JP6032461B2 - フォトレジスト材料、及びフォトレジスト膜の形成方法 - Google Patents

フォトレジスト材料、及びフォトレジスト膜の形成方法 Download PDF

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本発明はフォトレジスト材料およびフォトレジスト膜に関し、更に詳しくはプリント回路板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造に適したアルカリ現像可能なフォトレジスト材料およびフォトレジスト膜に関する。
従来より、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成、あるいは金属の精密加工等には、ソルダーレジスト、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として感光性組成物及びそれを用いたドライフィルムレジスト材を使用することが知られている。
例えば、仮支持フィルム上に感光性組成物の塗布液を塗布し乾燥させて感光性組成物層を形成し、その感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆ったドライフィルムレジスト材を、その被覆フィルムを剥離して被加工基板上に積層することにより作製した感光性画像形成材、或いは、被加工基板上に直接に感光性組成物の塗布液を塗布し乾燥させて感光性組成物層を形成し、必要に応じてその感光性組成物層表面を保護層で覆うことにより作製した感光性画像形成材を用い、その被加工基板上の感光性組成物層を、回路や電極パターンが描かれたマスクフィルムを通して画像露光した後、仮支持フィルム、或いは保護層を剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像処理することによって回路パターンに対応したレジスト画像を形成し、次いで、このレジスト画像をレジストとして被加工基板をエッチング加工、メッキ加工、或いはソルダー加工等した後、レジスト画像を除去することにより、マスクフィルムに描かれた回路や電極パターンを基板上に形成するリソグラフィー法や、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が知られている。
これらのレジスト材には、レジスト画像を除去する際のアルカリ可溶性の他、透明性、耐熱性および耐光性、且つ耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであることなどの性能が要求される。これはソルダー加工済みの素子の製造工程中には、溶剤、酸またはアルカリ溶液などによる表示素子の浸漬処理が行なわれたり、スパッタリングにより配線電極層を形成する際に素子表面が局部的に高温に曝されることがあることや、エッチングレジストやめっきレジストはエッチング材が強アルカリや強酸(例えば塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液、フッ酸等)に由来する。
また近年の、パソコンや携帯電話等に用いられる電子機器の軽薄短小化に伴い、これらに搭載されるプリント配線板やリードフレーム、BGA、CSP等のパッケージには微細パターンまでもが要求されている。
耐酸性に優れる樹脂としてポリシランを使用することが知られており、これを使用したレジスト材料として、ポリシロキサン基含有アクリル酸又はメタクリル酸誘導体由来の単位、カルボキシル基を有する不飽和単量体由来の単位、及びこれらと共重合可能な不飽和単量体由来の単位を共重合させた共重合体(A)と、分子中に少なくとも1個の重合性不飽和基と1個以上のカルボキシル基とを有するプレポリマー(B)とからなる、ソルダーレジスト用の感光性樹脂組成物や(例えば特許文献1参照)、酸基含有樹脂、不飽和化合物、光開始剤、不飽和基又はエポキシ基を含有するアルコキシシラン化合物、及び、無機微粉末を含有するガラスエッチング用紫外線硬化型レジスト組成物(例えば特許文献2参照)等が知られている。
しかしながらこれらの樹脂でも、レジスト解像性、エッチング耐性に関し、近年の微細パターン化に十分に対応できていないのが現状である。
特開2000−298340号公報 特開2007−128052号公報
本発明が解決しようとする課題は、レジスト解像性、エッチング耐性に優れるフォトレジスト材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のシロキサン樹脂を含有するフォトレジスト材料が、上記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有するフォトレジスト材料であって、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率がフォトレジスト材料の全固形分量に対して10〜90重量%であり、且つ前記複合樹脂(A)の固形分の酸価が40〜400KOHmg/gであるフォトレジスト材料を提供する。
Figure 0006032461
(1)
Figure 0006032461

(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基である)
Figure 0006032461

(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
また本発明は、前記記載のフォトレジスト材料からなるフォトレジスト膜を提供する。
本発明により、レジスト解像性、エッチング耐性に優れるフォトレジスト材料を得ることができる。
(複合樹脂(A))
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。前記一般式(3)で表される結合は、得られる塗膜の耐酸性に特に優れ好ましい。
Figure 0006032461

(3)
後述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、後述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが脱水縮合反応して、前記一般式(3)で表される結合が生じる。従って前記一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
(ポリシロキサンセグメント(a1))
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位中には重合性二重結合を有する基が含まれている。
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、重合性二重結合を有する基を必須成分として有している。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基である。また前記Rにおける前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもRは、原料の入手の容易さから単結合または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、R、R及びRの少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基であるとは、具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)で表される構造単位のみを有する場合にはRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(2)で表される構造単位のみを有する場合にはR及び/又はRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)と一般式(2)で表される構造単位の両方を有する場合には、R、R及びRの少なくとも1つが重合性二重結合を有する基であることを示す。
