JP5787179B2 - 樹脂モールド用硬化性樹脂組成物、樹脂モールド及びそれを用いて作製されたレプリカモールド - Google Patents

樹脂モールド用硬化性樹脂組成物、樹脂モールド及びそれを用いて作製されたレプリカモールド Download PDF

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本発明は、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物、樹脂モールド及びそれを用いて作製されたレプリカモールドに関する。
微細な凹凸パターンが形成された樹脂成形体を作製する技術として、モールドを樹脂に押し付けた状態で硬化させる技術が知られている。とくに、微細なパターンのサイズがナノオーダーである場合、ナノインプリントとして知られている。このように、モールドを用いてパターンを形成する方法は、リソグラフィーや直接描画法を用いるよりも、低コストかつ短時間で製造が可能という特徴がある。
一般的に、マスターモールドと呼ばれる最初の鋳型を作成し、該マスターモールドから直接樹脂成形物を作成したり、マスターモールドを金属モールドに転写後、樹脂成形物を作成することができる。
しかし、最初の鋳型として用いるマスターモールドは、石英やシリコン製であり、電子線描画法などで作製されるが、製造には非常にコストかかかることが知られている。特にナノオーダーの微細パターンを形成した、ナノインプリント用のマスターモールドの場合、高価なだけでなく微細パターンの形成に非常に時間がかかる。
また、マスターモールドから金属製レプリカモールドを作成する場合、金属めっき後にレプリカモールドを取り出す際には、マスターモールドを破壊する必要があり、コストの面から問題であった。また、レプリカモールドとして樹脂成形体を作成した場合では、マスターモールドからの剥離性が不十分であることから、マスターモールドの微細パターンが欠損したり、変形したりと、その後の転写性に問題があった。
そこで、マスターモールドから樹脂モールドを作製し、その樹脂モールドから金属モールドを作製する方法であって、該樹脂モールドがエポキシ基を有するビニルモノマー等から作製されることが、特許文献1で開示されている。樹脂モールドを解することによって、マスターモールドを破損せずにレプリカモールドが作製できるが、当該樹脂モールドは剥離性が悪い為、ガラス転移点以上に加熱するか、溶剤に浸漬するなどの操作が必要であるという課題は解決されていない。
特開2011−25677号公報
本発明が解決しようとする課題は、ナノオーダーの微細パターンの転写が可能で、かつ剥離性に優れた樹脂モールド用硬化性樹脂組成物、及び樹脂モールドを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のシロキサン樹脂を含有する樹脂モールド用硬化性樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を提供する。
Figure 0005787179
(1)
Figure 0005787179

(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合、アリール基、又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基、または上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基を表す)
Figure 0005787179

(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
また本発明は、前記記載の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を硬化してなる樹脂モールドを提供する。
また本発明は、前記樹脂モールドから作成されるレプリカモールド、及びレプリカモールドの製造方法を提供する。
本発明により、ナノオーダーサイズのパターンでも転写が可能で、マスターモールド及びレプリカモールドからの剥離性に優れた、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を得ることができる。
(複合樹脂(A))
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。前記一般式(3)で表される結合は、得られる樹脂モールドの耐擦傷性および離形性に優れるためモールドとして繰返しの使用に耐えることができ、ナノオーダーサイズのパターン転写が可能であり、マスターモールドからの剥離性にも優れ、好ましい。
Figure 0005787179

(3)
後述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、後述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが脱水縮合反応して、前記一般式(3)で表される結合が生じる。従って前記一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
(ポリシロキサンセグメント(a1))
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。
また、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位中には、重合性二重結合を有する基を有していてもよい。
また、本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、更にエポキシ基を有していてもよい。
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、重合性二重結合を有する基を有していてもよい。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合、アリール基、又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基、または上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基を表す。
また前記Rにおける前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもRは、原料の入手の容易さから単結合、アリール基、または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基とは、具体的には炭素原子数が1〜6のフルオロアルキル基、ポリフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基; または炭素原子数が3〜8のフルオロシクロアルキル基、ポリフルオロシクロアルキル基、パーフルオロシクロアルキル基; またはフルオロアリール基、ポリフルオロアリール基、パーフルオロアリール基; または炭素原子数が7〜12のフルオロアラルキル基、ポリフルオロアラルキル基、パーフルオロアラルキル基; 等が挙げられ、
例えばフルオロアルキル基、ジフルオロアルキル基、トリフルオロアルキル基、ポリフルオロアルキル基などが挙げられ、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基等が挙げられる。
また、R、R及びRの少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基であることが好ましく、具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)で表される構造単位のみを有する場合にはRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(2)で表される構造単位のみを有する場合にはR及び/又はRが前記重合性二重結合を有する基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)と一般式(2)で表される構造単位の両方を有する場合には、R、R及びRの少なくとも1つが重合性二重結合を有する基であることが好ましい。
また、本発明のポリシロキサンセグメント(a1)はエポキシ基を有することが好ましく、R、R及びRの少なくとも1つが、エポキシ基を有する基であることが好ましい。
本発明においては、前記重合性二重結合は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、耐擦傷性に優れた樹脂モールドを得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜20重量%であれば、所望の耐擦傷性を得ることができる。
なおここで重合性二重結合の含有率の計算は、−CH=CHを有する基であれば分子量を27とし、−C(CH)=CHを有する基であれば分子量を41として計算した。
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、製造時にゲル化等を生じることもなく、得られる複合樹脂の長期保存安定性も良好となる。
(シラノール基および/または加水分解性シリル基)
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また本発明において加水分解性シリル基とは、珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基であり、具体的には、例えば、一般式(4)で表される基が挙げられる。
Figure 0005787179

(4)
(一般式(4)中、Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、Rはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基である。またbは0〜2の整数である。)
前記Rにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等、が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記Rにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
フッ素原子を含む場合、得られた樹脂モールドの離型性に優れるため、特に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
前記Rで表される加水分解性基が加水分解されることにより、一般式(4)で表される加水分解性シリル基はシラノール基となる。加水分解性に優れることから、中でも、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
前記シラノール基や前記加水分解性シリル基は、紫外線硬化による塗膜形成の際に、紫外線硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる樹脂モールドのポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた樹脂モールドを形成することができる。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述の酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
ポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有する以外は特に限定はなく、他の基を含んでいてもよい。例えば、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル等のアルキル基および/またはパーフルオロメチル等のフルオロアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるRがメチル基等のアルキル基および/またはパーフルオロメチル等のフルオロアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基および/またはパーフルオロメチル等のフルオロアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるRが前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR及びRがメチル基等のアルキル基および/またはパーフルオロメチル等のフルオロアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
上記のほか、ポリシロキサンセグメント(a1)に含まれる、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基を含む構造単位のR1、R2、R3、R4、R5、R6の水素の一部をフッ素に置換することによって、モールド用樹脂として使用した場合の被転写物に対する離形性を向上させることができる。ポリシロキサンセグメント(a1)中のフッ素成分量は、後述のビニル系重合体セグメント(a2)中のフッ素成分量との関係により適宜選択できる。フッ素成分は、樹脂モールドの表面エネルギーを下げることによって被転写物の離形性を高めるだけでなく、ポリシロキサンセグメント(a1)に含まれるフッ素成分が(a1)セグメント部分の表面エネルギーを低下させるため、(a1)セグメント部分がモールド表面に露出するよう助長する。表面に現れたポリシロキサンセグメントはフッ素系もしくはシリコーン系のシランカップリング剤といった離型剤による処理を容易く行うことができ、また改質効果を長時間にわたって保持できるため、モールドとして繰返しの使用やナノオーダーサイズのパターン転写を可能とし、好ましい。フッ素系離型剤としてはオプツールDSX、オプツールHD1100、オプツールHD2100等が好ましい。
具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)としては、例えば以下の構造を有するもの等が挙げられる。
Figure 0005787179
Figure 0005787179
Figure 0005787179
Figure 0005787179
Figure 0005787179

Figure 0005787179
Figure 0005787179
Figure 0005787179
Figure 0005787179
本発明においては、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を複合樹脂(A)の全固形分量に対して、10〜90重量%含むことが好ましく、高度な耐擦傷性と成形性を両立させることが可能となる。中でも10〜60重量%含むことが好ましい。
(複合樹脂(A) ビニル系重合体セグメント(a2))
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。これらは用途により適宜選択することが好ましい。
例えばアクリル系重合体は、汎用の(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合させて得られる。(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく、またビニルモノマーも共重合可能である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等の3級アミド基含有モノマー類等が挙げられる。
(フッ素含有モノマー)
前記複合樹脂(A)において、フッ素含有モノマーを共重合させることができる。フッ素が存在することで、樹脂モールドの離型性がより優れるため、好ましい。
ビニル系重合体セグメント(a2)にフッ素含有モノマーを共重合させる場合、フッ素化アルキル基を含有するラジカル重合性不飽和モノマーを用いることが好ましい。
(フッ素化アルキル基を有するラジカル重合性不飽和モノマー)
フッ素化アルキル基(フッ素原子1〜3個が結合している炭素原子1個又は2個以上が連結された官能基、フッ素化アルキル基中の炭素原子が不飽和結合であるもの、フッ素化アルキル基中の炭素原子が酸素原子によるエーテル結合によって連結されたものなど)を有するラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005787179
(上記一般式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基又は−CnH2n−Rf’(nは1〜8の整数を表し、Rf’は下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)を表し、R’は、下記式(R’−1)〜(R’−10)のいずれか1つの基を表し、Rfは下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)
Figure 0005787179
(上記式(R’−1)、(R’−3)、(R’−5)、(R’−6)及び(R’−7)中
のnは1〜8の整数を表す。上記式(R’−8)、(R’−9)及び(R’−10)中の
mは1〜8の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。上記式(R’−6)及び(R’−7
)中のRf’’は下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。)
Figure 0005787179
(上記式(Rf−1)及び(Rf−2)中のnは1〜6の整数を表す。上記式(Rf−3
)中のnは2〜6の整数を表す。上記式(Rf−4)中のnは4〜6の整数を表す。上記
式(Rf−5)中のmは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、かつm及びnの
合計は1〜5である。上記式(Rf−6)中のmは0〜4の整数であり、nは1〜4の整
数であり、pは0〜4の整数であり、かつm、n及びpの合計は1〜5である。)
上記一般式(1)で表される単量体中でも、フッ素化アルキル基の炭素原子数が4〜6
のものが撥液性の優れる点で好ましい。好ましいモノマー(f1)のより具体的な例として
、下記の単量体(f1−1)〜(f1−15)が挙げられる。
Figure 0005787179
(上記の式(f1−6)、(f1−7)、(f1−13)、(f1−14)及び(f1−
13)中のnは、3又は5を表す。)
また、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端にラジカル重合性基を有する構造部位を有する化合物を用いても良い。
Figure 0005787179
上記構造式F−1〜F−10で表されるものが挙げられる。なお、上記の各構造式中における「−PFPE−」は、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を示す。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
(酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2))
本発明における樹脂モールドは、剥離性に優れるために、アルカリ洗浄を必要としないが、ナノインプリントのような非常に複雑な形状を現像する場合においては、アルカリ洗浄を行っても良い。アルカリ洗浄としては、樹脂モールドとレプリカモールドをいっしょにアルカリ溶液に浸漬し、樹脂モールドを溶解させても良いし、樹脂モールドとレプリカモールドとを剥離する際に残膜が発生した場合にアルカリ液で洗い流しても良い。
樹脂モールドをアルカリ洗浄可能なアルカリ溶解性とするために、本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、酸基を有するアクリル重合体、フルオロオレフィン重合体、ビニルエステル重合体、芳香族系ビニル重合体及びポリオレフィン重合体等のビニル重合体セグメントであることが好ましい。中でも酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させたアクリル系重合体セグメントが、得られる塗膜の優れた透明性の点から好ましい。
酸基を含有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸等の、各種の不飽和カルボン酸類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−ブチル等の、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコール類との各種のモノエステル類(ハーフエステル類);アジピン酸モノビニルまたはコハク酸モノビニル等の、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸または無水トリメリット酸等の、各種の飽和ポリカルボン酸の無水物類、等が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸が、反応が容易であり好ましい。
前記した酸基の含有量は、複合樹脂(A)の酸価に換算して30〜400KOHmg/gの範囲となるように含有することが好ましい。30KOHmg/g以上であればアルカリ溶解性に優れ、400KOHmg/gを以下であると合成時のゲル化が抑えられる為、好ましい。特に300KOHmg/g以下であると、アルカリ溶解性と樹脂モールドの剥離性が両立できる為、特に好ましい。
前記ビニル系重合体セグメント(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲が、基材上に層を形成させる際に良好な硬化膜を形成できる等の理由からなお好ましい。
また前記ビニル系重合体セグメント(a2)は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)とするために、ビニル系重合体セグメント(a2)中の炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する。これらのシラノール基および/または加水分解性シリル基は、後述の複合樹脂(A)の製造において一般式(3)で表される結合となってしまうために、最終生成物である複合樹脂(A)中のビニル系重合体セグメント(a2)には殆ど存在しない。しかしながらビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基が残存していても何ら問題はなく、前記重合性二重結合を有する基の硬化反応による塗膜形成の際に、該硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる硬化物のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた硬化物を形成することができる。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、具体的には、前記汎用モノマー、及び、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて得る。
