成する。このガスおよび/または水の生成による内部応力によって、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することができる。この加熱処理における加熱温度は、通常室温以上であればよく、特に50〜250℃の範囲で行うことが好ましい。また、加熱時間は、通常30分間以内であればよく、特に10分間以内で行うことが好ましい。この加熱処理の後に実際にウエハとサポート基板を分離する方法としては、特に制限はなく、上述の加熱により第二仮接着材層を軟化させる方法で説明した方法と同様にして、容易に分離することができる。
次に、光照射により第二仮接着材層からガスを発生させる方法について説明する。本発明に係る第二仮接着材層の形成に用いられる硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、上述の紫外線吸収発泡性剤を含む場合および/または、上述の酸発生剤と金属化合物とを含む場合、工程(b)後のウエハ加工用積層体に所定時間、所定温度で光照射を施すことが好ましい。これにより、前述の紫外線吸収発泡剤および/または金属化合物で説明したように、ガスおよび/または水が生成する。このガスおよび/または水の生成による内部応力によって、第二仮接着材層を起点に、ウエハとサポート基板を容易に剥離することができる。
この光照射処理における波長光は、前述の紫外線吸収発泡剤および/または酸発生剤の種類にあわせて適宜選択することができる。中でも、長波側末端波長が400nm未満の光を照射することが好ましい。光の照射時間は、ウエハとサポート基板とを剥離できれば特に限定されない。通常、10分間以内の照射時間で剥離するが、この照射時間は適宜調整してもよい。薄型ウエハの製造効率の観点から、照射時間は短い方が好ましい。長波側末端波長が400nm未満の光を照射できる光源としては、例えば、公知の紫外線ランプである低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオードなどが挙げられる。また、用いる光酸発生剤に適した光量や波長によって、高圧放電ランプに属する高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ショートアーク放電ランプに属するキセノンランプも使用できる。長波側末端波長が400nm未満の光の積算光量としては、特に制限されるものではないが、300J/cm以下、好ましくは30J/cm以下である。積算光量に関しては、例えば市販の照度計(ウシオ電機株式会社製、本体型番UIT−201、受光部型番UVD−365PD等)を用いて測定する事ができる。
また、光照射処理を行う際の温度は、通常、室温〜250℃の範囲であればよい。光照射により、第二仮接着材層から水が生成する場合には、水の沸点が100℃であることを考慮すると、100℃以上の温度条件においては、剥離がより容易になる。あるいは、光照射処理を行った後に、加熱を行っても良い。例えば、室温において、光照射を行った後、約150℃に加熱することで、ウエハとサポート基板を容易に剥離させることができる。この光照射処理の後に実際にウエハとサポート基板を分離する方法としては、特に制限はなく、上述の加熱により第二仮接着材層を軟化させる方法で説明した方法と同様にして、容易に分離することができる。
[工程(d)]
工程(d)は、工程(c)で剥離したウエハに残存する仮接着材層(仮接着材層の残渣)を除去する工程である。仮接着材層の残渣を除去する方法は、特に限定されない。例えば、仮接着材層が付着したウエハを水と接触させる方法が挙げられる。工程(c)を経た段階では、ウエハと仮接着材層における第一仮接着材層とが密着しているために、ウエハから仮接着材層を容易に剥離することはできないが、この方法を採用することで、ウエハと、仮接着材層における第一仮接着材層との界面に水が侵入し、ウエハから仮接着材層が自発的に剥離するか、もしくは手動でも容易に剥離できるようになる。水と接触させる方法は、特に限定されない。例えば、水中への浸漬、スプレー噴霧、蒸気曝露などが挙げられる。接触させる際の水の温度は特に限定されないが、通常、室温〜100℃であり、中でも、水の温度は高温である方が、剥離が容易となるため好ましい。接触時間は特に限定されないが、通常、60分間以内であり、30分間以内が好ましく、15分間以内がより好ましい。これにより、第一仮接着材層上に残存する第二仮接着材層を含めた仮接着剤層の残渣をウエハから除去することができる。
ウエハから仮接着材層の残渣を除去する方法のその他の例として、仮接着材層、特に第一仮接着材層に粘着性の高いテープを貼り付けてウエハから仮接着材層を引き剥がす方法が挙げられる。その際にテープリムーバーなどの装置を使用しても良い。
[工程(e)]
工程(c)で剥離したサポート基板には仮接着材層の残渣が残存する。工程(e)は、剥離したサポート基板に残存する仮接着材層を除去する工程である。残存する仮接着材層を除去する方法は、特に限定されず、例えば、サポート基板を洗浄することにより行うことができる。サポート基板を洗浄する方法は、サポート基板から仮接着材層の残渣を除去できれば特に限定されず、例えば、仮接着材層中に含まれる成分を溶解するような洗浄液を用いて従来公知の方法により洗浄する方法が挙げられる。中でも、後述する工程(f)でサポート基板の再利用可能な洗浄方法を採用することが好ましい。このような方法としては、例えば、後述する塩基洗浄法、酸洗浄法などを採用することができる。
<塩基洗浄法>
塩基洗浄法は、サポート基板を、アルキル基の炭素数が1〜4のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、炭素数1〜5のアルコールおよびN−メチルピロリドンからなる混合洗浄液で洗浄する方法である。この混合洗浄液の組成比は、特に限定されないが、前記テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドと前記アルコールと前記N−メチルピロリドンの組成比が1〜20:20〜98:1〜79であるものが好ましい。洗浄方式としては、例えば、この混合洗浄液を収容した浸漬槽にサポート基板を浸漬する浸漬洗浄方式、混合洗浄液をシャワー、スプレー、および/またはジェットなどでかけ流すシャワリング方式、スポンジやブラシなどを使用するスクラブ洗浄方式、浸漬洗浄方式に超音波を印可して洗浄効率を上げる超音波洗浄方式、バブリング洗浄方式などが挙げられる。サポート基板と接触させる際の混合洗浄液の温度は、20〜120℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
<酸洗浄法>
酸洗浄法は、サポート基板を、硫酸と過酸化水素を含む洗浄液で洗浄(略称:SPM洗浄)、または塩酸と過酸化水素と超純水の洗浄液で洗浄(略称:HPM洗浄)し、その後、硝酸水溶液を用いて洗浄(硝酸洗浄)し、次いで水洗した後、乾燥する方法である。
前記SPM洗浄では、硫酸と過酸化水素を含む洗浄液をサポート基板と接触させることでサポート基板の洗浄を行う。洗浄条件は、特に限定されないが、洗浄液の組成は、通常、硫酸と過酸化水素の容量比が4:1〜8:1、洗浄液の温度は、通常、80〜150℃である。洗浄方式は、特に限定されず、従来公知の方式を採用することができる。
