JP4899100B2 - 感光性組成物 - Google Patents
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Description
金属微粒子及び/又は金属酸化物微粒子(B)、並びに、
光重合開始剤(C)
を含有する感光性組成物である。
(2)本発明の感光性組成物及び焼成物パターン成形物は上述の構成により、鉛を含まないパターン成形物を与える。
(3)本発明の感光性組成物及び焼成物パターン成形物は上述の構成により、高精細で発泡がなく、微細なパターニング像を与える。
(4)本発明の焼成物パターン成形物は上述の構成により、密着性、焼成前後の寸法安定性を併せ持ち、成形材料、ディスプレイ材料分野に要求される必要性能をそれぞれ充分な水準で満たすことができる。
アルカリ可溶性シルセスキオキサン含有化合物A−1の合成
2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート6.1g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.7g、ベンジルメタクリレート20.0g、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.3g、トルエン137gを攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計付きフラスコに仕込み、30分間窒素パージした後、フラスコを油浴に浸し、内温80℃で5時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、共重合体溶液を得た。さらに、得られた共重合体溶液100g、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.9g、メチルトリメトキシシラン7.1g、イソプロピルアルコール30gを攪拌機、冷却管、滴下漏斗及び温度計付きフラスコに仕込み、蒸留水5g、36%塩酸0.3g、イソプロピルアルコール5gを合わせた水溶液を内温70℃で30分間滴下し、反応を3時間行った。室温まで冷却後、希炭酸水素ナトリウム水溶液を50g仕込み、15分間攪拌して中和した。これを濃縮し、アルカリ可溶性シルセスキオキサン含有化合物A−1の46.4gを得た。得られた樹脂の重量平均分子量(以下Mw)は12300であった。
シルセスキオキサン化合物(SQ−1)の合成
攪拌器および温度計を備えた反応器に、メチルイソブチルケトン2,300g、水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「Me4NOH」とも表す)の20%水溶液164g(H2O;7.3mol、Me4NOH;0.36mol)、脱イオン水304g(24mol)を仕込んだ後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン656g(2.8mol)とフェニルトリメトキシシラン1,651g(8.3mol)との混合物を滴下漏斗にて約1時間かけて徐々に加え、50〜55℃で攪拌した。反応の進行をゲルパーミエーションクロマトグラフィにより追跡し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがほぼ消滅した時点(滴下終了後約2.5時間)で反応を終了させた。反応終了後系内にメチルイソブチルケトン2,300gを加え、水で水層が中性になるまで洗浄した。その後、減圧下でメチルイソブチルケトンを留去させ、目的のシルセスキオキサン化合物(SQ−1)1,489g(透明粘ちょう液体、重量平均分子量約5,000、エポキシ当量5,000)を得た。
アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(AC−1)の合成
1000ml四つ口フラスコ中に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN-102S(日本化薬株式会社 製)215g(エポキシ当量215g/eq)、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド500mg、2,6−ジイソブチルフェノール50mg、およびアクリル酸72gを仕込み、これに10mL/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、これを徐々に120℃まで昇温させた。溶液は透明粘稠となったがそのまま攪拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで17時間を要した。酸価が目標値に達した時点で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を380g仕込み、反応物を完全に溶解した後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)106gおよび臭化テトラエチルアンモニウム0.1gを混合した。これに10mL/分の速度で空気を吹き込みながら徐々に昇温して110〜115℃で6時間反応させた。このようにして、アルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(AC−1)のPGMEA溶液を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。得られた樹脂溶液の酸価は54.1mgKOH/gであった。
