JP2018203990A - イソシアヌル骨格を有する新規化合物及びそれを含む組成物 - Google Patents

イソシアヌル骨格を有する新規化合物及びそれを含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】防汚剤に好適に利用できる新規化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。式(1):(R1はポリエーテル鎖を含む一価の有機基、X1及びX2は、一価の基を表し、ポリエーテル鎖は、式:−(OC6F12)m11−(OC5F10)m12−(OC4F8)m13−(OC3X106)m14−(OC2F4)m15−(OCF2)m16−(m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖。)【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアヌル骨格を有する新規化合物及びそれを含む組成物に関する。
ある種の含フッ素シラン化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性等を提供し得ることが知られている。含フッ素シラン化合物を含む表面処理剤から得られる層(以下、「表面処理層」とも言う)は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材等の種々多様な基材に施されている。
特許文献1には、次式で表されるイソシアヌル酸系化合物を含む防汚性コーティング剤が記載されている。
Figure 2018203990
(式中、R、R、R及びRは、独立に、炭素数1〜6のアルキル基、n及びmは、独立に、0〜2の整数、qは1〜20の整数)
韓国公開特許第10−2014−0018556号公報
しかしながら、種々多様な基材に優れた防汚性を付与するための新規な防汚剤が常に求められている。
本発明は、上記現状に鑑み、防汚剤に好適に利用できる新規化合物を提供することを課題とする。
本発明は、式(1)で表されることを特徴とする化合物である。
式(1):
Figure 2018203990
(式中、Rはポリエーテル鎖を含む一価の有機基、X及びXは、独立に、一価の基を表し、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である)
及びXの少なくとも一方又は両方は、独立に、ポリエーテル鎖を含む一価の有機基であり、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖であることが好ましい。
は、一価の架橋性基であることが好ましい。
は、一価の架橋性基であることが好ましい。
及びXは、独立に、一価の架橋性基であることが好ましい。
は、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖であることが好ましい。
は、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖であることが好ましい。
及びXは、独立に、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖であることが好ましい。
上記架橋性基は、一価のSi含有基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン基、イソシアネート基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホニル基、環状酸無水物基、ラクトン基、ラクタム基、−OC(O)Cl基、トリアジン基、イミダゾール基、共役オレフィン基、アセチレン基、ジアゾ基、アルデヒド基、ケトン基、アルキルホウ素基、アルキルアルミ基、アルキルスズ基、アルキルゲルマニウム基、アルキルジルコン基、及び、これらの基のいずれかを含む一価の基からなる群より選択される少なくとも1種の架橋性基であることが好ましい。
は、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
は、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
及びXは、独立に、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の新規化合物は、上記構成を有することから、優れた防汚性を示し、防汚剤に好適に利用可能である。また、優れた離型性を示し、離型剤にも好適に利用可能である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の化合物は、式(1)で表されることを特徴とする。
式(1):
Figure 2018203990
(式中、Rはポリエーテル鎖を含む一価の有機基、X及びXは、独立に、一価の基を表し、上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である)
としては、ポリエーテル鎖を含む一価の有機基(但し、ウレタン結合を含むものを除く)が好ましい。
10としては、Fが好ましい。
m11〜m16は、それぞれ、0〜200の整数であることが好ましく、0〜100の整数であることがより好ましい。m11〜m16は、合計で、1以上の整数であることが好ましく、5以上の整数であることがより好ましく、10以上の整数であることが更に好ましい。m11〜m16は、合計で、200以下の整数であることが好ましく、100以下の整数であることがより好ましい。m11〜m16は、合計で、10〜200の整数であることが好ましく、10〜100の整数であることがより好ましい。
上記ポリエーテル鎖において、各繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。例えば、−(OC12)−は、−(OCFCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCFCF)−である。−(OC10)−は、−(OCFCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCFCF)−、−(OCFCF(CF)CFCF)−、−(OCFCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCFCF(CF))−等であってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、上記ポリエーテル鎖は、−(OCm14−(式中、m14は1〜200の整数である)で表される鎖である。上記ポリエーテル鎖は、好ましくは、−(OCFCFCFm14−(式中、m14は1〜200の整数である)で表される鎖または−(OCF(CF)CFm14−(式中、m14は1〜200の整数である)で表される鎖であり、より好ましくは、−(OCFCFCFm14−(式中、m14は1〜200の整数である)で表される鎖である。m14は、5〜200の整数であることが好ましく、10〜200の整数であることがより好ましい。
別の態様において、上記ポリエーテル鎖は、−(OCm13−(OCm14−(OCm15−(OCFm16−(式中、m13およびm14は、それぞれ、0〜30の整数であり、m15およびm16は、それぞれ、1〜200の整数である。m13〜m16は、合計で、5以上の整数である。各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である。m15およびm16は、それぞれ、5〜200の整数であることが好ましく、10〜200の整数であることがより好ましい。m13〜m16は、合計で、10以上の整数であることが好ましい。上記ポリエーテル鎖は、−(OCFCFCFCFm13−(OCFCFCFm14−(OCFCFm15−(OCFm16−であることが好ましい。一の態様において、上記ポリエーテル鎖は、−(OCm15−(OCFm16−(式中、m15およびm16は、それぞれ、1〜200の整数である。各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖であってもよい。m15およびm16は、それぞれ、5〜200の整数であることが好ましく、10〜200の整数であることがより好ましい。
さらに別の態様において、上記ポリエーテル鎖は、−(Rm1−Rm2m17−で表される基である。式中、Rm1は、OCFまたはOCであり、好ましくはOCである。式中、Rm2は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。好ましくは、Rm1は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記m17は、2以上の整数であり、好ましくは3以上の整数であり、より好ましくは5以上の整数であり、100以下の整数であり、好ましくは50以下の整数である。上記式中、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、ポリエーテル鎖は、好ましくは、−(OC−OCm17−または−(OC−OCm17−である。
上記ポリエーテル鎖において、m16に対するm15の比(以下、「m15/m16比」という)は、0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5であり、より好ましくは0.2〜2であり、さらに好ましくは0.2〜1.5であり、さらにより好ましくは0.2〜0.85である。m15/m16比を10以下にすることにより、表面処理層の滑り性、摩擦耐久性および耐ケミカル性(例えば、人工汗に対する耐久性)がより向上する。m15/m16比がより小さいほど、上記表面処理層の滑り性および摩擦耐久性はより向上する。一方、m15/m16比を0.1以上にすることにより、化合物の安定性をより高めることができる。m15/m16比がより大きいほど、化合物の安定性はより向上する。
上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OCFCFCX11 n11(OCFCF(CF))n12(OCFCFn13(OCFn14(OCn15
(式中、n11、n12、n13、n14及びn15は、独立に、0又は1以上の整数、X11は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖、及び、
式:−(OC−R11
(式中、R11は、OC、OCおよびOCから選択される基であり、fは、2〜100の整数である)で表される鎖
からなる群より選択される少なくとも1種の鎖であってもよい。
11としては、Fが好ましい。
n11〜n15は、それぞれ、0〜200の整数であることが好ましい。n11〜n15は、合計で、2以上の整数であることが好ましく、5〜300の整数であることがより好ましく、10〜200の整数であることが更に好ましく、10〜100の整数であることが特に好ましい。
11は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記fは、2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数である。上記式中、OC、OCおよびOCは、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、式:−(OC−R11−は、好ましくは、式:−(OC−OC−または式:−(OC−OC−である。
本発明の化合物において、ポリエーテル鎖部分の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。上記数平均分子量は、19F−NMRにより測定される値とする。
別の態様において、ポリエーテル鎖部分の数平均分子量は、500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜15,000、さらにより好ましくは2,000〜10,000、例えば3,000〜6,000であり得る。
別の態様において、ポリエーテル鎖部分の数平均分子量は、4,000〜30,000、好ましくは5,000〜10,000、より好ましくは6,000〜10,000であり得る。
としては、式:R−(OR−L−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、Lは単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基であることが好ましい。