前記HPM洗浄では、塩酸と過酸化水素と超純水を含む洗浄液をサポート基板と接触させることでサポート基板の洗浄を行う。洗浄条件は、特に限定されないが、洗浄液の組成は、通常、塩酸と過酸化水素と超純水の容量比が1:1:5〜1:4:10、洗浄液の温度は50〜100℃である。洗浄方式は、特に限定されず、従来公知の方式を採用することができる。
前記硝酸洗浄では、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは10〜40質量%の濃度の硝酸水溶液を、前記SPM洗浄または前記HPM洗浄を施した後のサポート基板と接触させることでサポート基板の洗浄を行う。洗浄条件は特に限定されないが、この硝酸水溶液の温度が20〜100℃であることが好ましく、40〜90℃であることが特に好ましい。洗浄方式は、特に限定されず、従来公知の方式を採用することができる。この硝酸洗浄により、通常のSPM洗浄やHPM洗浄で除去しきれない成分が、硝酸の酸化力により、サポート基板から剥離される。同時に、HPM洗浄の後工程で硝酸洗浄する場合には、塩酸を用いた場合のサポート基板表面に残存する微量の塩素イオンを除去することができる。
[工程(f)]
工程(f)は、工程(e)で仮接着材層の残渣を除去したサポート基板を再利用する工程である。工程(e)により仮接着材層の残渣を除去したサポート基板は、本発明のウエハ加工用積層体に係るサポート基板として再利用し、本発明の薄型ウエハの製造方法に供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[調製例1−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、6FDA(48.9g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(181.3g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(181.3g)にHFIP−mTB(59.9g,110mmol)を溶解させた溶液(HFIP−mTB溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液における6FDAとHFIP−mTBを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌し、次いで、ピリジン(17.4g、220mmol)と無水酢酸(22.5g、220mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミドワニス(1)を得た。
次いで、ポリイミドワニス(1)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:525μm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて130℃で30分間、200℃で30分間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いて、このポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、25μmであった。
なお、6FDAは下記構造で示される。
Figure 2016086158
また、HFIP−mTBは下記構造で示される。
Figure 2016086158
[調製例1−2]
<接着剤組成物の調製(第二仮接着材層)>
第二仮接着材層を形成するための接着剤組成物を調製した。具体的には、硬化性シリコーン樹脂としてのポリジメチルシロキサン(略称:PDMS、信越化学工業株式会社製、商品名:KE−106)10.00gに、硬化触媒(信越化学工業株式会社製、商品名:Cat.−RG)を1.00g、光酸発生剤(サンアプロ社製、商品名:CP110−TF)を6.00g、金属水酸化物として水酸化カルシウムを4.00g加えて混合し、3本ロールミルで混練することでペースト状の接着剤組成物を調製した。
[実施例1]
<積層体の作製>
調製例1−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例1−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、その塗布面にサポート基板として無アルカリガラス基板(直径:100mm、厚さ:1.1mm)を重ね、ホットプレートを用いて室温(25℃)から280℃まで昇温加熱し、そのまま280℃で10分間加熱して、シリコンウエハと無アルカリガラス基板を貼り合わせ、積層体1を作製した。この積層体1における仮接着材層の厚みを測定したところ、75μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体1の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体1を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体1において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、仮接着材層の付着したシリコンウエハを水中(水温:23℃)に10分間浸漬することで、シリコンウエハから仮接着材層を除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[調製例2−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、6FDA(48.9g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(120.5g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(120.5g)にmTB(23.4g、110mmol)を溶解させた溶液(mTB溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液における6FDAとmTBを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌し、次いで、ピリジン(17.4g、220mmol)と無水酢酸(22.5g、220mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミドワニス(2)を得た。
次いで、ポリイミドワニス(2)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:1.1mm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて130℃で30分間、200℃で30分間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。また、触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いてこのポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、30μmであった。