炭素原子に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、後述のポリイソシアネート(B)等の反応性化合物を含有する際には、前記ビニル系重合体セグメント(a2)はアルコール性水酸基等の反応性官能基を有することが好ましい。例えばアルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得ることができる。アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、ポリエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、「プラクセルFMもしくはプラクセルFA」〔ダイセル化学(株)製のカプロラクトン付加モノマー〕等の各種α、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物、等が挙げられる。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが、反応が容易であり好ましい。
前記アルコール性水酸基量は、後述のポリイソシアネートの添加量から算出して適宜決定するのが好ましい。
(複合樹脂(A)の製造方法)
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
(方法1)前記酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、前記汎用の(メタ)アクリルモノマー等、及び、前記炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。これに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
該方法においては、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
(方法2)方法1と同様にして、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。
一方、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、とポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
(方法3)方法1と同様に、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。一方、方法2と同様にして、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。更に、重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物と、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。
前記(方法1)〜(方法3)で使用する、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、前記(方法1)〜(方法3)で使用する、汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジメトキシシラン等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、ポリシロキサンセグメント(a1)がエポキシ基を有する場合には、エポキシ基含有シラン化合物を使用すればよい。
エポキシ基含有シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルジアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジアセトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシジイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルアセトキシジイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシメチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシエチルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシエチルシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシエトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシメトキシイソプロピルシラン、γ−グリシドキシプロピルアセトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシエトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシアセトキシイソプロピルシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルエトキシアセトキシイソプロピルシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、フッ素化アルキル基を有するシランカップリング剤も使用することができ、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等があげられ、市販品としては、信越化学(株)のKBM−7013などが挙げられる。前記複合樹脂(A)がフッ素原子を含む場合、得られた樹脂モールドの離型性に優れるため、特に好ましい。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
また、前記シラン化合物には、ホウ素、チタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシド化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。例えば、ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、上述の金属アルコキシド化合物の有する金属原子が、25モル%を超えない範囲で、併用することが好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。
使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応を行う際の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
前記(方法1)〜(方法3)における各々の化合物の仕込み比率は、所望とする本発明で使用する複合樹脂(A)の構造により適宜選択される。中でも、得られる塗膜の耐久性が優れることから、ポリシロキサンゼグメント(a1)の含有率が30〜80重量%となるよう複合樹脂(A)を得るのが好ましく、30〜75重量%が更に好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)において、ポリシロキサンセグメントとビニル系重合体セグメントをブロック状に複合化する具体的な方法としては、ポリマー鎖の片末端あるいは両末端のみに前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するような構造のビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法1)であれば、当該ビニル系重合体セグメントに、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる方法が挙げられる。
一方、前記(方法1)〜(方法3)において、ビニル系重合体セグメントに対してポリシロキサンセグメントをグラフト状に複合化させる具体的な方法としては、ビニル系重合体セグメントの主鎖に対し、前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基をランダムに分布させた構造を有するビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法2)であれば、当該ビニル系重合体セグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、前記したポリシロキサンセグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる方法を挙げることができる。
(樹脂モールド用硬化性樹脂組成物)
本発明の樹脂モールド用硬化性組成物において、樹脂モールド用硬化性組成物の全固形分中に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有量に特に制限はないが、10〜90重量%であることが好ましい。10%以上であれば、含有するシラノール基および/または加水分解性シリル基の硬化により、離型性に優れるため好ましい。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては、硬化方法に合わせて光重合開始剤と、熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては光硬化性樹脂組成物において公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
また、前記複合樹脂(A)にビニルエーテル基やエポキシ基などの光カチオン重合性基を有する場合は、光カチオン開始剤を併用することができる。光カチオン開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩等が挙げられ、これらはカチオン部分がそれぞれ芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族スルホニウムであり、アニオン部分がBF4−、PF6−、SbF6−、[BY4]−(ただし、Yは少なくとも2つ以上のフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)等により構成されたオニウム塩であるが好ましくは、安定性の観点よりリン系化合物であるカチオン重合開始剤である。具体的には四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジフェニルヨードニウム塩、アセチルアセトンアルミニウム塩とオルトニトロベンジルシリルエーテル混合体、フェニルチオピリジウム塩、六フッ化リンアレン−鉄錯体等を挙げることができる。
市販の光重合開始剤としては、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア1870、イルガキュア500、イルガキュア369、イルガキュア1173、イルガキュア2959、イルガキュア4265、イルガキュア4263、ダロキュアTPO、イルガキュアOXE01等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。また、イルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、CPI100P、CPI101A、CPI−200K、CPI210S(サンアプロ株式会社製)、アデカオプトマーSP300、SP150(株式会社ADEKA製)等のカチオン系光重合開始剤も使用することができる。
前記光重合開始剤の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