本発明においては、前記重合性二重結合は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、耐擦傷性に優れた塗膜を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜20重量%であれば、所望の耐擦傷性を得ることができる。
なおここで重合性二重結合の含有率の計算は、−CH=CHを有する基であれば分子量を27とし、−C(CH)=CHを有する基であれば分子量を41として計算した。
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、製造時にゲル化等を生じることもなく、得られる複合樹脂の長期保存安定性も良好となる。
(シラノール基および/または加水分解性シリル基)
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また本発明において加水分解性シリル基とは、珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基であり、具体的には、例えば、一般式(4)で表される基が挙げられる。
Figure 0006032461

(4)
(一般式(4)中、Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、Rはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基である。またbは0〜2の整数である。)
前記Rにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記Rにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
前記Rで表される加水分解性基が加水分解されることにより、一般式(4)で表される加水分解性シリル基はシラノール基となる。加水分解性に優れることから、中でも、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
前記シラノール基や前記加水分解性シリル基は、紫外線硬化による塗膜形成の際に、紫外線硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた塗膜を形成することができる。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述の酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
ポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する以外は特に限定はなく、他の基を含んでいてもよい。例えば、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル基等のアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)としては、例えば以下の構造を有するもの等が挙げられる。
Figure 0006032461
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Figure 0006032461
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本発明においては、前記ポリシロキサンセグメント(a1)をフォトレジスト材料の全固形分量に対して、10〜90重量%含むことが特徴であり、高度な耐酸性とガラス等の基板密着性の性質を両立させることが可能となる。中でも10〜60重量%含むことが好ましい。
(酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2))
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、形成されるアルカリ現像液によるレジストとしての解像性を付与する点から、酸基を有するアクリル重合体、フルオロオレフィン重合体、ビニルエステル重合体、芳香族系ビニル重合体及びポリオレフィン重合体等のビニル重合体セグメントである。中でも酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させたアクリル系重合体セグメントが、得られる塗膜の優れた透明性の点から好ましい。
酸基を含有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸等の、各種の不飽和カルボン酸類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−ブチル等の、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコール類との各種のモノエステル類(ハーフエステル類);アジピン酸モノビニルまたはコハク酸モノビニル等の、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸または無水トリメリット酸等の、各種の飽和ポリカルボン酸の無水物類、等が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸が、反応が容易であり好ましい。
前記した酸基の含有量は、ビニル系重合体セグメント(a2)の酸価に換算して50〜500KOHmg/gの範囲となるように含有することが好ましい。50KOHmg/g未満では、アルカリ現像性に劣り、500KOHmg/gを超える量では合成時にゲル化が生じるおそれがある。
共重合可能な他の(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく、公知のモノマーを使用することが可能である。またビニルモノマーも共重合可能である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等の3級アミド基含有モノマー類等が挙げられる。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
前記ビニル系重合体セグメント(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ塗膜としたときの耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲がなお好ましい。
また前記ビニル系重合体セグメント(a2)は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)とするために、ビニル系重合体セグメント(a2)中の炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する。これらのシラノール基および/または加水分解性シリル基は、後述の複合樹脂(A)の製造において一般式(3)で表される結合となってしまうために、最終生成物である複合樹脂(A)中のビニル系重合体セグメント(a2)には殆ど存在しない。しかしながらビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基が残存していても何ら問題はなく、紫外線硬化による塗膜形成の際に、紫外線硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた塗膜を形成することができる。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、具体的には、前記アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、前記汎用モノマー、及び、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて得る。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