なお、mTBは下記構造で示される。
Figure 2016086158
[実施例2]
<積層体の作製>
調製例2−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例1−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、実施例1と同様の手順で、積層体2を作製した。この積層体2における仮接着材層の厚みを測定したところ、80μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体2の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体2を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体2において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、仮接着材層の付着したシリコンウエハを熱水中(水温:90℃)に2分間浸漬することで、シリコンウエハから仮接着材層を除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[調製例3−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、6FDA(48.9g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(140.2g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(140.2g)に2,2’−TFMB(35.2g、110mmol)を溶解させた溶液(2,2’−TFMB溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液における6FDAと2,2’−TFMBを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌し、次いで、ピリジン(17.4g、220mmol)と無水酢酸(22.5g、220mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミドワニス(3)を得た。
次いで、ポリイミドワニス(3)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:1.1mm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて130℃で30分間、200℃で30分間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。また、触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いてこのポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、23μmであった。
なお、2,2’−TFMBは下記構造で示される。
Figure 2016086158
[実施例3]
<積層体の作製>
調製例3−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例1−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、実施例1と同様の手順で、積層体3を作製した。この積層体3における仮接着材層の厚みを測定したところ、73μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体3の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体2を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体3において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、仮接着材層の付着したシリコンウエハを熱水中(水温:90℃)に2分間浸漬することで、シリコンウエハから仮接着材層を除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[調製例4−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、BTDA(35.4g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(117.7g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(117.7g)に2,2’−TFMB(35.2g、110mmol)を溶解させた溶液(2,2’−TFMB溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液におけるBTDAと2,2’−TFMBを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミドワニス(4)を得た。
次いで、ポリイミドワニス(4)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:1.1mm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて150℃で4時間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。また、触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いてこのポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、32μmであった。
なお、BTDAは下記構造で示される。
Figure 2016086158
[調製例4−2]
<メタクリロイル基を有するアルコキシシランの加水分解縮合物の合成>
ジムロートと撹拌翼を具備した2Lフラスコ内にフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名 KBM−103)を79.0g、ジメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名 KBE−22)を48.0g、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)を49.7g、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)(東京化成工業株式会社製)を0.25g、トルエンを214g、イソプロピルアルコールを100.7g、水を51.7g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0] −7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)を4.0g採取した後、撹拌しながら40℃で4時間反応させた。室温(25℃)まで降温した後、トルエン400ml、水400mlを加えて、分液ロートにて有機層を分取した。その後、分取した有機層の水洗を2回行い、ロータリーエバポレーターにて有機溶媒を留去した。そして、粘性液体としてのメタクリロイル基を有するアルコキシシランの加水分解縮合物112.0gを得た。