の炭素数としては、1〜16が好ましく、1〜8が好ましい。
としては、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜16のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが好ましく、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜8のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることがより好ましく、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが更に好ましく、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが更により好ましく、直鎖の炭素数1〜3のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが特に好ましい。
は、炭素数1〜16のフッ素化アルキル基であることが好ましく、CFH−C1−15フルオロアルキレン基または炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。
炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
Lは、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとしては、単結合、アルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む二価の基が好ましく、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む炭素数1〜10の二価の炭化水素基がより好ましい。
Lとしては、
式:−(CX121122−(L−(CX123124
(式中、X121〜X124は、独立に、H、F、OH、又は、−OSi(OR121(3つのR121は独立に炭素数1〜4のアルキル基)、Lは、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−O−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、又は、−NHC(=O)NH−(各結合の左側がCX121122に結合)、oは0〜10の整数、pは0又は1、qは1〜10の整数)で表される基が更に好ましい。
としては、−O−又は−C(=O)O−が好ましい。
Lとしては、
式:−(CFm11−(CHm12−O−(CHm13
(式中、m11は1〜3の整数、m12は1〜3の整数、m13は1〜3の整数)で表される基、
式:−(CFm14−(CHm15−O−CHCH(OH)−(CHm16
(式中、m14は1〜3の整数、m15は1〜3の整数、m16は1〜3の整数)で表される基、
式:−(CFm17−(CHm18
(式中、m17は1〜3の整数、m18は1〜3の整数)で表される基、又は、
式:−(CFm19−(CHm20−O−CHCH(OSi(OCH)−(CHm21
(式中、m19は1〜3の整数、m20は1〜3の整数、m21は1〜3の整数)で表される基が特に好ましい。
Lとして、特に限定されないが、具体的には、−C−、−C−、−C−O−CH−、−CO−O−CH−CH(OH)−CH−、−(CF−(nは0〜4の整数)、−CH−、−C−、−(CF−(CH−(n、mは独立していずれも0〜4の整数)、−CFCFCHOCHCH(OH)CH−、−CFCFCHOCHCH(OSi(OCH)CH−等が挙げられる。
及びXの少なくとも一方又は両方は、独立に、上記ポリエーテル鎖を含む一価の有機基であってよい。上記有機基の好適な基は、Rと同じである。
は、一価の架橋性基であってよい。
また、Xは、一価の架橋性基であってよい。
また、X及びXは、独立に、一価の架橋性基であってよい。
上記架橋性基は、基材との接着性に寄与したり、架橋反応に寄与したりする。上記架橋性基は、上記基材の材料と化学的に反応してもよい。また、上記架橋性基は、上記架橋性基同士で反応してもよいし、後述する硬化性樹脂、硬化性モノマー等と反応してもよい。
上記架橋性基としては、熱架橋性又は光架橋性を有する一価の架橋性基が好ましい。
上記架橋性基は、一価のSi含有基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン基、イソシアネート基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホニル基、環状酸無水物基、ラクトン基、ラクタム基、−OC(O)Cl基、トリアジン基、イミダゾール基、共役オレフィン基、アセチレン基、ジアゾ基、アルデヒド基、ケトン基、アルキルホウ素基、アルキルアルミ基、アルキルスズ基、アルキルゲルマニウム基、アルキルジルコン基、及び、これらの基のいずれかを含む一価の基からなる群より選択される少なくとも1種の架橋性基であることが好ましく、一価のSi含有基、アクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、ビニル基、アリル基、ヒドロキシ基、ケトン基、及び、これらの基のいずれかを含む一価の基からなる群より選択される少なくとも1種の架橋性基であることがより好ましい。
「これらの基のいずれかを含む一価の基」としては、これらの基のいずれかを側鎖末端又は主鎖末端に含む炭化水素鎖を含む一価の架橋性基、これらの基のいずれかを側鎖末端又は主鎖末端に含むポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基等が挙げられる。
すなわち、Xは、上記ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であってよい。
また、Xは、上記ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であってよい。
また、X及びXは、独立に、上記ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であってよい。
上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
(式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である。
上記ポリエーテル鎖は、
式:−(OCFCFCX11 n11(OCFCF(CF))n12(OCFCFn13(OCFn14(OCn15
(式中、n11、n12、n13、n14及びn15は、独立に、0又は1以上の整数、X11は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖、及び、
式:−(OC−R11
(式中、R11は、OC、OCおよびOCから選択される基であり、fは、2〜100の整数である)で表される鎖
からなる群より選択される少なくとも1種の鎖であってもよい。
上記ポリエーテル鎖として好適な鎖は、Rと同じである。
上記Si含有基としては、含シラン反応性架橋基、シリコーン残基、シルセスキオキサン残基及びシラザン基からなる群より選択される少なくとも1種の基が好ましい。
上記含シラン反応性架橋基としては、
式:−L−{Si(R(R(R(R
(式中、Lは単結合又は二価の連結基、R、R及びRは、同一又は異なり、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアミノ基、炭素数1〜10のアセトキシ基、炭素数3〜10のアリル基、又は炭素数3〜10のグリシジル基である。Rは、同一又は異なり、−O−、−NH−、−C≡C−、又は、シラン結合である。s、t及びuは、同一又は異なり0又は1であり、vは0〜3の整数であり、nは、1〜20の整数である。nが1である場合、s+t+uは3であり、vは0である。nが2〜20である場合、s+t+uは、同一又は異なり0〜2であり、vは、同一又は異なり0〜2であり、vが1以上の整数である場合、少なくとも2個のSiはRを介して、直鎖、梯子型、環状、又は複環状に結合している。)で表される基が好ましい。R、R及びRは、Siに結合している1価の基である。Rは、2個のSiに結合している2価の基である。
、R及びRは、同一又は異なり、少なくとも1つは、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数1〜10のアミノ基であり、それ以外は炭素数1〜10のアセトキシ基、炭素数3〜10のアリル基、又は炭素数3〜10のグリシジル基であることが好ましく、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基である。nが2〜20である場合、s+t+uは、同一又は異なり、0〜2であり、vは0〜2であることが好ましい。
、R及びRにおいて、ハロゲンとしては、Cl、Br又はIが好ましく、Clがより好ましい。
、R及びRにおいて、アルコキシ基の炭素数は、1〜5であることが好ましい。上記アルコキシ基は鎖状でも、環状でも、分岐していてもよい。また、水素原子がフッ素原子等に置換されていてもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピロキシ基、又はブトキシ基が好ましく、より好ましくは、メトキシ基、又はエトキシ基である。
は、同一又は異なり、−O−、−NH−、−C≡C−、又は、シラン結合である。Rとしては、−O−、−NH−、又は、−C≡C−が好ましい。Rは、2個のSiに結合している2価の基であり、Rによって2以上のケイ素原子がRを介して、直鎖、梯子型、環状、又は複環状に結合することができる。nが2以上の整数である場合、ケイ素原子同士で結合していてもよい。
はまた、同一又は異なり、−Z−SiRd1 p’d2 q’d3 r’で表される基であってもよい。
式中、Zは、同一又は異なり、単結合又は二価の連結基を表す。
Zとして、具体的には、−C−、−C−、−CO−O−CH−CH(OH)−CH−、−CH−、−C−等が挙げられる。
式中、Rd1は、同一又は異なり、Rd’を表す。Rd’は、Rと同意義である。
中、Z基を介して直鎖状に連結されるSiは最大で5個である。即ち、上記Rにおいて、Rd1が少なくとも1つ存在する場合、R中にZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子が2個以上存在するが、かかるZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は最大で5個である。なお、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」とは、R中において直鎖状に連結される−Z−Si−の繰り返し数と等しくなる。
例えば、下記にR中においてZ基を介してSi原子が連結された一例を示す。
Figure 2018203990
上記式において、*は、主鎖のSiに結合する部位を意味し、…は、ZSi以外の所定の基が結合していること、即ち、Si原子の3本の結合手がすべて…である場合、ZSiの繰り返しの終了箇所を意味する。また、Siの右肩の数字は、*から数えたZ基を介して直鎖状に連結されたSiの出現数を意味する。即ち、SiでZSi繰り返しが終了している鎖は「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が2個であり、同様に、Si、SiおよびSiでZSi繰り返しが終了している鎖は、それぞれ、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」が3、4および5個である。なお、上記の式から明らかなように、R中には、ZSi鎖が複数存在するが、これらはすべて同じ長さである必要はなく、それぞれ任意の長さであってもよい。
好ましい態様において、下記に示すように、「R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数」は、すべての鎖において、1個(左式)または2個(右式)である。
Figure 2018203990
一の態様において、R中のZ基を介して直鎖状に連結されるSi原子の数は1個または2個、好ましくは1個である。
式中、Rd2は、同一又は異なり、水酸基または加水分解可能な基を表す。水酸基は、特に限定されないが、加水分解可能な基が加水分解して生じたものであってよい。
