JP5983151B2 - ドライエッチングレジスト材料、レジスト膜及びパターン形成物 - Google Patents

ドライエッチングレジスト材料、レジスト膜及びパターン形成物 Download PDF

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Description

本発明はレジスト材料およびレジスト膜に関し、更に詳しくはプリント回路板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造に適したドライエッチング耐性に優れたドライエッチングレジスト材料およびレジスト膜に関する。
従来より、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成、あるいは金属の精密加工等には、ソルダーレジスト、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として感光性組成物及びそれを用いたドライフィルムレジスト材を使用することが知られている。
例えば、仮支持フィルム上に感光性組成物の塗布液を塗布し乾燥させて感光性組成物層を形成し、その感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆ったドライフィルムレジスト材を、その被覆フィルムを剥離して被加工基板上に積層することにより作製した感光性画像形成材、或いは、被加工基板上に直接に感光性組成物の塗布液を塗布し乾燥させて感光性組成物層を形成し、必要に応じてその感光性組成物層表面を保護層で覆うことにより作製した感光性画像形成材を用い、その被加工基板上の感光性組成物層を、回路や電極パターンが描かれたマスクフィルムを通して画像露光した後、仮支持フィルム、或いは保護層を剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像処理することによって回路パターンに対応したレジスト画像を形成し、次いで、このレジスト画像をレジストとして被加工基板をエッチング加工、メッキ加工、或いはソルダー加工等した後、レジスト画像を除去することにより、マスクフィルムに描かれた回路や電極パターンを基板上に形成するリソグラフィー法や、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が知られている。
これらのレジスト材には、レジスト画像を除去する際のアルカリ可溶性の他、透明性、耐熱性および耐光性、且つ耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであることなどの性能が要求される。これはソルダー加工済みの素子の製造工程中には、溶剤、酸またはアルカリ溶液などによる表示素子の浸漬処理が行なわれたり、スパッタリングにより配線電極層を形成する際に素子表面が局部的に高温に曝されることがあることや、エッチングレジストやめっきレジストはエッチング材が強アルカリや強酸(例えば塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液、フッ酸等)に由来する。
また近年の、パソコンや携帯電話等に用いられる電子機器の軽薄短小化に伴い、これらに搭載されるプリント配線板やリードフレーム、BGA、CSP等のパッケージには微細パターンまでもが要求されている。
耐酸性に優れる樹脂としてポリシランを使用することが知られており、これを使用したレジスト材料として、ポリシロキサン基含有アクリル酸又はメタクリル酸誘導体由来の単位、カルボキシル基を有する不飽和単量体由来の単位、及びこれらと共重合可能な不飽和単量体由来の単位を共重合させた共重合体(A)と、分子中に少なくとも1個の重合性不飽和基と1個以上のカルボキシル基とを有するプレポリマー(B)とからなる、ソルダーレジスト用の感光性樹脂組成物や(例えば特許文献1参照)、酸基含有樹脂、不飽和化合物、光開始剤、不飽和基又はエポキシ基を含有するアルコキシシラン化合物、及び、無機微粉末を含有するガラスエッチング用紫外線硬化型レジスト組成物(例えば特許文献2参照)等が知られている。
しかしながらこれらの樹脂でも、ドライエッチング耐性に関し、近年の微細パターン化に十分に対応できていないのが現状である。
特開2000−298340号公報 特開2007−128052号公報
本発明が解決しようとする課題は、ドライエッチング耐性に優れるドライエッチングレジスト用硬化性樹脂組成物を提供することにある。
また、上記ドライエッチングレジスト用硬化性樹脂組成物を含有するレジスト膜、該レジスト膜を積層してなる積層体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のシロキサン樹脂を含有するドライエッチングレジスト用硬化性樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有するドライエッチングレジスト用材料を提供する。
Figure 0005983151
(1)
Figure 0005983151

(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合、アリール基、又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表す。)
Figure 0005983151

(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
また本発明は、前記記載のドライエッチングレジスト用硬化性樹脂組成物からなるレジスト膜を提供する。
また本発明は、前記レジスト膜を基板に積層してなる積層体を提供する。
また本発明は、前記積層体に積層されたレジスト膜をパターニングし、それをマスクとして基板をドライエッチングすることを特徴とするパターン形成方法、それによって得られるパターン形成物を提供する。
本発明により、ドライエッチング耐性に優れ、ドライエッチングによる基板に対する微細なパターンの再現性が良好なドライエッチングレジスト用硬化性樹脂組成物を得ることができる。
(複合樹脂(A))
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。前記一般式(3)で表される結合は、得られるレジスト膜の耐酸性に特に優れ、またドライエッチング耐性および微細パターンの再現性にも優れ好ましい。
Figure 0005983151

(3)
後述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、後述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが脱水縮合反応して、前記一般式(3)で表される結合が生じる。従って前記一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
(ポリシロキサンセグメント(a1))
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。
一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位中には、重合性二重結合を有する基が含まれることが好ましい。
また、本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、更にエポキシ基を有していてもよい。
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、重合性二重結合を有する基を必須成分として有している。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合、アリール基、又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表す。また前記Rにおける前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもRは、原料の入手の容易さから単結合、アリール基、または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記の分子構造において、ドライエッチング耐性を向上させる観点から、芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましい。