また、前記光重合開始剤と組合せて増感色素を併用することにより、感光性を大幅に向上させることができる。増感色素の具体例としては、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系などの色素類が挙げられる。
熱重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤として一般的に知られるものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が挙げられる。カチオン系熱重合開始剤としてはサンエイドSI60L、80L、100L(三新化学工業株式会社製)、サンアプロTA90、TA100、TA120、TA160(サンアプロ株式会社製)等を使用することができる。また、これらの重合開始剤は単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(反応性化合物)
本発明における樹脂モールド用硬化性樹脂組成物には、複合樹脂(A)のほかに反応性化合物を含有しても良い。
反応性化合物としては、複合樹脂(A)との硬化反応に直接寄与する反応性基を有するポリマーまたはモノマーを使用することができる。特に、ポリイソシアネート(B)や活性エネルギー線硬化性モノマーといった、反応性希釈剤が特に好ましい。
前記複合樹脂(A)に反応性官能基を導入することで、複合樹脂(A)と反応性希釈剤とが3次元架橋するため、一般的に硬化性が上昇し、モールド転写時のパターン保持性に優れる樹脂モールドを得ることができる。
反応性化合物としてポリイソシアネート(B)を使用する場合は、前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有することが好ましい。その際のポリイソシアネート(B)は、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物全量に対して5〜50重量%含有させることが好ましい
使用するポリイソシアネート(B)としては特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類や、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と略す)、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート(B)と系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
また、紫外線硬化させる場合は、必要に応じて活性エネルギー線硬化性モノマーとして多官能(メタ)アクリレートを含有するのが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、前述の通り、ポリイソシアネート(B)と反応させることからアルコール性水酸基を有するものが好ましい。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
中でも、ポリイソシアネート(B)と反応させる場合は、アルコール性水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
また、前記多官能(メタ)アクリレートに併用して、または単独で単官能(メタ)アクリレートを使用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。単量体としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
その他、耐擦傷性や極性の高い被転写物質に対する離形性を向上させる観点から、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジアクリレート、9、9ビスフェニルフルオレン骨格を有するジアクリレート、等の芳香環または環状炭化水素基を多く含み、1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が好ましく用いられる。同様に、単官能(メタ)アクリレートとしては、フェニルベンジルアクリレートなどの芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましい。
また、前記反応性化合物として活性エネルギー線硬化性モノマーを使用する場合は、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートまたは単官能(メタ)アクリレートを含有することができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、1,2−エタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、9、9ビスフェニルフルオレン骨格を有するジ(メタ)アクリレート、等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。特にドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、9、9ビスフェニルフルオレン骨格を有するジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体、ジルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。特にドライエッチング耐性を向上させる観点からは芳香環または環状炭化水素基を多く含む構造が好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(フェニルチオ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
同様に、活性エネルギー線硬化性モノマーを使用する場合は、必要に応じて多官能または単官能エポキシ樹脂を含有することができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、エポキシポリオールなどを用いることができる。
前記多官能および単官能アクリレートを用いる場合の使用量としては、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートおよび単官能を前記範囲内で使用することによって、得られるられる樹脂モールドおよびレプリカモールドの耐擦傷性や硬度等のモールド特性を改善することができる。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を硬化する場合には、熱硬化及び光硬化が可能であるが、硬化スピードの観点から、光硬化が好ましい。特に活性エネルギー線硬化が好ましく、特に紫外線硬化が好ましい。
紫外線硬化させる際に使用する光は、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、紫外線発光ダイオード等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、前記硬化性樹脂組成物の塗布面に照射することによって硬化させることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
一方、本発明で使用する樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を熱硬化させる場合には、各々の触媒を選択することが好ましい。
また、熱硬化性樹脂を併用することも可能である。熱硬化性樹脂としては、ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂あるいはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
また、塗工時の粘度を調整するために、有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
(離型剤について)
モールドから硬化した樹脂層を面荒れすることなく、きれいに剥離する目的で、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物には、離型剤を任意に配合することができる。離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、パラフィン系ワックス、アミド系ワックス、フッ素パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系化合物等が何れも使用可能であり、これらの離型剤を1種類もしくは2種類以上を併用してもよい。また、これらの離型剤をモールドに付着させておくこともできる。
これらの中でも、前記シリコーン系離型剤およびフッ素系離型剤が好ましく、本発明で用いられる前記硬化樹脂組成物と組み合わせた時にモールドからの剥離性が特に良好である。前記シリコーン系離型剤は、例えば、未変性または変性シリコーンオイル、シリコーン系アクリル樹脂等が挙げられる。これらの前記シリコーン系離型剤およびフッ素系離型剤がシランカップリング剤である場合には、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物で作製したモールドの表面にポリシロキサンセグメントが露出しているため、シランカップリング剤とポリシロキサンセグメントとが効率的に反応することができるため、離形効果およびその耐久性が大きくなり好ましい。
前記変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖および/または末端を変性したものであり、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。
一つのポリシロキサン分子に前記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。
特に反応性シリコーンオイルを用いる場合には、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化膜中に化学結合よって固定されるので、当該硬化膜の密着性阻害、汚染、劣化等の問題を低減することができる。
離型剤を本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物に添加する場合、組成物全量中に0.001〜10質量%の割合で配合することが好ましく、0.01〜5質量%の範囲で添加することがさらに好ましい。離型剤の含有量が0.01〜5質量%の範囲内にあると、マスターモールドと樹脂モールドとの剥離性向上効果が向上する。
(界面活性剤について)
塗布均一性を確保するために、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤は、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜5重量%含有し、更には0.005〜3重量%含有することが好ましい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤(例えば商品名フロラード FC−430、FC−431(住友スリーエム(株)製)、商品名ユニダインDS−401、DS−403、DS−451 (いずれもダイキン工業(株)製)、商品名メガフアック171、172、173、178K、178A、(いずれもDIC(株)製)等)、シリコーン系界面活性剤(例えばメガファックペインタッド31(DIC(株)製)、KP−341(信越化学工業(株)製)等)、およびフッ素・シリコーン系界面活性剤(例えば商品名 X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも、信越化学工業(株)製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも、DIC(株)製)等)の少なくとも1種を含むことが好ましく、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤との両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましく、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は、前記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターや各種コーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