好ましくは、Rd2は、−OR(式中、Rは、置換または非置換のC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基を表す)である。
式中、Rd3は、同一又は異なり、水素原子または低級アルキル基を表す。該低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
式中、pは、同一又は異なり、0〜3の整数であり;qは、同一又は異なり、0〜3の整数であり;rは、同一又は異なり、0〜3の整数である。ただし、p’、q’およびr’の和は3である。
好ましい態様において、R中の末端のR’(R’が存在しない場合、R)において、上記q’は、好ましくは2以上、例えば2または3であり、より好ましくは3である。
好ましい態様において、Rは、末端部に、少なくとも1つの、−Si(−Z−SiRd2 q’d3 r’または−Si(−Z−SiRd2 q’d3 r’、好ましくは−Si(−Z−SiRd2 q’d3 r’を有し得る。式中、(−Z−SiRd2 q’d3 r’)の単位は、好ましくは(−Z−SiRd2 )である。さらに好ましい態様において、Rの末端部は、すべて−Si(−Z−SiRd2 q’d3 r’であることが好ましく、より好ましくは−Si(−Z−SiRd2 であり得る。
架橋性を向上させる観点からは、上記含シラン反応性架橋基は、炭素数1〜5のアリル基、炭素数1〜5のグリシジル基、アクリル基、又はメタクリル基を有することも好ましい。すなわち、上記含シラン反応性架橋基において、R、R及びRの少なくとも1つが、炭素数1〜5のアリル基、炭素数1〜5のグリシジル基、アクリル基、又はメタクリル基であることが好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとしては、単結合、アルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む二価の基が好ましく、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む炭素数1〜10の二価の炭化水素基がより好ましい。
として、具体的には、−C−、−C−、−C−O−CH−、−CO−O−CH−CH(OH)−CH−、−CH−、−C−等が挙げられる。
上記含シラン反応性架橋基としては、−L−SiR 、−L−Si(OR、−L−Si(NR 、−L−Si(OCOR(各式中、Lは上述のとおり、Rはハロゲン原子、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基)が挙げられる。
上記シリコーン残基としては、次の基が挙げられる。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、nは1〜20の整数、mは0〜10の整数、R31は、各々独立して、一価の基であり、各基が有するR31のうち、少なくとも1つは反応性基)
各基に含まれる複数のR31は、各々独立して、一価の基であり、上記反応性基であってもよいし、上記反応性基以外の基であってもよい。但し、各基に含まれる複数のR31のうち、少なくとも1つは、上記反応性基である。
上記反応性基としては、H、ハロゲン原子又は−OR32(R32は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基)、−L−SiR (Lは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、Rはハロゲン原子)、−L−Si(OR(Lは上記のとおり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基)、−L−Si(NR (L及びRは上記のとおり)、−L−Si(OCOR(L及びRは上記のとおり)及びこれらの基のいずれかを含む基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記反応性基以外の基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、及び、ハロゲン化アリール基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとして好適なものは、上述したとおりである。
上記シリコーン残基としては、また、次の基も挙げられる。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、R34は、各々独立して、一価の基であり、各基が有するR34のうち、少なくとも1つは反応性基)
各基に含まれる複数のR34は、各々独立して、一価の基であり、上記反応性基であってもよいし、上記反応性基以外の基であってもよい。但し、各基に含まれる複数のR34のうち、少なくとも1つは、上記反応性基である。
上記反応性基としては、−H、−OR35(R35は炭素数1〜4のアルキル基)、ハロゲン原子、−OH、−O−CR35=CH(R35は上記のとおり)、−OCOR35(R35は上記のとおり)、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−NR35 (R35は上記のとおり)及びこれらの基のいずれかを含む基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記反応性基以外の基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、及び、ハロゲン化アリール基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとして好適なものは、上述したとおりである。
上記シルセスキオキサン残基としては、次の基が挙げられる。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、R37は、各々独立して、一価の基であり、各基が有するR37のうち、少なくとも1つは反応性基、pは独立して0〜5000の整数である)
各基に含まれる複数のR37は、各々独立して、一価の基であり、上記反応性基であってもよいし、上記反応性基以外の基であってもよい。但し、各基に含まれる複数のR37のうち、少なくとも1つは、上記反応性基である。
上記反応性基としては、−H、−OR35(R35は炭素数1〜4のアルキル基)、ハロゲン原子、−OH、−O−CR35=CH(R35は上記のとおり)、−OCOR35(R35は上記のとおり)、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−NR35 (R35は上記のとおり)及びこれらの基のいずれかを含む基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記反応性基以外の基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、及び、ハロゲン化アリール基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとして好適なものは、上述したとおりである。
及びXのいずれか一方又は両方は、上述したポリエーテル鎖を含む一価の有機基及び上記架橋性基とは異なる基であってもよい。
すなわち、Xは、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
また、Xは、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
また、X及びXは、独立に、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
上記シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)としては、次の基が挙げられる。なお、上記反応性基とは、R37を構成し得る反応性基として例示したものである。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、R41は、各々独立して、一価の反応性基以外の基である)
上記反応性基以外の基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、及び、ハロゲン化アリール基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとしては、単結合、アルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む二価の基が好ましく、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む炭素数1〜10の二価の炭化水素基がより好ましい。
として、具体的には、−C−、−C−、−C−O−CH−、−CO−O−CH−CH(OH)−CH−等が挙げられる。
上記シルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)としては、次の基が挙げられる。なお、上記反応性基とは、R37を構成し得る反応性基として例示したものである。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、R41は、各々独立して、一価の反応性基以外の基、pは独立して0〜5000の整数である)
上記反応性基以外の基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、及び、ハロゲン化アリール基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとして好適なものは、上述したとおりである。
上記シラザン基としては、次の基が挙げられる。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
(各式中、Lは単結合又は二価の連結基、mは2〜100の整数、nは100以下の整数、R42は、各々独立して、H、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アルキルシリル基、アルキルシアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基)
は、式(1)の環に直接結合する単結合又は二価の連結基である。Lとしては、単結合、アルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む二価の基が好ましく、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は、エーテル結合及びエステル結合からなる群より選択される少なくとも1種の結合を含む炭素数1〜10の二価の炭化水素基がより好ましい。
として、具体的には、−C−、−C−、−C−O−CH−、−CO−O−CH−CH(OH)−CH−等が挙げられる。
上記シラザン基としては、具体的には、次の基が挙げられる。
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
Figure 2018203990
本発明の化合物において、Rの平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜30,000、好ましくは1,500〜30,000、より好ましくは2,000〜10,000である。
本発明の化合物は、特に限定されるものではないが、5×10〜1×10の平均分子量を有し得る。なかでも、好ましくは2,000〜30,000、より好ましくは2,500〜12,000の平均分子量を有することが、耐UV性および摩擦耐久性の観点から好ましい。なお、本発明において「平均分子量」は数平均分子量を言い、「平均分子量」は、19F−NMRにより測定される値とする。
次に本発明の化合物の製造方法を説明する。本発明の化合物は、式:
Figure 2018203990
(式中、X及びXは上述したとおり、L21は単結合又は二価の連結基)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物と、式:R21−X21(式中、R21は、−O−L21−とともに、上述したRを構成する一価の有機基、X21はCl、Br又はI)とを、反応させることにより製造できる。