合成例1で得られたアルカリ可溶性シルセスキオキサン含有化合物(A−1)75重量部、酸化コバルト(大日精化工業(株)製)75重量部、酸基を含む分散剤(ビックケミー(株)製;製品名「Disperbyk−111」)1.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート350重量部配合品を、ビーズミルにて1時間分散して、酸化コバルトのサスペンジョンを得た。このサスペンジョン10gにオキシム・エステル系の光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製;製品名「OXE01」)を5重量部加えて、感光性組成物を得た。
合成例1で得られたアルカリ可溶性シルセスキオキサン含有化合物(A−1)75重量部、酸化インジュウム錫(ITO)(共立マテリアル(株)製;製品名「SG−IT50Y」)75重量部、酸基を含む分散剤(ビックケミー(株)製;製品名「Disperbyk−111」)1.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート350重量部配合品を、ビーズミルにて1時間分散して、酸化インジュウム錫(ITO)のサスペンジョンを得た。このサスペンジョン10gにアセトフェノン系の光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製;製品名「イルガキュア907」)を5重量部加えて、感光性組成物を得た。
比較合成例1で得られたシルセスキオキサン化合物(SQ−1)75重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート25重量部、酸化コバルト(大日精化工業(株)製)75重量部、酸基を含む分散剤(ビックケミー(株)製;製品名「Disperbyk−111」)1.5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート325重量部配合品を、ビーズミルにて1時間分散して、酸化コバルトのサスペンジョンを得た。このサスペンジョン10gにオキシム・エステル系の光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製;製品名「OXE01」)を5重量部加えて、感光性組成物を得た。
比較合成例2で得られたアルカリ可溶型放射線重合性不飽和樹脂(AC−1)100重量部、粉末ガラス(旭硝子(株)製;製品名「IWF−T077」)20重量部、酸基を含む分散剤(ビックケミー(株)製;製品名「Disperbyk−111」)0.4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート185重量部配合品を、ビーズミルにて1時間分散して、ガラスフリットのサスペンジョンを得た。このサスペンジョン10gにアセトフェノン系の光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製;製品名「イルガキュア907」を5重量部加えて、感光性組成物を得た。
実施例1、2、及び、比較例1で得られた感光性組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで100倍に希釈し、希薄な感光性組成物を得た。10分攪拌後の希薄な分散体を、直径1cmの試験管に液面が底から4.5cmとなるように移し、タービスキャン「MA2000(英弘精機株式会社)」で観察した。
分散安定性評価方法:液面から2.5cm下方の波長850nmの透過率を10分攪拌後の希薄な分散体を試験管に移した直後から24時間後まで観察した。評価基準は以下のとおりである。
○:24時間後の透過率が5%未満である
△:24時間後の透過率が5%以上10%未満である
×:24時間後の透過率が10%以上である
実施例1、2、及び、比較例1、2で得られた感光性組成物をスピンナーを用いてガラス基板上に塗布した後、90℃のホットプレート上で120秒間プリベークして、膜厚約2.0μmの塗膜を得た。次いで、塗膜を有するガラス基板上に所定のパターンを有するマスクをセットし、250Wの高圧水銀ランプを用いて、波長405nmにて光強度5.0mW/cm2の紫外線を500mJ/cm2のエネルギー量となるように照射した。次いで、現像処理を行ない、塗膜の未露光部を除去し、残存した薄膜からなるパターンを得た。これを予め550℃に昇温したマッフル炉に入れ、30分焼成し、焼成物パターン成形物を有する基板を得た。焼成物パターン成形物の評価は以下の基準で示した。ガラス基板は「コーニング1737(コーニング社製)」を用いた。
解像度の評価:5〜30μmの等間隔のラインアンドスペースで、鮮明なパターンが形成できる最も細線により評価した。
上記2で得られた焼成物パターン成形物につき、発泡の有無について顕微鏡カメラ「VHX−500(KEYENCE)」で観察した。評価基準は以下のとおりである。
無し:発泡無し
有り:発泡有り
上記2のプリベークにより得られた塗膜を、250Wの高圧水銀ランプを用いて、波長405nmにて光強度5.0mW/cm2の紫外線を500mJ/cm2のエネルギー量となるように照射した。次いで、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃で60秒間の現像処理を行ない、薄膜を得た。これを予め550℃に昇温したマッフル炉に入れ、30分焼成し、焼成物薄膜を有する基板を得た。得られた薄膜の基材への密着性は、JIS K5400の碁盤目剥離試験に従って評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:10点