その他、本発明で使用する樹脂モールド用硬化性樹脂組成物には、必要に応じて有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、又は可塑剤等の種々の添加剤等を使用することもできる。
本発明で使用する樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は、含有する複合樹脂(A)がポリシロキサンセグメント(a1)とビニル系重合体セグメント(a2)の両方を有する為、塗膜の表面滑性等を向上させることが可能なシリコーン樹脂も、アクリル系の樹脂や活性エネルギー線硬化性モノマーも比較的相溶しやすい。そのため相溶性のよい組成物を得ることができる。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてその他の成分を含有させてもよい。例えば、グリシドキシアルキルトリメトキシシランや(メタ)アクリロイルオキシアクリルトリアルコキシシランシラン等の汎用のシランカップリング剤からなる接着性助剤、タルク、マイカ、クレー、シリカ、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、石膏、雲母、硫酸バリウム、炭酸バリウムや炭酸マグネシウム等の無機微粒子、顔料や染料等の着色物質、退色防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤や潤滑剤等の塗料添加剤、を挙げることができる。
(マスターモールド)
マスターモールドの素材としては、石英やシリコンが良く知られている。マスターモールドは、電子線描画法などで作製され、特にナノインプリント用のマスターモールドには、ナノオーダーの微細パターンが形成されている。
(樹脂モールド)
マスターモールドから、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物にパターンを転写することで、本発明の樹脂モールドを得ることができる。
樹脂モールドを作製する際には、樹脂モールド基板上に塗布した樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の塗膜に対し、マスターモールドを押し付けて、硬化したうえで、硬化した樹脂モールドをマスターモールドから剥離することで得ることができる。
また、マスターモールドに対し樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を直接塗工し、その上から基板を密着させた上で硬化し、樹脂モールドを作製してもよい。
〔(1)塗膜を形成する工程〕
樹脂モールド用硬化性樹脂組成物が基板に密着した、塗膜を形成する工程については、公知慣用の方法を用いればよく、例えば基材表面に液状の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を塗布することで得ることができる。液状の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物とする場合、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物中の全固形分の濃度は、塗布性(例えば、塗布および溶媒除去後の膜厚が所望の範囲内に収まること、当該膜厚が被加工表面全体に均一性であること、被加工表面に多少の凹凸があっても当該凹凸に追随して均一な厚みの塗膜が形成されること、等)等を考慮すると、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.7質量%以上2質量%以下である。具体的には、塗膜の膜厚が10nm〜50μmとなるように調整すればよく、より好ましくは50nm〜5μmである。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物は、微細パターン加工が可能であるため、膜厚は1μm以下でも可能である。
使用する溶媒としては、公知の硬化性樹脂組成物に使用される有機溶媒であればよく、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートを単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の塗膜は、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を、押出成形等の公知の成形方法でフィルム状に成膜し、あるいは仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成された樹脂モールド用硬化性樹脂組成物表面を被覆フィルムで覆った、処理対象となる表面に加熱圧着し積層するものであってもよい。この時使用する仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムがレジスト膜の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を塗布し乾燥させて塗膜を作製することができ、また、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の塗膜を作製することもできる。
また本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の塗膜は、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物を、処理対象となる表面上に塗布し、溶媒を蒸発させて除くことにより形成する塗布膜であってもよい。塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。生産性に優れ膜厚のコントロールが容易であるという点でスピンコート法を用いることが好ましい。
本発明の樹脂モールド用基材は、本発明の樹脂モールドの目的に応じて適宜選択される。
例えば石英、サファイア、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Al、Ni、Cu、Cr、Fe、ステンレス等の金属基材、スクリーンメッシュ、紙、木材、シリコン等の合成樹脂、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基材、TFTアレイ基材、サファイアやGaN等の発光ダイオード(LED)基材、ガラスや透明プラスチック基材、インジウム錫オキサイド(ITO)や金属等の導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコーン、酸化シリコン、アモルファスシリコン等の半導体作製基材等が挙げられる。これらのものは光透過性でも非光透過性であってもよい。
また、基材の形状も特に限定はなく、平板、シート状、あるいは3次元形状全面にまたは一部に曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また基材の硬度、厚み等にも特に制限はない。
〔(2)樹脂モールドを形成する工程〕
前記方法にて作製した樹脂モールド用硬化性樹脂組成物の塗膜に、マスターモールドを押し付ける工程は、具体的には、マスターモールドを押圧しながら、前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物層をモールドの微細形状に押入する。その際、モールドの微細形状に対して前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物がより追従するように、加熱して粘度を下げながら押圧することもできる。その後、活性エネルギー線を照射して前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物層を硬化してからマスターモールドを分離することによって、マスターモールドに形成されている微細形状が前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物表面に形成された樹脂モールドを得ることができる。
具体的には、基材表面に設けた樹脂モールド用硬化性組成物層上にマスターモールドを押し付けるように接触させ、狭持する。マスターモールドは大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するような平面状原版のアップダウン方式、ベルト状原版の貼り合わせ方式、ロール状原版のロール転写方式、ロールベルト状原版のロール転写方式等の方法で接触させる方法も好ましい。マスターモールドの材質としては、光を透過する材質として、石英ガラス、紫外線透過ガラス、サファイア、ダイアモンド、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン材料、フッ素樹脂、その他光を透過する樹脂材料等が挙げられる。また、使用する基材が光を透過する材質であれば、マスターモールドは光を透過しない材質でもよい。光を透過しない材質としては、金属、シリコン、SiC、マイカ等が挙げられる。
マスターモールドは前述の通り平面状、ベルト状、ロール状、ロールベルト状等の任意の形態のものを選択できる。浮遊ゴミ等による原版の汚染防止等の目的で、転写面に従来公知の離型処理を施すことは好ましい。
硬化の方法は、光硬化でも、熱硬化でもかまわないが、硬化スピードの観点から、光硬化するほうが好ましい。光硬化の場合、マスターモールドが光を透過する材質の場合はマスターモールド側から光を照射する方法や、基材が光を透過する材質の場合は基材側から光を照射する方法が挙げられ、モールド・基材共に光透過性の場合には、両側から光を照射してもかまわない。光照射に用いる光としては、光重合開始剤が反応する光であればよく、中でも、光重合開始剤が容易に反応し、より低温で硬化させることができる面から、450nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。操作性の面から200から450nmの波長の光が特に好ましい。具体的には、前述の紫外線硬化させる際に使用する光を使用することができる。
また、凹凸構造塗布膜への塗布膜の追従性に不具合があれば、光照射時に十分な流動性が得られる温度まで加熱させてもよい。加熱する場合の温度は、300℃以下が好ましく、0℃から200℃がより好ましく、0℃から150℃がさらに好ましく、25℃から80℃が特に好ましい。該温度範囲において、前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物層に形成される微細パターン形状の精度が高く保持される。
上記のいずれの方式についても、大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するように反応機内を搬送する方法で硬化する方法も好ましい。
(離型工程)