また、R、R及びRの少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基であることが好ましく、具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)で表される構造単位のみを有する場合にはRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(2)で表される構造単位のみを有する場合にはR及び/又はRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)と一般式(2)で表される構造単位の両方を有する場合には、R、R及びRの少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基であることが好ましい。
また、本発明のポリシロキサンセグメント(a1)はエポキシ基を有することが好ましく、R、R及びRの少なくとも1つが、エポキシ基を有する基であることが好ましい。
本発明においては、前記重合性二重結合は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、耐擦傷性に優れたレジスト膜を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜20重量%であれば、所望の耐擦傷性を得ることができる。
なおここで重合性二重結合の含有率の計算は、−CH=CHを有する基であれば分子量を27とし、−C(CH)=CHを有する基であれば分子量を41として計算した。
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、製造時にゲル化等を生じることもなく、得られる複合樹脂の長期保存安定性も良好となる。
(シラノール基および/または加水分解性シリル基)
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また本発明において加水分解性シリル基とは、珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基であり、具体的には、例えば、一般式(4)で表される基が挙げられる。
Figure 0005983151

(4)
(一般式(4)中、Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、Rはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基である。またbは0〜2の整数である。)
前記Rにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記Rにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
またドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましい。
前記Rで表される加水分解性基が加水分解されることにより、一般式(4)で表される加水分解性シリル基はシラノール基となる。加水分解性に優れることから、中でも、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
前記シラノール基や前記加水分解性シリル基は、紫外線硬化によるレジスト膜形成の際に、紫外線硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られるレジスト膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れたレジスト膜を形成することができる。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述の酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
ポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する以外は特に限定はなく、他の基を含んでいてもよい。例えば、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル基等のアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
ポリシロキサンセグメント(a1)中にエポキシ基を有していてもよいし、特に限定はない。
具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)としては、例えば以下の構造を有するもの等が挙げられる。
Figure 0005983151
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本発明においては、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を複合樹脂(A)の全固形分量に対して、10〜90重量%含むことが好ましく、高度な耐酸性、ドライエッチング耐性、微細パターンの再現性などと、ガラス等の基板密着性の性質を両立させることが可能となる。中でも10〜60重量%含むことが好ましい。またドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましい。
(複合樹脂(A) ビニル系重合体セグメント(a2))
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。これらは用途により適宜選択することが好ましい。
例えばビニル系重合体セグメント(a2)は、汎用の(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合させて得られる。(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく、またビニルモノマーも共重合可能である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のビニル芳香族類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等の3級アミド基含有モノマー類等が挙げられる。
また、本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、ドライエッチング耐性を向上させる観点から芳香環または環状炭化水素基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位がより好ましい。前記芳香環または環状炭化水素基を有する(メタ)アクリル繰り返し単位として好ましくは、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびビニルモノマーが挙げられる。使用するモノマーとしては、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、シクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、1,4−ベンゼンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせても用いることができる。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
前記ビニル系重合体セグメント(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲が、基材上に層を形成させる際に良好な硬化膜を形成できる等の理由からなお好ましい。