(複合樹脂(A)の製造方法)
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
(方法1)前記酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、前記汎用の(メタ)アクリルモノマー等、及び、前記炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。これに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
該方法においては、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
(方法2)方法1と同様にして、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。
一方、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、とポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
(方法3)方法1と同様に、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。一方、方法2と同様にして、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。更に、重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物と、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
前記(方法1)〜(方法3)で使用する、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、前記(方法1)〜(方法3)で使用する、汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジメトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
また、前記シラン化合物には、ホウ素、チタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシド化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。例えば、ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、上述の金属アルコキシド化合物の有する金属原子が、25モル%を超えない範囲で、併用することが好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。
使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応を行う際の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
前記(方法1)〜(方法3)における各々の化合物の仕込み比率は、所望とする本発明で使用する複合樹脂(A)の構造により適宜選択される。中でも、得られる塗膜の耐久性が優れることから、ポリシロキサンゼグメント(a1)の含有率が30〜80重量%となるよう複合樹脂(A)を得るのが好ましく、30〜75重量%が更に好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)において、ポリシロキサンセグメントとビニル系重合体セグメントをブロック状に複合化する具体的な方法としては、ポリマー鎖の片末端あるいは両末端のみに前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するような構造のビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法1)であれば、当該ビニル系重合体セグメントに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる方法が挙げられる。
一方、前記(方法1)〜(方法3)において、ビニル系重合体セグメントに対してポリシロキサンセグメントをグラフト状に複合化させる具体的な方法としては、ビニル系重合体セグメントの主鎖に対し、前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基をランダムに分布させた構造を有するビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法2)であれば、当該ビニル系重合体セグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、前記したポリシロキサンセグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる方法を挙げることができる。
(フォトレジスト材料)
本発明のフォトレジスト材料は、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としてはレジスト材料において公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤(B)は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤(B)の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
また、前記光重合開始剤と組合せて増感色素を併用することにより、感光性を大幅に向上させることができる。増感色素の具体例としては、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系などの色素類が挙げられる。
また、紫外線硬化させる場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを含有するのが好ましい。多官能(メタ)アクリレートは、前述の通り、ポリイソシアネート(B)と反応させることからアルコール性水酸基を有するものが好ましい。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
また、前記多官能(メタ)アクリレートに併用して、単官能(メタ)アクリレートを併用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。単量体(c)としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
前記多官能アクリレート(C)を用いる場合の使用量としては、本発明のフォトレジスト材料の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートを前記範囲内で使用することによって、得られる塗膜の硬度等の塗膜物性を改善することができる。
本発明のフォトレジスト材料は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてその他の成分を含有させてもよい。例えば、グリシドキシアルキルトリメトキシシランや(メタ)アクリロイルオキシアクリルトリアルコキシシランシラン等の汎用のシランカップリング剤からなる接着性助剤、タルク、マイカ、クレー、シリカ、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、石膏、雲母、硫酸バリウム、炭酸バリウムや炭酸マグネシウム等の無機微粒子、顔料や染料等の着色物質、退色防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤や潤滑剤等の塗料添加剤、を挙げることができる。