<接着剤組成物の調製(第二仮接着材層)>
次いで、第二仮接着材層を形成するための接着剤組成物を調製した。前記メタクリロイル基を有するアルコキシシランの加水分解縮合物から分取した10.0gに、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名 Irgacure819)を0.04g、光酸発生剤としCP110−TF(サンアプロ社)を6.0g、金属炭酸塩として炭酸リチウムを4.0g、添加剤としてメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(東京化成工業株式会社製、略称 HEMA)を2.0g混合し、3本ロールミルで混練することでペースト状の接着性組成物を得た。
[実施例4]
<積層体の作製>
調製例4−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例4−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、その塗布面にサポート基板として無アルカリガラス基板(直径:100mm、厚さ:1.1mm)を重ね、無アルカリガラス基板側から波長405nmのLED光を30秒間照射(HOYA製、商品名、H−20AH4)し、シリコン基板と無アルカリガラス基板を貼り合わせ、積層体4を作製した。この積層体4における仮接着材層の厚みを測定したところ、82μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体4の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体4を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体4において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、粘着テープを用いて、シリコンウエハから仮接着材層を引き剥がすことで、除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[調製例5−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、BTDA(35.4g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(98.0g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(98.0g)にmTB(23.4g、110mmol)を溶解させた溶液(mTB溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液におけるBTDAとmTBを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミド前駆体のワニス(5)を得た。
次いで、ポリイミド前駆体のワニス(5)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:1.1mm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて150℃で4時間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。また、触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いてこのポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、31μmであった。
[実施例5]
<積層体の作製>
調製例5−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例4−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、実施例4と同様の手順で、積層体5を作製した。この積層体2における仮接着材層の厚みを測定したところ、81μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体5の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体5を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体5において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、粘着テープを用いて、シリコンウエハから仮接着材層を引き剥がすことで、除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[調製例6−1]
<ポリイミド樹脂の合成および成膜(第一仮接着材層)>
窒素ガス導入管と還流冷却器を備えた500mL4つ首セパラブルフラスコに、6FDA(48.9g、110mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(143.2g)を加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(143.2g)にBIS−A−AF(37.0g、110mmol)を溶解させた溶液(BIS−A−AF溶液)を調製し、N,N−ジメチルアセトアミド溶液における6FDAとBIS−A−AFを合わせた濃度が約30重量%となるように加えた。その後、窒素雰囲気下において室温(25℃)で23時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に対して加圧濾過を行い、ポリイミドが溶解した均一なポリイミド前駆体のワニス(6)を得た。
次いで、ポリイミド前駆体のワニス(6)をシリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:1.1mm)上にスピンコートし、ホットプレート上にて150℃で4時間、250℃で2時間、段階的に昇温しつつ連続加熱した。これにより、シリコンウエハ上にポリイミド樹脂膜を形成した。また、触針式表面形状測定器(米国Veeco社製、形式:Dektak8)を用いてこのポリイミド樹脂膜の厚みを測定したところ、31μmであった。
また、BIS−A−AFは下記構造で示される。
Figure 2016086158
[調製例6−2]
<メタクリロイル基を有する籠型シルセスキオキサンの合成>