また前記ビニル系重合体セグメント(a2)は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)とするために、ビニル系重合体セグメント(a2)中の炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する。これらのシラノール基および/または加水分解性シリル基は、後述の複合樹脂(A)の製造において一般式(3)で表される結合となってしまうために、最終生成物である複合樹脂(A)中のビニル系重合体セグメント(a2)には殆ど存在しない。しかしながらビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基が残存していても何ら問題はなく、前記重合性二重結合を有する基の硬化反応による塗膜形成の際に、該硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる硬化物のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた硬化物を形成することができる。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、具体的には、前記汎用モノマー、及び、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて得る。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、スチリルトリメトキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、bi-アダマンチルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。ドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましく、スチリルトリメトキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、bi-アダマンチルトリメトキシシラン等が好ましい。
また、後述のポリイソシアネート(B)等の反応性化合物を含有する際には、前記ビニル系重合体セグメント(a2)はアルコール性水酸基等の反応性官能基を有することが好ましい。例えばアルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得ることができる。アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、ポリエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、「プラクセルFMもしくはプラクセルFA」〔ダイセル化学(株)製のカプロラクトン付加モノマー〕等の各種α、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物、等が挙げられる。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが、反応が容易であり好ましい。
前記アルコール性水酸基量は、後述のポリイソシアネートの添加量から算出して適宜決定するのが好ましい。
(複合樹脂(A)の製造方法)
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
(方法1)前記酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、前記汎用の(メタ)アクリルモノマー等、及び、前記炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。これに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
該方法においては、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
(方法2)方法1と同様にして、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。
一方、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、とポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
(方法3)方法1と同様に、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。一方、方法2と同様にして、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。更に、重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物と、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
前記(方法1)〜(方法3)で使用する、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、前記(方法1)〜(方法3)で使用する、汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジメトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、ポリシロキサンセグメント(a1)がエポキシ基を有する場合には、エポキシ基含有シラン化合物を使用すればよい。
エポキシ基含有シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシイソプロピルシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
また、前記シラン化合物には、ホウ素、チタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシド化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。例えば、ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、上述の金属アルコキシド化合物の有する金属原子が、25モル%を超えない範囲で、併用することが好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。
使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応を行う際の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
前記(方法1)〜(方法3)における各々の化合物の仕込み比率は、所望とする本発明で使用する複合樹脂(A)の構造により適宜選択される。中でも、得られる塗膜の耐久性が優れることから、ポリシロキサンゼグメント(a1)の含有率が30〜80重量%となるよう複合樹脂(A)を得るのが好ましく、30〜75重量%が更に好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)において、ポリシロキサンセグメントとビニル系重合体セグメントをブロック状に複合化する具体的な方法としては、ポリマー鎖の片末端あるいは両末端のみに前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するような構造のビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法1)であれば、当該ビニル系重合体セグメントに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる方法が挙げられる。
一方、前記(方法1)〜(方法3)において、ビニル系重合体セグメントに対してポリシロキサンセグメントをグラフト状に複合化させる具体的な方法としては、ビニル系重合体セグメントの主鎖に対し、前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基をランダムに分布させた構造を有するビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法2)であれば、当該ビニル系重合体セグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、前記したポリシロキサンセグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる方法を挙げることができる。