硬化工程後、樹脂モールドをマスターモールドから剥離することにより、マスターモールドの凹凸パターンを転写した凸凹パターンが前記樹脂モールド用硬化性樹脂組成物層の硬化物の表面に形成された樹脂モールドが得られる。基材の反り等の変形を抑えたり、凸凹パターンの精度を高めたりする面で、剥離工程の温度としては、レジスト膜の温度が常温(25℃)付近まで冷却した後に実施する方法や、レジスト膜がまだ加熱状態の時に剥離する場合であっても、レジスト膜に一定の張力を与えた状態で常温(25℃)付近まで冷却する方法が好ましい。
(レプリカモールド)
本発明の樹脂モールドを鋳型として、レプリカモールドを作成することができる。レプリカモールドとしては、ニッケルなどの金属モールドと、樹脂組成物からなる樹脂成形体とが挙げられる。
(金属モールド)
マスターモールドから樹脂モールドを経て金属モールドを作製することで、マスターモールドを傷つけずに金属モールドを作成することができる。また、同じマスターモールドから複数の金属モールドを作成できることから、同じ金属モールドを同時に使用でき、さらなるハイスループット性に優れた成型加工を行うことが可能となる。
((3)金属層を形成する工程)
本発明の金属モールドを作成するには、樹脂モールド表面に金属層を形成し、得られた金属層から樹脂モールドを剥離すればよい。
金属層の形成は、公知慣用の方法を用いればよく、
(3−1)樹脂モールド表面に導電層を形成
(3−2)導電層の表面に電気鋳造にて金属層を積層
という工程がよく用いられる。
(3−1)樹脂モールド表面に導電層を形成
導電層の形成方法としては、物理蒸着法及び無電解めっき法が挙げられる。物理蒸着法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法が挙げられる。無電解めっき法では、触媒として金属微粒子、コロイド、有機金属錯体などを用い、無電解めっき液としては、ニッケル、銅、コバルト、金、白金、銀等の塩を用いることができる。
(3−2)導電層の表面に電気鋳造にて金属層を積層
表面に導電層を形成した樹脂モールドを、電解めっき液に浸漬し、通電することで、導電層に金属を析出させ、金属層を形成する。金属層に使用する金属としては、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン、白金、及びこれらの合金を使用することができる。
((4)樹脂モールドを剥離し、金属モールドを得る工程)
上記工程にて得られた、金属層を積層した樹脂モールドから、樹脂モールドと導電層の界面部分から剥離することにより、金属層を分離し、金属モールドとすることができる。
本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物からなる樹脂モールドは、剥離性に優れるため、金属モールドから剥離した際にも微細パターンの欠損や変形がおきにくいため、再度樹脂モールドからレプリカモールドを作製することができる。また、微細パターンの形状や金属の種類等により、レプリカモールドに残膜してしまう場合には、樹脂モールド用硬化性樹脂組成物が含有する複合樹脂(A)の酸価を30〜400KOHmg/gとすることで、アルカリ洗浄が可能となる。
本発明における金属モールドを鋳型として、さらに樹脂組成物にインプリントすることで、三次成形体である、樹脂成形物を得ることも可能である。使用する樹脂組成物としては公知慣用のものでよく、後述する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を用いることができる。
(樹脂成形体)
本発明のレプリカモールドは、樹脂成形体であっても良い。
本発明の樹脂モールドに対し、第2樹脂層を形成し、第2樹脂層を硬化させたうえで、樹脂モールドを剥離することで、微細パターンが転写された樹脂成形体を得ることができる。
得られた樹脂成形体は、第2の樹脂モールドとして用いても良く、そのまま製品として用いてもかまわない。
第2樹脂層を構成する樹脂としては、目的に応じて、本発明の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物や、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等から適宜選択することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、グアナミン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アクリル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、グアナミン樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂のいずれであってもよい。紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としては、公知の様々なものが使用でき、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂等があげられる。代表的なものとしては、分子中にアクリロイル基を有する紫外線硬化型樹脂であり、エポキシアクリレート系,ウレタンアクリレート系,ポリエステルアクリレート系,ポリオールアクリレート系のオリゴマー、ポリマーと単官能・2官能・あるいは多官能重合性(メタ)アクリル系モノマー、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリプロピレングリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,ペンタエリトリトールテトラアクリレートなどのモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの混合物が使用される。なお、光硬化性樹脂には、通常配合される光重合開始剤等を配合してもよい。
これらの樹脂は、単独でも2種以上を同時に使用してもかまわない。
(5)第2樹脂層の形成及び硬化する工程
第2樹脂層を形成するには、第2樹脂用の基板上に塗布した第2樹脂層に対し、樹脂モールドを押し付けて、硬化したうえで、硬化した樹脂成形体を樹脂モールドから剥離することで得ることができる。
また、樹脂モールドに対し第2樹脂層用樹脂を直接塗工し、そのまま第2樹脂層を硬化させるか、第2樹脂層の上から基板を密着させたうえで硬化し、樹脂モールドを剥離することで、樹脂成形体を作製してもよい。
(6)樹脂モールドの剥離及び樹脂成形体を得る工程
上記工程(5)において、第2樹脂層に樹脂モールドを押し付けた状態で第2樹脂層を硬化させるか、樹脂モールド上に第2樹脂層を形成したのちに第2樹脂層を硬化させた後、樹脂モールドを硬化した第2樹脂層から剥離することで、樹脂モールドの微細構造が転写された、レプリカモールドである樹脂成形体を得ることができる。樹脂成形体は、そのまま製品として用いてもよいし、さらにモールドとして用いることもできる。
第2樹脂層用樹脂は、必要に応じて有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、又は可塑剤等の種々の添加剤等を使用することもできる。また、シランカップリング剤からなる接着性助剤、タルク、マイカ、クレー、シリカ、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、石膏、雲母、硫酸バリウム、炭酸バリウムや炭酸マグネシウム等の無機微粒子、顔料や染料等の着色物質、退色防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤や潤滑剤等の塗料添加剤を配合してもかまわない。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
(合成例1〔ポリシロキサン(a1−1)の調整例〕)
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「PhoslexA−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
(合成例2(ポリシロキサン(a1−2)の調整例))
合成例1と同様の反応容器に、MTMS 442部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS) 760部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−3」0.1部と脱イオン水 129部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−2) 1000部を得た。
(合成例3〔ビニル系重合体(a2−1)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−1)が得られた。
(合成例4〔複合樹脂(A−1)の調製例〕)
前記合成例23で得たビニル系重合体(a2−1)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−1) 600部を得た。
(合成例5〔複合樹脂(A−2)、ビニル系重合体(a2−(2))の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 106.4部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 105.8部、n−ブチルアクリレート(BA) 19.7部、アクリル酸(AA) 19.3部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物(ビニル系重合体 a2−(2))が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物(ビニル系重合体 a2−(2))に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 28.6部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−2) 600部を得た。
得られた複合樹脂(A−2)の酸価〔試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数〕を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−2)の固形分の酸価は50.2 KOHmg/gであった。
(合成例6(複合樹脂(A−3)、ビニル系重合体(a2−(3))の調製例))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 66.4部、BA 1.2部、AA 77.1部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物(ビニル系重合体a2−(3))が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 562.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 80.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 128.6部、酢酸n−ブチル 5.9部を添加し、不揮発分が70.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−3) 857部を得た。
得られた複合樹脂(A−3)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−3)の固形分の酸価は100.2 KOHmg/gであった。
(合成例7(複合樹脂(A−4)、ビニル系重合体(a2−4)の調製例)