本発明のフォトレジスト材料の好ましい態様は、フォトレジスト液である。本発明のフォトレジスト液中の全固形分の濃度は、塗布性(例えば、塗布および溶媒除去後の膜厚が所望の範囲内に収まること、当該膜厚が被加工表面全体に均一性であること、被加工表面に多少の凹凸があっても当該凹凸に追随して均一な厚みの塗膜が形成されること、等)等を考慮すると、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.7質量%以上2質量%以下である。具大抵には、塗膜の膜厚が15〜50μmとなるように調整すればよく、より好ましくは15〜35μmである。
本発明のフォトレジスト材料は、微細パターン加工が可能であるため、膜厚は15μm以下でも可能である。
使用する溶媒としては、公知のレジスト材料に使用される有機溶媒であればよく、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明のフォトレジスト膜は、本発明のフォトレジスト材料を、押出成形等の公知の成形方法でフィルム状に成膜し、あるいは仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成された光硬化性組成物層表面を被覆フィルムで覆った、処理対象となる表面に加熱圧着し積層するものであってもよい。この時使用する仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムがフォトレジスト膜の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に本発明のフォトレジスト材料を塗布し乾燥させて本発明のフォトレジスト膜を作製することができ、また、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず本発明のフォトレジスト材料を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、本発明のフォトレジスト膜を作製することもできる。
また本発明のフォトレジスト膜は、本発明のフォトレジスト液を、処理対象となる表面上に塗布し、溶媒を蒸発させて除くことにより形成する塗布膜であってもよい。塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。生産性に優れ膜厚のコントロールが容易であるという点でスピンコート法を用いることが好ましい。
処理対象となる基板は、本発明のフォトレジスト膜の目的により異なるが、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属板、スクリーンメッシュ、紙、木材、シリコン等の合成樹脂、ガラス等の半導体基板が挙げられる。
本発明のフォトレジスト膜は、リソグラフィー法あるいはレーザー直接描画法のいずれにも使用できる。
リソグラフィー法の例としては、例えば、処理対象となる基板に、前記方法にて成膜してフォトレジスト膜を積層後、マスクフィルムを通して活性光により画像露光する。露光の際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。光照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
一方、レーザー直接描画法の例としては、前記方法にて成膜してフォトレジスト膜を積層後、波長350〜430nmのレーザー光により走査露光する。その露光光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、波長域350〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、その中心波長が約405nmのものであることが更に好ましい。具体的には、405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー等が挙げられる。また、レーザー光源による走査露光方法は、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、走査露光条件としては、レーザーの出力光強度を、好ましくは1〜100mW、更に好ましくは3〜70mW、発振波長を、好ましくは390〜430nm、更に好ましくは400〜420nm、ビームスポット径を、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは4〜20μm、走査速度を、好ましくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜400m/秒、走査密度を、好ましくは2,000dpi以上、更に好ましくは4,000dpi以上として、走査露光する。
次いでアルカリ水溶液を用いて感光性樹脂層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いる。これらのアルカリ水溶液は感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
エッチングレジストの場合には、現像により露出したガラス面あるいは金属面に既知のエッチング法、又はめっき法のいずれかの方法を行うことにより、ガラスあるいは金属の画像パターンを形成する。本願のフォトレジスト材料は耐酸性に優れるので、該エッチングの際にもパターン等が崩れることがなく、微細なエッチングパターンを供することができる。エッチング液としては、強アルカリや強酸が挙げられ、例えば塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液、フッ酸水溶液等が挙げられる。
その後、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液により硬化レジストパターンを剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、1〜5質量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が一般的に用いられる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
(合成例1〔ポリシロキサンの調整例〕)
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
(合成例2(同上))
合成例1と同様の反応容器に、MTMS 442部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS) 760部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−3」0.1部と脱イオン水 129部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−2) 1000部を得た。
(合成例3〔複合樹脂(A)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 106.4部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 105.8部、n−ブチルアクリレート(BA) 19.7部、アクリル酸(AA) 19.3部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 28.6部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−1) 600部を得た。
得られた複合樹脂(A−1)の酸価〔試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数〕を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−1)の固形分の酸価は50.2 KOHmg/gであった。