21は、−O−L21−とともに、上述したRを構成するので、上記ポリエーテル鎖を含むことは当然である。この反応によれば、R21−O−L21−で表される一価の有機基が生じる。R21としては、R−(OR−L22−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、L22は、−O−L21−とともに、上述したLを構成する単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基がより好ましい。
本発明の化合物は、また、式:
Figure 2018203990
(式中、X及びXは上述したとおり、L23は単結合又は二価の連結基)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物と、式:R22−COOH(式中、R22は、−COO−CHCH(OH)−L23−とともに、上述したRを構成する一価の有機基)とを、反応させることにより製造できる。
22は、−COO−CHCH(OH)−L23−とともに、上述したRを構成するので、上記ポリエーテル鎖を含むことは当然である。この反応によれば、R22−COO−CHCH(OH)−L23−で表される一価の有機基が生じる。R22としては、R−(OR−L24−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、L24は、−COO−CHCH(OH)−L23−とともに、上述したLを構成する単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基が好ましい。
本発明の化合物は、また、式:
Figure 2018203990
(式中、X及びXは上述したとおり、L25は単結合又は二価の連結基、X25はCl、Br又はI)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物と、式:R23−OH(式中、R23は、−O−L25−とともに、上述したRを構成する一価の有機基)とを、反応させることにより製造できる。
23は、−O−L25−とともに、上述したRを構成するので、上記ポリエーテル鎖を含むことは当然である。この反応によれば、R23−O−L25−で表される一価の有機基が生じる。R23としては、R−(OR−L26−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、L26は、−O−L25−とともに、上述したLを構成する単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基がより好ましい。
本発明の化合物は、また、式:
Figure 2018203990
(式中、X及びXは上述したとおり、L27は単結合又は二価の連結基)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物と、式:R24−OH(式中、R24は、−O−CHCH(OH)−L27−とともに、上述したRを構成する一価の有機基)とを、反応させることにより製造できる。
24は、−O−CHCH(OH)−L27−とともに、上述したRを構成するので、上記ポリエーテル鎖を含むことは当然である。この反応によれば、R24−O−CHCH(OH)−L27−で表される一価の有機基が生じる。R24としては、R−(OR−L28−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、L28は、−O−CHCH(OH)−L27−とともに、上述したLを構成する単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基が好ましい。
本発明の化合物は、また、式:
Figure 2018203990
(式中、X及びXは上述したとおり、L29は単結合又は二価の連結基)で表されるイソシアヌル酸誘導体化合物と、式:R25−O−SO26(式中、R25は、−L29−とともに、上述したRを構成する一価の有機基、R26は、アルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、R25−X26(式中、R25は上述したとおり、X26はCl、Br又はI)とを、反応させることにより製造できる。
25は、−L29−とともに、上述したRを構成するので、上記ポリエーテル鎖を含むことは当然である。この反応によれば、R25−L29−で表される一価の有機基が生じる。R25としては、R−(OR−L30−((ORは上記ポリエーテル鎖、Rはアルキル基又はフッ素化アルキル基、L30は、−L29−とともに、上述したLを構成する単結合又は二価の連結基)で表される一価の有機基がより好ましい。
及びXのいずれか一方又は両方が上記架橋性基である場合、上記のいずれの反応であっても、上記反応の終了後に、上記架橋性基と他の化合物とを反応させてもよい。例えば、Xが二重結合を含有する基(好ましくはアリル基)である場合は、Xの二重結合と式:H−{Si(R(R(R(R(式中、R、R、R、R、s、t、u、v及びnは上述したとおり)で表される化合物とを反応させて、式:−L−{Si(R(R(R(R(式中、L、R、R、R、R、s、t、u、v及びnは上述したとおり)で表される構造を化合物中に導入できる。
また、上述した製造方法のうち、R22−COO−CHCH(OH)−L23−で表される一価の有機基、又は、R24−O−CHCH(OH)−L27−で表される一価の有機基を生じさせる方法では、式:H−{Si(R(R(R(Rで表される化合物が上記有機基中のOH基とも反応するので、−O−{Si(R(R(R(Rで表される構造を化合物中に導入できる。
また、Xが二重結合を含有する基(好ましくはアリル基)である場合は、メタクロロ過安息香酸、過酢酸、過酸化水素等の酸化剤を用いた酸化や、触媒を用いた直接空気酸化を行い、Xの二重結合をエポキシ化することにより、エポキシ基を含む基を化合物中に導入できる。
更に、Xが二重結合を含有する基(好ましくはアリル基)である場合は、Xの二重結合とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させて、アクリロイル基を含む基又はメタクリロイル基を含む基を化合物中に導入できる。
本発明の化合物は、種々の用途に使用し得る。次に、本発明の化合物の用途の例を説明する。
本発明の化合物は、重合性コーティング剤モノマーとともに使用できる。上述の化合物、及び、重合性コーティング剤モノマーを含むことを特徴とする組成物も本発明の1つである(本明細書において組成物(a)ということがある)。組成物(a)は、上記構成を有することから、水又はn−ヘキサデカンに対する静的接触角が大きく、透明であり、離形性に優れ、指紋が付きにくく、指紋が付いても完全に拭き取ることができる塗膜が得られる。
組成物(a)には、上記化合物のうち、Xが光架橋性を有する一価の架橋性基であるものが、好適である。
上記重合性コーティング剤モノマーとしては、炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましい。
上記重合性コーティング剤モノマーとしては、例えば、特に限定されるものではないが、単官能および/または多官能アクリレートおよびメタクリレート(以下、アクリレートおよびメタクリレートを合わせて、「(メタ)アクリレート」とも言う)、単官能および/または多官能ウレタン(メタ)アクリレート、単官能および/または多官能エポキシ(メタ)アクリレートである化合物を含有する組成物を意味する。当該マトリックスを形成する組成物としては、特に限定されるものではないが、一般的にハードコーティング剤または反射防止剤とされる組成物であり、例えば多官能性(メタ)アクリレートを含むハードコーティング剤または含フッ素(メタ)アクリレートを含む反射防止剤が挙げられる。当該ハードコーティング剤は、例えば、ビームセット502H、504H、505A−6、550B、575CB、577、1402(商品名)として荒川化学工業株式会社から、EBECRYL40(商品名)としてダイセルサイテック株式会社から、HR300系(商品名)として横浜ゴム株式会社から市販されている。当該反射防止剤は、例えばオプツールAR−110(商品名)としてダイキン工業株式会社から市販されている。
組成物(a)は、さらに、酸化防止剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、シリカなどの無機微粒子、アルミニウムペースト、タルク、ガラスフリット、金属粉などの充填剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フェノチアジン(PTZ)などの重合禁止剤などを含んでいてもよい。
組成物(a)は、更に、溶媒を含むことが好ましい。上記溶媒としては、フッ素含有有機溶媒又はフッ素非含有有機溶媒が挙げられる。
上記フッ素含有有機溶媒としては、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロデカリン、パーフルオロアルキルエタノール、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロアルキルアミン(フロリナート(商品名)等)、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、ポリフルオロ脂肪族炭化水素(アサヒクリンAC6000(商品名))、ハイドロクロロフルオロカーボン(アサヒクリンAK−225(商品名)等)、ハイドロフルオロエーテル(ノベック(商品名)、HFE−7100(商品名)、HFE−7300(商品名)等)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、含フッ素アルコール、パーフルオロアルキルブロミド、パーフルオロアルキルヨージド、パーフルオロポリエーテル(クライトックス(商品名)、デムナム(商品名)、フォンブリン(商品名)等)、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、メタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル、パーフルオロアルキルエチレン、フロン134a、およびヘキサフルオロプロペンオリゴマーが挙げられる。
上記フッ素非含有有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、二硫化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ダイグライム、トリグライム、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、2−ブタノン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、メタノール、およびジアセトンアルコールが挙げられる。
なかでも、上記溶媒として、好ましくは、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサデカン、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、ジアセトンアルコールまたは2−プロパノールである。
上記溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記溶媒は組成物(a)中に、30〜95質量%の範囲で用いられることが好ましい。より好ましくは50〜90質量%である。
例えば、組成物(a)を基材に塗布することにより、防汚層を形成することができる。また、塗布した後、重合することによって、防汚層を形成することも可能である。上記基材としては、樹脂(特に、非フッ素樹脂)、金属、金属酸化物などが挙げられる。
上記金属酸化物としては、ガラスなどが挙げられる。
上記基材がガラスである場合は、上記基材と上記防汚層との接着性の点から、X及びXのいずれか一方又は両方が上記架橋性基であることが好ましい。より好ましくはX及びXのいずれか一方又は両方が一価のSi含有基であり、さらに好ましくはX及びXのいずれか一方又は両方が含シラン反応性架橋基である。
本発明の化合物は、硬化性樹脂又は硬化性モノマーとともに使用できる。上述の化合物、及び、硬化性樹脂又は硬化性モノマーを含むことを特徴とする組成物も本発明の1つである(本明細書において組成物(b)ということがある)。組成物(b)は、上記構成を有することから、指紋が付きにくく、指紋が付いても完全に拭き取ることができる塗膜が得られる。
上記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、耐熱性、強度を有する樹脂であれば特に制限されないが、光硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