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 5.0部、DMDMS 6.1部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 57.8部、BA 0.4部、AA 86.6部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 3.2部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物(ビニル系重合体(a2−4))が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例2で得られたポリシロキサン(a1−2) 40.6部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 10.2部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 37.5部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−4) 375.0部を得た。
得られた複合樹脂(A−4)の酸価を、JIS K2501−2003に準拠し、フェノールフタレインを使用した指示薬滴定法により測定した。複合樹脂(A−4)の固形分の酸価は360.4 KOHmg/gであった。
(合成例8(複合樹脂の調製例))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 53.1部、BA 1.6部、AA 90.0部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。同温度で1時間攪拌した時点で反応溶液の粘度が急激に上昇し、数分間でゲル化した。
ゲル化に至った前記樹脂溶液のビニル重合体セグメントの酸価は、AAの含有量から、467.5 KOHmg/gであったと推算される。
(合成例9(ポリシロキサン(a1−3)の調整例))
合成例1と同様の反応容器に、MTMS 379.9部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部、トリデカフルオロ−1,1,2,2、−テトラハイドロオクチルトリメトキシシラン(C8F13H4TS)35部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−3」0.1部と脱イオン水 129部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%」
であるポリシロキサン(a1−3) 1000部を得た。
(合成例10〔ビニル系重合体(a2−5)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 10部、アクリル酸(AA) 1部、n−ブチルアクリレート(BA) 1部、MPTS 3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 30部、パーフルオロヘキシルエチルメタクリレート(C8F13H4MA) 20部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−5)が得られた。
(合成例11〔複合樹脂(A−5)の調製例〕)
合成例前記合成例3で得たビニル系重合体(a2−1)307部に、合成例9で得られたポリシロキサン(a1−3) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−3)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−5) 600部を得た。
(合成例12〔複合樹脂(A−6)の調製例〕)
前記合成例10で得たビニル系重合体(a2−2)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−6) 600部を得た。
(合成例13〔複合樹脂(A−7)の調製例〕)
前記合成例10で得たビニル系重合体(a2−2)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 487.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 82.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−7)を得た。
(合成例14(ポリシロキサン(a1−4)の調整例))
合成例1と同様の反応容器に、MTMS 379.9部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)719部、トリデカフルオロ−1,1,2,2、−テトラハイドロオクチルトリメトキシシラン(C8F13H4TS)35部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−3」0.1部と脱イオン水 129部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%」であるポリシロキサン(a1−4) 1000部を得た。
(合成例15〔複合樹脂(A−8)の調製例〕)
合成例前記合成例3で得たビニル系重合体(a2−1)307部に、合成例14で得られたポリシロキサン(a1−4) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−4)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−8) 600部を得た。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(樹脂モールド組成物−1の調製例)
合成例7で得られた複合樹脂(A−4) 40.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 14.7部、イルガキュア184(光重合開始剤 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 1.39部を混合することによって樹脂モールド組成物−1(組成物−1)を得た。
(樹脂モールドの作製例)
組成物−1をシリコンウエハ基材上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃、1分間加熱した後、表面に直径230nm、高さ200nm、ピッチ460nmの正三角格子の円柱構造を有する石英ガラス製の平板状のマスターモールドを押し付けて、ピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、この状態でマスターモールド側から300mJ/cmの光量で光照射して硬化させ、その後マスターモールドとシリコンウエハ基材を剥離し、円柱状のパターンを有する樹脂モールド−1を得た。
(樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールドの作製例)
得られた樹脂モールド−1の円柱状パターン面に、スパッタリングによりニッケルの導電層を形成する。その後、導電層が付与された樹脂モールドを、下記組成のニッケル電鋳浴に浸漬させて、電鋳処理を行い、その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液に120秒浸漬して、ニッケル層から樹脂モールドを溶解し、金属モールド1−1を得た。
(樹脂モールド引き剥がしによる金属モールドの作製例)
得られた樹脂モールド−1の円柱状パターン面に、スッパッタリングにより導電層を形成する。その後、導電層が付与された樹脂モールドを、下記組成のニッケル電鋳浴に浸漬させて、電鋳処理を行い、その後、ニッケル層と樹脂モールドを引き剥がし、金属モールド1−2を得た。
(金属モールドからの樹脂成形物の作製例)
組成物―1を光学用易接着PETフィルム基材(東洋紡株式会社製A−4300;125μm)上にバーコーターで塗布し、80℃、4分間加熱した後、表面に直径230nm、高さ200nm、ピッチ460nmの正三角格子の円柱構造を有する上記で作成した金属モールド1−2を押し付けて、ピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、この状態で塗膜側から300mJ/cmの光量で光照射して硬化させ、その後金属モールド1−2とPETフィルム基材を引き剥がし、円柱状のパターンを有する樹脂成形物1を得た。
(ニッケル電鋳浴組成及び温度)
スルファミン酸ニッケル・・・450g/L
塩化ニッケル・・・5g/L
ホウ酸・・・40g/L
ピット防止剤・・・3g/L
pH調製剤・・・適量
PH=4.0
温度=50℃
(実施例2)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で金属モールド作製用樹脂モールド組成物(組成物−2)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド2、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド2−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド2−2、及び樹脂成形物2を得た。
(実施例3)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−3)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド3、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド3−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド3−2、及び樹脂成形物3を得た。
(実施例4)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−4)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド4、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド4−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド4−2、及び樹脂成形物4を得た。
(実施例5)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−5)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド5、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド5−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド5−2、及び樹脂成形物5を得た。
(実施例6)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−6)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド6、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド6−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド6−2、及び樹脂成形物6を得た。