200mlナスフラスコ内にオクタ(ジメチルシリル)オクタシルセスキオキサン(米国ハイブリッドプラスチックス社、商品名SH1310)10.3g、メタクリル酸アリル10.8g(東京化成工業株式会社製)、トルエン100ml、白金触媒として1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体のキシレン溶液(白金濃度、2質量%)(アルドリッチ株式会社)30mgを採取した後、攪拌しながら室温(25℃)で24時間反応させた。その後、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンと未反応のメタクリル酸アリルを除去し、メタクリロイル基を有する籠型シルセスキオキサンを薄黄色の液体として、17.6gを得た。
<接着剤組成物の調製(第二仮接着材層)>
次いで、第二仮接着材層を形成するための接着剤組成物を調製した。前記メタクリロイル基を有する籠型シルセスキオキサンから分取した10.00gに、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名、Irgacure819)を0.04g、光酸発生剤としCP110−TF(サンアプロ社)を6.0g、金属炭酸塩として炭酸リチウムを4.0g、添加剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、略称 PETA)を2.0g混合し、3本ロールミルで混練することでペースト状の接着性組成物を得た。
[実施例6]
<積層体の作製>
調製例6−1で得たシリコンウエハ上に形成されたポリイミド樹脂膜の上に、調製例6−2で得た接着剤組成物0.6gを、バーコーターを用いて塗布した。次いで、実施例4と同様の手順で、積層体6を作製した。この積層体6における仮接着材層の厚みを測定したところ、81μmであった。
<剥離評価>
室温(25℃)において、積層体6の無アルカリガラス基板側から第二仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、積層体5を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した積層体5において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、第二仮接着材層を起点として、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、第二仮接着材層の残渣の大部分は無アルカリガラス基板側に付着しており、シリコンウエハ上の第一仮接着材層の上にも少量の残渣が付着していた。次いで、粘着テープを用いて、シリコンウエハから仮接着材層を引き剥がすことで、除去した。仮接着材層除去後のシリコンウエハ表面に仮接着材層の残渣の付着はみられなかった。
[比較例1]
<比較用積層体の作製(第一仮接着材層を設けない積層体)>
バーコーターを用いて、シリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:525μm)上に調製例1−2で得た接着材組成物0.6gを塗布した。次いで、実施例1と同様の手順で、比較用積層体1を作製した。
<剥離評価>
室温(25℃)において、比較用積層体1の無アルカリガラス基板側から仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、比較用積層体1を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した比較用積層体1において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、仮接着材層の残渣はシリコンウエハと無アルカリガラス基板の両方に同程度付着していた。また、どのような方法を用いてもシリコンウエハから固着した仮接着材層を除去することはできなかった。
[比較例2]
<比較用積層体の作製(第一仮接着材層を設けない積層体)>
バーコーターを用いて、シリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:525μm)上に調製例4−2で得た接着材組成物0.6gを塗布した。次いで、実施例4と同様の手順で、比較用積層体2を作製した。
<剥離評価>
室温(25℃)において、比較用積層体1の無アルカリガラス基板側から仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、比較用積層体1を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した比較用積層体1において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、仮接着材層の残渣はシリコンウエハと無アルカリガラス基板の両方に同程度付着していた。また、どのような方法を用いてもシリコンウエハから固着した仮接着材層を除去することはできなかった。
[比較例3]
<比較用積層体の作製(第一仮接着材層を設けない積層体)>
バーコーターを用いて、シリコンウエハ(直径:100mm、厚さ:525μm)上に調製例6−2で得た接着材組成物0.6gを塗布した。次いで、実施例6と同様の手順で、比較用積層体3を作製した。
<剥離評価>
室温(25℃)において、比較用積層体1の無アルカリガラス基板側から仮接着材層に向けて、紫外線照射装置(HOYA社製、商品名:UV750)で高圧水銀灯による紫外線を300秒間照射した。紫外線を照射した後、比較用積層体1を180℃で5分間加熱した。その後、室温まで降温した比較用積層体1において、シリコンウエハを手で持ち上げることで、該シリコンウエハを破損することなく無アルカリガラス基板から剥離することができた。目視で確認したところ、仮接着材層の残渣はシリコンウエハと無アルカリガラス基板の両方に同程度付着していた。また、どのような方法を用いてもシリコンウエハから固着した仮接着材層を除去することはできなかった。
表1に実施例1〜6および比較例1〜3の結果について簡単にまとめた。
Figure 2016086158
表1に示されるように、実施例1〜6および比較例1〜3の全ての積層体において、シリコンウエハを破損することなく、サポート基板から容易に剥離することができた。
また、第一仮接着材層を備えた実施例1〜6の積層体においては、サポート基板剥離後のシリコンウエハに残存していた接着材残渣は除去処理を行うことで容易に残渣を除去することができ、除去処理後のシリコンウエハの表面に残渣の付着はみられなかった。この除去処理においては、実施例1〜3および実施例4〜6で示されるように、水または熱水への浸漬であっても、粘着テープでの引き剥がしであっても、残渣を容易に除去することができた。
一方、第一仮接着材層を備えていない比較例1〜3の積層体においては、サポート基板剥離後のシリコンウエハに残存していた接着材残渣は除去処理を行っても容易に除去することができず、除去処理後のシリコンウエハの表面に残渣の付着がみられた。
1…ウエハ、 1’…加工後のウエハ、 2…サポート基板、 3…仮接着材層、 3’…仮接着材層の接着残渣、 3a…第一仮接着材層、 3b…第二仮接着材層、 3b’…第二仮接着材層の接着材残渣、 10…ウエハ加工用積層体。

Claims (21)

  1. 表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面とサポート基板とが、仮接着材層を介して仮接着されてなるウエハ加工用積層体であって、