(ドライエッチングレジスト材料)
本発明のドライエッチングレジスト材料は、重合開始剤を使用することが好ましい。重合開始剤としては、硬化方法に合わせて光重合開始剤と、熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としてはレジスト材料において公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
また、前記複合樹脂(A)にビニルエーテル基やエポキシ基などの光カチオン重合性基を有する場合は、光カチオン開始剤を併用することができる。光カチオン開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩等が挙げられ、これらはカチオン部分がそれぞれ芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族スルホニウムであり、アニオン部分がBF4−、PF6−、SbF6−、[BY4]−(ただし、Yは少なくとも2つ以上のフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)等により構成されたオニウム塩であるが好ましくは、安定性の観点よりリン系化合物であるカチオン重合開始剤である。具体的には四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジフェニルヨードニウム塩、アセチルアセトンアルミニウム塩とオルトニトロベンジルシリルエーテル混合体、フェニルチオピリジウム塩、六フッ化リンアレン−鉄錯体等を挙げることができる。
市販の光重合開始剤としては、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア1870、イルガキュア500、イルガキュア369、イルガキュア1173、イルガキュア2959、イルガキュア4265、イルガキュア4263、ダロキュアTPO、イルガキュアOXE01等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。また、イルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、CPI100P、CPI101A、CPI−200K、CPI210S(サンアプロ株式会社製)、アデカオプトマーSP300、SP150(株式会社ADEKA製)等のカチオン系光重合開始剤も使用することができる。
前記光重合開始剤の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
また、前記光重合開始剤と組合せて増感色素を併用することにより、感光性を大幅に向上させることができる。増感色素の具体例としては、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系などの色素類が挙げられる。
熱重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤として一般的に知られるものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が挙げられる。カチオン系熱重合開始剤としてはサンエイドSI60L、80L、100L(三新化学工業株式会社製)、サンアプロTA90、TA100、TA120、TA160(サンアプロ株式会社製)等を使用することができる。また、これらの重合開始剤は単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(反応性化合物)
本発明におけるドライエッチングレジスト材料には、複合樹脂(A)のほかに反応性化合物を含有しても良い。
反応性化合物としては、複合樹脂(A)との硬化反応に直接寄与する反応性基を有するポリマーまたはモノマーを使用することができる。特に、ポリイソシアネート(B)や活性エネルギー線硬化性モノマーといった、反応性希釈剤が特に好ましい。
前記複合樹脂(A)に反応性官能基を導入することで、複合樹脂(A)と反応性希釈剤とが3次元架橋するため、一般的に硬化性か上昇し、ドライエッチング時のパターン保持製に優れるレジスト膜を得ることができる。
反応性化合物としてポリイソシアネート(B)を使用する場合は、前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有することが好ましい。その際のポリイソシアネート(B)は、本発明のドライエッチングレジスト材料全量に対して5〜50重量%含有させることが好ましい。
使用するポリイソシアネート(B)としては特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類や、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と略す)、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート(B)と系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
また、紫外線硬化させる場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを含有するのが好ましい。多官能(メタ)アクリレートは、前述の通り、ポリイソシアネート(B)と反応させることからアルコール性水酸基を有するものが好ましい。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
また、前記多官能(メタ)アクリレートに併用して、単官能(メタ)アクリレートを併用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。単量体としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
また、前記反応性化合物として活性エネルギー線硬化性モノマーを使用する場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートまたは単官能(メタ)アクリレートを含有することができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、1,2−エタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、9、9ビスフェニルフルオレン骨格を有するジ(メタ)アクリレート、等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。特にドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、9、9ビスフェニルフルオレン骨格を有するジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体、ジルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。特にドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
同様に、活性エネルギー線硬化性モノマーを使用する場合は、必要に応じて多官能または単官能エポキシ樹脂を含有することができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、エポキシポリオールなどを用いることができる。
前記多官能および単官能アクリレートを用いる場合の使用量としては、本発明のドライエッチングレジスト材料の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートを前記範囲内で使用することによって、得られるレジスト膜の硬度等の物性を改善することができる。