△:1〜9点
×:0点
上記2で得られた焼成物パターン成形物の解像度30μmのラインアンドスペース部分につき、顕微鏡カメラ「VHX−500(KEYENCE)」で観察し、ラインに不規則なバラツキ、よれ等がないかどうかで評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:ラインにバラツキ、よれがない
△:ラインにバラツキ、よれのいずれかがある
×:ラインにバラツキ、よれのどちらもある
まず、上記2で得られた現像後のパターン成形物の解像度30μmのラインアンドスペース部分の線幅(W1)を求めた。次に当該パターン成形物を上記2の手順で焼成し、焼成物パターン成形物を得、同じく解像度30μmのラインアンドスペース部分の線幅(W2)を求めた。これらの線幅(W1、W2)は触針型の表面形状測定装置「Dektak6M(ULVAC)」で測定した。下記の式(6):
R={(W1)−(W2)}/(W1) (6)
に従って、焼成による線幅の収縮率Rを求めた。Rの値が大きいものは焼成後の線幅の収縮率が大きく、逆にRの値が小さいものは焼成後の線幅の収縮率が小さいことを示す。評価基準は以下のとおりである。
○:Rが0.1未満
△:Rが0.1以上、0.2未満
×:Rが0.2以上
上記4で得られた薄膜について鉛筆硬度をJIS−K 5400の試験法に準じて測定した。鉛筆硬度試験機を用いて荷重9.8Nをかけた際の硬化膜にキズが付かない最も高い硬度を鉛筆硬度とした。評価基準は以下のとおりである。
○:硬度が5H以上
△:硬度がH以上5H未満
×:硬度がH未満である
Claims (13)
- トリアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(1)から導かれる繰り返し単位を含有し、かつアルカリ可溶性の共重合体(2)に、分子中にエチレン性炭素−炭素二重結合を有してもよいトリアルコキシシラン化合物(3)を共縮合してなるシルセスキオキサン含有化合物(A)、
金属微粒子及び/又は金属酸化物微粒子(B)、並びに、
光重合開始剤(C)
を含有することを特徴とする感光性組成物。 - 前記共重合体(2)が、単量体成分中に、分子中にトリアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(1)、及び、分子中にエチレン性炭素−炭素二重結合を有し、かつアルカリ可溶性の官能基を含有する単量体(4)を含む、共重合体である請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記単量体(4)が、アルカリ可溶性の官能基としてカルボキシル基を含有するものである請求項2に記載の感光性組成物。
- 前記単量体(4)が、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、又は、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレートである請求項3に記載の感光性組成物。
- 前記共重合体(2)が、単量体成分中に、分子中にトリアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(1)、並びに、分子中にエチレン性炭素−炭素二重結合を有し、かつヒドロキシル基および/またはグリシジル基を含有する単量体(5)を含む、共重合体に、多塩基性カルボン酸(6)またはその無水物(7)を反応させて得られるものである請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記単量体(5)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)モノアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)モノアクリレート、又は、グリシジル(メタ)アクリレートである請求項5に記載の感光性組成物。
- 前記トリアルコキシシラン化合物(3)が、(メタ)アクリロキシトリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、又は、p−スチリルトリメトキシシランである請求項1から6のいずれか記載の感光性組成物。
- 前記共重合体(2)の重量平均分子量は1000〜50000である請求項1から7のいずれか記載の感光性組成物。
- シルセスキオキサン含有化合物(A)100重量部に対して金属微粒子及び/又は金属酸化物微粒子(B)30〜200重量部を含有する請求項1から8のいずれか記載の感光性組成物。
- 請求項1から9のいずれか記載の感光性組成物により作成した焼成物パターン成形物。
- 請求項10に記載の焼成物パターン成形物を有するプラズマディスプレイ用部材。
- 請求項10に記載の焼成物パターン成形物を有するプリント配線板。
- 請求項1から9のいずれか記載の感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィーにより形成したパターンを500℃以上で焼成し、パターンを形成する方法。
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