    該仮接着材層が、
    該ウエハの表面と接する、一般式[1]:
    Figure 2016086158
    [式中、Aは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、CH基、SO基、SO基、C(CH基、NHCO基またはC(CF基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基またはフルオロアルコール基を表し、
    は、下記構造を含む4価の有機基であり、
    Figure 2016086158
    Wは単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、SO基、C(CF基または、置換もしくは非置換のアルキレン基を表し、nは正の整数を表す。]
    で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および
    該第一仮接着材層と、該サポート基板に接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有する、ウエハ加工用積層体。
  2. 硬化性シリコーン樹脂が、光硬化性シリコーン樹脂または熱硬化性シリコーン樹脂である、請求項1に記載のウエハ加工用積層体。
  3. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(A)〜(C)成分を少なくとも含む、請求項1に記載のウエハ加工用積層体。
    (A)成分:組成式[2]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、dは0以上、1未満の範囲内の数であり、a+b+c+d=1を満たす。)
    で示され、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、
    (B)成分:組成式[3]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、e、fおよびgは、それぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、hは0以上、1未満の範囲内の数であり、e+f+g+h=1を満たす。)
    で示され、ケイ素原子に結合するビニル基(Si−CH=CH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、および
    (C)成分:ヒドロシリル化触媒。
  4. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(D)〜(F)成分を少なくとも含む、請求項1に記載のウエハ加工用積層体。
    (D)成分:一般式[4]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のRのうち、少なくとも1つは水素原子を表し、R10はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR10は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、複数のR11は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、sは正の整数を表す。)
    で表される、シリコーン樹脂、
    (E)成分:一般式[5]:
    Figure 2016086158
    (式中、R12はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR12は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R13はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のR13のうち、少なくとも1つはアルケニル基を表し、R14はアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、複数のR14は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、tは正の整数を表す。)
    で表される、シリコーン樹脂、
    (F)成分:ヒドロシリル化触媒。
  5. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(G)および(H)成分を少なくとも含む、請求項1に記載のウエハ加工用積層体。
    (G)成分:一般式[6]:
    (R15(R16Si(OR174−X―Y [6]
    (式中、R15はアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の光重合性基を含む1価の有機基であり、R16は炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R17は炭素数1〜3のアルキル基であり、R15基、R16基、OR17基が複数存在する場合には、各々独立して同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Xは1〜3の整数であり、Yは0〜2の整数であり、1≦X+Y≦3を満たす。)
    で表されるアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上を用いて加水分解縮合して得られる加水分解縮合物、
    (H)成分:光重合開始剤。
  6. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、酸発生剤と、金属水酸化物、金属炭酸塩若しくは金属酸化物とを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体。
  7. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、紫外線吸収発泡剤を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体。
  8. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、熱発泡性化合物を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体。
  9. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、フィラーを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体。
  10. 前記サポート基板が、ガラス基板である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体。
  11. 工程(a)〜(d)を少なくとも含む、薄型ウエハの製造方法。
    (a)請求項1乃至10のいずれか一項に記載のウエハ加工用積層体に対し、前記ウエハの裏面を研削または研磨する工程、