本発明のドライエッチングレジスト材料を硬化する場合には、熱硬化及び光硬化が可能であるが、硬化スピードの観点から、光硬化が好ましい。特に活性エネルギー線硬化が好ましく、その中でも特に紫外線硬化が好ましい。
紫外線硬化させる際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、紫外線発光ダイオード等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、前記硬化性樹脂組成物の塗布面に照射することによって硬化させることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
一方、本発明で使用するドライエッチングレジスト材料を熱硬化させる場合には、各々の触媒を選択することが好ましい。
また、熱硬化性樹脂を併用することも可能である。熱硬化性樹脂としては、ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂あるいはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
また、塗工時の粘度を調整するために、有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
その他、本発明で使用するドライエッチングレジスト材料には、必要に応じて有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、又は可塑剤等の種々の添加剤等を使用することもできる。
本発明で使用するドライエッチングレジスト材料は、含有する複合樹脂(A)がポリシロキサンセグメント(a1)とビニル系重合体セグメント(a2)の両方を有する為、塗膜の表面滑性等を向上させることが可能なシリコン樹脂も、アクリル系の樹脂や活性エネルギー線硬化性モノマーも比較的相溶しやすい。そのため相溶性のよい組成物を得ることができる。
本発明のドライエッチングレジスト材料は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてその他の成分を含有させてもよい。例えば、グリシドキシアルキルトリメトキシシランや(メタ)アクリロイルオキシアクリルトリアルコキシシランシラン等の汎用のシランカップリング剤からなる接着性助剤、タルク、マイカ、クレー、シリカ、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、石膏、雲母、硫酸バリウム、炭酸バリウムや炭酸マグネシウム等の無機微粒子、顔料や染料等の着色物質、退色防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤や潤滑剤等の塗料添加剤、を挙げることができる。
(レジスト膜)
本発明のドライエッチングレジスト材料を基材に積層し、硬化することで、レジスト膜及びレジスト膜を有する積層体を得ることができる。
レジスト膜の形成方法については、公知慣用の方法を用いればよく、例えば基材表面に液状のドライエッチングレジスト材料である、レジスト液を塗布したうえで、硬化することで得ることができる。液状のドライエッチングレジスト材料とする場合、ドライエッチングレジスト材料中の全固形分の濃度は、塗布性(例えば、塗布および溶媒除去後の膜厚が所望の範囲内に収まること、当該膜厚が被加工表面全体に均一性であること、被加工表面に多少の凹凸があっても当該凹凸に追随して均一な厚みの塗膜が形成されること、等)等を考慮すると、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.7質量%以上2質量%以下である。具体的には、塗膜の膜厚が10nm〜50μmとなるように調整すればよく、より好ましくは50nm〜5μmである。
本発明のドライエッチングレジスト材料は、微細パターン加工が可能であるため、膜厚は1μm以下でも可能である。
使用する溶媒としては、公知のレジスト材料に使用される有機溶媒であればよく、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明のレジスト膜は、本発明のドライエッチングレジスト材料を、押出成形等の公知の成形方法でフィルム状に成膜し、あるいは仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成された光硬化性組成物層表面を被覆フィルムで覆った、処理対象となる表面に加熱圧着し積層するものであってもよい。この時使用する仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムがレジスト膜の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に本発明のレジスト材料を塗布し乾燥させて本発明のレジスト膜を作製することができ、また、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず本発明のレジスト材料を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、本発明のレジスト膜を作製することもできる。
また本発明のレジスト膜は、本発明のドライエッチングレジスト材料を、処理対象となる表面上に塗布し、溶媒を蒸発させて除くことにより形成する塗布膜から作成されるものであってもよい。塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。生産性に優れ膜厚のコントロールが容易であるという点でスピンコート法を用いることが好ましい。
〔積層体〕
本発明の積層体は、本発明のレジスト膜を基板に積層してなる積層体である。用いる基板は、本発明のレジスト膜の目的により異なるが、例えば石英、サファイア、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Al、Ni、Cu、Cr、Fe、ステンレス等の金属基材、スクリーンメッシュ、紙、木材、シリコン等の合成樹脂、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基材、TFTアレイ基材、サファイアやGaN等の発光ダイオード(LED)基材、ガラスや透明プラスチック基材、インジウム錫オキサイド(ITO)や金属等の導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコーン、酸化シリコン、アモルファスシリコン等の半導体作製基材等が挙げられる。これらのものは光透過性でも非光透過性であってもよい。
また、基材の形状も特に限定はなく、平板、シート状、あるいは3次元形状全面にまたは一部に曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また基材の硬度、厚み等にも特に制限はない。
また、基板は合成樹脂等からなるレジスト下層膜を既に積層してあってもよく、複数層レジストにも用いることが可能である。
〔パターン形成方法〕
本発明におけるレジスト膜は、様々な方法でパターンを形成することが可能である。例えば、フォトリソグラフィー法、レーザー直接描画法のような、フォトレジスト法でもよく、パターンを形成済みのモールドを硬化前のレジスト膜に押し付けた状態で硬化してパターン形成レジスト膜を作成し、その後モールドを剥離することでもパターンを形成することができる。
リソグラフィー法の例としては、例えば、処理対象となる基板に、前記方法にて成膜して硬化前のレジスト膜を積層後、マスクフィルムを通して活性光により画像露光する。露光の際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線発光ダイオード、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。光照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