(合成例4(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 66.4部、BA 1.2部、AA 77.1部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 562.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 80.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 128.6部、酢酸n−ブチル 5.9部を添加し、不揮発分が70.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−2) 857部を得た。
得られた複合樹脂(A−2)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−2)の固形分の酸価は100.2 KOHmg/gであった。
(合成例5(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 5.0部、DMDMS 6.1部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 57.8部、BA 0.4部、AA 86.6部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 3.2部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例2で得られたポリシロキサン(a1−2) 40.6部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 10.2部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 37.5部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−3) 375.0部を得た。
得られた複合樹脂(A−3)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−3)の固形分の酸価は360.4 KOHmg/gであった。
(合成例6〔対照用樹脂(R)の調製〕)
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 127.9部、BA 2.9部、AA 14.0部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1)162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる対照用樹脂(R−1) 600部を得た。
得られた対照用樹脂(R−1)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(R−1)の固形分の酸価は36.8 KOHmg/gであった。
(合成例7(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 53.1部、BA 1.6部、AA 90.0部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。同温度で1時間攪拌した時点で反応溶液の粘度が急激に上昇し、数分間でゲル化した。
ゲル化に至った前記樹脂溶液のビニル重合体セグメントの酸価は、AAの含有量から、467.5 KOHmg/gであったと推算される。
(実施例1)
合成例1で得られた複合樹脂(A−1) 40.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)[多官能アクリレート 東亜合成株式会社製]イルガキュア184[光重合開始剤 BASFジャパン株式会社製] 1.33部を混合することによってフォトレジスト材料(1)を得た。
(実施例2〜3及び比較例1〜2)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で、それぞれフォトレジスト材料(2)〜(3)および比較用フォトレジスト材料(比1)〜(比2)を調製した。
(評価)
前記実施例1〜3,及び比較例1〜2で得られたフォトレジスト材料(1)〜(3)およびフォトレジスト材料(比1)〜(比2)の評価は次の通り行った。
(評価用フォトレジスト膜)
150mm×70mm×2mmのガラス布基材エポキシ樹脂含浸銅張積層板(FR−4)に、各々実施例及び比較例で得たフォトレジスト材料を、乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、100℃で30分間乾燥して、フォトレジスト膜Xを調製した。
<アルカリ解像性>
評価用フォトレジスト膜Xをそれぞれ30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液に120秒浸漬し、フォトレジスト膜の残存率が1重量%未満のものを○とし、フォトレジスト膜が1重量%以上残存しているものを×とした。
<エッチング耐性>
評価用フォトレジスト膜Xに高圧水銀灯を用いてフォトレジスト材料(1)、(比2)については積算照射量1000mJ、それ以外のフォトレジスト材料に関しては積算照射量300mJの紫外線を照射し、フォトレジスト膜Yを得た。このフォトレジスト膜Yに対して、酸化第二銅300g/リットルと塩酸100g/リットルの混合物からなる銅エッチング液を、フォトレジスト膜面に液温40℃、スプレー圧0.05MPaの条件で150秒エッチングし、目視外観によりフォトレジスト膜に異常が無いかをチェックした。ここでは、フォトレジスト膜外観に異常が無いものを○、フォトレジスト膜の剥がれ等、フォトレジスト膜外観に異常があるものを×とした。
各々の組成と評価結果を表1に示す。
Figure 0006032461
表1の略語について
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
(a2)はビニル系重合体セグメント(a2)の略である。
※1 フォトレジスト材料の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
I−184:イルガキュア184である。
この結果、実施例1〜3で評価したフォトレジスト材料(1)〜(3)は、アルカリ溶解性と耐酸性に優れるフォトレジスト膜を形成した。
比較例1で評価したフォトレジスト材料(比1)は、フォトレジスト材料の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が少なすぎる例であるが、エッチング液に対する耐性に劣るフォトレジスト膜が得られた。
比較例2で評価したフォトレジスト材料(比2)は、複合樹脂(A)の固形分の酸価が少なすぎる例であるが、得られるフォトレジスト膜のアルカリ解像性に劣ることが判明した。
(合成例8〔複合樹脂(A)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 106.4部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 7.6部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA) 116.3部、n−ブチルアクリレート(BA) 1.5部、アクリル酸(AA) 19.3部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 28.7部を添加し、不揮発分が50.3%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−4) 600部を得た。
得られた複合樹脂(A−4)の酸価〔試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数〕を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−1)の固形分の酸価は50.2 KOHmg/gであった。