    (b)裏面を研削または研磨したウエハに加工を施す工程、
    (c)加工を施したウエハをサポート基板から剥離する工程、
    (d)剥離したウエハに残存する仮接着材層を除去する工程。
  12. 工程(e)および工程(f)を含む、請求項11に記載の製造方法。
    (e)剥離したサポート基板に残存する仮接着材層を除去する工程、
    (f)仮接着材層を除去したサポート基板を再利用する工程。
  13. 工程(c)の剥離工程が、仮接着材層を加熱することにより行われるか、もしくは波長400nm未満の光を仮接着材層に照射することにより行われるか、またはその両方により行われる、請求項11または請求項12に記載の製造方法。
  14. 工程(d)の除去工程が、前記ウエハを水と接触させる、または、仮接着材層を引き剥がすことで行われる、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 表面に回路形成面を有し、加工すべき裏面を有するウエハの表面をサポート基板と仮接着するためのウエハ加工用仮接着材であって、
    該ウエハの表面と接する、一般式[1]:
    Figure 2016086158
    [式中、Aは、単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、CH基、SO基、SO基、C(CH基、NHCO基またはC(CF基を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基またはフルオロアルコール基を表し、
    は、下記構造を含む4価の有機基であり、
    Figure 2016086158
    Wは単結合、エーテル結合、スルフィド結合、CO基、SO基、C(CF基または、置換もしくは非置換のアルキレン基を表し、nは正の整数を表す。]
    で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂の樹脂膜からなる第一仮接着材層、および
    該第一仮接着材層と、該サポート基板と接する、硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物の硬化膜からなる第二仮接着材層を有する、ウエハ加工用仮接着材。
  16. 硬化性シリコーン樹脂が、光硬化性シリコーン樹脂または熱硬化性シリコーン樹脂である、請求項15に記載のウエハ加工用仮接着材。
  17. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(A)〜(C)成分を少なくとも含む、請求項15に記載のウエハ加工用仮接着材。
    (A)成分:組成式[2]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、dは0以上、1未満の範囲内の数であり、a+b+c+d=1を満たす。)
    で示され、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、
    (B)成分:組成式[3]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、2つのRは同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、e、fおよびgは、それぞれ0超、1未満の範囲内の数であり、hは0以上、1未満の範囲内の数であり、e+f+g+h=1を満たす。)
    で示され、ケイ素原子に結合するビニル基(Si−CH=CH基)を一分子中に2個以上含有するシリコーン樹脂、および
    (C)成分:ヒドロシリル化触媒。
  18. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(D)〜(F)成分を少なくとも含む、請求項15に記載のウエハ加工用仮接着材。
    (D)成分:一般式[4]:
    Figure 2016086158
    (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のRのうち、少なくとも1つは水素原子を表し、R10はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR10は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、複数のR11は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、sは正の整数を表す。)
    で表される繰り返し単位を有する、シリコーン樹脂、
    (E)成分:一般式[5]:
    Figure 2016086158
    (式中、R12はアルキル基またはアリール基を表し、複数のR12は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、R13はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはヒドロキシ基を表し、複数のR13のうち、少なくとも1つはアルケニル基を表し、R14はアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、複数のR14は同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、tは正の整数を表す。)
    で表される、シリコーン樹脂、
    (F)成分:ヒドロシリル化触媒。
  19. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、以下の(G)および(H)成分を少なくとも含む、請求項15に記載のウエハ加工用仮接着材。
    (G)成分:一般式[6]:
    (R15(R16Si(OR174−X―Y [6]
    (式中、R15はアクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の光重合性基を含む1価の有機基であり、R16は炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、R17は炭素数1〜3のアルキル基であり、R15基、R16基、OR17基が複数存在する場合には、各々独立して同じ種類または互いに異なる種類であってもよく、Xは1〜3の整数であり、Yは0〜2の整数であり、1≦X+Y≦3を満たす。)
    で表されるアルコキシシラン化合物を少なくとも1種類以上を用いて加水分解縮合して得られる加水分解縮合物、
    (H)成分:光重合開始剤。
  20. 硬化性シリコーン樹脂を含む接着剤組成物が、光酸発生剤と、金属水酸化物、金属炭酸塩若しくは金属酸化物とを含む、請求項15乃至19のいずれか一項に記載のウエハ加工用仮接着材。
  21. 請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法によって製造された薄型ウエハ。
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