一方、レーザー直接描画法の例としては、前記方法にて成膜して硬化前のレジスト膜を積層後、波長350〜430nmのレーザー光により走査露光する。その露光光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、波長域350〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、その中心波長が約405nmのものであることが更に好ましい。具体的には、405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー等が挙げられる。また、レーザー光源による走査露光方法は、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、走査露光条件としては、レーザーの出力光強度を、好ましくは1〜100mW、更に好ましくは3〜70mW、発振波長を、好ましくは390〜430nm、更に好ましくは400〜420nm、ビームスポット径を、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは4〜20μm、走査速度を、好ましくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜400m/秒、走査密度を、好ましくは2,000dpi以上、更に好ましくは4,000dpi以上として、走査露光する。
次いでアルカリ水溶液を用いて未露光部の未硬化部分を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いる。これらのアルカリ水溶液は感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
モールドを用いたパターン形成の場合、前記方法にて作製した膜に、パターンが形成されたモールドを押し付ける用に接触させ、保持した状態でドライエッチングレジスト材料を硬化させることにより、レジスト膜にパターンを形成することができる。本発明のドライエッチングレジスト材料は、特に100nm以下のパターンを形成できるナノインプリントにも好適に使用することが可能である。
ナノインプリントとは、あらかじめ電子線リソグラフィー等により所定の微細凹凸パターンを作成したナノインプリント用モールドを、レジストを塗布した基板に押し付け、ナノインプリント用モールドの凹凸を基板のレジスト膜に転写する手法である。一回の処理にかかる時間は、例えば1平方インチ以上の領域においては、レーザー直接描画法と比較して非常に短くて済むという特徴がある。
凹凸構造を有するナノインプリント用モールドを押し付ける工程は、具体的には、ナノインプリント用モールドを押圧しながら、前記ドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜をモールドの微細形状に押入する。その際、モールドの微細形状に対して前記ドライエッチングレジスト材料がより追従するように、加熱して粘度を下げながら押圧することもできる。その後、紫外線を照射して前記ドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜を硬化してからナノインプリント用モールドを分離することによって、ナノインプリント用モールドに形成されている微細形状が前記ドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜表面に形成されたパターンを得ることができる。
具体的には、基材表面に設けたドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜上にナノインプリント用モールドを押し付けるように接触させ、狭持する。ナノインプリント用モールドは大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するような平面状原版のアップダウン方式、ベルト状原版の貼り合わせ方式、ロール状原版のロール転写方式、ロールベルト状原版のロール転写方式等の方法で接触させる方法も好ましい。ナノインプリント用モールドの材質としては、光を透過する材質として、石英ガラス、紫外線透過ガラス、サファイア、ダイアモンド、ポリジメチルシロキサン等のシリコン材料、フッ素樹脂、その他光を透過する樹脂材料等が挙げられる。また、使用する基材が光を透過する材質であれば、ナノインプリント用モールドは光を透過しない材質でもよい。光を透過しない材質としては、金属、シリコン、SiC、マイカ等が挙げられる。
ナノインプリント用モールドは前述の通り平面状、ベルト状、ロール状、ロールベルト状等の任意の形態のものを選択できる。浮遊ゴミ等による原版の汚染防止等の目的で、転写面に従来公知の離型処理を施すことは好ましい。
(硬化工程)
硬化の方法は、モールドが光を透過する材質の場合はモールド側から光を照射する方法や、基材が光を透過する材質の場合は基材側から光を照射する方法が挙げられる。光照射に用いる光としては、光重合開始剤が反応する光であればよく、中でも、光重合開始剤が容易に反応し、より低温で硬化させることができる面から、450nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。操作性の面から200から450nmの波長の光が特に好ましい。具体的には、前述の紫外線硬化させる際に使用する光を使用することができる。
また、形成するパターンの追従性に不具合があれば、光照射時に十分な流動性が得られる温度まで加熱させてもよい。加熱する場合の温度は、300℃以下が好ましく、0℃から200℃がより好ましく、0℃から150℃がさらに好ましく、25℃から80℃が特に好ましい。該温度範囲において、前記ドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜に形成される微細パターン形状の精度が高く保持される。
上記のいずれの方式についても、大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するように反応機内を搬送する方法で硬化する方法も好ましい。
(離型工程)
硬化工程後、成形体をモールドから剥離することにより、モールドの凹凸パターンを転写した凸凹パターンが前記ドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜の硬化物の表面に形成されたレジスト膜が得られる。基材の反り等の変形を抑えたり、凸凹パターンの精度を高めたりする面で、剥離工程の温度としては、レジスト膜の温度が常温(25℃)付近まで冷却した後に実施する方法や、レジスト膜がまだ加熱状態の時に剥離する場合であっても、レジスト膜に一定の張力を与えた状態で常温(25℃)付近まで冷却する方法が好ましい。
〔ドライエッチングレジスト〕
上記方法によりパターンが形成されたレジスト膜を有する積層体をドライエッチングすることで、パターンを基板に良好に形成することが可能であり、ドライエッチングによりパターンが形成されたパターン形成物を得ることができる。
本発明のドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜は、ドライエッチング耐性に優れるため、該エッチングの際にもパターン等が崩れることがなく、微細なエッチングパターンを供することができる。それにより、レジストに形成されたパターンを精度良く基板に転写できることから、得られるパターン形成物はパターン再現性に優れたパターン形成物を得ることができる。
ドライエッチングに使用するガスとしては、公知慣用のものを用いればよく、例えば酸素、一酸化炭素、二酸化炭素などの酸素原子含有ガス、ヘリウム、窒素、ある強盗の不活性ガス、塩素、塩化ホウ素などの塩素系ガス、フッ素系ガス、水素ガス、アンモニアガス等を使用することができ、これらのガスは単独でも、適時混合して用いてもかまわない。
これらのエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基材上に所望のパターンを形成することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
(合成例1〔ポリシロキサン(a1−1)の調整例〕)
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