上記硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、環状ポリオレフィン系ポリマー、含フッ素ポリオレフィン系ポリマー(PTFE等)、含フッ素環状非結晶性ポリマー(サイトップ(登録商標)、テフロン(登録商標)AF等)などが挙げられる。
上記硬化性樹脂又は上記硬化性樹脂を構成するモノマーとして具体的には、例えば、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルピバレート、各種(メタ)アクリレート類:フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロール、プロパントリアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレートシリコン系のアクリレート、無水マレイン酸、ビニレンカーボネート、鎖状側鎖ポリアクリレート、環状側鎖ポリアクリレートポリノルボルネン、ポリノルボルナジエン、ポリカーボネート、ポリスルホン酸アミド、含フッ素環状非結晶性ポリマー(サイトップ(登録商標)、テフロン(登録商標)AF等)等が挙げられる。
上記硬化性モノマーは、光硬化性モノマー、熱硬化性モノマーのいずれであってもよいが、紫外線硬化性モノマーが好ましい。
上記硬化性モノマーとしては、例えば、(a)ウレタン(メタ)アクリレート、(b)エポキシ(メタ)アクリレート、(c)ポリエステル(メタ)アクリレート、(d)ポリエーテル(メタ)アクリレート、(e)シリコン(メタ)アクリレート、(f)(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。
上記硬化性モノマーとして具体的には、以下の例が挙げられる。
(a)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートに代表されるポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕イソシアヌレートが挙げられる。
(b)エポキシ(メタ)アクリレートはエポキシ基に(メタ)アクリロイル基を付加したものであり、出発原料としてビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、脂環化合物を用いたものが一般的である。
(c)ポリエステル(メタ)アクリレートのポリエステル部を構成する多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられ、多塩基酸としては、フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット酸、イタコン酸、コハク酸、テレフタル酸、アルケニルコハク酸などが挙げられる。
(d)ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(e)シリコン(メタ)アクリレートは、分子量1,000〜10,000のジメチルポリシロキサンの片末端、あるいは、両末端を(メタ)アクリロイル基で変性したものであり、例えば、以下の化合物などが例示される。
Figure 2018203990
(f)(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが例示される。
上記硬化性樹脂及び硬化性モノマーの内、市場から入手可能で好ましいものとしては以下のものが挙げられる。
上記硬化性樹脂としては、シリコン樹脂類PAK−01、PAK−02(東洋合成化学社製)、ナノインプリント樹脂NIFシリーズ(旭硝子社製)、ナノインプリント樹脂OCNLシリーズ(東京応化工業社製)、NIAC2310(ダイセル化学工業社製)、エポキシアクリレート樹脂類EH−1001、ES−4004、EX−C101、EX−C106、EX−C300、EX−C501、EX−0202、EX−0205、EX−5000など(共栄社化学社製)、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート類、スミジュールN−75、スミジュールN3200、スミジュールHT、スミジュールN3300、スミジュールN3500(住友バイエルンウレタン社製)などが挙げられる。
上記硬化性モノマーの内、シリコンアクリレート系樹脂類としては、サイラプレーンFM−0611、サイラプレーンFM−0621、サイラプレーンFM−0625、両末端型(メタ)アクリル系のサイラプレーンFM−7711、サイラプレーンFM−7721及びサイラプレーンFM−7725等、サイラプレーンFM−0411、サイラプレーンFM−0421、サイラプレーンFM−0428、サイラプレーンFM−DA11、サイラプレーンFM−DA21、サイラプレーン−DA25、片末端型(メタ)アクリル系のサイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721、サイラプレーンFM−0725、サイラプレーンTM−0701及びサイラプレーンTM−0701T(JCN社製)等が挙げられる。
多官能アクリレート類としては、A−9300、A−9300−1CL、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMM−3LM−N、A−TMPT、A−TMMT(新中村工業社製)等が挙げられる。
多官能メタクリレート類としてTMPT(新中村工業社製)等が挙げられる。
アルコキシシラン基含有(メタ)アクリレートとしては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン(別名(トリイソプロポキシシリル)プロピルメタクリレート(略称:TISMA)およびトリイソプロポキシシリル)プロピルアクリレート)、3−(メタ)アクリルオキシイソブチルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリルオキシイソブチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシイソブチルトリイソプロポキ3−(メタ)アクリルオキシイソブチルトリメトキシシランシシラン等が挙げられる。
組成物(b)は、架橋触媒を含むことも好ましい。上記架橋触媒としては、ラジカル重合開始剤、酸発生剤等が例示される。
上記ラジカル重合開始剤は、熱や光によりラジカルを発生する化合物であり、ラジカル熱重合開始剤、ラジカル光重合開始剤が挙げられる。本発明においては、上記ラジカル光重合開始剤が好ましい。
上記ラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等のパーオキシド化合物、並びに、アゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等が挙げられる。
上記ラジカル光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等の−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミノ安息香酸類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン等のハロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。
上記ラジカル光重合開始剤の市販品としては、以下のものが例示される。
IRGACURE 651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
IRGACURE 184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
IRGACURE 2959:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
IRGACURE 127:2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
IRGACURE 907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
IRGACURE 369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
IRGACURE 379:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、
IRGACURE 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
IRGACURE 784:ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、
IRGACURE OXE 01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
IRGACURE OXE 02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、
IRGACURE261、IRGACURE369、IRGACURE500、
DAROCUR 1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、
DAROCUR TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
DAROCUR1116、DAROCUR2959、DAROCUR1664、DAROCUR4043、
IRGACURE 754 オキシフェニル酢酸:2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、
IRGACURE 500:IRGACURE 184とベンゾフェノンとの混合物(1:1)、
IRGACURE 1300:IRGACURE 369とIRGACURE 651との混合物(3:7)、
IRGACURE 1800:CGI403とIRGACURE 184との混合物(1:3)、
IRGACURE 1870:CGI403とIRGACURE 184との混合物(7:3)、
DAROCUR 4265:DAROCUR TPOとDAROCUR 1173との混合物(1:1)。
なお、IRGACUREはBASF社製であり、DAROCURはメルクジャパン社製である。
また、上記架橋触媒としてラジカル光重合開始剤を用いる場合には、増感剤として、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどを併用することもでき、重合促進剤として、DAROCUR EDB(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート)、DAROCUR EHA(2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート)などを併用しても良い。
上記増感剤を用いる場合の増感剤の配合量としては、上記硬化性樹脂若しくは上記硬化性モノマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜2質量部である。
また、上記重合促進剤を用いる場合の重合促進剤の配合量としては、上記硬化性樹脂若しくは上記硬化性モノマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜2質量部である。
上記酸発生剤は、熱や光を加えることによって酸を発生する材料であり、熱酸発生剤、光酸発生剤が挙げられる。本発明においては、光酸発生剤が好ましい。
上記熱酸発生剤としては、例えば、ベンゾイントシレート、ニトロベンジルトシレート(特に、4−ニトロベンジルトシレート)、他の有機スルホン酸のアルキルエステル等が挙げられる。
上記光酸発生剤は、光を吸収する発色団と分解後に酸となる酸前駆体とにより構成されており、このような構造の光酸発生剤に特定波長の光を照射することで、光酸発生剤が励起し酸前駆体部分から酸が発生する。