(実施例7)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−7)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド7、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド7−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド7−2、及び樹脂成形物7を得た。
(実施例8)
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−8)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド8、樹脂モールドアルカリ可溶による金属モールド8−1、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド8−2、及び樹脂成形物8を得た。
(実施例9)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−9)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド9、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド9−2、及び樹脂成形物9を得た。
(実施例10)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−10)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド10、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド10−2、及び樹脂成形物10を得た。
(実施例11)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−11)を得た。実施例1と同様にして、樹脂モールド11−1を得た。樹脂モールド11−1をフッ素系表面処理剤であるオブツールDSX(ダイキン工業(株)製)を0.1%まで希釈した液に浸漬し、リンスしてモールド表面を処理した(樹脂モールド11−2)。
実施例1と同様にして、樹脂モールド11−2を用いて樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド11−2、及び樹脂成形物11を得た。
(実施例12)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−12)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド12、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド12−2、及び樹脂成形物12を得た。
(実施例13)
組成物―1を光学用易接着PETフィルム基材(東洋紡株式会社製A−4300;125μm)上にバーコーターで塗布し、80℃、4分間加熱した後、実施例11で作成した樹脂モールド11−2を押し付けて、ピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、この状態で塗膜側から300mJ/cmの光量で光照射して硬化させ、その後樹脂モールド11−2とPETフィルム基材を引き剥がし、円柱状のパターンを有する樹脂成形物13を得た。
以下に記載する樹脂成形物パターン転写性評価に基づき、樹脂成型物13を評価したところ、樹脂成型物13に欠損や変形は無く、モールドパターンが良好に転写されていることを確認した。
(実施例14)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(組成物−14)を得た。
実施例1と同様にして、樹脂モールド14、樹脂モールド引き剥がしによる金属モールド14−2、及び樹脂成形物14を得た。
(比較例1)
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(比組成物−1)を得た。
実施例1と同様にして、比較樹脂モールド−1、樹脂モールドアルカリ可溶による比較金属モールド1−1、樹脂モールド引き剥がしによる比較金属モールド1−2、及び比較樹脂成形物1を得た。
(比較例2)
第2表に示した配合に基づき、比較例1と同様の方法で樹脂モールド組成物(比組成物−2)を得た。比組成物−2をフッ素系表面処理剤であるオブツールDSX(ダイキン工業(株)製)を0.1%まで希釈した液に浸漬し、リンスしてモールド表面を処理した。
実施例1と同様にして、比較樹脂モールド−2、樹脂モールドアルカリ可溶による比較金属モールド2−1、樹脂モールド引き剥がしによる比較金属モールド2−2、及び比較樹脂成形物2を得た。
(評価)
前記実施例1〜14及び比較例1、2で得た、樹脂モールド、金属モールド及び樹脂成形物の評価は次の通り行った。
(樹脂モールドアルカリ溶解性の評価)
得られた金属モールド剥離面に残存した樹脂モールドの残存率が0重量%のものを○とし、樹脂モールドの残存率が0重量%を超えるものを×として、樹脂モールドと金属モールドの剥離性を評価した。
(樹脂モールド引き剥がし性の評価)
得られた金属モールド剥離面に残存した樹脂モールドの残存率が0重量%のものを◎とし、樹脂モールドの残存率が0重量%を超え、1重量%未満のものを○、1重量%以上、5重量%未満のものを△、5重量%以上ものを×として、樹脂モールドと金属モールドの引き剥がし性を評価した。
(金属モールドパターン転写性評価)
得られた金属モールドのパターン転写性を、走査型顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7500F)にて10万倍の倍率で観察し以下のように評価した。
○:金属モールドに欠損や変形無し
×:金属モールドに欠陥や変形有り
(樹脂成形物パターン転写性評価)
得られた樹脂成形物のパターン転写性を、走査型顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7500F)にて10万倍の倍率で観察し以下のように評価した。
○:樹脂成型物に欠損や変形無し
×:樹脂成型物に欠陥や変形有り
実施例1〜12、14及び比較例1、2の樹脂モールド組成物の組成、得られた金属モールドと樹脂モールドのアルカリ溶解性と引き剥がし性、金属モールドパターン転写性、及び得られた樹脂成形物パターン転写性評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005787179
Figure 0005787179
表1〜2の略語について。
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
(a2)はビニル系重合体セグメント(a2)の略である。
※1 樹脂モールド組成物の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
DN−902S:バーノック 902S[イソシアネート化合物 DIC株式会社製]である。
17−806:バーノック 17−806[ウレタンアクリレート DIC株式会社製]である。
I−184:イルガキュア184である。
BY16−201:離型剤[2官能性カルビノール変性シリコーン 東レ・ダウコーニング株式会社製]である。
この結果、実施例1〜4,8で評価した金属モールド作製用樹脂モールド組成物(組成物−1)〜(組成物−4)、(組成物−8)は、アルカリ溶解性に優れ、得られた金属モールドとの剥離性が良好であった。また、実施例2〜3、5〜7、9〜12、14で評価した樹脂モールド組成物(組成物−2)〜(組成物−3)、(組成物−5)〜(組成物−7)、(組成物−9)〜(組成物−12)、(組成物−14)は、金属モールドとの引き剥がし性に優れ、且つ樹脂成形物と金属モールドとの剥離性が良好であった。
比較例1、2で評価した金属モールド作製用樹脂モールド組成物(比組成物−1、−2)は、ウレタンアクリレートの例、及び表面修飾の例であるが、アルカリ溶解性、金属モールド及び樹脂成形物との引き剥がし性ともに剥離性に劣った。
本発明の樹脂モールド及びレプリカモールドを使用して作製する樹脂成形体及び樹脂成形物は、様々な応用、例えばモールドフィルム、ナノ・マイクロ光学要素、光学素子、表示素子、電子ペーパー、ストレージ、MEMS・PCB実装材料、微量生化学分析や微量化学合成、バイオ応用を目的とした高機能3次元ナノ・マイクロ流路、次世代電子素子、DNAチップ等にも利用することが可能である。

Claims (10)

  1. 一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有し、前記ポリシロキサンセグメントが、重合性二重結合を有する基またはエポキシ基を有することを特徴とする、
    樹脂モールド用硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005787179
    (1)
    Figure 0005787179
    (2)
    (一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但し、R4は単結合、アリール基又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基、または上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基を表す)
    Figure 0005787179

    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  2. 前記複合樹脂(A)の固形分の酸価が30〜400KOHmg/gである、請求項1に記載の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物。
  3. 前記複合樹脂(A)が、フッ素含有モノマーを共重合させたものである、請求項1または2に記載の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物。
  4. 離型剤を含有する、請求項1からのいずれかに記載の樹脂モールド用硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の樹脂モールド用硬化性組成物を用いることを特徴とする、樹脂モールド。
  6. 請求項に記載の樹脂モールドを用いて作成することを特徴とする、レプリカモールド。
  7. 金属モールドである、請求項に記載のレプリカモールド。
  8. 樹脂成形体である、請求項に記載のレプリカモールド。
  9. (1)請求項1〜に記載のいずれかの樹脂モールド用硬化性組成物の塗膜を形成する工程と、
    (2)該塗膜にマスターモールドを押し当て、活性エネルギー線を照射して硬化し、樹脂モールドを形成する工程と、
    (3)該樹脂モールド上に金属層を形成する工程と、
    (4)該金属層から樹脂モールドを剥離し、金属モールドを得る工程とを含むことを特徴とする、金属モールドの製造方法。
  10. (1)請求項1〜に記載のいずれかの樹脂モールド用硬化性組成物の塗膜を形成する工程と、
    (5)該塗膜にマスターモールドを押し当て、活性エネルギー線を照射して硬化し、樹脂モールドを形成する工程と、
    (6)該樹脂モールド上に第2樹脂層を形成し、該第2樹脂層を硬化させる工程と、
    (7)該第2樹脂層から樹脂モールドを剥離し、樹脂成形体を得る工程とを含むことを特徴とする、樹脂成形体の製造方法。
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