(合成例2〔ビニル系重合体(a2−1)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−1)が得られた。
(合成例3[ビニル系重合体(a2−2)の調製例])
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 14.5部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 2部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA) 105部、アクリル酸(AA) 7.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 15部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 6部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−2)が得られた。
(合成例4〔複合樹脂(A−1)の調製例〕)
前記合成例2で得たビニル系重合体(a2−1)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−1) 600部を得た。
(合成例5[複合樹脂(A−2)の調製例])
前記合成例3で得たビニル系重合体(a2−2)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−2)とを有する複合樹脂(A−2)600部を得た。
(合成例6〔ポリシロキサン(a1−2)の調整例〕)
合成例1と同様の反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、スチリルトリメトキシシラン682部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「A−3」0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75%であるポリシロキサン(a1−2) 900部を得た。
(合成例7[ビニル系重合体(a2−3)の調製例])
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、スチレン(St)75部、メチルメタクリレート(MMA) 63部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 7.5部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 6部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−3)が得られた。
(合成例8[複合樹脂(A−3)の調製例])
前記合成例7で得たビニル系重合体(a2−3)307部に、合成例16で得られたポリシロキサン(a1−2) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 9.6部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−2)とビニル系重合体セグメント(a2−3)とを有する複合樹脂(A−3)600部を得た。
(合成例9〔ポリシロキサン(a1−3)の調整例〕)
合成例1と同様の反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)719部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−3) 1000部を得た。
(合成例10[複合樹脂(A−4)の調製例])
前記合成例3で得たビニル系重合体(a2−2)307部に、合成例9で得られたポリシロキサン(a1−3) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 9.6部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−3)とビニル系重合体セグメント(a2−2)とを有する複合樹脂(A−4)600部を得た。
(実施例1)
(レジスト組成物の調製例)
合成例4で得られた複合樹脂(A−1) 108.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 20.2部、イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]3.2部、チヌビン123[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製] 0.74部を混合することによってレジスト組成物(組成物−1)を得た。
(均一塗布レジスト膜の作製例)
組成物−1をシリコンウエハ基材上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃、1分間加熱した後、レジスト組成物側からピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、1000mJ/cmの光量で光照射してレジスト膜を硬化させ、基材面上に0.5μmの均一な厚みのレジスト膜(1)を得た。同様な方法により、白板ガラス基材上に均一塗布レジスト膜(2)、石英ガラス基材上に均一塗布レジスト膜(3)、サファイア基材面上に均一塗布レジスト膜(4)を得た。
(パターンレジスト膜の作製方法)
組成物−1をシリコンウエハ基材上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃、1分間加熱した後、表面に幅200nm、ピッチ200nm、高さ200nmのラインアンドスペース構造を有する石英ガラス製の平板状のモールドを押し付けて、ピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、この状態でレジスト組成物側から1000mJ/cmの光量で光照射して硬化させ、その後モールドとシリコンウエハ基材を剥離し、ラインアンドスペース状のパターンを有するレジスト膜(5)を得た。同様な方法により、白板ガラス基材上にパターンレジスト膜(6)、石英ガラス基材上にパターンレジスト膜(7)、サファイア基材上にパターンレジスト膜(8)を得た。
(実施例2)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でレジスト組成物(組成物−2)を得た。
実施例1と同様にして、均一塗布レジスト膜(9)〜(12)及びパターンレジスト膜(13)〜(16)を得た。
(比較例1)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でレジスト組成物(比組成物−1)を得た。
実施例1と同様にして、均一塗布レジスト膜(H1)〜(H4)及びパターンレジスト膜(H5)〜(H8)を得た。
(実施例3)
(レジスト組成物の調製例)
第3表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でレジスト組成物(組成物−3)を得た。
実施例1と同様にして、均一塗布レジスト膜(17)〜(20)及びパターンレジスト膜(21)〜(24)を得た。
(実施例4)
(レジスト組成物の調製例)
第3表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でレジスト組成物(組成物−4)を得た。
実施例1と同様にして、均一塗布レジスト膜(25)〜(28)及びパターンレジスト膜(29)〜(32)を得た。
(実施例5)
(レジスト組成物の調製例)
第4表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でレジスト組成物(組成物−5)を得た。
実施例1と同様にして、均一塗布レジスト膜(33)〜(36)及びパターンレジスト膜(37)〜(40)を得た。
(評価)
前記実施例1〜5及び比較例1で得た、レジスト膜(1)〜(40)、(H1)〜(H8)の評価は次の通り行った。
(ドライエッチング耐性)