上記光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、CFSO、p−CHPhSO、p−NOPhSO(ただし、Phはフェニル基)等の塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、またはスルホン酸エステル等が挙げられる。その他、光酸発生剤として、2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリハロメチル−5−アリール−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリハロメチル−5−ヒドロキシフェニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物なども挙げられる。
なお、上記有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化水素酸(例えば、塩化水素)を形成する化合物である。
上記光酸発生剤の市販品として以下のものが例示される。
和光純薬工業社製のWPAG−145[ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン]、WPAG−170[ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン]、WPAG−199[ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン]、WPAG−281[トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート]、WPAG−336[ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート]、WPAG−367[ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート]、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIRGACURE PAG103[(5−プロピルスルホニルオキシミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、IRGACURE PAG108[(5−オクチルスルホニルオキシミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル)]、IRGACURE PAG121[(5−p−トルエンスルホニルオキシミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、IRGACURE PAG203、CGI725、三和ケミカル社製のTFE−トリアジン[2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン]、TME−トリアジン[2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリ−クロロメチル)−s−トリアジン]MP−トリアジン[2−(メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン]、ジメトキシ[2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリ−クロロメチル)−s−トリアジン]。
上記架橋触媒の配合量としては、上記硬化性樹脂若しくは上記硬化性モノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。このような範囲であると、充分な硬化体が得られる。上記架橋触媒の配合量としてより好ましくは、0.3〜5質量部であり、更に好ましくは、0.5〜2質量部である。
また、上記架橋触媒として上記酸発生剤を用いる場合には、必要に応じて酸捕捉剤を添加することにより、上記酸発生剤から発生する酸の拡散を制御してもよい。
上記酸捕捉剤としては、特に制限されないが、アミン(特に、有機アミン)、塩基性のアンモニウム塩、塩基性のスルホニウム塩などの塩基性化合物が好ましい。これらの酸捕捉剤の中でも、有機アミンが、画像性能が優れる点でより好ましい。
上記酸捕捉剤としては、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ピリジニウムp−トルエンスルホナート、2,4,6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、及びテトラブチルアンモニウムラクテート、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の有機アミンが好ましい。
上記酸捕捉剤の配合量は、上記酸発生剤100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部であり、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
組成物(b)は、溶媒を含むものであってもよい。上記溶媒としては、水溶性有機溶媒、有機溶媒(特に、油溶性有機溶媒)、水等が挙げられる。
上記水溶性有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコール、3−メトキシブチルアセテート(MBA)、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、乳酸エチル、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
上記有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、HFC141b、HCHC225、ハイドロフルオロエーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。
これら溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒としては、レジスト組成物に含まれる成分の溶解性、安全性の観点から、特にPGMEA、MBAが好ましい。
上記溶媒は組成物(b)中に、30〜95質量%の範囲で用いられることが好ましい。より好ましくは50〜90質量%である。
例えば、組成物(b)を基材に塗布することにより、レジスト膜を形成できる。上記基材の材料としては、シリコン、合成樹脂、ガラス、金属、セラミック等が挙げられる。
上記合成樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
上記レジスト膜は、ナノインプリントに使用可能である。たとえば、上記レジスト膜に、微細パターンを表面に形成したモールドを押し付けて微細パターンを転写する工程、該転写パターンが形成された上記レジスト膜を硬化させて転写パターンを有するレジスト硬化物を得る工程、及び、該レジスト硬化物をモールドから離型する工程、を含む製造方法により、パターン転写されたレジスト硬化物を得ることができる。
本発明の化合物は、溶媒とともに使用できる。上述の化合物、及び、溶媒を含むことを特徴とする組成物も本発明の1つである(本明細書において組成物(c)ということがある)。
組成物(c)において、上記化合物の濃度としては、0.001〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%が更に好ましい。
上記溶媒としては、フッ素系溶媒が好ましい。上記フッ素系不活性溶剤としては、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)等を挙げることができる。
組成物(c)は、含フッ素オイルを含むことも好ましい。上記含フッ素オイルとしては、
式:R111−(R112O)−R113
(R111及びR113は、独立に、F、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜16のフッ素化アルキル基、−R114−X111(R114は単結合又は炭素数1〜16のアルキレン基、X111は−NH、−OH、−COOH、−CH=CH、−OCHCH=CH、ハロゲン、リン酸、リン酸エステル、カルボン酸エステル、チオール、チオエーテル、アルキルエーテル(フッ素で置換されていてもよい)、アリール、アリールエーテル、アミド)、R112は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基、mは2以上の整数)で表される化合物がより好ましい。
111及びR113としては、独立に、F、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフッ素化アルキル基又は−R114−X111(R114及びX111は上述のとおり)が好ましく、F、炭素数1〜3の完全フッ素化アルキル基又は−R114−X111(R114は単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基、X111は−OH又は−OCHCH=CH)がより好ましい。
mとしては、300以下の整数が好ましく、100以下の整数がより好ましい。
112としては、炭素数1〜4の完全フッ素化アルキレン基が好ましい。−R112O−としては、例えば、
式:−(CX112 CFCFO)n111(CF(CF)CFO)n112(CFCFO)n113(CFO)n114(CO)n115
(n111、n112、n113、n114及びn115は、独立に、0又は1以上の整数、X112はH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表されるもの、
式:−(OC−R118
(R118は、OC、OCおよびOCから選択される基であり、fは、2〜100の整数である)で表されるもの
等が挙げられる。
n111〜n115は、それぞれ、0〜200の整数であることが好ましい。n111〜n115は、合計で、1以上であることが好ましく、5〜300であることがより好ましく、10〜200であることが更に好ましく、10〜100であることが特に好ましい。
118は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記fは、2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数である。上記式中、OC、OCおよびOCは、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、式:−(OC−R118−は、好ましくは、式:−(OC−OC−または式:−(OC−OC−である。
上記フルオロポリエーテルは、重量平均分子量が500〜100000であることが好ましく、50000以下がより好ましく、10000以下が更に好ましく、6000以下が特に好ましい。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、測定することができる。
市販されている上記フルオロポリエーテルとしては、商品名デムナム(ダイキン工業社製)、フォンブリン(ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン社製)、バリエルタ(NOKクリューバー社製)、クライトックス(デュポン社製)などが挙げられる。
組成物(c)を使用して、基材上に離型層を形成できる。上記離型層は、組成物(c)に上記基材を浸漬する方法、組成物(c)の蒸気に上記基材を暴露し蒸着させる方法、上記組成物(c)を上記基材に印刷する方法、インクジェットを用いて上記組成物(c)を上記基材に塗布する方法等が挙げられる。上記浸漬、上記蒸着、上記印刷、上記塗布の後に、乾燥させてもよい。上記基材として、凹凸パターンが形成されたモールドが使用でき、離型層が形成された上記モールドは、ナノインプリントに使用可能である。
及びXのいずれか一方又は両方を上記架橋性基とした場合、上記離型層を上記基材に強固に接着可能である。
また、X及びXの両方を上記架橋性基とは異なる基とした場合、上記離型層を上記基材から容易に除去することができる。例えば、上記離型層を上記モールド上に形成してナノインプリントに使用すれば、転写物に上記化合物を付着させて離型性を付与できる。
上記基材としては、例えば、金属、金属酸化物、石英、シリコーン等の高分子樹脂、半導体、絶縁体、又はこれらの複合体などが挙げられる。
本発明は、上述の化合物、又は、上述の組成物を含むことを特徴とする防汚剤でもある。
上記防汚剤は、樹脂(特に、非フッ素樹脂)、金属、ガラス等の基材に塗布して使用できる。