(合成例9(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 4.7部、CHMA 61.5部、BA 1.5部、AA 77.1部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 562.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 80.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 128.6部、酢酸n−ブチル 6.3部を添加し、不揮発分が69.8%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−5) 857部を得た。
得られた複合樹脂(A−5)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−5)の固形分の酸価は100.2 KOHmg/gであった。
(合成例10(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 5.0部、DMDMS 6.1部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 4.7部、CHMA 34.7部、BA 1.5部、AA 86.6部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 3.2部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例2で得られたポリシロキサン(a1−2) 40.6部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 10.2部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 37.5部、酢酸n−ブチル 27.1部を添加し、不揮発分が50.3%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−6) 375.0部を得た。
得られた複合樹脂(A−6)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−6)の固形分の酸価は360.4 KOHmg/gであった。
(実施例4)
合成例8で得られた複合樹脂(A−4) 40.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[多官能アクリレート 東亜合成株式会社製]イルガキュア184[光重合開始剤 BASFジャパン株式会社製] 1.33部を混合することによってフォトレジスト材料(4)を得た。
(実施例5〜6、及び比較例3〜4)
第2表に示した配合に基づき、実施例4と同様の方法で、それぞれフォトレジスト材料(5)〜(6)および比較用フォトレジスト材料(比3)〜(比4)を調製した。
(評価)
前記実施例4〜6、及び比較例1〜2で得られたフォトレジスト材料(4)〜(6)およびフォトレジスト材料(比3)〜(比4)を用いてフォトレジスト膜を作成し、アルカリ現像性及びエッチング耐性の評価を次の通り行った。結果は表2に示した。
(評価用フォトレジスト膜)
150mm×70mm×2mmの白板ガラス(株式会社テストピース製)上に、各々実施例及び比較例で得たフォトレジスト材料を、乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、100℃で30分間乾燥して、フォトレジスト膜Xを調製した。
<アルカリ解像性>
評価用フォトレジスト膜Xをそれぞれ30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液に120秒浸漬し、フォトレジスト膜の残存率が1重量%未満のものを○とし、フォトレジスト膜が1重量%以上残存しているものを×とした。
<エッチング耐性>
評価用フォトレジスト膜Xに高圧水銀灯を用いてフォトレジスト材料(6)、(比4)については積算照射量1000mJ、それ以外のフォトレジスト材料に関しては積算照射量300mJの紫外線を照射し、フォトレジスト膜Yを得た。このフォトレジスト膜Yを10%のフッ酸水溶液60分間浸漬し、目視外観によりフォトレジスト膜に異常が無いかをチェックした。ここでは、フォトレジスト膜外観に異常が無いものを○、フォトレジスト膜の剥がれ等、フォトレジスト膜外観に異常があるものを×とした。
Figure 0006032461
表2の略語について
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
(a2)はビニル系重合体セグメント(a2)の略である。
※1 フォトレジスト材料の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
I−184:イルガキュア184である。
本発明のフォトレジスト材料を使用したフォトレジスト膜は、様々な応用、例えばモールドフィルム、ナノ・マイクロ光学要素、光学素子、表示素子、電子ペーパー、ストレージ、MEMS・PCB実装材料、微量生化学分析や微量化学合成、バイオ応用を目的とした高機能3次元ナノ・マイクロ流路、次世代電子素子、DNAチップ等にも利用することが可能である。

Claims (6)

  1. 一般式(2)または一般式(1)および一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有するフォトレジスト材料であって、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率がフォトレジスト材料の全固形分量に対して10〜90重量%であり、且つ前記複合樹脂(A)の固形分の酸価が40〜400KOHmg/gであることを特徴とするフォトレジスト材料。
    Figure 0006032461
    (1)
    Figure 0006032461

    (2)
    (一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表し、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(2)で表される構造単位のみを有する場合にはR及び/又はRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)と一般式(2)で表される構造単位の両方を有する場合には、R、R及びRの少なくとも1つが重合性二重結合を有する基である)
    Figure 0006032461

    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  2. 前記ビニルセグメント(a2)の酸価が45〜450KOHmg/gである請求項1に記載のフォトレジスト材料。
  3. 前記重合性二重結合を有する基が、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHらなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)である請求項1または2のいずれかに記載のフォトレジスト材料。
  4. 光重合開始剤を含有する、請求項1〜のいずれかに記載のフォトレジスト材料。
  5. 多官能(メタ)アクリレートを含有する、請求項1〜のいずれかに記載のフォトレジスト材料。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のフォトレジスト材料からなるフォトレジスト膜。
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