得られたシリコンウエハ基材上のレジスト膜(1)、(5)、(9)、(13)、(17)、(21)、(25)、(29)、(33)、(37)、(H1)、(H5)に対し、株式会社ユーテック社製デスクトップシリーズ Plasma Etchingを用いてCF4/02の混合系ガスをそれぞれ40sccm及び10sccmの流量で供給し、0.8Paの真空下で1分間プラズマドライエッチングを行った後、残存膜厚を測定し、1分間当たりのエッチング速度を算出した。
得られた白板ガラス基材上のレジスト膜(2)、(6)、(10)、(14)、(18)、(22)、(26)、(30)、(34)、(38)、(H2)、(H6)に対し、株式会社エリオニクス社製EIS−700を用いてSF6/C4F8の混合系ガスをそれぞれ20sccm及び5sccmの流量で供給し、0.4Paの真空下で1分間プラズマエッチングを行った後、残存膜厚を測定し、1分間当たりのエッチング速度を算出した。
得られた石英ガラス基材上のレジスト膜(3)、(7)、(11)、(15)、(19)、(23)、(27)、(31)、(35)、(39)、(H3)、(H7)に対し、株式会社エリオニクス社製EIS−700を用いてSF6/C4F8の混合系ガスをそれぞれ20sccm及び5sccmの流量で供給し、0.4Paの真空下で1分間プラズマエッチングを行った後、残存膜厚を測定し、1分間当たりのエッチング速度を算出した。
得られたサファイア基材上のレジスト膜(4)、(8)、(12)、(16)、(20)、(24)、(28)、(32)、(36)、(40)、(H4)、(H8)に対し、SAMCO株式会社製RIE−101iPHを用いてBCl3/Cl2/Arの混合系をそれぞれ20sccm、15sccm及び20sccmの流量で供給し、0.7Paの真空下で1分間プラズマエッチングを行った後、残存膜厚を測定し、1分間当たりのエッチング速度を算出した。
得られたエッチング速度を比較例1の値が1となるように規格化した。規格値が小さい程、ドライエッチング耐性に優れていることを示しており、以下のように評価した。
◎:規格化したエッチング速度が0以上、0.3未満
○:規格化したエッチング速度が0.3以上、0.6未満
△:規格化したエッチング速度が0.6以上、1未満
×:規格化したエッチング速度が1以上
(パターン再現性評価)
パターンレジスト膜(5)〜(8)、(13)〜(16)、(21)〜(24)、(29)〜(32)、(37)〜(40)、(H5)〜(H8)のパターンの、ドライエッチング後の基板への転写後の精度の再現性を以下のように評価した。
◎:パターン側壁の垂直性が高く、矩形性の高い断面形状であり、ラインパターンのエッジ乱れが少ないもの
○:パターン側壁の垂直性が高く、矩形性の高い断面形状であるもの
×:パターン側壁の垂直性が悪く、矩形性に劣るもの
実施例1〜2及び比較例1のレジスト組成物の組成、及び得られたレジスト膜のエッチング速度の評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005983151
Figure 0005983151
Figure 0005983151
Figure 0005983151
表1〜4の略語について。
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
※1 硬化性樹脂組成物の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
※2 複合樹脂(A)の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
DN902S:バーノック 902S(イソシアネート化合物 DIC株式会社製)である。
PBA:フェニルベンジルアクリレートである。
TCDDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレートである。
EPICLON840:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製)である。
I−184:イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン123:[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製]である。
この結果、実施例1〜5で評価したレジスト組成物(組成物−1)〜(組成物−5)を使用したレジスト膜(1)〜(44)は、いずれもドライエッチング耐性に優れていた。
比較例1で得たレジスト膜は複合樹脂(A)および(B)を含まない例であるが、ドライエッチング耐性およびパターン再現性評価が劣っていた。
本発明の硬化性組成物を使用したレジスト膜は、様々な応用、例えばモールドフィルム、ナノ・マイクロ光学要素、光学素子、表示素子、電子ペーパー、ストレージ、MEMS・PCB実装材料、微量生化学分析や微量化学合成、バイオ応用を目的とした高機能3次元ナノ・マイクロ流路、次世代電子素子、DNAチップ等にも利用することが可能である。

Claims (10)

  1. 一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、更にエポキシ基を有することを特徴とする、
    ドライエッチングレジスト材料。
    Figure 0005983151
    (1)
    Figure 0005983151
    (2)
    (一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但し、Rは単結合、アリール基又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表す)
    Figure 0005983151

    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  2. 一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有し、前記ビニル系重合体セグメント(a2)が、アルコール性水酸基を有することを特徴とする、
    ドライエッチングレジスト材料。
    Figure 0005983151
    (1)
    Figure 0005983151
    (2)
    (一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但し、Rは単結合、アリール基又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表す)
    Figure 0005983151

    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  3. 前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、更にエポキシ基を有する、請求項2に記載のドライエッチングレジスト材料。
  4. 更にポリイソシアネート(B)を含有する、請求項2または3に記載のドライエッチングレジスト材料。
  5. 前記ビニル系重合体セグメント(a2)が、芳香環または環状炭化水素基を有する、請求項1から4のいずれかに記載のドライエッチングレジスト材料。
  6. 請求項1から5の何れかに記載のドライエッチングレジスト材料を硬化したことを特徴とする、レジスト膜。
  7. パターンが形成されたものである、請求項6に記載のレジスト膜。
  8. パターンがナノインプリントパターンである、請求項7に記載のレジスト膜。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載のレジスト膜が基板に積層されていることを特徴とする、積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体に積層されたレジスト膜に形成されたパターンをマスクとして、基板をドライエッチングすることにより基板にパターンを形成することを特徴とする、パターン形成方法。
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