上記防汚剤は、表面防汚性、膨潤性を必要とする物品(特に、光学材料)にさまざま使用できる。物品の例としては、PDP、LCDなどディスプレーの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板、携帯電話、携帯情報端末などの機器、タッチパネルシート、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスク、メガネレンズ、光ファイバーなどが挙げられる。
光ディスクなどの光学材料は、炭素−炭素二重結合含有組成物中、または炭素−炭素二重結合含有組成物からなる重合物中、炭素−炭素二重結合含有組成物および炭素−炭素二重結合含有モノマーの重合物中のパーフルオロポリエーテル(PFPE)含有量が0.01重量%〜10重量%となるように添加されて形成された皮膜により表面コーティングされていることが好ましい。0.01重量%〜10重量%では、PFPE添加の特長的な物性(防汚等)が現われ、表面硬度が高く、かつ透過率が高い。
本発明は、上述の化合物、又は、上述の組成物を含むことを特徴とする離型剤でもある。
上記離型剤からは、基材上に離型層を形成できる。上記離型層は、上記離型剤に上記基材を浸漬する方法、上記離型剤の蒸気に上記基材を暴露し蒸着させる方法、上記組成物を上記基材に印刷する方法、インクジェットを用いて上記組成物を上記基材に塗布する方法等が挙げられる。上記浸漬、上記蒸着、上記印刷、上記塗布の後に、乾燥させてもよい。上記基材として、凹凸パターンが形成されたモールドが使用でき、離型層が形成された上記モールドは、ナノインプリントに使用可能である。
上記基材としては、例えば、金属、金属酸化物、石英、シリコーン等の高分子樹脂、半導体、絶縁体、又はこれらの複合体などが挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例において、以下に示される化学式はすべて平均組成を示し、パーフルオロポリエーテルを構成する繰り返し単位(例えば、−CFCFCFO−、−CFCFO−、−CFO−)の存在順序は任意である。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
(静的接触角)
静的接触角は全自動接触角計DropMaster700(協和界面科学社製)を用いて次の方法で測定した。
<静的接触角の測定方法>
静的接触角は、水平に置いた基板にマイクロシリンジから水又はn−ヘキサデカンを2μL滴下し、滴下1秒後の静止画をビデオマイクロスコープで撮影することにより求めた。
実施例1 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(A)の製造方法
反応器にCFCFCFO−(CFCFCFO)11−CFCFCHOH 34gと1,3−ジアリル−5−(2−クロロエチル)イソシアヌレート6gをm−ヘキサフルオロキシレンとジエチレングリコールジメチルエーテルの混合溶媒に溶解させた。水酸化カリウム20重量%水溶液20gとテトラブチルアンモニウムブロマイド4gを加え、攪拌しながら加熱した。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液を濃縮し抽出する事によりPFPE含化合物(A)を得た。
PFPE含化合物(A):
Figure 2018203990
実施例2 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(B)の製造方法
実施例1の1,3−ジアリル−5−(2−クロロエチル)イソシアヌレート6gを1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート6.2gに変更した以外は、実施例1と同様にして、PFPE含化合物(B)を得た。
PFPE含化合物(B):
Figure 2018203990
実施例3 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(C)の製造方法
1,3−ジアリル−イソシアヌル酸2.0gをm−ヘキサフルオロキシレンとジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解させた。炭酸カリウム1.0gを加え、攪拌しながら加熱した。m−ヘキサフルオロキシレンに溶解したCFCFCFO−(CFCFCFO)23−CFCFCH−トリフルオロメタンスルホン酸エステル4.0gを加え更に加熱、撹拌を続けた。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液に純水を加え、分液する事によりPFPE含化合物(C)を得た。
PFPE含化合物(C):
Figure 2018203990
実施例4 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(D)の製造方法
実施例3のCFCFCFO−(CFCFCFO)23−CFCFCH−トリフルオロメタンスルホン酸エステル4.0gをCFCFCFO−(CFCFCFO)11−CFCFCHCl、8.0gに変えた以外は、実施例3と同様にしてPFPE含化合物(D)を得た。
実施例5 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(E)の製造方法
反応器にm−ヘキサフルオロキシレン30mlとメタクロロ過安息香酸11.1gを入れ撹拌しながら60℃まで昇温した。これにPFPE含化合物(D)10gを10mlのm−ヘキサフルオロキシレンに溶解したものを滴下した。その後、60℃で攪拌した。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液は室温に戻し、析出した白色固形分を濾別し濾液を20mlまで濃縮した。析出した白色固体はジエチルエーテル10mlを加え溶解し下層のオイル分を分取した。オイル分より残留溶媒を留去する事によりPFPE含化合物(E)を得た。
PFPE含化合物(E):
Figure 2018203990
実施例6 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(F)の製造方法
2−ヒドロキシエチルアクリレート2.0gをm−ヘキサフルオロキシレンとジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解させた。炭酸カリウム1.0gを加え、40℃に昇温し攪拌した。この反応液にm−ヘキサフルオロキシレンに溶解したPFPE含化合物(E)4.0gを加え更に加熱、撹拌を続けた。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液に純水を加え、分液する事によりPFPE含化合物(F)を得た。
PFPE含化合物(F):
Figure 2018203990
<硬化膜の特性評価>
ビームセット575CB(荒川化学工業社製)6.0gに光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASF社製)120mg、PFPE含化合物(A)、(B)、(D)、(E)、(F)が全体の2質量%となるよう加え、遮光下、回転ミキサーにて一昼夜攪拌し、PFPE含有ハードコート材料1〜5とした。PFPE含化合物(A)、(B)、(D)、(E)、(F)をDAC−HP(ダイキン工業株式会社製)に変更した以外は、上記と同様にして得られたハードコート材料を比較例1とした。PFPE含化合物未添加のビームセット575CB(荒川化学工業社製)のみのハードコート材料を比較例2とした。
スライドガラス上に各ハードコート材料10μLを載せ、バーコーターにて均一な塗膜を形成した。これに窒素雰囲気下365nmのUV光を含む光線を500mJ/cmの強度で照射し、各ハードコート材料を硬化させて硬化膜を得た。これら硬化膜の静的接触角を測定した。
(外観)
硬化膜の外観は目視にて確認した。評価は、つぎの基準とした。
○:透明
×:白化
(離形性)
硬化膜の離形性はテープ剥離試験にて評価した。評価は、つぎの基準とした。
○:容易に剥離するか、粘着しない。
×:テープの粘着層が付着する。
(指紋付着性)
硬化膜に指を押し付け、指紋の付きやすさを目視で判定した。評価は、つぎの基準とした。
○:指紋が付きにくいか、付いても指紋が目立たない。
×:明確に指紋が付着する。
(指紋拭き取り性)
上記の指紋付着性試験後、付着した指紋をキムワイプ(商品名。十條キンバリー(株)製)で5往復拭き取り、付着した指紋の拭き取りやすさを目視で判定した。評価はつぎの基準とした。
○:指紋を完全に拭き取ることができる。
×:指紋の拭取り跡が拡がり、除去することが困難である。
それぞれの評価において得られた結果を表1に示す。
Figure 2018203990
実施例7 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(G)の製造方法
PFPE含化合物(C)を10.1g、m−ヘキサフルオロキシレンを40g、トリアセトキシメチルシランを0.04g、トリクロロシランを1.93g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.115ml加えた後、4時間加熱撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.23gとオルトギ酸トリメチル6.1gの混合溶液を加えた後、3時間加熱撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(G)9.9gを得た。
PFPE含化合物(G):
Figure 2018203990
実施例8 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(H)の製造方法
PFPE含化合物(A)を10.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを30g、トリアセトキシメチルシランを0.06g、トリクロロシランを3.85g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.210ml加えた後、3時間加熱撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.31gとオルトギ酸トリメチル7.5gの混合溶液を加えた後、3時間加熱撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(H)9.8gを得た。
PFPE含化合物(H):
Figure 2018203990
実施例9 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(I)の製造方法
実施例8のPFPE含化合物(A)をPFPE含化合物(B)に変更し、トリクロロシランの仕込み量を4.75gに変更した以外は、実施例8と同様にして、PFPE含化合物(I)を得た。
PFPE含化合物(I):
Figure 2018203990
実施例10 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(J)の製造方法
PFPE含化合物(D)を10.2g、m−ヘキサフルオロキシレンを30g、トリアセトキシメチルシランを0.06g、トリクロロシランを3.85g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.220ml加えた後、4時間加熱撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.30gとオルトギ酸トリメチル7.5gの混合溶液を加えた後、3時間加熱撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(J)10.0gを得た。
PFPE含化合物(J):
Figure 2018203990
実施例11 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(L)の製造方法
反応器にCFO−(CFCFO)(CFO)CFCHOH(m=22、n=19)33gと1,3−ジアリル−5−(2−クロロエチル)イソシアヌレート7.1gをm−ヘキサフルオロキシレンとジエチレングリコールジメチルエーテルの混合溶媒に溶解させた。水酸化カリウム20重量%水溶液15gとテトラブチルアンモニウムブロマイド3gを加え、攪拌しながら加熱した。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液を濃縮し抽出する事によりPFPE含化合物(K)を得た。
PFPE含化合物(K):
Figure 2018203990
続いて、実施例7のPFPE含化合物(C)をPFPE含化合物(K)に変更した以外は、実施例7と同様にして、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(L)9.6gを得た。
PFPE含化合物(L):
Figure 2018203990
実施例12 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(N)の製造方法
1,3−ジアリル−イソシアヌル酸2.0gをm−ヘキサフルオロキシレンとジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解させた。炭酸カリウム1.0gを加え、攪拌しながら加熱した。m−ヘキサフルオロキシレンに溶解したCFO−(CFCFO)(CFO)CFCH−トリフルオロメタンスルホン酸エステル(m=22、n=19)4.0gを加え更に加熱、撹拌を続けた。反応の終点は19F−NMRとH−NMRによって確認した。反応液に純水を加え、分液する事によりPFPE含化合物(M)を得た。
PFPE含化合物(M):
Figure 2018203990
続いて、実施例7のPFPE含化合物(C)をPFPE含化合物(M)に変更した以外は、実施例7と同様にして、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(N)9.8gを得た。
PFPE含化合物(N):
Figure 2018203990
実施例13 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(P)の製造方法
PFPE含化合物(C)を10.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを40g、トリアセトキシメチルシランを0.04g、トリクロロシランを1.93g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.115ml加えた後、4時間加熱撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、m−ヘキサフルオロキシレンを15g加え、氷浴下でアリルマグネシウムクロリドを1.0mol/L含むテトラヒドロフラン溶液を22ml加えた後、室温まで昇温させ、この温度にて10時間撹拌した。その後、5℃まで冷却し、メタノールを3ml加えた後、パーフルオロヘキサンを加えて、30分攪拌し、その後、分液ロートでパーフルオロヘキサン層を分取した。続いて、減圧下で揮発分を留去することにより、末端にアリル基を有するPFPE含化合物(O)9.4gを得た。
PFPE含化合物(O):
Figure 2018203990
続いて、PFPE含化合物(O)を9.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを30g、トリアセトキシメチルシランを0.08g、トリクロロシランを5.60g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.297ml加えた後、4時間加熱撹拌した。その後、減圧下で揮発分を留去した後、メタノール0.57gとオルトギ酸トリメチル14.1gの混合溶液を加えた後、3時間加熱撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(P)9.1gを得た。
PFPE含化合物(P):
Figure 2018203990
実施例14 パーフルオロポリエーテル(PFPE)含化合物(R)の製造方法
PFPE含化合物(M)を10.0g、m−ヘキサフルオロキシレンを45g、トリアセトキシメチルシランを0.04g、ジクロロメチルシランを1.41g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.136ml加えた後、加熱撹拌した。その後、揮発分を留去した後、ビニルマグネシウムクロリド(1.6MのTHF溶液)を15ml加えて室温で撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にメチルジビニルシリル基を有する下記のPFPE含化合物(Q)9.5gを得た。
PFPE含化合物(Q):
Figure 2018203990
続いて、PFPE含化合物(Q)を9.5g、m−ヘキサフルオロキシレンを42g、トリアセトキシメチルシランを0.04g、トリクロロシランを2.30g仕込み、10℃で30分間撹拌した。続いて、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液を0.230ml加えた後、4時間加熱撹拌した。その後、揮発分を留去した後、メタノール0.30gとオルトギ酸トリメチル7.56gの混合溶液を加えた後、加熱撹拌した。その後、精製を行うことにより、末端にトリメトキシシリル基を有する下記のPFPE含化合物(R)9.6gを得た。
PFPE含化合物(R):
Figure 2018203990
実施例15〜22
上記実施例7〜14で得たPFPE含化合物(G)、(H)、(I)、(J)、(L)、(N)、(P)、(R)を、濃度1mass%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製、ノベックHFE−7300)に溶解させて、表面処理剤(1)〜(8)を調製した。
比較例3〜5
PFPE含化合物(G)、(H)、(I)、(J)、(L)、(N)、(P)、(R)に変えて、下記対照化合物(1)〜(3)を用いたこと以外は、実施例15〜22と同様にして、比較表面処理剤(1)〜(3)を調製した。
対照化合物(1)
Figure 2018203990
対照化合物(2)
Figure 2018203990
対照化合物(3)
Figure 2018203990
上記で調製した表面処理剤(1)〜(8)と比較表面処理剤(1)〜(3)をスピンコーターにて化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に塗布した。
スピンコートの条件は、300回転/分で3秒間、2000回転/分で30秒であった。塗布基板を大気下、恒温槽内で140℃30分間加熱し、硬化膜が形成された。
<硬化膜の特性評価>
(初期評価)
まず、初期評価として、硬化膜形成後、その表面に未だ何も触れていない状態で、水の静的接触角を測定した。
(エタノール拭き後の評価)
次に、上記硬化膜をキムワイプ(商品名。十條キンバリー(株)製)にエタノールを十分に染み込ませて5往復拭いた後、乾燥させてから水の静的接触角を測定した。
(指紋付着性)
次に、上記硬化膜に指を押し付け、指紋の付きやすさを目視で判定した。評価は、つぎの基準とした。
○:指紋が付きにくいか、付いても指紋が目立たない。
△:指紋の付着が少ないが、その指紋は充分に確認できる。
×:未処理のガラス基板と同程度に明確に指紋が付着する。
(指紋拭き取り性)
上記の指紋付着性試験後、付着した指紋をキムワイプ(商品名。十條キンバリー(株)製)で5往復拭き取り、付着した指紋の拭き取りやすさを目視で判定した。評価はつぎの基準とした。
○:指紋を完全に拭き取ることができる。
△:指紋の拭取り跡が残る。
×:指紋の拭取り跡が拡がり、除去することが困難である。
上記の一連の評価結果を以下の表2にまとめた。
Figure 2018203990
表2に記載したとおり、実施例15〜22の硬化膜については、初期の撥水性が高く、エタノール拭き後も変化が無いことに加え、指紋付着性と指紋拭き取り性についても極めて良好な結果であった。

Claims (12)

  1. 式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    式(1):
    Figure 2018203990
    (式中、Rはポリエーテル鎖を含む一価の有機基、X及びXは、独立に、一価の基を表し、前記ポリエーテル鎖は、
    式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
    (式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である)
  2. 及びXの少なくとも一方又は両方は、独立に、ポリエーテル鎖を含む一価の有機基であり、前記ポリエーテル鎖は、
    式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
    (式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である請求項1記載の化合物。
  3. は、一価の架橋性基である請求項1記載の化合物。
  4. は、一価の架橋性基である請求項1又は2記載の化合物。
  5. 及びXは、独立に、一価の架橋性基である請求項1記載の化合物。
  6. は、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、前記ポリエーテル鎖は、
    式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
    (式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である請求項1記載の化合物。
  7. は、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、前記ポリエーテル鎖は、
    式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
    (式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である請求項1又は2記載の化合物。
  8. 及びXは、独立に、ポリエーテル鎖を含む一価の架橋性基であり、前記ポリエーテル鎖は、
    式:−(OC12m11−(OC10m12−(OCm13−(OC10 m14−(OCm15−(OCFm16
    (式中、m11、m12、m13、m14、m15およびm16は、独立に、0又は1以上の整数、X10は独立にH、F又はCl、各繰り返し単位の存在順序は任意である)で表される鎖である請求項1記載の化合物。
  9. 前記架橋性基は、一価のSi含有基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン基、イソシアネート基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホニル基、環状酸無水物基、ラクトン基、ラクタム基、−OC(O)Cl基、トリアジン基、イミダゾール基、共役オレフィン基、アセチレン基、ジアゾ基、アルデヒド基、ケトン基、アルキルホウ素基、アルキルアルミ基、アルキルスズ基、アルキルゲルマニウム基、アルキルジルコン基、及び、これらの基のいずれかを含む一価の基からなる群より選択される少なくとも1種の架橋性基である請求項3、4、5、6、7又は8記載の化合物。
  10. は、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の化合物。
  11. は、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の化合物。
  12. 及びXは、独立に、H、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン化アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキルエーテル基、アルキルアミド基、ハロゲン化アルキルアミド基、ウリル基、ハロゲン化ウリル基、ウレア基、ハロゲン化ウレア基、−OCOOR(Rはアルキル基又はハロゲン化アルキル基)、−CONRCOR(R及びRは独立にH、アルキル基又はハロゲン化アルキル基)、糖鎖を含む基、アルキレンポリエーテル基、アレーン基、ハロゲン化アレーン基、ヘテロ環を含む基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シリコーン残基(但し反応性基を有するものを除く)及びシルセスキオキサン残基(但し反応性基を有するものを除く)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の化合物。
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